JPH09296070A - ゴム廃棄物の再利用方法及び前記再利用方法による前記ゴム廃棄物からの再利用物 - Google Patents

ゴム廃棄物の再利用方法及び前記再利用方法による前記ゴム廃棄物からの再利用物

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JPH09296070A
JPH09296070A JP11086596A JP11086596A JPH09296070A JP H09296070 A JPH09296070 A JP H09296070A JP 11086596 A JP11086596 A JP 11086596A JP 11086596 A JP11086596 A JP 11086596A JP H09296070 A JPH09296070 A JP H09296070A
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rubber
rubber waste
softening agent
waste
water
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JP11086596A
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Masaru Nakahara
勝 中原
Heiji Enomoto
兵治 榎本
Mutsumi Kinoshita
睦 木下
Kenji Tsuda
健司 津田
Toshinari Tennou
俊成 天王
Emi Fujita
恵美 藤田
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Nishikawa Rubber Co Ltd
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Nishikawa Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫ゴムから有用物を再生する技術、より具
体的には、加硫ゴムから優れた品質のゴム用軟化剤を製
造する新技術と優れた品質のゴム用軟化剤を提供するこ
とにある。 【解決手段】 ゴム廃棄物に超臨界条件の高温高圧水を
所定時間混合・作用させた後、混合物を冷却し、液化し
た水は排出し、残留物から固形分を濾別し、濾過流出分
を回収する。より具体的には濾過流出分から分子量10
0未満の物質は除去し、その重量平均分子量が2000
00以下のものをゴム用軟化剤として再利用するゴム廃
棄物の再利用方法。および前記ゴム廃棄物の再利用方法
により優れた品質のゴム用軟化剤を提供すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム廃棄物から有
用物を回収し、再利用するゴム廃棄物の再利用方法およ
び該再利用方法によって得られる再利用物に関し、特に
前記回収物をゴム用軟化剤として再利用するゴム廃棄物
の再利用方法および該再利用方法によって得られるゴム
用軟化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来廃棄された加硫ゴム製品や加工中の
不良ゴム製品のようなゴム廃棄物は、必要ならば加硫ゴ
ム部分を選別し、該加硫ゴム部分を粉砕し、さらに繊維
等の加硫ゴム以外を除去し、得られた粉末状加硫ゴムを
以下に示すI)〜IV)を代表的方法とする回収方法によ
り処理した後、熱エネルギーとするか、再生ゴム製品に
加工するなどして再利用されてきた。すなわち、 I)そのまま燃焼させて熱エネルギーとして回収する
か、酸素を絶った状態で加熱して揮発分や流出分を回収
する、加熱により回収する方法。 II)界面活性剤を含有する水を加え、加熱下に粉末状ゴ
ムを洗浄して、界面活性剤の共存下に抽出できる添加剤
を抽出・除去し、洗浄粉末状ゴムを回収する。 III)パン法と呼ばれる化学的な処理方法、または蒸解法
と呼ばれる化学的な処理方法による回収法。 IV)リクレメータ法と呼ばれる押し出し機型の再生装置
を用いて再生する物理的な処理による回収法。 等の方法である。前記I)の加熱により回収する方法で
