JPH09290162A - 酸化触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法 - Google Patents

酸化触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法

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JPH09290162A
JPH09290162A JP8106925A JP10692596A JPH09290162A JP H09290162 A JPH09290162 A JP H09290162A JP 8106925 A JP8106925 A JP 8106925A JP 10692596 A JP10692596 A JP 10692596A JP H09290162 A JPH09290162 A JP H09290162A
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JP
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catalyst
solution
oxidation
methacrylic acid
oxidation catalyst
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JP8106925A
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Nobu Watanabe
展 渡辺
Hisao Kinoshita
久夫 木下
Yukio Sakai
幸雄 酒井
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタクロレインの気相酸化によるメタクリル
酸の製造に用いられる、より高い反応活性と選択性と長
い触媒寿命を持つヘテロポリ酸系触媒の製造方法及び該
触媒によるメタクリル酸の製造方法の提供。 【解決手段】 リン、モリブデン及びアルカリ金属又は
タリウムを含有する酸化触媒を製造するに際し、全ての
触媒原料を水に溶解、或いは懸濁させた溶液について、
アンモニウム根の含有量をモリブデン12原子に対し1
7〜100モルの範囲に調整し、且つそのpHを6.5
〜13の範囲に調整する、及び得られた酸化触媒の存在
下、メタクロレインを気相酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化触媒の製造方
法及び該触媒によるメタクリル酸の製造方法に関する。
詳しくは、本発明は、メタクロレイン、t−ブタノー
ル、イソブタン、イソブテン等を分子状酸素で気相接触
酸化してメタクリル酸を製造するために用いられるヘテ
ロポリ酸系触媒の製造方法及び該触媒によるメタクリル
酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクロレインを気相接触酸化してメタ
クリル酸を製造する触媒として12−モリブドリン酸等
のようなケギン構造を有するヘテロポリ酸化合物が有効
であることは従来から知られている。しかしながら、M
o−V系触媒によるアクロレインからアクリル酸への気
相接触酸化が、工業レベルで99%以上の転化率及び9
7%以上の選択率で三年以上に亘り安定な運転実績を達
成しているのと比較すると、未だ著しく低いレベルに留
まっている。このため、反応活性、メタクリル酸選択
性、触媒寿命の改善或いは触媒製造の安定性を求め、触
媒組成、調製方法、乾燥方法、焼成方法、触媒形状等に
精力的な研究開発が行われており、いろいろな提案がこ
れ迄になされている。
【0003】例えば、触媒組成については特開昭55−
39236号公報を初めとする多くの特許公報に触媒構
成元素として実質的にはVが必須であると共に、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属等多
くの元素が触媒性能向上に有効であると記載されてい
る。特開昭61−5043号公報、特開昭61−723
3号公報及び特開平3−21346号公報には、特定の
Ce化合物が有効であることが示され、又、特開平3−
238051号公報には特定のBi原料が有効であるこ
とが示されている。
【0004】特開平6−91728号公報には、触媒成
