JPH07134823A - 磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体の製造方法

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JPH07134823A
JPH07134823A JP28220993A JP28220993A JPH07134823A JP H07134823 A JPH07134823 A JP H07134823A JP 28220993 A JP28220993 A JP 28220993A JP 28220993 A JP28220993 A JP 28220993A JP H07134823 A JPH07134823 A JP H07134823A
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好洋 松野
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慎也 片山
Kensuke Matsuno
賢介 松野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッド浮上量50nm程度の磁気ディス
ク装置に対しても適用可能な磁気記録媒体用ガラス基板
の効率的な製造方法を提供する。 【構成】 化学強化したガラス基板の主表面を研磨する
際に、研磨によって削減するガラス厚さを各研磨面につ
いて0.05μm以上0.7μm以下とするか、また
は、0.05μm以上であり、かつ、両研磨面における
削減する厚さの差異が0.15μm以下となる範囲内と
する。 【効果】 基板の反りを許容範囲内に抑えながら表面の
平滑な磁気記録媒体用ガラス基板を効率的に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体用ガラス
基板及び前記ガラス基板を用いた磁気記録媒体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク記憶装置の大容量化にとも
なって、記録密度の向上のために磁気ヘッド浮上量の低
減が図られている。このためには平滑性に優れた磁気記
録媒体が必要とされるが、通常の薄膜型磁気記録媒体に
おいては磁性膜厚が0.5μm程度以下と薄く、基板の
表面状態が磁気記録媒体の平滑性に著しく影響を及ぼす
ため、平滑性に優れた基板に対する要求が大きくなって
きている。このような要求に対し、ガラス基板は研磨に
よって比較的容易に表面の平滑化を図ることができると
いう特徴を有するため、磁気記録媒体用基板として採用
され始めている。
【0003】磁気記録媒体用ガラス基板の加工は、通
常、加工順に以下の工程からなり、この工程を経て製造
されたガラス基板は、磁気ヘッド浮上量が75nm程度
の磁気ディスク装置に対して適用が可能である。 円盤加工工程:板ガラスを円盤形状のガラス基板に加
工する工程 ラップ工程:ガラス基板を所定の板厚に加工する工程 研磨工程:ガラス基板の表面を研磨し平滑にする工程 化学強化工程:ガラス基板に化学強化を施す工程 ここで、の研磨工程は、通常、それ以前の工程におい
てガラス基板に生じたクラック等の加工変質層を除去す
るための第一段階の研磨と、ガラス基板の表面平滑性を
所定のレベルにするための第二段階の研磨の2段階の研
磨工程から構成されている。
【0004】一方、の研磨工程のうち上記第二段階の
研磨をの化学強化工程後に行う方法が知られている
(特開昭63−175219)。この理由は前記文献中
では明らかにされていないが、ガラス基板の表面をさら
に平滑にすることを意図したものと推察される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、さらに
磁気ヘッド浮上量を低減するため、上記方法により化学
強化後のガラス基板をさらに研磨した場合には、より平
滑な表面を有するガラス基板を得ることはできるもの
の、ガラス基板の反りが生じ易いことが判明した。この
ガラス基板の反りは、磁気記録媒体の軸方向加速度の増
大をもたらし、磁気ヘッドの浮上特性を劣化させて記録
密度向上を阻害する要因となる。
【0006】以上の事情に鑑み、本発明は、優れた平滑
性を有し、反りも少なく、磁気ヘッド浮上量50nm程
度の磁気ディスク装置に対しても適用可能な磁気記録媒
体用ガラス基板の効率的な製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、化学強
