JPH09286258A - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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JPH09286258A
JPH09286258A JP8098591A JP9859196A JPH09286258A JP H09286258 A JPH09286258 A JP H09286258A JP 8098591 A JP8098591 A JP 8098591A JP 9859196 A JP9859196 A JP 9859196A JP H09286258 A JPH09286258 A JP H09286258A
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shift
speed
driving force
mode
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Takeshi Ishizu
石津  健
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの運転状態にかかわらず駆動力制御
を安定して行う。 【解決手段】 冷却水温に応じて所定の回転数を維持す
るエンジン制御手段120と、複数のシフトスケジュー
ルを選択して前記自動変速機100を制御する変速制御
手段102と、駆動輪101の空転を判定する駆動力制
御開始判定手段103が駆動輪の空転を判定したときに
エンジン104の駆動力を低減する駆動力抑制手段10
5とを備え、変速制御手段102は、通常走行用の第1
のシフトスケジュールと、駆動力抑制手段105が作動
したときの第2のシフトスケジュールとを選択的に切り
換える手段106を有し、この第2のシフトスケジュー
ルはエンジン冷却水温に応じて第1シフトスケジュール
よりも高速側に変速線を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動輪の空転を防
いで車両の安定性及び運転性を確保する駆動力制御装置
に関し、特に自動変速機を備えた駆動力制御装置の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加速時等に駆動輪が空転して、加速性
能、発進性能が低下するのを防止する駆動力制御装置
(あるいはTCS=トラクションコントロールシステ
ム)としては、アクチュエータに駆動される第2スロッ
トルの開度や燃料噴射カット、点火時期制御などにより
エンジン出力を制御するものが従来から知られており、
さらに、自動変速機を備えた車両の駆動力制御装置とし
ては、例えば、特開平3−234964号公報等が知ら
れている。
【0003】これは、自動変速機を備えた車両の変速動
作が、車速とスロットル開度TVOに応じて行われ、例
えば、通常走行中の1速から2速へシフトアップは、変
速コントローラに予め設定された図6の実線に示すシフ
トスケジュールに従って変速を行うが、駆動輪が空転し
て駆動力制御が開始されると、図中破線で示すように、
予め設定した高速側のシフトスケジュールに移行するこ
とで変速タイミングを遅延させ、駆動力制御中の変速動
作を抑制し、安定した駆動力制御を行おうとするもので
ある。
【0004】そして、駆動輪の空転時にエンジンの出力
を制御する駆動力制御装置としては、特開平3−246
335号公報等に開示されるように、駆動輪の空転が検
知されると、図7に示すように、駆動輪のスリップの大
きさ等に応じて燃料噴射カットを行う気筒数を段階的に
変更して、エンジンの出力を抑制するものも知られてい
る。
【0005】さらに、このような燃料カット制御に加え
て、図7のように、駆動輪のスリップ等に応じて駆動さ
れる第2スロットル開度の制御を加えたものも知られて
おり、上記のような自動変速機を備えた車両の駆動力制
御は、第2スロットルの開度や燃料カットのエンジン制
御を組み合わせて、駆動輪の空転を抑制しており、特
に、氷結路等の低μ路等では、第2スロットルを全閉に
するとともに、燃料カットを行って、安定性を確保して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンの
制御では、スロットルが全閉状態となってもエンジンが
ストール(停止)しないように、補助空気及び燃料を導
入して所定のアイドルトルク及び回転数(アイドル回転
数)を確保するエンストリミット制御(またはアイドル
回転数制御)が図9に示すように行われている。このエ
ンストリミット制御は、図9に示すように、エンジンの
冷間時から冷却水温が所定値以上となる暖機終了後(以
下、完暖時)までの幅い広い状況に対応するため、エン
ジンの冷却水温TXNELに応じて予め設定された所定
のエンジン回転数(またはアイドル回転数)を維持する
ように燃料制御(暖機時補正制御)などが行われ、例え
ば、水温が−30℃未満のときにアイドル回転数は最大
となる一方、水温が70℃以上ではアイドル回転数が最
小値となるように可変制御される。エンジンの完暖時に
はアイドル回転数は最小値に設定される。なお、このよ
うなエンジンの冷間時の制御は、暖機補正制御等として
知られている。このエンストリミット制御により、上記
のような駆動力制御によって第2スロットルを全閉にし
ても、エンジンの出力は所定のアイドルトルクを維持す
