JPH09276659A - 排ガスに含まれる窒素酸化物を還元除去するための触媒及び方法 - Google Patents

排ガスに含まれる窒素酸化物を還元除去するための触媒及び方法

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JPH09276659A
JPH09276659A JP8096548A JP9654896A JPH09276659A JP H09276659 A JPH09276659 A JP H09276659A JP 8096548 A JP8096548 A JP 8096548A JP 9654896 A JP9654896 A JP 9654896A JP H09276659 A JPH09276659 A JP H09276659A
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内藤  治
Masanori Idemoto
昌則 出本
Kozo Iida
耕三 飯田
Hiroaki Rikimaru
浩昭 力丸
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敏勝 馬場
Yoshiyuki Yoshikawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒活性を損なうことなく、排ガス中に含まれ
る摩耗性を有するダストによる摩耗に対する強度を付与
した触媒と、そのような触媒の製造方法を提供すること
にある。 【解決手段】本発明による排ガスに含まれる窒素酸化物
を還元除去するための成形触媒は、(a) 酸化チタン又は
酸化チタン−シリカ複合酸化物100重量部に対して、
(b) 三酸化タングステン5〜20重量部と、(c) 五酸化
バナジウム0〜2.0重量部とを含む多孔質成形体に硫酸
マグネシウム水溶液を含浸させ、加熱焼成して、硫酸マ
グネシウムを0.5〜5.5重量部の範囲で成形体に担持さ
せてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスに含まれる
窒素酸化物を還元剤を用いて還元除去するための触媒と
方法とに関し、更に、そのような触媒の製造方法に関す
る。特に、本発明は、排ガスに含まれる窒素酸化物を還
元剤を用いて還元除去するための触媒であって、排ガス
に含まれるダストによる摩耗に対する抵抗を有する触媒
と、排ガスに含まれる窒素酸化物を還元剤を用いて還元
除去するに際して、そのような触媒を用いる方法とに関
し、更に、そのような触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】排ガスに含まれる窒素酸化物を触媒の存
在下にアンモニア等の還元剤と接触させて、還元除去す
る、即ち、脱硝するための触媒と方法は、既に種々のも
のが知られている。このような触媒のなかでも、触媒反
応器において、排ガスの流れ方向に貫通孔を有する固定
床を構成する成形触媒、例えば、所謂ハニカム触媒は、
一般に、ガス流れによる圧力損失が少ないので、他の固
定床触媒を充填した触媒反応器に比較して、排ガスの線
速度を大きくすることができ、更に、排ガスがダストを
含むときには、そのダストによって、上記貫通孔が目詰
まりを起こすことが少ないので、効率よく所要のガス接
触反応を行わせることができる利点を有し、従って、ハ
ニカム触媒は、従来、例えば、ボイラ等から発生する窒
素酸化物を含む燃焼排ガスの脱硝反応のために広く用い
られている。
【0003】しかしながら、このようなハニカム触媒を
用いる排ガスの処理においても、排ガスが摩耗性を有す
るダストを含むときには、このダストによってハニカム
触媒が摩耗し、その結果、ハニカム触媒が徐々に減耗
し、最終的には形状を失なって、使用に耐えなくなる場
合さえある。
【0004】そこで、従来、例えば、特公昭57−14
211号公報、特公昭57−26820号公報、特公昭
57−26820号公報や、米国特許第 4,294,806号等
に記載されているように、排ガスの入口と出口とを備え
た触媒反応器に充填して用いる成形触媒であって、上記
入口からその触媒反応器に導入される排ガスの流れ方向
に少なくとも1つの貫通孔を有する成形触媒において、
排ガスの入口を含む成形触媒の先端部分を焼結したり、
或いはガラス物質で被覆し、強化して、耐摩耗性とする
ことが知られている。このような先端部分を強化した成
形触媒によれば、排ガスが摩耗性を有するダストを含む
場合であっても、成形触媒の先端部分をダストによる摩
耗から防止することができる。
【0005】しかし、代表的には、石炭焚きボイラから
の燃焼排ガスのように、摩耗性を有するダストを多量に
含む燃焼排ガスの脱硝処理においては、触媒反応器の断
面における排ガスの流れの不均一が起こりやすく、この
ことに起因して、触媒反応器内において、ダスト濃度の
不均一やダストの粒度分布の偏り等が生じることにな
り、かくして、上述したように、先端部分を強化した成
形触媒を用いる場合であっても、成形触媒がその他の箇
所において、局部的に摩耗することとなる。
【0006】そこで、成形触媒のガス入口を含む端面か
ら貫通孔の方向に長い距離にわたる先端部分を強化すれ
ば、その分、成形触媒を耐摩耗性とすることができる
が、反面、このように強化処理した触媒壁の面積が大き
くなればなるほど、得られる成形触媒は、初期の触媒活
