JPH09283061A - 画像形成装置およびその製造方法 - Google Patents

画像形成装置およびその製造方法

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JPH09283061A
JPH09283061A JP9535796A JP9535796A JPH09283061A JP H09283061 A JPH09283061 A JP H09283061A JP 9535796 A JP9535796 A JP 9535796A JP 9535796 A JP9535796 A JP 9535796A JP H09283061 A JPH09283061 A JP H09283061A
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JP
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insulating film
interlayer insulating
wirings
wiring
electron
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JP9535796A
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Osamu Takamatsu
修 高松
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交差する複数の配線を有する配線基板や、複
数のX方向配線と複数のY方向配線が形成されてなる素
子基板を使用する画像形成装置において、交差部の絶縁
を確実に行うことで、歩留りよく配線基板や画像形成装
置を製造する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 配線間の交差部が、焼成して形成される
多層の層間絶縁膜で絶縁され、かつ先に形成される層間
絶縁膜より後に形成される層間絶縁膜の軟化温度が低い
ことを特徴とする配線基板および画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交差する配線を効
果的に絶縁する方法に関し、特に表面伝導型電子放出素
子を用いた画像形成装置の素子基板の製造や配線基板の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子放出素子には大別して熱電
子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類のもの
が知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型
(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型
(以下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出
素子等がある。FE型の例としてはW.P.Dyke
& W.W.Doran”FieldEmissio
n”,Advance in Electron Ph
ysics,8,89(1956)あるいはC.A.S
pindt”PhysicalProperties
of thin−film field emissi
on cathodes with molybden
ium cones”,J.Appl.Phys.,4
7,5248(1976)等に開示されたものが知られ
ている。MIM型ではC.A.Mead,”Opera
tion of Tunnel−Emission D
evices”,J.Appl.Phys.,32,6
46(1961)等に開示されたものが知られている。
表面伝導型電子放出素子型の例としては、M.I.El
inson,Radio Eng.Electron
Phys.,10,1290(1965)等に開示され
たものがある。表面伝導型電子放出素子は、基板上に形
成された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる。この表面伝導型電子放出素子
としては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用い
たもの、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:T
hin Solid Films,9,317(197
2)]、In23 /SnO2 薄膜によるもの[M.H
artwell andC.G.Fonstad:IE
EE Trans.ED Conf.,519,(19
75)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真
空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告
されている。
【0003】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図2に
模式的に示す。同図において201は基板である。20