分の中、SbとMo、Cu又はVとを予め焼成して複合
酸化物として使用することにより高い触媒性能が得られ
ると記載されている。また、触媒の調製方法、例えば、
触媒原料の溶解混合加熱工程、触媒原料の特定、アンモ
ニウム及び硝酸量の制御等(特開昭61−283352
号公報、特開平3−238050号公報、特開平6−8
6932号公報、特開平6−86933号公報)につい
ても、多くの提案がなされている。
【0005】特開平4−7037号公報、特開平4−1
6242号公報は、触媒原料を溶解混合した溶液のpH
を酸性に保ち、且つ溶液を85℃以上に加熱することに
よりケギン型のヘテロポリ酸を形成させ、次いで溶液を
80℃以下に冷却した後にアルカリイオン及びアンモニ
ウムイオン或いはピリジン等の塩基を添加し、酸素濃度
5%以上のガスで焼成する方法が提案されている。
【0006】特開昭57−165040号公報には、ア
ンモニウムイオンを含んだ原料溶液を濃縮、乾固し、焼
成を400〜550℃で行うことが記載されているが、
アンモニウムイオンの量は原料として用いるパラモリブ
デン酸アンモニウムにより決まり、溶液のpHの調整を
目的としたものではない。特開平6−86932号公報
にはアンモニウム根をモリブデン12モルに対し6〜1
8モル、硝酸根をモリブデン12モルに対し0.1〜5
モルとなるように溶液中のアンモニウム根及び硝酸根量
を制御し更にオートクレーブ中110〜200℃という
特殊な条件で溶液中でドーソン型のヘテロポリ酸を生成
させ、不活性ガス雰囲気中焼成することが記載されてい
る。
【0007】特開平6−86933号公報には、硫酸根
の共存がドーソン型のヘテロポリ酸の生成に有効でこの
場合オートクレーブ加熱は必ずしも必要ではないと記載
されている。特開平5−140025号公報において
は、モリブデン原料としてアンモニウム塩であるパラモ
リブデン酸アンモニウムが用いられているが、触媒調製
に際しては触媒原料を溶解混合した溶液を酢酸の添加に
よりpH=4に調整している。
【0008】乾燥へのスプレードライ法の適用(特開平
4−182450号公報、特開平6−31172号公
報)も試みられている。触媒の焼成も、触媒性能に大き
な影響があり、酸素濃度及び焼成温度を制御(特開昭5
6−161841号公報、特開平3−238050号公
報)、アンモニア・水蒸気の制御(特開昭58−676
43号公報)等が提案されている。一方、表面積、細孔
の制御を目的としてピリジン、キノリンの添加(特開昭
57−171444号公報、特公昭60−35178号
公報、特開昭60−209258号公報、特公平5−2
376号公報、特開昭60−239439号公報、特公
平1−33097号公報、特開昭60−232247号
公報、特開平4−50062号公報)、アルコール・ア
ルデヒド・有機酸の添加(特開平6−15178号公
報)等が数多く提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で提案されている触媒はいずれも反応成績が十分でな
い、生産性が低い、触媒の経時低下が大きい、反応温度
が高い、或いは触媒の調製法の再現性に欠ける等の問題
点を有し、工業用触媒として十分な性能とは言えず、更
なる改良が望まれている。本発明の課題は、メタクロレ
インの気相酸化によるメタクリル酸の製造に用いられ
る、より高い反応活性と選択性と長い触媒寿命を持つヘ
テロポリ酸系触媒の製造方法及び該触媒によるメタクリ
ル酸の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するためにリン、モリブデン及びアルカリ金属又
はタリウムを含む酸化触媒の製造方法について鋭意検討
した結果、全ての触媒原料を水に溶解或いは懸濁させた
触媒原料溶液についてアンモニウム根の含有量を特定の
範囲に調整し、且つその溶液のpHを中性よりアルカリ
側に調整することにより高い反応活性と選択性及び長い
触媒寿命を持つ触媒が得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は 1.リン、モリブデン及びアルカリ金属又はタリウムを
含有する酸化触媒を製造するに際し、全ての触媒原料を
水に溶解、或いは懸濁させた溶液について、アンモニウ
ム根の含有量をモリブデン12原子に対し17〜100
モルの範囲に調整し、且つpHを6.5〜13の範囲に