性が低いものになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、排ガスに含
まれる窒素酸化物を触媒の存在下に還元剤を用いて還元
除去するための従来の触媒及び方法における上述したよ
うな問題を解決するためになされたものであって、耐摩
耗性と強度にすぐれ、排ガスに含まれる窒素酸化物を長
期間にわたって安定して還元除去することができる触媒
と方法とを提供することを目的とする。
【0008】特に、本発明は、触媒活性を損なうことな
く、排ガス中に含まれる摩耗性を有するダストによる摩
耗に対する強度を付与した触媒と、更に、排ガスに含ま
れる窒素酸化物を還元剤を用いてそのような触媒の存在
下に長期間にわたって安定して還元除去することができ
る方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、
上述したような触媒の製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による排ガスに含
まれる窒素酸化物を還元除去するための成形触媒は、
(a) 酸化チタン又は酸化チタン−シリカ複合酸化物10
0重量部に対して、(b) 三酸化タングステン5〜20重
量部と、(c) 五酸化バナジウム0〜2.0重量部とを含む
多孔質成形体に硫酸マグネシウム水溶液を含浸させ、加
熱焼成して、硫酸マグネシウムを0.5〜5.5重量部の範
囲で上記多孔質成形体に担持させてなることを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、窒素酸化物と
は、例えば、一酸化窒素、三酸化二窒素、二酸化窒素等
をいうものとする。本発明において、成形体は、主成分
が酸化チタンか、又は酸化チタン−シリカ複合酸化物か
らなり、従成分として、三酸化タングステンを含み、必
要に応じて、五酸化バナジウムを含む多孔質体であっ
て、このような多孔質成形体に硫酸マグネシウム水溶液
を含浸させ、加熱焼成して、硫酸マグネシウムを担持さ
せたものが本発明による成形触媒である。本発明におい
ては、上記成形体を形成する上記成分を触媒成分とい
う。
【0011】本発明による特に好ましい成形触媒は、排
ガスの入口と出口とを備えた触媒反応器に充填して用い
る成形触媒であって、上記入口から上記触媒反応器に導
入される排ガスの流れ方向に少なくとも1つの貫通孔を
有し、通常、多数の貫通孔を有する所謂ハニカム触媒と
呼ばれるものである。
【0012】本発明において、上記多孔質成形体を形成
する触媒成分のうち、酸化チタンの原料としては、予め
調製された酸化チタンのほか、チタン酸、水酸化チタ
ン、硫酸チタン等のチタン化合物が用いられる。また、
成形体の主成分が酸化チタン−シリカ複合酸化物からな
るとき、そのような複合酸化物は、例えば、硫酸チタン
等のチタン塩の水溶液にシリカゾルを加え、得られた混
合物にアンモニア等のアルカリを加えて、沈殿物を生じ
させ、次いで、このようにして得られた沈殿物を洗浄
し、乾燥させた後、150〜850℃で焼成することに
よって得ることができる。また、酸化チタンについて
は、その製造方法は何ら限定されるものではないが、例
えば、硫酸法による酸化チタンの製造工程から得られる
硫酸チタンをアンモニアで中和し、これを乾燥し、焼成
して得られる二酸化チタンが好ましく用いられる。
【0013】三酸化タングステンの原料としては、それ
自体のほか、パラタングステン酸アンモニウム、メタタ
ングステン酸アンモニウム等が好ましく用いられる。ま
た、五酸化バナジウムの原料としては、それ自体のほ
か、メタバナジン酸アンモニウム等が好ましく用いられ
る。このような触媒成分からなる多孔質成形体は、従
来、知られている通常の方法によって調製することがで
きる。例えば、触媒成分のそれぞれの酸化物を混合し、
焼成する方法、触媒成分のそれぞれ水溶性塩の混合物か
らそれぞれの酸化物を共沈させ、これらを焼成する方法
等によればよい。
【0014】具体例を挙げれば、例えば、硫酸チタンに
アンモニアのようなアルカリを加えて、沈澱させ、乾燥
させ、焼成し、これにメタタングステン酸アンモニウム
水溶液や、必要に応じて、メタバナジン酸アンモニウム
水溶液を混合し、成形し、乾燥し、焼成することによっ
て、触媒成分からなる成形体を得ることができる。この
ような方法によれば、既によく知られているように、圧
力2000kg/cm2 、水銀圧入法による測定にて、通
常、0.1〜0.5mL/g、好ましくは、0.2〜0.4mL
/g程度の細孔容積を有する多孔質の成形体を得ること
ができる。
【0015】本発明によれば、触媒成分からなる多孔質
成形体は、例えば、粒状物、環状物、筒状物、ハニカム
構造体等であるが、このような多孔質成形体を製造する
に際して、必要に応じて、粘土等の鉱物物質、シリカゾ
ル等の無機バインダーやポリビニルアルコール等の有機
バインダー等の種々の成形助剤、ガラス繊維やセラミッ
ク繊維等の種々の補強材等の充填材を用いてもよい。
【0016】本発明による成形触媒においては、多孔質
成形体は、酸化チタン又は酸化チタン−シリカ複合酸化
物100重量部に対して、三酸化タングステン5〜20
重量部と、五酸化バナジウム0〜2.0重量部、即ち、必
要に応じて、五酸化バナジウム2.0重量部以下とを含
み、このような多孔質成形体に後述するようにして、0.
