JPH09283513A - 絶縁膜の形成方法 - Google Patents

絶縁膜の形成方法

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JPH09283513A
JPH09283513A JP8666396A JP8666396A JPH09283513A JP H09283513 A JPH09283513 A JP H09283513A JP 8666396 A JP8666396 A JP 8666396A JP 8666396 A JP8666396 A JP 8666396A JP H09283513 A JPH09283513 A JP H09283513A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電率が低く耐熱性に優れる絶縁膜を、大口
径基板上へも良好な均一性と平坦化特性をもって形成す
る。 【解決手段】 高分子化合物を溶媒に溶解させた液状組
成物を貯液タンク12から超音波ミスト化装置13へ送
出してミスト化し、これをガスボンベ11から供給され
るN2 ガスに乗せてシャワーヘッド2へ輸送し、ここか
ら成膜チャンバ1内へ均一に放出させる。ここまでは、
該高分子化合物のガラス転移温度より低い第1の温度域
で行う。一方ウェハWは、上記高分子化合物のガラス転
移温度以上,熱分解温度未満の第2の温度域に維持し、
ウェハ面上での高分子被膜の形成と同時進行で溶媒を揮
発させる。この方法により、耐熱性の発現に寄与する環
構造を備えたフッ素系樹脂膜を、微細なデザイン・ルー
ルにもとづく半導体装置の層間絶縁膜として形成するこ
とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はたとえば半導体装置
の層間絶縁膜として用いられる低誘電率を有する絶縁膜
の形成方法に関し、特にその耐熱性を確保しながら膜厚
の面内均一性や微細な配線間スペースの埋め込み特性を
改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体デバイス製造においては、
その高集積化,高機能化に伴い、基板上に層間絶縁膜を
介して配線膜を幾層にも積み上げる多層配線技術の採用
が必須となっている。多層配線を採用する場合、デザイ
ン・ルールの縮小と共に隣接配線同士あるいは上下配線
同士が接近してくると、比誘電率が約3.9と大きい従
来のSiOx系層間絶縁膜では、配線間容量が大きくな
り過ぎる。そこで、特にデザイン・ルール0.25μm
以降の世代では、比誘電率の低い層間絶縁膜(以下、低
誘電体膜と称する。)を用いて低電圧駆動,低消費電
力,高クロック周波数を実現することが検討されてい
る。
【0003】低誘電体膜としては、まずデザイン・ルー
ル0.35〜0.25μmの世代向けとしてSiOF膜
(比誘電率3.7〜3.2)が提案されているが、デザ
イン・ルール0.18μmの世代向けには比誘電率がさ
らに低い有機低誘電体膜が有望視されている。この有機
低誘電体膜としては、テトラフルオロエチレン誘導体
(比誘電率2.1〜1.9),フッ化ポリアリルエーテ
ル(同2.6),フッ化ポリパラキシリレン(同2.
4)等のフッ素系樹脂の他、有機SOG(比誘電率3.
5〜3.0)、ポリイミド系樹脂膜(同3.5〜3.
