JPH09273839A - 冷凍サイクル - Google Patents

冷凍サイクル

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JPH09273839A
JPH09273839A JP8353196A JP8353196A JPH09273839A JP H09273839 A JPH09273839 A JP H09273839A JP 8353196 A JP8353196 A JP 8353196A JP 8353196 A JP8353196 A JP 8353196A JP H09273839 A JPH09273839 A JP H09273839A
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refrigerant
refrigeration cycle
amount
pressure
heat exchanger
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JP8353196A
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English (en)
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Kazumiki Urata
和幹 浦田
Kensaku Kokuni
研作 小国
Takeshi Endo
剛 遠藤
Hiroaki Tsuboe
宏明 坪江
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】最大接続配管長分の冷媒を初期封入してなる冷
凍サイクルにおいて、冷凍サイクルの運転状態が変化す
る場合でも冷凍サイクル内の冷媒量が常に最適となるよ
うにし、冷凍サイクルの運転を安定に保ち、且つ運転性
能を最適な状態に保つことができる冷凍サイクルを提供
する。 【解決手段】冷凍サイクルの圧縮機1の吐出側配管部と
圧縮機1の吸入側配管部とを接続する配管を設け、接続
した配管には冷凍サイクル内に封入した冷媒の内余剰冷
媒を貯留するための冷媒貯留器8を設け、冷媒貯留器8
の前後には冷媒貯留器8から流入或いは流出する冷媒を
塞き止めるために圧縮機1の吐出側配管部側に第1開閉
弁9を、圧縮機1の吸入側配管部側に第2開閉弁10を
設け、冷凍サイクル内の冷媒量を判定する冷媒量判定手
段17を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍サイクルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクルのメンテナンス性を向上さ
せるために、接続配管の最大延長分の冷媒を冷凍サイク
ル内に初期封入する冷凍サイクルシステムがある。この
冷凍サイクルシステムでは、接続配管が短い場合、余剰
冷媒が発生し余剰冷媒を貯留するタンクを必要とする。
従来の冷凍サイクルでは、この余剰冷媒の貯留方法とし
て二つの方法がある。その一つの方法は、凝縮器として
作用している熱交換器の後方側の高圧部に受液器を設
け、受液器内に余剰冷媒を貯留する方法である。例え
ば、特開平4−251158 号公報に開示されているように、
圧縮機,四方弁,室外熱交換器,整流回路,室内熱交換
器,アキュムレータを順次配管接続してなる冷凍サイク
ルで、整流回路は、四つの逆止弁と電動膨張弁と電動膨
張弁より上流側に位置するレシーバとを備え、暖房運転
時および冷房運転時のどちらの運転モードにおいてもレ
シーバ内には常時高圧液冷媒が流入し、余剰冷媒をレシ
ーバ内に貯留できる構造となっている。他の一つの方法
は、平成5年度日本冷凍協会学術講演会講演論文集P4
1に記載されている方法で、冷凍サイクルの圧縮機吸入
部に配設されているアキュムレータ内に余剰冷媒を貯留
する方法である。前記二つの貯留方法では、冷凍サイク
ルに付設する減圧装置や熱交換器に付設するファン風量
の調整によって発生する熱交換量や接続配管の冷媒状態
により必要冷媒量が決まり、初期封入してある最大接続
配管長分の冷媒量との差が余剰冷媒となり各々の余剰冷
媒貯留用タンクに溜まるシステムである。
【0003】次に、余剰冷媒を貯留する冷凍サイクルに
非共沸混合冷媒を封入した場合について説明する。まず
受液器内に余剰冷媒を貯留する場合は、凝縮器から流出
される高圧の冷媒が受液器内に流入し、余剰冷媒として
貯留される。受液器内に流入する冷媒の状態は、かわき
度が非常に小さいため封入組成に近い組成として貯留さ
れるため、冷凍サイクルを循環する混合冷媒の組成も封
入組成に近い組成となる。一方、アキュムレータ内に余
剰冷媒を貯留する場合は、蒸発器から流出される低圧の
冷媒がアキュムレータ内に流入し、余剰冷媒として貯留
される。アキュムレータ内に流入する冷媒の状態は、か
わき度が非常に大きいため封入組成に対して高沸点冷媒
が多い組成が貯留され、冷凍サイクルを循環する混合冷
媒の組成は封入組成よりも低沸点冷媒が多い組成とな
る。
【0004】また、冷凍サイクルの発生能力を制御する
方法は、特開平2−254263 号公報に示されているよう
に、室外ユニットケーシング内に配置されるコンデンサ
は、二つのコンデンサエレメントに分割され、一方のコ
ンデンサエレメントは通風路の風量が多い上側の部分に
上側コンデンサとして配設され、他方のコンデンサエレ
メントは通風路の風量が少ない下側の部分に下側コンデ
ンサとして配設し、上側コンデンサと下側コンデンサは
直列に接続され、上側コンデンサをバイパスするように
冷媒バイパス回路が設けられ、前記冷媒バイパス回路の
途中にバイパス弁として二方弁が設けられた構造であ
