JPH09289449A - A/dコンバータのテスト方法及びテスト装置 - Google Patents

A/dコンバータのテスト方法及びテスト装置

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JPH09289449A
JPH09289449A JP8101461A JP10146196A JPH09289449A JP H09289449 A JPH09289449 A JP H09289449A JP 8101461 A JP8101461 A JP 8101461A JP 10146196 A JP10146196 A JP 10146196A JP H09289449 A JPH09289449 A JP H09289449A
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    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
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    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/14Conversion in steps with each step involving the same or a different conversion means and delivering more than one bit
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  • Theoretical Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部テスト端子の数を著しく低減しつつ、A
/Dコンバータセルのファンクションテストやスタティ
ックリニアリティを行う。 【解決手段】 サブレンジングA/Dコンバータにおい
て、上位基準電圧が誤って正常な値よりも低くなればラ
ダー抵抗の抵抗ブロックは適切なものよりも電圧の低い
ものが選択され、下位基準電圧はアナログ入力電圧より
も必ず小さくなって、下位ビットの出力が全て“H”に
なる。つまりアナログ入力電圧Vinの値に依存せずに
コンパレータに流れる電流が一定となる領域B1が現れ
る。これを検出することによって異常が存在すると判定
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパレータを有
するA/Dコンバータのテスト方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図37は、アナログ/ディジタル混在L
SIの内蔵するA/Dコンバータセルのファンクション
テストを行う従来の技術を説明するブロック図であり、
図38は上記ファンクションテストの方法を説明したフ
ローチャートである。
【0003】図37において、アナログ/ディジタル混
在LSI12はA/Dコンバータセル10と、ロジック
回路11とを内蔵している。A/Dコンバータセル10
のアナログ回路には、アナログ電源端子1を介して第1
の電源13から電位AVddが供給される。また、A/
Dコンバータセル10のディジタル回路及びロジック回
路11には、ディジタル電源端子を介して第2の電源1
4から電位DVddが供給される。
【0004】A/Dコンバータセル10内のラダー抵抗
の内、最高の電位が与えられる点には、上部基準電源端
子3を介して第3の電源15から電位VRTが、最低の
電位が与えられる点には、下部基準電源端子4を介して
第4の電源16から電位VRBが、それぞれ与えられ
る。
【0005】A/Dコンバータセル10にはアナログ電
圧入力端子5を介してアナログソース源17からアナロ
グ入力電圧Vinが供給される。A/Dコンバータセル
10から得られるディジタル出力はロジック回路11に
与えられるが、ファンクションテストを実施するための
外部テスト端子7を介してデータアナライザ19にも与
えられる。コンピュータ20は、データアナライザ19
のメモリに取り込まれたディジタル出力信号を読み出
し、Nビットのバイナルコード信号線21を介して演算
処理をする。ここでは、説明の便宜のためA/Dコンバ
ータセル10は10ビットの信号を出力するとし、N=
10となる。従って、外部テスト端子7は7a,7b,
7c,7d,7e,7f,7g,7h,7i,7jの1
0本である。
【0006】ロジック回路11はA/Dコンバータセル
10から得られるディジタル出力に所定の処理をしてデ
ィジタル入出力端子9に与える。
【0007】また、A/Dコンバータセル10は接地8
に接続され、更にクロック入力端子6を介してクロック
源18から、A/Dコンバータセル10のサンプリング
クロックやロジック回路11に供給されるべきクロック
が供給される。
【0008】図38に示されるように、ステップSP1
においては第1乃至第4の電源をONし、アナログ電源
端子1、ディジタル電源端子2、上部基準電源端子3、
下部基準電源端子4に、それぞれ電位AVdd,DVd
d,VRT,VRBを印加する。
【0009】ステップSP2において、クロック源18
からのサンプリングクロック等をクロック入力端子6に
印加する。また、別途ステップSP3において、アナロ
グソース源17から出力されるアナログ入力電圧Vin
の分解能を設定する。
【0010】ステップSP4では、ステップSP3で設
定された分解能ずつ増加させて、アナログ入力電圧端子
5にアナログ入力電圧をステップ状に供給する。
【0011】ステップSP5では外部テスト端子7から
得られた、A/Dコンバータセル10のディジタル出力
(バイナルデータ)をデータアナライザ19のメモリに
格納する。
【0012】ステップSP6ではデータアナライザ19
のメモリからバイナルデータをコンピュータ20で10
進数へ変換する。そしてその変換した結果からステップ
SP7で良否の判定が行われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図39は、バイナルコ
ードから10進化コードへの変換の対応を示す。ここで
は外部テスト端子7aに与えられるビットがLSBであ
り、外部テスト端子7jに与えられるビットがMSBで
あるとしている。10進化コードの値は、7a×20
7b×21 +7c×22 +7d×23 +7e×24 +7
f×25 +7g×26 +7h×27 +7i×28 +7j
×29 で求められる。
【0014】図40は、A/Dコンバータセル10が正
常な場合の、アナログ入力電圧Vinと10進化コード
との関係を示すグラフである。10進化コードに対応す
るアナログ入力電圧Vinの幅は、10進化コードの値
によらずに一定であり(10進化コードが“0”,“1
023”の場合を除く)、アナログ入力電圧Vinが増
大するにつれ、ステップ状に10進化コードが増大す
る。このような場合にはステップSP7において良品と
判断される。
【0015】図41乃至図43はミッシングコードが存
在する場合のアナログ入力電圧Vinと10進化コード
との関係を示すグラフである。これらの図では何れも1
0進化コード“5”が欠落し、“0”〜“1023”の
コードが全て存在している状態にはない。このような場
合にはステップSP7において不良品と判断される。
【0016】従来の技術は以上のように、10進化コー
ドの所定値が全て存在するか否かを判断するので、外部
テスト端子7からバイナルコードを得る必要があった。
外部テスト端子7を設ける必要があるので半導体装置の
チップ面積が増加し、パッケージサイズが増加した。こ
れにより半導体装置のコストの増加を招来するという問
題点があった。
【0017】本発明は以上のような不具合を解消するも
ので、外部テスト端子の数を著しく低減し、A/Dコン
バータセルのアナログ部の電源電流を測定することによ
って、A/Dコンバータセルのファンクションテストや
スタティックリニアリティを可能にする方法を提供す
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明のうち請求項1
にかかるものは、複数の上位基準電圧と、複数の下位基
準電圧からなる複数の下位基準電圧群が設定され、複数
のコンパレータを含む第1のコンパレータアレイを有
し、前記複数の上位基準電圧とアナログ入力との前記複
数のコンパレータにおける比較に基づいて前記ディジタ
ル出力の上位ビットが決定され、前記上位ビットに基づ
いて一つの前記複数の下位基準電圧群が選択され、前記
一の前記複数の下位基準電圧群に属する前記複数の下位
基準電圧と前記アナログ入力との比較がなされて下位ビ
ットが決定され、前記アナログ入力をある分解能で前記
上位ビット及び前記下位ビットからなるディジタル出力
へとA/D変換を行う、サブレンジング型A/Dコンバ
ータのテスト方法である。そして、(a)前記アナログ
入力として、前記分解能よりも小さな変化量で変化する
アナログ信号を与える工程と、(b)前記アナログ信号
と、前記アナログ入力を前記複数の下位基準電圧と比較
する際に少なくとも前記第1のコンパレータアレイに流
れる電流との関係を測定し、電流波形を求める工程と、
(c)前記電流波形において極値を採る点の個数を求め
る工程と、(d)前記個数が所定数であるか否かに基づ
いて前記A/Dコンバータの良否を判断する工程とを備
える。
【0019】この発明のうち請求項2にかかるものは、
請求項1記載のA/Dコンバータのテスト方法であっ
て、(e)前記極値の内、最も小さい前記アナログ信号
に対応するものを除く極大値と、前記極大値と隣接して
対をなす極小値とを求める工程と、(f)前記対毎に前
記極大値と前記極小値の差である第1の電流差を求め、
前記対の間で比較して前記第1の電流差の最大値を求め
る工程と、(g)前記第1の電流差の前記最大値を2の
前記下位ビット乗よりも1だけ小さい値で除して第2の
電流差を求める工程と、(h)全ての前記極大値同士の
差の絶対値及び全ての極小値同士の差の絶対値が前記第
2の電流差に収まるか否かに基づいて前記A/Dコンバ
ータの良否を判断する工程とを更に備える。
【0020】この発明のうち請求項3にかかるものは、
請求項1記載のA/Dコンバータのテスト方法であっ
て、前記サブレンジング型A/Dコンバータは、複数の
コンパレータを含む第2のコンパレータアレイを更に有
し、前記工程(b)では前記アナログ信号と、前記アナ
ログ入力を前記複数の下位基準電圧と比較する際に前記
第1のコンパレータアレイ及び前記第2のコンパレータ
アレイに流れる電流の和との関係を測定し、前記電流波
形を求める。
【0021】この発明のうち請求項4にかかるものは、
請求項3記載のA/Dコンバータのテスト方法であっ
て、(e)前記極値の内、最も小さい前記アナログ信号
に対応するものを除く極大値と、前記極大値と隣接して
対をなす極小値とを求める工程と、(f)前記対毎に前
記極大値と前記極小値の差である第1の電流差を求め、
前記対の間で比較して前記第1の電流差の最大値を求め
る工程と、(g)前記第1の電流差の前記最大値を2の
前記下位ビット乗よりも1だけ小さい値で除して第2の
電流差を求める工程と、(h)第1及び第2の条件を満
足するか否かに基づいて前記A/Dコンバータの良否を
判断する工程とを更に備える。そして、前記第1の条件
は、隣接する前記極大値の内、前記アナログ信号の大き
い方に対応するものから前記アナログ信号の小さい方に
対応するものを引いた値に前記第2の電流差を加えた値
の絶対値が、前記第2の電流差に収まることであり、前
記第2の条件は、隣接する前記極小値の内、前記アナロ
グ信号の大きい方に対応するものから前記アナログ信号
の小さい方に対応するものを引いた値に前記第2の電流
差を加えた値の絶対値が、前記第2の電流差に収まるこ
とである。
【0022】この発明のうち請求項5にかかるものは、
複数の上位基準電圧と、複数の下位基準電圧からなる複
数の下位基準電圧群が設定され、複数のコンパレータを
含む第1のコンパレータアレイを有し、前記複数の上位
基準電圧とアナログ入力との前記複数のコンパレータに
おける比較に基づいてWビット(Wは自然数)からなる
上位ビットが決定され、前記上位ビットに基づいて一つ
の前記複数の下位基準電圧群が選択され、前記一の前記
複数の下位基準電圧群に属する前記複数の下位基準電圧
と前記アナログ入力との比較がなされてWビットからな
る下位ビットが決定され、前記アナログ入力を前記上位
ビット及び前記下位ビットからなる2Wビットのディジ
タル出力へとA/D変換を行う、サブレンジング型A/
Dコンバータのテスト方法である。そして、(a)前記
A/Dコンバータが、量子化誤差を含まないと仮定した
場合に得られる線形の理想A/D変換特性と、前記ディ
ジタル出力の変化の最小単位に対応する前記アナログ入
力の電圧である第1の分解能とを求める工程と、(b)
前記理想A/D変換特性を規定する前記アナログ入力の
電圧の、最小値に対応する第1の初期電圧と、最大値に
対応する第1の終期電圧との間を、前記第1の分解能の