0)、ベンゾシクロブテン系樹脂膜(同2.6)が代表
的である。これらの材料においては、側鎖に立体障害の
大きいアルキル基が結合されていることによる膜密度の
低下、および分子骨格に直鎖構造が含まれていることに
よるイオン分極の発生場所の局在化が、低誘電率化に寄
与している。
【0004】これらの有機低誘電体膜のいまひとつの重
要な特色は、半導体装置の構成材料として不可欠の耐熱
性を具備していることである。この耐熱性は、たとえば
有機SOGでは環状シロキサン骨格、ポリイミドではイ
ミド結合、ポリパラキシリレンにおいてはベンゼン環に
より付与されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の有機
低誘電体膜が半導体基板上で耐熱性を発揮するために
は、成膜後にもその複雑な環状構造が維持されていなけ
ればならない。半導体基板上へ有機材料膜を成膜するた
めの一般的な方法としては、CVD法とスピンコート法
がある。
【0006】CVD法は、半導体装置の微細化や基板の
大口径化に伴って成膜工程にも高度な面内均一性が要求
されている近年の事情に照らすと有利な方法であり、実
際、フッ化ポリパラキシレンの成膜に利用されている。
しかし、有機高分子化合物のモノマーをCVD装置のチ
ャンバ内へ導入しているので、気相反応あるいは基板表
面反応だけで複雑な環状構造を構築し、十分に満足のゆ
くレベルで耐熱性を達成することは実際には困難であ
る。
【0007】一方のスピンコート法は、液状組成物を基
板の中央部に一度に供給し、この基板を2000〜50
00rpmにて高速回転させることにより液状組成物を
基板上に均一に広げる方法であり、たとえばテトラフル
オロエチレン,フッ化ベンゾシクロブテン,フッ化ポリ
アリルエーテルの成膜に利用されている。この方法によ
れば、予め一般の化学合成法により完成された環状構造
を破壊することなく、基板上に液状組成物を塗布するこ
とができる。しかしながら、8インチあるいはそれ以上
に大口径化した近年の基板上では、単純に遠心力のみを
利用して面内均一性を確保することは困難である。ま
た、サブハーフミクロン・レベルの微細な配線間スペー
スにおけるボイドの発生も、顕著な問題となりつつあ
る。このボイドは、塗膜から溶媒が揮発する際に膜の体
積が減少するために生ずるものである。
【0008】さらに、溶媒を揮発させるには基板加熱を
が要するが、このような有機低誘電体膜がSiOx膜と
積層されるような場合には、熱処理により両膜に蓄積さ
れた応力の差により、該有機低誘電体膜にクラックや剥
離が生ずることがある。
【0009】このように、従来の技術では優れた耐熱性
を有する有機低誘電体膜を大口径の基板上に均一に成膜
することは決して容易ではない。そこで本発明は、この
問題を解決し、低誘電率と耐熱性を確保しながら膜厚の
面内均一性や微細な配線間スペースの埋め込み特性を改
善することが可能な絶縁膜の形成方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに提案される本発明の絶縁膜の形成方法は、スピンコ
ート法に代表される液相プロセスの長所である分子構造
の保持と、CVDに代表される気相プロセスの長所であ
る面内均一性とを同時に達成するものである。すなわ
ち、耐熱性の発現に寄与する分子構造を有する高分子化
合物を溶媒に溶解させてなる液状組成物を該高分子化合
物のガラス転移温度より低い第1の温度域でミスト化す
る第1工程と、ミスト化された液状組成物を、その温度
を前記第1の温度域に維持しながら基板上へ輸送する第
2工程と、基板上に高分子化合物の被膜を形成する第3
工程とを有する。本明細書では以下、このような成膜の
方法または機構を「ミスト・デポジション」と称する。
【0011】ここで、最終的に形成される被膜は高分子
化合物のみから成るので、上記液状組成物中の溶媒を適
当な時点で除去する何らかのプロセスが必要である。か
かる溶媒の除去は、成膜と同時、あるいは成膜後のいず
れかで行う。成膜と同時に行うには、上記第3工程にお
ける基板の温度を上記高分子化合物のガラス転移温度以
上,熱分解温度未満の第2の温度域に維持し、成膜後に
行う場合には、上記第3工程を終了した後、基板の温度
を上記第2の温度域に昇温させる。なお、成膜後に行う
場合には、昇温に先だって不活性ガスのプラズマを照射
し、被膜を改質しても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁膜の形成方法では、