る。能力の制御は、二方弁を開いて下側コンデンサへ積
極的に冷媒を流通させ、冷凍サイクルとして有効に作用
するコンデンサの容量を低下させることで、発生能力を
低下することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】余剰冷媒を受液器に貯
留する冷凍サイクルでは、減圧装置の減圧量や熱交換器
を流通する非冷却流体の流量の変化により前記受液器内
に流入する冷媒の状態としてかわき度が大きくなる場合
は、前記受液器の流入側と流出側の気液冷媒流量比のバ
ランスが取れなくなり、受液器内に余剰冷媒を貯留する
ことができなくなり、冷凍サイクルの運転が不安定とな
ることがある。
【0006】また、余剰冷媒をアキュムレータに貯留す
る冷凍サイクルでは、圧縮機に吸込まれる冷媒が湿り状
態であるため圧縮機の駆動動力の増加を招き、性能を低
下させる問題が生じる。さらに、冷媒として非共沸混合
冷媒を用いた場合、低圧力でかわき度の大きい冷媒がア
キュムレータ内に貯留されるため、冷凍サイクルを循環
する冷媒の組成は低沸点冷媒が多くなり、冷凍サイクル
の運転圧力を上昇させ、しいては冷凍サイクルの運転可
能範囲を狭めることになる。
【0007】また、能力制御の従来技術(特開平2−254
263 号公報)では、コンデンサの容量を任意に可変でき
ないため、連続的に冷凍サイクルの発生能力を制御する
ことができない。さらに、能力制御を行う手段として電
磁弁の開閉により行うため、電磁弁の開閉動作時は冷媒
の流れが急激に変化するため、冷凍サイクルの運転が不
安定となることがある。さらに、本従来技術では、熱交
換器内の冷媒量を増加させることができないため、発生
能力を増加させることができない。
【0008】本発明の目的は、最大接続配管長分の冷媒
を初期封入してなる冷凍サイクルにおいて、冷凍サイク
ルの運転状態が変化する場合でも冷凍サイクル内の冷媒
量が常に最適となるようにし、冷凍サイクルの運転を安
定に保ち、且つ運転性能を最適な状態に保つことができ
る冷凍サイクルを提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は、冷凍サイクル
内に封入する冷媒が非共沸混合冷媒の場合には冷凍サイ
クル内を循環する冷媒の組成変化を抑制することができ
る冷凍サイクルを提供することにある。
【0010】さらに、本発明の他の目的は、冷凍サイク
ルの有効冷媒量を調整することにより、冷凍サイクルの
発生能力を空調負荷に応じて可変し、且つ冷凍サイクル
の運転範囲の拡大をすることができる冷凍サイクルを提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の冷凍サイクルは、冷凍サイクルの圧縮機吐
出側配管部と圧縮機吸入側配管部とを接続する配管を設
け、前記接続した配管には冷凍サイクル内に封入した冷
媒の内余剰冷媒を貯留するための冷媒貯留器を設け、前
記冷媒貯留器の前後には冷媒貯留器から流入或いは流出
する冷媒を塞き止めるために圧縮機吐出側配管部側に第
1開閉弁を、圧縮機吸入側配管部側に第2開閉弁を設け
ると共に、前記冷凍サイクル内の冷媒量を判定する冷媒
量判定手段とを備え、運転状態に合った最適冷媒量を前
記冷媒量判定手段により算定し、冷媒貯留器内の冷媒を
出し入れすることにより冷凍サイクル内の有効冷媒量を
可変することとしている。
【0012】また、本発明の冷凍サイクルは、冷凍サイ
クルの高圧部と低圧部とを接続する配管を設け、前記接
続した配管には冷凍サイクル内に封入した冷媒の内余剰
冷媒を貯留するための冷媒貯留器を設け、前記冷媒貯留
器の前後には冷媒貯留器から流入或いは流出する冷媒を
塞き止めるために圧縮機吐出側配管部側に第1開閉弁
を、圧縮機吸入側配管部側に第2開閉弁を設けると共
に、前記冷凍サイクル内の冷媒量を判定する冷媒量判定
手段とを備え、運転状態に合った最適冷媒量を前記冷媒
量判定手段により算定し、冷媒貯留器内の冷媒を出し入
れすることにより冷凍サイクル内の有効冷媒量を可変す
ることとしている。
【0013】さらに、据付け完了後に実施する試運転時
に据付け状態に適した冷媒量に調整され、その後に前記
冷媒貯留器を冷凍サイクルから外すような冷凍サイクル
の据付け作業方法としている。
【0014】さらに、冷凍サイクルの高圧側圧力を検知
する高圧圧力検知手段と、前記高圧圧力検知手段の信号
をもとに前記冷凍サイクルの耐圧以上になるか否かを判
断する高圧圧力判定手段と、前記高圧圧力判定手段の信
号をもとに前記冷媒貯留器の前後に設けた第1開閉弁お
よび第2開閉弁を駆動する開閉弁駆動装置とを設け、前
記高圧圧力判定手段により冷凍サイクルの耐圧以上に圧
力が上がると判定された場合は圧縮機吐出側配管部側に
付設する第1開閉弁を開け、前記高圧圧力判定手段によ
り冷凍サイクルの耐圧以下に圧力が下がると判定された
場合に前記第1開閉弁を閉じるようにする冷凍サイクル
の制御方法としている。
【0015】さらに、冷凍サイクルの高圧側圧力を検知
する高圧圧力検知手段と前記冷凍サイクルの発生能力を
検知する能力検知手段と、前記能力検知手段の信号をも
とに前記冷凍サイクルが定各能力を発生しているか否か
を判断する定各能力判定手段と前記冷凍サイクルの耐圧
以上になるか否かを判断する高圧圧力判定手段と、前記
定各能力判定手段と前記高圧圧力判定手段の信号をもと
に前記冷媒貯留器の前後に設けた第1開閉弁および第2
開閉弁を駆動する開閉弁駆動装置とを設け、前記高圧圧
力判定手段により冷凍サイクルの耐圧以下の圧力であり
且つ定各能力以下であると判定された場合は圧縮機吸入
側配管部側に付設する第2開閉弁を開け、前記高圧圧力
判定手段により冷凍サイクルの耐圧以上に圧力が上がる
と判定された場合もしくは前記定各能力判定手段により