4は導電性薄膜で、H型形状のパターンにスパッタで形
成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォー
ミングと呼ばれる通電処理により電子放出部205が形
成される。尚、図中の素子電極間隔Lは0.5〜1[m
m]、W’は0.1[mm]で設定されている。
【0004】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜204を予め
通電フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出
部205を形成するのが一般的であった。即ち、通電フ
ォーミングとは前記導電性薄膜204の両端に直流電圧
あるいは非常にゆっくりとした昇電圧を印加通電し、導
電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電
気的に高抵抗な状態にした電子放出部205を形成する
ことである。尚、電子放出部205は導電性薄膜204
の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行わ
れる。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型電子
放出素子は、上述の導電性薄膜204の両端に電圧を印
加し、素子に電流を流すことにより上述の電子放出部2
05より電子を放出せしめるものである。
【0005】上述の表面伝導型放出素子は構造が単純で
製造も容易であることから、大面積にわたって多数素子
を配列形成できる利点がある。そこでこの特徴を活かし
た荷電ビーム源、表示装置等の応用研究がなされてい
る。画像形成装置としては表面伝導型放出素子を多数配
置した電子源と電子源より放出された電子によって、可
視光を発光せしめる蛍光体とを組み合わせた表示装置で
ある画像形成装置があげられる。(例えば、USP50
66883)
【0006】一般に、電子を用いた画像形成装置におい
ては、真空雰囲気を維持する外囲器、電子を放出させる
ための電子源とその駆動回路、電子の衝突により発光す
る蛍光体等の画像形成部材、電子を画像形成部材に向け
て加速するための加速電極および高圧電源が必要であ
る。また、薄型画像表示装置などのように扁平な外囲器
を用いる画像形成装置においては、画面サイズに対応し
た大きさの2枚のガラス基板間の一方にマトリックス状
に配置した電子放出素子及び各電子放出素子を駆動する
ためのX方向配線、Y方向配線及び層間絶縁層などを形
成した素子基板と、他方に蛍光体を形成しフェースプレ
ートとし、対向配置させてフリットガラスで封止するこ
とにより形成されている。(特開平6−342636、
EP0354750A2)
【0007】上述のEP0354750の素子基板の製
造方法にはY方向配線、X方向配線、絶縁膜の形成にス
クリーン印刷法が用いられている。これは導電性ペース
トや絶縁性ペーストをスクリーンを通して直接パターン
印刷した後、焼成して電極配線パターンや絶縁膜を形成
する方法であり、この印刷法によるパターニングは大面
積基板に対応可能であり、さらに厚膜を容易に形成でき
ること、1基板当たりの処理時間もホトリソ技術に比べ
て短く、低コストにできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上説
明したような電子放出素子を用いた画像形成装置の素子
基板を製造する場合には、以下の様な問題点がある。上
述したような層間絶縁膜の形成において、絶縁性の確保
のため2層あるいは複数層からなる層間絶縁層を同じ焼
成条件で形成する場合がある。この場合、一層目の絶縁
層を印刷、乾燥及び焼成した後に、二層目の絶縁層を一
層目と同じ条件で形成し製造される。この時、第二層の
層間絶縁膜の焼成時に第一層の層間絶縁膜も軟化してし
まい、これにより第一層の層間絶縁膜中に生じていた気
泡が第二層の層間絶縁膜にまで達することや逆に第二層
の層間絶縁膜中に生じた気泡が第一層の層間絶縁膜にま
で達する場合があった。このため層間絶縁膜として充分
な絶縁性を得ることが難かしく、素子基板として用いた
場合にY方向配線とX方向配線との交差部の短絡欠陥を
生じてしまい、歩留りが低くなる場合があった。本発明
は上記問題に鑑みなされたもので、交差部の絶縁を確実
に行うことで、歩留りよく画像形成装置を製造する方
法、および配線基板を製造する方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために鋭意検討を行って成されたものであ
る。即ち本発明は、交差する複数の配線を有する配線基
板において、配線間の交差部が、焼成して形成される多
層の層間絶縁膜で絶縁され、かつ先に形成される層間絶
縁膜より後に形成される層間絶縁膜の軟化温度が低いこ
とを特徴とする配線基板に関する。
【0010】また、本発明は、電子放出部と一対の素子
電極からなる電子放出素子がマトリクス状に複数配列さ
れ、該電子放出素子を駆動するために前記素子電極と接
続された複数のX方向配線と複数のY方向配線が形成さ
れてなる素子基板を使用する画像形成装置において、前
記X方向配線と前記Y方向配線の交差部が、焼成して形