調整することを特徴とする酸化触媒の製造方法及び 2.1項に記載の酸化触媒の存在下、メタクロレインを
気相酸化することを特徴とするメタクリル酸の製造方法
にある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
(1) 酸化触媒の製造方法 本発明の酸化触媒は、リン、モリブデン及びアルカリ金
属またはタリウムを含有する触媒であるが、好ましく
は、一般式(I)
【0013】
【化2】 Pa Mob c Bad Sbe Cuf g h i (I)
【0014】(式中、Xは、K、Rb、Cs及びTlよ
りなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素を表わ
し、Yは、Bi、Mn、Cr、Zr、Co、Ce、Z
n、Fe及びNiよりなる群から選ばれた一種又は二種
以上の元素を表わし、添字a、c、d、e、f、g、h
及びiは、b=12としたときの各元素の原子比を表わ
し、a=0.1〜5、c=0〜5、d=0〜5、e=0
〜5、f=0〜2、g=0.1〜3、h=0〜2且つi
は、他の元素の原子価及び原子比によって決まる値であ
る)で表わされるへテロポリ酸触媒である。
【0015】金属成分原料として、モリブデンについて
はパラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸、酸化
モリブデン等、バナジウムについてはメタバナジン酸ア
ンモニウム、酸化バナジウム、シュウ酸バナジウム等、
リンについては正リン酸、メタリン酸、五酸化リン、ピ
ロリン酸、リン酸アンモニウム等、銅については硝酸
銅、硫酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅等、アンチモンに
ついては酸化アンチモン、塩化アンチモン等の化合物が
使用可能である。その他の金属についても酸化物及び焼
成により酸化物となり得る水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、
シュウ酸塩、炭酸塩、塩化物等の化合物が使用可能であ
るが、中でも硝酸塩が好適である。また、モリブデンと
リンの原料としてリンモリブデン酸、リンモリブデン酸
アンモニウム等のヘテロポリ酸を使用することもでき
る。
【0016】全ての触媒原料を水に溶解或いは懸濁させ
る。この時、溶液のアンモニウム根の量をモリブデン1
2原子に対し17〜100モル、好ましくは17〜60
モルに、且つ溶液のpHを6.5〜13の範囲に調整
し、溶液を好ましくは、40〜100℃で0.5〜24
時間、更に好ましくは50〜90℃で1〜6時間の間、
撹拌しながら加温する。上記範囲より低温、短時間では
高い選択性が得られず、高温、長時間では活性が低下す
る可能性がある。pHの調整は通常、硝酸或いはアンモ
ニア水等の添加により行う。この混合溶液にシリカ、ケ
イソウ土、セライト等の担体成分を加えることもでき
る。
【0017】加温処理を終了した触媒成分を含む混合溶
液は通常の方法で乾燥される。一般的には100〜25
0℃に保った熱風乾燥機中で蒸発乾固させる。スプレー
ドライ法は触媒成分の偏在を無くした均一な乾燥粒子を
得ることができるため、工業的により有利な方法であ
る。担持触媒として使用する場合は得られた混合溶液を
必要に応じ濃縮後、アルミナ、シリコンカーバイド等の
担体に適当な方法で担持して使用する。
【0018】乾燥した触媒成分は焼成に先立ち、好まし
くは150〜350℃、更に好ましくは200〜300
℃の温度条件下で、空気を流通して予備焼成を行う。用
いる触媒原料、触媒組成、調製法によって最適条件は異
なるが、一般的には300〜500℃で1〜24時間、
好ましくは350〜450℃で2〜12時間焼成するこ
とにより触媒の活性化を行う。焼成は、好ましくは酸素
濃度を0.1〜5容量%、より好ましくは0.2〜2容
量%に制御した不活性ガスの流通下行う。酸素濃度が
0.1容量%以下ではアンモニアの脱離を十分に行うた
めには触媒自体が不安定となるような高温を必要とした
り、或いは適切な温度で処理する場合には著しく長時間
を必要とする等の問題がある。5容量%以上では一部の
アンモニアが触媒上で燃焼するために、焼成の制御が困
難となり、場合によっては触媒成分の分解により三酸化
モリブデンが多量に生成し触媒性能を著しく低下させる
可能性がある。
