JPH09289753A - 回転電機の軸受装置 - Google Patents

回転電機の軸受装置

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JPH09289753A
JPH09289753A JP12280696A JP12280696A JPH09289753A JP H09289753 A JPH09289753 A JP H09289753A JP 12280696 A JP12280696 A JP 12280696A JP 12280696 A JP12280696 A JP 12280696A JP H09289753 A JPH09289753 A JP H09289753A
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JP
Japan
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bearing
lubricant
discs
yoke
electric machine
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Application number
JP12280696A
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English (en)
Inventor
Masaaki Shimizu
正明 清水
Takatoshi Taguchi
孝年 田口
Yoshihiko Kato
仁彦 加藤
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、高速度で回転する回転
軸に対して、軸受に多量に潤滑剤を介在させ、油膜のき
れを防止することにより、回転軸及び軸受の耐久性を向
上させることができかつ安価な回転電機の軸受装置を提
供する。 【解決手段】 ヨーク11と、このヨーク11に連設さ
れた軸受部23と、を備えてなる回転電機の軸受装置1
4において、軸受部23は軸受形成部21と、この軸受
形成部21内に圧入される積層された複数の円板からな
る軸受22とを有し、円板は中央に回転軸を嵌通する孔
を有しこの孔の周縁に切欠部、または傾斜部、または切
欠部及び傾斜部が形成され、複数の円板をヨーク11の
軸受形成部21に圧入し、少なくとも切欠部または傾斜
部に潤滑剤を充填して潤滑剤溜めとし、軸受22の内周
面と前記回転軸の軸受当接部との間に流動的な潤滑剤を
介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機の軸受装
置に係り、特に高速度で回転する軸を有する回転電機の
軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から軽荷重の軸受装置、例えば小型
モータにおける軸受装置に関しては、回転軸と軸受との
摩耗を防ぐための種々の技術が提案されている。
【0003】例えば、図19に示すように、外周壁11
1と内周壁112とでグリス溜113を形成するととも
に、内周壁112にはグリス流出孔114が形成され、
このグリス流出孔114よりグリスが流出して、軸受内
周壁112にグリスが塗布される技術が開示されてい
る。(実開平5−3630号公報参照)
【0004】しかしこの技術では、グリス流出孔114
からグリスが流出されるまでに、内周壁とシャフト11
5との摩耗が激しく、温度上昇に伴う焼きつきがおこ
る。
【0005】また、グリスが軸受面近くにあっても、大
きなかたまり状であるときは、軸の回転により、グリス
を有効に引き出すことはできず、一部のグリスが消費さ
れると、軸受及び軸の摩耗が大きく進行してしまう。
【0006】或いは、図20で示すように、中央の軸孔
の周縁に切損部116を設けた円板117を積層し、内
周面に凹部118を有する円筒状の軸受119を形成
し、この軸受119をケースに取付るとともに、該軸受
119にロータを有する回転軸120を嵌挿し、軸受1
19と回転軸120間に形成された空隙121の表面に
滲み出したオイルが溜まることで摩擦係数を小さくする
技術が開示されている(特開昭60−147967号公
報参照)。
【0007】しかしこの技術では、軸受内周面と軸受と
の間に充分にオイルを介在させるために、滲みだしたオ
イルが溜まる軸受、即ち焼結含油軸受(JIS SBK
/1218等)等を用いることが必要であり、この軸受
の製造自体が専門的で、製造難易度が大きく、また専門
設備等の多大な投資を要し、製造工程が長いため、製造
原価が高くなるという不都合がある。