冷凍サイクルの発生能力が十分であると判定された場合
に前記第2開閉弁を閉じるようにする冷凍サイクルの制
御方法としている。
【0016】さらに、上記において、冷却流体として少
なくとも沸点の異なる二種類の冷媒を混合してなる混合
冷媒を用いている。
【0017】さらに、上記において、混合冷媒の組成物
をジフルオロメタン、1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン,ペンタフルオロエタン、及び1,1,1−トリ
フルオロエタンとしている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる各実施例
を、図1ないし図15を用いて説明する。
【0019】[実施例1]まず、本発明の第1の実施例
を図1ないし図3を参照して説明する。
【0020】図1は余剰冷媒量調整手段を設けた冷凍サ
イクルの系統図、図2は冷凍サイクル内の冷媒量とアキ
ュムレータ内に溜まる液冷媒の液面高さとの特性図、図
3は冷凍サイクルを用いた場合の余剰冷媒調整方法を表
わしたフローチャートをそれぞれ示している。
【0021】図1に示す冷凍サイクルは、圧縮機1,四
方弁2,室内熱交換器3,主減圧装置4,副減圧装置
5,室外熱交換器6,アキュムレータ7の各機器が液接
続配管13やガス接続配管12を介して順次接続され、
閉ループに構成されている。本実施例では、主減圧装置
4は電子膨張弁、副減圧装置5はキャピラリチューブで
あり、暖房運転時及び冷房運転時に適切な減圧量となる
ように調整される。
【0022】アキュムレータ7は、アキュムレータ7内
に溜まる液冷媒の液面高さを検知する液面センサ14
(例えば、静電容量センサや液温度とガス温度の温度差
を検知するもの)が設けられ、冷凍サイクル内に放出さ
れている冷媒内で発生する余剰冷媒が貯留されるように
なっている。
【0023】冷凍サイクルには、吐出側配管と吸入側配
管の間に余剰冷媒を貯留するための余剰冷媒貯留器8が
設けられており、余剰冷媒貯留器8と吐出側配管とを結
ぶようにバイパス管11aが設けられ、バイパス管11
aには吐出側配管からの冷媒の出入りを抑制する第1開
閉弁9が設けられ、また、余剰冷媒貯留器8と吸入側配
管とを結ぶようにバイパス管11bが設けられ、バイパ
ス管11bには吸入側配管からの冷媒の出入りを抑制す
る第2開閉弁10が設けられている。冷媒貯留器8に
は、冷凍サイクルの接続配管を最大にした場合に冷凍サ
イクルが確実に作動できる分の冷媒が貯留されている。
【0024】冷凍サイクル内には、単一冷媒もしくは少
なくとも二種類の沸点の異なる冷媒がある一定量封入さ
れ、図1に実線矢印及び破線矢印で示すように、冷凍サ
イクル内を流れるようになっている。
【0025】さらに、冷凍サイクルには、これら構成機
器に対して制御系統が連結されているが、その制御系統
については後で詳述する。
【0026】次に、冷凍サイクルにおける運転時の動作
について説明する。ここでは、説明の便宜上、冷凍サイ
クル内には単一冷媒が封入されているものとし、暖房運
転の場合のみについて説明する。ここで、冷凍サイクル
内に封入される冷媒が混合冷媒であった場合でも、また
冷房運転の場合でも同様の効果がある。
【0027】図1に示すように、四方弁2を破線表示の
ように切り替えることにより暖房運転のモードになる。
冷媒は、破線矢印のように、圧縮機1−四方弁2−室内
熱交換器3−主減圧装置4−副減圧装置5−室外熱交換
器6−四方弁7−アキュムレータ8と流れ、圧縮機1に
戻る。圧縮機で高温高圧の状態に圧縮された冷媒は、ガ
ス接続配管12を通り室内熱交換器3に流入し、室内熱
交換器3を循環する空気に放熱し、凝縮して液冷媒とな
る。凝縮した液冷媒は、主減圧装置4,液接続配管13
及び副膨張弁5を通り減圧され、所定の圧力となり室外
熱交換器6に流入する。
【0028】室外熱交換器6に流入した冷媒は、室外熱
交換器6を循環する空気から吸熱して蒸発し、四方弁2
を経てアキュムレータ7に流入する。アキュムレータ7
では、圧縮機1に戻る冷媒のかわき度もしくは湿り度が
アキュムレータ内に溜まる液冷媒量により調整され、冷
媒は圧縮機1に吸入される。
【0029】次に、冷凍サイクル内に存在する冷媒量と
アキュムレータ7内に溜まる液冷媒の液面高さの関係に
ついて説明する。
【0030】図2は横軸に冷凍サイクル内に存在する冷
媒量,縦軸にアキュムレータ7内の液冷媒の液面高さを
示し、その両者の関係を表わしている。冷凍サイクル内
に存在する冷媒量が極端に少ない場合は、冷凍サイクル
が冷媒不足状態となり、圧縮機吸入側の液冷媒が完全に
無くなり吐出側配管内の冷媒ガス温度が上昇する。冷凍
サイクル内の冷媒量を徐々に増やしていくと、室外熱交
換器で蒸発できない冷媒が増加しアキュムレータ7内に
溜まる。アキュムレータ7から流出する液冷媒とアキュ
ムレータ7内に流入する液冷媒の量が等しくなるまで
は、アキュムレータ7内の液面高さは変化せず油戻し穴
の高さに保持され、アキュムレータ7に流入する液冷媒
が多くなるとアキュムレータ7内の液冷媒の液面高さは
徐々に上昇する。
【0031】図2に示す関係から、冷凍サイクルに封入
すべき最適な冷媒量は、アキュムレータ7に溜まる液冷
媒の液面高さを検知することで可能となる。すなわち、
液冷媒がアキュムレータ7の油戻し穴の高さ以下の場合
は冷媒過少状態、油戻し穴の高さからある液面高さ(例
えば、5mm)までは適正冷媒封入状態、液面高さ以上の
場合は冷媒過多状態となる。
【0032】すなわち、アキュムレータ7内に溜まる液
冷媒の液面高さを検知することで、冷凍サイクル内の冷
媒量が適切か否かを判定することができる。
【0033】次に、冷凍サイクル内の冷媒量を変える方
法について説明する。
