JPH09286345A - Hst走行装置用操向制御装置 - Google Patents

Hst走行装置用操向制御装置

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JPH09286345A
JPH09286345A JP12638096A JP12638096A JPH09286345A JP H09286345 A JPH09286345 A JP H09286345A JP 12638096 A JP12638096 A JP 12638096A JP 12638096 A JP12638096 A JP 12638096A JP H09286345 A JPH09286345 A JP H09286345A
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JP
Japan
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reverse
rack
reverse switching
acceleration
hydraulic
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JP12638096A
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English (en)
Inventor
Shigenobu Suzuki
重信 鈴木
Shigeo Amagi
茂雄 天木
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CAP TOP ENG KK
Original Assignee
CAP TOP ENG KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車感覚で運転できるステアリングホイー
ルを採用した安価な操向制御を得る。 【解決手段】 前後進切換えレバー112を操作する
と、各前後進切換えユニット42R、42Lのクラッチ
が前進位置または後進位置となる。増減速レバー152
を増速側に傾斜させると、その操作力が増減速リンク機
構116R、116Lを介して前後進切換えユニットの
クラッチに伝達され、クラッチを介して軸を回転させて
油圧ポンプ36R、36Lの斜板を傾斜させ、ポンプ出
力を大きくする。ステアリングホイール132を回転さ
せると、チェーン136を介して旋回ユニット118に
内蔵した旋回用ピニオンを回転させて増減速リンク機構
116R、116Lのいずれか一方を引き、このリンク
に接続してある増減速切換えユニットを介して対応する
油圧ポンプの出力を大きくし、走行装置を旋回させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の走行輪のそ
れぞに対応して設けた油圧モータによって、左右の走行
輪を相互に独立して回転可能なHST走行装置用操向制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農業用トラクタ等の操向制御装置
には、図5に示したような構造のものがある。この操向
制御装置は、右走行クローラ10Rと左走行クローラ1
0Lとを有し、これらのクローラ10R、10Lに対応
させて右走行モータ12Rと左走行モータ10Lとが設
けてあり、各クローラ10R、10Lをそれぞれ独立し
て回転駆動させることができる、いわゆるHST走行装
置となっている。各走行モータ12R、12Lは、油圧
モータから構成してあって、油圧回路14R、14Lを
介して可変容量型斜板式油圧ポンプからなる右ポンプ1
6Rと左ポンプ16Lとに接続され、これらのポンプ1
6R、16Lの吐出する作動油によって駆動するように
なっている。
【0003】右ポンプ16Rと左ポンプ16Lとは、エ
ンジン18の出力軸に接続してあって、エンジン18に
より作動できるようになっている。また、各油圧ポンプ
16R、16Lには、図示しない斜板角度を制御するポ
ンプレバー20R、20Lが設けてあって、これらのポ
ンプレバー20R、20Lを制御することにより、走行
装置の前後進の切り換え、速度調整、旋回を行うことが
できるようになっている。そして、各ポンプレバー20
