JPH09274721A - 記録媒体用基板及びその製造方法 - Google Patents

記録媒体用基板及びその製造方法

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JPH09274721A
JPH09274721A JP16361696A JP16361696A JPH09274721A JP H09274721 A JPH09274721 A JP H09274721A JP 16361696 A JP16361696 A JP 16361696A JP 16361696 A JP16361696 A JP 16361696A JP H09274721 A JPH09274721 A JP H09274721A
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JP
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substrate
polishing
alumina
chamfered
recording medium
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JP16361696A
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Akira Noda
章 野田
Manabu Shibata
学 柴田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板本体上に形成された膜の密着性を向上す
るとともに、エラー発生を抑制すること。 【解決手段】 内外周部が面取加工されてなる記録媒体
用基板1において、前記基板1の面取加工の後、中間ア
ルミナを含む研磨液を用いて仕上げ研磨するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種記録方式(磁
気、光磁気、光)による記録媒体用基板及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置に搭載されるハードデ
ィスク(HD)用基板に代表される記録媒体用基板は、
基板本体の表面を粗研磨するラッピング工程、内外周端
面を研削して面取りするチャンファ加工工程、表面を仕
上げ研磨するポリッシング工程を経て製造されている。
そして、この基板は、更に、基板本体の表面にテクスチ
ャー層を形成してその表面を適度に粗面化するテクスチ
ャー工程、表面に下地層を形成する下地層形成工程、表
面に磁性層を成膜する磁性層形成工程、磁性層上に保護
層を形成する保護層形成工程、保護層の上に潤滑層を形
成する潤滑層形成工程等にて基板本体の表面に成膜し、
更にその膜表面の異常突起を除去するバーニッシュ工程
を施されて製品となる。
【0003】然るに、コンピュータの外部記録装置とし
て、磁気ディスク装置の重要度は年々高まっており、ハ
ードディスク基板の記録密度の向上が要求されている。
このため、ハードディスク基板に対する磁気ヘッドの浮
上高さを現在より小さくする必要があり、基板本体の表
面は鏡面加工され、最近では10オングストローム以下の
鏡面化が実現されている。これに対し、基板本体の内外
周端面は記録層として使用されないため、その表面粗さ
は粗いものであった。ところが、基板本体の内外周端面
の表面があまりにも粗いと、基板本体の内外周端面にお
いてチャンファ加工された面取部分と、その上に形成さ
れたテクスチャー層等との間で膜はがれを生じ、欠陥品
となることがわかってきた。
【0004】特開平5-314474号公報では、基板本体の内
外周端面を平滑処理したハードディスク用基板が開示さ
れており、具体的には内外周端面の表面凹凸を 0.1μm
以下に平滑化したアルミニウム基板本体上に記録層等を
形成したハードディスク用基板が具体的に記載されてい
る。
【0005】他方、近年、ハードディスク用基板として
カーボン基板が注目されている。カーボン基板は従来使
用されてきたアルミニウム等に比べて高硬度であること
から薄板化が可能であり、ノートブック型コンピュータ
等可搬性コンピュータに要求される小型化に対応できる
有望なものである。また、カーボン基板は耐熱性にも優
れることから記録層等を形成する際高温加工しても基板
がたわむことなく、生産性もよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、カーボン
基板のような脆性材料からなる基板に、前述の特開平5-