【0034】図1に示すように、冷凍サイクルには、接
続配管が最大長さになる場合でも適切な冷媒量を供給で
きるように冷媒を封入してある冷媒貯留器8があり、冷
媒貯留器は室外熱交換器に流入する空気、もしくは冷凍
サイクルの低圧部と熱交換可能のように配設されてい
る。冷媒貯留器8内の圧力は、冷凍サイクルの高圧圧力
と低圧圧力との間にある。
【0035】吐出側配管と連結されるバイパス管11a
に付設する第1開閉弁9を開けた場合は、冷媒貯留器8
内の圧力が吐出側配管内の圧力より低いため、冷媒貯留
器8内に高圧のガス冷媒が流入し、冷媒貯留器8内で凝
縮し液化して溜まる。また、吸入側配管と連結されるバ
イパス管11bに付設する第2開閉弁10を開けた場合
は、冷媒貯留器8内の圧力が吸入側配管の圧力よりも高
いため、冷媒貯留器8から冷媒が流出する。
【0036】すなわち、バイパス管に付設する第1開閉
弁9及び第2開閉弁10を調整することにより、冷凍サ
イクル内の冷媒量を可変することができることになる。
【0037】図3は余剰冷媒調整方法のフローチャート
である。
【0038】冷凍サイクルの制御系統は、図1に示すよ
うに、マイクロコンピュータ17と、これに接続される
メモリ部18と第1開閉弁9及び第2開閉弁10を駆動
する開閉弁駆動装置16と、アキュムレータ7内の液冷
媒の液面高さを検知する液面高さ検知部15と、これに
接続された液面センサ14により構成されている。
【0039】メモリ部18には、アキュムレータ7内の
液冷媒の液面高さと冷媒封入量の関係から冷媒過少状態
となる場合と冷媒過多状態となる場合の液面高さの設定
値が記憶され、マイクロコンピュータ17からの要求に
応じてその設定値を送り込むようになっている。
【0040】液面高さ検知部15は、アキュムレータ7
内に設置されている液面センサ14からアキュムレータ
7内に溜まる液冷媒の液面高さの検出値を取り込み、検
出した値をマイクロコンピュータ17が認識できる電気
信号に変換し、マイクロコンピュータ17に送り込む。
【0041】マイクロコンピュータ17は、上述の各部
から検出値を取り込み、第1開閉弁9及び第2開閉弁1
0の開閉信号を開閉弁駆動装置16に送り込む。
【0042】冷凍サイクルの運転が開始された場合に
は、図3に示すように、運転開始からΔT秒経過後に液
面検知部15は、アキュムレータ7内の液冷媒の液面高
さHLを液面センサ14により検出し、その値HLはマ
イクロコンピュータ17に入力される。
【0043】次に、メモリ部18に予め設定されている
冷媒過少状態の液面高さの値α1及び冷媒過多状態の液
面高さの値α2と検出値HLを比較する。
【0044】HL<α1の場合は、アキュムレータ7内
に液冷媒が存在していないため、冷凍サイクル内に封入
されている冷媒量が少ないことを意味しており、冷凍サ
イクル内の冷媒量を増やす必要がある。そこで、吸入側
配管と連結するバイパス管11bに付設する第2開閉弁
10をA2秒間開けて、余剰冷媒貯留器内8の冷媒をあ
る量だけ冷凍サイクル内に放出し、第2開閉弁10を閉
じる。
【0045】HL>α2の場合は、アキュムレータ7内
に液冷媒が余分に存在しているため、冷凍サイクル内に
封入されている冷媒量が多いことを意味しており、冷凍
サイクル内の冷媒量を減らす必要がある。そこで、吐出
側配管と連結するバイパス管11aに付設する第1開閉
弁9をA1秒間開けて、余剰冷媒貯留器8内に冷媒をあ
る量だけ貯留し、第1開閉弁9を閉じる。
【0046】前述したどの判定条件も満たさない場合
は、冷凍サイクル内の冷媒量が適切であることを意味し
ており、冷凍サイクルを最適に運転できるため、現在の
状態を維持するようにする。
【0047】以上のように、アキュムレータ7内に溜ま
る液冷媒の液面高さを検知し、液面高さの信号に応じて
第1開閉弁9及び第2開閉弁10を調整して余剰冷媒貯
留器8から冷媒を出し入れすることにより、接続配管長
が異なる場合や空気条件が変化する場合でも常に最適な
冷媒量で運転することができ、冷凍サイクルの性能を最
高の状態にすることができる。また、アキュムレータ7
内の液冷媒の液面高さを調整しているため、圧縮機吸入
側への液戻り量を最適にすることができ、圧縮機の信頼
性も向上させることができる。
【0048】[実施例2]次に、冷媒量判定手段の他の
実施例について図4ないし図11により説明する。
【0049】図4は冷媒量判定手段として圧縮機吸入側
のボイド率を検知する方法とした冷凍サイクルの系統
図、図5は冷凍サイクル内の冷媒量と圧縮機吸入部のボ
イド率との特性図を示す。
【0050】図6は冷媒量判定手段として減圧装置の減
圧量と凝縮器として作用している熱交換器の冷媒過冷却
度を検知する方法とした冷凍サイクルの系統図、図7
は、冷凍サイクル内の冷媒量と凝縮器として作用してい
る熱交換器の冷媒過冷却度及び減圧装置の減圧量との系
統図を示す。
【0051】図8は冷媒量判定手段として冷凍サイクル
の発生能力を検知する方法とした冷凍サイクルの系統
図、図9は冷凍サイクル内の冷媒量と冷凍サイクルの発
生能力との関係を示す。
【0052】図10は冷媒量判定手段として冷凍サイク
ルの高圧部もしくは低圧部の圧力と室内及び室外熱交換
器に流入する非冷却流体の入口温度を検知する方法とし
た冷凍サイクルの系統図、図11は冷凍サイクル内の冷
媒量と冷凍サイクルの圧力及び熱交換器に流入する非冷
却流体の温度との関係を示す。
【0053】図4に示す冷媒量判定手段は、圧縮機吸入
部にボイド率センサ20(例えば、静電容量センサ)と
該ボイド率センサ20の信号から圧縮機吸入部を流通す
る冷媒のボイド率を検知するボイド率検知部21を設け
た構成としている。
【0054】図5は横軸に冷凍サイクル内に存在する冷