(2W +1)倍である第2の分解能ごとに区分し、前記
第1の初期電圧と、前記第1の終期電圧とを含む2W
のアナログ信号を前記アナログ入力として与える工程
と、(c)前記アナログ入力と、前記アナログ入力を前
記複数の下位基準電圧と比較する際に少なくとも前記第
1のコンパレータアレイに流れる2W 個の電源電流を測
定する工程と、(d)前記第1の初期電圧及びこれに対
応する前記電源電流と、前記第1の終期電圧及びこれに
対応する前記電源電流とから前記理想A/D変換特性に
対応した電流波形を求め、前記電源電流の全てが前記電
流波形に対して所定の範囲内に収まっているか否かに基
づいて前記A/Dコンバータの良否を判断する工程とを
備える。
【0023】この発明のうち請求項6にかかるものは、
請求項5記載のA/Dコンバータのテスト方法であっ
て、前記工程(a)は(a−1)前記ディジタル出力の
値が最小値となるかそれよりも1単位だけ大きな値とな
るかの境界に対応する前記アナログ入力の値である第2
の初期電圧を求める工程と、(a−2)前記ディジタル
出力がフルスケールとなるかオーバフローとなるかの境
界に対応する前記アナログ入力の値である第2の終期電
圧を求める工程と、(a−3)前記第2の終期電圧から
前記第2の初期電圧を引いた値を、(22W−1)で除し
て前記第1の分解能を求める工程と、(a−4)前記第
2の初期電圧から前記第1の分解能を引いて前記第1の
初期電圧を求め、前記第2の終期電圧から前記第1の分
解能を引いて前記第1の終期電圧を求める工程とを有す
る。
【0024】この発明のうち請求項7にかかるものは、
請求項6記載のA/Dコンバータのテスト方法であっ
て、前記サブレンジング型A/Dコンバータは、複数の
コンパレータを含む第2のコンパレータアレイを更に有
し、前記工程(c)では前記アナログ入力と、前記アナ
ログ入力を前記複数の下位基準電圧と比較する際に前記
第1のコンパレータアレイ及び前記第2のコンパレータ
アレイに流れる電流の和との関係を測定し、前記電源電
流を求める。
【0025】この発明のうち請求項8にかかるものは、
複数の基準電圧とアナログ入力とを比較する複数のコン
パレータを含み、前記複数のコンパレータにおける比較
に基づいて2Wビット(Wは自然数)からなるディジタ
ル出力を出力するコンパレータアレイを備え、前記アナ
ログ入力を前記ディジタル出力へとA/D変換を行う、
A/Dコンバータのテスト方法である。そして、(a)
前記アナログ入力と、前記アナログ入力を前記基準電圧
と比較する際に前記コンパレータアレイに実際に流れる
電源電流との関係を測定し、実測電流波形を求める工程
と、(b)前記ディジタル出力の値が最小値となるかそ
れよりも1単位だけ大きな値となるかの境界に対応する
前記アナログ入力の値である初期電圧を求める工程と、
(c)前記ディジタル出力がフルスケールとなるかオー
バフローとなるかの境界に対応する前記アナログ入力の
値である終期電圧を求める工程と、(d)前記終期電圧
から前記初期電圧を引いた値を、(22W−1)で除して
分解能を求める工程と、(e)前記初期電圧から前記終
期電圧の範囲内であって、前記アナログ入力の値が増加
するに伴って前記電源電流が単調に増加する基本領域に
おいて、前記A/Dコンバータが理想的に前記A/D変
換を行う場合に、前記電源電流が変化し得る値を前記ア
ナログ入力の値が変化し得る値で除し、これに前記分解
能を乗じた値を電流増分として求める工程と、(f)前
記基本領域において、前記A/Dコンバータが理想的に
前記A/D変換を行う場合に、前記アナログ入力の値が
前記分解能だけ増加する度に前記増分ずつ増加する前記
電源電流を示す理想電流波形を求める工程と、(g)前
記実測電流波形と前記理想電流波形とを比較して、両者
間の差異が所定の範囲内に収まっているか否かに基づい
て前記A/Dコンバータの良否を判断する工程とを備え
る。
【0026】この発明のうち請求項9にかかるものは、
請求項8記載のA/Dコンバータのテスト方法であっ
て、前記複数の基準電圧は、複数の上位基準電圧と、複
数の下位基準電圧からなる複数の下位基準電圧群を有
し、前記複数の上位基準電圧と前記アナログ入力との前
記複数のコンパレータにおける比較に基づいてWビット
からなる上位ビットが決定され、前記上位ビットに基づ
いて一つの前記複数の下位基準電圧群が選択され、前記
一の前記複数の下位基準電圧群に属する前記複数の下位
基準電圧と前記アナログ入力との比較がなされてWビッ
トからなる下位ビットが決定され、前記A/Dコンバー
タは、前記アナログ入力を前記上位ビット及び前記下位
ビットからなる2Wビットのディジタル出力へとA/D
変換を行う、サブレンジング型A/Dコンバータであっ
て、前記電源電流は、前記アナログ入力と、前記アナロ
グ入力を前記複数の下位基準電圧とを比較する際に前記
コンパレータアレイに流れる電流である。
【0027】この発明のうち請求項10にかかるもの
は、請求項9記載のA/Dコンバータのテスト方法であ
って、前記サブレンジング型A/Dコンバータは、複数
のコンパレータを含む第2のコンパレータアレイを更に
有し、前記電源電流は、前記アナログ入力と、前記アナ
ログ入力を前記複数の下位基準電圧と比較する際に前記
コンパレータアレイ及び前記第2のコンパレータアレイ
に流れる電流の和である。
【0028】この発明のうち請求項11にかかるもの
は、(a)アナログ入力を複数の上位基準電圧と比較
し、更に複数の下位基準電圧と比較する複数のコンパレ
ータからなるコンパレータアレイを有し、前記アナログ
入力をある分解能でディジタル出力へとA/D変換する
サブレンジング型A/Dコンバータと、(b)前記分解
能よりも小さな変化量ずつステップ状に変化するアナロ
グ信号を前記アナログ入力として与えるアナログ信号源
と、(c)前記コンパレータアレイに電圧を供給する電
源と、(d)前記アナログ入力を前記複数の下位基準電
圧と比較する際に、前記電源から流れる電流を測定する
電流測定器と、(e)前記アナログ信号と前記電流との
関係を解析する解析手段とを備えるA/Dコンバータの
テスト装置である。
【0029】この発明のうち請求項12にかかるもの
は、(a)アナログ入力を複数の基準電圧と比較する複
数のコンパレータからなるコンパレータアレイを有し、
前記アナログ入力をディジタル出力へとA/D変換する
A/Dコンバータと、(b)前記コンパレータアレイに
電圧を供給する電源と、(c)前記アナログ入力を前記
下位基準電圧と比較する際に、前記電源から流れる電源
電流を測定する電流測定器と、(d)前記A/Dコンバ
ータがオーバフローとなっているか否かと、前記ディジ
タル出力が最小値となっているか否かを検出する検出手
段と、(e)前記工程(d)の結果に基づいて前記電源
電流の理想的な波形を求め、これと前記電源電流との関
係を解析する解析手段とを備えるA/Dコンバータのテ
スト装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はアナログ/ディジタル混在LSI
12の内蔵するA/Dコンバータセル101のファンク
ションテストを行う、本実施の形態の技術を説明するブ
ロック図である。A/Dコンバータセル101は直並列
(サブレンジング)型であり、本実施の形態では10ビ
ットのコンバータである場合を説明するが、他のビット
数に対しても適用できるのは当然である。
【0031】アナログ/ディジタル混在LSI12はA
/Dコンバータセル101と、ロジック回路11とを内
蔵している。A/Dコンバータセル101のアナログ回
路には、アナログ電源端子1を介して第1の電源13か
ら電位AVddが供給される。また、A/Dコンバータ
セル101のディジタル回路及びロジック回路11に
は、ディジタル電源端子2を介して第2の電源14から
電位DVddが供給される。
【0032】アナログ電源端子1と第1の電源13との
間には電流測定器22が設けられ、両者の間に流れる電
流(以下「アナログ電源電流」という)を測定する。電
流測定器22のデータはコンピュータ20に与えられ、
後述のような解析が行われる。
【0033】A/Dコンバータセル101は後述するラ
ダー抵抗を備え、その内で最高の電位が与えられる点に
は、上部基準電源端子3を介して第3の電源15から電
位VRTが、最低の電位が与えられる点には、下部基準
電源端子4を介して第4の電源16から電位VRBが、
それぞれ与えられる。電位VRT,VRBとしては例え
ばそれぞれ1V,0Vが設定される。
【0034】A/Dコンバータセル101にはアナログ
電圧入力端子5を介してアナログソース源17からアナ
ログ入力電圧Vinが供給される。ロジック回路11は
A/Dコンバータセル101から得られるディジタル出
力に所定の処理をしてディジタル入出力端子9に与え
る。
【0035】また、A/Dコンバータセル101は接地
8に接続される。以下で用いられる用語「電位」は接地
8を基準とするので、用語「電圧」と混用して説明する
こともある。
【0036】更にクロック入力端子6を介してクロック
源18から、A/Dコンバータセル101のサンプリン
グクロックやロジック回路11に供給されるべきクロッ
クが供給される。
【0037】図2は本実施の形態にかかるA/Dコンバ
ータセル101の構成を示すブロック図である。この10
-bitサブレンジングA/Dコンバータセルは、1024
個の抵抗からなるラダー抵抗23、スイッチマトリック
ス24、31個のコンパレータCmp1〜Cmp31が
集合したコンパレータアレイ25、コンパレータアレイ
25からのデジタルデータの演算とスイッチマトリック
ス24の制御とを行うA/Dコンバータのロジック回路
26を備える。
【0038】電位VRT,VRBの間の電位差はラダー
抵抗23によって分圧され、1024個の基準電圧が得
られるが、ラダー抵抗23は32個の抵抗ブロックb1
〜b32から構成されているので、1024個の基準電
圧も32個のブロックに分割される。
【0039】このA/Dコンバータセル101は、上位
(coarse)5ビットと下位(fine)5ビットのデータに
分けてA/D変換を行う。上位5ビットに対応する上位
基準電圧線27は31本からなり、隣接する抵抗ブロッ
クbi,b(i+1)(i=1〜31)の境界に接続さ
れる。これらには31個のcoarse基準電圧Vrcが与え
られる。下位5ビットに対応する下位基準電圧線28は
31本からなり、これらにはラダー抵抗ブロックb1〜
b32のうちスイッチマトリックス24によって一つ選
択されたものが出力する31個のfine基準電圧Vrfが
与えられる。fine基準電圧Vrfはその低いものから高
いものへと順に、コンパレータアレイ25の31個のコ
ンパレータCmp1〜Cmp31に供給される。
【0040】下部基準電源配線42には下部基準電源端
子4を介して電位VRBが与えられ、これは第1の分配
端子31を介してコンパレータアレイ25の31個のコ
ンパレータCmp1〜Cmp31に供給される。
【0041】アナログ入力電圧Vinはアナログ入力電
圧線43に伝達され、これはアナログ分配端子30を介
してコンパレータアレイ25の31個のコンパレータC
mp1〜Cmp31に供給される。
【0042】コンパレータアレイ25にはその動作のた
めにアナログ電源線40を介してアナログ電源端子1か
ら電位AVddが供給される。コンパレータアレイ25
の31個の出力はコンパレータアレイ出力線41を介し
てロジック回路26に伝達される。
【0043】ロジック回路26は、32本からなるフィ
ードバック線29を用いて、スイッチマトリックス24
を制御するフィードバック信号を出力する。またロジッ
ク回路26は出力コードB1〜B10を出力し、出力コ
ードB1〜B10はそれぞれ順次LSB〜MSBを示
す。
【0044】図3はコンパレータアレイ24を構成する
コンパレータCmpi(i=1〜31)の一つの構成を
例示するブロック図である。このコンパレータは、3個
の差動アンプ34〜36、4個のキャパシタC1〜C
4、10個のスイッチS1〜S10で構成されている。
なお、点線で示すように更に2個のキャパシタC5,C
6が設けられても良い。
【0045】入力端30,31,32,33には、それ
ぞれアナログ入力電圧Vin、電位VRB、coarse基準
電圧Vrc、fine基準電圧Vrfがそれぞれ与えられ
る。スイッチS1〜S4、S5とS6、S7とS8、S
9とS10は夫々連動して開閉動作をする。
【0046】入力端子30,32,33はそれぞれスイ
ッチS5,S7,S9を介してキャパシタC1の一端に
接続される。キャパシタC1の他端には差動アンプ34
の一方の入力端が接続される。入力端子31は、互いに
並列に接続された3個のスイッチS6,S8,S10を
介してキャパシタC2の一端に接続される。キャパシタ
C2の他端には差動アンプ34の他方の入力端が接続さ
れる。
【0047】差動アンプ34の一対の入力端は、それぞ
れスイッチS1,S2を介して、自身の一対の出力端と
接続される。差動アンプ34の一対の出力端は、それぞ
れキャパシタC3,C4を介して、差動アンプ35の一
対の入力端と接続される。差動アンプ35の一対の入力
端は、それぞれスイッチS3,S4を介して、自身の一