5〜5.5重量部の範囲で硫酸マグネシウムを担持させる
ことによって、耐摩耗性と強度にすぐれ、排ガスに含ま
れる窒素酸化物を長期間にわたって安定して還元除去す
ることができる成形触媒を得ることができる。
【0017】本発明において、触媒成分として五酸化バ
ナジウムを用いることによって、低温域での触媒活性を
高めることができる。他方、五酸化バナジウムは、二酸
化イオウの三酸化イオウへの酸化能が高いほか、反応温
度が高温であるときは、還元剤であるアンモニアを酸化
したり、或いはチタンの結晶成長を促進して、熱劣化を
加速する。従って、イオウ酸化物を高濃度に含む排ガス
を処理する場合には、五酸化バナジウムは、触媒成分と
して用いないか、又は用いても、低温域での触媒活性の
向上とのバランスを考慮して、少量の配合にとどめるの
が好ましい。特に、反応温度が400℃以上である場合
や、排ガスがイオウ酸化物を高濃度に含む場合には、通
常、触媒には、五酸化バナジウムを担持させないのが好
ましい。しかし、反応温度が400℃未満である場合に
は、触媒活性を高めるために、通常、酸化チタン又は酸
化チタン−シリカ複合酸化物100重量部に対して、0.
1重量部以上を担持させるのが好ましい。
【0018】本発明による成形触媒は、このようにして
多孔質成形体を調製した後、この成形体に硫酸マグネシ
ウム水溶液を含浸させ、乾燥させた後、加熱焼成して、
酸化チタン又は酸化チタン−シリカ複合酸化物100重
量部に対して、硫酸マグネシウムを0.5〜5.5重量部の
範囲で担持させることによって得ることができる。ここ
に、本発明において、硫酸マグネシウムの担持量は、よ
り好ましくは、酸化チタン又は酸化チタン−シリカ複合
酸化物100重量部に対して、1.0〜5.0重量部の範囲
である。上記硫酸マグネシウムとしては、例えば、硫酸
マグネシウム7水塩が好ましく用いられる。
【0019】例えば、成形体を硫酸マグネシウム水溶液
に浸漬した後、通風乾燥し、この後、100〜120℃
の温度で加熱乾燥させ、次いで、空気中、300〜50
0℃程度の温度で加熱焼成して、成形体に硫酸マグネシ
ウムを担持させることができる。このようにして、本発
明によれば、成形体の全体にわたって、実質的に均一に
硫酸マグネシウムを担持させることができる。ここに、
硫酸マグネシウムは、水和物又は無水物として、成形体
中に担持されている。
【0020】しかし、本発明によれば、必要に応じて、
成形体の先端部分のみに硫酸マグネシウム水溶液を含浸
させ、通風乾燥し、この後、100〜120℃の温度で
加熱乾燥させ、次いで、空気中、300〜500℃程度
の温度で加熱焼成して、成形体の先端部分のみに硫酸マ
グネシウムを担持させてもよい。この場合においても、
硫酸マグネシウムの担持量は、その先端部分において、
酸化チタン又は酸化チタン−シリカ複合酸化物100重
量部に対して、0.5〜5.0重量部の範囲であり、好まし
くは、1.0〜5.0重量部の範囲である。
【0021】本発明による成形触媒は、このように、触
媒成分からなる多孔質成形体に硫酸マグネシウムを担持
させることによって、触媒活性を損なうことなく、排ガ
ス中の摩耗性のダストによる摩耗に対する強度を有する
成形触媒を得ることができる。成形触媒における硫酸マ
グネシウムの担持量が酸化チタン又は酸化チタン−シリ
カ複合酸化物100重量部に対して、5.5重量部を越え
るときは、得られる触媒の活性を低下させ、反対に、0.
