JPH09270594A - 部品供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ部品吸着のための時間を短く、かつチ
ップ部品を適切に吸着させることができる部品供給装置
を提供することを目的とする。 【解決手段】 チップ収容凹部６に収容したチップ部品
Ａを吸着位置Ｐに向かって間欠送りするキャリアテープ
２と、吸着位置においてキャリアテープ２に進退自在に
摺接しチップ収容凹部６を開閉するシャッタ９とを備
え、キャリアテープ２が停止した後シャッタ９を開動作
させて、チップ部品Ａを吸着可能な状態にする部品供給
装置において、シャッタ９のキャリアテープ２側の面に
は、閉塞状態においてチップ収容凹部６に収容したチッ
プ部品Ａにわずかな間隙を存して対峙する突出部１０が
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、吸着位置におい
て、シャッタによりキャリアテープのチップ収容凹部を
開放し、吸着ノズルによるチップ部品の吸着を可能にす
る部品供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の部品供給装置として、特
開平５−３３５７８５号公報に記載されたものが知られ
ている。この部品供給装置は、各チップ収容凹部に収容
したチップ部品をキャリアテープにより間欠送りしなが
ら吸着位置に臨ませると共に、吸着位置に配設したシャ
ッタによりチップ収容凹部を開放して吸着ノズルにチッ
プ部品を供給するものである。吸着位置では、キャリア
テープが停止するとシャッタが開動作し、続いて吸着ノ
ズルが下降してチップ部品を吸着する。

【０００３】図３に示すように、キャリアテープ３１
は、下側のベースプレート３２と上側のサプレッサ３３
とで構成されたテープ通路３４に案内された間欠送りさ
れる。一方、シャッタ３５は、基部側をサプレッサ３３
に形成した縦スリットに案内され、キャリアテープ３１
の上面に進退自在に摺接して吸着位置に臨んだキャリア
テープ３１のチップ収容凹部３６を開閉する。同図
（ａ）に示すように、キャリアテープ３１が前方に送り
出される状態では、シャッタ３５は閉位置にある。吸着
すべきチップ部品Ａが吸着位置に達すると、キャリアテ
ープ３１は停止する（同図（ｂ））。キャリアテープ３
１が停止すると、シャッタ３５が開位置に移動し、続い
て吸着ノズル３７が下降してチップ部品Ａを吸着する
（同図（ｃ））。以降、吸着ノズル３７が上昇すると共
にシャッタ３５が閉じ、元の状態に復帰する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の部品
供給装置では、キャリアテープ３１に摺接するシャッタ
３５の下面が平坦面で構成されているため、シャッタ３
５の下面とチップ収容凹部３６に収容されているチップ
部品Ａとの間に大きな間隙が生じている。このため、キ
ャリアテープ３１の送りを停止した瞬間、慣性などによ
りチップ収容凹部３６内でチップ部品Ａが大きく踊るよ
うに動揺し、この動揺が収まるまでにシャッタ３５が開
くと、吸着位置でチップ部品Ａが立ったり、片側に寄っ
たり、チップ収容凹部３６から飛び出したりして、チッ
プ部品Ａが不適切に姿勢で吸着され、或いは吸着ミスが
生ずる不具合があった。もちろん、動揺が収まってから
シャッタ３５を開くようにすれば、かかる不具合は解消
されるが、チップ部品Ａを吸着するための時間が長くな
ってしまう問題が生ずる。

【０００５】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、チップ部品吸着のための時間を短
く、かつチップ部品を適切に吸着させることができる部
品供給装置を提供することをその目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の部品供給装置
は、チップ部品をチップ収容凹部に収容し吸着位置に向
かって間欠送りするキャリアテープと、吸着位置におい
てキャリアテープに進退自在に摺接しチップ収容凹部を
開閉するシャッタとを備え、キャリアテープが停止した
後シャッタを開動作させて、チップ部品を吸着可能な状
態にする部品供給装置において、シャッタのキャリアテ
ープ側の面には、閉塞状態においてチップ収容凹部に収
容したチップ部品にわずかな間隙を存して対峙する突出
部が設けられていることを特徴とする。