は、経済的価値の低下が大きい上、CO X やSOX など
の有害ガスが発生するので、大気汚染の原因となるとい
う問題点を含んでいる。また、II)の洗浄方法では、軟
化剤や酸化防止剤等のゴム添加物を除去できるに過ぎな
いので回収物の再利用の範囲が限定される他、添加した
界面活性剤が残存している状態では品質的に問題とな
る。さらに前記IV)の物理的な処理によっては、品質的
に劣った再生ゴムしか得られてないという問題点を含ん
でいる。
【0003】パン再生法は、加硫ゴム部分を粉砕し、さ
らに繊維等の加硫ゴム以外を除去し、得られた粉末状加
硫ゴム(以下単に前記粉末状加硫ゴムという。)に軟化
剤、粘着剤や再生剤を添加し、これら混合物を耐圧密閉
容器に入れ、水蒸気を吹き込んで加熱・洗浄し、水可溶
部分を抽出・除去した後、前記軟化剤、粘着剤や再生剤
の作用の助けにより再生ゴムを得る方法である。また、
蒸解再生法は、前記粉末状加硫ゴムに軟化剤の存在下
で、苛性ソーダ水溶液、あるいは塩化カルシウム水溶液
または塩化亜鉛水溶液を加え、加熱して加硫ゴムを脱硫
して再生ゴムを得る方法である。前記パン再生法あるい
は蒸解再生法では前記粉末状加硫ゴムから脱硫し、ゴム
分子を一部解重合して未加硫ゴムとすることができる
が、パン再生法では添加した軟化剤、粘着剤や再生剤が
再生ゴム中に残留するという問題点が、また蒸解再生法
では再生ゴム中から水酸化ナトリウム、塩化カルシウム
あるいは塩化亜鉛といった塩類を除去することは困難で
あり、同時に元の加硫ゴム製品から脱硫した硫黄化合物
の他、充填剤、酸化防止剤、軟化剤や加硫促進剤などの
添加剤が化学的変化を受けたものが残留物となり、得ら
れた再生ゴムの品質を劣化させるという問題点が残る。
【0004】一般的にゴム製品は、カーボンブラックを
主とする充填剤と共に生ゴムを混練し、加硫剤、加硫促
進剤、酸化防止剤、軟化剤等を添加して更に混練し、加
硫ゴムとして成形するという製造・加工方法によって生
産されるもので、目的とする製品の特性に応じて前記添
加物の種類を選択し、添加量を調整し、加工温度や時間
等を調節することによって製造するものである。このた
め、優れた品質のゴム製品を製造・加工するためには、
使用する生ゴムの品質や純度が良いものを使用する他、
この生ゴムに添加する加硫剤、加硫促進剤、酸化防止
剤、軟化剤等の添加剤の品質や純度が均一で、一定の水
準の品質のものであることが必要である。これに対し、
前記パン再生法あるいは蒸解再生法等により回収された
ものでは、ゴムや残留した加硫剤、加硫促進剤、酸化防
止剤、軟化剤等の添加剤は化学的処理を受けるため、変
質し、品質や純度が劣化しており、その上所要の種類の
添加剤を選択することができないので、これらからの回
収物を用いて高付加価値の再生ゴムを得ることには限界
がある。本発明者らは、前記粉末加硫ゴムを耐圧密閉容
器に入れ、耐圧密閉容器に水を導入し、加熱して耐圧密
閉容器中の水を超臨界条件の高温高圧水とし、その超臨
界条件の水により前記粉末加硫ゴムを洗浄することによ
り、加硫剤、加硫促進剤や酸化防止剤の水溶性のものは
水層に溶解させ分離し、優れた品質のゴム用軟化剤とし
て再利用できる方法を見いだし本発明に達した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加硫ゴム製
品を粉砕し、繊維等の加硫ゴム以外を除去し、得られた
粉末加硫ゴムから再生ゴムを得る技術における従来の前
記種々の問題点を解決し、従来のものより有用な物質と
して回収物を得、前記有用な物質を回収できる新しい技
術を提供することを課題とする。より具体的には、前記
粉末加硫ゴムから優れた品質のゴム用軟化剤を得るこ
と、及び優れた品質のゴム用軟化剤を製造する新技術を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来のものより有用な物
質を回収できる新しい技術を提供するという本発明の上
記課題は、本発明のゴム廃棄物の再利用方法によって達
成される。すなわち、 (1)ゴム廃棄物に超臨界条件の高温高圧水を所定時間
混合・作用させた後、混合物を冷却し、液化した水は排
出し、残留物から固形分を濾別し、濾過流出分を回収し
て再利用することを特徴とするゴム廃棄物の再利用方
法。 (2)前記濾過流出分から分子量100未満の物質は除