媒量,縦軸に圧縮機吸入部のボイド率を示し、その両者
の関係を表している。冷凍サイクル内に存在する冷媒量
が少ない場合は、蒸発器として作用する熱交換器内で完
全に蒸発するため、圧縮機吸入部に付設するボイド率セ
ンサ20を流通する冷媒は過熱ガス状態となり、ボイド
率は1となる。冷凍サイクル内の冷媒量を徐々に増やし
ていくと、蒸発器として作用している熱交換器内だけで
は完全に蒸発しきれなくなるため、ボイド率センサ20
を流通する冷媒は過熱ガス状態から湿り状態に移行し、
ボイド率は徐々に小さくなる。
【0055】図5に示す関係から、冷凍サイクルに封入
すべき最適な冷媒量は、圧縮機吸入部に付設するボイド
率センサ20によりセンサを流通する冷媒のボイド率を
検知することで可能となる。すなわち、ボイド率の値が
1の場合は冷媒過少状態、ボイド率の値がある値(例え
ば、0.9)までは適正冷媒封入状態、前述した以外す
なわちボイド率の値が小さい場合は冷媒過多状態とな
る。
【0056】以上、前述したように、圧縮機吸入部にボ
イド率センサ20を配設することにより冷凍サイクル内
の冷媒量が適切か否かを判定することができる。
【0057】また、図6に示す冷媒量判定手段は、室外
及び室内熱交換器の液側部に温度検知センサ22a,2
2b及び圧縮機吐出部に圧力センサ23を設け、センサ
からの信号により凝縮器として作用している熱交換器の
冷媒過冷却度を検出する過冷却度検出部24と、冷凍サ
イクルに付設する主減圧装置4の減圧量を検知する減圧
量検知部25を設けた構成としている。
【0058】図7は横軸に冷凍サイクル内に存在する冷
媒量,縦軸に凝縮器として作用する熱交換器の冷媒過冷
却度を示し、両者の関係を主減圧装置4の減圧量をパラ
メータとして表している。主減圧装置4の減圧量が大き
くなると、凝縮器として作用している熱交換器に液冷媒
が溜まるため該熱交換器の冷媒過冷却度は大きくなる。
また、冷凍サイクル内への冷媒量を増加させた場合も同
様に各構成機器内の冷媒量が増加するため、凝縮器とし
て作用する熱交換器の冷媒過冷却度が大きくなる。ただ
し、減圧量を一定とした場合は、冷凍サイクル内に存在
する冷媒量と冷媒過冷却度は比例の関係がある。
【0059】図7の関係から、冷凍サイクルに封入すべ
き最適な冷媒量は、主減圧装置4の減圧量に対して決ま
る凝縮器として作用する熱交換器の冷媒過冷却度を検知
することで可能となる。すなわち、ある減圧量(例え
ば、膨張弁開度が300パルス)において、冷媒過冷却
度が0の場合は冷媒過少状態、冷媒過冷却度の値がある
値(例えば、3)までは適正冷媒封入状態、前述した以
外すなわち冷媒過冷却度の値が大きい場合は冷媒過多状
態となる。
【0060】以上、前述したように、主減圧装置4の減
圧量と凝縮器として作用する熱交換器の冷媒過冷却度及
び減圧装置の減圧量を検知することにより冷凍サイクル
内の冷媒量が適切か否かを判定することができる。
【0061】また、図8に示す冷媒量判定手段は、室内
熱交換器に流入及び流出する非冷却流体(例えば、空
気)の温度を検知する温度センサ26a,26bを室内
熱交換器に設け、温度センサ26a,26bの信号を温
度として認識できるようにする温度検知部27との室内
熱交換器で発生している能力をセンサの信号を用いて演
算する能力演算部28とを設けた構成としている。
【0062】図9は横軸に冷凍サイクル内に存在する冷
媒量,縦軸に室内熱交換器での発生能力を示し、両者の
関係を表している。冷凍サイクル内に存在する冷媒量が
少ない場合は、冷凍サイクルを循環する冷媒量が少ない
ため室内熱交換器での発生能力は小さくなる。また、冷
凍サイクル内に存在する冷媒量が多くなる場合は、冷凍
サイクルを循環する冷媒量が多くなるため室内熱交換器
での発生能力も大きくなる。
【0063】図9の関係から、冷凍サイクルに封入すべ
き最適な冷媒量は、室内熱交換器での発生能力を検知
し、冷凍サイクルの定各能力に達しているか否かを判定
することで可能となる。すなわち、冷凍サイクルの定各
能力よりも室内熱交換器での発生能力が低い場合は冷媒
過少状態、室内熱交換器での発生能力が定各能力もしく
は定各能力付近の場合は適正冷媒封入状態、室内熱交換
器での発生能力が定各能力よりも大きい場合は冷媒過多
状態となる。
【0064】以上、前述したように、室内熱交換器での
発生能力を検知することにより冷凍サイクル内の冷媒量
が適切か否かを判定することができる。
【0065】また、図10に示す冷媒量判定手段は、室
内熱交換器もしくは室外熱交換器に流入する非冷却流体
(例えば、空気)の流通路に温度センサ29a,29b
を設け、温度センサ29a,29bの信号により該熱交
換器に流入する非冷却流体の温度を検知する温度検知部
27を設けるとともに、圧縮機吐出部に圧力センサ23
を設け、圧力センサ23の信号により圧縮機吐出部の圧
力値を検知する圧力検知部30とを設けた構成としてい
る。
【0066】図11は横軸に冷凍サイクル内に存在する
冷媒量,縦軸に圧縮機吐出部の圧力を示し、両者の関係
を室内熱交換器に流入する非冷却流体の温度をパラメー
タとして表している。例えば、暖房運転の場合は、室内
熱交換器に流入する非冷却流体の温度が低い場合、該熱
交換器の冷媒温度が低い状態でも十分に熱交換するた
め、圧縮機吐出部の圧力も低くなり、非冷却流体の温度
が高い場合、該熱交換器の冷媒温度も高い状態にならな
いと十分に熱交換しなくなるため、圧縮機吐出部の圧力
も上昇する。また、冷凍サイクル内に存在する冷媒量が
少ない場合、凝縮器として作用する室内熱交換器内に存
在する液冷媒が少なくなるため、圧縮機吐出部の圧力も
低くなり、冷媒量が多い場合、室内熱交換器内に存在す
る液冷媒も多くなり、熱交換器として有効に作用してい
る面積が少なくなるため該熱交換器の圧力が上昇するた