ることができ、駆動力制御中であってもエンジン回転数
が所定値未満となるとエンストリミット制御によって燃
料カット制御は禁止され、エンジン回転数は所定のアイ
ドル回転数以上に維持される。
【0007】しかしながら、上記従来例では、駆動力制
御が開始されると、スロットル開度TVO(またはアク
セル開度)にかかわらず、図6の破線のように自動変速
機のシフトスケジュールを高速側へ移動させているが、
氷結路などの低μ路でスロットル開度がほぼ全閉に近い
状態(例えば、TVO≦2/8)で、自動変速機のシフ
トアップが行われると、図8に示すように、エンジン回
転数Neはエンストリミット制御によって維持される所
定のアイドル回転数(図中破線)未満となるため、燃料
カット制御が禁止されてしまう。
【0008】エンジン側では所定のアイドルトルクを確
保するとともに、自動変速機は1速から2速へのシフト
アップするため、駆動輪へ伝達される駆動力は燃料カッ
ト制御が禁止されるため減少せず、制御可能な駆動輪速
の最小値が増大して、駆動輪のスリップが増大して車両
の安定性が低下するという問題があり、さらに、燃料カ
ット制御が禁止されるアイドル回転数は、上記図9のよ
うにエンジンの冷却水温TXNELに応じて可変制御さ
れており、例えば、水温が−30℃未満のときにはアイ
ドル回転数は約1275rpmに設定され、上記従来例の
ようなシフトスケジュールに従ってシフトアップする
と、燃料カット制御不能な領域に入って、円滑な駆動力
制御が行えない場合があった。
【0009】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、自動変速機を備えた車両の駆動力制御を、
エンジンの運転状態にかかわらず確実に行うことを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図10に
示すように、自動変速機100を介してエンジン104
に連結された駆動輪101と、前記エンジン104の冷
却水温に応じて所定の回転数を維持するエンジン制御手
段120と、車両の運転状態に応じて予め設定された複
数のシフトスケジュールのうちのひとつを選択して前記
自動変速機100を制御する変速制御手段102と、前
記駆動輪101の路面に対するスリップが所定値を超え
たときに駆動輪101の空転を判定する駆動力制御開始
判定手段103と、前記駆動力制御開始判定手段103
が駆動輪の空転を判定したときに前記エンジン104の
駆動力を低減する駆動力抑制手段105とを備えた車両
用駆動力制御装置において、前記変速制御手段102
は、通常走行用の第1のシフトスケジュールと、前記駆
動力抑制手段105が作動したときの第2のシフトスケ
ジュールとを選択的に切り換える切換手段106を備
え、前記第2のシフトスケジュールは、前記エンジン1
04の冷却水温に応じて前記第1シフトスケジュールよ
りも高速側に変速線を設定する。
【0011】また、第2の発明は、図10に示すよう
に、前記第1の発明において、前記第2シフトスケジュ
ールは、エンジンの冷却水温が所定値以上のときの完暖
時モードと、同じく冷却水温が所定値未満のときの暖機
時モードと、前記冷却水温に応じてこれら完暖時モード
及び暖機時モードを選択的に切り換えるTCS制御モー
ド切換手段121とを備える。
【0012】また、第3の発明は、図10に示すよう
に、前記第2の発明において、前記完暖時モードは、運
転者の操作に応動する第1スロットル開度が所定値以下
の変速線を前記第1シフトスケジュールよりも高速側に
設定し、前記暖機時モードは、同じく第1スロットル開
度が所定値以下の変速線を前記完暖時モードよりも高速
側に設定し、これら完暖時モード及び暖機時モードは前
記第1スロットル開度が所定値を超える変速線を前記第
1シフトスケジュールよりも低速側に設定する。
【0013】また、第4の発明は、図10に示すよう
に、前記第1の発明において、前記駆動力抑制手段10
5は、エンジン104の吸気管路に配設されてアクチュ
エータに駆動される第2のスロットル109と、前記エ
ンジンへ104の燃料供給を一時的に停止する燃料カッ
ト手段110とを有する。
【0014】
【作用】したがって、第1の発明は、エンジン制御手段
は冷却水温に応じて所定のエンジン回転数を維持するよ
うにエンジンを制御しており、例えば、冷却水温が低い
冷間時ではエンジン回転数(あるいはアイドル回転数)
を高く、冷却水温が高ければエンジン回転数を低く設定
する。駆動力抑制手段は、駆動輪の路面に対するスリッ
プが所定値を超えるとエンジンの駆動力を低減して、駆
動輪のスリップを抑制するが、このとき、変速制御手段
は、シフトスケジュールを通常走行用の第1のシフトス
ケジュールから第2のシフトスケジュールへ切り換え
る。この第2シフトスケジュールは、エンジンの冷却水
温に応じて第1シフトスケジュールよりも高速側に変速
線を設定したため、変速後にエンジン制御手段が維持す
るエンジン回転数を下回ることがなくなって、例えば、
変速後の燃料カット制御等の駆動力抑制制御を可能に
し、エンジンの冷却水温に拘わらず駆動力制御を確実に
行うことができる。
【0015】また、第2の発明は、エンジンの冷却水温
に応じて完暖時モード及び暖機時モードを選択的に切り
換えることで、駆動力制御中に変速を行っても、冷却水
温に応じて変化する所定のエンジン回転数を下回ること
がなく、例えば、暖機中あるいは暖機終了後のエンジン