R、20Lには、これらのレバー20R、20Lを操作
するための操作レバー24Rと左操作レバー24Lとが
シフトケーブル22を介して接続してある。
【0004】このように構成した走行装置(車両)にお
いては、操作レバー24R、24Lを車両の前方方向2
6側に倒すことにより、ポンプ16R、16Lの斜板を
前進側に傾斜させ、クローラ10R、10Lを車両前進
方向に回転させることができるようになっており、操作
レバー24R、24Lを車両後方側に倒すことにより、
斜板が車両後進側に傾斜してクローラ10R、10Lを
車両後進方向に回転させることができるようになってい
る。そして、例えば車両の前進状態において、右操作レ
バー24Rを中立位置にし、左操作レバー24Lを前進
側に倒すと、右クローラ10Rが静止し、左クローラ1
0Lが前進方向に回転して車両が右方向に信地旋回する
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、農業用トラ
クタのように後方にアタッチメントを装着して後方を確
認しながら走行する場合、片手操縦が必要であると同時
に、オペレータの上半身を支えるものを必要とする。と
ころが、上記のように一対の操作レバー24R、24L
を操作して操向制御を行う場合、片手操縦が困難である
とともに、オペレータの上半身の操作性が非常に悪い。
そこで、通常の自動車のようにステアリングホイールを
用いて操向制御を行うHST走行装置用操向制御装置が
開発されている。
【0006】しかし、従来のステアリングホイールを用
いたHST走行装置用操向制御装置は、電磁油圧弁等を
使用して作動油の流量を制御する油圧制御となってお
り、装置が高価となるため、価格の高い大型車には採用
されているが、価格の低い小型車には採用されていない
のが現状である。このため、ステアリングホイールを用
いた自動車感覚で操向制御が可能な安価なHST走行装
置用操向制御装置の開発が望まれている。
【0007】本発明は、上記要請に鑑みてなされたもの
で、ステアリングホイールにより自動車感覚で運転でき
る安価なHST走行装置用操向制御装置を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るHST走行装置用操向制御装置は、
左右の走行輪に対応して設けられ、左右の走行輪を相互
に独立して正逆回転させる油圧モータと、これらの油圧
モータに対応して設けられ、対応する油圧モータを正逆
回転駆動する斜板式油圧ポンプと、これら各油圧ポンプ
に対応して設けられ、正逆回転することにより対応する
前記油圧モータの斜板を前進側または後進側に傾斜させ
る前後進切換え歯車と、これら各前後進切換え歯車に対
応して設けられ、前後進切換え歯車を正方向または逆方
向に回転させる前後進切換えラックと、これらの前後進
切換えラックと係脱可能に設けた係合部材を前記ラック
に係脱させる前後進切換えレバーと、前記各係合部材に
接続され、係合部材を移動させて前記前後進切換えラッ
クを介して前記前後進切換え歯車を回転させ、前記斜板
の傾斜角を変える増減速操作機構と、この増減速操作機
構を係合させた旋回用ラックと噛み合い、ステアリング
ホイールの回転に連動して回転し、前記旋回用ラックを
移動させて前記増減速操作機構を介して前記各油圧モー
タのいずれか一方に対応した前記係合部材を移動させる
旋回歯車と、を有する構成となっている。
【0009】
【作用】上記のごとく構成した本発明は、ステアリング
ホイールを回転させることによって操向制御を行うこと
ができ、農業用トラクタのように、後方にアタッチメン
トを装着して後方を確認しながら走行する場合に、片手
操縦が行え、またステアリングホイールによって上半身
を支えることが可能で、通常の自動車感覚で運転するこ
とができる。しかも、操向制御は、ステアリングホイー
ルによって回転する旋回用ピニオンと旋回用ラックとを
介して行われるため、旋回動作が確実に行われるととも
に、装置をコンパクトにでき、また高価な電磁油圧弁等
を必要としないため、装置を安価にすることが可能で、
小型の走行装置にも容易に採用することができる。さら
に、走行装置の前後進の切換えと増減速とを、前後進切
換え歯車と前後進切換えラックとによって油圧ポンプの
斜板の傾斜角を変えて行っているため、的確な前後進の
切換えと速度制御とが可能であるとともに、装置をコン
パクトにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係るHST走行装置用操
向制御装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って
詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の実施形態に係るHST走
行装置用操向制御装置の概略構成説明図である。図1に
おいて、HST走行装置(車両)の下部走行体を構成し
ている右走行クローラ30Rと左走行クローラ30Lと
は、走行輪である左右の遊動輪32R、32Lと図示し
ない駆動輪とに巻回してある。そして、右駆動輪と左駆
動輪とは、それぞれ対応して設けた右油圧モータ34R
と左油圧モータ34Lとに接続してあって、これらの油
圧モータ34R、34Lによって相互に独立して正逆方
向に回転させられ、HST走行装置を前進、後退または
左右への旋回を行うことができるようになっている。ま
た、各油圧モータ34R、34Lは、対応して設けた斜
板式の可変容量型油圧ポンプ36R、36Lに油圧回路
38R、38Lを介して接続してある。これらの油圧ポ
ンプ36R、36Lは、図示しない斜板の傾斜角によっ
て出力(作動油の吐出量)が調整できるとともに、斜板
の傾斜を前進側と後進側とに変えることにより、油圧モ
ータ34R、34Lで走行体を前進させる正方向、また
は走行体を後進させる逆方向に回転駆動する。
【0012】各油圧ポンプ36R、36Lは、エンジン
40の出力軸に接続してあって、このエンジン40によ
りに駆動されるようになっている。そして、エンジン4
0は、回転数が図示しないスロットルレバーによって調
節されるようになっており、このスロットルレバーを調
節してエンジンの回転数を変えることにより、油圧モー
タ36R、36Lの回転数を変え、作動油の吐出量(出
力)を変えることができるようにしてある。また、右油
圧ポンプ36Rと左油圧ポンプ36Lとは、斜板の角度
を変えるシャフト(図示せず)が各油圧ポンプ36R、
36Lに対応して設けた前後進切換えユニット42R、
42Lに接続してあって、これらの切換えユニット42
R、42Lによって斜板の傾斜角を制御できるようにし
てある。そして、これらの前後進切換えユニット42
R、42Lは、同一構造に形成してある。
【0013】各前後進切換えユニット42は、図2に示
したように、ギヤボックス44を有しており、このギヤ
ボックル44内に、前後進切換え歯車である切換えピニ
オン46が配設してある。そして、切換えピニオン46
は、ギヤボックス44を貫通して回転自在に支持された
軸48に固定してある。この軸48は、油圧ポンプ36
の斜板傾斜角を変える軸を連動して回転し、詳細を後述
するように、切換えピニオン46の回転によってポンプ
36の出力を変えたり、油圧モータ34を正逆回転する
ことができるようになっている。また、ギヤボックス4
4内の図2の上下部には、平行して対向配置した前後進
切換えラックである前進ラック50と後進ラック52と
が設けてある。
【0014】これらのラック50、52は、対向面の長
手方向一端側にラック歯54が形成してあって、このラ
ック歯54が切換えピニオン46に噛み合っている。ま
た、これらのラック50、52とギヤボックス44の天
板または底板との間には、コロ56が介装してあって、
ラック50、52が天板と底板とに対して相対移動可能
となっており、天板または底板の内面に沿って図2の左
方向に移動することにより、切換えピニオン46を回転
させ、斜板角を変えることができるようになっている。
すなわち、各ラック50、52が図2に示した位置にあ
る場合、斜板が傾斜いていない中立位置となっていて、
油圧ポンプ36の出力は零となる。そして、前進ラック
50が図2の左方向に移動すると、切換えピニオン46
が矢印58のように図2の反時計方向(正方向)に回転
し、斜板が前進位置側に傾斜するようになっている。ま
た、後進ラック52が図2の左方向に移動すると、切換
えピニオン46が矢印60のように図2の時計方向(逆
方向)に回転し、斜板が後進位置側に傾斜するようにし
てある。
【0015】前進ラック50と後進ラック52とは、ラ
ック歯54を設けたと反対側の他端側の対向面に鋸歯状
