JPH09269863A - 入力方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のＧＵＩ環境においては、画面上で指示
を与える際に、マウスなどのポインティングデバイスに
よるダブルクリックという方法が取られてきた。この方
法は慣れるまでに時間を要する上に、さらには、近年盛
んに用いられているペン方式やタッチ式のデバイスには
向かないという問題があった。 【解決手段】 ポインティングデバイスと呼ばれる入力
手段１と、ポインティングデバイスの入力座標位置なら
びにその状態を検出する検出手段２と、ポインティング
デバイスの入力時間を測定するタイマ３と、ポインティ
ングデバイスのコマンド状態が有効か否かを判定する判
定手段４と、データなどを記憶しておく記憶手段５と、
判定の結果が有効であった場合に処理を行う処理手段６
により、ダブルクリックにかえて一定時間継続してクリ
ックしコマンドの指示を実現するＧＵＩ環境における入
力方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、グラフィカルユー
ザーインターフェース（以下、ＧＵＩという）環境にお
いて、座標入力位置（以下、ポインティングデバイスと
いう）を用いて指示を与える際の入力方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＧＵＩ環境においては、ポインティング
デバイス（具体的には、マウス、トラックボール、入力
ペン、指先、トラックパッドなど）によって、装置にコ
マンドを与える方法がとられている。従来、この方法に
おいては、選択コマンドを与える際には、連続２回の断
続的クリック（以下、ダブルクリックという）を行って
いた。

【０００３】この例を図５に示す。ユーザーは、通常、
ポインティングデバイスによって表示装置上に指し示さ
れるカーソル７と呼ばれる矢印表示を、処理内容に結び
付けられたアイコン８と呼ばれるコマンド選択部に合わ
せ、選択操作を行うことにより一連の処理を行うことが
できるが、選択操作の際、ポインティングデバイスによ
ってダブルクリックするという操作が必要であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、比較的短時間のうちに同一座標を２回続けてク
リックするというその特有の操作方法のため、 （ａ）ダブルクリック中の勢いで座標位置（以下、カー
ソルという）がずれてしまい、目的コマンドの選択がう
まくいかない、あるいは違ったコマンドを選択してしま
ったりする。 （ｂ）慣れないユーザーにとっては、ダブルクリックの
時間的タイミングが直観的に分かりにくい。

【０００５】などの問題が起こっており、必ずしも使い
易いものとはいえなかった。さらには、近年、携帯情報
端末などで多用されている入力ペンや指先などで入力す
るポインティングデバイス装置では、画面上をダブルク
リックする際に、必然的に１回目の指示座標と２回目の
指示座標の誤差が生じてしまうなどの問題がある。

【０００６】本発明は以上のようなダブルクリックとい
う操作に起因する問題を解決し、操作性を高める入力方
法を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、ポインティングデバイスと呼ばれる入力
手段と、入力座標位置ならびにその状態を検出する検出
手段と、入力時間を測定するタイマと、コマンド状態が
有効かどうかを判定する判定手段と、データなどを記憶
しておく記憶手段と、判定の結果が有効であった場合に
処理を行う処理手段とを備え、ポインティングデバイス
によるコマンドの指示を行うＧＵＩ環境における入力方
法とする。

【０００８】この発明によれば、ポインテイングデバイ
スによって指示を与える際に、一定時間の継続的クリッ
ク（以下、ホールドクリックという）をもって指示と見
なすことで、前記課題（ａ）を解決し、さらに、このホ
ールドクリックの時間については、目的とする現象が発
生するまでクリックを続けるという直観的に判りやすい
方法を持たせることによって、前記課題（ｂ）をも解決
するもので、ダブルクリックという操作に起因する問題
を解決し、操作性を高めるＧＵＩ環境における入力方法
とすることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、ポインティングデバイスと呼ばれる入力手段と、ポ
インティングデバイスの入力座標位置ならびにその状態
を検出する検出手段と、ポインティングデバイスの入力
時間を測定するタイマと、ポインティングデバイスのコ
マンド状態が有効かどうかを判定する判定手段と、デー
タなどを記憶しておく記憶手段と、判定の結果が有効で
あった場合に処理を行う処理手段を備え、ポインティン
グデバイスによるホールドクリックしてコマンドの指示
をすることを特徴とする入力方法であり、ポインティン
グデバイスによるホールドクリックという方法によりコ
マンドの指示を実現する作用を有する。

【００１０】（実施の形態１）以下、本発明の実施の形
態１について図面を参照して説明する。図１は本発明の
実施の形態１のＧＵＩ環境における入力方法の概略を示
す構成ブロック図、図２は同じくＧＵＩ環境における入
力方法の構成ブロック図、図３は同ＧＵＩ環境における
入力方法における判定処理のフローチャート、図４は従
来例と本発明のＧＵＩ環境における入力方法のタイミン
グチャートである。

【００１１】図１において、１はポインティングデバイ
スである入力手段、２は入力座標位置とその状態を検出
する検出手段、３は入力時間を測定するタイマ、４はポ
インティングデバイスのコマンド状態が有効かどうかを
判定する判定手段、５はデータなどを記憶しておく記憶
手段、６は判定結果が有効であった場合に処理を行う処
理手段である。