314474号公報に記載の従来方法で基板本体の内外周端面
に 0.1μm 以下の表面凹凸を施した後に記録層等を成膜
した磁気ディスクでは、長期使用した際に膜はがれが生
じる場合が確認された。本発明者は、この原因を究明す
べく研究を行った結果、上記従来方法で内外周端面を平
滑加工したものは、基板が脆性材料からなるものである
ためその内外周端面の表面及びその内部にクラックが発
生し、何らかの衝撃を受けると、この内外周端面のクラ
ックを起点とする欠落を生じ、結果として、この部分か
ら成膜後の膜はがれが生じ易いことを認めた。
【0007】本発明の課題は、基板本体上に形成された
膜の密着性を向上することにある。
【0008】また更に、上記磁気ディスクにおいて、ク
ラックを起点として欠落した基板の一部が書き込み或い
は記録ヘッドに巻き込まれた場合、エラーが発生してい
ることが判った。
【0009】本発明のもうひとつの課題は、基板を用い
てつくられた磁気記録媒体のエラー発生を抑制すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、内外周部が面取加工されてなる記録媒体用基板にお
いて、前記基板の面取加工の後、中間アルミナを含む研
磨液を用いて仕上げ研磨するようにしたものである。
【0011】請求項2に記載の本発明は、請求項1記載
の本発明において更に、上記基板が脆性材料よりなるよ
うにしたものである。
【0012】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2記載の本発明において更に、上記中間アルミナがγ−
アルミナであるようにしたものである。
【0013】請求項4に記載の本発明は、内外周端面が
面取加工されてなる記録媒体用基板において、面取部分
の表面から深さ10μm までの領域に存在するクラック数
が20個/cm2 以下であるようにしたものである。
【0014】請求項5に記載の本発明は、請求項4記載
の本発明において更に、前記面取部分の表面凹凸がRm
axで 5μm 以下であるようにしたものである。
【0015】請求項6に記載の本発明は、請求項4又は
5記載の本発明において更に、前記面取部分の表面粗さ
がRaで1 μm 以下であるようにしたものである。
【0016】請求項7に記載の本発明は、請求項4〜6
のいずれか記載の本発明において更に、前記基板が脆性
材料であるようにしたものである。
【0017】請求項1〜3に記載の本発明によれば下記
の作用がある。 基板本体の面取部分に施す仕上げ研磨にγ−アルミナ
等の中間アルミナを含む研磨液を用いるものであるか
ら、基板本体が脆性材料からなるものでも、その内外周
端面の表面及びその内部でのクラック発生を抑制でき
る。これにより、クラック起因の端面の欠落を生ずるこ
とがなく、結果として基板の長期使用による膜はがれを
防止できる。また、クラックを起点とし欠落した基板の
一部が書き込み或いは記録ヘッドに巻き込まれる等が無
く、記録装置のエラー発生も抑制できる。
【0018】請求項4に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 基板本体の面取部分の表面から深さ10μm の領域に存
在するクラック数が20個/cm2 以下であることにより、
クラック起因の端面の欠落を生ずることがなく、結果と
して基板の長期使用による膜はがれを防止できる。ま
た、記録装置のエラー発生も抑制できる。
【0019】請求項5に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 基板本体の面取部分の表面凹凸Rmaxが 5μm 以下
であることにより、その上に形成される膜の密着性がよ
く、結果として基板の長期使用による膜はがれ及びエラ
ー発生を防止できる。
【0020】請求項6に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 基板本体の面取部分の表面粗さRaが 1μm 以下の如
くに小であるため、その上に形成される膜の密着性がよ
く、基板の長期使用による膜はがれ及びエラー発生を防
止できる。
【0021】請求項7に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 カーボン基板又はガラス基板等の脆性材料からなる基
板においても、上記〜により、膜はがれ及びエラー
発生を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は基板を示す模式図、図2は
基板の膜構成を示す模式図、図3は面取加工装置を示す