め、圧縮機吐出部の圧力も上昇する。
【0067】図11の関係から、冷凍サイクルに封入す
べき最適な冷媒量は、室内熱交換器もしくは室外熱交換
器に流入する非冷却流体の温度に対して決まる圧縮機吐
出部の圧力を検知することで可能となる。すなわち、あ
る非冷却流体の温度(例えば、20℃)において、圧縮
機吐出部の圧力が非冷却流体の温度により決まる定各圧
力よりも低い場合は冷媒過少状態、圧縮機吐出部の圧力
が定各圧力もしくは定各圧力付近の場合は適正冷媒封入
状態、前述した以外すなわち圧縮機吐出部の圧力が定各
圧力以上の場合は冷媒過多状態となる。
【0068】以上、前述したように、室内熱交換器もし
くは室外熱交換器に流入する非冷却流体の温度と圧縮機
吐出部の圧力を検知することにより冷凍サイクル内の冷
媒量が適切か否かを判定することができる。
【0069】ここで、前述した冷媒量判定手段の内、い
くつかの方法を組み合わせることにより、更により精度
の高い方法となり、本発明の域を脱するものではない。
【0070】[実施例3]次に、本発明の冷凍サイクル
を具備した空調機の据付け作業方法について説明する。
【0071】図12は本発明の冷凍サイクルを具備した
空調機の据付け作業方法を示したフローチャートであ
る。
【0072】室内ユニットは、室内熱交換器3,主減圧
装置4等により構成される。また、室外ユニットは、圧
縮機1,四方弁2,室外熱交換器6,アキュムレータ7
及び冷媒量調整用の冷媒貯留器8及び第1開閉弁9,第
2開閉弁10等により構成される。冷媒貯留器8には、
該貯留器から冷媒が漏れないように開閉弁(図示せず)が
設けられている。また、室外ユニットには、標準の接続
配管(例えば、5m)を行った場合に最適な冷凍サイク
ルの運転状態となる分の冷媒が冷凍サイクル内に封入さ
れており、且つ冷媒貯留器には、最長接続配管(例え
ば、50m)にした場合でも最適な冷凍サイクルの運転
状態となる分の冷媒が封入されている。
【0073】空調機の据付け作業の手順は、まず室内及
び室外ユニットを決められた場所に設置し、各ユニット
のガス側及び液側接続部を断熱材等を巻いた銅配管等で
接続し、室内ユニット及びガス側及び液側接続配管内を
真空にし、室外ユニットに設けられているガス側及び液
側の開閉弁を開け、冷媒を室内ユニット及び接続配管内
に放出する。
【0074】次に、試運転モードで空調機の運転を開始
し、本発明の冷媒量調整運転を開始する。前述した冷媒
量判定手段により、空調機の接続状態に最適な冷媒量に
調整された後に、室外ユニットに設けられている冷媒貯
留器8を外し、据付け作業が完了する。
【0075】以上述べたように、空調機が設置されてい
る状態で最適な冷媒量に調整されるため、最適な状態で
空調機の運転が可能となるとともに、据付け完了後に冷
媒貯留器8を外すため、室外ユニット1台に一つの冷媒
貯留器8を製作する必要がなく、冷媒貯留器8の製作個
数を低減できるため、製造コストを低減することができ
る。
【0076】また、空調機を廃棄処分する際には、冷媒
貯留器8を冷媒回収用として使用することが可能とな
り、且つ本発明の冷凍サイクルには、冷媒回収を行うた
めのポートがあるため、大気への冷媒放出量を低減する
ことができ、地球環境を保護する空調機を提供すること
ができる。
【0077】[実施例4]次に、本発明の他の実施例に
ついて図13ないし図15にて説明する。
【0078】図13は冷媒量可変手段を備えた冷凍サイ
クルの系統図、図14は冷媒量可変手段を備えた冷凍サ
イクルを用いて冷凍サイクルの運転範囲を拡大する制御
方法を表したフローチャート、図15は冷凍サイクルを
用いて冷凍サイクルでの発生能力を調整する制御方法を
表したフローチャートをそれぞれ示している。
【0079】図13に示す冷凍サイクルは、図1に示す
冷凍サイクルの構成とほぼ同様であり、冷凍サイクルの
運転状態を検知するセンサとして、室内熱交換器に流入
及び流出する非冷却流体(例えば、空気)の温度を検知す
る温度センサ26a,26bが該熱交換器の非冷却流体
の流通路に配設され、また圧縮機吐出部の圧力を検知す
る圧力センサ23が設けられている。
【0080】冷凍サイクルの制御系統は、図13に示す
ように、マイクロコンピュータ17と、これに接続され
るメモリ部18と第1開閉弁9及び第2開閉弁10を駆
動する開閉弁駆動装置16と、室内熱交換器に流入及び
流出する非冷却流体の温度を認識する温度検知部27
と、該温度検知部27の値をもとに冷凍サイクルでの発
生能力を演算する能力演算部28と、圧縮機吐出部の圧
力を認識する圧力検知部30により構成されている。
【0081】メモリ部18には、冷凍サイクルの最高使
用圧力値(例えば、3MPa)及び外気温度に応じた定
各能力値が記憶され、マイクロコンピュータ17からの
要求に応じてその設定値を送り込むようになっている。
【0082】能力検知部28は、温度検知部27で検知
され変換された室内熱交換器に流入及び流出する非冷却
流体の温度値をもとに、該熱交換器の風量設定値から求
まる風量及び温度検知部27で検出された非冷却流体の
入口温度により求まる非冷却流体の諸物性から該熱交換
器での発生能力を演算し、演算した値をマイクロコンピ
ュータ17が認識できる電気信号に変換し、マイクロコ
ンピュータ17に送り込む。
【0083】圧力検知部30は、圧縮機吐出部に配設し
た圧力センサ23からの検出値を取り込み、検出した値
をマイクロコンピュータ17が認識できる電気信号に変
換し、マイクロコンピュータ17に送り込む。
【0084】マイクロコンピュータ17は、上述の各部
から検出値を取り込み、第1開閉弁9及び第2開閉弁1
0の開閉信号を開閉弁駆動装置16に送り込む。
【0085】次に、冷凍サイクルを用いた運転範囲拡大