成される多層の層間絶縁膜で絶縁され、かつ先に形成さ
れる層間絶縁膜より後に形成される層間絶縁膜の軟化温
度が低いことを特徴とする画像形成装置に関する。
【0011】さらに本発明は、交差する複数の配線を有
する配線基板の製造方法において、交差する配線の一方
の群を基板状に形成し、該配線の交差部上に第一層間絶
縁膜を塗布し焼成して形成する工程の後、直前に形成さ
れた層間絶縁膜より低い融点を有する層間絶縁膜を塗布
し、直前の層間絶縁膜の焼成温度より低い温度で焼成す
る工程を繰り返して順次層間絶縁膜を形成し、最後に先
に形成した配線群に交差する一群の配線を形成する配線
基板の製造方法に関する。
【0012】さらに本発明は、電子放出部と一対の素子
電極からなる電子放出素子がマトリクス状に複数配列さ
れ、該電子放出素子を駆動するために前記素子電極と接
続された複数のX方向配線と複数のY方向配線が交差し
て形成されてなる素子基板を使用する画像形成装置の製
造方法において、前記X方向配線または前記Y方向配線
の一方を基板上に形成し、該配線の交差部上に第一層間
絶縁膜を塗布し焼成して形成する工程の後に、直前に形
成された層間絶縁膜より低い融点を有する層間絶縁膜を
塗布し、直前の層間絶縁膜の焼成温度より低い温度で焼
成する工程を繰り返して順次層間絶縁膜を形成し、最後
に他方向の配線を形成することを特徴とする画像形成装
置の製造方法に関する。
【0013】本発明の画像形成装置の製造方法によれ
ば、第一層間絶縁膜の焼成温度より低い温度で第二層間
絶縁膜、必要に応じてさらに低い温度で第三、第四の層
間絶縁膜を焼成して形成するため、先に形成した層間絶
縁膜が次に形成する層間絶縁膜の焼成中に軟化すること
がない。先に形成した層間絶縁膜内に気泡等が生じてい
ても、この気泡が次に形成する層間絶縁膜まで達するこ
とがなく、また、後に形成する層間絶縁膜中に気泡が発
生しても、これが先に形成した層間絶縁膜に達すること
もない。そこで交差する配線間の短絡を効果的に低減で
きるので、画像形成装置の素子基板を歩留り良く製造で
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を説明する。まず最初に画像形成装置、特に、電子放出
素子として図3に示した表面伝導型電子放出素子を用い
た例を説明する。図3において、201は基板、20
2、203は素子電極、204は導電性薄膜、205は
電子放出部である。
【0015】図1を参照しながら、本発明の画像形成装
置の製造方法の一例を説明する。まず、よく洗浄された
基板9上に金属材料からなる導電性薄膜を形成し、その
パターンをフォトリソグラフィーによって微細加工し、
一対の素子電極1、2を多数形成する。ここで、基板9
としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少し
たガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等によ
り形成したSiO 2 を積層したガラス基板等、及びアル
ミナ等のセラミック等があげられる。導電性薄膜3は、
配線用の導体層と比べて著しく薄い膜であるので、濡れ
性、段差保持性等の問題を回避し、導電性薄膜3と配線
の電気的接触を良好にするために電極1、2が設けられ
ている。電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング法、プラズマCVD法等の真空系を用いる方法
や、触媒に金属成分及びガラス成分を混合した厚膜ペー
ストを印刷、焼成することにより形成する厚膜印刷法が
ある。素子電極1、2の電極間隔は数ミクロンから数百
ミクロン、膜厚は数百オングストロームから数千オング
ストロームで、真空蒸着法やスパッタ蒸着法等によって
形成された金属薄膜をフォトリソグラフ法によってパタ
ーニングすることにより形成される。素子電極1、2の
材料としては導電性を有するものであればどのような物
であっても構わないが、例えば、Ni、Cr、Au、M
o、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属あるい
は合金、及びPd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag
等の金属あるいは金属酸化物とガラス等から構成される
印刷導体、及びポリシリコン等の半導体導体材料、及び
ポリシリコン等の半導体材料、及びIn23 −SnO
2 等の透明導電体等があげられる。(図1(a))
【0016】次にY方向配線4として導電性ペーストを
スクリーン印刷法により塗布し、直接、パターンを形成
し、焼成を行う。この時Y方向配線4は素子電極2と接
続する様に形成する。配線は膜厚が厚い方が電気抵抗を
低減できるため有利である。そのため厚膜印刷法をもち
いるのが好ましく銀、金、銅、ニッケル等の導電性ペー
ストを用いることができる。(図1(b))
【0017】次に第一層間絶縁膜5をX方向配線とY方
向配線の交差部に形成する。この層間絶縁膜は、例えば
酸化鉛を主成分とするガラス物質、例えばPbO、B2
3、ZnO、Al23、SiO2等から適宜選ばれる成
分の混合物で形成される。厚さは、絶縁性を確保できれ