【0008】また、軸受部へ、潤滑剤として、グリスで
はなく、PTFE等の樹脂コート材をコーティングする
技術が提案されている。(特開平5−196033号公
報参照)。
【0009】即ち、「非液体の摩擦減少材料は、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ化炭素
ポリマより成り、これは、シートメタルに成形プロセス
を施してベアリングを形成する前に、既知のやり方でシ
ートメタルに塗布される。更に、シートメタルの連続ス
トリップでベアリングを形成する場合には、浸漬塗装プ
ロセスのようにストリップの外面全体に塗布する必要は
なく、例えば、各ベアリングの管状第1部分のジャーナ
ルベアリング面に摩擦減少材料を確実に塗布するように
必要に応じてストリップの片面の部分のみにスプレー塗
装する」(特開平5−196033号公報第3欄第43
行乃至第4欄第3行)技術である。
【0010】しかしこの軸受技術では、樹脂コートの膜
厚のバラツキが生じ、軸受内径部の精度が悪くなり、モ
ータの騒音悪化をきたすという不都合がある。また、樹
脂コートをするために、キュア硬化炉等の付帯設備を設
ける必要性が生じたり、加熱等の工程が増えることによ
り軸受製造原価が高くなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、グリス
潤滑による軸受は、高速度で回転する軸に対しては、グ
リス油膜のきれにより耐久性が大幅に低下する問題点が
ある。このため通常の回転電機においては、軸の回転速
度が増大するに従って、摩擦に耐えられなくなるという
問題点がある。
【0012】また、従来のような焼結含油軸受を使用す
る方法や、樹脂コート剤をコーティングする方法では、
製造原価が高くなるという問題点がある。
【0013】本発明の目的は、高速度で回転する回転軸
に対して、軸受に多量に潤滑剤を介在させ、油膜のきれ
を防止することにより、回転軸及び軸受の耐久性を向上
させることができかつ安価な回転電機の軸受装置を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願請求項1の回転電機
の軸受装置は、ヨークと、該ヨークに連設された軸受部
と、を備えてなる回転電機の軸受装置において、前記軸
受部は軸受形成部と、該軸受形成部内に圧入される積層
された複数の円板からなる軸受とを有し、前記円板は中
央に回転軸を嵌通する孔を有し該孔の周縁に切欠部、ま
たは傾斜部、または切欠部及び傾斜部が形成され、前記
複数の円板を前記ヨークの軸受形成部に圧入し、少なく
とも前記切欠部または傾斜部に潤滑剤を充填して潤滑剤
溜めとし、前記軸受の内周面と前記回転軸の軸受当接部
との間に流動的な潤滑剤を介在させたことを特徴とす
る。
【0015】本願請求項2の回転電機の軸受装置は、ヨ
ークと、該ヨークに連設された軸受部と、を備えてなる
回転電機の軸受装置において、前記軸受部は軸受形成部
と、該軸受形成部内に圧入される複数の円板からなる軸
受とを有し、前記円板は中央に回転軸を嵌通する孔を有
し該孔の周縁に切欠部、または傾斜部、または切欠部及
び傾斜部が形成されると共に一体化され、前記複数の円
板を前記ヨークの軸受形成部に圧入し、少なくとも前記
切欠部または傾斜部に潤滑剤を充填して潤滑剤溜めと
し、前記軸受部の内周面と前記回転軸の軸受当接部との
間に流動的な潤滑剤を介在させたことを特徴とする。
【0016】なお、請求項1及び請求項2における円板
は一枚及び複数枚を束としてそれぞれ円周方向に回転し
て積層し、前記切欠部の位置をずらすと好適である。
【0017】また請求項1及び請求項2における円板は
銅、鉄等の金属から構成すると好適である。
【0018】さらに上記円板は、一枚以上がバーリング
加工を施して構成すると好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る回転電機の軸受装置
14は、ヨーク11と、このヨーク11に連設された軸
受部23と、を備えてなる。軸受部23は、軸受形成部
21と、この軸受形成部21に圧入される複数の円板3
0からなる軸受22とを有している。円板30は中央に
回転軸15を嵌通する孔31を有し、この孔31の周縁
35に切欠部33、または傾斜部34、または切欠部3
3及び傾斜部34が形成されている。そして複数の円板
30を、ヨーク11の軸受形成部21に圧入して、少な
くとも切欠部33または傾斜部34に潤滑剤28を充填
して潤滑剤溜めとし、軸受22の内周面26と回転軸1
5の軸受当接部との間に流動的な潤滑剤を介在させる。
【0020】以上のように、軸受22を形成する複数の
円板における切欠部33及び傾斜部34に潤滑剤28を