【０００７】この構成によれば、シャッタのキャリアテ
ープ側の面に、閉塞状態においてチップ収容凹部に収容
したチップ部品にわずかな間隙を存して対峙する突出部
が設けられているため、キャリアテープが停止した瞬間
に生ずるチップ部品の動揺が、小さな振幅に押さえら
れ、シャッタが開放した後、チップ部品がチップ収容凹
部から飛び出したり、チップ収容凹部内で立ち上がった
りすることがない。また、開動作の際にシャッタは、そ
の突出部がチップ収容凹部の縁に摺接してわずかに浮き
上がる。このため、動揺するチップ部品がシャッタに当
たることによりその跳ね上がる力が吸収され、チップ部
品の動揺が比較的早く収束する。

【０００８】請求項１の部品供給装置において、突出部
のキャリアテープ側の面はシャッタの進退方向において
湾曲しており、突出部の進退方向の長さはチップ収容凹
部の長さより長いことが、好ましい。

【０００９】この構成によれば、突出部のキャリアテー
プ側の面がシャッタの進退方向において湾曲しているた
め、シャッタが円滑に開閉動作され、シャッタの開閉動
作がチップ部品の動揺を助長することがない。また、突
出部の進退方向の長さはチップ収容凹部の長さよりた
め、開閉動作するシャッタが、チップ収容凹部の縁部に
支えることがなく、突出部を有するシャッタを円滑に開
閉動作させることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の部品供給装置の好適な実施形態について詳細に説明
する。図１は部品供給装置の要部を示す側面図である。
同図に示すように、この部品供給装置１には、チップ部
品Ａを装填したキャリアテープ２を搬送するためのテー
プ通路３が設けられている。テープ通路３は、下側のベ
ースプレート４と上側のサプレッサ５とで構成されてお
り、キャリアテープ２はこのテープ通路３に案内されて
前方に間欠送りされる。

【００１１】キャリアテープ２には、等間隔に多数のチ
ップ収容凹部６が形成され、各チップ収容凹部６にはチ
ップ部品Ａが収容されている。この状態でキャリアテー
プ２には、収容したチップ部品Ａが脱落しないようにチ
ップ収容凹部６を蓋するカバーテープ７が設けられてお
り、カバーテープ７はテープ通路３の途中で、爪片８に
より引き剥されるようになっている。すなわち、キャリ
アテープ２は、カバーテープ７を引き剥された状態で吸
着位置Ｐに臨む。

【００１２】チップ部品Ａの吸着位置Ｐには、図示しな
い駆動手段によりキャリアテープ２に摺接するようにし
て進退するステンレス製のシャッタ９が設けられ、シャ
ッタ９は、キャリアテープ２の間欠送りに同期して、キ
ャリアテープ２のチップ収容凹部６を開閉させる。シャ
ッタ９は板状の部材を起立させたものであり、サプレッ
サ５に形成した縦スリットに案内されて進退する。すな
わち、シャッタ９はチップ収容凹部６の幅方向の中間位
置に臨み、サプレッサ５はその両側部に臨んで、チップ
部品Ａの脱落を阻止している。そして、吸着位置Ｐでは
サプレッサ５から解放されたチップ収容凹部６にシャッ
タ９のみが臨み、チップ収容凹部６を開閉させる。

【００１３】図２に示すように、シャッタ９の前端部下
面には、吸着位置Ｐで停止したキャリアテープ２のチッ
プ収容凹部６内に突出する突出部１０が設けられてい
る。突出部１０は弧状に湾曲形成され、その前後方向の
長さはチップ収容凹部６の前後方向の長さよりわずかに
長く形成されている。この状態でシャッタ９は、突出部
１０によりキャリアテープ２からわずかに浮いた状態で
チップ収容凹部６を閉塞し、かつその下端中央部はチッ
プ収容凹部６内に突出してチップ部品Ａとわずかな間隙
を存して対峙している（同図（ｂ）参照）。

【００１４】次に、図２を参照して一連の吸着動作につ
いて説明する。同図（ａ）は、キャリアテープ２が送ら
れて行く状態を示しており、この時シャッタ９は、閉位
置に停止している。吸着すべきチップ部品Ａが吸着位置
Ｐに達すると、キャリアテープ２が走行を停止すると共
に、シャッタ９がチップ収容凹部６を閉塞した状態にな
る（同図（ｂ）参照）。キャリアテープ２が停止する
と、チップ収容凹部６内のチップ部品Ａは慣性により踊
るようにして動揺するが、シャッタ９の突出部１０によ
り動揺を小さく押さえられる。続いて、シャッタ９が後
退して（開動作）チップ収容凹部６が開放される（同図
（ｃ）参照）。チップ収容凹部６が開放されると、吸着
ノズル１１が下降してチップ部品Ａを吸着し、続いて上
昇する。その後、シャッタ９が閉動作し、再度キャリア
テープ２の間欠送りが行われる。