液体でありながら気体の様に広範囲かつ均一に基板上へ
供給できる物質の形態として、ミスト、すなわち分散質
が液体である様なエアロゾルを選択した。従来のスピン
コート法では、液状組成物を基板の中心部から遠心力に
より周辺部に広げるため、平坦化特性が基板上のパター
ンの粗密や形状に依存していたが、本発明ではミスト化
を行うことにより液状組成物が最初から基板の全面に向
けて供給されるので、このような問題は原理的に存在し
ない。
【0013】液状組成物のミスト化は、超音波振動子を
用いれば比較的少ないエネルギーで行うことができ、高
分子化合物の環状構造を破壊する虞れが少ない。そこ
で、この超音波ミスト化装置を組み込んだ成膜システム
の構成例について、図1を参照しながら説明する。この
成膜システムは、平行平板型成膜装置10と原料供給系
統とに大別される。前者の平行平板型成膜装置10は、
成膜チャンバ1の内部にて、天井側のシャワーヘッド2
と、これに対面する形でウェハWを載置する床面側のサ
セプタ3とが対向的に配されたものである。上記成膜チ
ャンバ1の内部空間は、その底面に開口される排気孔4
を通じて接続される真空排気系統(図示せず。)により
矢印A方向に排気される一方で、上記シャワーヘッド2
を通じて後述のミストあるいはキャリヤ・ガスの供給を
受ける。上記サセプタ3には、ウェハWを所望の温度に
加熱するためのヒータ5が内蔵されており、このヒータ
5は直流電源6(DC)に接続されている。
【0014】この平行平板型成膜装置10の基本構成
は、図1から明らかなように、典型的なアノード・カッ
プル型の平行平板型プラズマCVD装置に準じている。
すなわち、上記シャワーヘッド2は上部電極、上記サセ
プタ3は下部電極として機能するものであり、シャワー
ヘッド2にはマッチング・ネットワーク7(M/N)を
介してRF電源8が接続されている。ただし、本発明に
おける成膜機構はミスト・デポジションなので、プラズ
マ励起は成膜時には行われず、専ら膜改質等の後処理を
目的として成膜後に行われる。
【0015】一方の原料供給系統は、キャリヤ・ガスを
貯蔵するガスボンベ11、高分子化合物を溶媒に溶解し
てなる液状組成物を貯蔵する貯液タンク12、この液状
組成物をミスト化させるための超音波ミスト化装置13
を主たる構成要素とし、これらが配管で相互に接続され
ている。まず、上記ガスボンベ11から導出される配管
は、途中で分岐され、バルブV1を介して貯液タンク1
2へ至る配管,バルブV2を介して超音波ミスト化装置
13へ至る配管,バルブV3を介して平行平板型成膜装
置10のシャワーヘッド2へ至る配管とされる。これら
各バルブV1,V2,V3の開閉操作を行うことによ
り、各々矢印B,C,D方向へキャリヤ・ガスの圧送ま
たは停止が制御されるようになされている。上記貯液タ
ンク12からは、バルブV4を介して超音波ミスト化装
置13に至る配管が導出され、ガスボンベ11から供給
されるキャリヤ・ガスの圧力により押し出された液状組
成物を該超音波ミスト化装置13に供給(矢印Eで表
示。)するようになされている。さらに、上記超音波ミ
スト化装置13からは、バルブV5を介してシャワーヘ
ッド2へ至る配管が導出され、発生されたミストをガス
ボンベ11から供給されるキャリヤ・ガスと混合した状
態で輸送し(矢印Fで表示。)、このシャワーヘッド2
から成膜チャンバ1内へミストが均一に放出(矢印Gで
表示。)するようになされている。
【0016】なお、上記ガスボンベ11からバルブV3
を介して直接シャワーヘッド2に至る配管は、キャリヤ
・ガスを用いて成膜チャンバ1内のパージを行ったり、
後述のアニール用の雰囲気を形成したり、あるいはキャ
リヤ・ガスのプラズマを励起させるために設けられてい
る。したがって、液体組成物の押し出しやミストの輸送
を行うキャリヤ・ガスとは別のガスを用いてパージ,雰
囲気調整,プラズマ励起を行いたい場合には、この配管
は別のガスボンベから導出されることになる。なお、液
状組成物のミスト化は、上述のような超音波ミスト化装
置を用いる以外の方法でも可能である。たとえば、液状
組成物が特に濃厚あるいは粘稠である場合は、送風口の
近傍に開口されたノズルから圧送により噴出された液状
組成物を板,網,プロペラ等の障害物に衝突させて微粒
化する様なミスト生成装置を用いることができる。
【0017】ところで、本発明で用いる液状組成物は高
分子化合物を溶媒に分散させたものであるから、ミスト