5重量部よりも少ないときは、ダストによる摩耗に対す
る強度を付与することができない。
【0022】本発明によれば、予め触媒成分からなる成
形体を調製し、これに硫酸マグネシウム水溶液を含浸さ
せ、加熱焼成して、成形触媒とするので、硫酸マグネシ
ウムは多孔質成形体の細孔において、特に、酸化物の粒
子が相互に接触する接点の近傍に局在して、酸化物の粒
子を相互に接着させるので、成形触媒の重量に対して、
少量のみを担持させることによって、目的とするダスト
に対する強度を得ることができる。更に、本発明によれ
ば、成形触媒の所要の部分のみに硫酸マグネシウムを担
持させることができる利点もある。更に、本発明によれ
ば、硫酸マグネシウム水溶液を多孔質成形体に含浸させ
た後、加熱焼成する過程で、硫酸マグネシウム水和物が
その結晶水を失なって、結晶の寸法が変化しても、成形
体が予め調製されているので、強度を強化しても、低下
させることはない。
【0023】これに対して、成形触媒に硫酸マグネシウ
ムを担持させるために、他の方法、例えば、触媒成分と
共に硫酸マグネシウムを湿式混練して、成形触媒を得る
方法によれば、硫酸マグネシウムは、酸化物の粒子の表
面に均一に分布し、従って、触媒成分に対して多量を用
いながら、目的とする強度を得ることが困難であり、更
に、余りに多量を用いれば、所要の強度を得ることがで
きても、初期活性の低いものとなる。また、成形体を加
熱焼成する過程で、硫酸マグネシウム水和物がその結晶
水を失なって、結晶の寸法が変化した際に、成形体自体
の強度を低下させるおそれもある。
【0024】本発明による成形触媒は、好ましくは、排
ガスの入口と出口とを備えた触媒反応器に充填して用い
られるものであって、上記入口から上記触媒反応器に導
入される排ガスの流れ方向に少なくとも1つの貫通孔を
有する構造体であり、特に、好ましくは、多数の貫通孔
を有する所謂ハニカム触媒である。従って、本発明によ
れば、成形触媒を上述したような触媒反応器に充填し、
これに排ガスを還元剤であるアンモニアと共にその入口
から導入し、出口から排出するようにして、成形触媒の
有するガス流れ方向の貫通孔を通過させ、その間に、排
ガスを成形触媒に接触させて、窒素酸化物を窒素と水と
に変換して、排ガスから除去する。
【0025】本発明によれば、前述したように、ダスト
を含む燃焼排ガスを脱硝処理する場合に、特に、成形触
媒の先端部分のダストによる摩耗を防止するために、成
形触媒を触媒反応器に充填した場合の前面のガス入口を
含む先端部分を耐摩耗性としてもよい。また、必要に応
じて、成形触媒を触媒反応器に充填した場合の後面のガ
ス出口を含む後端部分を耐摩耗性としてもよい。このよ
うに、成形触媒の先端部分を耐摩耗性とするには、例え
ば、既に、特公昭57−14211号公報、特公昭57
−26820号公報、特公昭61−17548号公報、
米国特許第 4,294,806号に記載されているように、幾つ
かの方法によることができる。
【0026】第1の方法として、成形触媒の先端部分に
重リン酸塩又は縮合リン酸塩の水溶液を含浸させた後、
加熱して、硬化物を形成させることによって、強化する
ことができる。重リン酸塩としては、例えば、第一リン
酸水素カルシウム、第一リン酸水素バリウム、第一リン
酸水素アルミニウム等を挙げることができる。また、縮
合リン酸塩としては、例えば、メタリン酸塩やポリリン
酸塩等を挙げることができる。
【0027】具体的には、このような重リン酸塩又は縮
合リン酸塩の水溶液に、必要に応じて、マグネシアクリ
ンカー等のような骨材、粘土、リン酸ナトリウム、ケイ
酸アルカリ等を加え、水溶液又はスラリーとし、これに
成形触媒の先端部分を浸漬し、先端部分に付着させ、加
熱焼成すればよい。この加熱温度は、通常、200〜1
000℃の範囲であり、通常、400〜500℃程度で
ある。例えば、重リン酸アルミニウムの水溶液を成形触
媒の先端部分に塗布し、通常、400〜500℃程度の
温度に加熱すれば、硬化物の被膜が形成されて、成形触
媒の先端部分を強化することができる。
【0028】第2の方法として、成形触媒の先端部分を
ガラス物質で被覆することによって、強化することがで
きる。ガラス物質としては、例えば、水ガラス、チタニ
アゾル、シリカゾル、アルミナゾル、ケイ酸リチウム、
ホウ酸鉛、酸化ホウ素、ホウ砂、種々の釉、例えば、ホ
ウ酸鉛系釉、硬質磁器系釉等を挙げることができる。具
体的には、ガラス物質や釉を溶融させ、この融液中に成
形触媒の先端部分を浸漬するか、或いは上記融液を成形
触媒の先端部分に塗布し、冷却して、ガラス物質や釉で
被覆することによって、強化することができる。
【0029】第3の方法として、例えば、成形触媒の先
端部分を焼結してもよい。また、成形触媒の先端部分を
成形触媒の先端部分の端面と同じ形状の貫通孔を有する
金属製や磁器製の保護板で被覆してもよい。本発明によ
れば、還元剤の存在下に、窒素酸化物を含む排ガスを上
述したような成形触媒に接触させることによって、排ガ
スに含まれる窒素酸化物を還元除去することができる。
ここに、還元剤としては、アンモニア、尿素等が用いら
れるが、特に、実用的には、アンモニアが好ましく用い
られる。還元剤は、排ガスに含まれる窒素酸化物と完全
に反応するに必要な化学量論の0.1〜1.5倍程度、好ま
しくは、0.1〜1.2倍程度用いられる。
【0030】排ガスにこのように還元剤を混合し、これ
を、通常、150〜500℃、好ましくは、300〜4
50℃の温度で空間速度(NTP換算空塔基準)200
0〜50000hr-1、好ましくは、2000〜100