対の出力端と接続される。差動アンプ35の一対の出力
端は、直接に、あるいはそれぞれキャパシタC5,C6
を介して、差動アンプ36の一対の入力端と接続され
る。差動アンプ36は出力端が1つのsingle-ended-sty
leであり、これはコンパレータ出力端子37に接続され
る。
【0048】簡単にこのA/Dコンバータセル101の
動作について説明する。まず、コンパレータアレイ25
は31個のcoarse基準電圧VrcとA/D変換の対象と
なるアナログ入力電圧Vinとを比較する。A/Dコン
バータセルのロジック回路26は、上位(coarse)の5
ビットのコードB6〜B10を出力し、fine基準電圧V
rfと比較するためのラダー抵抗ブロックの一つが選択
される。
【0049】次にスイッチマトリックス24はフィード
バック信号によって制御され、選択されたラダー抵抗ブ
ロックのfine基準電圧Vrfは、コンパレータアレイ2
5へ伝達される。コンパレータアレイ25は、31個の
fine基準電圧Vrfとサンプリングされるアナログ入力
電圧Vinとを比較する。ロジック回路26は、保持し
ていた上位(coarse)5ビットのコードB6〜B10と
共に下位(fine)5ビットのコードB1〜B5を出力す
る。
【0050】図4は差動アンプ36の構成を示す回路図
である。非反転入力端子38、反転入力端子39は、そ
れぞれnチャネルトランジスタQ3,Q4のゲートに接
続されている。pチャネルトランジスタQ1,Q2のソ
ースにはアナログ電源端子1を介して電位AVddが与
えられており、nチャネルトランジスタQ5のソースに
は接地8が接続されている。pチャネルトランジスタQ
1のゲート及びドレイン、並びにpチャネルトランジス
タQ2のゲートは共通に接続されており、pチャネルト
ランジスタQ2のドレインはコンパレータ出力端子37
に接続されている。またnチャネルトランジスタQ5の
ドレインと、nチャネルトランジスタQ3,Q4のソー
スとは共通に接続されている。nチャネルトランジスタ
Q5のゲートにはバイアス電位が与えられている。
【0051】図5はnチャネルトランジスタQ5の特性
を示すグラフである。ここでnチャネルトランジスタQ
5のソースドレイン間電圧をVds、ドレイン電流をI
dとする。
【0052】非反転入力端子38に“H”、反転入力端
子39に“L”が入力された時、コンパレータ出力端子
37に“H”が出力される。その時のVds,Idの値
をそれぞれVH,IHとする。逆に非反転入力端子38
に“L”、反転入力端子39に“H”が入力された時、
コンパレータ出力端子37に“L”が出力される。その
時のVds,Idの値をそれぞれVL,ILとする。
【0053】コンパレータ出力端子37に表れる出力が
“L”の時と“H”の時とでは、差動アンプ34,3
5,36に流れる電流は、それぞれ電流差ΔI1,ΔI
2,ΔI3だけ異なり、3個の差動アンプ34〜36で
構成された1個のコンパレータCmpjの電流差ΔI
は、ΔI=ΔI1+ΔI2+ΔI3となる。
【0054】しかし、差動アンプ36がsingle-ended-s
tyleのために、Vds=VLの時にはnチャネルトラン
ジスタQ5は不飽和領域(三極管領域)で動作し、Vd
s=VHの時には飽和領域(ピンチ領域)で動作する。
よってΔI3=IH−ILとなる。一方、1段目の増幅
器34と2段目の増幅器35はいずれも飽和領域で動作
するため、ΔI1とΔI2はΔI3と比較して小さな値
になる。従って、1個のコンパレータの電流差ΔIは近
似的にΔI=ΔI3=IH−ILになる。コンパレータ
の出力レベルが“L”から“H”に変化したとき、1個
のコンパレータの電源電流は、例えば20μAから20
0μAに変化する。
【0055】本実施の形態は、この電流値の差を利用し
て、コンパレータアレイ25の電源電流を測定し、ファ
ンクションテストを行うものである。電源電流を測定し
て回路の良否を判定する手法はディジタル回路において
はIDDQテスト法(Vdd supply current Quiescent)
が知られているが、本実施の形態ではこれをアナログ回
路に適用する(アナログIDDQテスト)。
【0056】図6はアナログ入力電圧Vinの時間変化
を示すグラフである。このように時間とともに階段状に
変化するアナログ入力電圧Vinを受ければ、コンパレ
ータの出力レベルが変動することによってドレイン電流
Idが変動し、これはアナログ電源端子1を介して電流
測定器22によって測定される。
【0057】アナログ入力電圧Vinの分解能をLSB
に対応する電圧VLSB の1/Rに設定した場合には、2
10×R個のステップで時間とともに順次上昇するように
アナログ入力電圧Vinがアナログソース源17からア
ナログ電圧入力端子5に与えられる。(1/R)VLSB
=(VRT−VRB)/(210−1)/Rが成立する。
例えばR=5と設定すれば、5×1024ステップの微
小な入力ステップ電圧として、アナログ電圧入力端子5
に印加される。
【0058】アナログIDDQは、図6に示したような
アナログ入力電圧Vinの増加に伴って、後述するよう
なのこぎり形状(Jagged Waveform )を呈してアナログ
の電源AVddに現れる電流を電流測定器22において
測定する方法である。そして測定された電源電流波形
は、理論的に算出された理想的(正常状態)な電源電流
と比較される。
【0059】図7は本実施の形態にかかるファンクショ
ンテストの方法を説明したフローチャートである。まず
ステップSP1において第1乃至第4の電源をONし、
アナログ電源端子1、ディジタル電源端子2、上部基準
電源端子3、下部基準電源端子4に、それぞれ電位AV
dd,DVdd,VRT,VRBを印加する。そしてス
テップSP2において、クロック源18からのサンプリ
ングクロック等をクロック入力端子6に印加する。一
方、別途ステップSP3において、アナログソース源1
7から出力されるアナログ入力電圧Vinの分解能(つ
まり(1/R)VLSB )を設定する。そしてステップS
P8では、ステップSP3で設定された分解能ずつ増加
させて、アナログ入力電圧端子5にアナログ入力電圧V
inを図6に示されるようにステップ状に(ランプ波形
で)供給しつつ、マルチメータ等の電流測定器22で、
アナログ入力電圧Vinの各々のステップに対してアナ
ログ電源端子1において流れるアナログ電源電流Idd
を測定する。アナログ電源電流Iddはコンパレータア
レイ25に流れる電流である。
【0060】図8は、A/Dコンバータセル101が正
常な場合のアナログ入力電圧Vinに対するアナログ電
源電流Iddの電流波形を示すグラフである。サブレン
ジング型のA/Dコンバータでは、まず上位(coarse)
5ビットを求め、これに対応する抵抗ブロックbj(j
=1〜32)から得られる31個のfine基準電圧Vrf
とアナログ入力電圧Vinとを比較して下位(fine)5
ビットを求める。ここではアナログ電源電流Iddの測
定は、上位(coarse)5ビットを求める際ではなく、下
位(fine)ビットを求める際に測定する。
【0061】Vin<Vref(Vrc or Vrf)の
時、コンパレータ出力は“L”となる。逆にVin>V
refの時、コンパレータ出力は“H”となる。
【0062】アナログ入力電圧Vinがあるラダー抵抗
ブロックbjでの全てのfine基準電圧Vrfよりも
小さいとき、31個のコンパレータCmp1〜Cmp3
1の出力が全て“L”となる。そしてVinが増加する
ことによって31個のコンパレータCmp1〜Cmp3
1の出力は順々に“H”に変化する。その結果、アナロ
グ電源電流Iddは増加する。この様子は例えばj=3
の場合には図8の positive slope A1に示される。既
述のように、アナログ電源電流Iddの測定は、下位
(fine)ビットを求める際に測定するので、アナログ入
力電圧Vinが増加して上位(coarse)ビットを求める
際に流れる電流はグラフに現れない。
【0063】電位VRB(例えば0V)から順次増大し
て行く場合、あるオフセット電圧までの範囲がコンパレ
ータにとっての不感帯として存在し、アナログ電源電流
Iddは単調に増加する。アナログ入力電圧Vinがこ
のオフセット電圧以上になって初めてラダー抵抗ブロッ
クb1に接続されたコンパレータCmp1が“H”を出
力する。
【0064】スイッチマトリックス24によってラダー
抵抗ブロックb1に接続された、コンパレータCmp1
〜Cmp31の出力が全て“H”になった後、ロジック
回路26はフィードバック信号によってスイッチマトリ
ックス24を制御する。つまりコンパレータCmp1〜
Cmp31はVinの増加によってラダー抵抗ブロック
b2に接続される。その時、31個のコンパレータCm
p1〜Cmp31の出力は“L”になる。従って、それ
まで増加していたアナログ電源電流Iddは、急激に低
下することになる。
【0065】更にアナログ入力電圧Vinの増加によっ
てコンパレータCmp1〜Cmp31の出力は、順々に
“H”に変化する。このようにして、コンパレータCm
p1〜Cmp31は、順次更新されるラダー抵抗ブロッ
クに接続されて動作する。これらのコンパレータの動作
に依り電源電流波形は図8に示す32個のJagged Wavef
orm (のこぎり状の波形)となる。
【0066】このアナログIDDQテストによって、ス
イッチマトリックス24のスイッチ接続不良(switch c
onnection fault )やコンパレータCmp1〜Cmp3
1のファンクション不良(comparator's functional fa
ult )が検出可能となる。ステップSP9〜SP14は
得られた電源電流波形を解析することで良否を判断する
具体的処理を行う。上記解析はコンピュータ20におい
て行われる。
【0067】まずステップSP9においては図8で示さ
れた電源電流波形の各々の上部の頂点の電流値Idhm
(m=1〜32)をサーチする。アナログ入力電圧Vi
nの低い方(電位VRB)からサーチを開始し、アナロ
グ電源電流Iddの増加が停止するか減少に向かう点の
電流値を求めるのである。スイッチマトリックス24の
動作により、コンパレータアレイ25に接続されるラダ
ー抵抗ブロックがbiからb(i+1)(i=1〜3
1)に代わったことに起因してアナログ電源電流Idd
の増加が急激な減少に向かう。このようなサーチをアナ
ログ入力電圧Vinが電位VRTになるまで行うことに
よって電流値Idhmが求められる。但し、アナログ入
力電圧VinがA/Dコンバータセル101のフルスケ
ールを越えると電位VRTに到るまでアナログ電源電流
Iddは増加を止めるか、低下するので、これも上部の
頂点として認識される(電流値Idh32)。
【0068】ステップSP10は上部の頂点の個数を判
定する。A/Dコンバータセル101が正常であれば、
この個数はラダー抵抗ブロックの個数32(これは上位
5ビットに対応する)と一致するはずである。従って、
32個以外であれば不良品と判定され、32個であれば
良品の可能性が残っているので更に他のテストを行うべ
くステップSP11へ進む。
【0069】ステップSP11においては図8で示され
た電源電流波形の各々の下部の頂点の電流値Idlk
(k=1〜31)をサーチする。即ち、アナログ入力電
圧Vinの高い方(電位VRT)からサーチを開始し、
このサーチの方向に沿って見たときにアナログ電源電流
Iddの単調な減少が急激な増加に向かった変化点の電
流値を求める。このようなサーチをアナログ入力電圧V
inが電位VRBになるまで行うことによって電流値I
dlkが求められる。
【0070】ステップSP12は下部の頂点の個数を判
定する。既述のように、コンパレータにとっての不感帯
が存在するので、A/Dコンバータセル101が正常で
あれば、この個数はラダー抵抗ブロックの個数32より
も1だけ少ない31個となるはずである。従って、31
個以外であれば不良品と判定され、31個であれば良品
の可能性が残っているので更に他のテストを行うべくス
テップSP13へ進む。
【0071】以上のようにしてステップSP10,SP
12は上位(coarse)ビットに関する動作不良を検出す
る。図9は不良となる2種のパターンが存在する電源電
流波形を示すグラフである。もしもcoarse基準電圧Vr
cが伝達される上位基準電圧線27の一つが開放してい
れば、この開放した上位基準電圧線27に対応するコン
パレータは常に一定の電圧“L”を出力する。その結
果、抵抗ブロックとして適切なものよりも電圧の低い方
で隣接するものが選択され、下位(fine)ビットを求め
る際にはコンパレータの出力が全て“H”になる。つま
りアナログ入力電圧Vinの値に依存せずに31個のコ
ンパレータが全て“H”のままの状態となり、領域B1
のようにアナログ電源電流Iddの大きな平坦部分が生
じるので、これに起因して下部の頂点の数は一つ減る。
【0072】一方、もしもコンパレータのキャパシタC
1が短絡していれば、この不良のコンパレータは常に一
定の電圧“H”を出力する。その結果、抵抗ブロックと
して適切なものよりも電圧の高い方で隣接するものが選