充填させて、軸受内周面26と回転軸15の軸受当接部
との間に潤滑剤28を介在させているので、回転軸15
が高速で回転しても、軸受22に多量の潤滑剤28を介
在させることができ、油膜のきれを防止することによ
り、回転軸15及び軸受22の耐久性を向上させること
ができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。
【0022】図1乃至図11は本例に係る回転電機の軸
受装置についての一実施例を示すものであり、図1は軸
受装置を備えたモータの要部断面説明図、図2は円板の
斜視図、図3は円板の平面図、図4は図3における円板
のA−A線断面図、図5は円板の端部断面図、図6は円
板の組付けを説明する平面図、図7は図6の円板におけ
るB−B線断面のC視図、図8は軸受の断面図、図9乃
至図11は軸受への潤滑剤の充填方法を示す説明図であ
る。
【0023】本例の回転電機としてのモータMは、ヨー
ク11と、固定子12と、回転子13と、軸受22とを
備えている。本例のヨーク11は中空円筒体をしたヨー
ク本体11aと、この本体11aと係合している底部1
1bと、前記本体11aと、底部11bにそれぞれ形成
された軸受配置部21と、から形成されている。そして
固定子12はヨーク本体11aの内側にマグネットが固
着されて構成されている。
【0024】本例における回転子13は回転軸15と一
体となった鉄心16に巻線17を巻回して形成されてお
り、回転軸15の反出力軸側には整流子18が配設さ
れ、この整流子18にはスラストワッシャ24と油切り
ワッシャ25が配設されている。この油切りワッシャ2
5によって、潤滑剤28がモータ内部に入り込まないよ
うになっている。
【0025】そして鉄心16を挟んで整流子18と反対
側にはスラスト止め19が圧入され、またはその他Cリ
ングを用いる等、周知の構造によって形成されている。
そして回転軸15は整流子18側と整流子18とは反対
側の二箇所において軸受22によって軸支されている。
【0026】本例のモータMの軸受装置14は、上記軸
受形成部21と、軸受22と、潤滑剤溜めと、潤滑剤2
8とを構成要素としている。
【0027】本例の軸受形成部21は、円筒体からなる
ヨーク本体11aと、ヨーク本体11aに係合する底部
11bにおいて、内部に開口した膨出部を形成して構成
されている。この膨出部からなる軸受形成部21は、ヨ
ーク本体11a及び底部11bの中心から同心円状に形
成され、この軸受形成部21はヨーク11の回転軸15
の挿通孔11cの部分を残して形成されている。
【0028】本例の軸受22は、前記軸受形成部21の
内側空間において、複数の円板30を積層して形成され
ている。
【0029】前記円板30は、図2及び図3で示すよう
に、円形の金属製の板であり、中央に孔31を有してお
り、この孔31は周壁35によって囲まれている。
【0030】孔31は、前記モータMの回転軸15を通
すための孔であり、回転軸15が挿通できるように形成
されている。
【0031】また円板30の孔31における周壁35
は、周方向等間隔に複数の切欠部33を有しており、こ
の切欠部33は本例では四箇所形成されている。
【0032】図5は、前記周壁35の端部における断面
を示すものである。周壁35は、垂直面32と、傾斜面
34から構成されている。垂直面32は、円板30の上
面30a及び下面30bと垂直に形成され、この垂直面
32から傾斜して傾斜面34が連続して形成されてい
る。
【0033】次に上記円板30による軸受22の形成方
法について説明する。まず前記円板30を複数枚積層さ
せる。このとき、図6で示すように、円板30を一枚ご
とに45゜回転させて積層し、切欠部33が上下で重な
らずに別の位置に形成されるような構成にして軸受22
を形成する。
【0034】図7及び図8は、円板30を積層させて形
成した軸受22の断面を示したものである。この軸受2
2には、図8で示すように、軸受内周面26において、
円板30の孔31の周壁35に形成された切欠部33が
潤滑剤溜めとして形成される。
【0035】また、円板30を積層することにより、傾
斜面34と、隣り合う円板30の上面30aの間に潤滑
剤溜めとしての空隙27が形成される。
【0036】次に、軸受22へにおける潤滑剤28の充
填方法について説明する。図9及び図10は軸受部への
潤滑剤28の充填方法を示す説明図である。
【0037】図9は、充填パイプ40による注油方法を
示したものである。まず回転軸15の挿通孔31に充填
パイプ40を挿入し、この充填パイプ40の先端部に複
数設けられた充填穴41から、潤滑剤28を充填する。
【0038】潤滑剤28は、浸透圧により潤滑剤溜めと