00hr-1の範囲にて触媒に接触させることによって、
排ガス中の窒素酸化物を効率よく還元分解することがで
きる。
【0031】本発明による成形触媒は、排ガスがダスト
を含む場合であっても、実質的に摩耗することがなく、
従って、例えば、石炭焚きボイラからの燃焼排ガス等の
摩耗性を有するダストを含む排ガス中の窒素酸化物を接
触還元除去するために好適に適用することができる。し
かし、本発明による成形触媒の用途は、これに限定され
るものではない。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、触媒成
分からなる多孔質成形体に硫酸マグネシウム水溶液を含
浸させ、加熱焼成して、硫酸マグネシウムを所定量担持
させるので、触媒活性を損なうことなく、成形触媒にダ
ストによる摩耗に対する強度を与えることができ、成形
触媒は実質的に摩耗することがない。従って、本発明に
よる成形触媒を用いれば、長期間にわたって安定して効
率よく、排ガスの脱硝処理を行なうことができる。
【0033】また、例えば、触媒反応器に多数の成形触
媒を充填して、排ガスの脱硝処理を行なうような場合、
触媒反応器における排ガスの流れの不均一により生じる
ダスト濃度の不均一やダストの粒度分布の偏り等によっ
て、成形触媒に局部的な摩耗が生じると予想される位置
に、本発明による成形触媒を用いることによって、長時
間にわたって安定して窒素酸化物の接触還元除去するこ
とができる。更に、本発明によれば、成形触媒の一部に
のみ、選択的に、所要の強度を与えることができるの
で、特に、摩耗の生じやすい箇所に硫酸マグネシウムを
担持させて、そのような摩耗から触媒を保護することも
できる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。
【0035】実施例1 硫酸法による酸化チタン製造工程から得られるメタチタ
ン酸を中和した後、濾過、水洗して、ケーキ状のメタチ
タン酸を得た。このメタチタン酸(二酸化チタン換算に
て820kg)に67.5%硝酸8kgを加え、メタチタ
ン酸を部分的に解膠した後、得られたゾル液を蒸発乾固
し、更に、500℃で3時間焼成した。この後、冷却
し、微粉砕し、その粒度を調整して、二酸化チタン粉末
を得た。
【0036】モノエタノールアミン水溶液に五酸化バナ
ジウム5.2kgとパラタングステン酸アンモニウム11
2kgを溶解した水溶液300L、ポリビニルアルコー
ル50kg及び炭化ケイ素繊維(繊維径11μm、繊維
長さ3mm、日本カーボン(株)製)100kgを上記
二酸化チタン粉末800kgに水約100Lと共に加
え、ニーダーにてこれらを混練した。
【0037】次いで、この混練物をハニカム押出ノズル
を備えたスクリュー付き真空押出機によってハニカム成
形体に押出成形した。このハニカム成形体を十分に時間
をかけて自然乾燥させた後、100℃で5時間通風乾燥
した。この後、軸方向の両端を切り揃え、電気炉内にて
500℃で5時間焼成して、外径150mm×150m
m、軸方向長さ800mm、セルピッチ7.4mm、内壁
厚さ1.15mmのハニカム成形体Iを得た。
【0038】別に、硫酸マグネシウム7水塩の結晶62
kgを溶解した水溶液240Lに上記成形体を15分間
浸漬した後、引き上げた。次いで、触媒に通風して、過
剰に付着している上記水溶液を吹き払い、110℃で3
時間乾燥した後、400℃で3時間焼成して、酸化チタ
ン100重量部に対して、三酸化タングステン12.43
重量部、五酸化バナジウム0.65重量部及び硫酸マグネ
シウム4.55重量部を担持させてなる成形触媒(ハニカ
ム触媒)Aを得た。
【0039】実施例2 硫酸マグネシウム7水塩の結晶17.7kgを溶解した水
溶液240Lに上記実施例1で得たハニカム成形体Iを
15分間浸漬した後、引き上げた。次いで、触媒に通風
して、過剰に付着している上記溶液を吹き払い、110
℃で3時間乾燥した後、400℃で3時間焼成して、酸
化チタン100重量部に対して、三酸化タングステン1
2.42重量部、五酸化バナジウム0.65重量部及び硫酸
マグネシウム1.27重量部を担持させてなる成形触媒
(ハニカム触媒)Bを得た。
【0040】実施例3 硫酸法による酸化チタン製造工程から得られるメタチタ
ン酸を中和した後、濾過、水洗して、ケーキ状のメタチ
タン酸を得た。このメタチタン酸(二酸化チタン換算に
て820kg)に67.5%硝酸8kgを加え、メタチタ
ン酸を部分的に解膠した後、このゾル液を蒸発乾固し、
更に、500℃で3時間焼成した。この後、冷却し、微
粉砕して、粒度を調整して、二酸化チタン粉末を得た。
【0041】モノエタノールアミン水溶液にパラタング
ステン酸アンモニウム112kgを溶解した水溶液30
0L、ポリビニルアルコール50kg及び炭化ケイ素繊
維(繊維径11μm、繊維長さ3mm、日本カーボン
(株)製)100kgを上記二酸化チタン粉末800k
gに水約100Lと共に加え、ニーダーに共に加え、こ
れらを混練した。
【0042】次いで、この混練物をハニカム押出ノズル
を備えたスクリュー付き真空押出機によってハニカム成
形体に押出成形した。このハニカム成形体を十分に時間
をかけて自然乾燥させた後、100℃で5時間通風乾燥
した。この後、軸方向の両端を切り揃え、電気炉内にて
500℃で5時間焼成して、外径150mm×150m
m、軸方向長さ800mm、セルピッチ7.4mm、内壁
厚さ1.15mmのハニカム成形体Jを得た。
【0043】別に、硫酸マグネシウム7水塩の結晶61.