択され、下位(fine)ビットを求める際にはコンパレー
タの出力が全て“L”になる。つまりアナログ入力電圧
Vinの値に依存せずに31個のコンパレータが全て”
L”のままの状態となり、領域B2のようにアナログ電
源電流Iddの小さな平坦部分が生じるので、これに起
因して上部の頂点の数は一つ減る。
【0073】ステップSP13では更に、下位(fine)
ビットに関する動作不良を検出するために電流差δIを
求める。まず、隣接する上部の頂点と、下部の頂点との
電流値の差Ixi(i=1,2,…,31)を求める。
即ち、Ixi=Idh(i+1)−Idliであり、こ
れは同一のラダー抵抗ブロックb(i+1)に接続され
ている場合のアナログ電源電流Iddの増加量に相当す
る。
【0074】図8、図9ではアナログ電源電流Iddの
増加が positive slope A1のように直線で示されてい
たが、より詳細にはステップ状に増加する。つまり一つ
のラダー抵抗ブロックが担当する(25 −1)個のfine
基準電圧Vrfに対応して、アナログ電源電流Iddの
増加は31段のステップ状のランプ波形を示す。
【0075】このため、差Ixiの最大値をIxmax
とすると、これは下位(fine)ビットに関する動作が正
常である場合に生じる電流差である。そしてIxmax
/(25 −1)で求められる電流差δIは、下位(fin
e)ビットに関する動作が正常である場合に許される誤
差の範囲を示すことになる。換言すれば電流差δIはデ
ィジタル出力の変化量の最小単位である1コード分の電
流量に設定される。
【0076】ステップSP14は判別式Decを以て下
位(fine)ビットに関する動作不良を判定する。電流差
δIは正常である場合に許される誤差の範囲を示すの
で、全てのIdhm同士の差、及び全てのIdlk同士
の差(m=1〜32,k=1〜31)の絶対値がδIに
収まる場合のみ、正常な動作が行われていると判断され
る。従って、判別式Decとしては、 Dec1:−δI<(Idhp−Idhm)<δI、か
つ −δI<(Idlq−Idlk)<δI (但し、pは1,2,…,32のいずれかであり、mは
p以外の1,2,…,32のすべてであり、qは1,
2,…,31のいずれかであり、kはq以外の1,2,
…,31のすべてである) が採用され、判別式Dec1を満足した場合にのみ、A
DC10はステップSP14において良品と判断され、
そうでない場合には不良品であると判断される。図7で
はp=q=1の場合が示されている。
【0077】図10は不良となる2種のパターンが存在
する電源電流波形を示すグラフである。区間Cでは常に
コンパレータCmp5の出力が常に“L”となってお
り、そのために最も低い電流値から数えて5番目のステ
ップに到るアナログ入力電圧Vinが正常な場合よりも
大きい。その結果、電源電流が増加しても正常な場合よ
りもδIだけ低い値にまでしか到らない。区間D1では
常にコンパレータCmp5の出力が常に“H”となって
おり、そのために最も低い電流値から数えて5番目のス
テップに到るまでのアナログ電源電流Iddの値は正常
な場合よりも小さい。その結果、区間D1におけるアナ
ログ電源電流Iddの最低値は正常な場合よりもδIだ
け高い値となる。
【0078】本実施の形態によれば、以上のようにして
A/Dコンバータセルのファンクションテストが行わ
れ、上位(coarse)ビットに関する動作不良を掲出する
ことができる。また更には下位(fine)ビットに関する
動作不良を検出することもできる。しかもその検出はア
ナログ電源端子1に流れる電流を電流測定器22で測定
し、これをコンピュータ20によって解析することによ
って行われる。
【0079】従って、動作不良の検出のための外部テス
ト端子を特に設ける必要がなく、半導体装置のチップや
パッケージサイズが減少し、製造コストを低減すること
ができる。
【0080】実施の形態2.図11は、本実施の形態に
かかるA/Dコンバータセル102の構成を示すブロッ
ク図である。A/Dコンバータセル102は図1のA/
Dコンバータセル101と置換して用いられる。この10
-bitサブレンジングA/Dコンバータセルは、インタリ
ーブされたスキームで動作する2つの10ビットのA/
Dコンバータサブセル44及びA/Dコンバータサブセ
ル45を備えている。
【0081】A/Dコンバータサブセル44は実施の形
態1で示されたA/Dコンバータセル101と同じ構造
を有しており、実施の形態1においてスイッチマトリッ
クス24として示されたものは便宜上、実施の形態2に
おいては第1のスイッチマトリックス24として示され
ている。
【0082】A/Dコンバータサブセル45は実施の形
態1で示されたA/Dコンバータセル101と対応する
構成要素から構成されている。即ち、第2のスイッチマ
トリックス54、及び31個のコンパレータScmp1
〜Scmp31が集合したコンパレータアレイ46を備
える。コンパレータアレイ46からのデジタルデータの
演算と第2のスイッチマトリックス24の制御とを行う
A/Dコンバータのロジック回路26はA/Dコンバー
タセル101と共有される。ロジック回路26は、32
本からなるフィードバック線52を用いて、第2のスイ
ッチマトリックス54を制御するフィードバック信号を
出力する。また、ラダー抵抗23もA/Dコンバータサ
ブセル44,45で共有される。
【0083】このA/Dコンバータサブセル45もA/
Dコンバータサブセル44と同様に、上位(coarse)5
ビットと下位(fine)5ビットにわけてA/D変換を行
う。上位5ビットに対応する上位基準電圧線49は31
本からなり、隣接する抵抗ブロックbi,b(i+1)
(i=1〜31)の境界に接続される。これらには31
個のcoarse基準電圧Vrcが与えられる。下位5ビット
に対応する下位基準電圧線50は31本からなり、これ
らにはスイッチマトリックス24によってラダー抵抗ブ
ロックb1〜b32のうちから一つ選択されたものが出
力する、31個のfine基準電圧Vrfが与えられる。fi
ne基準電圧Vrfはその低いものから高いものへと順
に、コンパレータアレイ46の31個のコンパレータS
cmp1〜Scmp31に供給される。コンパレータS
cmp1〜Scmp31はコンパレータCmp1〜Cm
p31と同じ構成となっている。
【0084】下部基準電源配線51には下部基準電源端
子4を介して電位VRBが与えられ、これは第2の分配
端子60を介してコンパレータアレイ46の31個のコ
ンパレータScmp1〜Scmp31に供給される。
【0085】アナログ入力電圧Vinはアナログ入力電
圧線48に伝達され、これはアナログ分配端子61を介
してコンパレータアレイ46の31個のコンパレータS
cmp1〜Scmp31に供給される。
【0086】コンパレータアレイ46にはその動作のた
めにアナログ電源線47を介してアナログ電源端子1か
ら電位AVddが供給される。コンパレータアレイ46
の31個の出力はコンパレータアレイ出力線53を介し
てロジック回路26に伝達される。
【0087】A/Dコンバータサブセル44,45はイ
ンタリーブ構成で動作する。具体的には、A/Dコンバ
ータサブセル44が上位(coarse)ビットを得る為の動
作を行う時にはA/Dコンバータサブセル45が下位
(fine)ビットを得る為の動作を行う。逆にA/Dコン
バータサブセル45が上位(coarse)ビットを得る為の
動作を行う時にはA/Dコンバータサブセル44が下位
(fine)ビットを得る為の動作を行う。従って、A/D
コンバータサブセル44,45の常に一方が上位(coar
se)ビットを得る為の動作を、他方が下位(fine)ビッ
トを得る為の動作をそれぞれ行っている。
【0088】A/Dコンバータサブセル44,45のい
ずれもが、アナログ電源端子1を介して第1の電源13
に接続されているため、アナログ部のアナログ電源電流
IddはA/Dコンバータサブセル44,45のコンパ
レータアレイ25,46に供給される電流を加算した値
になる。
【0089】このようなインタリーブ構成のA/Dコン
バータセル102に関しても、実施の形態1と同様にし
て、図7に示された処理に従って、動作の良否を判定す
ることができる。
【0090】図12はA/Dコンバータサブセル44,
45のいずれもが、正常な動作を行う場合に、アナログ
の入力電圧Vinに対するアナログ電源電流Iddを示
したグラフである。実施の形態1において説明された図
8に示された電源電流波形は、A/Dコンバータサブセ
ル44のコンパレータアレイ25の動作に従ってJagged
Waveform (のこぎり状の波形)となる。しかし、図1
2に示された電源電流波形は、常に一方が上位(coars
e)ビットを得る為の動作を、他方が下位(fine)ビッ
トを得る為の動作をおこなっているため、図8に示され
た電源電流波形が右上がりに歪められた形となる。例え
ばpositive slope A2の傾きはpositiveslope A1の
傾きの2倍となる。
【0091】この歪みは上位(coarse)ビットを得る為
の動作、つまりアナログ入力電圧Vinが増大すること
によって抵抗ブロックb1〜b32が上位のものへと切
り替わる必要が生じる場合、上位(coarse)ビットを得
る為の動作を行うA/Dコンバータセルのコンパレータ
アレイにおいて、新たに一つのコンパレータが“H”を
出力する動作、に起因する。Idh(s+1)−Idh
s、及びIdl(t+1)−Idlt(但し、s=1〜
31、t=1〜30)の値は、両方のA/Dコンバータ
サブセル44,45が正常に動作する限り、コンパレー
タ(Scmp1〜Scmp31,Cmp1〜Cmp3
1)の一つが“L”から“H”へと出力を変化させる際
に増加する電流量に等しい。そしてこの電流量だけ図8
の電流波形に加算されて図12に示された電流波形が得
られるのである。
【0092】従って、インタリーブ構成されたA/Dコ
ンバータサブセル44,45についても、そのアナログ
電源電流Iddの上部の頂点、下部の頂点の位置を実施
の形態1のステップSP9,P11と同様にして検出す
ることができ、その個数をステップSP10,SP12
と同様にして調べることができ、これによって上位(co
arse)ビットに関する動作の良否を判定することができ
る。
【0093】また上部の頂点、下部の頂点の個数が正常
な動作を行っている場合と同数であっても、実施の形態
1のステップSP13と同様にして電流差δIを求め、
実施の形態1の判別式Decとは異なる判別式を以て判
断することにより、下位(fine)ビットに関する動作不
良を検出することもできる。
【0094】図13はアナログ入力電圧Vinの増加に
伴ってアナログ電源電流Iddが増加する様子を示すグ
ラフである。図10とは異なり上位(coarse)ビットに
関する動作も行われているために、正常動作が行われて
いても上部の頂点及び下部の頂点はアナログ入力電圧V
inの増加に伴ってδIだけ増加する。例えば区間D2
はアナログ入力電圧Vinの値に依存せずに31個のコ
ンパレータが全て“H”のままの状態となった場合であ
って図9の領域B1に対応し、区間D3はアナログ入力
電圧Vinの値に依存せずに31個のコンパレータが全
て“L”のままの状態となった場合であって図9の領域
B2に対応する。
【0095】従って、判別式Decとしては Dec2:−δI<Idh(s+1)−Idhs−δI
<δI、かつ −δI<Idl(t+1)−Idlt−δI<δI (但し、s=1〜31,t=1〜30) が採用される。
【0096】なお、実施の形態1とは異なり、ステップ
SP9〜SP12によって上位(coarse)ビットに関す
る動作の異常が必ず検出できるとは限らず、ステップS
P13,SP14を以て検出できる場合がある。
【0097】図14はそのような動作異常が存在する場
合を示した電源電流波形を示すグラフである。正常動作
であれば、アナログ入力電圧Vinが増加することによ
り、同一のfine基準電圧Vrfに対して“H”を出力す
るコンパレータが順次増大し、下位(fine)ビットに関
する比較動作を行う31個のコンパレータの全てが
“H”を出力した後、更にアナログ入力電圧Vinが増
加すれば、上位ビットが1ビットだけ増加して更新され
て31個のコンパレータの全てが“L”を出力するはず
である。区間D4はアナログ入力電圧Vinの増加に対
して上位ビットが誤って正しい値よりも小さな値に更新
され、下位(fine)ビットに関する比較動作を行う31
個のコンパレータの全てが“H”の状態を維持してしま
っている場合を示す。また、区間D5はアナログ入力電
圧Vinの増加に対して上位ビットが誤って正しい値よ
りも大きな値に更新され、31個のコンパレータの全て
が“L”の状態を維持してしまっている場合を示す。
【0098】このように、一方のA/Dコンバータセル
において上位(coarse)ビットに関する動作の異常が生
じても、インタリーブ構成を採っているので、他方のA
/Dコンバータセルにおいて同時に行われる(一つ前
の)アナログ入力電圧Vinの下位(fine)ビットに関
する動作が正常であれば、その比較動作に起因してアナ
ログ電源電流Iddが順次増大する。従って区間D4及