模式図、図4は研磨装置を示す模式図、図5は仕上げ研
磨装置を示す模式図、図6は基板本体のクラック存在状
態を示す模式図である。
【0023】磁気ディスク用ガラス状カーボン基板(G
C基板)1は、下記(1) 〜(3) 、もしくは(1) 〜(4) に
より基板本体1Aを加工される。 (1) ラッピング工程 基板本体1Aの表面を遊離砥粒により粗研磨する。
【0024】(2) 面取加工工程 基板本体1Aの内外周端面を研削して面取りする。図1
の2は外周面取部分、3は内周面取部分である。
【0025】(3) ポリッシング工程 基板本体1Aの表面を仕上げ研磨する。
【0026】(4) 面取仕上げ工程 基板本体1Aの面取部分2、3を延性加工モードにより
仕上げ研磨する。
【0027】尚、この(4) の面取仕上げ工程は、基板本
体1Aの面取部分2、3のクラック数を低減するために
行うものであり、後に詳述する膜はがれ防止のための低
クラック数が上記(1) 〜(3) の加工により確保される場
合には、この(4) の加工は省略できる。
【0028】ここで、上記(2) の面取加工工程にて用い
られる面取加工装置について説明する(図3)。面取加
工装置10は、チャックステージ11、クランプ12、
ダイヤモンド砥石13、14を有して構成される。
【0029】チャックステージ11は、基板本体1Aを
支持する同心状の凸部11Aと、凸部11Aまわりで基
板本体1Aを真空吸引する真空吸引溝11Bと、真空吸
引溝11Bに真空圧を付与する真空供給路11Cとを備
える。これにより、チャックステージ11は基板本体1
Aを真空吸着可能とする。
【0030】クランプ12は、チャックステージ11上
の基板本体1Aに高圧水を印加する高圧水噴射口12A
を備え、基板本体1Aをチャックステージ11に押圧保
持可能とする。
【0031】ダイヤモンド砥石13は基板本体1Aの外
周端面を面取り研削可能とし、ダイヤモンド砥石14は
基板本体1Aの内周端面を面取り研削可能とする。
【0032】また、上記(3) のポリッシング工程にて用
いられる研磨装置30について説明する(図4)。研磨
装置30は、上研磨盤31、下研磨盤32、キャリア3
3を有して構成される。尚、上研磨盤31、下研磨盤3
2の表面(基板本体と接する面)にはパッドが貼付けら
れている。
【0033】研磨装置30において、下研磨盤32は矢
印A方向に回転する。また、下研磨盤32の上方には、
矢印B方向に回転する太陽歯車34と矢印C方向に回転
する内歯歯車35とに噛み合って、公転しつつ自転する
遊星歯車状のキャリア33が設けられていて、各キャリ
ア33の複数のワーク保持孔36に基板本体1Aがセッ
トされる。また、下研磨盤32及びキャリア33の上方
には上研磨盤31が設けられ、この上研磨盤31は不図
示のエアシリンダにより昇降されるとともに、下降時に
は矢印D方向に回転するロータ37に係合して同方向に
回転する。そして、上研磨盤31と下研磨盤32の間に
は、不図示のスラリー供給パイプにより、砥粒を含んだ
スラリーが供給される。
【0034】これにより、研磨装置30では、上研磨盤
31を下降させることにより、キャリア33に保持され
た基板本体1Aが上研磨盤31と下研磨盤32とに挟ま
れて、砥粒の介在下で上下両面を研磨される。
【0035】また、上記(4) の面取仕上げ工程にて用い
られる研磨装置40について説明する(図5)。研磨装
置40は、ウレタンパッドを装着した支持体41が、基
板本体1Aの面取部分2、3を研磨する領域に研磨液を
噴射する研磨液噴射ノズル42を有して構成され、この
研磨液の存在により基板本体1Aの面取部分2、3を仕
上げ研磨する。研磨液としては、中間アルミナを研磨材
として含むものが使用される。本明細書中、中間アルミ
ナとは、α−アルミナ以外のアルミナ粒子を総称してい
うものであり、具体的には、γ−アルミナ、θ−アルミ
ナ、δ−アルミナ、η−アルミナ及び無定型アルミナ等
が挙げられる。α−アルミナを研磨材として使用する
と、α−アルミナは硬質であり、しかもその平均粒径が
0.1 μm であるため、被研磨基板表面にクラックが生じ
易くなってしまう。
【0036】上記中間アルミナの一次粒子の平均粒径は
40nm以下であると、クラックの発生を抑えながら表面の
凹凸をRmaxで 5μm 以下とし易く、膜はがれの発生
をより抑えられるので好ましく、特に、15〜30nmである
と好ましい。
【0037】上記中間アルミナ粒子は、研磨材組成物中
に0.05〜30%配合すると、適度な研磨速度で所望の表面
形状(クラック数及び表面凹凸)が得られ易いので好ま
しい。
【0038】上記中間アルミナを含む研磨液は、pH2.