しての切欠部33と、空隙27へ入り込んで保持され
る。
【0039】或いは図10で示すように、軸受形成部2
1の回転軸挿通孔11cより、軸受22の軸受内周面2
6へ向けて注油ノズル42により潤滑剤28を充填する
方法もある。
【0040】また、図11で示すように、円板30を、
プレス打ち抜きによって形成するときに、プレス打ち抜
き時の加工油を円板30へ付けたままにしておき、その
まま軸受油として使用したり、或いはプレス打ち抜き時
の加工油ではなく別の潤滑油に浸す方法もある。加工油
または潤滑油の付いた円板30を積層して軸受22を形
成することにより、円板30についた加工油または潤滑
油が潤滑剤28として、軸受22の軸受内周面26に介
在すると共に、潤滑剤溜めとしての切欠部33及び空隙
27に充填される。
【0041】なお、本例においては、円板30の切欠部
33を4箇所設けているが、4箇所に限定せず一箇所以
上であれば良い。ただし、このときも円板30を積層す
るとき、隣り合う円板30の切欠部33が重ならないよ
うに一定の角度で回転させながら積層する。
【0042】また、本例においては、円板30を一枚ず
つ周方向に45゜回転させながら切欠部33をずらして
積層し、軸受22を形成した例を示したが、円板30を
複数枚を束にして周方向にずらして積層しても良い。
【0043】上記のように複数枚束にして積層したとき
には、潤滑剤溜めとしての切欠部33は、一枚ずつずら
して積層したときよりも大きめに形成される。
【0044】図12は軸受装置14の他の実施例を示す
説明図である。図12(a)に示されるように、ヨーク
11に形成された回転軸15の為の孔径を円板30の孔
21と同様の径とすれば、軸受形成部21における回転
軸15への当接部21aの部分が円板30の一枚の役割
を果たし、積層枚数を減らすことができて、その分モー
タ軸方向のコンパクト化が図れる。なお本例では、ヨー
ク11に形成された孔の周縁に切欠部、または傾斜部、
または切欠部及び傾斜部を形成している。
【0045】さらには、図12(b)に示すようにヨー
ク11において、軸受形成部21として、回転電機内部
へ向けて膨出する膨出部を設ける。このように構成する
ことにより軸受形成部21は外部に向けて開口する。そ
して外部より円板30を積層し、金属蓋11dをスポッ
ト溶接等周知の接合にてヨーク11に固着する。このよ
うにすれば、外部より円板30の装着や潤滑剤の充填等
ができ、接合の工程は増えるものの、外部からの目視に
より作業が容易となる。
【0046】図13(a),(b)及び図14は、軸受
22を形成するときの、円板30を一体化させた実施例
を示したものである。円板30を積層するとき、図13
(a),(b)で示すように、円板30に少なくとも1
箇所以上の凹凸部を設け、隣り合う円板30の凹凸部を
嵌着させて一体化しブロック状に形成すると、積層後円
板30が離れることなく、よりしっかりと組み付けるこ
とができる。
【0047】なお、円板30を一体化させる他の実施例
として、図14で示すように、リベットR等により隣り
合うそれぞれの円板30を一体化することもできる。こ
のように周知の構造にて円板30を一体化し、ブロック
状とする。
【0048】上記のように、ブロック状に形成すること
で、例えば円板30を一枚ずつヨーク11における軸受
形成部21に積層するときと比較し、軸受形成部21に
圧入する際、円板30が変形しにくく、挿通孔31の真
円度を維持することができる。
【0049】図15は、円板30の他の実施例を示した
平面図であり、円板30の孔31における周壁35が、
傾斜面34を有さず、かつ切欠部33のみを形成した例
を示すものである。この円板30を一枚ごと或いは複数
枚束にして、周方向にずらしながら積層させて、図1で
示すところの軸受22を形成すると、軸受22の軸受内
周面26において、図15で示す潤滑剤溜めとしての切
欠部33が形成される。この実施例により、円板30を
より簡単に形成することができ、製造原価を低減するこ
とができる。
【0050】或いは図16に示すように、回転軸15が
挿入される孔31を略楕円形状に膨出させ、この膨出部
36を潤滑剤溜めとして形成する。本例のようにすると
孔31と膨出部36は略楕円形状で角を有さず、連続し
て形成されることになって、円板30を製造するときの
プレス工程において、パンチ欠けが減少し、これにより
プレス工程におけるプレスの寿命が延び、結果として製
造コストを低減させることができる。
【0051】以上の実施例において、切欠部33または
膨出部36が積層された円板30の全てに形成されて潤
滑剤溜めとした例を示したが、潤滑剤28を多量に必要