【0019】予備焼成した触媒成分は、粉砕後、錠剤成
型する。この他ペースト状にて押し出し成型後、乾燥す
る等一般の成型法を任意に選ぶこともできる。触媒の形
状に特に制限はなく、球、シリンダー、ペレット、リン
グ等の形状を反応器の形式、条件等を考慮し最適なもの
を選ぶことができる。通常使用される多管式固定床反応
器で使用する場合にはリングの形状が好ましい結果を与
える。
【0020】一般に、12−モリブドリン酸のようなケ
ギン型ヘテロポリ酸の調製には水溶液中でpHを低く保
つ必要がある(M.T.Heteropoly and
Isopoly Oxometelates,p1
5)ことが知られている。各種のヘテロポリ酸が存在で
きるpH範囲については報告例(J.A.Rob va
n Veen等 J.CHEM.SOC.DALTO
N.TRANS.,1986,1825,L.Pett
ersson等 Inorg.Chem.,1986,
25,4726)があり、ケギン型或いはドーソン型の
ヘテロポリ酸は、非常に低いpH範囲でしか存在できな
いことが報告されている。従って、従来固体ヘテロポリ
酸触媒の調製(特開平4−7037号公報、4−162
42号公報)においては、触媒成分を溶解した溶液のp
Hをケギン構造が安定に存在できる強酸性に保ち、長時
間加熱還流するのが一般的と考えられて来た。最近では
中性から弱酸性でドーソン型のヘテロポリ酸を生じ、焼
成によりケギン型ヘテロポリ酸に転位するとの報告(特
開平6−86932号公報、6−86933号公報)も
ある。
【0021】しかし、本発明者等は、驚くべきことにこ
れまでの常識に反し、溶液のpHを6.5〜13、好ま
しくは6.9〜12で、アンモニウム根をモリブデン1
2原子に対して17〜100モル、好ましくは17〜6
0モル存在させることにより、より高い触媒性能が得ら
れることを見出した。この条件下においては溶液中のリ
ンはケギン型或いはドーソン型構造を採っておらず、P
2 Mo5 23 6-なるヘテロポリ酸或いはPO4 3- として
存在することが31P−NMR測定により確認され、更に
この溶液を乾燥した触媒成分固形物はX線回折的にアモ
ルファス状であり、赤外吸収及び固体31P−NMR測定
の結果、ケギン型或いはドーソン型構造が存在しないこ
とが明らかとなった。
【0022】乾燥後の触媒成分固形物は、200〜45
0℃の温度で焼成することによりX線回折的にはケギン
型ヘテロポリ酸アンモニウム塩と基本的に同一のパター
ンを示すようになる。この過程でX線回折的にアモルフ
ァス状の触媒成分固形物が固相反応によって結合状態の
変化或いはアンモニア等の脱離を伴い一部がケギン構造
を形成したものである。このように、本発明では固相反
応により活性な触媒構造を形成させるため、良好な触媒
性能を発現させるにはその制御が重要であり、予備焼成
を行った後、酸素濃度を制御した条件で焼成することが
特に好ましい。本発明の触媒が高い性能を示す理由は明
らかではないが、触媒中のケギン構造を形成する元素の
結合状態、或いはケギン構造に含まれていないX線回折
的にアモルファス状の部分が溶液のpH及び焼成の条件
によって変化していると推察される。
【0023】(2) メタクリル酸の製造方法 本発明により製造された酸化触媒は、メタクロレインの
気相酸化反応によるメタクリル酸の製造方法に好適に使
用される。この場合、200〜400℃程度の反応温度
及び0.5〜10気圧程度の反応圧力で、水蒸気の存在
下に反応を行うことが好ましい。反応原料のメタクロレ
インとしては、例えば、メタクロレインの製造目的でイ
ソブテン或いはターシャリーブタノールを接触酸化して
得られる生成ガスをそのまま用いても良いし、或いは、
該生成ガスを精製してメタクロレインを他のガスより分
離してから用いても良い。
【0024】酸化に用いる酸素源としては、一般に空気
が使用されるが、酸素(分子状酸素)を二酸化炭素、窒
素等の不活性ガスで希釈した混合ガスを使用しても勿論
差支えない。水蒸気、反応原料、酸素等の混合ガス(以
下、反応混合ガスという)を触媒に流通するが、接触時
間は通常1〜20秒程度が適当である。反応混合ガスの
組成としては、例えばメタクロレイン1モルに対して分
子状酸素0.2〜4モル、水蒸気1〜20モルが使用さ
れる。
【0025】その他、この接触酸化反応は、本発明の主
旨に反しない限り、通常のメタクロレイン酸化に関する
知見を参考にして行うことができる。本発明で得られる
