JPH09266326A - 3族窒化物化合物半導体発光素子 - Google Patents

3族窒化物化合物半導体発光素子

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JPH09266326A
JPH09266326A JP9909696A JP9909696A JPH09266326A JP H09266326 A JPH09266326 A JP H09266326A JP 9909696 A JP9909696 A JP 9909696A JP 9909696 A JP9909696 A JP 9909696A JP H09266326 A JPH09266326 A JP H09266326A
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正好 小池
Shiro Yamazaki
史郎 山崎
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誠二 永井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】青色発光素子の発光強度の増加及び素子寿命の
長期化 【解決手段】p伝導型のクラッド層71とn層4との間
に発光層5が形成されている。発光層5とクラッド層7
1の間にそれらの成長温度の中間の温度で成長させる組
成比のキャップ層6が形成されている。このキャップ層
6はクラッド層71の高温成長時における発光層5の結
晶性の劣化を防止する。窒素の抜けやインジウムの拡散
が防止できる。よって、発光効率と素子寿命が改善され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は3族窒化物半導体を
用いた半導体素子に関する。特に、素子特性や信頼性に
優れた半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、青色や短波長領域の発光素子の材
料としてAlGaInN 系の化合物半導体を用いたものが知ら
れている。その化合物半導体は直接遷移型であることか
ら発光効率が高いこと、光の3原色の1つである青色及
び緑色を発光色とすること等から注目されている。
【0003】AlGaInN 系半導体においても、Mgをドープ
して電子線を照射したり、熱処理によりp型化できる。
この結果、AlGaN のp伝導型のクラッド層と、ZnとSiド
ープのInGaN の発光層と、GaN のn層とを用いたダブル
ヘテロ構造を有する発光ダイオード(LED)が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
なInGaN の発光層の上に直接、AlGaN のクラッド層が積
層されている構造では、AlGaN のクラッド層の成長温度
が先に形成されたInGaNの発光層の成長温度よりも高い
ため、クラッド層の形成工程において、発光層がInGaN
の成長温度よりも高い温度にさらされ、発光層が熱的に
劣化する。更に、この高温でのクラッド層の形成工程に
おいて、クラッド層に添加されたマグネシウム(Mg) が
発光層へと拡散したり、発光層の窒素(N) が蒸発する。
その結果、発光層の結晶性が悪化し発光効率が低下す
る。更に、素子の劣化により、素子の寿命は短くなり、
信頼性に欠ける。
【0005】そこで本発明の目的は、発光層の結晶性を
向上させることで、発光効率を向上させ、素子寿命の長
期化と信頼性の向上を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、発光
層とクラッド層との間に、発光層の成長温度とクラッド
層の成長温度との間の成長温度で成長が可能で、発光層
のバンドギャップとクラッド層のバンドギャップとの間
のバンドギャップを有する組成比を有する3族窒化物半
導体から成るキャップ層を設けたことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、そのキャップ層を、発
光層からクラッド層にかけて、組成比が連続的又は段階
