JP2000049377A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法Info
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Abstract
と結晶性の良好なクラッド層とを有する窒化ガリウム系
化合物半導体発光素子の製造方法を提供すること。 【解決手段】 第1の成長温度でInを含む活性層4を
成長させる工程と、第1のクラッド層5を成長させる工
程と、第1の成長温度よりも高い第2の成長温度でAl
を含む第2のクラッド層6を成長させる工程と、を少な
くとも含む窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造
方法において、第1のクラッド層5を、活性層4の成長
完了時点からそのまま継続して結晶材料を活性層4の表
面に成長させることにより、活性層4を構成しているI
nや窒素等の蒸発を防止する。
Description
レーザダイオード等の光デバイスに利用される窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子の製造方法に関する。
発光デバイスや高温動作電子デバイス用の半導体材料と
して多用されるようになり、青色や緑色の発光ダイオー
ドの分野での実用化や青紫色のレーザダイオードの分野
での展開が進んでいる。
発光素子の製造においては、有機金属気相成長法によっ
て窒化ガリウム系半導体薄膜を成長させるのが近来では
主流である。この有機金属気相成長法は、サファイアや
SiCまたはGaN等からなる基板を設置した反応管の
中に、3族元素の原料ガスとして有機金属化合物ガス
(トリメチルガリウム(以下、「TMG」と略称す
る。),トリメチルアルミニウム(以下、「TMA」と
略称する。),トリメチルインジウム(以下、「TM
I」と略称する。)等)と、5族元素の原料ガスとして
アンモニアやヒドラジン等を供給し、基板の温度をおよ
そ700℃〜1100℃の高温に保持して、基板の上に
n型層と活性層とp型層とをそれぞれ成長させてこれら
を積層形成するというものである。そして、n型層の成
長時にはn型不純物原料ガスとしてモノシラン(SiH
4)やゲルマン(GeH4)等を、p型層の成長時にはビ
スシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)等
を3族元素の原料ガスと同時に流しながら成長させる。
この成長形成の後、p型層および活性層の一部の領域を
エッチングにより除去してn型層を露出させ、露出した
部分のn型層の表面およびp型層の表面のそれぞれにn
側電極およびp側電極を接合形成したものとして発光素
子が得られる。
来では、サファイアを用いた基板の上に窒化ガリウム系
化合物半導体の薄膜を積層したダブルヘテロ構造を含む
ものが主流とされている。ダブルヘテロ構造の発光素子
は、サファイアの基板上に、バッファ層と、窒化ガリウ
ム(GaN)等からなるn型層と、窒化インジウムガリ
ウム(InGaN)等からなる活性層と、窒化アルミニ
ウムガリウム(AlGaN)等からなるp型クラッド層
と、GaN等からなるp型コンタクト層とを順次積層し
たものである。この窒化ガリウム系化合物半導体を利用
した発光素子の発光波長は、活性層にドープされるZn
やMg等のp型不純物またはSiやGe等のn型不純物
のそれぞれまたは両方の種類やドープ量を変えるか、あ
るいは活性層を構成するInGaNのIn組成を変える
ことによって変化させることができる。活性層のIn組
成を変えて発光波長を変化させる場合、In組成を高く
していくと、より長波長の波長が得られるようになるこ
とは周知のとおりである。
ガリウム系化合物半導体は、成長時におけるInの蒸気
圧が高いので、Inが蒸発しやすい。このため、Inを
含まない他の窒化ガリウム系化合物半導体のように成長
温度を約1000℃以上に高くすることはできず、通常
では約650℃〜800℃の比較的低い温度で成長させ
るという制約を受ける。一方、活性層の上に成長させる
AlGaN等のAlを含むクラッド層は、約900℃以
下の成長温度では結晶性を良好に保って成長させること
はできないので、約1000℃以上と高温で成長させる