の係合歯62が形成してある。そして、これらの係合歯
62の間には、係合手段であるクラッチ68が配置して
ある。このクラッチ68は、案内ブロック70を有して
おり、この案内ブロック70内に一対の摺動孔72、7
4が図の上下方向に平行に形成してあって、これらの摺
動孔72、74内に、前進用係合ピン76と後進用係合
ピン78とが配置してある。また、各摺動孔72、74
は、それぞれ小径部と大径部とからなる段付孔であっ
て、小径部と大径部との形成位置が相互に上下逆になっ
ている。
【0016】すなわち、前進用係合ピン76を配置した
摺動孔72は、図の上部が小径部、図の下部が大径部と
なっており、後進用係合ピン78を配置した他方の摺動
孔74は、図の上部が大径部、図の下部が小径部となっ
ている。そして、各摺動孔72、74に配置した係合ピ
ン76、78は、摺動孔72、74の大径部内に位置す
る一端部に頭部を有しており、この頭部と摺動孔72、
74の段部との間に、作用を後述する戻しばね80が圧
縮介装してある。また、各係合ピン76、78は、摺動
孔72、74の小径部側に位置する他端に鋸歯状係合歯
82が設けてある。これらの係合歯82は、前進ラック
50と後進ラック52とに形成した係合歯62と歯の向
きが逆になっていて、ラック側の係合歯62と噛み合う
ようになっている。
【0017】さらに、各係合ピン76、78の頭部を配
置した摺動孔72、74の大径部には、押圧ピン84、
86が摺動孔72、74を横切って配設してある。これ
らの押圧ピン84、86は、ギヤボックス44を貫通し
ているとともに、ギヤボックス44に形成した長孔(図
示せず)に沿って上下方向に移動可能となっており、係
合ピン76、78の頭部を押圧して係合ピン76、78
を軸方向に移動させ、係合ピンの係合歯82をラック5
0、52に形成した係合歯62に係合させることができ
るようになっている。そして、ギヤボックス44を貫通
した押圧ピン84、86は、ギヤボックス44を上方か
ら跨いで配置したコ字状のピンブラケット88の側板8
9に両端を支持させてある。このピンブラケット88に
は、下方に移動したときに、前進用係合ピン84が下方
に移動するのを防止でき、上方に移動したときに後進用
係合ピン86が上方に移動するのを防止できる長孔が形
成してある(いずれも図示せず)。またピンブラケット
88は、L字状のクラッチレバー90に支持され、クラ
ッチレバー90によって上下移動させられるようになっ
ている。
【0018】L字状クラッチレバー90は、屈曲部がギ
ヤボックス44の上部に設けたブラケット92にピン9
3を介して枢着してあり、横方向に延在した一端側腕部
94の先端下部にホルダ96が下方に向けて回動自在に
取り付けてあって、このホルダ96の下端に、ピンブラ
ケット88の天板部100を貫通している支持ボルト9
8が突設してある。また、支持ボルト98は、下端にば
ね座が螺着してある。そして、このばね座の上面と天板
部100の下面との間、および天板部100の上面とホ
ルダ96の下端との間には、支持ボルト98を貫通させ
た支持ばね102、104が介在させてあり、これらの
支持ばね102、104によってピンブラケット88を
中立位置に支持できるようにしてある。
【0019】クラッチレバー90は、上方に延在する他
端側腕部106の上端にリンク108が連結してあっ
て、後述するように、前後進切換えレバーを前進位置、
後進位置にセットすることにより、リンク108を図2
の左右方向に移動させてクラッチレバー90を矢印11
0のように揺動させ、ピンブラケット88を上下動させ
ることにより、係合ピン76を前進ラック50に、係合
ピン78を後進ラック52に係合させることができるよ
うになっている。そして、前後進切換えレバーが中立位
置に戻されると、係合ピン76、78は、摺動孔82、
84の大径部に配置した戻しばね80によってラック5
0、52との係合が解除されるようになっている。
【0020】なお、図1に示してあるように、右前後進
切換えユニット42Rのクラッチレバー90と左前後進
切換えユニット42Lのクラッチレバー90とは、リン
ク108によって連結してある。そして、このリンク1
08は、前後進切換えレバー112の操作力を伝達する
切換えリンク機構114の一部をなしていて、前後進切
換えレバー112の操作により前後進切換えユニット4