的に変化する層としたことである。請求項3の発明は、
発光層とクラッド層とキャップ層を4元系のAlxGayIn
1-X-YN(0≦x ≦1, 0≦y ≦1, 0≦x+y ≦1)とし、キャッ
プ層の組成比を発光層の組成比とクラッド層の組成比と
の間の組成比に選択したことである。請求項4の発明
は、発光層は3元系のInx1Ga1-x1N (0≦x1≦1)であり、
クラッド層は3元系のAly1Ga1-y1N(0 ≦y1≦1)であり、
キャップ層は発光層の組成比とクラッド層の組成比との
間の組成比に選択されたAlx2Gay2In1-X2-Y2N (0 ≦x2≦
1, 0≦y2≦1, 0≦x2+y2 ≦1)であることを特徴とする。
請求項5の発明は、キャップ層のインジウム(In)の組成
比が発光層からクラッド層に近づくに連れて減少し、キ
ャップ層のアルミニウム(Al)の組成比が発光層からクラ
ッド層に近づくに連れて増加するように段階的又は連続
的に変化させたことを特徴とする。請求項6の発明は、
発光層は3元系のInx1Ga1-x1N (0≦x1≦1)であり、クラ
ッド層は3元系のAly1Ga1-y1N(0 ≦y1≦1)であり、キャ
ップ層は3元系のInx2Ga1-x2N (0≦x2≦x1≦1) である
ことを特徴とする。請求項7の発明は、請求項6におい
て、キャップ層のインジウム(In)の組成比が発光層から
クラッド層に近づくに連れて段階的又は連続的に減少さ
せたことを特徴とする。
【0008】
【発明の作用及び効果】上記の構成のキャップ層を発光
層とクラッド層との間に、それらの成長温度間の温度で
形成したので、発光層を形成した後に、より高温でクラ
ッド層が形成される時に、発光層の結晶性への悪影響を
防止できる。具体的には、発光層の窒素の抜けやインジ
ウムの発光層からの拡散、マグネシウムウの発光層への
拡散が、このキャップ層で阻止される。又、キャップ層
の形成は、クラッド層よりも低温で形成されるために、
キャップ層形成時における発光層の結晶性への悪影響は
キャップ層を直接形成する場合に比べて低減される。こ
の結果、発光効率が向上し、阻止寿命が長期化した。
【0009】ヘテロ接合により発光層でキャリア閉じ込
め効果を発生させるためには、発光層のバンドギャップ
よりもキャップ層、クラッド層のバンドギャップの方を
大きくする必要がある。4元系のAlGaInN 半導体の場合
には、Alが多い程バンドギャップは広くなり成長温度が
高くなり、Inが多い程バンドギャップは小さくなり成長
温度は低くなる。よって、キャップ層の各元素の組成比
を発光層とキャップ層の各元素の組成比の間の組成比と
することで、キャップ層のバンドギャップと成長温度を
発光層とクラッド層のバンドギャップと成長温度の中間
とすることができる。このような組成比は連続的変化さ
せても、段階的に変化させても良い。特に、発光層がIn
GaN 、クラッド層がAlGaN の3元系で構成されている場
合には、キャップ層に、発光層よりもインジウム組成比
が小さいか、クラッド層よりもアルミニウム組成比が小
さい3元系のInGaN 又はAlGaN 又は4元系のAlGaInN を
用いることで、バンドギャップと成長温度の条件を満た
すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。なお本発明は下記実施例に限定され
るものではない。第1実施例 図1は本願実施例の発光素子100 全体図を示す。発光素
子100 は、サファイア基板1を有しており、そのサファ
イア基板1上に0.05μmのAlN バッファ層2が形成され
ている。
【0011】そのバッファ層2の上には、順に、膜厚約
4.0 μm、電子濃度2 ×1018/cm3のシリコン(Si)ドープ
GaN から成る高キャリア濃度n+ 層3、膜厚約0.5 μm
の電子濃度5 ×1017/cm3のシリコン(Si)ドープのGaN か
ら成るn層4、膜厚約100 nm,亜鉛(Zn)とシリコン(S
i)ドープがそれぞれ、 5×1018/cm3にドープされたIn
0.20Ga0.80N から成る発光層5,膜厚約10nm,ホール
濃度 2×1017/cm3, マグネシウム(Mg) 濃度 5×1019/c