去し、その重量平均分子量が200000以下である
か、200000以下に調整したものをゴム用軟化剤と
して再利用することを特徴とする前記(1)に記載のゴ
ム廃棄物の再利用方法。 (3)前記濾過流出分から、前記ゴム廃棄物中のゴム組
成物を構成するゴムポリマーの主要な分子構造を持つも
のと前記ゴム廃棄物中のゴム用軟化剤の主要な分子構造
を持つものとの混合物よりなるものとして回収し、再利
用することを特徴とする前記(1)に記載のゴム廃棄物
の再利用方法。また、前記従来のものより有用な回収物
質は、以下に示す本発明のゴム廃棄物からの再利用物で
ある。すなわち、 (4)ゴム廃棄物に超臨界条件の高温高圧水を所定時間
混合・作用させた後、混合物を冷却し、液化した水は排
出し、残留物から固形分を濾別し、濾過流出分から分子
量100未満の物質は除去し、その重量平均分子量が2
00000以下であるか、200000以下に調整して
得られる重量平均分子量が100〜200000の物質
であることを特徴とする前記ゴム廃棄物からの再利用
物。 (5)前記ゴム廃棄物からの再利用物が、前記ゴム廃棄
物中のゴム組成物を構成するゴムポリマーの主要な分子
構造を持つものと前記ゴム廃棄物中のゴム用軟化剤の主
要な分子構造を持つものとの混合物よりなることを特徴
とする前記(4)に記載の前記ゴム廃棄物からの再利用
物。
【0007】前記(1)、(2)および(3)に記載の
ゴム廃棄物の再利用方法、及び前記(4)および(5)
に記載のゴム廃棄物からの再利用物において、ゴム廃棄
物は、ゴム廃棄物をそのままの状態で本発明の再利用方
法により処理しても良いが、好ましくは洗浄の前に加硫
ゴムを粉砕し、繊維等の加硫ゴム以外を除去し、粉末状
の加硫ゴムとすることは既に説明した通りである。本発
明の骨子は、超臨界条件の高温高圧力水(超臨界条件で
は水は中密度流体である。)を用いて、前記粉末加硫ゴ
ムを洗浄することによって、加硫ゴムの硫黄架橋を外
し、再利用に不都合な硫黄と硫黄化合物、酸化防止剤、
加硫促進剤等の中水溶性のものを洗い出すことにある。
超臨界条件の高温高圧力水では水分子は相互の水素結合
から開放され、単分子として活発に運動し、熱により分
子間間隙が大きくなった粉末加硫ゴムの中への浸透が飛
躍的に増大すること、及び超臨界条件の水の活性により
(濃度の高いアルカリ性イオンの存在がなくても)加硫
ゴムから効果的に脱硫を行うことができる。さらにこの
時、高温高圧力水の作用を受けることにより前記粉末加
硫ゴムの構成物質のうちゴムポリマーは、脱硫されると
共に低分子化するが、ゴム等の軟化剤はその分子量も変
化しないのが本発明の特徴である。
【0008】本発明において、前記超臨界条件の高温高
圧力水を所定時間混合・作用させた後、混合物を冷却す
ることにより、直鎖状ゴム分子、疎水性ゴム軟化剤等の
疎水性物は、固体状の添加剤であるカーボンブラック等
の粉末状固形物と共に、冷却して液状化した水と分離す
る。従って、前記疎水性の分離物を乾燥した後、固形物
を濾別して、ゴム用軟化剤とする。本発明において、前
記超臨界条件の高温高圧力水を所定時間混合・作用させ
て得られた前記疎水性の分離物から分子量100未満の
物質は除去しておくことが望ましい。分離物中に分子量
が100より低いものを含んでいると、そのものは分離
物をゴム用軟化剤として加硫ゴムの製造に使用すると、
加硫時の加熱による減量が著しいので好ましくない。ま
た、分離物の重量平均分子量が200000より高くな
るとゴム製造時分離物(油)の秤量等の作業性に支障が
生じることがあるので好ましくない。分離物の重量平均
分子量が200000以上の時は分子量100以上のゴ
ム用軟化剤等の添加剤を新たに添加して200000よ
り低い重量平均分子量とすれば良い。
【0009】本発明のゴム廃棄物の再利用方法は、天然
ゴム、ブタジエンゴム、SBRゴム、EPDMゴム等の
広範囲のゴムからの加硫ゴムの再生に適用することがで
きる。本発明のゴム廃棄物の再利用方法により得られた
ゴム用軟化剤は、本発明を適用した加硫ゴムと同じ種類
の加硫ゴムの軟化剤に適用することが望ましいが、その
適用は同じ種類の加硫ゴムに限られるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のゴム廃棄物の再利用方法