2R、42Lを連動して作動させるようにしてある。ま
た、クラッチ68の案内ブロック70には、係合ピン7
6、78を介して前進ラック50または後進ラック52
を図2の左方向に移動させ、切換えピニオン46を反時
計方向または時計方向に回転させるための引き棒115
が設けてある(図2参照)。この引き棒115は、図1
に示したように、増減速操作機構を構成する増減速リン
ク機構116R、116Lを介して旋回ユニット118
に接続してある。
【0021】旋回ユニット118は、横断面図である図
3に示したように、ギヤボックス120の中央部に旋回
用ピニオン122が配設してある。このピニオン122
は、ギヤボックス120を上下方向に貫通している揺動
軸124に回転自在に取り付けてある。そして、ギヤボ
ックス120の対向した一対の内面(図3の上下方向の
内面)には、他の一対の内面に沿って配置した旋回用ラ
ック126L、126Rを案内するためのラックガイド
128が固定してある。また、揺動軸124は、詳細を
後述するように、一端が車体側に揺動可能に取り付けて
あって、旋回ユニット118を紙面に直交した面内で傾
斜させることができるようにしてある。
【0022】すなわち、揺動軸124は、図3の紙面に
直交し、かつ図3の左右方向と平行な面内で揺動可能と
なっていて、揺動軸124を揺動させることにより、旋
回ユニット118を矢印130のように揺動させること
ができるようにしてある。そして、ピニオン122は、
図3の左右に配置した一対のラック126R、126L
と噛み合っていて、図1に示したステアリングホイール
132によって揺動軸124を中心に回転させられ、ラ
ック126R、126Lを図3の上下方向に移動させ
る。
【0023】すなわち、旋回用ピニオン122には、揺
動軸124を貫通させたスプロケット134が同軸に結
合してあって、このスプロケット134に巻掛けたチェ
ーン136がステアリングホイール132のステアリン
グシャフト138に固定したスプロケット140に巻掛
けしてある。従って、図示しないオペレータがステアリ
ングホイール132を回転操作すると、その回転がステ
アリングシャフト138、スプロケット140、チェー
ン136、スプロケット134を介して旋回用ピニオン
122に伝達され、ピニオン122がステアリングホイ
ール132と同方向に回転する。
【0024】旋回ユニット118の旋回用ラック126
R、126Lは、ギヤボックス120の内面側に矩形状
の旋回制御溝142R、142Lがラック126R、1
26Lの長手方向に形成してある。これらの旋回制御溝
142R、142Lには、溝幅に合せた矩形(または正
方形)状の爪144R、144Lが嵌合させてある。そ
して、これらの爪144R、144Lの背面には、ギヤ
ボックス120に形成した長孔146を介してギヤボッ
クス120の外部に突出させた軸148が設けてあり、
これらの軸148に、前後進切換えユニット42R、4
2Lの引き棒115に一端を連結した増減速リンク機構
116R、116Lの他端が固定してある。
【0025】ギヤボックス120を貫通している揺動軸
124の一端には、リンクとシフトケーブル150とを
介して、増減速操作機構を構成している増減速レバー1
52が接続してあり、この増減速レバー152を増速側
に傾斜させることによって、リンクとシフトケーブル1
50とを介して揺動軸124を傾斜させ、旋回ユニット
118を揺動軸124と一体に傾斜することによって、
増減速リンク機構116R、116Lのリンクが図3の
紙面手前に傾斜し、図2に示した引き棒115を図2の
左方向に引くことができるようになっている。
【0026】すなわち、揺動軸124は、図4に示した
ように、他端が車体160に固定したブラケット162
にピン164を介して枢着してあって、一端に、増減速
レバー152の操作力を伝達する介してリンク166が
連結部材168を介して接続してある。そして、揺動軸
124が貫通しているピニオン122は、ブラケット1
62側に設けたハブ部がギヤボックス120の外部に露
出していて、このハブ部に継手170を介してスプロケ
ット134を取り付けるためのホイールブラケット17
2が固定してある。
【0027】ホイールブラケット172は、揺動軸12
4に対して相対回転可能となっているとともに、旋回用