7kgと五酸化バナジウム4.3kgとを含むシュウ酸水
溶液240Lに上記ハニカム成形体Jを15分間浸漬し
た後、引き上げた。次いで、触媒に通風して、過剰に付
着している上記溶液を吹き払い、110℃で5時間乾燥
した後、400℃で3時間焼成して、酸化チタン100
重量部に対して、三酸化タングステン12.43重量部、
五酸化バナジウム0.65重量部及び硫酸マグネシウム4.
55重量部を担持させてなる成形触媒(ハニカム触媒)
Cを得た。
【0044】実施例4 硫酸法による酸化チタン製造工程より得られる硫酸チタ
ン溶液(二酸化チタン換算にて100g/L濃度)70
00Lとシリカゾル溶液(SiO2 換算で20重量%濃
度、日産化学(株)製)618kgを十分混合した後、
アンモンニア水にて中和し、濾過、水洗して、ケーキを
得た。このケーキを乾燥し、500℃で3時間焼成した
後、冷却し、微粉砕して、粒度を調整したチタン−シリ
カ複合酸化物を得た。
【0045】モノエタノールアミン水溶液に五酸化バナ
ジウム5.2kgとパラタングステン酸アンモニウム11
2kgを溶解した水溶液300L、ポリビニルアルコー
ル50kg及び炭化ケイ素繊維(繊維径11μm、繊維
長さ3mm、日本カーボン(株)製)100kgを上記
複合酸化物粉末800kgに水約100Lと共に加え、
ニーダーにてこれらを混練した。
【0046】次いで、この混練物をハニカム押出ノズル
を備えたスクリュー付き真空押出機によってハニカム成
形体に成形した。このハニカム成形体を十分に時間をか
けて自然乾燥させた後、100℃で5時間通風乾燥し
た。この後、軸方向の両端を切り揃え、電気炉内にて5
00℃で5時間焼成して、外径150mm×150m
m、軸方向長さ800mmのセルピッチ7.4mm、内壁
厚さ1.15mmのハニカム成形体を得た。
【0047】別に、硫酸マグネシウム7水塩の結晶59.
4kgを溶解した水溶液240Lに上記成形体を15分
間浸漬した後、引き上げた。次いで、ハニカム成形体に
通風して、過剰に付着している上記水溶液を吹き払い、
110℃で3時間乾燥した後、400℃で3時間焼成し
て、酸化チタン−シリカ複合酸化物100重量部に対し
て、三酸化タングステン12.43重量部、五酸化バナジ
ウム0.65重量部及び硫酸マグネシウム4.55重量部を
担持させてなる成形触媒(ハニカム触媒)Dを得た。
【0048】実施例5 硫酸マグネシウム7水塩の結晶61.5kgを溶解した水
溶液240Lに実施例3で得た成形体Jを15分間浸漬
した後、引き上げた。次いで、ハニカム成形体に通風し
て、過剰に付着している上記水溶液を吹き払い、110
℃で5時間乾燥した後、400℃で3時間焼成して、酸
化チタン100重量部に対して、三酸化タングステン1
2.43重量部及び硫酸マグネシウム4.55重量部を担持
させてなる成形触媒(ハニカム触媒)J1を得た。
【0049】実施例6 第一リン酸アルミニウム水溶液(多木化学(株)製、P
2 5 として33重量%、Al2 3 として8.5重量%
含有し、pHは1.4)を水にて2倍に希釈した。次い
で、実施例1で得た成形触媒Aを、そのガス入口を含む
先端部分を軸方向に端面から5cmの距離にわたって約
5分間浸漬した後、引き上げた。次いで、成形触媒に通
風して、過剰に付着している上記水溶液を吹き払い、1
10℃で3時間乾燥した後、400℃で3時間加熱し
て、成形触媒の先端部分を耐摩耗性とした成形触媒A1
を得た。
【0050】実施例7 実施例6において、成形触媒Aに代えて、実施例で得た
成形触媒Cを用いた以外は、実施例6と同様にして、そ
のガス入口を含む先端部分を軸方向に端面から5cmの
距離にわたって約5分間浸漬した後、引き上げ、次い
で、成形触媒に通風して、過剰に付着している上記水溶
液を吹き払い、110℃で3時間乾燥した後、400℃
で3時間加熱して、成形触媒の先端部分を耐摩耗性とし
た成形触媒C1を得た。
【0051】実施例8 実施例1、2、3、4及び5にて得た触媒A、B、C、
D及びJ1をそれぞれ、断面45mm×45mm、長さ
100mmに裁断し、これを触媒反応に充填した。摩耗
材としてケイ砂(平均粒子径40μm)を濃度70g/
3 にて含むガスを大気圧下、20℃で成形触媒断面当
り、40m/秒の流速にて30分間、成形触媒に通過さ
せて、その間の成形触媒の摩耗量から、摩耗強度を求め
た。試験結果を表1に示す。摩耗強度は、 〔(W0 −W)/W0 〕×100(%) で与えられる。ここに、W0 は摩耗試験前の成形触媒の
重量、Wは摩耗試験後の成形触媒の重量であり、摩耗試
験前後の成形触媒の重量は、それぞれ110℃で5時間
加熱乾燥させた後、測定した重量である。
【0052】実施例9 実施例1、2、3及び4で得た触媒A、B、C及びDを
触媒反応器に充填して、石炭を燃料とする燃焼排ガスの
流通下、8000時間にわたって、脱硝処理を行なっ