ば特に制限はないが、通常は10〜100μm、好まし
くは20〜50μmである。この層間絶縁膜の形成は、
酸化鉛を主成分とするフリットガラス、適当なポリマー
等のバインダーおよび有機溶剤等からなるペーストをス
クリーン印刷等により所定位置塗布した後焼成して行う
(図1(c))。
【0018】次に第二層間絶縁膜6を、第一層間絶縁膜
と同様に印刷後焼成して形成する。第二層間絶縁膜の材
料には、第一層間絶縁膜との密着性がよく、かつ第一層
間絶縁膜より軟化温度の低いものが用いられる。第一層
間絶縁膜が酸化鉛を主成分とするガラス物質で形成され
ている場合は、第二層間絶縁膜も酸化鉛を主成分とする
ガラス物質形成されていてしかも軟化点が第一層間絶縁
膜より10〜80℃、好ましくは10〜30℃程度低く
なるように調製されたものを用いるのがよい。この場
合、前述の成分の混合比率等を適宜変更することで調整
できる。第二層間絶縁膜の形成は、第一層間絶縁膜の形
成と同じようにペーストをスクリーン印刷等によって所
定位置に塗布した後、第一層間絶縁膜形成時より低い温
度で焼成して行う。従って、この間すでに形成されてい
る第一層間絶縁膜は軟化することがない(図1
(d))。
【0019】さらに、層間絶縁膜を多層にする場合は、
後から形成する層間絶縁膜ほど、低い軟化温度の材料を
用いる。多層にするほど絶縁性は確保できるが、工程数
が多くなる問題と、この後の工程の処理温度、例えば次
に形成する配線の処理温度よりは高いことが好ましいの
で、実用上は2〜5層、好ましくは2〜3層である。
尚、層間絶縁膜は、少なくともY方向配線とX方向配線
の交差部を被覆すればよいので、その形状は図1に限る
ものではなく、適宜選択することができる。
【0020】次にX方向配線8を層間絶縁膜上に形成す
る。これらの配線は電気抵抗を低減したほうが有利であ
るため、膜厚を厚く形成できる厚膜印刷法を用いるのが
好適である。そこでY方向配線形成と同じようにしてス
クリーン印刷法で導電性ペーストを用い、配線を形成す
る。なお、このとき各素子電極と各配線を接続させる。
【0021】次に導電性薄膜3を形成し、その後必要な
らばフォトリソグラフィー等によってパターニングを行
うことで導電性薄膜3を形成する。材料の具体例を挙げ
るならばPt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、
Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、P
dO、SnO2 、In23 、PbO、Sb23 等の
酸化物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、CeB6 、Y
4 、GdB4 等のホウ化物、TiC、ZrC、Hf
C、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、Zr
N、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボ
ン、AgMg、NiCu、Pb、Sn等であり、微粒子
膜からなる。なお、ここで述べる微粒子膜とは、複数の
微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒
子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互い
に隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜
をさす。(図1(e)) 以上の様な工程により画像形成装置の素子基板を形成す
る。この素子基板は、配線の交差部の絶縁が確実になさ
れているので、歩留まりよく画像形成装置を製造でき
る。
【0022】また、本発明の配線基板も、上記の画像形
成装置の素子基板と同様に製造できる。配線基板に用い
る基板材料としては、前述したのと同じように、石英ガ
ラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガ
ラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成したSiO
2 を積層したガラス基板等、及びアルミナ等のセラミッ
ク等をあげることができる。また、配線材料、層間絶縁
材料等も前述の材料を用いることができ、同様の方法に
より配線の交差部を多層の層間絶縁膜で絶縁して製造す
ることができる。この配線基板は、回路用の基板(プリ
ント基板)として広く使用することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。特に、電子放出素子として以下では、表面伝導型電
子放出素子を用いたが、本発明に用いることのできる電
子放出素子はこれに限ることなく、例えばEP0354
750A2に記載されているFE型も適用できる。
【0024】(実施例1)図1に示した手順で、画像形
成装置の素子基板を作製した。まず、よく洗浄された青
板ガラスよりなる基板9にスパッタリング法により金属
薄膜を形成した後、フォトリソエッチング法により素子
電極1、2を形成した。その材質は厚さ50A°のTi
を下引きとした厚さ1000A°のNi薄膜であり、素