ピニオン122をスプロケット134と一体に回転させ
る。そして、ホイールブラケット172は、上面側の中
央部に凹部174が形成されていて、周縁部のリング状
取付部176の端面にスプロケット134が固定してあ
る。スプロケット134は、中心部に透孔173を有す
るリング状に形成してあって、揺動軸124が枢着して
あるブラケット162の先端部を貫通させてホイールブ
ラケット172の凹部174内に挿入できるようにして
ある。なお、車体160には、旋回ユニット118の揺
動をガイドするとともに、最大揺動角度を規制するスト
ッパ178が設けてある。
【0028】また、揺動軸124には、リンク154を
介して増減速操作機構の一部である増減速ペダル156
が接続してあって、増減速ペダル156を踏み込むこと
によって揺動軸124を傾斜させ、引き棒115を図2
の左方向に引くことができるようにしてある。なお、増
減速レバー152と増減速ペダル156とは、操作力を
解除すると、図示しないばね等によって自動的に初期位
置に復帰するようにしてある。
【0029】上記のごとく構成した実施の形態の作用
は、次のとおりである。走行装置を前進させる場合、ま
ず、前後進切換えレバー112を前進位置に入れる。こ
れにより、前後進切換えレバー112の操作力が切換え
リンク機構114(リンク108)を介して前後進切換
えユニット42R、42Lに設けたクラッチレバー90
に伝達され、クラッチレバー90がピン93を中心にし
て図2の時計方向に回動し、腕部94の先端部に支持ば
ね102、104を介して支持しているピンブラケット
88を上方に引き上げる。ピンブラケット88が上昇す
ると、摺動孔72を横切って配置した押圧ピン84がピ
ンブラケット88と一体に上昇し、前進用係合ピン76
を押し上げて係合歯82を前進ラック50に形成した係
合歯62に係合させる。このとき、他方の後進用係合ピ
ン86は、ピンブラケット88に設けた長孔によって上
方に移動するのが阻止される。
【0030】前進用係合ピン76が前進ラック50に係
合した状態で増減速レバー152を増速側に傾斜させる
(または増減速ペダル156を踏み込む)と、その操作
力がリンク166を介して、旋回ユニット118のギヤ
ボックス120を貫通している揺動軸124に伝達さ
れ、揺動軸124が旋回ユニット118を傾斜させる。
そして、旋回ユニット118の傾斜により、増減速リン
ク機構116R、116Lが図2の紙面手前側に傾斜
し、増減速リンク機構116R、116Lに接続してあ
る前後進切換えユニット42の引き棒115が図2の左
方向に引かれ、前進用係合ピン76と係合している前進
ラック50が図2の左方向に移動する。このため、前進
ラック50のラック歯54と噛み合っている切換えピニ
オン46は図2の反時計方向に回転し、軸48を同方向
回転させて各油圧ポンプ36R、36Lの斜板を前進側
に傾斜させる。これにより、油圧モータ34R、34L
が正回転して走行クローラ30R、30Lを前進方向に
回転させる。前進速度を変える場合には、増減速レバー
152の傾斜量(または増減速ペダル156の踏込み
量)を変えて斜板の傾斜角を変えることにより、または
図示しないスロットルレバーによってエンジン40の回
転数を変えることによって行う。
【0031】前後進切換えレバー112を中立位置に戻
すと、切換えリンク機構114を介してクラッチレバー
90が図2の反時計方向に回転して中立位置に戻され、
ピンブラケット88が支持ばね104のばね力によって
押し下げられ、支持ばね102、104のばね力によっ
て中立位置に保持される。そして、前進用係合ピン76
は、摺動孔72の大径部に配設した戻しばね80によっ
て頭部側(図2の下側)に移動させられ、前進ラック5
0との係合が解除される。前進ラック50は、クラッチ
68との係合が解除されると、図示しない戻し機構によ
って初期位置に戻され、切換えピニオン46を時計方向
に回転させて軸48を中立位置にする。これにより、油
圧ポンプ36R、36Lの斜板の面が軸線に直交し、作
動油の吐出が停止されて油圧モータ34R、34Lの駆
動を停止する。
【0032】車両を後進させる場合には、前後進切換え
レバー112を後進位置にすることにより、クラッチレ
バー90が図2の反時計方向に回動してピンブラケット
88を押し下げ、後進用係合ピン78の係合歯82を後