び区間D5でものこぎり状の波形が現れる場合もある。
【0099】このような場合には上部の頂点及び下部の
頂点が存在するために、それらの個数は正常な場合と異
ならない。しかし、隣接する上部の頂点の2つの電流値
の差、隣接する下部の頂点の2つの電流値の差は、正常
動作におけるそれらとは異なるので、判別式Dec2を
用いて異常を検出することができる。
【0100】図15は故障の具体的な箇所を示すブロッ
ク図であり、A/Dコンバータサブセル44の一部、即
ちラダー抵抗23、第1のスイッチマトリックス24、
コンパレータアレイ25、フィードバック線29の近辺
の構成を示している。ここではフィードバック線29
は、抵抗ブロックb(n−1),bn,b(n+1)に
対応して1ビット毎に分割して描かれている。また、コ
ンパレータCmpiにおいて示されるキャパシタCcは
図3に示されたキャパシタC1に相当する。
【0101】図16に示されたアナログ電源電流波形
は、動作が正常である場合に対応し、32個のJagged W
aveform になる。portion HはこのA/Dコンバータセ
ルのオフセット電圧で、point Jは、フルスケールにお
けるアナログの電源電流である。
【0102】図17は、コンパレータのファンクション
不良、特に図15に示された故障箇所NodeEにおいて開
放が生じた場合、即ちA/Dコンバータサブセル44の
coarse基準電圧Vrcが伝達されない場合の結果評価を
示す。この不良のコンパレータは常に一定の電圧“L”
を出力する。その結果、抵抗ブロックは、適切なものよ
りも電圧の低い方で隣接するものが選択される。従っ
て、コンパレータの出力は全て“H”になり、A/Dコ
ンバータサブセル44のアナログ電源電流Iddは大き
な電流値を採る。一方、A/Dコンバータサブセル45
は正常に動作するので、この場合においてもアナログ電
源電流Iddは、Jagged Waveform を呈することにな
る。
【0103】図18は、コンパレータのファンクション
不良、特に図15に示された故障箇所NodeFにおいて短
絡が生じた場合、即ちA/Dコンバータサブセル44の
キャパシタCがショートの時の結果評価を示す。この不
良のコンパレータは常に一定の電圧“H”を出力する。
そしてfield Mの部分でA/Dコンバータセルのロジッ
ク回路26は異常な信号を第1のスイッチマトリックス
24にフィードバックする。その結果、抵抗ブロック
は、適切なものよりも電圧の高い方で隣接するものが選
択される。従って、コンパレータの出力は全て“L”に
なり、A/Dコンバータサブセル44のアナログ電源電
流は小さな電流値を採る。一方、A/Dコンバータサブ
セル45は正常に動作するので、この場合においてもア
ナログ電源電流Iddは、Jagged Waveform を呈するこ
とになる。
【0104】図19は、図15に示された故障箇所Node
Gにおいて開放が生じた場合、即ちA/Dコンバータサ
ブセル44のフィードバック線29がオープンの時の結
果評価を示す。これはスイッチマトリックスのスイッチ
の接続不良の場合である。フィードバック信号によっ
て、ノードGの電圧が“L”となり、ノードGに対応す
る抵抗ブロックは常に選択される。一方、正しい上位
(coarse)ビットに対応する抵抗ブロックも選択される
ので、31個のコンパレータがfine基準電圧Vrfとア
ナログ入力電圧Vinとを比較する際には、2個の抵抗
ブロック間がショートされる。その結果、fine基準電圧
Vrf、coarse基準電圧Vrcのいずれもが歪み、A/
Dコンバータサブセル44,45は共に正常に動作でき
ない。このような故障も、アナログ電源電流Iddの規
則性がないことから判断することができる。
【0105】上述のように、インタリーブ構成されたA
/Dコンバータサブセル44,45においては常に一方
のA/Dコンバータセルが下位(fine)ビットに関する
比較動作を行っているので、実施の形態1のように、ア
ナログ電源電流Iddの測定を下位(fine)ビットを求
めるのに同期させて測定する必要はない。
【0106】実施の形態3.図20は、アナログ/ディ
ジタル混在LSI12の内蔵するA/Dコンバータセル
103のファンクションテストを行う、本実施の形態の
技術を説明するブロック図である。A/Dコンバータセ
ル103は直並列(サブレンジング)型であり、これを
以て図1で示されたLSI12の内蔵するA/Dコンバ
ータセル101を置換することができる。本実施の形態
でも10ビットのコンバータである場合を説明するが、
他のビット数に対しても適用できるのは当然である。
【0107】A/Dコンバータセル103は、A/Dコ
ンバータセル101と比較して、アナログ入力電圧Vi
nがA/D変換のフルスケールを越えた場合にオーバフ
ローOFWを出力する点が異なる。図20に示された測
定系は、図1に示されたものと比較して、スイッチS1
1,S12、電圧測定器55、最下位ビット出力端子5
6、及びオーバフロー端子57が追加して設けられてい
る。
【0108】オーバフローOFWはオーバフロー端子5
7に与えられ、最下位ビット出力端子56にはA/Dコ
ンバータセル103の最下位ビットB1が与えられる。
スイッチS11,S12はそれぞれ最下位ビット出力端
子56及びオーバフロー端子57と電圧測定器55との
間に介在している。
【0109】図21はA/Dコンバータセル103の構
成を示すブロック図である。図2に示されたA/Dコン
バータセル101との相違は、ロジック回路26に電位
VRT及びアナログ入力電圧Vinが更に与えられるこ
と、ロジック回路26がオーバフローOFWをも出力し
てオーバフロー端子57に与えること、LSBたる出力
コードB1を最下位ビット出力端子56に与えることで
ある。
【0110】ラダー抵抗23は、電位VRT以上、電位
VRT未満の1023個の基準電圧(32×31=99
2個のfine基準電圧Vrfと、fine基準電圧Vrfの範
囲内にある31個のcoarse基準電圧Vrc)を出力する
が、電位VRTは出力しない。従ってオーバフローが生
じるか否かを判定するにはロジック回路26に電位VR
T及びアナログ入力電圧Vinを与えることが望まし
い。
【0111】図22は本実施の形態にかかるファンクシ
ョンテストの方法を説明したフローチャートである。ま
ずステップSP1は実施の形態1で説明された通り、第
1乃至第4の電源をONし、アナログ電源端子1、ディ
ジタル電源端子2、上部基準電源端子3、下部基準電源
端子4に、それぞれ電位AVdd,DVdd,VRT,
VRBを印加する。ステップSP2も実施の形態1で説
明された通り、クロック源18からのサンプリングクロ
ック等をクロック入力端子6に印加する。ステップSP
2が実行された後、ステップSP15,SP16に進
む。
【0112】ステップSP15においては、アナログ入
力電圧Vinを増加させて、A/Dコンバータセル10
3の出力コードが“0”から“1”に増加する時点の電
圧Vsを測定する。
【0113】図23は電圧Vsの測定を説明するグラフ
である。まずスイッチS11を閉じ、スイッチS12を
開いておき、電圧測定器55を最下位ビット出力端子5
6に接続しておく。アナログ電圧入力Vinとして電位
VRBから、LSBに対応する電圧よりも十分小さな微
小ステップで増加させた階段波形を設定し、最下位ビッ
ト出力端子56を電圧測定器55でモニタする。最下位
ビット出力端子56の電圧VB1が“L”から“H”へ
遷移した際のアナログ入力電圧Viが電圧Vsとして測
定される。
【0114】ステップSP16においては、A/Dコン
バータセルがオーバフローとなる状態と、出力コードが
フルスケール(ここでは210−1=1023)となる状
態との境界に対応するアナログ入力電圧Vinを電圧V
eとして測定する。つまりロジック回路26はアナログ
入力電圧Vinがそれを越えた場合にオーバフローOF
Wを活性化(“L”から“H”へ遷移)させる電圧を測
定する。
【0115】図24は電圧Veの測定を説明するグラフ
である。まずスイッチS11を開き、スイッチS12を
閉じておき、電圧測定器55をオーバフロー端子57に
接続しておく。アナログ入力電圧Vinとして電位VR
Tから、LSBに対応する電圧よりも十分小さな微小ス
テップで減少させた階段波形を設定し、オーバフロー端
子57を電圧測定器55でモニタする。オーバフロー端
子57の電圧VOFWが“H”から“L”へ変化した際
のアナログ入力電圧Veを測定する。電圧Vs,Veの
測定はアナログソース源17の出力するアナログ入力電
圧Vinと電圧測定器55の測定結果をコンピュータ2
0でモニタすることで実現できる(図20)。
【0116】ステップSP15,SP16が実行された
後、ステップSP17においてA/Dコンバータセルの
理想的な最小分解能1VLSB が正確に演算される。即
ち、ステップSP15,SP16で得られた電圧Vs,
Veを用いて、 1VLSB =(Ve−Vs)/(210−1)…(1) として求める。かかる計算はコンピュータ20において
実行することができる。
【0117】ステップSP18,SP19においてはそ
れぞれ電圧Vsi,Veiが算出される。図25は電圧
Vsi,Veiの算出を説明するグラフである。電圧V
siは、A/Dコンバータセル103が量子化誤差を全
く含まないと仮定した場合に得られるA/D変換特性を
示す、理想的な直線(以下「理想A/D変換直線」とす
る)の起点となるアナログ入力電圧Vinの値である。
また、電圧Veiは、理想A/D変換直線の終点となる
アナログ入力電圧Vinの値である。
【0118】電圧Vsi,Veiは、 Vsi=Vs−1/2VLSB 、Vei=Ve−1/2VLSB …(2) として求められる。
【0119】ステップSP18,SP19ではそれぞれ
電流Is,Ieの測定もされる。電流Is,Ieはそれ
ぞれ、アナログ電圧入力端子5にアナログ入力電圧Vi
nとして電圧Vsi,Veiを入力し、電流測定器22
で測定されるアナログ電源電流Iddの値である。
【0120】図26は、図8で示された正常動作に対応
する電源電流波形に、理想A/D変換直線に対応する理
想電流直線を重ねて描いたグラフである。正常動作に対
応する電源電流波形と理想電流直線との交点を決定する
アナログ電圧Vinの値及びアナログ電源電流Iddの
値を予め計算しておき、良否の判断の対象となる電源電
流波形が、その交点近傍を通るか否かで良否の判断を行
うことができる。
【0121】本実施の形態では各上位ビットに対して1
つの交点を選定する。図26において黒点で示されるよ
うに、この交点はアナログ電圧Vinに関してある値の
分解能をもって等電圧で選択される。つまり、アナログ
ソース源17が発生するアナログ入力電圧Vinがステ
ップ状に増加する際の増分をこの分解能に設定する。
【0122】ステップSP18,SP19が実行された
後、ステップSP20においてアナログ入力電圧Vin
の分解能が設定される。式(1),(2)から、 Vei=Vsi+1023VLSB …(3) の関係が得られる。上位(coarse)ビットの値が“0”
である場合にはVsiが、“31”である場合にはVe
iが、それぞれアナログ入力電圧Vinの値として採用
される。従って、1023VLSB の電圧を、上位(coar
se)ビットが取り得る値の数よりも1小さな値“31”
で除した値、つまり(210−1)/(25−1)VLSB
=(25 +1)VLSB =33VLSB がアナログ入力電圧
Vinの分解能として採用される。
【0123】図27は、上記分解能でステップ状に増加
するアナログ入力電圧Vinの値と、上位(coarse)ビ
ットの値及び下位(fine)ビットの値との関係を示す対
応図である。上位(coarse)ビットの採る値iには、ア
ナログ入力電圧Vinが最低値(これは電圧Vsiに等
しい)から数えて第(i−1)番目に採る値が対応し、
Vin=Vsi+(i×m+j)VLSB となる。mはラ
ダー抵抗の分割ブロック数、即ち上位(coarse)ビット
が取り得る値の数である。ここではm=32に設定され
る。また、下位(fine)ビットの値jを値iと等しく採
ることにより、上記分解能を実現することができる。換
言すれば、上記分解能として33VLSBを採用すること
により、上位(coarse)ビットが取り得る値、下位(fi
ne)ビットが採り得る値のそれぞれの全てに対してアナ
ログ電源電流Iddの測定を行うことになる。
【0124】そしてステップSP21では実施の形態1
のステップSP8と同様に、アナログ入力電圧Vinの
値を順次増加させつつアナログ電源電流Iddを測定す
る。但し、ステップSP20で設定された分解能を以て
アナログ入力電圧Vinの値が増大する。即ち図27に
示すようにVsi+33VLSB からVsi+990V
LSB まで33VLSB ステップで、アナログ入力電圧Vi
nとして電圧V2〜V31を印加し、それぞれに対応す
るアナログ電源電流Iddとして電流値Id2〜Id3
1を測定する。但しV1=Vsi+0VLSB ,V32=
Vsi+1023VLSB の値でアナログ入力電圧Vin
を印加する必要はない。ステップSP18,SP19で