の状態に拘わらず、変速後の燃料カット制御等の駆動力
抑制制御を確実に行うことができる。
【0016】また、第3の発明は、運転者の操作に応動
する第1スロットル開度が所定値以下(例えば、スロッ
トル開度が2/8以下)の変速線を通常走行用の第1シ
フトスケジュールよりも高速側に設定し、さらに暖機時
モードは、同じく第1スロットル開度が所定値以下の変
速線を完暖時モードよりも高速側に設定したため、エン
ジン制御手段が冷却水温の低いときにはエンジン回転数
を高く、冷却水温が高いときにはエンジン回転数を低く
設定した場合、第1スロットル開度が所定値以下の低開
度のときに駆動力制御を行っても、変速後のエンジン回
転数をエンジン制御手段で設定される所定の回転数以上
に確保でき、例えば、暖機中あるいは暖機終了後のエン
ジンの状態に拘わらず、変速後の燃料カット制御等の駆
動力抑制制御を確実に行うとともに、第1スロットル開
度が所定値を超える領域では、変速線を第1シフトスケ
ジュールよりも低速側に設定したため、例えば、駆動力
制御中にエンジン回転数が高回転域となってから変速を
行うことを防いで、変速ショックによる駆動力制御の安
定性の低下を防止する。
【0017】また、第4の発明は、エンジン制御手段は
第2スロットルが全閉となっても冷却水温に応じた所定
の回転数を維持するようにエンジンを制御しており、駆
動輪の空転が判定されると、駆動力抑制手段は、第2の
スロットルと燃料カット手段を制御することでエンジン
の駆動力を低減して、駆動輪の空転を抑制し、駆動力制
御中の第2シフトスケジュールは、エンジンの冷却水温
に応じて第1シフトスケジュールよりも高速側に変速線
を設定したため、変速後にエンジン制御手段が維持する
エンジン回転数を下回ることがなくなって、変速後の燃
料カット制御を可能にし、エンジンの冷却水温に拘わら
ず駆動力制御を確実に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0019】図1は、駆動力制御装置はマイクロコンピ
ュータ等から構成されたTCSコントローラ1を主体
に、アクチュエータ9を介してこのTCSコントローラ
1に制御される駆動力抑制手段としての第2スロットル
10NO開度THRと、TCSコントローラ1の指令に
応じてエンジンコントローラ2で行われる燃料カット制
御から構成した場合を示す。
【0020】自動変速機6に連結されたエンジン4は、
エンジンコントローラ2によって燃料噴射量や点火時期
等を運転状態に応じて制御されており、前記従来例と同
様にエンジンコントローラ2は、第1または第2スロッ
トル開度TVO、THRが全閉となっても、エンジン回
転数Neが所定のアイドル回転数を維持するようにエン
ストリミット制御を行っている。さらに、エンジンコン
トローラ2はTCSコントローラ1からの駆動力制御要
求に応じて、前記図7に示したような、燃料カットなど
の出力制御を行う。
【0021】そして、エンジン4の吸気通路には、アク
セルペダル7に応動する第1スロットル8と、アクチュ
エータ9を介してTCSコントローラ1に制御される第
2スロットル10が配設され、開度センサ11によって
検出された第1スロットル8の開度TVOは、TCSコ
ントローラ1及びATコントローラ3へ送出される。
【0022】なお、エンジンコントローラ2のエンスト
リミット制御は、前記従来例の図9と同様に、冷却水温
TXNELに応じて設定されたアイドル回転数を維持す
るもので、第1又は第2スロットル8、10の全閉時に
なってもエンジン4の停止を防いでおり、検出した水温
TXNELをTCSコントローラ1へ送出している。
【0023】一方、自動変速機6は、ATコントローラ
3の指令に応じて変速動作を行うもので、ATコントロ
ーラ3は、第1スロットル開度TVOと車速等の車両の
運転状態に応じた変速比となるように自動変速機6を制
御し、図3、図4の破線で示すように、通常走行中の変
速に用いる変速線であるノーマルモードと、同じく図中
実線で示すように、TCSコントローラ1の駆動力制御
中に用いられる変速線を、エンジン4の暖機中の暖機時
TCS制御モードと、エンジン4の暖機が終了した完暖
時TCS制御モードの複数のシフトスケジュールを予め
備えて、エンジン4の状態に応じたTCSコントローラ
1からの駆動力制御要求に応じて、これらシフトスケジ
ュールを切り換える。
【0024】なお、自動変速機6は後輪RR、RLと連
結されるFR式を構成しており、以下、左右後輪RL、
RRを駆動輪とし、左右前輪FL、FRを従動輪とす
る。
【0025】TCSコントローラ1には、各車輪または
車軸の回転速度を検出する車輪速センサ12FR、12
FL、12RR、12RLの検出信号がそれぞれ入力さ
れ、TCSコントローラ1は、これら各車輪速VWFR
WFL、VWRR,VWRLに基づいて駆動輪RR、RLの空
転と車両の前後加速度Xgを検出し、駆動輪RR、RL
が空転した場合には、アクチュエータ9を介して第2ス
ロットル10を制御するとともに、エンジンコントロー
ラ2へ駆動力制御要求を送出して前記従来例の図7のよ
うに燃料カットを行ってエンジン4の出力を調整し、さ
らにTCSコントローラ1はATコントローラ3へエン
ジン4の水温に応じて駆動力制御要求を送出し、ATコ
ントローラ3はこの信号に応じてシフトスケジュール
を、図3に示すように、通常走行中のノーマルモード
(破線)から、完暖時TCS制御モードまたは暖機時制
御モードのうちの一方のTCS制御モードへ切り換え