子電極間隔は2μmとした。(図1(a)) 次に素子電極2と接続するようにY方向配線4を100
本形成した。Y方向配線4は銀ペーストを用い、スクリ
ーン印刷法でパターン化し、続いて焼成(焼成温度は5
50℃、ピーク保持時間は約10分)された幅100μ
m、厚さ10μmの印刷配線である。(図1(b))
【0025】次に第一層間絶縁膜5を、ガラスを主成分
とするペーストを印刷後焼成することにより形成した。
ペースト材料はPbO、B23、ZnO、Al23を主
成分とするガラス物質で、バインダー(ポリマー)を混
合したものであり、印刷、乾燥後に温度550℃、ピー
ク保持時間10分で焼成した。(図1(c)) 次に第二層間絶縁膜6を、第一層間絶縁膜に重なるよう
に印刷後焼成することにより形成した。ペースト材料は
PbO、B23、ZnOを主成分とするガラス物質で、
バインダー(ポリマー)を混合したものである。第一層
間絶縁膜と異なってAl23が添加されていないので第
一層間絶縁膜より軟化点が20℃低く成るように調製さ
れたものであり、印刷、乾燥後に温度530℃、ピーク
保持時間10分で焼成した。層間絶縁膜の印刷焼成後の
膜厚は2層で30μmであった。(図1(d)) 次にX方向配線8を層間絶縁膜6上に素子電極1と接続
するように100本形成した。形成法はY方向配線と同
様な手段で、材料には低温焼成型の銀ペーストを用い印
刷、乾燥後に温度500℃、ピーク保持時間10分で焼
成した。なお線幅は300μm、厚さは20μmであっ
た。続いてPdO薄膜を有機金属溶液の塗布焼成により
形成し、その後フォトリソグラフィーによってパターニ
ングを行うことでPdO薄膜3を形成することにより画
像形成装置の素子基板を製造した。(図1(e)) 以上の方法により、作製した素子基板を検査したところ
X方向配線とY方向配線間で短絡は生じていないことが
わかった。
【0026】(実施例2)まず、よく洗浄された青板ガ
ラスよりなる基板9にスパッタリング法により金属薄膜
を形成した後、フォトリソエッチング法により素子電極
1、2を形成した。その材質は厚さ50A°のTiを下
引きとした厚さ1000A°のNi薄膜であり、素子電
極間隔は2μmとした。次に素子電極2と接続するよう
にY方向配線4を300本形成した。Y方向配線4は銀
ペーストを用い、スクリーン印刷法でパターン化し、続
いて焼成(焼成温度は550℃、ピーク保持時間は約1
0分)された幅100μm、厚さ10μmの印刷配線で
ある。
【0027】次に第一層間絶縁膜5を、ガラスを主成分
とするペーストを印刷後焼成することにより形成した。
ペースト材料は実施例1の第一層間絶縁膜の形成に使用
したものと同じで、印刷、乾燥後に温度550℃、ピー
ク保持時間10分で焼成した。次に第二層間絶縁膜6
を、第一層間絶縁膜と重なるように印刷後焼成すること
により形成した。ペースト材料はPbO、B23、Zn
Oを主成分とするガラス物質で、バインダー(ポリマ
ー)を混合したものであるが、ZnOを多く添加するこ
とで第一層間絶縁膜より軟化点が30℃低くなるように
調製されたものであり、印刷、乾燥後に温度520℃、
ピーク保持時間10分で焼成した。
【0028】次に第三層間絶縁膜(図示していない)
を、第二層間絶縁膜の形成と同様にして、第二層間絶縁
膜の上に重なるように印刷後焼成することにより形成し
た。ペースト材料は第二層間絶縁膜よりさらに軟化点が
30℃低くなるように調製されたペーストであり、印
刷、乾燥後に温度490℃、ピーク保持時間10分で焼
成した。層間絶縁膜の印刷焼成後の膜厚は3層で40μ
mであった。
【0029】次にX方向配線8を第三層間絶縁膜上に素
子電極1と接続するように300本形成した。形成法は
Y方向配線と同様な手段で、材料には低温焼成型の銀ペ
ーストを用い印刷、乾燥後に温度450℃、ピーク保持
時間10分で焼成した。なお線幅は200μm、厚さは
20μmであった。次にPdO薄膜を有機金属溶液の塗
布焼成により形成し、その後フォトリソグラフィーによ
ってパターニングを行うことでPdO薄膜3を形成する
ことにより画像形成装置の素子基板を製造した。以上の
方法により、作製した素子基板を検査したところX方向
配線とY方向配線間で短絡は生じていないことがわかっ
た。
【0030】(実施例3)実施例2で作製した素子基板
を用いて画像形成装置を作製した例を図4を用いて説明
する。実施例2のようにして多数の表面伝導型電子放出
素子を作製した基板171をリアプレート181上に固
定した後、基板171の5mm上方に、フェースプレー
ト186(ガラス基板183の内面に蛍光膜184とメ
タルバック185が形成されて構成される)を支持枠1
82を介して配置し、フェースプレート186、支持枠
182、リアプレート181の接合部にフリットガラス
を塗布し、大気中で400℃で10分以上焼成すること
で封着した(図4)。またリアプレート181への基板
171の固定もフリットガラスで行った。図4におい
て、174は電子放出素子、172、173はX方向及
びY方向の素子配線である。
【0031】蛍光膜184は、モノクロームの場合は蛍
光体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ
形状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その
間隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜184を作製し
た。ブラックストライプの材料としては、通常良く用い
られている黒鉛を主成分とする材料を用いた。ガラス基
板183に蛍光体を塗布する方法はスラリー法を用い
た。また、蛍光膜184の内面側には通常メタルバック
185が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製後、
蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと
呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着することで
作製した。フェースプレート186には、更に蛍光膜1
84の導伝性を高めるため、蛍光膜184の外面側に透
明電極(不図示)を設けた。前述の封着を行う際、カラ
ーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなく
てはいけないため、十分な位置合わせを行った。
【0032】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dx1ないし
DxmとDy1ないしDynを通じ電子放出素子174
の素子電極1、2間に電圧を印加し、導電性薄膜3をフ
ォーミング処理を行った。次に10-6torr程度の真
空度まで排気し、不図示の排気管をガスバーナーで熱す
ることで溶着し外囲器の封止を行った。最後に封止後の
真空度を維持するために、高周波加熱法でゲッター処理
を行った。
【0033】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dx1な
いしDxm、Dy1ないしDynを通じ、走査信号及び
変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ、印加す
ることにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メ
タルバック184、あるいは透明電極(不図示)に5k
V以上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜1
84に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示し
たところ、ほとんどの画素において、蛍光体の画素中心
と電子ビーム中心がほぼ一致しており、輝度ムラの少な
い品位の高い表示がなされた。また、この時の無効電流
も非常に少なく、駆動電力を抑えた高品位な画像形成装
置を提供可能であることが示された。
【0034】(実施例4)以下に、本発明を配線基板
(プリント基板、回路基板)に用いた例を示す。図5を
用いて説明するが、説明の便宜上、作製した基板の一部
を記した。まず、よく洗浄された青板ガラスよりなる基
板9にY方向配線4を100本形成した。Y方向配線4
は銀ペーストを用い、スクリーン印刷法でパターン化
し、続いて焼成(焼成温度は550℃、ピーク保持時間
は約10分)された幅100μm、厚さ10μmの印刷
配線である。(図5(a)) 次に第一層間絶縁膜5を、ガラスを主成分とするペース
トを印刷後焼成することにより形成した。ペースト材料
は実施例1の第一層間絶縁膜に使用したものとと同じも
のを使用し、印刷、乾燥後に温度550℃、ピーク保持
時間10分で焼成した。(図5(b)) 次に第二層間絶縁膜6を、第一層間絶縁膜と同様にして
印刷後焼成することにより形成した。ペースト材料は実
施例1の第二層間絶縁膜に使用したものと同じく、第一
層間絶縁膜より軟化点が20℃低くなるように調製され
たペーストであり、印刷、乾燥後に温度530℃、ピー
ク保持時間10分で焼成した。層間絶縁膜の印刷焼成後
の膜厚は2層で30μmであった。(図5(c))
【0035】次にX方向配線8を層間絶縁膜6上に10
0本形成した。形成法はY方向配線と同様な手段で、材
料には低温焼成型の銀ペーストを用い印刷、乾燥後に温
度500℃、ピーク保持時間10分で焼成した。なお線
幅は300μm、厚さは20μmであった。(図5
(d)) 以上の方法により、作製したプリント基板を検査したと
ころX方向配線とY方向配線間で短絡は生じていないこ
とがわかった。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明の画像形成装置の素
子基板製造方法によれば、第二層以降の層間絶縁膜とし
て、先に形成した層の軟化点より低いものを使用し、低
い温度で焼成して形成するので、先に形成した層間絶縁
膜を軟化させることがなく、この結果従来気泡により生
じていた上下配線間の短絡を低減することができ、高い
歩留りで画像形成装置を製造できる。また、同様にして
交差する配線を有する配線基板を高い歩留まりで使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の素子基板の製造方法を
示す工程図である。