これらのアナログ入力電圧Vinに対応するアナログ電
源電流Id1=Is,Id32=Ieの測定は完了して
いるためである。
【0125】ステップSP22では、ステップSP1
8,SP19で求められたVei,Vsi,Ie,Is
を用いて、理想電流直線におけるアナログ電源電流Id
dの値たる理想電流ID1を、 ID1=(Ie−Is)/(Vei−Vsi)×(Vi
n−Vsi)+Is として求める。かかる理想電流ID1はコンピュータ2
0において計算して求められる。
【0126】ステップSP21,SP22が終了すると
ステップSP23へ進み、ステップSP21で測定され
たアナログ電源電流Idr(r=2〜31)と理想電流
ID1との誤差が所定の範囲内にあるか否かを以て動作
の良否が判断される。かかる判断もコンピュータ20に
おいて実現することが可能である。
【0127】図28はステップSP23の動作を説明す
るグラフである。実施の形態1と類似して、誤差の大き
さはディジタル出力の変化の単位である1コード分(L
SB)の電流量に設定することが望ましい。つまり、誤
差の大きさはεI=(Vei−Vsi)/31で設定さ
れる。もちろん、これよりも小さく、例えばεI=(V
ei−Vsi)/31/2に設定することもできる。
【0128】ここで規格値Imax,Iminが、 Imax=(Ie−Is)/(Vei−Vsi)×(Vin−Vsi)+Is+εI, Imin=(Ie−Is)/(Vei−Vsi)×(Vin−Vsi)+Is−εI として導入される。
【0129】そしてアナログ電圧Vinとして電圧Vr
(但しr=2,3,…,31)が採用された場合に規格
値Imax,Iminのとる値IMr,Imrに対し
て、アナログ電源電流Idrが全てのrについてImr
≦Idr≦IMrを満足していれば動作が正常であると
判断され、そうでなければ不良であると判断される。
【0130】尚、実施の形態1と同様にSP18,SP
19,SP21の電流測定は、下位(fine)ビット比較
時と同期させて行う必要がある。
【0131】以上の方法によれば、最下位ビット出力端
子56、及びオーバフロー端子57の2つという少ない
外部テスト端子を設けるのみでA/Dコンバータセルの
ファンクションテストが可能になり、半導体装置の外部
テスト端子が削減されることでチップやパッケージサイ
ズが減少し、製造コストが低減する。
【0132】更に、アナログ入力電圧Vinの分解能を
33VLSB に設定したので、A/Dコンバータセルの上
位ビットが取り得る値の全て、及び下位ビットの取り得
る値の全てを効率的にチェックすることができる。この
ため、上位(coarse)5ビットと下位(fine)5ビット
からなる10-bitA/Dコンバータセルの場合では、実施
の形態1の場合と比較しておよそ(1024×R)/3
2倍だけ高速に(短時間に)ファンクションテストを実
行できるという効果がある。
【0133】実施の形態4.図29は、本実施の形態に
かかるA/Dコンバータセル104の構成を示すブロッ
ク図である。A/Dコンバータセル104は図20のA
/Dコンバータセル102と置換して用いられる。A/
Dコンバータセル104はA/Dコンバータセル102
とは、A/Dコンバータセル101と比較して、アナロ
グ入力電圧VinがA/D変換のフルスケールを越えた
場合にオーバフローOFWを出力する点が異なる。つま
り、ロジック回路26に電位VRT及びアナログ入力電
圧Vinが更に与えられること、ロジック回路26がオ
ーバフローOFWをも出力してオーバフロー端子57に
与えること、LSBたる出力コードB1を最下位ビット
出力端子56に与えることが相違している。
【0134】このように、インタリーブされたスキーム
で動作する10ビットのA/Dコンバータサブセル44
及びA/Dコンバータサブセル45を有するA/Dコン
バータセル104においても、実施の形態3と同様にし
て、図22に示された処理に従って、動作の良否を判定
することができる。
【0135】図30は図26に対応しており、図12で
示され、正常動作に対応する電源電流波形に、理想A/
D変換直線に対応する理想電流直線を重ねて描いたグラ
フである。A/Dコンバータサブセル44,45がイン
タリーブ構成を採っているので、実施の形態2と同様に
してアナログ電源電流Iddはコンパレータアレイ2
5,46に供給する電流を加算した値になる。下位(fi
ne)ビット比較時と同期させてこの電流を測定する必要
はない。
【0136】図26に示された理想A/D変換直線に対
応する理想電流直線と比較すると、図30に示された理
想A/D変換直線に対応する理想電流直線の傾きは2倍
となっているが、実施の形態3で示された処理と同様に
して、正常動作に対応する電源電流波形と理想電流直線
との交点を決定するアナログ電圧Vinの値及びアナロ
グ電源電流Iddの値を予め計算しておき、良否の判断
の対象となる電源電流波形が、その交点近傍を通るか否
かで良否の判断を行うことができる。
【0137】図31は図28に対応しており、ステップ
SP23の動作を説明するグラフである。アナログ電圧
Vinとして電圧Vr(但しr=2,3,…,31)が
採用された場合に、アナログ電源電流Iddの採る値I
drが規格値Imax,Iminがとる値IMr,Im
rに対して、全てのrについてImr≦Idr≦IMr
を満足していれば動作が正常であると判断され、そうで
なければ不良であると判断される。
【0138】実施の形態3と同様に、上位(coarse)5
ビットと下位(fine)5ビットからなる10-bitA/Dコ
ンバータセルの場合では、実施の形態2の場合と比較し
ておよそ(1024×R)/32倍だけ高速に(短時間
に)ファンクションテストを実行できるという効果があ
る。
【0139】実施の形態5.本実施の形態では、A/D
コンバータセルを内蔵したアナログ/ディジタル混在L
SIのA/Dコンバータセルのスタティックリニアリテ
ィテストを実施する方法について説明する。この方法
は、実施の形態3で用いられた構成において実行され
る。つまりA/Dコンバータセル103についてのテス
トが行われる。
【0140】図32は本実施の形態にかかるファンクシ
ョンテストの方法を説明したフローチャートである。図
22におけるステップSP18,SP19,SP20,
SP22がそれぞれステップSP25,SP26,SP
30,SP27に置換され、ステップSP23がステッ
プSP28,SP29に置換された構成となっている。
【0141】ステップSP15においては図23に示さ
れたようにして電圧Vsが、ステップSP16において
は図24に示されたようにして電圧Veが、それぞれ求
められ、その後ステップSP17においては図25に示
されたように電圧VLSB が求められる。
【0142】ステップSP15の終了後ステップSP2
5はアナログ入力電圧Vinとして電圧Vsを印加した
場合のアナログ電源電流Iddの値Isyを、ステップ
SP16の終了後ステップSP26はアナログ入力電圧
Vinとして電圧Veを印加した場合のアナログ電源電
流Iddの値Ieyを、それぞれマルチメータ等の電流
測定器22で測定する。
【0143】ステップSP17の終了後、ステップSP
30においてはステップSP20と類似して、アナログ
入力電圧Vinの分解能を設定する。但し、ステップS
P20とは異なり、(1/R)VLSB に設定される。実
施の形態1と同様にして値Rは仕様に依存して決定さ
れ、例えばR=5と設定される。
【0144】ステップSP21においては、アナログソ
ース源17からアナログ入力電圧端子5に、(1/R)
LSB の分解能を有する210×R個のステップ状のアナ
ログ入力電圧Vinを供給する。これらに対応して流れ
るアナログ電源電流Iddが測定される。但し、この測
定は実施の形態1,3と同様に下位(fine)ビット比較
時に同期させて行う必要がある。
【0145】ステップSP27は、ステップSP22と
類似して、理想A/D変換特性における電源電流を求め
る。但し、ステップSP22のように量子化誤差が無い
とするのではなく、ステップSP27では量子化誤差が
存在する場合のステップ状の理想電流ID2を求める。
具体的には、電流Iey,Isy間を均等に31(これ
は下位ビットの取り得る値25 よりも1小さい)分割し
て増分Ibを求める。
【0146】この“31”という値は、電圧Vs〜Ve
の範囲であってアナログ電源電流Iddが単調増加する
複数の領域(以下「基本領域」と称す)のそれぞれにお
いて、アナログ電源電圧Vinが変化しうる値を電圧V
LSB で除したものに対応することになる。つまり増分I
bは、基本領域においてアナログ電源電流Iddが変化
し得る値(Iey−Isy)をアナログ電源電圧Vin
が変化しうる値で除して電圧VLSB を乗じた値となる。
【0147】電圧VeとVsを均等に1023(これは
ディジタル出力の取り得る値210よりも1小さい)分割
し(つまり電圧VLSB 毎に分割し)、アナログ入力電圧
Vinが上昇するにつれ、電圧VLSB ごとに増分Ibづ
つ増加してステップ状に変化し、電圧33VLSB ごとに
急減して電流Isyを採る理想電流ID2の波形(以下
「理想線」という)を求める。理想電流ID2の計算は
コンピュータ20において実現可能である。
【0148】ステップSP21,SP27が実行された
後、ステップSP28においてスタティックリニアリテ
ィである積分非直線性SINLと微分非直線性SDNL
を求める。図33はステップSP28における処理を説
明するためのグラフであり、2つの実線のうち、太い方
はステップSP21で得られた実測線を、細い方はステ
ップSP27で得られた理想線を、それぞれ示してい
る。
【0149】実測線の変化点に対応するアナログ入力電
圧Vinの値をVyとし、この変化点に対応する(つま
りアナログ電源電流の変化が同じである)理想線の変化
点のアナログ入力電圧Vinの値をViとすると、積分
非直線性SINLは、 SINL=(Vy−Vi)/VLSB として求められる。この演算は全ての変化点において実
施される。
【0150】また、実測線のアナログ電源電流Iddが
一定となるアナログ入力電圧Vinの範囲(以下「一定
範囲」)の大きさをVdとするとき、微分非直線性SD
NLは、 SDNL=Vd/VLSB −1 として求められる。この演算は全ての一定範囲において
実施される。
【0151】積分非直線性SINL、微分非直線性SD
NLはいずれもその絶対値が小さい程、理想線に対する
実測線の隔たりが小さいことを示し、望ましい。よって
ステップSP29は規格値Emin,Emaxを設定
し、全ての変化点及び全ての一定範囲にてEmin≦S
INL≦Emax,Emin≦SDNL≦Emaxが満
足されれば良品と判定され、満たさなければ不良品と判
定される。例えばA/Dコンバータセルの量子化誤差の
範囲で規格値を設定するのであればEmin=−1/2
LSB ,Emax=1/2VLSB に設定できる。これら
の判断、演算もコンピュータ20で行わせることができ
る。
【0152】以上の方法によれば、2本という少ない外
部テスト端子を設けるのみでA/Dコンバータセルのス
タティックリニアリティテストが可能になり、半導体装
置の外部テスト端子が削減されることでチップやパッケ
ージサイズが減少し、製造コストが低減する。
【0153】実施の形態6.インタリーブされたスキー
ムで動作する 10-bit sub-ADCに対しても、実施の形
態5と同様にしてスタティックリニアリティテストを実
施することができる。このテストは、実施の形態4で用
いられた構成において実行される。つまりA/Dコンバ
ータセル104についてのテストが行われる。
【0154】このテストの処理は図32に示されたフロ
ーチャートに基づいて実行することができる。図34は
ステップSP28における処理を説明するためのグラフ
であり、2つの実線のうち、太い方はステップSP21
で得られた実測線を、細い方はステップSP27で得ら
れた理想線を、それぞれ示している。
【0155】但し実施の形態5とは異なり、実施の形態
6における理想電流ID2の増分Ibは電流Iey,I
sy間を均等に63分割して求められる。A/Dコンバ
ータセル104においては、A/Dコンバータサブセル
44,45の一方が下位ビットの比較を行っている際に
他方が上位ビットの比較を行っているので、上位ビット
の更新に伴ってアナログ電源電流が減少する量は、同一
の上位ビットに対応して下位ビットの比較が行われる際
にアナログ電源電流Iddが増加する量よりも増分Ib
だけ小さい。つまり、実施の形態5の場合と比較して、
アナログ電源電流Iddは上位ビットが更新する度に増
分Ibずつ増加する。従って、実施の形態5の場合より
も上位ビットの採り得る数だけ多い31+25 =63が
除数(「法」)として採用される。
【0156】なお理想電流ID2においてはA/D変換
特性に故障が存在しないので、上記のようにして求めた
増分Ibは、アナログ電源電流Iddが単調に増加する
領域(つまり同一の上位ビットに関して行われる下位ビ
ットの比較時)において、アナログ電源電流が変化しう
る値を31で除しても得られる。この“31”という値