る。
【0026】ここで、ATコントローラ3で行われる変
速制御について、図3に示した1速から2速へのシフト
アップ線(変速線)及び図4に示す2速から1速へのシ
フトダウン線(変速線)の一例を参照しながら説明す
る。
【0027】まず、シフトアップ側の通常走行中のノー
マルモードは、前記従来例の図6の実線に示したシフト
スケジュールと同様である。
【0028】一方、シフトアップ側のTCS制御モード
は、前記従来例のようにノーマルスケジュールを高速側
へ移動したものではなく、エンジン4の水温TXNEL
に応じて暖機時と完暖時についてそれぞれ設定したもの
であり、この暖機時と完暖時は後述するように、所定の
水温を境に区分けされる。
【0029】まず、エンジン4の暖機が終了した完暖時
TCS制御モードについて説明する。
【0030】第1スロットル開度TVOが小さい2/8
以下の領域(図中A部、B部)では、車速が十分上昇す
るまで1速から2速へのシフトアップ線を高速側に移動
させて、駆動力制御中の変速動作を遅延させている。
【0031】特に、スロットル開度TVOが1/8以下
となるほぼ全閉の領域(図中A部)のシフトアップ線
は、1速から2速へシフトアップした場合にもエンジン
回転数Neが、エンストリミット制御によるアイドル回
転数未満とならないような車速に設定される。すなわ
ち、図9において、水温TXNEL=0℃以上を完暖
時、0℃未満を暖機時とした場合では、完暖時TCS制
御モードの図3のA部は、2速へシフトアップすると、
水温=0℃のときにエンストリミット制御で決定される
アイドル回転数以上の車速となるように設定され、例え
ば、約22Km/hに設定される。
【0032】したがって、エンジン4の完暖時では、駆
動力制御中にTVO≦1/8でシフトアップを行って
も、エンジン4の回転数は燃料カット制御可能領域内を
維持してエンジンコントローラ2による燃料カット制御
を可能にして、変速ショックと駆動力制御の安定性を両
立させている。
【0033】そして、図中C部のスロットル開度TVO
が2/8〜4/8の中開度領域では、シフトアップ線は
ノーマルモードよりも高速側に移動されて、駆動力制御
中の変速動作を遅延させているが、図中D部のスロット
ル開度TVOが4/8を超える高開度領域では、通常走
行中のノーマルスケジュールモードよりもシフトアップ
を行う車速を低速側へ移動させており、シフトアップ線
はノーマルスケジュールモードより低速側に設定され
て、TCS制御中にシフトアップが抑制されて、エンジ
ン回転数Neが高回転域となってから変速を行うことを
防いで、変速ショックによる駆動力制御の安定性の低下
を防止する。
【0034】一方、エンジン4の暖機時に選択される暖
機時TCS制御モードは、図3において、完暖時TCS
制御モードのA部、B部を、より高速側のA’部及び
B’部に変更したものであり、その他、C部以上は完暖
時制御モードと同一である。
【0035】暖機時TCS制御モードでは、まず、第1
スロットル8がほぼ全閉となるTVOが3/16未満の
A’部で、エンジン水温TXNELが0℃未満に設定さ
れる最大アイドル回転数(約1275rpm)のときに2
速へシフトアップしても燃料カット制御可能なエンジン
回転数Neとなるような車速(約27Km/h)に設定さ
れ、第1スロットル開度TVOが3/16から2/8の
図中B’部では、上記完暖時TCSモードよりも低速側
にシフトアップ線を設定し、変速ショックよりも駆動力
制御の安定性を確保するように設定される。
【0036】また、図4に示す2速から1速へのシフト
ダウン側についても、上記と同様にして、通常走行用の
ノーマルモード(図中破線)と、TCS制御が開始され
たときに、エンジン4の冷却水温TXNELが所定値以
上の完暖時TCS制御モード(図中E)と、エンジン水
温TXNELが所定値未満の暖機時TCS制御モード
(図中E’)が予め設定される。
【0037】まず、シフトダウン側の通常走行用のノー
マルモードのシフトダウン線は、前記従来例と同様であ
り、第1スロットル開度TVOが0/8〜7/8では、
車速が約9Km/hに設定され、同じく開度TVOが7/8
以上では車速が約50Km/hのときに2速から1速へのシ
フトダウンを行うように設定される。
【0038】一方、シフトダウン側のTCS制御モード
は、上記シフトアップ側と同様にエンジン4の冷却水温
TXNELに応じて暖機時と完暖時についてそれぞれ設
定され、エンジン水温TXNELが所定値以上となる完
暖時TCS制御モードは図中Eのように、第1スロット
ル開度TVOが0/8〜7/8では、ノーマルモードよ
りも高速側にシフトダウン線を設定し、例えば、車速V
CAR≒18Km/hに設定されて、シフトダウン後にも燃料
カット制御可能なエンジン回転数Neとなる。
【0039】一方、開度TVOが7/8以上ではノーマ
ルモードよりも低速側の車速にシフトダウン線を移動し
て、例えば、車速が約45Km/hのときに2速から1速へ
のシフトダウンを行うように設定され、エンジン4の回
転数の増大を抑制して、駆動力制御を安定させる。
【0040】そして、エンジン水温TXNELが所定値
未満となる暖機時TCS制御モードは、図中E’のよう
に、第1スロットル開度TVOが0/8〜7/8では、
完暖時TCS制御モードよりもさらに高速側にシフトダ
ウン線を設定し、例えば、車速VCAR≒25Km/hに設定
されて、エンストリミット制御によりアイドル回転数が