m3ドープのIn0.08Ga0.92N から成るp伝導型のキャップ
層6、膜厚約100 nm,ホール濃度 2×1017/cm3, マグ
ネシウム(Mg) 濃度 5×1019/cm3ドープのAl0.09Ga0.92
N から成るp伝導型のクラッド層71、膜厚約200 n
m,ホール濃度 3×1017/cm3のマグネシウム(Mg) 濃度
5×1019/cm3ドープのGaN から成る第1コンタクト層7
2、膜厚約50nm,ホール濃度 6×1017/cm3のマグネシ
ウム(Mg) 濃度 1×1020/cm3ドープのGaN から成るp+
の第2コンタクト層73が形成されている。そして、第
2コンタクト層73の上面全体にNi/Au の2重層からな
る透明電極9が形成されその透明電極9の隅の部分にNi
/Au の2重層からなるボンディングのためのパッド10
が形成されている。又、n+ 層3上にはAlから成る電極
8が形成されている。
【0012】次に、この構造の半導体素子の製造方法に
ついて説明する。上記発光素子100 は、有機金属気相成
長法(以下MOVPE)による気相成長により製造され
た。用いられたガスは、アンモニア(NH3) 、キャリアガ
ス(H2)、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)(以下「TMG
」と記す) 、トリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)(以
下「TMA 」と記す) 、トリメチルインジウム(In(CH3)3)
(以下「TMI 」と記す) 、シラン(SiH4)とシクロペンタ
ジエニルマグネシウム(Mg(C5H5)2)(以下「CP2Mg 」と記
す)である。
【0013】まず、有機洗浄及び熱処理により洗浄した
a面を主面とし、単結晶のサファイア基板1をM0VPE 装
置の反応室に載置されたサセプタに装着する。次に、常
圧でH2を流速2 liter/分で約30分間反応室に流しながら
温度1100℃でサファイア基板1をベーキングした。
【0014】次に、温度を 400℃まで低下させて、H2
20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMA を 1.8×10-5
モル/分で約90秒間供給してAlN のバッファ層2を約0.
05μmの厚さに形成した。次に、サファイア基板1の温
度を1150℃に保持し、H2を20liter/分、NH3 を10 lite
r/分、TMG を 1.7×10-4モル/分、H2ガスにより0.86p
pm に希釈されたシランを20×10-8モル/分で40分導入
し、膜厚約4.0 μm、電子濃度 1×1018/cm3、シリコン
濃度 4×1018/cm3のシリコン(Si)ドープGaN から成る高
キャリア濃度n+ 層3を形成した。
【0015】上記の高キャリア濃度n+ 層3を形成した
後、続いて温度を1100°C に保持し、H2を20 liter/
分、NH3 を10 liter/分、TMG を 1.12 ×10-4モル/
分、H2ガスにより0.86ppm に希釈されたシランを10×10
-9モル/分で30分導入し、膜厚約5.0 μm、電子濃度 5
×1017/cm3、シリコン濃度 1×1018/cm3のシリコン(Si)
ドープGaN から成るn層4を形成した。
【0016】続いて、温度を800 ℃に保持し、N2又はH2
を20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を0.2 ×10
-4モル/分、TMI を1.6 ×10-4モル/分、H2ガスにより
0.86ppm に希釈されたシランを10×10-8mol/分で、DEZ
を 2×10-4モル/ 分で、30分間供給して厚さ100nm のシ
リコンと亜鉛が、それぞれ、 5×1018/cm3にドープさた
In0.20Ga0.80N から成る発光層5を形成した。
【0017】続いて、温度を900 ℃に保持し、N2又はH2
を20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を0.2 ×10