ことが必要とされている。このようにInを含む活性層
とAlGaN等からなるクラッド層との間には成長に適
した温度に差があるので、活性層の成長後にクラッド層
の成長温度まで昇温させる間に、活性層が1000℃以
上の温度雰囲気に曝されてIn等が蒸発しやすい傾向に
ある。したがって、活性層の結晶性を良好に保つことが
できなくなるという問題があった。
するときのInの蒸発を防ぐため、たとえば特開平8−
293643号公報に記載されているように、活性層を
成長した後にその表面に蒸発防止層を成長させ、この蒸
発防止層の上にクラッド層を成長させる方法が提案され
た。この方法によれば、蒸発防止層により、積層構造の
成長中に生じていた活性層のInや窒素等の蒸発を防止
でき、活性層の結晶性を良好に保つことが可能であると
されている。
ほぼ同じ温度、活性層の成長温度よりも低い成長温度、
または活性層の成長温度よりも高くかつクラッド層の成
長温度よりも低い成長温度の3通りの異なる条件で蒸発
防止層を成長させることが開示されている。そして、こ
れらの成長温度を適宜選択することで、好適な蒸発防止
層が得られるとしている。
報に記載の蒸発防止層を用いる方法でも、次のような問
題がある。
長形成されるため、発光素子として用いられる場合では
この蒸発防止層は実質的にはクラッド層として作用す
る。ところが、蒸発防止層は前述の高温で成長させるA
lGaN等のクラッド層よりも低い温度で成長させるの
で、クラッド層として十分に機能できるほど良好な結晶
性を得ることは非常に難しい。また、蒸発防止層を活性
層とほぼ同じ成長温度か、それよりも低い成長温度、ま
たはそれより高い成長温度のいずれかの成長温度で成長
させても、活性層を成長した後に蒸発防止層を成長させ
るまでの間に活性層のInや窒素等が蒸発してしまうこ
とに変わりはなく、蒸発防止層によって確実に蒸発が抑
えられるとは限らない。
十分さは、特に青緑色や緑色等の発光色を得るためにI
nGaNからなる活性層のIn組成を高くしようとする
場合に特に顕著である。したがって、結晶性が良好でし
かもIn組成の高い活性層を得ることは依然として困難
であるという問題があった。
成が高く、かつ結晶性が良好な活性層と結晶性の良好な
クラッド層とを有する窒化ガリウム系化合物半導体発光
素子の製造方法を提供することにある。
む活性層を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
において、活性層の結晶性を良好に保てるようにするた
め、この活性層に接して成長させるクラッド層について
鋭意検討した。その結果、活性層を成長させた後に連続
してクラッド層を成長させることで、活性層のIn組成
を高く保つとともに、結晶性をも良好に保持できること
を見いだした。さらに、クラッド層の膜厚や成長速度及
び原料供給量等の成長条件を特定の範囲とすることによ
り、クラッド層の結晶性を良好に保てることを見いだし
た。
nを含む活性層を成長させる工程と、前記活性層の表面
に第1のクラッド層を成長させる工程と、前記第1の成
長温度よりも高い第2の成長温度でAlを含む第2のク
ラッド層を成長させる工程と、を少なくとも含む窒化ガ
リウム系化合物半導体発光素子の製造方法において、前
記第1のクラッド層を、前記活性層の成長完了時点から
そのまま継続して前記第1のクラッド層の結晶材料の成
長により形成することを特徴とする。
活性層を用いる場合でも、このIn組成を高く保つとと
もに結晶性をも良好に保持することができ、同時に結晶
性の良好なクラッド層を成長させることが可能となる。
成長温度でInを含む活性層を成長させる工程と、前記
活性層の表面に第1のクラッド層を成長させる工程と、
前記第1の成長温度よりも高い第2の成長温度でAlを
含む第2のクラッド層を成長させる工程と、を少なくと
も含む窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法
において、前記第1のクラッド層を、前記活性層の成長
完了時点からそのまま継続して前記第1のクラッド層の
結晶材料の成長により形成することを特徴とするもので
あり、Inを含む活性層の成長に連続して中断なくクラ
ッド層が成長されるので、活性層を構成するInや窒素
等の蒸発が抑制されてIn組成を高く保持することがで