が基板面に到達するまでの間は溶媒の揮発による高分子
化合物の固化を防止しなければならない。溶媒の揮発
は、高分子化合物の分子のブラウン運動が始まるガラス
転移温度、あるいはこれよりわずかに高い温度にて活発
化する。このため、ミスト化がどのような方法で行われ
るにせよ、上記システム中、少なくともミストが基板上
へ到達するまでの領域は、高分子化合物のガラス転移温
度より低い第1の温度域に維持されている必要がある。
このときの温度は、通常は室温(25℃)程度とするこ
とができる。
【0018】一方、上述のようにしてミストが生成さ
れ、これが基板上へ輸送された後は、溶媒を揮発させな
ければならない。本発明では、この溶媒の揮発を高分子
被膜の成膜と関連したどの段階で行わせるかにより、大
別して次のようなプロセスが可能である。 (a)高分子被膜の成膜と同時 (b)高分子被膜の成膜終了後 (b−1)基板加熱を行って揮発させる (b−2)プラズマ処理を経てから、基板加熱を行って
揮発させる いずれの場合も、溶媒の揮発の大部分は基板(ウェハ)
加熱により行う。この基板加熱は、前述のヒータ5を用
いて行い、このときの温度は高分子化合物のガラス転移
温度以上,熱分解温度未満の第2の温度域とする。
【0019】ここで、上記プロセス(a)のごとく溶媒
の除去を成膜と同時に行う場合は、基板に到達したミス
ト粒子から順に溶媒が揮発して高分子化合物が硬化する
ごとく膜成長が進行するため、最終膜厚の大小に関わら
ず、ミスト・デポジションが終了した時点で既に膜には
溶媒が実質的に含まれていない。したがって、従来のス
ピンコート膜のような成膜後アニールは不要であり、ボ
イドの発生あるいはストレス変化によるクラックの発生
等の問題が原理的に生じない。また、スピンコートでは
液状組成物を基板の中心部から遠心力により周辺部に広
げるため、平坦化特性が基板上のパターンの粗密や形状
に依存していたが、本発明ではミスト化を行うことによ
り液状組成物が最初から基板の全面に向けて供給される
ので、このような問題も原理的に存在しない。しかも、
基板はガラス転移温度以上に加熱されているので、溶媒
が揮発する最中にも基板上でミスト粒子あるいはミスト
粒子同士の融合により形成された薄膜がフローすること
ができ、平坦化特性が向上する。
【0020】一方、上記プロセス(b)のごとく、溶媒
の除去を成膜後に行う場合には、(b−1)のごとく基
板加熱だけを行うプロセスと、(b−2)のごとくプラ
ズマ処理と基板加熱とを組み合わせるプロセスが可能で
ある。ただし、これらのプロセスでは、ミスト・デポジ
ションが終了した段階で均一性および平坦化特性は従来
より大幅に改善されているものの、膜に溶媒がまだ含ま
れているためにボイド発生やクラック発生の問題が完全
に回避されているわけではない。そこで、第2の温度域
への基板の昇温を前記第2の温度域内に少なくとも2段
階の到達温度を設定して段階的に行ったり、あるいは昇
温前に膜に不活性ガスのプラズマを照射することが有効
である。前者の段階的昇温には、溶媒の揮発速度を緩和
することで急激な膜の堆積変化を防止する効果がある。
また、後者のプラズマ照射には、イオン・スパッタ作用
による様々な効果が期待でき、一例として膜の高密度
化、膜表面にファンデルワールス力で結合している溶媒
の除去、膜表面の粗面化による上層側材料膜との密着性
の改善を行うことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0022】実施例1 本実施例では、上述のプロセス(a)にしたがい、基板
(ウェハ)を加熱しながら高分子被膜としてアモルファ
ス・テフロン膜を成膜した。このプロセスを図1と図
2、および図5ないし図7を参照しながら説明する。
【0023】本実施例ではまず、図1のガスボンベ11
にN2 ガスを封入し、貯液タンク12にはフルオロカー
ボン系溶媒(3M社製:商品名フロリナート)にアモル
ファス・ポリテトラフルオロエチレン(デュポン社製:
商品名テフロンAF,以下、a−PTFEと称する。)
を10重量%の濃度に溶解した溶液を封入した。ここ
で、上記a−PTFEの構造式は、次に示されるとおり
であり、ガラス転移温度は160℃,熱分解温度は42
0℃である。
【0024】
【化1】
【0025】この構造式において、−(CF2 −CF
2 )n −の直鎖部分はイオン分極の発生部位を局在化さ
せる効果があり、nの値が大きくなるほど比誘電率εは
低下する。かかる長い直鎖構造は、架橋の進みやすいプ