た。上記燃焼排ガスの性状及び脱硝処理条件は次のとお
りである。脱硝処理前後の触媒活性を表1に示す。 (燃焼排ガスの性状) ダスト濃度:15g/Nm3 硫黄酸化物濃度:1640ppm 窒素酸化物濃度:320ppm 酸素濃度:4.2容量% (脱硝処理条件) 排ガス温度:340℃ ガス流速:2.55Nm/秒 空間速度(SV):4540hr-1 アンモニア/窒素酸化物モル比:1.0
【0053】更に、上述したようにして、燃焼排ガスの
脱硝処理を行なった成形触媒の先端部分の内壁(貫通孔
壁)厚さの変化と成形触媒のガス流れ方向の全長の1/
2の位置における内壁厚さの変化を調べた。その結果を
表1に示す。成形触媒の先端部分の内壁(貫通孔壁)厚
さの変化は括弧内に示す。
【0054】実施例10 実施例5で得た触媒J1を触媒反応器に充填して、石炭
を燃料とする燃焼排ガスの流通下、8000時間にわた
って、脱硝処理を行なった。上記燃焼排ガスの性状及び
脱硝処理条件は次のとおりである。脱硝処理前後の触媒
活性を表1に示す。 (燃焼排ガスの性状) ダスト濃度:22g/Nm3 硫黄酸化物濃度:890ppm 窒素酸化物濃度:260ppm 酸素濃度:4.0容量% (脱硝処理条件) 排ガス温度:450℃ ガス流速:2.11Nm/秒 空間速度(SV):3560hr-1 アンモニア/窒素酸化物モル比:1.0
【0055】更に、上述したようにして、燃焼排ガスの
脱硝処理を行なった成形触媒の先端部分の内壁(貫通孔
壁)厚さの変化と成形触媒のガス流れ方向の全長の1/
2の位置における内壁厚さの変化を調べた。その結果を
表1に示す。成形触媒の先端部分の内壁(貫通孔壁)厚
さの変化は括弧内に示す。
【0056】実施例11実施例6及び7で得られた触媒
A1及びC1をそれぞれ触媒反応器において成形触媒に
局部的な摩耗が生じる位置に充填した以外は、実施例9
と同じ条件下に、石炭を燃焼とする燃焼排ガスの流通
下、8000時間にわたって、脱硝処理を行なって、成
形触媒の先端部分の内壁(貫通孔壁)厚さの変化と成形
触媒のガス流れ方向の全長の1/2の位置における内壁
厚さの変化を調べた。結果を表2に示す。成形触媒の先
端部分の内壁(貫通孔壁)厚さの変化は括弧内に示す。
【0057】比較例1 実施例1による成形体Iの調製を比較例1とする。即
ち、成形体Iは、酸化チタン100重量部に対して、三
酸化タングステン12.43重量部と五酸化バナジウム0.
65重量部とからなる。
【0058】比較例2 硫酸マグネシウム7水塩の結晶3.4kgを溶解した水溶
液240Lに上記成形体Iを15分間浸漬した後、引き
上げた。次いで、成形体に通風して、過剰に付着してい
る上記溶液を吹き払い、110℃で3時間乾燥した後、
400℃で3時間焼成して、酸化チタン100重量部に
対して、三酸化タングステン12.42重量部、五酸化バ
ナジウム0.65重量部及び硫酸マグネシウム0.25重量
部を担持してなる成形触媒Eを得た。
【0059】比較例3 硫酸マグネシウム7水塩の結晶89kgを溶解した水溶
液240Lに前記成形体Iを15分間浸漬した後、引き
上げた。次いで、触媒に通風して、過剰に付着している
上記溶液を吹き払い、110℃で3時間乾燥した後、4
00℃で3時間焼成して、酸化チタン100重量部に対
して、三酸化タングステン12.42重量部、五酸化バナ
ジウム0.65重量部及び硫酸マグネシウム6.6重量部を
担持してなる成形触媒Fを得た。
【0060】比較例4 実施例8において、触媒として、比較例1で得られた成
形体I、比較例2及び3で得られた成形触媒E及びFを
それぞれ用いた以外は、実施例8と同じ条件下に、成形
体又は成形触媒の摩耗試験を行なった。結果を表1に示
す。
【0061】比較例5 実施例9において、触媒として、比較例1で得られた成
形体I、比較例2及び3で得られた成形触媒E及びFを
それぞれ用いた以外は、実施例9と同じ条件下に、燃焼
排ガスの脱硝試験を行なって、触媒の触媒活性を試験し
た。結果を表1に示す。更に、上述したようにして、燃
焼排ガスの脱硝処理を行なった成形触媒の先端部分の内
壁(貫通孔壁)の壁厚さの変化と成形触媒のガス流れ方
向の全長の1/2の位置における内壁の壁厚さの変化を
調べた。その結果を表1に示す。成形触媒の先端部分の
内壁(貫通孔壁)厚さの変化は括弧内に示す。
【0062】比較例6 実施例11において、触媒A1及びC1に代えて、比較
例1得られた成形体I、比較例2及び3で得られた成形
触媒E及びFをそれぞれ用いた以外は、実施例11と同
じ条件下に、触媒反応器において成形触媒に局部的な摩
耗が生じる位置に充填した以外は、実施例9と同じ条件
下に、石炭を燃焼とする燃焼排ガスの流通下、8000
時間にわたって、脱硝処理を行なった。試験結果を表2
に示す。成形触媒の先端部分の内壁(貫通孔壁)厚さの