化処理を施したガラス基板の主表面を研磨し平滑にする
磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、研磨し
削減するガラス厚さは各研磨面につき0.05μm以上
0.7μm以下であることを特徴とする磁気記録媒体用
ガラス基板の製造方法である。
【0008】本発明の第2は、化学強化処理を施したガ
ラス基板の主表面を研磨し平滑にする磁気記録媒体用ガ
ラス基板の製造方法において、研磨し削減するガラス厚
さは各研磨面につき0.05μm以上であり、両研磨面
における削減厚さの差異は0.15μm以下であること
を特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法であ
る。
【0009】ここで、化学強化処理とは、使用するガラ
スのガラス転移点以下の温度領域において、ガラス表面
近傍のイオンをより大きなイオン半径を有するイオンに
置換してガラス表面に圧縮応力を発生させることをい
い、例えば、ガラスを硝酸カリウム溶融塩中に浸漬さ
せ、ガラス中のナトリウムイオンを前記溶融塩中のカリ
ウムイオンに置換することにより行われる。
【0010】本発明に用いることができるガラスは、化
学強化処理が可能であれば特に制限はなく、ソーダ石灰
ガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等を
用いることができる。
【0011】尚、本発明に使用できる研磨材としては、
酸化セリウム、アルミナ砥粒、ダイヤモンド砥粒、コロ
イダルシリカ砥粒、酸化ジルコニウム砥粒等を挙げるこ
とができるが、研磨面の平滑性向上の観点から、無水硅
酸の超微粒子をコロイド溶液としたコロイダルシリカ、
酸化ジルコニウムの超微粒子等の遊離砥粒が望ましい。
また、一般に砥粒の粒径が小さいほど表面平滑性は向上
するが、一方では砥粒価格も上昇するため、本発明の実
施には0.02μm〜0.2μmの粒径の砥粒が特に好
ましい。さらには、砥粒の形状としては球形に近いもの
が平滑性向上の観点から好ましい。
【0012】
【作用】本発明によれば、ガラス基板表面を研磨しガラ
ス厚さを削減する量が、ガラス基板の反りを一定値以上
としない範囲以内でありながら一定の表面平滑性を確保
するのに必要な範囲以上であるため、表面平滑性に優
れ、かつ、反りの少ない化学強化ガラス基板を製造する
ことができる。
【0013】化学強化処理を施したガラス基板の応力分
布は、図5に示すように、表面付近の圧縮応力が非常に
大きい一方、表面から内部に進むと応力値が急激に減少
する。このため、化学強化処理後のガラス基板を研磨す
る場合には、ガラス基板の研磨面間で削減するガラス厚
さに差があると、この差異が微小であっても、研磨面間
における応力のバランスがくずれて大きな曲げ応力が発
生し、結果として、特に板厚が薄い磁気記録媒体用ガラ
ス基板にあっては、容易に反りの原因となる。
【0014】この削減する厚さの差異はガラス基板両面
の研磨速度の差によって生じるため、研磨条件を基板両
面で同一とするように留意する必要があるが、この条件
を厳密に同一とすることは極めて困難であるため、上記
反りを回避するためには削減するガラス厚さを一定値以
下とせざるを得ない。
【0015】しかし、削減する厚さを小さくしすぎると
表面平滑性を失するおそれがある。特に、化学強化後の
ガラス基板上には、本発明者が後述する実施例において
確認したように、数十nmの突起が生じており、少なく
ともこの突起を取り除く程度には表面を研磨する必要が
あると考えられる。
【0016】本発明によれば、化学強化処理後のガラス
基板の研磨により削減するガラス厚さとガラス基板の表
面平滑性または反りの関係を後述する実施例により確認
し、削減厚さを一定範囲内に制御することにより、優れ
た表面平滑性を有しつつ基板の反りも実用上支障のない
範囲としたため、磁気ヘッド浮上量を低減し得るガラス
基板を効率的に製造することが可能である。
【0017】
【実施例】
(実施例1) 円盤加工工程 まず、40mm角、厚さ0.7mmのソーダライムシリ
ケートガラスからなる板ガラスを、ダイヤモンド工具を
用いて、外径34mm、内径8mmのドーナツ状に円盤
加工し、さらに、外周端面及び内周端面に所定の面取り
加工を施した。 ラップ工程 図6に示したラップ装置を用いてラップ工程を行った。
ラップ砥粒としては粒度#1000のアルミナ砥粒25
aを用い、研磨圧力を200g/cm2 程度に設定し、