増大したエンジン4の低水温時に、シフトダウン後で
も、燃料カット制御可能なエンジン回転数Neとするも
のである。なお、第1スロットル開度TVOが7/8以
上では、上記完暖時TCS制御と同様に設定される。
【0041】次に、TCSコントローラ1とATコント
ローラ3で行われる駆動力制御及び変速制御の一例を図
2のフローチャートに示し、以下、このフローチャート
を参照しながら駆動力制御と変速制御について詳述す
る。なお、このフローチャートに基づく制御は所定時間
毎に実行されるものである。
【0042】まず、ステップS1〜S10はTCSコン
トローラ1で行われる制御を示し、ステップS11〜S
13はTCSコントローラ1の指令に応じてATコント
ローラ3で行われる制御を示す。
【0043】ステップS1では、TCSコントローラ1
が各車輪速センサ12FR〜12RLの出力を読み込ん
で、各車輪の速度VWFR、VWFL、VWRR,VWRLを求め
る。
【0044】そして、ステップS2では、車速VCAR
従動輪である左右前輪FR、FLの車輪速VWFR、VWFL
の平均値より求め、ステップS3では、同様にして駆動
輪の平均速度VRRを左右後輪RR、RLの車輪速
WRR、VWRLから求める。
【0045】次に、ステップS4では、駆動輪の空転を
検出するため、駆動輪平均速VRRと車速VCARの差から
駆動輪の路面に対するスリップSを求める。
【0046】ステップS5では、上記車速VCARの現在
の値VCAR(n)と、前回の処理で求めた値VCAR(n-1)の差
に所定の変換定数Kを乗じて車両の前後加速度Xgを求
める。
【0047】Xg={VCAR(n)−VCAR(n-1)}×K この前後加速度Xgは、駆動輪が空転したときに車両に
発生した加速度であり、このときの前後加速度Xgを路
面摩擦係数μとして扱う。
【0048】上記ステップS1〜S5で、駆動輪平均速
RR及び前後加速度Xg(路面摩擦係数μ)を求めてか
ら、ステップS6では、あらかじめ設定した駆動力制御
の目標値となるスリップの目標値SBと、上記ステップ
S4で求めたスリップSとを比較して駆動力制御の開始
を判定する。
【0049】つまり、スリップSと所定の目標値SBと
を比較して、スリップSが目標値SBを超えたときに
は、駆動輪が空転したと判定してステップS7の処理へ
進む一方、スリップSが目標値SB以下の場合には、通
常走行中であると判定してステップS13の処理へ進
む。
【0050】なお、スリップの目標値SBは、路面に対
する駆動輪のスリップが所定値となるように設定され、
例えば、駆動輪速VRRが車速VCARより若干大きい所定
値となるように、目標値SB≒2〜3Km/h等に設定され
る。
【0051】ステップS7では、現在の路面状況が氷結
路等の低μ路であるかを判定するもので、上記ステップ
S5で求めた路面摩擦係数μに応じた値としての前後加
速度Xgと、所定値LOMYUとを比較することで、発
生した前後加速度Xgから現在の路面が低μ路と高μ路
のいずれであるかを判定する。
【0052】この所定値LOMYUは、低μ路を判定す
るために予め設定された加速度であり、例えば、0.3G
等に設定される。
【0053】車両に発生した前後加速度Xgが所定値L
OMYU以上である場合には、変速制御を禁止してステ
ップS13へ進む一方、前後加速度Xgが所定値LOM
YU未満の低μ路と判定された場合には、駆動輪RR,
RLの空転を抑制して車両の安定性を確保するため、ス
テップS8で第2スロットル10を駆動するとともに、
エンジンコントローラ2へ駆動力制御要求を送出してエ
ンジン4の燃料カットを行う。このエンジン4の出力制
御は、前記従来例と同等である。
【0054】TCSコントローラ1は駆動力制御を開始
するとともに、ステップS9でエンジンコントローラ2
からエンジン4の冷却水温TXNELを読み込んでか
ら、ステップS10で、エンジン4が暖機中か暖機終了
後のいずれであるかを判定して、ATコントローラ3へ
指令するシフトスケジュールを切り換える。
【0055】すなわち、エンジン水温TXNELを所定
値、例えば、0℃と比較して、上記したように、エンジ
ン水温TXNELが0℃未満であれば、暖機中と判定し
てステップS11へ進んで、TCSコントローラ1は図
3に示した、暖機時TCS制御モードを選択するようA
Tコントローラ3へ指令する一方、エンジン水温TXN
ELが0℃以上であれば暖機終了と判定してステップS
12へ進み、図3に示した完暖時TCS制御モードを選
択するようATコントローラ3へ指令する。
【0056】ATコントローラ3はステップS11又は
S12で、TCSコントローラ1から信号に呼応して、
シフトスケジュールを図3に示したように、ノーマルモ
ードから暖機時又は完暖時のTCS制御モードへ切り換
える。
【0057】一方、ステップS13では、駆動力制御を
行わないため、ATコントローラ3は、図3の破線に示
した通常走行用のノーマルモードを選択する。
【0058】以上のような制御を所定時間毎に行うこと
により、エンジン4の冷却水温TXNELの影響による
アイドル回転数の変動に拘わらず、低μ路等で発進、加
速する際に駆動輪の空転を確実に抑制しながらも変速シ
ョックを低減することができ、さらに、高μ路では運転
者の意図に応じた加速を行うことが可能となり、以下に
その一例を示す。
【0059】氷結路のような低μ路等での発進で、第1
スロットル開度TVOが小さい状態(例えば、TVO≦
