JPH0928771A - 蒸気滅菌器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】何かの事情でチャンバ内に最初から水が入って
いる場合等でも、水位の誤検出を確実に防止し得る蒸気
滅菌器を提供する。 【解決手段】被滅菌物を収納し内底部に加熱ヒータ４を
有するチャンバと、このチャッバ内に注入する水を貯留
する貯水タンクと、この貯水タンクとチャンバとを連通
する給水管と、この給水管の開閉を行う開閉弁７とを備
えた蒸気滅菌器において、チャンバ内に注入される水の
水位を検出する水位検出器３と、予め設定された所定時
間を計測するタイマー１１と、注水時に水位検出器３に
より所定水位を検出したとき、開閉弁７を閉じるととも
に、タイマー１１による所定時間の計測を開始し、所定
時間が計測されたときに水位検出器３によって所定水位
が再び検出されたとき、加熱ヒータ４による加熱を開始
する制御部１０とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、加熱ヒータによる
加熱によって注入水を高温、高圧の蒸気とすることによ
り、チャンバ内に収納した医療用器具等の被滅菌物の滅
菌処理を行う蒸気滅菌器に関する。

【０００２】

【従来の技術】蒸気滅菌器は、チャンバ内に所定量の水
を注入し、その水をチャンバ内に設けた加熱ヒータによ
って加熱、沸騰させることにより、チャンバ内に高温、
高圧の蒸気を充満させて、医療用器具等の被滅菌物を滅
菌、消毒するものである。そして、このような注水から
加熱、滅菌終了までの滅菌工程は全て自動で行われるよ
うになっている。

【０００３】すなわち、注水量の設定は、チャンバ内の
底部に設けた水位検出棒に注水された水が触れたとき、
給水管の開閉弁を閉じることによって行っている。ま
た、開閉弁が閉じた後、加熱ヒータに通電することによ
って、注入水を加熱、沸騰させるようになっている。

【０００４】しかしながら、このような従来の蒸気滅菌
器では、連続して滅菌を行う場合、加熱ヒータの温度が
まだ高い間に次の滅菌のための注水を行うことになる
が、このとき注入水が加熱ヒータに当たって瞬間的に沸
騰し、いわゆる水が飛び跳ねるといった現象が発生す
る。

【０００５】そして、この飛び跳ねた水が水位検出棒に
当たると、瞬間的ではあるけれどもこの水位検出棒によ
って所定水位が検出され、水の注入を停止してしまうと
いった誤検出が発生する。つまり、所定量の注水をしな
いうちに加熱ヒータによって加熱してしまう結果、いわ
ゆる空炊き状態となり、各部品や収納した被滅菌物を焼
損してしまうといった不具合が発生する。

【０００６】そこで、このような連続滅菌を行う場合の
水位の誤検出を防止するものとして、例えば特公昭６３
−４５２３１号公報に開示された蒸気滅菌器が提案され
ている。

【０００７】この蒸気滅菌器は、注水開始から予め設定
した所定時間を経過する前に所定水位を検出したときに
は、誤検出と判断して、異常を表示するようになってい
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、蒸気滅菌器
においては、例えば手で水を入れた場合や、チャンバ内
に水が残った状態で停電したような場合等、何かの事情
でチャンバ内に最初から水が入っている場合には、注水
開始から所定時間経過しなくても、所定水位まで注水さ
れることがある。

【０００９】この場合、上記した従来の蒸気滅菌器で
は、注水開始から所定時間経過していないという理由の
みで、水位誤検出と判断し、異常を表示してしまうとい
った問題があった。