ラズマCVDでは作成することができず、したがってこ
の直鎖構造が利用できることは、液状組成物を用いるプ
ロセスの重要なメリットである。また、ポリエーテル環
は耐熱性の発現に寄与しており、mの値が大きくなるほ
ど比誘電率εは低下する。
【0026】ミスト・デポジションの条件は以下の通り
である。まず、図1中の一点鎖線で囲んだ領域Iを、第
1の温度域に維持した。ここでは、領域Iの温度を室温
(ここでは25℃)とした。ミスト化装置13では、振
動数100kHzの超音波振動子を用い、エネルギー密
度1W/cm2 にて上記の液状組成物をミスト化させ
た。生成したミストは、流量1SLM(=1リットル/
分)で供給されるキャリヤ・ガスに乗せてシャワーヘッ
ド2へ輸送した。一方の平行平板型成膜装置10につい
ては、成膜チャンバ1の内部を図示されない真空排気系
統により排気し、ウェハW近傍の圧力を約0.5気圧と
した。また、サセプタ3はヒータ5に通電することによ
り200℃に加熱した。この加熱温度は、a−PTFE
のガラス転移温度(160℃)より高く、熱分解温度
(420℃)よりも低い。
【0027】かかる成膜装置に搬入したウェハWの構成
は、図5に示したとおりである。この状態を完成させる
までのプロセスは、概略以下の通りである。すなわちま
ず、Si基板21上にSiOx膜22をたとえば500
nmの膜厚に成膜し、Al−1%Si薄膜のスパッタ成
膜,レジスト・パターニング,ドライエッチングの各工
程を経て配線パターン23を形成した。ここで、上記S
iOx膜22は、たとえばSiH4 /O2 混合ガスを用
いたLPCVD、あるいはTEOS/O2 混合ガスを用
いたプラズマCVD等の、従来公知の方法により成膜す
る。また、上記配線パターン23は0.25μmのライ
ン・アンド・スペース・パターンにしたがって形成され
ており、その厚さは約600nmである。かかる基体の
全面には、SiH4 /O2 混合ガスを用いたLPCVD
により膜厚約100nmの下層側SiOx膜24を成膜
した。ただし、この膜厚は面積の広い平坦部上の値であ
り、図示されるような狭い配線間スペースでは100n
mよりも薄くなされている。
【0028】かかるウェハWに対して上述のような条件
でミスト・デポジションを行った結果、図6に示される
ように、ほぼ平坦な高分子被膜25が形成された。
【0029】続いて図2に示されるように、V1,V
2,V4,V5をいずれも閉じて成膜チャンバ1内への
ミスト供給を停止すると共に、バルブV3を開いてN2
ガスを供給した。このN2 ガスは、アニール雰囲気を形
成するためのガスである。成膜チャンバ1に接続される
排気系統(図示せず。)の排気能力は成膜時よりも低下
させ、成膜チャンバ1内をほぼ大気圧(1atm)とし
た。なお、上記のミスト供給停止に際し、図2ではバル
ブV1,V2,V4,V5をすべて閉じているが、特に
危険や不都合が無ければバルブV5以外の開閉状態は任
意としても良い。この状態で、直流電源6をONとして
ヒータ5に通電し、400℃,30分間のアニールを行
った。上記のアニールはプロセスの最高温度であり、こ
れを経ることにより後工程で行われる熱処理時の脱ガス
を防止することができる。このようにして形成された高
分子被膜25は比誘電率ε=1.9〜2.1の絶縁膜で
あり、ボイドやクラックを発生しておらず、膜厚の面内
均一性や微細な配線間スペースの埋め込み特性に優れて
いた。
【0030】この高分子被膜25の上にはさらに、図7
に示されるような上層側SiOx膜26を約500nm
の厚さに成膜した。この上層側SiOx膜26の成膜条
件は、下層側SiOF膜4と同じとすることができる。
このようにして、上記下層側SiOx膜24,高分子被
膜25,上層側SiOF膜26の3層の膜からなる層間
絶縁膜27を形成した。
【0031】実施例2 本実施例では、上述のプロセス(b−1)にしたがい、
まずウェハ加熱を行わずにアモルファス・テフロン膜を
成膜した後、同じ成膜チャンバ内で2段階のアニールを
経ることによりこの膜から溶媒を除去した。このプロセ
スを図3および図2を参照しながら説明する。
【0032】本実施例で用いるキャリヤ・ガスと液状組
成物は、実施例1で上述したものと同じである。ただ
し、本実施例ではまずウェハ加熱を行わない状態で高分
子被膜を成膜するため、図3に示されるように、二点鎖
線で囲んだ領域IIが室温(25℃)に維持されることに
なる。この状態で前掲の図6に示されるような高分子被
膜25を形成する。