1/8)で駆動輪が空転して、駆動力制御が開始される
と、TCSコントローラ1は第2スロットル10を駆動
するとともに、エンジンコントローラ2へ駆動力制御要
求を送出して、前記従来例に示した図7と同様に、第2
スロットル開度THRと燃料カット気筒数を制御しなが
ら駆動輪の空転を抑制する。
【0060】このとき、TCSコントローラ1はエンジ
ン4の冷却水温TXNELに応じて、駆動力制御中のシ
フトスケジュールを完暖時TCS制御モードと暖機時T
CS制御モードのうちの一方へ切り換えるようにATコ
ントローラ3へ指令を送出する。
【0061】いま、駆動輪が空転したときにエンジン水
温TXNELが所定値以上の完暖時であれば、ATコン
トローラ3は、シフトスケジュールを図3の実線A〜D
で示した、完暖時TCS制御時モードに切り換えられ
る。
【0062】TCSコントローラ1及びエンジンコント
ローラ2による第2スロットル開度THR及び燃料カッ
ト制御が開始されて、駆動輪の空転の減少に応じて車速
も増大するため、例えば、第1スロットル開度TVOが
所定値である1/8以下であれば、車速が約20Km/hを
超えると(図3のA部)、自動変速機6では1速から2
速へシフトアップが行われ、エンジン回転数Neは、図
5に示すように1速から2速へのシフトアップに応じて
一時的に減少した後、第2スロットル開度THRに応じ
て増大する。
【0063】このとき、1速から2速へのシフトアップ
によりエンジン回転数Neは一時的に減少するが、図3
のA部でシフトアップを行っても、図9に示したよう
に、エンジンコントローラ2で行われるエンストリミッ
ト制御で維持される回転数(この場合、水温TXNEL
≧0℃のアイドル回転数)を下回らないように設定され
る。
【0064】このため、図5のように、2速へシフトア
ップした後も、エンジンコントローラ2はTCSコント
ローラ1の要求に応じて燃料カットを継続可能なエンジ
ン回転数Neを確保でき、前記従来例のようにシフトア
ップによってエンジン回転数Neがエンストリミット制
御の目標値未満となって燃料カットが不能となるのを防
いで、第1スロットル開度TVOが小さい場合であって
も確実に駆動輪の空転を防いで、車両の安定性を確保す
ることができるのである。
【0065】そして、第1スロットル開度TVOが所定
値より大きい状態(例えば、TVO≧4/8)で駆動輪
が空転した場合では、上記のような駆動力制御によって
駆動輪の空転を抑制しながら車速が増大し、ATコント
ローラ3は、車速が図3に示すC、D部を超えると、1
速から2速へのシフトアップが行われ、このシフトアッ
プは通常のノーマルモードのシフトアップ線(TVO=
7/8で約70Km/h)よりも低い車速(約50Km/h)で
行われるため、エンジン回転数Neは高回転域まで増大
することなく、記従来例のようにエンジン回転数Neが
過大になってから変速動作を行うのを防いで、変速ショ
ックの発生を抑制しながら駆動力制御を円滑に継続する
ことができ、前記従来例に比して、車両の安定性を確保
しながら運転者に違和感や不快感を与えることがなくな
り、駆動力制御装置を備えた自動変速機付き車両の運転
性を向上させることができる。
【0066】一方、駆動輪が空転したときにエンジン水
温TXNELが所定値未満の暖機時であれば、ATコン
トローラ3は、シフトスケジュールを図3の実線A’、
B’〜Dで示した、暖機時TCS制御時モードに切り換
える。
【0067】上記と同じくエンジン4の駆動力制御によ
って駆動輪の空転が減少して車速も増大し、例えば、第
1スロットル開度TVOが所定値である1/8以下であ
れば、車速が完暖時TCS制御モードのシフトアップ線
よりも大きい約27Km/hを超えてから(図3のA’
部)、自動変速機6は1速から2速へシフトアップを行
う。
【0068】このときの、エンジン回転数Neは、図5
に示すように、1速から2速へのシフトアップに応じて
一時的に減少するが、図9に示した暖機時(水温TXN
EL<0℃)にエンストリミッタ制御で維持されるアイ
ドル回転数を下回ることがないため、2速へシフトアッ
プした後も、エンジンコントローラ2はTCSコントロ
ーラ1の要求に応じて燃料カットを継続することがで
き、前記従来例のようにシフトアップによってエンジン
回転数Neがエンストリミット制御の目標値未満となっ
て燃料カットが不能となるのを防ぐことができる。
【0069】こうして、エンジン4の冷却水温TXNE
Lに拘わらず、すなわち、エンジン4の暖機状態に拘わ
らず、第1スロットル開度TVOが小さい場合であって
も確実に駆動輪の空転を防いで、車両の安定性を確保す
ることができるのである。
【0070】なお、図3の完暖時及び暖機時TCS制御
モードにおいては、第1スロットル開度TVOが1/8
を超えてから4/8までの間では、通常走行用のノーマ
ルモードよりもシフトアップ線を高速側へ移行させ、駆
動力制御中の変速動作を遅延させて、変速(シフトアッ
プ)による影響を抑制して車両の安定性を向上させるこ
とができ、さらに、上記ステップS7では、ステップS
6の判定で駆動輪のスリップSが目標値SBを超えて空
転した場合であっても、路面摩擦係数μが所定値LOM
YU以上の高μ路であれば変速制御を禁止するため、高
μ路の登坂路などで駆動輪が空転しても、加速に必要な
駆動力を確保することができ、駆動力制御を行った場合
の駆動力の低下による加速性能の低下を防いで、運転者
の意図に応じた加速を行うことが可能となる。