【００１０】本発明はこのような問題点を解決すべく創
案されたもので、その目的は、何かの事情でチャンバ内
に最初から水が入っている場合等でも、水位の誤検出を
確実に防止し得る蒸気滅菌器を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の蒸気滅菌器は、被滅菌物を収納し内底部に
加熱ヒータを有するチャンバと、このチャンバ内に注入
する水を貯留する貯水タンクと、この貯水タンクと前記
チャンバとを連通する給水管と、この給水管の開閉を行
う開閉弁とを備えた蒸気滅菌器に適用しており、前記チ
ャンバ内に注入される水の水位を検出する水位検出部
と、予め設定された所定時間を計測するタイマーと、注
水時に前記水位検出部により所定水位を検出したとき、
前記開閉弁を閉じるとともに、前記タイマーによる所定
時間の計測を開始し、所定時間が計測されたときに前記
水位検出部によって前記所定水位が再び検出されたと
き、前記加熱ヒータによる加熱を開始する加熱制御部と
を備えた構成としている。

【００１２】すなわち、注水開始と同時に水位検出部に
より水位の確認を行い、所定水位が検出されたら開閉弁
を閉じて注水を停止する。加熱制御部は、タイマーによ
り所定時間を計測した後、再び水位検出部により水位を
検出し、所定水位が検出されたときには、加熱ヒータに
よる加熱を開始する。

【００１３】なお、加熱制御部は、タイマーにより所定
時間を計測した後、水位検出部により所定水位が検出さ
れなかったときには、再び注水を開始する。

【００１４】これにより、例えば連続滅菌を行っている
場合に、水の飛び跳ね等の現象によって瞬間的に水位誤
検出を起こしても、加熱ヒータが冷却された所定時間経
過後に再び水位を検出することになるので、水位の誤検
出のまま加熱ヒータによる加熱が開始されることはな
い。

【００１５】また、水位検出部により所定水位を検出し
た後、所定時間を計測するようになっており、注水開始
から所定水位を検出するまでの時間は関係ないので、何
かの事情でチャンバ内に最初から水が入っている場合等
でも、所定水位を確実に検出することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１７】図２は、本発明の蒸気滅菌器の概略構成図
を示している。

【００１８】同図において、蒸気滅菌器は、主としてピ
ンセットや注射針等の医療用器具である被滅菌物（図示
省略）を収納するチャンバ１と、このチャッバ１内に注
入する水を貯留する貯水タンク８と、この貯水タンク８
とチャンバ１とを連通する給水管６と、この給水管６の
開閉を行う電磁弁等からなる開閉弁７とを備えている。

【００１９】チャンバ１には、その一側部に開閉蓋２が
装着されている。また、チャンバ１の内底部には、被滅
菌物を載置する載置台５が設けられているとともに、こ
の被滅菌物を加熱する加熱ヒータ４と、給水管６を通じ
て貯水タンク８から注入された水の水位を検出する水位
検出器３とが設けられている。

【００２０】水位検出器３は、頭頂部３ａが金属、その
他の部分３ｂが絶縁材で形成されており、頭頂部３ａの
取り付け高さは、例えばチャンバ１の内底部から１ｃｍ
程度の高さとしている。また、加熱ヒータ４は、チャン
バ１の内底部に這うように配設されている。

【００２１】図１は、上記構成の蒸気滅菌器の電気的構
成を示すブロック図である。

【００２２】水位検出器３の出力は、蒸気滅菌器の動作
全体を制御する制御部１０に導かれているとともに、制
御部１０には、所定時間を計測するタイマー１１が双方
向に接続されている。また、制御部１０の各制御出力
は、加熱ヒータ４の加熱／停止を制御するヒータ制御部
１２、及び開閉弁７の開／閉を制御する開閉弁駆動部１
３にそれぞれ与えられている。また、制御部１０には、
滅菌処理の開始や停止を操作する操作ボタン等を備えた
操作入力部１４の出力が導かれた構成となっている。

【００２３】タイマー１１で計測される所定時間は、例
えば加熱ヒータ４への通電を停止した後、水の飛び跳ね
が発生しない程度まで加熱ヒータ４が冷却される時間と
する。冷却方法については、自然冷却又は強制冷却のい
ずれでもよいが、本例の場合は自然冷却である。

【００２４】なお、請求項１記載の加熱制御部は制御部
１０に含まれた構成となっており、制御部１０は、コン
ピュータ上で動作するソフトウエアを含む構成となって
いる。