内側ギヤ21と外側ギヤ22とを回転させることによ
り、FRP製のキャリア23内に設置したガラス基板1
の両面をラッピングした。この加工により、ガラス基板
の板厚を0.45mm、表面粗さをRmax 2μm程度に
した。 研磨第1工程 図7に示した研磨装置を用いて、上記のラップ工程で発
生したクラック等の加工変質層を除去した。ここで、図
7に示した研磨装置は、図6に示したラップ装置におけ
る鋳鉄定盤24の代わりにその内表面にポリッシュ用パ
ッド31を接着した定盤32を用いる点と、アルミナ砥
粒の代わりに酸化セリウム砥粒を水と混合した研磨スラ
リー25bを用いる点のみがラップ装置と異なるが、他
は同じである。この研磨第1工程は、ポリッシュ用パッ
ド31として硬質パッド(スピードファム(株)社製ポ
リウレタンパッド;商品名MHC15A)を用い、以下
の研磨条件で行った。 研磨スラリー:酸化セリウム(平均粒径:約1.5μ
m)+水 研磨圧力:200g/cm2 研磨時間:30分間 除去量:60μm(両面) この研磨第1工程により、ガラス基板1の表面粗さは、
原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメント(株)社
製;商品名NanoScope:以下「AFM」とい
う。)による表面12μm□あたりの凹凸の最大値と最
小値の差異(以下単に「最大最小値」という。)で、平
均18nm、最大35nm程度になった。また、ガラス
基板1の反りは、表面形状測定装置(ZYGO(株)社
製;ZYGOMark 4)による測定から、平均約1
μmであった。
【0018】尚、本工程においては、表面粗さをRmax
50nm未満とすることが望ましい。研磨第2工程との
関連において生産効率を上げる等の理由からである。 化学強化工程 ガラス基板を450℃に加熱した硝酸カリウム溶融塩中
に20時間浸漬して化学強化処理を行い、表面に圧縮応
力層を形成した。光学式測定機によれば、この応力層の
厚みは約60μm、表面の圧縮応力は約60kgf/m
2であった。
【0019】この化学強化工程により、ガラス基板の表
面粗さは、AFMによる12μm□の最大最小値が平均
27nm、最大45nmとなり、表面平滑性は同工程前
よりも悪化した。
【0020】化学強化処理後のガラス基板の主表面をA
FMにより観察したところ、ガラス基板の表面には直径
0.2μm程度、高さ数十nmの多数の突起が多数存在
していた。化学強化処理前のガラス基板にはこのような
多数の突起は観察されないことから、この突起は化学強
化処理に伴ってガラス基板上に発生したものである。
【0021】図8に、この突起のうち最大級のものを含
む研磨面の断面を示す。
【0022】また、ガラス基板の反りは、前述の表面形
状測定装置による測定から平均約1μmであり、化学強
化処理前と同一であった。
【0023】尚、本工程において形成する応力層の厚み
はイオン交換時の温度・時間を制御することにより10
μm〜200μmとすることが適当である。 研磨第2工程 図1及び図2に示した研磨装置を用いて、一枚ごとにガ
ラス基板の両面を同時に研磨した。即ち、ガラス基板1
を、ガイドローラ2a、2b、2cにより鉛直状態に保
持し、ガラス基板1の両側に対向して設けた定盤3a、
3b上にそれぞれ両面テープで接着された研磨パッド4
a、4bにより加圧しつつ、研磨液供給パイプ5から研
磨スラリー6を供給しながらモーター7a、7bにより
駆動ベルト8a、8bを介して研磨パッド4a、4bを
回転させることによりガラス基板1の両面を同時に研磨
した。このとき、ガイドローラ2a、2b、2cが取り
付けられた揺動治具9を上下に駆動させることにより、
ガラス基板1を揺動した。揺動幅10は、研磨・削減さ
れるガラス厚が半径方向にほぼ一様になるように決定し
た。研磨パッド4a、4bの加圧はバネ式加圧治具11
を用いて、保持台12、軸13を介して研磨パッド4
a、4bをガラス基板1に押し付けることにより行っ
た。また、研磨スラリー6は、研磨液タンク14からポ
ンプ15によって供給した。
【0024】研磨パッドとしては軟質パッド(スピード
ファム(株)社製スウェードパッド;商品名ポリテック
ス)を用い、以下の研磨条件で行った。 研磨スラリー:酸化ジルコニウム(平均粒径:約0.2
μm)+水 研磨圧力:100g/cm2 研磨時間:4分間 ここで、この研磨条件における研磨速度は、片面につき
約0.036μm/分であり、従って、この研磨第2工
程におけるガラス基板の削減厚さは、片面につき約0.