【0071】なお、上記実施形態において、車両に発生
する加速度を前後加速度Xgのみで検出し、この値を路
面摩擦係数μとして扱うことで低μ路の判定を行った
が、図示はしないが、車両の横加速度Ygを検出する横
加速度センサを設け、上記ステップS5で求めた、前後
加速度Xgに加えて、検出した横加速度Ygと上記前後
加速度Xgから路面摩擦係数μを示す値を推定して、低
μ路の判定を行ってもよい。
【0072】また、TCS制御時のシフトスケジュール
を、図3、図4のように1速から2速及び2速から1速
へのシフトアップ、ダウン線のみについて述べたが、図
示はしないが、2速から3速等、他のシフトスケジュー
ルについても第1スロットル開度と車速に応じて完暖時
と暖機時のTCS制御時モードをそれぞれ設定しておけ
ばよい。
【0073】また、TCS制御時のシフトスケジュール
を、冷却水温TXNELに応じて完暖時と暖機時の2つ
のモードを選択的に切り換えたが、図示はしないが、冷
却水温TXNELの増大に応じて第1スロットル開度T
VOの低開度側(TVO≦2/8)の変速線を高速側に
移動させるようなマップや関数としてもよい。
【0074】また、ATコントローラ3に設定された通
常走行用のシフトスケジュールを単一のノーマルモード
のみとした場合を示したが、この通常走行用のシフトス
ケジュールを、ノーマルモードに加えてパワーモードや
エコノミーモード等複数のシフトスケジュールを設定し
てもよく、ATコントローラ3はこれら複数の通常走行
用のシフトスケジュールと、完暖時または暖機時TCS
制御時モードをTCSコントローラ1の要求に応じて選
択的に切り換えれば、上記と同様にエンジン4の水温T
XNELに拘わらず駆動輪の空転を抑制しながら円滑な
変速動作を行うことができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、駆動
輪の路面に対するスリップが所定値を超えるとエンジン
の駆動力を低減して、駆動輪のスリップを抑制するが、
このとき、変速制御手段は、シフトスケジュールを通常
走行用の第1のシフトスケジュールから第2のシフトス
ケジュールへ切り換えるが、この第2シフトスケジュー
ルは、エンジンの冷却水温に応じて第1シフトスケジュ
ールよりも高速側に変速線を設定したため、変速後にエ
ンジン制御手段が維持するエンジン回転数を下回ること
がなくなって、例えば、変速後の燃料カット制御等の駆
動力抑制制御を可能にし、エンジンの冷却水温に拘わら
ず駆動力制御を確実に行うことができ、自動変速機付き
車両の駆動力制御装置の制御精度及び運転性を向上させ
ることが可能となる。
【0076】また、第2の発明は、エンジンの冷却水温
に応じて完暖時モード及び暖機時モードを選択的に切り
換えることで、駆動力制御中に変速を行っても、冷却水
温に応じて変化する所定のエンジン回転数を下回ること
がなく、例えば、暖機中あるいは暖機終了後のエンジン
の状態に拘わらず、変速後の燃料カット制御等の駆動力
抑制制御を確実に行うことができ、また、冷却水温の高
い完暖時では、変速ショックの抑制と安定した駆動力制
御を両立でき、一方、冷却水温の低い暖機時には変速シ
ョックの抑制よりも駆動力制御を優先させることで、自
動変速機付き車両の駆動力制御装置の制御精度と運転性
及び安定性を向上させることが可能となる。
【0077】また、第3の発明は、エンジン制御手段が
冷却水温の低いときにはエンジン回転数を高く、冷却水
温が高いときにはエンジン回転数を低く設定した場合、
第1スロットル開度が所定値以下の低開度のときに駆動
力制御を行っても、変速後のエンジン回転数をエンジン
制御手段で設定される所定の回転数以上に確保でき、例
えば、暖機中あるいは暖機終了後のエンジンの状態に拘
わらず、変速後の燃料カット制御等の駆動力抑制制御を
確実に行うとともに、第1スロットル開度が所定値を超
える領域では、変速線を第1シフトスケジュールよりも
低速側に設定したため、例えば、駆動力制御中にエンジ
ン回転数が高回転域となってから変速を行うことを防い
で、変速ショックによる駆動力制御の安定性の低下を防
止でき、自動変速機付き車両の駆動力制御装置の制御精
度及び運転性をさらに向上させることができる。
【0078】また、第4の発明は、エンジン制御手段は
第2スロットルが全閉となっても冷却水温に応じた所定
の回転数を維持するようにエンジンを制御しており、駆
動輪の空転が判定されると、駆動力抑制手段は、第2の
スロットルと燃料カット手段を制御することでエンジン
の駆動力を低減して、駆動輪の空転を抑制し、駆動力制
御中の第2シフトスケジュールは、エンジンの冷却水温
に応じて第1シフトスケジュールよりも高速側に変速線
を設定したため、変速後にエンジン制御手段が維持する
エンジン回転数を下回ることがなくなって、変速後の燃
料カット制御を可能にし、エンジンの冷却水温に拘わら
ず駆動力制御を確実に行うことができ、自動変速機付き
車両の駆動力制御装置の制御精度を向上さることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す駆動力制御装置の概
略図。
【図2】同じくTCSコントローラ及びATコントロー
ラで行われる制御の一例を示すフローチャート。
【図3】通常走行用ノーマルモードと駆動力制御モード
にそれぞれ設定されたATコントローラの1速から2速
へのシフトアップのスケジュールで、第1スロットル開