0 〜5.0 であると、基板表面の酸化が起こり易く、機械
的研磨による表面の除去が進行し易くなり、基板の表面
粗さを小さくし易くなる。具体的には、Raで 1μm 以
下をクラック発生を抑えながら達成できる。
【0039】また、本発明においては、中間アルミナに
よる仕上げ研磨の前後に延征モード加工による研削工程
を設けることができる。特に、中間アルミナによる仕上
げ研磨によって端面部に面だれが生じた場合には、クラ
ックを生じることなく面だれを補修できるので好まし
い。
【0040】尚、本明細書において「延性モード加工」
とは、脆性材料においてもクラックの発生を伴わない塑
性流動的な除去加工、即ち脆性破壊(破砕)ではなく材
料の無損傷を特徴とする研削加工を意味する。係る加工
技術は、材料への個々の砥粒の切込深さを常に延性−脆
性遷移点以下に保つことにより達成される。このことを
達成する手段としては特に限定されるものではなく、通
常公知の方法を用いることができる。例えば、脆性材料
であるカーボンを含む磁気ディスク用基板に用いられる
材料の多くは、その延性−脆性遷移点(dc)が 2〜10
0nm であるため、砥石の設定切込深さを 0.05 〜20μm
、好ましくは 0.1〜10μm 、より好ましくは 0.1〜 5
μm とすれば良い。ここで、砥石の設定切込深さは、装
置位置決め精度の観点から0.05μm 以上が好ましく、研
削負荷及びマイクロクラック発生を抑制する観点から20
μm 以下とするのが好ましい。
【0041】また、延性モード加工の際の砥石の設定切
込深さは、前述の如く装置位置決め精度の観点及び研削
負荷及びマイクロクラック発生を抑制する観点から0.05
〜20μm であることが好ましい。砥石の設定切込深さが
0.05〜20μm での延性モード加工を達成するためには、
研磨装置40、砥石41等は次の条件を満たす必要があ
る。
【0042】1)動剛性が極めて高い砥石スピンドルの設
定と製作。半径方向、軸方向の運動誤差が100nm 以下。
【0043】2)動剛性の極めて高い工作物支持及び運動
系の設計と製作。経験則から加工機工具と工作物間のル
ープ剛性として 150N/ μm (静剛性)以上の値。
【0044】3)砥石41の高精度ツルーイング及び適度
な気孔度を確保するための砥粒結合剤のドレッシング。
更に、砥石41上の個々の砥粒の切れ刃高さ分布がdc
以下であることが望ましい。
【0045】従って、本発明に用いられる研磨装置40
としては、上記の諸条件を満たすものであれば特に限定
されるものではない。具体的には、例えば、(株)日進
機械製作所製超精密平面研削装置(HPG− 2A)等が
挙げられる。超精密平面研削装置(HPG− 2A)は、
脆性材料の延性モード加工を目的として開発されたもの
であり、次のような特質を有する。
【0046】1)半径、軸方向の運動精度が100nm 以下 2)加工機工具と工作物間のループ剛性が 170N/ μm
(静剛性) 3)ツルーイング精度が100nm
【0047】また、砥石41はメタルボンドホイール
(ストレートホイールの外周上のダイヤモンド砥粒)等
の砥粒をメタルバインダーで固定したものが好ましく利
用できる。
【0048】然るに、研磨装置40による基板本体1A
の面取仕上げ工程では、基板本体1Aへの後述する成膜
後の膜はがれを防止するため、下記(a) 〜(c) の加工条
件が適用される。
【0049】(a) クラック数 基板本体1Aの面取部分2、3の表面から深さ10μm の
領域に存在するクラック数が20個/cm2 以下であるもの
とする。
【0050】20個/cm2 より多くクラックが存在すると
たとえ表面凹凸が後述する 4μm 以下であっても長期に
わたる使用により膜はがれが起き易くなる。クラックは
10個/cm2 以下であると好ましい。
【0051】尚、本発明において基板1Aの面取部分
2、3に存在するクラック数は前述の(1) 〜(3) 、もし
くは(1) 〜(4) の加工により同一加工条件で製造された
同一ロッドから抜き取られた基板本体1Aを代表として
以下の如くにより確認され、その確認結果が同一ロッド
の全ての基板本体1Aのクラック数であるものとみな
す。即ち、前述の(1) 〜(3) 、もしくは(1) 〜(4) の加
工により図6(A)に示す如くにクラックC1〜C5を
付与された脆性材料からなる基板本体1Aは、通常の研
磨加工を施すと脆性破壊してクラックC1〜C5が進行
し、それらのクラックC1とC2、クラックC3とC4
の交差により本来のクラックC1〜C5(深さA〜B)
よりも深いピットP1、P2(深さC)を生ずる等、前
述の(1) 〜(3) 、もしくは(1) 〜(4) の加工により特定