【0033】続いて前掲の図2に示されるように、成膜
チャンバ1内へのミスト供給を停止すると共に、N2
スを供給した。この状態で、直流電源6をONとしてヒ
ータ5によるウェハWの加熱を行った。このときの加熱
は、2段階で行った。すなわち、まず第1段階としてウ
ェハWの温度を35℃/分の昇温速度で5分間かけて2
00℃まで上昇させ、この温度に5分間保持した。次
に、第2段階として400℃,30分間のアニールを行
った。かかる2段階アニールにより、高分子被膜25か
ら溶媒が除去されたが、急激な体積変化やストレスの蓄
積が防止されるため、膜にボイドやクラックは発生しな
かった。
【0034】実施例3 本実施例では、上述のプロセス(b−1)と(b−2)
とを組み合わせ、まずウェハ加熱を行わずにアモルファ
ス・テフロン膜を成膜した後、N2 プラズマ照射と2段
階アニールとを経て溶媒を除去した。このプロセスを、
図3,図4および図2を参照しながら説明する。
【0035】本実施例ではまず、成膜システムを前掲の
図3に示した状態で使用することにより、高分子被膜2
5を成膜する。続いて、図4に示されるように、バルブ
V1,V2,V4,V5をいずれも閉じてミスト供給を
停止すると共に、バルブV3を開いて成膜チャンバ1内
へN2 ガスを供給し、また真空排気系統(図示せず。)
の排気能力を増大させた。ヒータ5には通電しないの
で、二点鎖線で囲んだ領域IIが室温(25℃)に維持さ
れることになる。
【0036】ここで、シャワーヘッド2に接続されるR
F電源8をONとし、アノードカップル型の容量結合方
式によるプラズマ放電を行い、高分子被膜25に対して
2プラズマ処理を施した。このときのプラズマ処理条
件は、たとえば N2 流量 500SCCM 圧力 50Pa RFパワー 200W(13.56MHz) 放電時間 5分 とした。この処理により、高分子被膜25が緻密化さ
れ、また表面が粗面化されると共に、膜表面に吸着され
ている溶媒が除去された。
【0037】なお、上記のプラズマ照射時にはウェハW
温度が室温よりも上昇するが、第1の温度域を超えなけ
れば構わない。もし第1の温度域を超えそうな場合に
は、サセプタ3にたとえばプラズマ・エッチング装置で
公知の冷却系統を内蔵させておき、これを使用してウェ
ハWの昇温を抑えるようにしても良い。
【0038】続いて、成膜装置の状態を前掲の図2に示
される状態とし、実施例2で上述した2段階アニールを
行って、膜中の溶媒を除去した。本実施例においても、
ボイドやクラックの発生を防止しながら低誘電率で耐熱
性に優れる絶縁膜をウェハW上に均一に成膜することが
できた。
【0039】以上、本発明を3例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、上述の各実施例では高分子被
膜がa−PTFEである場合について説明したが、同様
のプロセスはパーフルオロシクロアルキル基を含むフッ
素系樹脂(旭硝子社製:商品名サイトップ),パーフル
オロビフェニル基を含むフッ素系樹脂(アライドシグナ
ル社製:商品名フレアー),有機SOG,ポリイミド樹
脂を用いても可能である。さらに、本明細書では高分子
化合物が有機化合物である場合を中心に説明を行ってき
たが、本発明は無機SOG膜についても同様に適用する
ことができる。成膜後に溶媒を揮発させるための基板加
熱は、前述のような抵抗加熱ではなく、ランプ加熱やレ
ーザ加熱により行うこともできる。さらに、膜改質のた
めの不活性ガスのプラズマとしては、上述のようなN2
プラズマの他、Arガスその他の希ガスのプラズマを用
いることができる。
【0040】この他、成膜システムの構成,サンプル・
ウェハの構成,デザイン・ルール,成膜条件,プラズマ
処理条件,アニール条件等の細部は適宜変更あるいは選
択が可能である。
【0041】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の絶縁膜の形成方法によれば、誘電率が低く耐熱性に
優れる絶縁膜を、大口径基板上へも優れた均一性と平坦
化特性をもって形成することが可能となる。本発明はか
かる絶縁膜の改良を通じて、半導体装置の高集積化,高
性能化,高信頼化に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる成膜システムについて、ウ
ェハを加熱しながら高分子被膜を成膜する工程における
使用状態を示す模式的断面図である。
【図2】本発明で用いられる成膜システムについて、ミ