は、実施の形態5と同様に基本領域でアナログ電源電圧
Vinが変化しうる値を電圧VLSB で除したものに対応
することになる。つまり増分Ibは、実施の形態5の場
合と同様に、基本領域でアナログ電源電流Iddが変化
し得る値(Iey−Isy)をアナログ電源電圧Vin
が変化しうる値で除して電圧VLSB を乗じた値であると
いえる。
【0157】実施の形態2,4と同様に、アナログ電源
電流IddはA/Dコンバータサブセル44,45のコ
ンパレータアレイ25,46に供給する電流を加算した
値になり、下位(fine)ビット比較時と同期して電流を
測定する必要はない。
【0158】以上の方法によって、インタリーブされた
スキームで動作するA/Dコンバータに対しても実施の
形態5と同様の効果を得ることができる。
【0159】実施の形態7.フラッシュ型の 10-bit A
/Dコンバータセルに対しても、実施の形態5と同様に
してスタティックリニアリティテストを実施することが
できる。
【0160】図35はフラッシュ型の 10-bit A/Dコ
ンバータセル105の構成を示すブロック図である。A
/Dコンバータセル105は図20においてA/Dコン
バータセル103と置換されて用いられ得る。
【0161】A/Dコンバータセル105はA/Dコン
バータセル103と比較して、大まかにいって第1のス
イッチマトリックス24が省略され、コンパレータアレ
イ25がコンパレータアレイ62に置換された構成を有
している。
【0162】ラダー抵抗23は、電位VRT,VRB間
の電圧差を分圧して1023個の基準電圧を出力する。
コンパレータアレイ62はコンパレータfcmpg(g
=1〜1023)を備え、それぞれ基準電圧の一つをア
ナログ入力電圧Vinと比較した1023個の結果をA
DCのロジック回路26へ与える。
【0163】ADCのロジック回路26はこれらの結果
を出力コードB1〜B10及びオーバフローOFWとし
て、それぞれロジック回路11及びオーバフロー端子5
7に与える。
【0164】A/Dコンバータセル105のスタティッ
クリニアリティテストも、図32に示されたフローチャ
ートに基づいて実行することができる。図36はステッ
プSP28における処理を説明するためのグラフであ
り、2つの実線のうち、太い方はステップSP21で得
られた実測線を、細い方はステップSP27で得られた
理想線を、それぞれ示している。
【0165】但し実施の形態5とは異なり、実施の形態
7における理想電流ID2の増分Ibは電流Iey,I
sy間を均等に1023分割して求められる。A/Dコ
ンバータセル105はフラッシュ型なので、アナログ電
源電流Iddは単調増加し、出力コードB1〜B10の
採り得る数よりも1だけ少ない1023(=210−1)
が除数(「法」)として採用される。
【0166】実施の形態7においては基本領域が電圧V
s〜Veの範囲の全体に及ぶので、この“1023”と
いう値は、基本領域においてアナログ電源電圧Vinが
変化しうる値を電圧VLSB で除したものに対応すること
になる。つまり増分Ibは、実施の形態5,6の場合と
同様に、基本領域において、アナログ電源電流Iddが
変化し得る値(Iey−Isy)をアナログ電源電圧V
inが変化しうる値で除して電圧VLSB を乗じた値であ
るといえる。
【0167】以上の方法によって、フラッシュ型のA/
Dコンバータに対しても実施の形態5と同様の効果を得
ることができる。
【0168】
【発明の効果】この発明のうち請求項1にかかるA/D
コンバータのテスト方法によれば、A/Dコンバータが
正常であれば、同一の上位ビットに対応しつつアナログ
信号が増大する場合には、アナログ入力を下位基準電圧
と比較する際にコンパレータに流れる電流の値は増大
し、アナログ信号が増大してアナログ信号に対応する上
位ビットが変化する際には前記電流の値は減少、あるい
は停滞する。よって、前記電流の値はアナログ信号の変
化に対してのこぎり波状に変化し、のこぎり波状の変化
の数はコンパレータの数によって決まる。従って、極値
の数を吟味することによって、A/Dコンバータの良否
を判定することができ、その際に別途にディジタル出力
を引き出す構成を必要としない。
【0169】この発明のうち請求項2にかかるA/Dコ
ンバータのテスト方法によれば、第1の電流差は、同一
の下位基準電圧群に対して比較されるアナログ入力が変
化した際に、第1のコンパレータアレイに流れる電流が
どの範囲で変化をするかを示す。よって、第1の電流差
の最大値はある上位ビットに関して正常な比較が行われ
た場合の第1の電流差を示すことになる。そして第2の
電流差は、正常な比較が行われた場合に許される電源電
流の変動の範囲を示すこととなる。よって第2の電流差
よりも大きな差が極大値同士において生じた場合には、
比較が正常に行われていないことを示す。極小値同士の
差に関しても同様に判断される。
【0170】この発明のうち請求項3にかかるA/Dコ
ンバータのテスト方法によれば、インタリーブされたス
キームで動作するA/Dコンバータのテストを行うこと
ができる。
【0171】この発明のうち請求項4にかかるA/Dコ
ンバータのテスト方法によれば、インタリーブされたス
キームで動作するA/Dコンバータにおいては、第1の
コンパレータアレイにおいて上位ビットに関する比較が
行われている際には第2のコンパレータアレイにおいて
は下位ビットに関する比較が行われている。従って、下
位ビットに関する比較において第2のコンパレータアレ
イにおける全てのコンパレータが“L”を出力しても、
上位ビットが更新されることによって、第1のコンパレ
ータアレイにおいて“H”を出力するコンパレータが一
つ増加する。これによって第2の電流差だけ電流波形は
上昇するので、第1及び第2の条件によって上位ビッ
ト、下位ビットに関する比較動作の良否を判断すること
ができる。
【0172】この発明のうち請求項5にかかるA/Dコ
ンバータのテスト方法によれば、第2の分解能を、ディ
ジタル出力の変化の最小単位の(2W +1)倍に設定し
たので、A/Dコンバータセルの上位ビットが取り得る
値の全て、及び下位ビットの取り得る値の全てを効率的
にチェックすることができる。よって高速にファンクシ
ョンテストを実行できる。
【0173】この発明のうち請求項6にかかるA/Dコ
ンバータのテスト方法によれば、ディジタル出力の値が
最小値となる点から、ディジタル出力がフルスケールと
なる点までの、線形の理想A/D変換特性を得ることが
できる。
【0174】この発明のうち請求項7にかかるA/Dコ
ンバータのテスト方法によれば、インタリーブされたス
キームで動作するA/Dコンバータのテストを行うこと
ができる。
【0175】この発明のうち請求項8にかかるA/Dコ
ンバータのテスト方法によれば、理想電流波形が初期電
圧及び終期電圧から求められるため、ディジタル出力の
LSBとオーバフローの2つのみをモニタすることによ
って理想電流波形を求めることができる。よって別途に
必要となる構成は僅かで済ませつつ、スタティックリニ
アリティテストを行うことができる。
【0176】この発明のうち請求項9にかかるA/Dコ
ンバータのテスト方法によれば、サブレンジング型のA
/Dコンバータに対してもスタティックリニアリティの
テストを行うことができる。
【0177】この発明のうち請求項10にかかるA/D
コンバータのテスト方法によれば、インタリーブされた
スキームで動作するA/Dコンバータに対してもスタテ
ィックリニアリティのテストを行うことができる。
【0178】この発明のうち請求項11にかかるA/D
コンバータのテスト装置によれば、A/Dコンバータが
正常な場合には、アナログ入力を下位基準電圧と比較す
る際に電源からコンパレータアレイに流れる電流の値は
アナログ信号の変化に対して規則的に変化する。解析手
段はその規則性があるか否かを検出することにより、A
/Dコンバータの良否を判断する。ディジタル出力を分
析する必要がないので、ディジタル出力のビット数に対
応した多数の外部端子を必要とすることなく、電源とコ
ンパレータの間に電流測定器を設けるだけで足りる。
【0179】この発明のうち請求項12にかかるA/D
コンバータのテスト装置によれば、A/Dコンバータが
正常な場合には、アナログ入力を基準電圧と比較する際
にコンパレータアレイに流れる電源電流の値は、アナロ
グ信号の変化に対して規則的に変化する。解析手段はそ
の規則性があるか否かを理想的な波形と比較することに
より検出する。理想的な波形を求めるために工程(d)
で必要な判定対象は2種であり、ディジタル出力を分析
する必要がない。よって、電源とコンパレータの間に電
流測定器を設け、ディジタル出力のビット数に対応した
数ではなく、2つの外部端子を必要とするのみで足り
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を説明するブロック図である。
【図2】 実施の形態1にかかるA/Dコンバータセル
101の構成を示すブロック図である。
【図3】 コンパレータCmpiの構成を例示するブロ
ック図である。
【図4】 差動アンプ36の構成を示す回路図である。
【図5】 nチャネルトランジスタQ5の特性を示すグ
ラフである。
【図6】 アナログ入力電圧Vinの時間変化を示すグ
ラフである。
【図7】 実施の形態1にかかるファンクションテスト
の方法を説明したフローチャートである。
【図8】 正常な場合のアナログ電源電流Iddを示す
グラフである。
【図9】 不良となる2種のパターンが存在する電源電
流波形を示すグラフである。
【図10】 不良となる2種のパターンが存在する電源
電流波形を示すグラフである。
【図11】 実施の形態2にかかるA/Dコンバータセ
ル102の構成を示すブロック図である。
【図12】 正常な場合のアナログ電源電流Iddを示
すグラフである。
【図13】 アナログ電源電流Iddが増加する様子を
示すグラフである。
【図14】 動作異常が存在する場合を示した電源電流
波形を示すグラフである。
【図15】 故障の具体的な箇所を示すブロック図であ
る。
【図16】 正常な場合のアナログ電源電流Iddを示
すグラフである。
【図17】 故障箇所NodeEにおいて開放が生じた場合
のアナログ電源電流を示すグラフである。
【図18】 故障箇所NodeFにおいて短絡が生じた場合
のアナログ電源電流を示すグラフである。
【図19】 故障箇所NodeGにおいて開放が生じた場合
のアナログ電源電流を示すグラフである。
【図20】 実施の形態3を説明するブロック図であ
る。
【図21】 A/Dコンバータセル103の構成を示す
ブロック図である。
【図22】 実施の形態3にかかるファンクションテス
トの方法を説明したフローチャートである。
【図23】 電圧Vsの測定を説明するグラフである。
【図24】 電圧Veの測定を説明するグラフである。
【図25】 電圧Vsi,Veiの算出を説明するグラ
フである。
【図26】 理想電流直線を示すグラフである。
【図27】 アナログ入力電圧Vinと、上位ビット及
び下位ビットとの関係を示す対応図である。
【図28】 動作の良否の判断を説明するグラフであ
る。
【図29】 実施の形態4にかかるA/Dコンバータセ
ル104の構成を示すブロック図である。
【図30】 理想電流直線を示すグラフである。
【図31】 動作の良否の判断を説明するグラフであ
る。
【図32】 実施の形態5にかかるファンクションテス
トの方法を説明したフローチャートである。
【図33】 スタティックリニアリティを示すグラフで
ある。
【図34】 スタティックリニアリティを示すグラフで
ある。
【図35】 実施の形態7にかかるA/Dコンバータセ
ル105の構成を示すブロック図である。
【図36】 スタティックリニアリティを示すグラフで
ある。
【図37】 従来の技術を説明するブロック図である。
【図38】 従来のファンクションテストを示すフロー
チャートである。
【図39】 バイナルコードと10進化コードとの対応
図である。
【図40】 正常な場合のアナログ入力電圧Vinと1
0進化コードとの関係を示すグラフである。
【図41】 ミッシングコードが存在する場合のアナロ
グ入力電圧Vinと10進化コードとの関係を示すグラ
フである。
【図42】 ミッシングコードが存在する場合のアナロ
グ入力電圧Vinと10進化コードとの関係を示すグラ
フである。
【図43】 ミッシングコードが存在する場合のアナロ
グ入力電圧Vinと10進化コードとの関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
Cmp1〜31,Scmp1〜31,fcmp1〜10
23 コンパレータ、17 アナログソース源、20
コンピュータ、22 電流測定器、25,46,62
コンパレータアレイ、44,45 A/Dコンバータサ
ブセル、101〜105 A/Dコンバータセル、Id
h1〜32 上部の頂点の電流値、Idl1〜31 下
部の頂点の電流値、δI 電流差、VLSB 分解能。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の上位基準電圧と、複数の下位基準