酸化触媒は、イソ酪酸の酸化脱水素、イソブチルアルデ
ヒドの酸化によるメタクリル酸の製造にも用いることが
できる。また、イソブチレンから一段でメタクリル酸を
製造する際にも用いることが可能である。これらの反応
では、メタクロレインの酸化と同様な反応条件が採用で
きる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例を挙げて更に
具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り実施例に限定されるものではない。なお、転化率、選
択率及び収率は下式により求めモル基準で表示した。
【0027】
【数1】転化率(%)=〔(反応したメタクロレインの
モル数)/(供給したメタクロレインのモル数)〕×1
00
【0028】
【数2】選択率(%)=〔(生成したメタクリル酸のモ
ル数)/(反応したメタクロレインのモル数)〕×10
【0029】
【数3】収率(%)=〔(生成したメタクリル酸のモル
数)/(供給したメタクロレインのモル数)〕×100
【0030】実施例1 (触媒調製)純水600mlにパラモリブデン酸アンモ
ニウム144.96gとメタバナジン酸アンモニウム
8.00gを加え60℃に加温する。撹拌しながら85
%リン酸15.78g、硝酸セシウム6.67g、硝酸
銅三水和物3.306gを含む水溶液を加え、次いで三
酸化アンチモン9.97gを加え、80℃まで昇温す
る。ここで、25%アンモニア水を28ml滴下し溶液
のpHを7に調整し、その後2時間80℃に保った。2
時間の保持時間の間に少量の白い沈殿が析出した。
【0031】溶液の一部を取り出し120℃で乾燥した
固体は淡い緑色であり、X線回折では明確な回折パター
ンを示さない無定形で赤外吸収測定及び固体31P−NM
R測定でもケギン構造或いはドーソン構造は確認されな
かった。得られたスラリー溶液は250℃に保ったオー
ブン中で10時間かけて乾燥及び予備焼成を行った。予
備焼成後の固体は暗緑色であり、X線回折では12−モ
リブドリン酸と類似した立方晶構造が確認され、赤外吸
収及び固体31P−NMR測定により、触媒に含まれるリ
ンの一部がケギン構造を採っていることが判明した。得
られた固体を高さ5mm、外径3mm、内径2mmのリ
ング状に打錠成型し、酸素を0.6容量%含む窒素流通
下400℃で6時間焼成し触媒を得た。この触媒の組成
は各成分の原子比でMo122 1 Sb2 Cu0.2 Cs
0.5 である。(但し、O、H、N原子を除く)
【0032】(接触酸化反応)この触媒30mlを破砕
せずステンレス製反応管(内径18mm)に充填し、ナ
イター浴を介して加熱し、メタクロレインの接触酸化を
行った。原料ガスはメタクロレイン5%、酸素12%、
水蒸気30%、窒素53%の混合ガスであり、これを常
圧下、反応温度290℃、空間速度1400/時で反応
させた。その結果メタクロレイン(MACR)転化率8
8.6%、メタクリル酸(MAA)選択率83.5%、
メタクリル酸(MAA)収率74.0%であった。
【0033】実施例2〜4 触媒原料を溶解混合スラリー溶液を表1に示すpHに調
整するために表1に示す量のアンモニア水を加えた以外
は実施例1と同様に触媒を調製し、反応評価を行った。
実施例2〜4では実施例1の場合とは異なり、白い沈殿
の析出は認められなかった。溶液のpHを高くするに従
い触媒活性が高くなるため実施例3及び4では反応温度
を280℃とした。結果を表1に示す。
【0034】比較例1 触媒原料を溶解混合したスラリー溶液のpH調整を行な
わないこと以外は実施例1と同様にして触媒調製と反応
評価を行った。比較例1では白い沈殿が析出した。結果
を表1に示す。 比較例2、3 触媒原料を溶解混合したスラリー溶液を表1に示すpH
に調整するために表1に示す量の61%硝酸水溶液を加
えた以外は実施例1と同様に触媒を調製し、反応評価を
行った。比較例2では黄色い沈殿の析出が認められた。
結果を表1に示す。
【0035】実施例5、6 触媒原料を溶解混合したスラリー溶液のpHを8に調整
し、溶液の温度を70℃(実施例5)及び90℃(実施
例6)としたこと以外は実施例1と同様に触媒を調製
し、反応評価を行った。結果を表1に示す。 実施例7、比較例4 触媒組成及び触媒原料を溶解混合したスラリー溶液への
アンモニア水及び硝酸水溶液の添加量が表1に示す量で