【図2】従来の表面伝導型電子放出素子の模式図であ
る。
【図3】本発明に用いることのできる表面伝導型電子放
出素子の模式図である。
【図4】本発明の画像形成装置である。
【図5】本発明の配線基板の製造工程図である。
【符号の説明】
1、2 素子電極 3 電子放出部を含む薄膜 4 Y方向配線 5 第一層間絶縁膜 6 第二層間絶縁膜 8 X方向配線 9 基板 171 素子基板 172 X方向配線 173 Y方向配線 174 表面伝導型電子放出素子 181 リアプレート 182 支持枠 183 ガラス基板 184 蛍光膜 185 メタルバック 186 フェースプレート 188 外囲器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交差する複数の配線を有する配線基板に
    おいて、 配線間の交差部が、焼成して形成される多層の層間絶縁
    膜で絶縁され、かつ先に形成される層間絶縁膜より後に
    形成される層間絶縁膜の軟化温度が低いことを特徴とす
    る配線基板。
  2. 【請求項2】 前記多層の層間絶縁膜が、2層または3
    層の層間絶縁膜である請求項1記載の配線基板。
  3. 【請求項3】 電子放出部と一対の素子電極からなる電
    子放出素子がマトリクス状に複数配列され、該電子放出
    素子を駆動するために前記素子電極と接続された複数の
    X方向配線と複数のY方向配線が形成されてなる素子基
    板を使用する画像形成装置において、 前記X方向配線と前記Y方向配線の交差部が、焼成して
    形成される多層の層間絶縁膜で絶縁され、かつ先に形成
    される層間絶縁膜より後に形成される層間絶縁膜の軟化
    温度が低いことを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記多層の層間絶縁膜が、2層または3
    層の層間絶縁膜である請求項3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 交差する複数の配線を有する配線基板の
    製造方法において、交差する配線の一方の群を基板上に
    形成し、該配線の交差部上に第一層間絶縁膜を塗布し焼
    成して形成する工程の後、直前に形成された層間絶縁膜
    より低い融点を有する層間絶縁膜を塗布し、直前の層間
    絶縁膜の焼成温度より低い温度で焼成する工程を繰り返
    して順次層間絶縁膜を形成し、最後に先に形成した配線
    群に交差する一群の配線を形成することを特徴とする請
    求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 電子放出部と一対の素子電極からなる電
    子放出素子がマトリクス状に複数配列され、該電子放出
    素子を駆動するために前記素子電極と接続された複数の
    X方向配線と複数のY方向配線が交差して形成されてな
    る素子基板を使用する画像形成装置の製造方法におい
    て、 前記X方向配線または前記Y方向配線の一方を基板上に
    形成し、該配線の交差部上に第一層間絶縁膜を塗布し焼
    成して形成する工程の後に、直前に形成された層間絶縁
    膜より低い融点を有する層間絶縁膜を塗布し、直前の層
    間絶縁膜の焼成温度より低い温度で焼成する工程を繰り
    返して順次層間絶縁膜を形成し、最後に他方向の配線を
    形成することを特徴とする請求項3または4に記載の画
    像形成装置の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6604970B1 (en) 1999-02-23 2003-08-12 Canon Kabushiki Kaisha Methods for producing electron source, image-forming apparatus, and wiring substrate having a stack of insulating layers; and electron source, image-forming apparatus, and wiring substrate produced using the methods
US6758712B2 (en) 2000-12-18 2004-07-06 Canon Kabushiki Kaisha Methods of manufacturing wiring substrate and electron source substrate and image forming apparatus with the same
JP2006066376A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Samsung Sdi Co Ltd 電子放出素子
JP2007042414A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Hitachi Ltd 画像表示装置

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