-4モル/分、TMI を1.2 ×10-4モル/分、CP2Mg を2 ×
10-5モル/分で、3 分間供給して厚さ10nmの濃度 5×10
19/cm3にマグネシウムのドープされたキャップ層6を形
成した。この状態で、キャップ層6は、まだ、抵抗率10
8 Ωcm以上の絶縁体である。
【0018】続いて、温度を1100℃に保持し、N2又はH2
を20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1.12×10
-4モル/分、TMA を0.47×10-4モル/分、及び、CP2Mg
を2×10-5モル/分で 6分間導入し、膜厚約100 nmの
マグネシウム(Mg)ドープのAl0.08Ga0.92N から成るクラ
ッド層71を形成した。クラッド層71のマグネシウム
濃度は 5×1019/cm3である。この状態では、クラッド層
71は、まだ、抵抗率108 Ωcm以上の絶縁体である。
【0019】次に、温度を1100℃に保持し、N2又はH2
20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1.12×10-4
モル/分、及び、CP2Mg を 2×10-5モル/分で 1分間導
入し、膜厚約200 nmのマグネシウム(Mg)ドープのGaN
から成る第1コンタクト層72を形成した。第1コンタ
クト層72のマグネシウム濃度は 5×1019/cm3である。
この状態では、第1コンタクト層72は、まだ、抵抗率
108 Ωcm以上の絶縁体である。
【0020】次に、温度を1100℃に保持し、N2又はH2
20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMG を1.12×10-4
モル/分、及び、CP2Mg を 4×10-5モル/分で3 分間導
入し、膜厚約50nmのマグネシウム(Mg)ドープのGaN か
ら成るp+ の第2コンタクト層73を形成した。第2コ
ンタクト層73のマグネシウム濃度は 1×1020/cm3であ
る。この状態では、第2コンタクト層73は、まだ、抵
抗率108 Ωcm以上の絶縁体である。
【0021】次に、反射電子線回折装置を用いて、第2
コンタクト層73,第1コンタクト層72,クラッド層
71,及びキャップ層6に一様に電子線を照射した。電
子線の照射条件は、加速電圧約10KV、資料電流1μA、
ビームの移動速度0.2mm/sec、ビーム径60μmφ、真空
度5.0 ×10-5Torrである。この電子線の照射により、第
2コンタクト層73,第1コンタクト層72,クラッド
層71,及びキャップ層6は、それぞれ、ホール濃度 6
×1017/cm3,3×1017/cm3,2×1017/cm3,2×1017/cm3、抵
抗率 2Ωcm, 1 Ωcm,0.7Ωcm, 0.7 Ωcmのp伝導型半導
体となった。このようにして多層構造のウエハが得られ
た。
【0022】続いて、図2〜図4に示すように、n+
3の電極8を形成するために、第2コンタクト層73、
第1コンタクト層72、クラッド層71、キャップ層
6、発光層5、n層4の一部を、エッチングにより除去
した。次に、一様にNi/Au の2層を蒸着し、フォトレジ
ストの塗布、フォトリソグラフィー工程、エッチング工
程を経て、第2コンタクト層73の上に透明電極9を形
成した。そして、その透明電極9の一部にNi/Au の2層
を蒸着してパッド10を形成した。一方、n+ 層3に対
しては、アルミニウムを蒸着して電極8を形成した。そ
の後、上記のごとく処理されたウエハは、各素子毎に切
断され、図1に示す構造の発光ダイオードを得た。この
発光素子は駆動電流20mAで発光ピーク波長430 nm、
発光強度2000mCd であった。従来構造のLEDに比べて
発光強度は2倍になった。
【0023】上記実施例ではキャップ層6のインジウム
(In)の組成比を0.08としたが、発光層5からクラッド層
71に近づくに連れて、キャップ層6のインジウム(In)
の組成比を0.2 から0 へ順次、減少させても良い。さら
に、アルミニウム(Al)の組成比を0 から0.08へ順次、増