としないときや、それぞれの潤滑剤溜めを大きめに形成
するときには、円板一枚毎或いは数枚毎に切欠部33ま
たは膨出部36を設けるような構成としても良い。
【0052】また、潤滑剤28がモータ内部に入り込ま
ないように、整流子18側に最も近い一枚以上の円板3
0には切欠部33または膨出部36を形成しないような
構成としても良い。
【0053】図17は、円板30のさらに他の実施例を
示したものであり、円板30を面30b側から見た斜視
図である。本例は、円板30の孔31における周壁35
が切欠部33を有さない例を示したものである。本例に
おいては周壁35は、垂直面32と、傾斜面34とから
構成されており、円板30を一枚ごと或いは複数枚束に
して積層させ軸受22を形成すると、軸受22の軸受内
周面26において、傾斜面34と、隣り合う円板30の
上面30aとの間に潤滑剤溜めとしての空隙27が形成
される。
【0054】図17に示す実施例において、傾斜面34
は積層された円板30の全てに形成されて潤滑剤溜めと
した例を示したが、潤滑剤28を多量に必要としないと
きや、潤滑剤溜めを大きめに形成するときには、円板一
枚毎或いは数枚毎に傾斜面34を設けるような構成とし
ても良い。
【0055】図18は円板30にバーリング加工を施し
て軸受とした例を示している。本例における円板30
は、バーリング加工により中心から突き出して、周壁3
7とこの周壁37に囲まれて回転軸15を通すための孔
31が形成される。この円板30は周壁37における内
周壁37aと連続する面30aと、この面30aと反対
側の面30bとを有している。
【0056】図18(a)に示すように、上記バーリン
グ加工を施した円板30の面30aを、バーリング加工
を施さず中央に回転軸15を通すための孔31を形成し
た円板30へ当接させて積層し、軸受22を形成する。
【0057】上記軸受22において、バーリング加工を
施した円板30と、隣接するバーリング加工を施してい
ない円板30との間には潤滑剤溜めとしての空隙38が
形成される。
【0058】或いは、バーリング加工を施した円板30
について、図18(b)に示すように、バーリング加工
を施した円板30の面30aと、同じくバーリング加工
を施した円板30の面30aとを当接させて積層し軸受
22を形成する。このときそれぞれの円板により形成さ
れる空隙38を潤滑剤溜めとする。
【0059】このようにバーリング加工を施した円板を
使用して軸受を形成することにより、バーリング加工を
施さない円板のみを積層して軸受を形成するときに比べ
て、少ない枚数で形成することができコストダウンが可
能となる。
【0060】以上のように構成された軸受装置におい
て、軸受に潤滑剤を補充して、回転軸を回転させると、
軸受の潤滑剤溜めとしての切欠部または、空隙、または
切欠部及び空隙の間に溜められた潤滑剤が、回転軸の回
転により負圧及び摺動熱により軸受内周面ににじみ出
す。この潤滑剤によって、軸受の軸受内周面において適
正な潤滑ができ、回転軸及び軸受の摩耗を防止できる。
【0061】また、潤滑剤は、潤滑剤溜めとしての軸受
の切欠部及び空隙に充填されることにより積層されたそ
れぞれの円板の間に収納され、潤滑剤を均一に分散して
充填することができる。また潤滑剤を空隙及び切欠部の
ような小さな空間に収納することで、容易に回転軸の回
転による負圧及び摺動熱で軸受部の軸受内周面へにじみ
出すことが可能となり、潤滑剤を有効に使用して、回転
軸及び軸受の摩耗の進行を防止できる。
【0062】
【発明の効果】以上のように、潤滑剤が軸受内周面に複
数箇所で収納され、かつ小さな空間に収納されているの
で、回転軸の回転で潤滑剤を容易に引き出して、軸受内
周面に潤滑剤を多量に存在させることができ、高速度で
回転する軸に対して、回転軸及び軸受部の耐久性を向上
することができる。また、従来の焼結含油軸受のように
特別な製造工程を必要としないためコスト的メリットが
大きい。
【0063】また、本発明の軸受装置によれば、軸受が
受ける負荷に応じて枚数を変更することができ、汎用性
に富んだ軸受装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受装置を用いたモータの要部断
面説明図である。
【図2】本発明に係る円板の斜視図である。
【図3】本発明に係る円板の平面図である。
【図4】図3におけるA−A断面図である。
【図5】本発明に係る円板の端部断面図である。
【図6】本発明に係る円板の積層方法を示す説明図であ
る。
【図7】図6におけるB−B線における断面のC視図で
ある。
【図8】本発明に係る軸受の説明断面図である。
【図9】潤滑剤の充填方法を示す説明図である。