についてさらに詳細に説明する。ただし、以下に示す本
発明のゴム廃棄物の再利用方法の説明は、本発明の1例
の説明であり、本発明は以下の説明によって制限される
ものではない。先ず、くず加硫ゴムを粉砕し、繊維等の
加硫ゴム以外を除去し、粉末状の加硫ゴムとし、それを
適量の水と混合する。この時、加硫ゴムから洗い出され
る酸性物質を中和し、より水溶性にするために混合する
水に少量の苛性ソーダを添加して低規定の苛性ソーダ水
溶液としておくことが望ましい。水は、374.2℃、
圧力218.5気圧以上で臨界状態に達し、高温高圧力
の中密度流体となる。この状態にある水を超臨界条件に
ある水という。
【0011】前記本発明のゴム廃棄物の再利用方法にお
いて、前記粉末状の加硫ゴムと水を収納し、水の超臨界
条件において混合・作用させる(以下には単に処理する
ともいう。)ことは、回分式に行っても、連続的に行っ
ても良い。また、前記本発明のゴム廃棄物の再利用方法
において得られるゴム用軟化剤は、ゴムのみでなく、プ
ラスチック等の軟化剤としても使用可能である。本発明
において、粉末状の加硫ゴムと水を水の超臨界条件にお
ける処理を連続的に実施するために使用する装置として
は、処理装置に連続的に粉末状の加硫ゴムと水(以下に
は単に原料ともいう。)を供給し、作用終了の後冷却下
に処理後の混合物を処理装置から連続的に取り出すこと
ができる装置を使用すれば良く、そのような装置であれ
ば特に制限されない。前記処理装置に原料を連続的に供
給し、また処理装置から連続的に処理後の混合物を取り
出す方法としては、例えば処理装置の原料供給側と処理
後の混合物取り出し側にそれぞれ前室と後室を設け、前
室には常温、常圧下に原料を供給し、その後前室を大気
と遮断してから原料を処理装置内に搬入し、また処理後
の混合物は大気と遮断されている後室に搬出し、その後
後室を処理装置と遮断し、冷却してから後室から処理後
の混合物を搬出する方法等を例示することができる。
【0012】粉末状の加硫ゴムと374.2℃に加熱し
た時にその圧力が218.5気圧を越える量(これは、
常温において処理装置内の作用容積中に占める水の体積
充填率が0.15以上である量である。)の水(1規定
程度の弱いアルカリ性にすることが望ましい。)とを混
合して収納し、その内容物を400℃程度の高温にまで
加熱する。この温度に維持しながら、好ましくは内容物
を振蕩・混合させた状態で、所定時間、超臨界条件の水
で粉末状の加硫ゴムを洗浄すると、既に前記したよう
に、相互の水素結合から開放され、単分子として活発に
運動する水分子は、熱により分子間間隙が大きくなった
粉末加硫ゴムの中へ侵入し、ゴム分子間の硫黄分子によ
る架橋を外し、硫黄分子あるいは硫黄化合物分子を洗い
出す。同時に超臨界条件の水は、加硫ゴム中の親水性の
分子(酸化防止剤、加硫促進剤等)を洗い出す。
【0013】超臨界条件の水の作用によって、加硫ゴム
の架橋が外され、加硫ゴムから親水性の分子が十分に洗
い出された後、処理後の混合物を冷却すると、直鎖状ゴ
ム分子や軟化剤等の疎水性のものは凝集し、冷却して液
状化した水と分離する。この疎水性の分離物を濾過し
て、カーボンブラックやなお加硫されている粉末状の加
硫ゴム等の固形物と濾別する。濾別した疎水性の直鎖状
ゴム分子や軟化剤等の混合物から分子量100未満の分
子よりなるものは、本発明の回収物の乾燥工程で揮発・
除去する。このような操作を経て分子量100以上の濾
別物(以下油ともいう)が得られる。当該油の分子量が
100未満の分子よりなるものをゴムの加硫に使用する
と、加硫時の加熱による減量が著しいので好ましくな
い。当該油の分子量が200000より高くなるとゴム
製造時、油(本発明の処理後の混合物)の秤量等の作業
性に支障が生じることがあるので好ましくない。ここ
で、油の分子量は重量平均の分子量である。
【0014】前記油は、その1例を第1表に示すよう
に、硫黄含有量が十分低い粘稠な油状のものである。こ
の油を新しい加硫ゴムの軟化剤として使用すると(第2
表にその1例を示したように)、従来の市販のゴム用軟
化剤より生ゴムとの相溶性が良い。かつ本発明のゴム用
軟化剤を用いて製造した加硫ゴムは、そのブリードの発
生が従来の市販のゴム用軟化剤を用いて製造した加硫ゴ