15μmであった。
【0025】この工程は、上述の化学強化工程で発生し
た突起を除去すると同時に、研磨第1工程後にガラス基
板の主表面に残存している微小な傷、凹凸等をも除去す
るものであり、この工程を経て製造したガラス基板の表
面粗さは、前述のAFMにより測定した12μm□の最
大最小値で、平均10nm、最大14nmと十分に小さ
いものであった。
【0026】研磨後のガラス基板の主表面をAFMによ
り観察したところ、化学強化工程において発生した突起
はほぼ除去できたことが確認されていた。
【0027】図9に、研磨後の研磨面の断面を示す。
【0028】また、ガラス基板の反りは、表面形状測定
装置による測定から、平均約1.2μmであり、化学強
化前より若干増大したが、許容値である2μmよりも小
さいものであった。
【0029】ここで、研磨第2工程を、複数枚ごとに研
磨するいわゆるバッチ研磨により行わず、一枚ごとに研
磨を行ういわゆる枚葉研磨により行ったのは、研磨前の
ガラス厚さのばらつきを反映して各ガラス基板の厚さの
削減量にばらつきが生じるのを防止するためである。即
ち、バッチ中板厚が薄いガラス基板に対しては研磨力が
十分に働かず、予定していた研磨が十分に行えなくなる
ことを防ぐためである。
【0030】全てのガラス基板について板厚を測定し、
板厚により選別したガラス基板のみをバッチ研磨するこ
とによっても、研磨厚さのばらつきは防止できる。しか
し、この方法は、全数について板厚を検査する必要があ
り、また、一定量のストックをもつ必要があるので生産
効率上却って好ましくない。従って、本発明では、研磨
第2工程として、枚葉研磨する装置によって削磨厚さを
確実に一定範囲内に制御しながら研磨する工程を採用し
た。 (実施例2)図3は、実施例1において上記研磨第2工
程におけるガラス基板の削減厚さを種々に変えて得た各
ガラス基板について、AFMにより測定した12μm□
の最大最小値及び表面形状測定装置により測定した反り
とガラス基板の削減厚さを示したものである。
【0031】これより、表面の平滑性については、削減
する厚さが0.05μm以上ではAFMの最大最小値が
平均20nm以下となってかなり平滑な面が得られてい
ることが、特に削減厚さが0.1μm以上ではAFMの
最大最小値が平均15nm以下となり非常に平滑な面が
得られていることがわかる。また、反りについては、削
減する厚さが0.7μm以下であれば許容値である2μ
mを越えることはなく、特に削減厚さが0.3μm以下
では1.4μm以下となり反りの少ない良好なガラス基
板が得られることがわかる。
【0032】これは、削減厚さが0.05μm以下であ
ると、前述の化学強化に伴って発生する突起及び研磨第
1工程において残存した微細な傷や凹凸を十分に除去で
きないためであり、また、削減厚さが0.7μmを越え
ると、両研磨面間の削減厚さの差異が大きくなり、それ
に起因する曲げ応力が増大するためである。
【0033】以上より明らかなように、片面の削減厚さ
が0.05μm以上0.7μm以下の範囲内であれば、
極めて平滑な表面を持ち、かつ、反りが十分小さな磁気
記録媒体用化学強化ガラス基板を得ることができる。
【0034】また、量産時の表面凹凸状態、反りのばら
つき及び研磨時間の短縮の観点から、削減するガラス厚
さは0.15μm以上0.3μm以下が特に好ましい。 (実施例3)研磨第2段階における研磨スラリーをコロ
イダルシリカ(平均粒径:約0.05μm)に変える以
外はすべて実施例1と同一条件でガラス基板を作製し
た。
【0035】ここで、この研磨条件における研磨速度
は、各研磨面について約0.014μm/分であり、従
って、この研磨第2段階における削減厚さは約0.06
μmであった。
【0036】本実施例によるガラス基板の表面粗さは、
AFMにより測定した12μm□の最大最小値で平均8
nm最大10nmとさらに小さいものであった。また、
ガラス基板1の反りは、表面形状測定装置による測定か
ら平均約1.1μmであり、化学強化前よりやや増大し
たが、許容値である2μmよりも小さいものであった。 (実施例4)外径34mm、内径8mm、板厚0.38
1mmの化学強化後のガラス基板の片面のみを種々の厚
さで削減・研磨し、この削減する厚さと発生する反りの
大きさを表面形状測定装置により計測した結果を図4に
示す。0.15μmの削減厚さの差により許容値である
2μmを上回る反りが発生することがわかる。 (実施例5)次に、上記の実施例1によって得られたガ
ラス基板を用いて磁気記録媒体としての磁気ディスクを
以下の方法により製造した。
【0037】まず、実施例1により得たガラス基板の主
表面に、膜厚100nmのTi膜、膜厚150nmのC
r膜、膜厚50nmのCo−Cr−Ta合金膜、膜厚2
0nmのC膜を順次スパッタリングにより成膜した。次
に、パーフロロポリエーテル系の潤滑剤をその表面に塗