きるという作用を有する。
ッド層を、前記第1の成長温度から前記第2の成長温度
までの範囲内で温度上昇させながら成長させることを特
徴とする請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体発
光素子の製造方法であり、クラッド層の成長をより高温
で行うことができ、活性層のInの蒸発を抑制する機能
を有するクラッド層を結晶性良く成長させることができ
るという作用を有する。
温度に到達する前に、前記第1のクラッド層の層厚を3
0nm以上まで成長させることを特徴とする請求項2記
載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法で
あり、活性層を構成するIn等の蒸発をより効果的に防
止することができるという作用を有する。
ッド層の成長速度を0.4nm/分〜4nm/分の範囲
に調整して成長させることを特徴とする請求項1から3
のいずれかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素
子の製造方法であり、活性層を構成するIn等の蒸発を
効果的に防止することができるとともに、クラッド層を
結晶性良く成長することができるという作用を有する。
ッド層の成長時の3族元素の供給量に対する5族元素の
供給量の比を20000以上、500000以下とする
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の窒
化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法であり、
活性層を構成する窒素等の蒸発をより効果的に防止する
ことができるとともに、クラッド層を結晶性良く成長す
ることができるという作用を有する。
nxGa1−xN(但し、0.5≦x≦1.0)である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の窒
化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法であり、
青緑色や緑色等のより長波長の発光が可能な活性層を得
ることができるという作用を有する。
ッド層は、GaNからなることを特徴とする請求項1か
ら6のいずれかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発
光素子の製造方法であり、活性層を構成するInや窒素
等の蒸発を抑制することができ、結晶性を良好に保ちな
がら成長させることができるという作用を有する。
図面を参照しながら説明する。図1に、本発明の一実施
の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構
造を示す断面図を示す。
らなる基板1の上に、バッファ層2と、GaNからなる
n型クラッド層3と、InGaNからなる活性層4と、
GaNからなる第1のクラッド層5と、AlGaNから
なる第2のクラッド層6と、GaNからなるp型コンタ
クト層7とが順に積層され、n型クラッド層3およびp
型コンタクト層7のそれぞれの表面にn側電極8および
p側電極9を形成している。
ム系化合物半導体素子の製造工程を示す図であり、図5
は本発明の一実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半
導体発光素子の製造方法に係る成長温度プロファイルお
よび原料供給プロファイルを示す図である。
子は、有機金属気相成長法を用いて、以下に示す工程に
より形成される。
イアの基板1を装入し、反応管内に水素ガスを流しなが
ら基板1を約1100℃で10分間加熱して、基板1の
表面をクリーニングする。
せ、この温度下で3族元素の原料ガスとしてTMA及び
5族元素の原料ガスとしてアンモニアをそれぞれ流して
AlNのバッファ層2を基板1の上に成長させる。
にSiC、GaN、スピネル等としてもよい。また、バ
ッファ層2としては、AlNのほかにGaN、AlGa
N、AlInN等を用いてもよく、これらの場合には3
族原料ガスを適宜選択して流して成長させればよい。
050℃まで上昇させ、この温度下で3族元素の原料ガ
スとしてTMG、5族元素原料ガスとしてアンモニア及