【００１２】図２において９は入力手段であり、ポイン
ティングデバイス、具体的にはマウス装置、ペン入力装
置、トラックボールなどを想定しているが、以下マウス
の場合を例に説明する。検出手段１０は入力手段９の座
標位置と入力手段９のボタンの状態を常時検出してお
り、入力手段９のボタンがクリックされた場合には、タ
イマ１１によりクリックの継続している時間をカウント
する。記憶手段１３にはユーザーによって予めホールド
クリックによる作動開始時間（基準入力時間）が記憶さ
れており、判定手段１２は、タイマ１１の時間が記憶手
段１３の登録時間を超えた時点で処理手段１４に処理を
渡す。前記処理手段１４は、予め登録された処理方法に
従い処理を行う。

【００１３】図３は前記判定手段１２におけるフローチ
ャートである。ここで、クリックが検出された場合に
は、ステップ１にてクリック開始時のカーソル座標と、
ホールドクリックとしての判断基準入力の時間を取得す
る一方、カウントアップ用のタイマを初期化し、次のス
テップへ移る。ステップ２にて、継続的なボタン押下が
検出できない場合には、クリックが中断されたものとし
てステップ３の処理中止処理を行う。

【００１４】継続的に押下状態にあると判断される場
合、ステップ４にて現在のカーソル位置を取得し、ステ
ップ５へ移る。ステップ５では、ステップ１にて取得し
たカーソル位置とステップ４にて取得したカーソル位置
の比較を行い、一致していない場合には、ポインティン
グデバイス特有の既存の操作であるドラッグと呼ばれる
操作が行われていると判断し、ステップ６に移る。ステ
ップ６では、ドラッグに関する処理を行う。

【００１５】ステップ５にて座標位置の変更がないと判
断されると、ステップ７ではカウントアップされている
タイマの現在値を読み込み、ステップ８ではその値とス
テップ１で取得したホールドクリックとしての判断基準
入力の時間とを比較する。タイマ値が基準時間に満たな
い場合にはステップ２に戻り、以下同様の処理をくり返
す。ステップ８にてタイマ値が基準時間を上回った場合
にはこのクリックがホールドクリックであったと判断さ
れ、ステップ９の実行処理が行われる。

【００１６】図４は、従来例であるマウスのダブルクリ
ック操作と本発明におけるホールドクリックとの信号の
タイミング図比較である。

【００１７】図４（ａ）に示す従来のダブルクリックの
例では、基準入力時間１８Ａ内にマウス操作１５Ａで２
度のクリックが発生し、マウス信号１６Ａとして認識さ
れる場合、判定処理１７Ａの後、実行処理１９Ａに移
る。ところが、基準入力時間１８Ａ内で２度のクリック
が終了しなかった場合や、２回のクリックの間に座標が
ずれてしまった場合などには、判定処理１７Ａにてダブ
ルクリックとは判断されないため、実行処理１９Ａへは
移行せず、ユーザーからみた場合、誤判断されているか
のように感じる結果となり、使いにくいものとなってい
た。また、ペンタイプの入力装置においては、ダブルク
リックに相当するダブルタップという操作は必然的に誤
差を生むものであった。

【００１８】一方、図４（ｂ）に示す本発明では、マウ
ス操作１５Ｂにて継続的なクリックが検出されると、図
３のフローチャートで示したような判定処理１７Ｂが行
われ、基準入力時間１８Ｂをみたした場合、実行処理１
９Ｂに移行する。そのため、ユーザーは実行処理に移っ
たその結果を見たのち、マウスのクリックを止めればよ
いため、従来例と比較してユーザーの使用感を著しく向
上させる効果があるほか、ペンタイプやタッチタイプの
ポインティングデバイスで容易に、かつ、確実にコマン
ドの指示を行えることとなる。

【００１９】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、ＧＵＩ環境におけるポインティングデバイス
によるコマンドの指示ならびに実現を容易にし、かつ、
ユーザーに理解し易い操作方法を提供し、操作性を向上
させることが可能である。特に、ペンタイプやタッチ方
式のポインティングデバイスの場合には、その操作性を
飛躍的に向上させることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１のＧＵＩ環境における入
力方法の概略構成ブロック図

【図２】同ＧＵＩ環境における入力方法の構成ブロック
図

【図３】同ＧＵＩ環境における入力方法における判定処
理のフローチャート

【図４】従来例と本発明のＧＵＩ環境における入力方法
におけるタイミングチャート

【図５】ＧＵＩ環境における入力画面の説明図

【符号の説明】

１ 入力手段 ２ 検出手段 ３ タイマ ４ 判定手段 ５ 記憶手段 ６ 処理手段 ９ 入力手段 １０ 検出手段 １１ タイマ １２ 判定手段 １３ 記憶手段 １４ 処理手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ポインティングデバイスと呼ばれる入力手
   段と、ポインティングデバイスの入力座標位置ならびに
   その状態を検出する検出手段と、ポインティングデバイ
   スの入力時間を測定するタイマと、ポインティングデバ
   イスのコマンド状態が有効かどうかを判定する判定手段
   と、データなどを記憶しておく記憶手段と、判定の結果
   が有効であった場合に処理を行う処理手段を備え、ポイ
   ンティングデバイスによるホールドクリックしてコマン
   ドの指示をすることを特徴とする入力方法。