あること以外は実施例1と同様に触媒を調製し、反応評
価を行った。表1に結果を示すように、アンモニウムイ
オンが十分であっても比較例4に示されるように、酸性
領域では高い触媒性能を得ることができない。
【0036】実施例8〜9 表1に示す触媒組成であること以外は実施例2と同様に
触媒を調製し、反応評価を行った。表1に結果を示す。 実施例10〜13 表1に示す触媒組成であること以外は実施例1と同様に
触媒を調製し、反応評価を行った。表1に結果を示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の製造方法に係る酸化触媒は、メ
タクロレインの気相酸化によるメタクリル酸の製造にお
いて、より高い反応活性と選択性及び長い触媒寿命を持
つ。
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】一般に、12−モリブドリン酸のようなケ
ギン型ヘテロポリ酸の調製には水溶液中でpHを低く保
つ必要がある(M.T.Pope,Heteropol
yand Isopoly Oxometelate
s,p15)ことが知られている。各種のヘテロポリ酸
が存在できるpH範囲については報告例(J.A.Ro
b van Veen等 J.CHEM.SOC.DA
LTON.TRANS.,1986,1825,L.P
ettersson等 Inorg.Chem.,19
86,25,4726)があり、ケギン型或いはドーソ
ン型のヘテロポリ酸は、非常に低いpH範囲でしか存在
できないことが報告されている。従って、従来固体ヘテ
ロポリ酸触媒の調製(特開平4−7037号公報、4−
16242号公報)においては、触媒成分を溶解した溶
液のpHをケギン構造が安定に存在できる強酸性に保
ち、長時間加熱還流するのが一般的と考えられて来た。
最近では中性から弱酸性でドーソン型のヘテロポリ酸を
生じ、焼成によりケギン型ヘテロポリ酸に転位するとの
報告(特開平6−86932号公報、6−86933号
公報)もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 57/055 2115−4H C07C 57/055 B // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン、モリブデン及びアルカリ金属又は
    タリウムを含有する酸化触媒を製造するに際し、全ての
    触媒原料を水に溶解、或いは懸濁させた溶液について、
    アンモニウム根の含有量をモリブデン12原子に対し1
    7〜100モルの範囲に調整し、且つそのpHを6.5
    〜13の範囲に調整することを特徴とする酸化触媒の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化触媒が一般式(I) 【化1】 Pa Mob c Bad Sbe Cuf g h i (I) (式中、Xは、K、Rb、Cs及びTlよりなる群から
    選ばれた一種又は二種以上の元素を表わし、Yは、B
    i、Mn、Cr、Zr、Co、Ce、Zn、Fe及びN
    iよりなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素を表
    わし、添字a、c、d、e、f、g、h及びiは、b=
    12としたときの各元素の原子比を表わし、a=0.1
    〜5、c=0〜5、d=0〜5、e=0〜5、f=0〜
    2、g=0.1〜3、h=0〜2且つiは、他の元素の
    原子価及び原子比によって決まる値である)で表わされ
    るへテロポリ酸からなる請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 全ての触媒原料を水に溶解或いは懸濁さ
    せた触媒原料溶液を乾燥し、次いで乾燥した触媒原料を
    150〜350℃で予備焼成した後、0.1〜5容量%
    の酸素を含む不活性ガスで350〜450℃で焼成する
    請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸
    化触媒の存在下、メタクロレインを気相酸化することを
    特徴とするメタクリル酸の製造方法。
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