度TVOと車速に応じた変速線の関係を示す。
【図4】通常走行用ノーマルモードと駆動力制御モード
にそれぞれ設定されたATコントローラの2速から1速
へのシフトダウンのスケジュールで、第1スロットル開
度TVOと車速に応じた変速線の関係を示す。
【図5】駆動力制御中のエンジン回転数の変化を示し、
エンジン回転数Neと時間tのグラフである。
【図6】従来の変速コントローラのシフトスケジュール
を様子を示すグラフで、車速とスロットル開度に応じた
変速位置を示すグラフである。
【図7】同じく、駆動輪空転時の燃料カット制御、第2
スロットルによるエンジン駆動力の抑制の様子を示し、
エンジン回転数、燃料カット気筒数及び第2スロットル
開度と時間の関係を示すグラフ。
【図8】同じく、低スロットル開度でシフトアップした
場合の、エンジン回転数とエンストリミット制御による
エンジン回転数の関係を示すグラフである。
【図9】冷却水温に応じたエンストリミット制御の一例
を示し、冷却水温と目標エンジン回転数の関係を示すグ
ラフである。
【図10】第1ないし第4の発明のいずれかひとつに対
応するクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 TCSコントローラ 2 エンジンコントローラ 3 ATコントローラ 4 エンジン 6 自動変速機 7 アクセルペダル 8 第1スロットル 9 アクチュエータ 10 第2スロットル 11 スロットル開度センサ 12FR、12FL、12RR、12RL 車輪速セン
サ 100 自動変速機 101 駆動輪 102 変速制御手段 103 駆動力制御開始判定手段 104 エンジン 105 駆動力抑制手段 106 切換手段 109 第2スロットル 110 燃料カット手段 120 エンジン制御手段 121 TCS制御モード切換手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // F16H 59:34 59:66 59:78

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機を介してエンジンに連結され
    た駆動輪と、 前記エンジンの冷却水温に応じて所定の回転数を維持す
    るエンジン制御手段と、 車両の運転状態に応じて予め設定された複数のシフトス
    ケジュールのうちのひとつを選択して前記自動変速機を
    制御する変速制御手段と、 前記駆動輪の路面に対するスリップが所定値を超えたと
    きに駆動輪の空転を判定する駆動力制御開始判定手段
    と、 前記駆動力制御開始判定手段が駆動輪の空転を判定した
    ときに前記エンジンの駆動力を低減する駆動力抑制手段
    とを備えた車両用駆動力制御装置において、 前記変速制御手段は、通常走行用の第1のシフトスケジ
    ュールと、前記駆動力抑制手段が作動したときの第2の
    シフトスケジュールとを選択的に切り換える切換手段を
    備え、 前記第2のシフトスケジュールは、前記エンジンの冷却
    水温に応じて前記第1シフトスケジュールよりも高速側
    に変速線を設定したことを特徴とする車両用駆動力制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第2シフトスケジュールは、エンジ
    ンの冷却水温が所定値以上のときの完暖時モードと、同
    じく冷却水温が所定値未満のときの暖機時モードと、前
    記冷却水温に応じてこれら完暖時モード及び暖機時モー
    ドを選択的に切り換えるTCS制御モード切換手段とを
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動力
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記完暖時モードは、運転者の操作に応
    動する第1スロットル開度が所定値以下の変速線を前記
    第1シフトスケジュールよりも高速側に設定し、前記暖
    機時モードは、同じく第1スロットル開度が所定値以下
    の変速線を前記完暖時モードよりも高速側に設定し、こ
    れら完暖時モード及び暖機時モードは前記第1スロット
    ル開度が所定値を超える変速線を前記第1シフトスケジ
    ュールよりも低速側に設定したことを特徴とする請求項
    2に記載の車両用駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動力抑制手段は、 エンジンの吸気管路に配設されてアクチュエータに駆動
    される第2のスロットルと、 前記エンジンへの燃料供給を一時的に停止する燃料カッ
    ト手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の車
    両用駆動力制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006016666A1 (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 無段変速機を備えた車両の制御装置
JP2011089642A (ja) * 2010-12-06 2011-05-06 Toyota Motor Corp 車両用駆動制御装置

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