【図10】潤滑剤の充填方法を示す説明図である。
【図11】潤滑剤の充填方法を示す説明図である。
【図12】(a),(b)は本発明の他の実施例を示す
説明図である。
【図13】(a),(b)は本発明の円板の積層方法に
おける他の実施例を示す説明図である。
【図14】本発明の円板の積層方法における他の実施例
を示す説明図である。
【図15】本発明の円板の他の実施例を示す説明図であ
る。
【図16】本発明の円板の他の実施例を示す説明図であ
る。
【図17】本発明の円板の他の実施例を示す説明図であ
る。
【図18】本発明の円板の他の実施例を示す説明図であ
る。
【図19】従来例を示す説明図である。
【図20】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
11 ヨーク 12 固定子 13 回転子 14 軸受装置 15 回転軸 16 鉄心 17 巻線 18 整流子 19 ブッシュ 21 軸受形成部 22 軸受 23 軸受部 24 ワッシャ 25 油切りワッシャ 26 軸受内周面 27 空隙 28 潤滑剤 30 円板 31 孔 32 垂直面 33 切欠部 34 傾斜面 35 周壁 36 膨出部 37 周壁 38 空隙 40 充填パイプ 41 充填穴 42 注油ノズル M モータ R リベット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図 1】
【図 3】
【図 4】
【図 5】
【図 2】
【図 6】
【図 7】
【図 8】
【図 9】
【図 10】
【図 11】
【図14】
【図 20】
【図 12】
【図 13】
【図 15】
【図 16】
【図 17】
【図 18】
【図 19】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨークと、該ヨークに連設された軸受部
    と、を備えてなる回転電機の軸受装置において、前記軸
    受部は軸受形成部と、該軸受形成部内に圧入される積層
    された複数の円板からなる軸受とを有し、前記円板は中
    央に回転軸を嵌通する孔を有し該孔の周縁に切欠部、ま
    たは傾斜部、または切欠部及び傾斜部が形成され、前記
    複数の円板を前記ヨークの軸受形成部に圧入し、少なく
    とも前記切欠部または傾斜部に潤滑剤を充填して潤滑剤
    溜めとし、前記軸受の内周面と前記回転軸の軸受当接部
    との間に流動的な潤滑剤を介在させたことを特徴とする
    回転電機の軸受装置。
  2. 【請求項2】 ヨークと、該ヨークに連設された軸受部
    と、を備えてなる回転電機の軸受装置において、前記軸
    受部は軸受形成部と、該軸受形成部内に圧入される複数
    の円板からなる軸受とを有し、前記円板は中央に回転軸
    を嵌通する孔を有し該孔の周縁に切欠部、または傾斜
    部、または切欠部及び傾斜部が形成されると共に一体化
    され、前記複数の円板を前記ヨークの軸受形成部に圧入
    し、少なくとも前記切欠部または傾斜部に潤滑剤を充填
    して潤滑剤溜めとし、前記軸受部の内周面と前記回転軸
    の軸受当接部との間に流動的な潤滑剤を介在させたこと
    を特徴とする回転電機の軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記円板は一枚及び複数枚を束としてそ
    れぞれ円周方向に回転して積層し、前記切欠部の位置を
    ずらしたことを特徴とする請求項1,2いずれか記載の
    回転電機の軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記円板は銅、鉄等の金属からなること
    を特徴とする請求項1,2いずれか記載の回転電機の軸
    受装置。
  5. 【請求項5】 前記円板は、一枚以上がバーリング加工
    を施していることを特徴とする請求項1乃至請求項4に
    いずれか記載の回転電機の軸受装置。
JP12280696A 1996-04-22 1996-04-22 回転電機の軸受装置 Pending JPH09289753A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101461865B1 (ko) * 2009-11-19 2014-11-13 현대자동차 주식회사 베어링을 구비한 워터펌프
JP2020101239A (ja) * 2018-12-21 2020-07-02 Tpr株式会社 組合せスラストワッシャ

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