制御方法及び発生能力調整制御方法について説明する。
【0086】まず、運転範囲拡大制御方法について、図
14に示すフローチャートで説明する。
【0087】冷凍サイクルの運転が開始された場合、図
14に示すように、運転開始からΔT秒経過後に圧縮機
吐出部に配設した圧力センサ23により圧縮機吐出部の
圧力値Phを検出し、その値Phはマイクロコンピュー
タ17に入力され、メモリ部18に予め記憶されている
冷凍サイクルの最高使用圧力値Pmaxと比較する。
【0088】比較した値がPh>Pmaxの関係の場
合、冷凍サイクルが安全に耐えられる圧力値を超えてい
るため、冷凍サイクルの圧力を下げる必要がある。そこ
で、冷媒貯留器8に付設する第1開閉弁9を開け、冷凍
サイクル内に存在する冷媒を冷媒貯留器8に溜めて、冷
凍サイクル内の冷媒量を減らすようにする。
【0089】比較した値がPh<Pmaxの関係の場
合、まず、第1開閉弁9が開いているか否かを判断し、
第1開閉弁9が開の場合は、冷凍サイクルが安全に運転
できる圧力となっているためこれ以上冷媒貯留器8に冷
媒を溜めて冷凍サイクル内の圧力を下げる必要がないた
め、第1開閉弁9を閉じる。一方、第1開閉弁9が閉の
場合は、前記と同じく冷凍サイクルが安全に運転できる
圧力となっているため、現在の状態を維持するように動
作する。
【0090】以上述べたように、冷凍サイクルの運転圧
力が高い場合は冷凍サイクル内から冷媒貯留器8に冷媒
を溜めるようにすることで、冷凍サイクル内の冷媒量が
減少し運転圧力を下げることができるため、冷凍サイク
ルを運転できる条件を拡大することが可能となる。ま
た、冷凍サイクルに新規に封入する冷媒が以前使用して
いた冷媒よりも圧力が上がりやすい特性を持ったもので
も、冷凍サイクル内の冷媒量を調整することにより、運
転範囲を狭めることなく運転可能とすることができる。
【0091】次に、冷凍サイクルの発生能力調整制御方
法について、図15のフローチャートにより説明する。
【0092】冷凍サイクルの運転が開始された場合、図
15に示すように、運転開始からΔT秒経過後に圧縮機
吐出部に配設した圧力センサ23により圧縮機吐出部の
圧力値Ph,室内熱交換器の非冷却流体の流通路に配設
した温度センサ26a,26bにより該室内熱交換器に
流入及び流出する非冷却流体の温度Tai,Taoを検
出する。検出した圧力値Phはマイクロコンピュータ1
7に入力され、検出した非冷却流体の温度Tai,Ta
oは能力演算部28に入力され、室内ユニットで設定さ
れている風量Vaと非冷却流体の入口温度から求まる非
冷却流体の物性値Nai及び発生能力補正値Raを用い
て次式により室内熱交換器での発生能力Qが計算され、
演算された値Qはマイクロコンピュータ17に入力され
る。
【0093】 暖房運転:Q=(Tao−Tai)×Va×Nai×Ra …(1) 冷房運転:Q=(Tai−Tao)×Va×Nai×Ra …(2) 次に、メモリ部18に予め設定されている冷凍サイクル
の最高使用圧力値Pmaxと比較する。
【0094】比較した値がPh<Pmaxの関係の場
合、冷凍サイクルの運転圧力は安全な状態であるため、
冷凍サイクル内に冷媒を放出して発生能力を拡大するこ
とができると判断される。次に、現在の発生能力Qと冷
凍サイクルが発生すべき定各発生能力βとを比較する。
比較した値がQ<βの関係の場合、冷凍サイクル内の冷
媒量を増加して発生能力Qを増加させるようにするため
に、冷媒貯留器8に付設する第2開閉弁10を開けて冷
媒貯留器8内の冷媒を冷凍サイクル内に放出する。
【0095】一方、圧力の比較値がPh>Pmaxの状
態や発生能力の比較値がQ>βの場合、冷凍サイクル内
の冷媒量が現在の空調場で必要としている量よりも多い
ことを意味しており、これ以上の冷媒量はいらないため
第2開閉弁10を閉じて冷媒貯留器8から冷凍サイクル
内への冷媒放出を止める。
【0096】以上述べたように、本発明では、空調場で
必要としている能力に対して冷凍サイクルが安全に運転
できる範囲内で能力調整を行うことができるため、安全
で且つ快適な空調機を提供することができる。
【0097】ここで、定各発生能力βの値として、空調
場の状態量を検出しPMV等の方法により快適度を検出
し、ファジィ制御やニューロ制御等によりβの値を可変
できるようにすることにより、さらに快適で且つ無駄な
電気を消費しない省エネルギな空調機を提供することが
できる。
【0098】以上述べた実施例において、冷凍サイクル
に用いられる冷却流体として、少なくとも沸点の異なる
二種類の冷媒を混合した場合、冷媒貯留器8に付設する
第1開閉弁9び第2開閉弁10を調整することにより、
冷凍サイクル内の冷媒量を自由に可変し、主減圧装置4
の減圧量を調整することにより、冷凍サイクルを循環す
る冷媒の組成を自由に変えることができる。これによ
り、冷凍サイクルの運転ポイントを自由に変えることが
でき、空調場に合わせて能力重視型の運転,消費エネル
ギ重視型の運転が可能となる。
【0099】例えば、ジフルオロメタンと1,1,1,
2−テトラフルオロエタンを混合した場合、冷凍サイク
ル内の冷媒量を増加して主減圧装置4の減圧量を少なく
すると、蒸発器側の冷媒量が増加するため圧縮機吸入側
に液冷媒が多く戻りアキュムレータ7内に冷媒が溜ま
る。アキュムレータ7内の混合冷媒は、内部で気液分離
を起こして高沸点冷媒である1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタンの多い液冷媒がアキュムレータ7内に溜ま
るため、冷凍サイクルを循環する冷媒はジフルオロメタ
ンの比率が大きくなる。ジフルオロメタンは、潜熱量が
大きく比容積が小さい冷媒であるため、同一の圧縮機を
用いた場合は、冷凍サイクルでの発生能力を大きくでき