スト供給を停止してウェハを加熱する工程における使用
状態を示す模式的断面図である。
【図3】本発明で用いられる成膜システムについて、ウ
ェハを加熱せずに高分子被膜を成膜する工程における使
用状態を示す模式的断面図である。
【図4】本発明で用いられる成膜システムについて、ミ
スト供給を停止して高分子被膜にプラズマ照射を行う工
程における使用状態を示す模式的断面図である。
【図5】本発明を半導体装置の層間絶縁膜の形成に適用
したプロセス例において、配線パターンを下層側SiO
x膜で被覆した状態を示す模式的断面図である。
【図6】図5の基体の表面を高分子被膜で略平坦化した
状態を示す模式的断面図である。
【図7】図6の基体の表面をさらに上層側SiOx膜で
被覆して層間絶縁膜を完成させた状態を示す模式的断面
図である。
【符号の説明】
1 成膜チャンバ 2 シャワーヘッド 3 サセプタ
5 ヒータ 6 直流電源 8 RF電源 10 平
行平板型成膜装置 11 ガスボンベ 12 貯液タン
ク 13 超音波ミスト化装置 V1,V2,V3,V
4,V5 バルブ21 Si基板 22 SiOx膜
23 配線パターン 24 下層側SiOx膜 25
高分子被膜 26 上層側SiOx膜 27 層間絶縁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性の発現に寄与する分子構造を有す
    る高分子化合物を溶媒に溶解させてなる液状組成物を該
    高分子化合物のガラス転移温度より低い第1の温度域で
    ミスト化する第1工程と、 前記ミスト化された液状組成物を、その温度を前記第1
    の温度域に維持しながら基板上へ輸送する第2工程と、 前記基板上に前記高分子化合物の被膜を形成する第3工
    程とを有する絶縁膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程では、前記ミスト化を超音
    波振動子を用いて行う請求項1記載の絶縁膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第3工程では、前記基板を前記高分
    子化合物のガラス転移温度以上,熱分解温度未満の第2
    の温度域に維持する請求項1記載の絶縁膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記第3工程を前記第1の温度域で終了
    した後、前記基板を前記高分子化合物のガラス転移温度
    以上,熱分解温度未満の第2の温度域に昇温させる請求
    項1記載の絶縁膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記昇温を、前記第2の温度域内に少な
    くとも2段階の到達温度を設定して段階的に行う請求項
    4記載の絶縁膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記基板を前記第2の温度域に昇温させ
    る前に、前記高分子化合物の被膜に不活性ガスのプラズ
    マを照射する請求項4記載の絶縁膜の形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6150284A (en) * 1997-06-20 2000-11-21 Nec Corporation Method of forming an organic polymer insulating film in a semiconductor device
JP2004356558A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Toshio Goto コーティング装置およびコーティング方法
JP2010027843A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Toshiba Corp プリント配線板の製造方法およびマスキングテープ

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JP2004356558A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Toshio Goto コーティング装置およびコーティング方法
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