加させても良い。さらに、4元系のAlxGayIn1-X-YN(0≦
x ≦1, 0≦y ≦1, 0≦x+y ≦1)化合物半導体を用いて、
発光層5からクラッド層71にかけて、インジウム(In)
の組成比を減少させると共にアルミニウム(Al)の組成比
を増加させても良い。これらのキャップ層6の組成比を
変化させる時、2段以上で段階的に変化させても、連続
的に組成比を変化させても良い。
【0024】又、発光層5とキャップ層71に、4元系
のAlxGayIn1-X-YN(0≦x ≦1, 0≦y≦1, 0≦x+y ≦1)半
導体を用いた場合も、キャップ層に4元系の半導体を用
いて、In、Al、Gaの組成比が発光層5とクラッド層71
の間の値となるように、発光層からクラッド層71にか
けて、連続的に又は段階的に変化するようにしても良
い。又、上記実施例では発光層5に単一層を用いたが、
単一量子井戸構造(QW)や多重量子井戸構造(MQ
W)を用いても良い。
【0025】第2実施例 次に、第2実施例の発光素子200について説明する。
図5において、n層4を高キャリア濃度n+ 層3と発光
層5との間の格子定数の変化を緩和する組成比のn伝導
型の中間層41、42を設けた。これにより、発光5の
結晶性を向上させることができる。
【0026】図5において、n+ 層3の上に、膜厚約10
nm,電子濃度 5×1017/cm3のシリコン(Si)ドープのIn
0.08Ga0.92N から成る第1中間層41、膜厚約10nm,
電子濃度 5×1017/cm3のシリコン(Si)ドープのIn0.15Ga
0.85N から成る第2中間層42を形成した。他の層につ
いては、第1実施例と全く同様である。
【0027】第2実施例では第1中間層41のインジウ
ム(In)の組成比を0.08とし、第2中間層42のインジウ
ム(In)の組成比を0.15としたが、n+ 層3から発光層5
に近づくに連れて、発光層5のインジウム(In)の組成比
を0 から0.20に順次、増加させても良い。この時、2段
以上の複層でも、連続的に組成比を変化させても良い。
さらに、4元系の化合物半導体を用いると、バンドギャ
ップと格子定数とをそれぞれ独立に変化させることがで
きる。よって、InGaN の発光層5に対して、InGaN より
もバンドギャップが広く、格子定数を発光層5の格子定
数にほぼ一致させた組成比のAlxGayIn1-X-YN(0≦x ≦1,
0≦y ≦1, 0≦x+y ≦1)を中間層4として用いても良
い。又、この中間層4を、n+ 層3の格子定数に等しい
格子定数とする組成比のAlxGayIn1-X-YN(0≦x ≦1, 0≦
y ≦1, 0≦x+y ≦1)から成る第1中間層と、発光層5の
格子定数に等しい格子定数とする組成比のAlxGayIn
1-X-YN(0≦x ≦1, 0≦y ≦1, 0≦x+y ≦1)から成る第2
中間層との2層構造としても良い。さらに、第1中間層
から第2中間層の間に、格子定数を第2中間層に順次接
近させる1層以上の層を介在させても良い。又、n+
3から発光層5に向けて、格子定数が連続的に変化する
ように4元系化合物の組成比を連続的に変化させても良
い。発光層5はInGaN 、n+ 層3はGaN としたが、これ
らの層も、4元系のAlxGayIn1-X-YN(0≦x ≦1, 0≦y ≦
1, 0≦x+y ≦1)とし、それらの層の間に上述した構成の
4元系のAlxGayIn1-X-YN(0≦x ≦1, 0≦y ≦1, 0≦x+y
≦1)から成る中間層を設けても良い。
【0028】このように中間層4を形成することで、発
光層5の結晶性が改善され、その結果、発光効率が向上
した。さらに、発光層5は中間層4とキャップ層6で挟
まれているので、結晶成長時における発光層5の熱的劣
化が防止され、この第2実施例の構造にすることで、よ
り発光効率と素子寿命を改善することができた。
【0029】又、中間層4、n+ 層3のシリコン濃度
は、1 ×1017/cm3〜1 ×1020/cm3が望ましい。1 ×1017
/cm3以下であると高抵抗となり、1 ×1020/cm3以上であ
ると結晶性が低下し望ましくない。中間層4の厚さは0.