びn型不純物原料ガスとしてSiH4をそれぞれ流して
n型GaNのn型クラッド層3を成長させる。このとき
の積層状態を図2に示す。ここでは、n型クラッド層3
をn型GaNからなる単一の層としたが、n型GaNか
らなる層とn型AlGaNからなる層との二重の層、ま
たはn型GaNからなる層とn型AlGaNからなる層
とn型GaNからなる層との三重の層としてもよい。
とSiH4とを止め、基板1の温度を750℃まで降下
させ、この温度下で主キャリアガスとして窒素を用い、
3族元素の原料ガスとしてTMGとTMI及び5族元素
の原料ガスとしてアンモニアをそれぞれ流して、InG
aNからなる活性層4を成長させる。そして、活性層4
を成長させた後、TMIを止めてTMGとアンモニアと
を流すとともに、基板1の温度を次の工程で成長させよ
うとする第2のクラッド層6の成長温度に向けて上昇さ
せながら、第1のクラッド層5を成長させる。このとき
の積層状態を図3に示す。
性層を成長させた後、活性層の上に蒸発防止層を成長さ
せることでInの蒸発が抑えられるのは、従来の技術の
項で述べたとおりである。そして、活性層を成長させた
後に蒸発防止層を成長させるまでの間に活性層の構成元
素であるIn等が蒸発しやすいので、このため活性層を
結晶性良く成長させることが依然として困難であるとい
うのが従来の構成であった。
長プロファイルおよび原料供給プロファイルに示すよう
に、TMGと、TMIと、図示しないアンモニアとを流
しながらInGaNからなる活性層4を成長させた後、
TMIのみを止め、成長を中断させることなく連続して
第1のクラッド層5を成長させるようにしている。この
ように、活性層4の成長後に連続して第1のクラッド層
5を成長させることにより、In組成の大きい活性層4
を成長させた場合でも、活性層4からのInや窒素等の
蒸発が抑制され、結晶性の良好な活性層4を成長させる
ことが可能となる。
に成長させる第1のクラッド層5を、活性層4を成長さ
せた後に温度を上昇させながら成長させるので、活性層
4の成長温度に近い比較的低い成長温度で成長させる部
分の割合を小さくしつつ、より高い温度での成長を可能
とすることができる。すなわち、第1のクラッド層5の
うち、活性層4に接して、より低温で成長される結晶性
の比較的悪い部分の割合を小さくし、かつより高い温度
で成長させる部分の割合を大きくすることで、第1のク
ラッド層5の結晶性を良好に保持できる。これによっ
て、活性層4の構成元素であるIn等の蒸発防止の効果
を保持しつつ、活性層4とともにダブルヘテロ構造を構
成するクラッド層としての効果を兼ね備えた層を成長さ
せることができる。
なる単一の層を用いたが、InGaNからなる井戸層と
InGaNからなる障壁層、またはInGaNからなる
井戸層とGaNからなる障壁層とを交互に積層させた多
重量子井戸構造からなる活性層とする場合でも、本実施
の形態と同様の効果が得られる。
ラッド層5を成長させるということは、活性層4を成長
させた後に基板1の表面への3族元素および5族元素の
供給が連続してなされていて成長が継続しているという
ことと同義である。例えば、原料ガスの流量変更や原料
ガスの種類の切り替え等により一時的に(例えば、数秒
間)反応管への原料ガスの供給が停止されても、活性層
4上での成長が継続していれば実質的に本発明の思想の
範囲内である。
度が第2のクラッド層6の成長温度である1050℃に
まで到達したら、3族元素の原料ガスとしてTMGとT
MA、5族元素原料ガスとしてアンモニア、p型不純物
の原料ガスとしてCp2Mgを流してAlGaNからな
る第2のクラッド層6を成長させる。この後、引き続き
3族元素の原料ガスとしてTMG、5族元素原料ガスと
してアンモニア、p型不純物の原料ガスとしてCp2M
gを流してGaNからなるp型コンタクト層7を成長さ
せる。このときの積層構造を図4に示す。
度を室温程度まで降下させて、反応管からウェハーを取
り出す。そして、フォトリソグラフィと蒸着法等を用い
てn型クラッド層3およびp型コンタクト層7に接続さ
せるn側電極8およびp側電極9をそれぞれ接合形成さ
せる。この後、ウェハーをスクライブ等によりチップ状
に分離する工程を経て、図1に示した断面構造を持つ発
光素子が得られる。