深さB(10μm )までに存在する実際のクラック数を観
察できない。そこで本発明では、前述の(1) 〜(3) 、も
しくは(1) 〜(4) により加工された基板本体1Aに、前
述の(4) で説明したと同一の研磨装置40を用いた延性
モード加工により新たなクラックの進行を伴うことな
く、特定深さB(10μm )までの研削を行い、その深さ
B(10μm )に存在するクラック数を観察するものとす
る。
【0052】(b) 表面凹凸 基板本体1Aの面取部分2、3の表面凹凸がRmaxで
5μm 以下であること。
【0053】表面凹凸Rmaxが 5μm 以下の基板に記
録層を成膜した磁気ディスクでは、更に長期の使用で膜
はがれが起きにくくなる。表面凹凸の下限は特に定めな
いが、 0.2μm 未満に加工するには研磨速度を遅くする
と研磨時間が長くなり、研磨速度を速くするとクラック
の発生を抑えるための取り代を多くする必要があり、結
局研磨時間が長くなるので、表面凹凸の下限は 0.2μm
以上であることが好ましい。
【0054】(c) 表面粗さ 基板本体1Aの面取部分2、3の表面粗さRaが 1μm
以下であること。次に本発明において用いられる基板材
料について説明すると、脆性材料よりなる基板である。
前述したように、脆性材料よりなる基板はアルミニウム
基板に代わる高記録密度化時代に適した基板として注目
されるものである。そのような基板として、薄板化が容
易で高記録密度化に特に適していることからカーボン基
板及びガラス基板が好ましい。特に、耐熱性に優れてい
ることから記録層成膜時等の高温までの加温が可能であ
るのでカーボン基板、更にはアモルファスカーボン基板
が好ましい。
【0055】更に、GC基板1にあっては、上述の基板
本体1Aに例えば下記〜の成膜を施され、最後に下
記のバーニッシュ工程を施されて製品となる(図
2)。 テクスチャー工程 基板1Aの上にAl−Si凹凸層1B(テクスチャー
層)を形成し、表面を適度に粗面化する。
【0056】カーボン層形成工程 テクスチャー層1Bの上にカーボン層1Cを形成する。
【0057】下地層形成工程 カーボン層1Cの上にCr下地層1Dを順に形成する。
【0058】磁性層形成工程 Cr下地層1Dの上に磁性層(記録層)1Eを形成す
る。
【0059】保護層形成工程 磁性層1Eの上にカーボン保護層1Fを形成する。
【0060】潤滑層形成工程 保護層1Fの上に潤滑層1Gを形成する。
【0061】バーニッシュ工程 表面の異常突起を除去する。
【0062】
【実施例】
(実施例1)面取部分に下記の仕上げ研磨を施した。硬
質の研磨パッド(硬度90)を付着させた研磨支持体41
を回転させてカーボン基板に接触させ、噴射ノズル42
より下記組成の研磨液をカーボン基板に噴射させて研磨
を行なった。
【0063】 研磨液:アルミナ粒子 γ−アルミナ(一次粒子の平均粒径20nm) 1重量% 硝酸アルミニウム 1重量% 研磨液のpH 3.8
【0064】(実施例2)実施例1において、γ−アル
ミナ粒子の一次粒子の平均粒径を40nmとした。
【0065】(実施例3)実施例1において、γ−アル
ミナ粒子の一次粒子平均粒径を50nmとした。
【0066】(実施例4)実施例1において、γ−アル
ミナに替えてθ−アルミナ(一次粒子の平均粒径20nm)
を用いた。
【0067】(実施例5)実施例1において、カーボン
基板をガラス基板に替えた。
【0068】(実施例6)実施例4において、一次粒子
の平均粒径を50nmとした。
【0069】(比較例1)実施例1において支持体41
に研磨パッドに替えてダイヤモンド(平均粒径1.2 μm
)を用い、研磨液よりγ−アルミナを除いた液を供給
した。
【0070】(比較例2)実施例1において、γ−アル
ミナに替えてα−アルミナ(平均粒径 1μm )を使用し
た。
【0071】(比較例3)実施例1において、γ−アル
ミナによる仕上げ研磨を省略した。
【0072】(膜密着性及びエラー発生数の評価)(表
1) 実施例1〜5、比較例1〜3の基板について、表面凹
凸Rmaxを測定するとともに、延性モード加工により
面取部分2、3の表面から10μm 研削し、その領域に存
在するクラック数を観察した。
【0073】実施例1〜5、比較例1〜3の各基板に
スパッタリングによりTi(30nm)、CoCrPt(20
nm)を成膜した後、膜はがれ試験及びエラーテストを行
なった。試験方法は以下の通り。
【0074】(1) 膜はがしテスト 成膜した磁気ディスクを80℃、80%RHの条件に90日間
放置し、このディスクを常温中に取り出した後、10×10
mmに切断したニチバンセロテープNo.405(ニチバン社
製)を貼りつける。このとき、貼りつけ部分に気泡が入