ムよりも抑制されている配合加硫ゴムが得られた。ま
た、第1表には、本発明の超臨界条件の水による洗浄の
後、固形物を濾過して得られた油状物(第1表には超臨
界水生成油状物と記載したもの)を市販のゴム用軟化剤
及びEPDMポリマーと比較して、核磁気共鳴装置(13
CNMR)を用いて分析した結果を併記した。また、第
2表に本発明の方法によって得られた回収物をゴム用軟
化剤として用いて得た配合加硫ゴムの特性を示した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【実施例】本発明のゴム廃棄物の再利用方法の実施例を
示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明のゴ
ム廃棄物の再利用方法は以下の実施例によって制限され
るものではない。 実施例1 内容積42ミリリットルの耐圧容器に、 9ミリリットルの水(1規定の苛性ソーダ水溶液とし
てあり、耐圧容器中水溶液の体積充填率は0.21であ
る。)と くずの加硫ゴムを粉砕し、繊維等の加硫ゴム以外を除
去し、粉末状とした加硫ゴム(EPDMポリマーをゴム
分子とする。)を充填する。前記、水と粉末状加硫ゴム
を入れた耐圧容器を加熱炉中に置き、420℃に加熱・
昇温し、10分間耐圧容器を振蕩させて、超臨界条件の
水で粉末状の加硫ゴムを洗浄する。加硫ゴムを洗浄した
後、十分に耐圧容器を空気冷却して、耐圧容器から反応
混合物を取り出し、分離した水を除去し、油成分を加圧
濾過し、油状生成物を得た。油状生成物の量は、加硫ゴ
ムの原料ゴム及び各種添加剤(ただしカーボンブラック
を除く。)をベースとして収量85%であった。得られ
た油状生成物の性状を第1表に示した。また、第1表に
は、本発明の超臨界水生成油状物を市販のゴム用軟化剤
及びEPDMポリマーと比較して、核磁気共鳴装置(13
CNMR)を用いて分析した結果を併記した。また第2
表には、得られた油状生成物を軟化剤として用いて新し
く調整した加硫ゴム(EPDMを主ポリマーとする。)
の性状を示した。第1表の核磁気共鳴装置を用いて分析
した結果から本発明の超臨界水生成油状物にはEPDM
の構造が残存していることがわかる。第2表から超臨界
水生成油状物は、市販のパラフィン系軟化剤よりも加硫
ゴムに良い物性をもたらす。(ブリードにおいては良い
結果を残している。)この理由としては、第1表の核磁
気共鳴装置による分析結果と合わせると、超臨界水生成
油状物の方がゴムポリマー(EPDM)と似た構造であ
るためにゴムポリマーとの相溶性が良くなっているため
と推定できる。
【0018】実施例2 加熱炉中において水と粉末状加硫ゴムを入れた耐圧容器
を350℃、400℃、420℃及び450℃の4段階
(それぞれの温度条件で、超臨界水の圧力は、154.
9、258.4、299.1および378.1気圧であ
る。)で、各30分間耐圧容器を振蕩させて、超臨界条
件の水で粉末状の加硫ゴムを洗浄し、以下実施例1と同
様にして油状生成物を得た。油状生成物の回収率、ポリ
マー由来の油状生成物の重量平均分子量及びゴム用軟化
剤由来の油状生成物の重量平均分子量を第3表に示し
た。400℃と420℃の条件で処理するのが油状生成
物の回収率が良く、その粘度値(重量平均分子量と良い
相関性がある。)も適当で、使用し易いものが得られる
ことを示している。
【0019】
【表3】
【0020】実施例3 加熱炉中において水と粉末状加硫ゴムを入れた耐圧容器
を420℃に加熱し、各5分間、15分間、30分間、
60分間及び120分間の5段階に分けて(耐圧容器を
振蕩させて、)超臨界条件の水で粉末状の加硫ゴムを洗
浄し、以下実施例1と同様にして油状生成物を得た。油
状生成物の回収率、ポリマー由来の油状生成物の重量平
均分子量及びゴム用軟化剤由来の油状生成物の重量平均
分子量を第4表に示した。反応時間は5分〜60分間の
範囲で油状生成物の回収率、油状生成物の性状に大きな
差は認められないので5分間反応させれば十分であると
思われる。
【0021】
【表4】
【0022】実施例4 42ミリリットルの耐圧容器に入れる水の量を9ミリリ
ットル、21ミリリットルの2段階(それぞれの水の量
で、耐圧容器中水溶液の体積充填率は0.21及び0.