進ラック52の係合歯62に係合させる。このとき、前
進用係合ピン76は、ピンブラケット88に設けた長孔
によって下方への移動が阻止される。そして、増減速レ
バー152を増速側に傾斜させると、前記したように引
き棒115が図2の左方向に移動して後進ラック52を
同方向に移動させ、切換えピニオン46を時計方向に回
転させて斜板を後進側に傾斜させる。
【0033】車両を旋回させる場合、例えば前進してい
る車両を右方向に旋回させる場合、ステアリングホイー
ル132を時計方向(右方向)に回転させる。ステアリ
ングホイール132を時計方向に回転させると、その回
転がステアリングシャフト138、スプロケット14
0、チェーン136、スプロケット134を介して旋回
ユニット118の旋回用ピニオン122に伝達され、ピ
ニオン122を図3の時計方向に回転させる。このた
め、ピニオン122と噛み合っている旋回用ラック12
6Lがギヤボックス120の内面とラックガイド128
とに案内されて図3の上方に移動するとともに、他方の
旋回用ラック126Rが図3の下方に移動する。そし
て、左側のラック126Lの旋回制御溝142Lに嵌合
させてある爪142がラック126Lとともに上方に移
動し、増減速リンク機構116Lを介して左側の前後進
切換えユニット42Lの引き棒115をさらに引き、前
進ラック50を介して切換えピニオン46をさらに反時
計方向に回転させて斜板を傾斜させる。これにより、左
油圧ポンプ36Lの出力が右油圧ポンプ36より大きく
なり、左油圧モータ34Lの回転速度が右油圧モータ3
4の回転速度より大きくなって車両が右方向に旋回す
る。
【0034】なお、後進している車両を右方向に旋回さ
せる場合は、ステアリングホイール132を右方向に回
転することにより、前記と同様にして行うことができ
る。また、例えば前進側右方向に信地旋回する場合、前
後進切換えレバー112を前進位置にしてクラッチ68
前進ラック50に係合させる。そして、増減速レバー1
52および増減速ペダル156の操作を行わずに、ステ
アリングホイール132を右方向に回転させる。これに
より、前記したように増減速リンク機構116Lによっ
て左油圧前後進切換えユニット42Lの前進ラック50
が図2の左方向に移動して切換えピニオン46を反時計
方向に回転し、左油圧ポンプ36Lが作動して左油圧モ
ータ34Lを駆動する。しかし、右油圧ポンプ36R側
の前進ラック50は移動しないため、右油圧ポンプ36
Rの出力がなく、右油圧モータ34Rは回転しない。こ
のため、左走行クローラ30Lだけが前進方向に回転し
て右側に信地旋回が行われる。左側に信地旋回を行う場
合は、前後進切換えレバー112を後進側に位置させて
ステアリングホイール132を左側に回転させることに
より、前記と同様にして行うことができる。
【0035】このように、実施の形態においては、ステ
アリングホイール132を回転することによって走行装
置の操向制御を行うことができ、また増減速ペダル15
6の踏込み量によって走行装置の増減速を行うことがで
きるため、通常の自動車感覚の運転が可能になるととも
に、農業トラクタのように後方にアタッチメントを装着
して後方確認をしながら走行する場合に、片手操縦が可
能となり、ステアリングホイール132によって上半身
を支えることができ、操縦を容易に行うことができる。
しかも、操向制御は、旋回用ピニオン122と旋回用ラ
ック126R、126Lにより油圧ポンプ36R、36
Lの斜板の角度を制御する機械式であるため、旋回動作
を確実に行わせることができるとともに、装置をコンパ
クトにでき、また高価な電磁油圧バルブ等を必要として
いないため、安価な操向装置を実現することができて小
型の走行装置にも採用することが可能となる。
【0036】さらに、実施の形態においては、前後進の
切換えを、前後進切換えレバー112に連動するクラッ
チ68を前後進切換えユニット42の前進ラック50ま
たは後進ラック52と係合させることにより行っている
ため、前後進の切換えを的確に行うことができる。そし
て、増減速をするための油圧モータ36R、36Lの出
力制御を、前後進切換えユニット42R、42Lに設け
た切換えピニオン46を前進ラック50、後進ラック5
2によって回転させて行っているため、出力制御を容
易、確実に行うことができるとともに、装置を小型化す