らないようにした。また、テープは端面以外の基板表面
には貼りつかないようにした。その後に垂直方向に素早
く引き上げて、膜の剥離面積を測定した。 ○:全く剥離しなかった △:剥離面積が貼りつけた端面部分の 0%より大きく、
50%未満 ×:剥離面積が50%以上
【0075】(2) エラーテスト まず製膜した磁気ディスクを、各例毎に100 枚ずつ用意
し、エラー発生個数を測定する。
【0076】測定ドライブ又はそれに類するドライブ
に、装着した状態で、読み取り書き込みを連続して行な
う。これにより、基板に回転/停止動作が加えられる。
回数は5000回とする。
【0077】再びエラー発生個数を測定する。読み取り
/書き込み動作を行なう前後で、エラー数の増加がある
かどうか、測定個数を比較する。
【0078】比較は100 枚のエラー発生個数の平均値で
行なった。結果は以下の3通りに分類した。 ○:エラー発生個数の増加は10%以内又は、発生個数は
減少 △:エラー発生数が約10〜40%増加 ×:エラー発生数が約40以上%増加
【0079】尚、基板の表面凹凸及び粗さの測定は下記
により行なった。 装置:東京精密社製サーフコム
【0080】
【表1】
【0081】尚、本実施例では、前述の(1) ラッピング
工程〜(4) 面取仕上げ工程により加工した基板本体1A
を実施例1〜5とし、(1) ラッピング工程〜(3) ポリッ
シング工程により加工した基板本体1Aを比較例1〜3
とした。但し、前述したように、前述の(1) ラッピング
工程〜(3) ポリッシング工程により加工し、(4) 面取仕
上げ工程を行わない基板本体1Aであっても、その加工
条件の選定によっては本発明の膜はがれ防止条件に適合
する面取部分のクラック数、表面凹凸を満足するものを
製造することもでき、前述の(4) 面取仕上げ工程は本発
明の製造方法の必須要件ではない。
【0082】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0083】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、基板本体
上に形成された膜の密着性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は基板を示す模式図である。
【図2】図2は基板の膜構成を示す模式図である。
【図3】図3は面取加工装置を示す模式図である。
【図4】図4は研磨装置を示す模式図である。
【図5】図5は仕上げ研磨装置を示す模式図である。
【図6】図6は基板本体のクラック存在状態を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 基板 1A 基板本体 2、3 面取部分
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 11/10 541 G11B 11/10 541D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外周部が面取加工されてなる記録媒体
    用基板において、前記基板の面取加工の後、中間アルミ
    ナを含む研磨液を用いて仕上げ研磨することを特徴とす
    る記録媒体用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記基板が脆性材料よりなることを特徴
    とする請求項1記載の記録媒体用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記中間アルミナがγ−アルミナである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の記録媒体用基板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 内外周端面が面取加工されてなる記録媒
    体用基板において、面取部分の表面から深さ10μm まで
    の領域に存在するクラック数が20個/cm2 以下であるこ
    とを特徴とする記録媒体用基板。
  5. 【請求項5】 前記面取部分の表面凹凸がRmaxで 5
    μm 以下であることを特徴とする請求項4記載の記録媒
    体用基板。
  6. 【請求項6】 前記面取部分の表面粗さがRaで1 μm
    以下であることを特徴とする請求項4又は5記載の記録
    媒体用基板。
  7. 【請求項7】 前記基板が脆性材料であることを特徴と
    する請求項4〜6のいずれか記載の記録媒体用基板。
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