布し、磁気ディスクを得た。
【0038】ここで、Co−Ni−Cr合金膜は磁性膜
であり、その下地層たるCr膜及びTi膜は磁性膜の磁
気特性を向上させる下地膜であり、C膜は保護膜であ
る。
【0039】この磁気ディスク数枚について、グライド
ハイトテスター(イートン(社)社製;製品No.00
5G)を用いてタッチダウンハイト(以下「TDH」と
いう。)を測定した。この測定の概略を図10に示す。
即ち、磁気ディスク42を十分高速で回転させ、磁気ヘ
ッド41を浮上させ、この状態で磁気ディスク42の回
転数を徐々に下げて行き、磁気ディスク42と磁気ヘッ
ド41との接触が生じ始めるところの磁気ヘッド42の
浮上高さをもってTDHとした。接触の有無は、磁気ヘ
ッドに取り付けたアコースティック・エミッションセン
サーによって検出した。
【0040】本実施例による磁気ディスクのTDHは、
平均20nm、最大25nmであり、極めて良好なもの
であった。このような磁気ディスクは、生産時の種々の
マージンを考慮しても、磁気ヘッドの浮上高さが50n
m以下である磁気ディスク装置に対して容易に適用可能
である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、磁気ヘッド浮上高さを
50nm程度とする磁気ディスク装置にも使用可能な磁
気記録媒体に適するガラス基板を効率的に生産すること
が可能である。
【0042】特に、磁気ヘッド浮上量の低減に障害とな
るガラス基板の反りを抑制しつつ表面平滑性を実現でき
る化学強化後のガラス基板の厚さの削減範囲を明確にし
たため、これを研磨条件に反映させることにより上記ガ
ラス基板を従来よりも効率よく製造する方法を実現し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に適した装置の模式図
【図2】本発明の実施に適した装置の研磨部分の模式図
【図3】化学強化処理後のガラス基板のガラス板厚の削
磨量と基板表面の平滑性、基板の反りとの関係を示す図
【図4】化学強化処理後のガラス基板の片側だけを研磨
したときの削減厚さと基板の反りの関係を示す図
【図5】化学強化処理を施したガラスの断面方向の応力
分布を示す図
【図6】実施例のラップ工程で用いた装置要部の模式図
【図7】実施例の研磨第1工程で用いた装置要部の模式
【図8】化学強化処理後のガラス基板断面を原子間力顕
微鏡で測定した結果を示す図
【図9】研磨第2工程後のガラス基板断面を原子間力顕
微鏡で測定した結果を示す図
【図10】タッチダウンハイト測定の概略を示す図
【符号の説明】
1;ガラス基板、2a、2b、2c;ガイドローラ、
3;定盤、4a、4b;研磨パッド、5;研磨液供給パ
イプ、6a、6b;研磨スラリー、7a、7b;モータ
ー、8a、8b;駆動ベルト、9;揺動治具、10;揺
動幅、11;バネ式加圧治具、12;保持台、13;軸
14;研磨液タンク、15;ポンプ、21;内側治具、
22;外側治具、23;キャリア、24;鋳鉄定盤、2
5a;アルミナ砥硫を含む研磨スラリー、25b;酸化
セリウムを含む研磨スラリー、31;ポリッシュ用パッ
ド、32;ポリッシュ用パッドを接着した定盤、41;
磁気ヘッド、42;磁気ディスク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学強化処理を施したガラス基板の主表
    面を研磨し平滑にする磁気記録媒体用ガラス基板の製造
    方法において、研磨し削減するガラス厚さは各研磨面に
    つき0.05μm以上0.7μm以下であることを特徴
    とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 化学強化処理を施したガラス基板の主表
    面を研磨し平滑にする磁気記録媒体用ガラス基板の製造
    方法において、研磨し削減するガラス厚さは各研磨面に
    つき0.05μm以上であり、両研磨面における削減厚
    さの差異は0.15μm以下であることを特徴とする磁
    気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基板の主表面両面を同時に研
    磨することを特徴とする請求項1または2記載の磁気記
    録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 一組の研磨パッドについて前記ガラス基
    板を一枚ずつ研磨することを特徴とする請求項3記載の
    磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の方法に
    より製造したガラス基板の主表面に磁性膜を形成する磁
    気記録媒体の製造方法。
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