ることができる。
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、ステアリングホイールを回転させることによって操
向制御を行うことができ、農業用トラクタのように、後
方にアタッチメントを装着して後方を確認しながら走行
する場合に、片手操縦が行え、またステアリングホイー
ルによって上半身を支えることが可能で、通常の自動車
感覚で運転することができる。しかも、操向制御は、ス
テアリングホイールによって回転する旋回用ピニオンと
旋回用ラックとを介して行われるため、旋回動作が確実
に行われるとともに、装置をコンパクトにでき、また高
価な電磁油圧弁等を必要としないため、装置を安価にす
ることが可能で、小型の走行装置にも容易に採用するこ
とができる。さらに、走行装置の前後進の切換えと増減
速とを、前後進切換え歯車と前後進切換えラックとによ
って油圧ポンプの斜板の傾斜角を変えて行っているた
め、的確な前後進の切換えと速度制御とが可能であると
ともに、装置をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るHST走行装置用操
向制御装置の概略構成説明図である。
【図2】実施の形態に係る前後進切換えユニットの詳細
を示す断面図である。
【図3】実施の形態に係る旋回ユニットの詳細断面図で
ある。
【図4】実施の形態に係る揺動軸の取付状態を示す断面
図である。
【図5】従来のHST走行装置用操向制御装置の説明図
である。
【符号の説明】
30L 左走行クローラ 30R 右走行クローラ 32L、32R 走行輪(左遊動輪、右遊動輪) 34L 左油圧モータ 34R 右油圧モータ 36L 左油圧ポンプ 36R 右油圧ポンプ 42L、42R 前後進切換えユニット 46 前後進切換え歯車(切換えピニオン) 48 軸 50、52 前後進切換えラック(前進ラック、後
進ラック) 68 係合部材(クラッチ) 64、66 操作部 76、78 係合ピン 112 前後進切換えレバー 116L、116R 増減速操作機構(増減速リンク
機構) 118 旋回ユニット 122 旋回用歯車(旋回用ピニオン) 124 揺動軸 126L、126R 旋回用ラック 136 チェーン 144L、144R 爪 152、156 増減速操作機構(増減速レバー、増減
速ペダル)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の走行輪に対応して設けられ、左右
    の走行輪を相互に独立して正逆回転させる油圧モータ
    と、 これらの油圧モータに対応して設けられ、対応する油圧
    モータを正逆回転駆動する斜板式油圧ポンプと、 これら各油圧ポンプに対応して設けられ、正逆回転する
    ことにより対応する前記油圧モータの斜板を前進側また
    は後進側に傾斜させる前後進切換え歯車と、 これら各前後進切換え歯車に対応して設けられ、前後進
    切換え歯車を正方向または逆方向に回転させる前後進切
    換えラックとこれらの前後進切換えラックと係脱可能に
    設けた係合部材を前記ラックに係脱させる前後進切換え
    レバーと、 前記各係合部材に接続され、係合部材を移動させて前記
    前後進切換えラックを介して前記前後進切換え歯車を回
    転させ、前記斜板の傾斜角を変える増減速操作機構と、 この増減速操作機構を係合させた旋回用ラックと噛み合
    い、ステアリングホイールの回転に連動して回転し、前
    記旋回用ラックを移動させて前記増減速操作機構を介し
    て前記各油圧モータのいずれか一方に対応した前記係合
    部材を移動させる旋回歯車と、 を有することを特徴とするHST走行装置用操向制御装
    置。
JP12638096A 1996-04-23 1996-04-23 Hst走行装置用操向制御装置 Pending JPH09286345A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111968449A (zh) * 2020-08-21 2020-11-20 南京智能仿真技术研究院有限公司 一种具有触觉反馈的驾驶模拟仓及其控制***

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