5である。)とし、加熱温度420℃、反応時間を30
分間として(耐圧容器を振蕩させて、)超臨界条件の水
で粉末状の加硫ゴムを洗浄し、以下実施例1と同様にし
て油状生成物を得た。油状生成物の回収率、ポリマー由
来の油状生成物の重量平均分子量及びゴム用軟化剤由来
の油状生成物の重量平均分子量を第5表に示した。耐圧
容器に入れる水の量は、この範囲では油状生成物の回収
率と油状生成物の性状に悪い影響を与えない。
【0023】
【表5】
【0024】実施例5 42ミリリットルの耐圧容器に入れる水に添加する苛性
ソーダの濃度を0.1規定、1規定、5規定の3段階と
し、水の量は9ミリリットル(耐圧容器中水溶液の体積
充填率は0.21である。)、加熱温度420℃、反応
時間を30分間として(耐圧容器を振蕩させて、)超臨
界条件の水で粉末状の加硫ゴムを洗浄し、以下実施例1
と同様にして油状生成物を得た。油状生成物の回収率、
ポリマー由来の油状生成物の重量平均分子量及びゴム用
軟化剤由来の油状生成物の重量平均分子量を第6表に示
した。耐圧容器に入れる水のアルカリ濃度は1規定か
ら、5規定の範囲で油状生成物の回収率と油状生成物の
性状に与える影響は認められない。
【0025】
【表6】
【0026】
【発明の効果】
1.本発明のゴム廃棄物の再利用方法により、ゴム分子
間の硫黄分子による架橋を外し、加硫ゴムから脱硫し、
水溶性添加物を除去する以外には、ゴムポリマーの構成
分子や添加されていた疎水性のゴム用軟化剤を変質させ
ることなく、ゴム廃棄物から効率良く回収することがで
きる。 2.本発明のゴム廃棄物の再利用方法により回収された
油は、優れたゴム用軟化剤として再使用することができ
る。 3.本発明のゴム廃棄物の再利用物は、ゴム組成物を構
成するゴムポリマーの主要な分子構造とゴム用軟化剤の
主要な分子構造を持つ混合物であるため、市販のゴム用
軟化剤と比べてゴムポリマーと良好な相溶性を示すと推
定され、優れたゴム用軟化剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000196107 西川ゴム工業株式会社 広島県広島市西区三篠町2丁目2番8号 (72)発明者 中原 勝 滋賀県大津市茶が崎3番6−1012 (72)発明者 榎本 兵治 宮城県仙台市太白区鈎取4丁目5番16号 (72)発明者 木下 睦 宮城県仙台市青葉区西花苑1丁目9番10号 西花苑ハイツ201室 (72)発明者 津田 健司 広島県広島市西区三篠町2−2−8 西川 ゴム工業株式会社内 (72)発明者 天王 俊成 広島県広島市西区三篠町2−2−8 西川 ゴム工業株式会社内 (72)発明者 藤田 恵美 広島県広島市西区三篠町2−2−8 西川 ゴム工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム廃棄物に超臨界条件の高温高圧水を
    所定時間混合・作用させた後、混合物を冷却し、液化し
    た水は排出し、残留物から固形分を濾別し、濾過流出分
    を回収して再利用することを特徴とするゴム廃棄物の再
    利用方法。
  2. 【請求項2】 前記濾過流出分から分子量100未満の
    物質は除去し、その重量平均分子量が200000以下
    であるか、200000以下に調整したものをゴム用軟
    化剤として再利用することを特徴とする請求項1に記載
    のゴム廃棄物の再利用方法。
  3. 【請求項3】 前記濾過流出分から、前記ゴム廃棄物中
    のゴム組成物を構成するゴムポリマーの主要な分子構造
    を持つものと前記ゴム廃棄物中のゴム用軟化剤の主要な
    分子構造を持つものとの混合物よりなるものとして回収
    し、再利用することを特徴とする請求項1に記載のゴム
    廃棄物の再利用方法。
  4. 【請求項4】 ゴム廃棄物に超臨界条件の高温高圧水を
    所定時間混合・作用させた後、混合物を冷却し、液化し
    た水は排出し、残留物から固形分を濾別し、濾過流出分
    から分子量100未満の物質は除去し、その重量平均分
    子量が200000以下であるか、200000以下に
    調整して得られる、重量平均分子量が100〜2000
    00の物質であることを特徴とする前記ゴム廃棄物から
    の再利用物。
  5. 【請求項5】 前記ゴム廃棄物からの再利用物が、前記
    ゴム廃棄物中のゴム組成物を構成するゴムポリマーの主
    要な分子構造を持つものと前記ゴム廃棄物中のゴム用軟
    化剤の主要な分子構造を持つものとの混合物よりなるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の前記ゴム廃棄物からの
    再利用物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003029298A3 (en) * 2001-10-02 2003-05-22 Costas Tzoganakis Method of devulcanizing crosslinked rubber
EP1186625A3 (en) * 2000-09-08 2003-08-20 R & D Technology, Inc. Particle size reduction using supercritical materials
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