変化は括弧内に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】本発明によれば、所定の触媒成分からなる
成形体に硫酸マグネシウム水溶液を含浸させ、加熱焼成
して、硫酸マグネシウムを所定の範囲で担持させること
によって、触媒活性を損なうことなく、ダストによる摩
耗に対する強度を成形触媒に付与することができ、かく
して、排ガスを長期間にわたって、脱硝処理を行なって
も、触媒活性の低下は少なく、また、成形触媒の内壁厚
さの摩耗も殆ど生じていない。
【0066】これに対して、比較例1、2及び4によれ
ば、触媒活性は、長期間にわたる脱硝処理においても、
低下は少ないが、しかし、ハニカム触媒の内壁厚さが著
しく摩耗しており、長期間の使用には耐えない。更に、
比較例3及び4によれば、ハニカム触媒の内壁厚さの摩
耗は生じていないが、触媒の初期触媒活性が低く、ま
た、触媒活性の低下も大きく、同様に、長期間の使用に
耐えない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出本 昌則 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 飯田 耕三 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 力丸 浩昭 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 馬場 敏勝 大阪府泉大津市臨海町1丁目18番地 堺化 学工業株式会社内 (72)発明者 吉川 嘉之 大阪府泉大津市臨海町1丁目18番地 堺化 学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 酸化チタン又は酸化チタン−シリカ複
    合酸化物100重量部に対して、 (b) 三酸化タングステン5〜20重量部と、 (c) 五酸化バナジウム0〜2.0重量部とを含む多孔質成
    形体に硫酸マグネシウム水溶液を含浸させ、加熱焼成し
    て、硫酸マグネシウムを0.5〜5.5重量部の範囲で上記
    多孔質成形体に担持させてなることを特徴とする排ガス
    に含まれる窒素酸化物を還元除去するための成形触媒。
  2. 【請求項2】排ガスに含まれる窒素酸化物を還元除去す
    るために、排ガスの入口と出口とを備えた触媒反応器に
    充填して用いる成形触媒であって、上記入口から上記触
    媒反応器に導入される排ガスの流れ方向に少なくとも1
    つの貫通孔を有する請求項1に記載の成形触媒。
  3. 【請求項3】排ガスの入口を含む成形触媒の先端部分を
    耐摩耗性にした請求項2に記載の成形触媒。
  4. 【請求項4】還元剤の存在下に窒素酸化物を含む排ガス
    を請求項1、2又は3のいずれかに記載の成形触媒に接
    触させる排ガスに含まれる窒素酸化物を還元除去する方
    法。
  5. 【請求項5】(a) 酸化チタン又は酸化チタン−シリカ複
    合酸化物100重量部に対して、 (b) 三酸化タングステン5〜20重量部と、 (c) 五酸化バナジウム0〜2.0重量部とを含む多孔質成
    形体に硫酸マグネシウム水溶液を含浸させ、加熱焼成し
    て、硫酸マグネシウムを0.5〜5.5重量部の範囲で上記
    多孔質成形体に担持させることを特徴とする排ガスに含
    まれる窒素酸化物を還元除去するための成形触媒の製造
    方法。
  6. 【請求項6】排ガスに含まれる窒素酸化物を還元除去す
    るために、排ガスの入口と出口とを備えた触媒反応器に
    充填して用いる成形触媒の製造方法であって、上記入口
    から上記触媒反応器に導入される排ガスの流れ方向に少
    なくとも1つの貫通孔を有する請求項5に記載の成形触
    媒の製造方法。
  7. 【請求項7】排ガスの入口を含む成形触媒の先端部分を
    耐摩耗性にする請求項6に記載の成形触媒の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001096154A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Yamada Sangyo Kk バナジウム酸化物/チタニアハイブリッド光触媒とその製造方法
KR100515907B1 (ko) * 2002-06-27 2005-09-20 재단법인 한국환경기술진흥원 다이옥신 및/또는 질소산화물 제거용 촉매 및 이의 제조방법
JP2006231332A (ja) * 2000-01-20 2006-09-07 Nippon Shokubai Co Ltd 耐摩耗性触媒成形体

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