【００１５】以上のように本実施形態によれば、シャッ
タ９の下面に、吸着位置Ｐで停止したキャリアテープ２
のチップ収容凹部６内に突出する突出部１０が設けら
れ、この突出部１０がチップ収容凹部６内のチップ部品
Ａとわずかな間隙を存して対峙するようになっているた
め、キャリアテープ２の停止時に生ずるチップ部品Ａの
動揺が小さく押さえられる。このため、シャッタ９が開
放したときにチップ部品Ａが立ち上がったり、チップ収
容凹部６から飛び出したりすることがなく、チップ部品
Ａを適切な姿勢に吸着することができ、かつ吸着ミスを
防止することができる。

【００１６】また、シャッタ９を開動作させるとその突
出部１０の高さ分、シャッタ９が浮き上がりながらチッ
プ収容凹部６から後退する。このため、浮き上がってゆ
くシャッタ９に衝突するチップ部品Ａは、その衝撃（跳
ね上がる力）を吸収され、その動揺が比較的早く収束す
る。したがって、この点でも、チップ部品Ａが立ち上が
ったり、チップ収容凹部６から飛び出したりすることが
なくなる。しかも、シャッタ９が静電気を帯びていても
（装置はアースされているため吸着力は小さい）、開動
作におけるシャッタ９は、急激に浮き上がってチップ部
品Ａから離れるため、シャッタ９にチップ部品Ａが吸着
されて立ち上がるなどの支障を生ずることもない。

【００１７】さらに、突出部１０の下面が円弧形状に形
成され、かつ突出部１０の長さがチップ収容凹部６の長
さより長いため、シャッタ９の開閉動作の際に突出部１
０がチップ収容凹部６の縁部に支えることがなく、シャ
ッタ９の開閉を円滑に行うことができる。すなわち、突
出部１０を有するシャッタ９を開閉させても、キャリア
テープ２を介してチップ部品Ａが動揺するなどの支障を
生ずることがない。

【００１８】なお、実施形態におけるシャッタは板状の
部材を起立させた構造になっているが、本発明は板状の
部材を寝かせたシャッタ構造などにも適用可能である。
その際、突出部の形状は、カマボコ状、半球状または山
状が好適である。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明の部品供給装置によ
れば、キャリアテープ停止時のチップ部品の動揺を、シ
ャッタの突出部により小さく押さえることができるの
で、チップ部品の立ちなどを極力抑制することができ、
チップ部品を適切に吸着させることができる。したがっ
て、キャリアテープ停止からシャッタの開動作までの時
間を短くすることができ、チップ部品吸着のためのタク
トタイムを短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る部品供給装置の要部
であるシャッタ廻りの側面図である。

【図２】一連の吸着動作を示すシャッタ廻りの拡大側面
図である。

【図３】従来の部品供給装置における一連の吸着動作を
示すシャッタ廻りの拡大側面図である。

【符号の説明】

１ 部品供給装置 ２ キャリアテープ ６ チップ収容凹部 ９ シャッタ １０ 突出部 Ａ チップ部品 Ｐ 吸着位置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チップ部品をチップ収容凹部に収容し吸
   着位置に向かって間欠送りするキャリアテープと、前記
   吸着位置において前記キャリアテープに進退自在に摺接
   し前記チップ収容凹部を開閉するシャッタとを備え、前
   記キャリアテープが停止した後前記シャッタを開動作さ
   せて、前記チップ部品を吸着可能な状態にする部品供給
   装置において、 前記シャッタのキャリアテープ側の面には、閉塞状態に
   おいて前記チップ収容凹部に収容した前記チップ部品に
   わずかな間隙を存して対峙する突出部が設けられている
   ことを特徴とする部品供給装置。
2. 【請求項２】 前記突出部のキャリアテープ側の面は前
   記シャッタの進退方向において湾曲しており、 前記突出部の進退方向の長さは前記チップ収容凹部の長
   さより長いことを特徴とする請求項１に記載の部品供給
   装置。