る。
【0100】すなわち、冷凍サイクルを循環する冷媒の
組成を変化させることにより、冷凍サイクルの容量を拡
大したり、縮小させることができる。
【0101】ここで、混合冷媒の種類として、ジフルオ
ロメタンと1,1,1,2−テトラフルオロエタンとペ
ンタフルオロエタンを混合した場合や、1,1,1,2
−テトラフルオロエタンと1,1,1−トリフルオロエ
タンを混合した場合や、1,1,1,2−テトラフルオ
ロエタンとペンタフルオロエタンと1,1,1−トリフ
ルオロエタンを混合した場合等についても同様の効果を
得ることができる。
【0102】また、上記の実施例の冷凍サイクルに用い
られる冷媒として、ジフルオロメタン、1,1,1,2
−テトラフルオロエタン,ペンタフルオロエタン、1,
1,1−トリフルオロエタン等の塩素を含有しないHF
C系の冷媒を用いることにより、オゾン層の破壊を防
ぎ、地球環境に対して安全な空調機を提供することがで
きる。
【0103】また、本実施例のボイド率検知部,主減圧
装置の減圧量検知部,温度検知部,圧力検知部及び能力
演算部等は、マイクロコンピュータ内部に設けられてい
ても同様の効果があり、本発明の域を脱するものではな
い。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、最大接続配管長分の冷
媒を初期封入してなる冷凍サイクルにおいて、冷凍サイ
クルの運転状態が変化する場合でも冷凍サイクル内の冷
媒量を常に最適となるようにするため、冷凍サイクルの
運転を安定に保ち、且つ運転性能を最適な状態に保つこ
とができる冷凍サイクルを提供することができる。
【0105】また、冷凍サイクル内に封入する冷媒が非
共沸混合冷媒の場合には冷凍サイクル内を循環する冷媒
の組成変化を抑制することができる冷凍サイクルを提供
することができる。
【0106】さらに、冷凍サイクルの発生能力を空調負
荷に応じて可変したり、冷凍サイクル内に放出される冷
媒量を調整することにより、冷凍サイクルの運転範囲を
拡大したり、発生能力を調整したりすることができる冷
凍サイクルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷凍サイクルの一実施例に係わる余剰
冷媒量調整手段を設けた冷凍サイクルの系統図。
【図2】冷凍サイクル内に封入されている冷媒量とアキ
ュムレータ内に溜まる液冷媒の液面高さとの特性図。
【図3】余剰冷媒調整手段を具備した冷凍サイクルにお
ける余剰冷媒調整方法を示したフローチャート。
【図4】本発明の他の実施例に係わる冷凍サイクルに設
けた冷媒量判定手段の具体的な構造を示し、圧縮機吸入
部のボイド率を検知する方法とした冷凍サイクルの系統
図。
【図5】冷凍サイクル内に封入されている冷媒量と圧縮
機吸入部を流通する冷媒のボイド率との特性図。
【図6】本発明の他の実施例に係わる冷凍サイクルに設
けた冷媒量判定手段の具体的な構造を示し、主減圧装置
の減圧量及び凝縮器として作用する熱交換器の冷媒過冷
却度を検知する方法とした冷凍サイクルの系統図。
【図7】冷凍サイクル内に封入されている冷媒量と凝縮
器として作用する熱交換器の冷媒過冷却度及び主減圧装
置の減圧量との特性図。
【図8】本発明の他の実施例に係わる冷凍サイクルに設
けた冷媒量判定手段の具体的な構造を示し、室内熱交換
器での発生能力を検知する方法とした冷凍サイクルの系
統図。
【図9】冷凍サイクル内に封入されている冷媒量と室内
熱交換器での発生能力との特性図。
【図10】本発明の他の実施例に係わる冷凍サイクルに
設けた冷媒量判定手段の具体的な構造を示し、圧縮機吐
出部の圧力及び熱交換器に流入する非冷却流体の温度を
検知する方法とした冷凍サイクルの系統図。
【図11】冷凍サイクル内に封入されている冷媒量と圧
縮機吐出部の圧力及び熱交換器に流入する非冷却流体の
温度との特性図。
【図12】本発明の他の実施例に係わる余剰冷媒量調整
手段を具備した冷凍サイクルの据付け作業方法を示した
フローチャート。
【図13】本発明のさらに他の実施例に係わる容量制御
手段を備えた冷凍サイクルの系統図。
【図14】容量制御手段を備えた冷凍サイクルを用いた
運転範囲拡大制御法を示したフローチャート。
【図15】容量制御手段を備えた冷凍サイクルを用いた
発生能力調整制御法を示したフローチャート。
【符号の説明】
1…圧縮機、3…室内熱交換器、4…主減圧装置、6…
室外熱交換器、7…アキュムレータ、8…冷媒貯留器、
9…第1開閉弁、10…第2開閉弁、11a,11b…
バイパス管、14…液面検知センサ、15…液面高さ検
知部、16…開閉弁駆動装置、17…マイクロコンピュ
ータ、18…メモリ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪江 宏明 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機,室内熱交換器,減圧装置,室外熱
    交換器,アキュムレータを順次配管により接続してなる
    冷凍サイクルにおいて、前記冷凍サイクルの圧縮機吐出
    側配管部と圧縮機吸入側配管部とを接続する配管を設
    け、前記接続した配管には冷凍サイクル内に封入した冷
    媒の内余剰冷媒を貯留するための冷媒貯留器を設け、前
    記冷媒貯留器の前後には冷媒貯留器から流入或いは流出
    する冷媒を塞き止めるために圧縮機吐出側配管部側に第
    1開閉弁を、圧縮機吸入側配管部側に第2開閉弁を設け
    ると共に、前記冷凍サイクル内の冷媒量を判定する冷媒
    量判定手段を設けたことを特徴とする冷凍サイクル。
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