【００２５】次に、上記構成の蒸気滅菌器の動作につい
て、図３に示すフローチャートを参照して説明する。

【００２６】操作入力部１４より滅菌処理の開始を示す
操作信号が入力されると、制御部１０は、開閉弁駆動部
１３を制御して、開閉弁７を開く。これにより、貯水タ
ンク８内の水がその高低差によって給水管６を通り、チ
ャンバ１内に注水される（ステップＳ１）。

【００２７】そして、水位検出器３の頭頂部３ａまで水
が溜まると、頭頂部３ａの金属部より水を経由して電流
が流れることにより、水位検出器３はチャッバ１内の水
が所定水位であることを検出し、検出信号を制御部１０
に出力する（ステップＳ２，Ｓ３）。

【００２８】制御部１０は、この検出信号に基づき、開
閉弁駆動部１３を制御して開閉弁７を閉じ、チャンバ１
内への注水を停止する（ステップＳ４）。

【００２９】これと同時に制御部１０は、タイマー１１
を作動させて所定時間の計測を開始する（ステップＳ
５）。

【００３０】そして、所定時間の計測を終了すると、制
御部１０は水位検出器３からの検出信号の有無を確認し
（ステップＳ６）、この時点で検出信号が出力されてい
る場合には、ヒータ制御部１２を制御して、加熱ヒータ
４への通電を開始する（ステップＳ７）。

【００３１】一方、所定時間経過後に水位検出器３から
検出信号が出力されていない場合には、制御部１０はチ
ャンバ１内の水が所定水位まで達していないと判断し、
開閉弁駆動部１３を制御して再び開閉弁７を開き、所定
水位となるまで注水を再開する（ステップＳ８）。

【００３２】なお、上記実施例では、貯水タンク８から
チャンバ１への給水は、高低差による自然給水として説
明しているが、駆動ポンプ等により強制的に給水する構
成とすることが可能である。

【００３３】

【発明の効果】本発明の蒸気滅菌器は、注水開始と同時
に水位検出部により水位の確認を行い、所定水位が検出
されたら開閉弁を閉じて注水を停止する。そして、タイ
マーにより所定時間を計測した後、再び水位検出部によ
り水位を検出し、所定水位が検出されたときには、加熱
ヒータによる加熱を開始するように構成している。その
ため、例えば連続滅菌を行っている場合に、水の飛び跳
ね等の現象によって瞬間的に水位誤検出を起こしても、
加熱ヒータが冷却される所定時間経過後に再び水位を検
出することになるので、水位の誤検出のまま加熱ヒータ
による加熱が開始されることがない。また、水位検出部
により所定水位を検出した後、所定時間を計測するよう
になっており、注水開始から所定水位を検出するまでの
時間は関係ないので、何かの事情でチャンバ内に最初か
ら水が入っている場合等でも、所定水位を確実に検出す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の蒸気滅菌器の電気的構成を示すブロッ
ク図である。

【図２】本発明の蒸気滅菌器の概略構成図である。

【図３】本発明の蒸気滅菌器の動作を説明するフローチ
ャートである。

【符号の説明】

１ チャンバ ３ 水位検出器（水位検出部） ４ 加熱ヒータ ６ 給水管 ７ 開閉弁 ８ 貯水タンク １０ 制御部（加熱制御部） １１ タイマー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被滅菌物を収納し内底部に加熱ヒータを
   有するチャンバと、このチャンバ内に注入する水を貯留
   する貯水タンクと、この貯水タンクと前記チャンバとを
   連通する給水管と、この給水管の開閉を行う開閉弁とを
   備えた蒸気滅菌器において、 前記チャンバ内に注入される水の水位を検出する水位検
   出部と、 予め設定された所定時間を計測するタイマーと、 注水時に前記水位検出部により所定水位を検出したと
   き、前記開閉弁を閉じるとともに、前記タイマーによる
   所定時間の計測を開始し、所定時間が計測されたときに
   前記水位検出部によって前記所定水位が再び検出された
   とき、前記加熱ヒータによる加熱を開始する加熱制御部
   とを備えたことを特徴とする蒸気滅菌器。