5nm 〜50nmが望ましい。0.5nm 以下であると層を均一に
形成できなくなり、50nm以上であると発光効率が低下し
望ましくない。又、n+ 層3の厚さは、0.5 μm〜10μ
mが望ましい。0.5 μm以下であると、エッチングして
+ 層3を露出させて、n+ 層3に対する電極の形成が
困難となり、10μm以上であるとクラックが入り望まし
くない。又、発光層5のシリコン濃度及び亜鉛濃度は、
それぞれ、1 ×1017〜1 ×1020/cm3が望ましい。濃度が
1 ×1017/cm3より低下すると発光強度が低下し、濃度が
1 ×1020/cm3以上となると結晶性が低下するために望ま
しくない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な第1実施例に係る発光ダイオ
ードの構成を示した構成図。
【図2】同実施例の発光ダイオードの製造工程を示した
断面図。
【図3】同実施例の発光ダイオードの製造工程を示した
断面図。
【図4】同実施例の発光ダイオードの製造工程を示した
断面図。
【図5】本発明の具体的な第2実施例に係る発光ダイオ
ードの構成を示した構成図。
【符号の説明】
100 …半導体素子 1…サファイア基板 2…バッファ層 3…高キャリア濃度n+ 層 4…n層 5…発光層 6…キャップ層 71…クラッド層 72…第1コンタクト層 73…第2コンタクト層 8…電極 9…透明電極 10…パッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 史郎 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 永井 誠二 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3族窒化物半導体から成る発光層と発光層
    の上に形成されるクラッド層とを有する発光素子におい
    て、 前記発光層と前記クラッド層との間に、前記発光層の成
    長温度と前記クラッド層の成長温度との間の成長温度で
    成長が可能で、前記発光層のバンドギャップと前記クラ
    ッド層のバンドギャップとの間のバンドギャップを有す
    る組成比を有する3族窒化物半導体から成るキャップ層
    を設けたことを特徴とする3族窒化物化合物半導体発光
    素子。
  2. 【請求項2】前記キャップ層は、前記発光層から前記ク
    ラッド層にかけて、組成比が連続的又は段階的に変化す
    る層であることを特徴とする請求項1に記載の3族窒化
    物化合物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】前記発光層と前記クラッド層と前記キャッ
    プ層は4元系のAlxGayIn1-X-YN(0≦x ≦1, 0≦y ≦1, 0
    ≦x+y ≦1)であり、前記キャップ層の組成比は前記発光
    層の組成比と前記クラッド層の組成比との間の組成比に
    選択されていることを特徴とする請求項1に記載の3族
    窒化物化合物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】前記発光層は3元系のInx1Ga1-x1N (0≦x1
    ≦1)であり、前記クラッド層は3元系のAly1Ga1-y1N(0
    ≦y1≦1)であり、前記キャップ層は前記発光層の組成比
    と前記クラッド層の組成比との間の組成比に選択された
    Alx2Gay2In1-X2-Y2N (0 ≦x2≦1, 0≦y2≦1, 0≦x2+y2
    ≦1)であることを特徴とする請求項1に記載の3族窒化
    物化合物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】前記キャップ層のインジウム(In)の組成比
    が前記発光層から前記クラッド層に近づくに連れて減少
    し、前記キャップ層のアルミニウム(Al)の組成比が前記
    発光層から前記クラッド層に近づくに連れて増加するよ
    うに段階的又は連続的に変化させたことを特徴とする請
    求項4に記載の3族窒化物化合物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】前記発光層は3元系のInx1Ga1-x1N (0≦x1
    ≦1)であり、前記クラッド層は3元系のAly1Ga1-y1N(0
    ≦y1≦1)であり、前記キャップ層は3元系のIn x2Ga1-x2
    N (0≦x2≦x1≦1) であることを特徴とする請求項1に
    記載の3族窒化物化合物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】前記キャップ層のインジウム(In)の組成比
    が前記発光層から前記クラッド層に近づくに連れて段階
    的又は連続的に減少させたことを特徴とする請求項6に
    記載の3族窒化物化合物半導体発光素子。
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