    電圧からなる複数の下位基準電圧群が設定され、 複数のコンパレータを含む第1のコンパレータアレイを
    有し、 前記複数の上位基準電圧とアナログ入力との前記複数の
    コンパレータにおける比較に基づいて前記ディジタル出
    力の上位ビットが決定され、 前記上位ビットに基づいて一つの前記複数の下位基準電
    圧群が選択され、前記一の前記複数の下位基準電圧群に
    属する前記複数の下位基準電圧と前記アナログ入力との
    比較がなされて下位ビットが決定され、 前記アナログ入力をある分解能で前記上位ビット及び前
    記下位ビットからなるディジタル出力へとA/D変換を
    行う、サブレンジング型A/Dコンバータのテスト方法
    であって、 (a)前記アナログ入力として、前記分解能よりも小さ
    な変化量で変化するアナログ信号を与える工程と、 (b)前記アナログ信号と、前記アナログ入力を前記複
    数の下位基準電圧と比較する際に少なくとも前記第1の
    コンパレータアレイに流れる電流との関係を測定し、電
    流波形を求める工程と、 (c)前記電流波形において極値を採る点の個数を求め
    る工程と、 (d)前記個数が所定数であるか否かに基づいて前記A
    /Dコンバータの良否を判断する工程とを備える、A/
    Dコンバータのテスト方法。
  2. 【請求項2】(e)前記極値の内、最も小さい前記アナ
    ログ信号に対応するものを除く極大値と、前記極大値と
    隣接して対をなす極小値とを求める工程と、 (f)前記対毎に前記極大値と前記極小値の差である第
    1の電流差を求め、前記対の間で比較して前記第1の電
    流差の最大値を求める工程と、 (g)前記第1の電流差の前記最大値を2の前記下位ビ
    ット乗よりも1だけ小さい値で除して第2の電流差を求
    める工程と、 (h)全ての前記極大値同士の差の絶対値及び全ての極
    小値同士の差の絶対値が前記第2の電流差に収まるか否
    かに基づいて前記A/Dコンバータの良否を判断する工
    程とを更に備える、請求項1記載のA/Dコンバータの
    テスト方法。
  3. 【請求項3】 前記サブレンジング型A/Dコンバータ
    は、複数のコンパレータを含む第2のコンパレータアレ
    イを更に有し、 前記工程(b)では前記アナログ信号と、前記アナログ
    入力を前記複数の下位基準電圧と比較する際に前記第1
    のコンパレータアレイ及び前記第2のコンパレータアレ
    イに流れる電流の和との関係を測定し、前記電流波形を
    求める、請求項1記載のA/Dコンバータのテスト方
    法。
  4. 【請求項4】 (e)前記極値の内、最も小さい前記ア
    ナログ信号に対応するものを除く極大値と、前記極大値
    と隣接して対をなす極小値とを求める工程と、 (f)前記対毎に前記極大値と前記極小値の差である第
    1の電流差を求め、前記対の間で比較して前記第1の電
    流差の最大値を求める工程と、 (g)前記第1の電流差の前記最大値を2の前記下位ビ
    ット乗よりも1だけ小さい値で除して第2の電流差を求
    める工程と、 (h)第1及び第2の条件を満足するか否かに基づいて
    前記A/Dコンバータの良否を判断する工程とを更に備
    え、 前記第1の条件は、隣接する前記極大値の内、前記アナ
    ログ信号の大きい方に対応するものから前記アナログ信
    号の小さい方に対応するものを引いた値に前記第2の電
    流差を加えた値の絶対値が、前記第2の電流差に収まる
    ことであり、 前記第2の条件は、隣接する前記極小値の内、前記アナ
    ログ信号の大きい方に対応するものから前記アナログ信
    号の小さい方に対応するものを引いた値に前記第2の電
    流差を加えた値の絶対値が、前記第2の電流差に収まる
    ことである、請求項3記載のA/Dコンバータのテスト
    方法。
  5. 【請求項5】 複数の上位基準電圧と、複数の下位基準
    電圧からなる複数の下位基準電圧群が設定され、 複数のコンパレータを含む第1のコンパレータアレイを
    有し、 前記複数の上位基準電圧とアナログ入力との前記複数の
    コンパレータにおける比較に基づいてWビット(Wは自
    然数)からなる上位ビットが決定され、 前記上位ビットに基づいて一つの前記複数の下位基準電
    圧群が選択され、前記一の前記複数の下位基準電圧群に
    属する前記複数の下位基準電圧と前記アナログ入力との
    比較がなされてWビットからなる下位ビットが決定さ
    れ、 前記アナログ入力を前記上位ビット及び前記下位ビット
    からなる2Wビットのディジタル出力へとA/D変換を
    行う、サブレンジング型A/Dコンバータのテスト方法
    であって、 (a)前記A/Dコンバータが、量子化誤差を含まない
    と仮定した場合に得られる線形の理想A/D変換特性
    と、前記ディジタル出力の変化の最小単位に対応する前
    記アナログ入力の電圧である第1の分解能とを求める工
    程と、 (b)前記理想A/D変換特性を規定する前記アナログ
    入力の電圧の、最小値に対応する第1の初期電圧と、最
    大値に対応する第1の終期電圧との間を、前記第1の分
    解能の(2W +1)倍である第2の分解能ごとに区分
    し、前記第1の初期電圧と、前記第1の終期電圧とを含
    む2W 個のアナログ信号を前記アナログ入力として与え
    る工程と、 (c)前記アナログ入力と、前記アナログ入力を前記複
    数の下位基準電圧と比較する際に少なくとも前記第1の
    コンパレータアレイに流れる2W 個の電源電流を測定す
    る工程と、 (d)前記第1の初期電圧及びこれに対応する前記電源
    電流と、前記第1の終期電圧及びこれに対応する前記電
    源電流とから前記理想A/D変換特性に対応した電流波
    形を求め、前記電源電流の全てが前記電流波形に対して
    所定の範囲内に収まっているか否かに基づいて前記A/
    Dコンバータの良否を判断する工程とを備える、A/D
    コンバータのテスト方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(a)は (a−1)前記ディジタル出力の値が最小値となるかそ
    れよりも1単位だけ大きな値となるかの境界に対応する
    前記アナログ入力の値である第2の初期電圧を求める工
    程と、 (a−2)前記ディジタル出力がフルスケールとなるか
    オーバフローとなるかの境界に対応する前記アナログ入
    力の値である第2の終期電圧を求める工程と、 (a−3)前記第2の終期電圧から前記第2の初期電圧
    を引いた値を、(22W−1)で除して前記第1の分解能
    を求める工程と、 (a−4)前記第2の初期電圧から前記第1の分解能を
    引いて前記第1の初期電圧を求め、前記第2の終期電圧
    から前記第1の分解能を引いて前記第1の終期電圧を求
    める工程とを有する、請求項5記載のA/Dコンバータ
    のテスト方法。
  7. 【請求項7】 前記サブレンジング型A/Dコンバータ
    は、複数のコンパレータを含む第2のコンパレータアレ
    イを更に有し、 前記工程(c)では前記アナログ入力と、前記アナログ
    入力を前記複数の下位基準電圧と比較する際に前記第1
    のコンパレータアレイ及び前記第2のコンパレータアレ
    イに流れる電流の和との関係を測定し、前記電源電流を
    求める、請求項6記載のA/Dコンバータのテスト方
    法。
  8. 【請求項8】 複数の基準電圧とアナログ入力とを比較
    する複数のコンパレータを含み、前記複数のコンパレー
    タにおける比較に基づいて2Wビット(Wは自然数)か
    らなるディジタル出力を出力するコンパレータアレイを
    備え、前記アナログ入力を前記ディジタル出力へとA/
    D変換を行う、A/Dコンバータのテスト方法であっ
    て、 (a)前記アナログ入力と、前記アナログ入力を前記基
    準電圧と比較する際に前記コンパレータアレイに実際に
    流れる電源電流との関係を測定し、実測電流波形を求め
    る工程と、 (b)前記ディジタル出力の値が最小値となるかそれよ
    りも1単位だけ大きな値となるかの境界に対応する前記
    アナログ入力の値である初期電圧を求める工程と、 (c)前記ディジタル出力がフルスケールとなるかオー
    バフローとなるかの境界に対応する前記アナログ入力の
    値である終期電圧を求める工程と、 (d)前記終期電圧から前記初期電圧を引いた値を、
    (22W−1)で除して分解能を求める工程と、 (e)前記初期電圧から前記終期電圧の範囲内であっ
    て、前記アナログ入力の値が増加するに伴って前記電源
    電流が単調に増加する基本領域において、前記A/Dコ
    ンバータが理想的に前記A/D変換を行う場合に、前記
    電源電流が変化し得る値を前記アナログ入力の値が変化
    し得る値で除し、これに前記分解能を乗じた値を電流増
    分として求める工程と、 (f)前記基本領域において、前記A/Dコンバータが
    理想的に前記A/D変換を行う場合に、前記アナログ入
    力の値が前記分解能だけ増加する度に前記増分ずつ増加
    する前記電源電流を示す理想電流波形を求める工程と、 (g)前記実測電流波形と前記理想電流波形とを比較し
    て、両者間の差異が所定の範囲内に収まっているか否か
    に基づいて前記A/Dコンバータの良否を判断する工程
    とを備える、A/Dコンバータのテスト方法。
  9. 【請求項9】 前記複数の基準電圧は、複数の上位基準
    電圧と、複数の下位基準電圧からなる複数の下位基準電
    圧群を有し、 前記複数の上位基準電圧と前記アナログ入力との前記複
    数のコンパレータにおける比較に基づいてWビットから
    なる上位ビットが決定され、 前記上位ビットに基づいて一つの前記複数の下位基準電
    圧群が選択され、前記一の前記複数の下位基準電圧群に
    属する前記複数の下位基準電圧と前記アナログ入力との
    比較がなされてWビットからなる下位ビットが決定さ
    れ、 前記A/Dコンバータは、前記アナログ入力を前記上位
    ビット及び前記下位ビットからなる2Wビットのディジ
    タル出力へとA/D変換を行う、サブレンジング型A/
    Dコンバータであって、 前記電源電流は、前記アナログ入力と、前記アナログ入
    力を前記複数の下位基準電圧とを比較する際に前記コン
    パレータアレイに流れる電流である、請求項8記載のA
    /Dコンバータのテスト方法。
  10. 【請求項10】 前記サブレンジング型A/Dコンバー
    タは、複数のコンパレータを含む第2のコンパレータア
    レイを更に有し、 前記電源電流は、前記アナログ入力と、前記アナログ入
    力を前記複数の下位基準電圧と比較する際に前記コンパ
    レータアレイ及び前記第2のコンパレータアレイに流れ
    る電流の和である、請求項9記載のA/Dコンバータの
    テスト方法。
  11. 【請求項11】 (a)アナログ入力を複数の上位基準
    電圧と比較し、更に複数の下位基準電圧と比較する複数
    のコンパレータからなるコンパレータアレイを有し、前
    記アナログ入力をある分解能でディジタル出力へとA/
    D変換するサブレンジング型A/Dコンバータと、 (b)前記分解能よりも小さな変化量ずつステップ状に
    変化するアナログ信号を前記アナログ入力として与える
    アナログ信号源と、 (c)前記コンパレータアレイに電圧を供給する電源
    と、 (d)前記アナログ入力を前記複数の下位基準電圧と比
    較する際に、前記電源から流れる電流を測定する電流測
    定器と、 (e)前記アナログ信号と前記電流との関係を解析する
    解析手段とを備えるA/Dコンバータのテスト装置。
  12. 【請求項12】 (a)アナログ入力を複数の基準電圧
    と比較する複数のコンパレータからなるコンパレータア
    レイを有し、前記アナログ入力をディジタル出力へとA
    /D変換するA/Dコンバータと、 (b)前記コンパレータアレイに電圧を供給する電源
    と、 (c)前記アナログ入力を前記下位基準電圧と比較する
    際に、前記電源から流れる電源電流を測定する電流測定
    器と、 (d)前記A/Dコンバータがオーバフローとなってい
    るか否かと、前記ディジタル出力が最小値となっている
    か否かを検出する検出手段と、 (e)前記工程(d)の結果に基づいて前記電源電流の
    理想的な波形を求め、これと前記電源電流との関係を解
    析する解析手段とを備えるA/Dコンバータのテスト装
    置。
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