ド層5は、成長温度が第2のクラッド層6の成長温度に
到達する前に、その膜厚を少なくとも30nm以上に成
長させることが望ましい。その理由は、第1のクラッド
層5は活性層4の構成元素であるIn等の蒸発を防止す
る機能を持つものの、活性層4よりも高い温度で成長さ
せる第2のクラッド層6の成長温度に到達する前に十分
な厚さの膜厚で成長させなければ、In等の蒸発防止効
果が損なわれてしまうからである。
速度を0.4nm/分〜4nm/分に調整して成長させ
ることが望ましい。すなわち、第1のクラッド層5の成
長速度が0.4nm/分よりも小さいとIn等の蒸発防
止効果が低くなり、緑色等のより長波長側の発光の活性
層4を得ることが困難となる。また、第1のクラッド層
5の成長速度が4nm/分よりも大きいと、第1のクラ
ッド層5のうち低温で成長される部分の割合が大きくな
るため、第1のクラッド層5の結晶性が悪くなる。した
がって、活性層4との界面および第1のクラッド層5自
身の結晶性を良好に保持することができなくなる。
えて成長させた発光素子の発光スペクトルを示すもので
ある。
成長速度を1nm/分として成長させた場合では、ピー
ク発光波長が525nmの緑色の発光が得られるのに対
し、第1のクラッド層5の成長速度を5nm/分として
成長させた場合では、ピーク発光波長は538nmであ
る。すなわち、長波長化したものの、発光強度が1nm
/分で成長させたときの約30%程度に低下しており、
スペクトル幅も広くなる傾向にある。一方、第1のクラ
ッド層5の成長速度を0.3nm/分で成長させた場合
では、発光強度については1nm/分で成長させたとき
とほぼ同等であるが、ピーク発光波長は485nmであ
り青色の発光となる。
元素の供給量に対する5族元素の供給量の比、すなわち
V/III比を、20000以上、500000以下と
することが好ましい。V/III比が20000よりも
小さい場合、3族元素の供給量に対して5族元素の供給
量が小さくなり、活性層4の構成元素のうちで特に窒素
の蒸発の防止効果が劣化してしまう。一方、V/III
比が500000よりも大きくなると、活性層4の構成
元素のInの蒸発の防止効果が低下する。これは、成長
中にアンモニアが分解して生成された水素が過剰とな
り、活性層4のInの蒸発を促進するためと考えられ
る。すなわち、従来から知られているように、水素雰囲
気中でInGaNを成長させるとInが容易に蒸発して
しまい、安定成長が困難であることからも明らかであ
る。このように第1のクラッド層5の成長時のV/II
I比を特定することで、活性層4のIn等の蒸発を防止
する効果を良好に保持できるので、その上に成長される
第1のクラッド層5をも結晶性良く成長させることがで
きる。
導体発光素子の製造方法は、活性層4をInx Ga1
−x N(但し、0.5≦x≦1.0)としたときに、
特に顕著な効果が得られる。すなわち、従来の技術の製
造方法による場合、活性層4の結晶性を良好に保ったま
まIn組成を高くしようとしても、In組成はx=0.
4程度とすることしかできなかった。これは、活性層4
を成長させた後にIn等が蒸発してしまうことに原因が
あり、青色発光の発光波長を得ることはできても、長波
長化は困難である。これに対し、本発明では、同じ成長
条件による活性層4を成長させた場合でも、この成長の
後に連続して第1のクラッド層5を結晶性良く成長させ
ることができるので、成長直後のIn等の蒸発を効果的
に抑えることができる。したがって、活性層4のIn組
成を従来では困難とされていたx=0.5以上とするこ
とができるようになり、青緑色や緑色等のより長波長側
の発光波長でも高輝度な発光が得られるようになる。
のGaNとすることが好ましい。すなわち、第1のクラ
ッド層5は、活性層4に接していて活性層4の成長に連
続して形成されるため、InGaN等のInを含む3元
化合物で構成される場合、成長中に第1のクラッド層5
自体の構成元素であるIn等が蒸発してしまい、結晶性
を良好に保ったまま成長させることはできない。また、
AlGaN等のAlを含む3元化合物またはAlGaI
nN等の4元化合物で構成される場合、Alを含む層
は、活性層4のように蒸発しやすいInを含む層の成長
温度で成長させると、結晶性の良好な層を成長させるこ
とはできない。
化ガリウム系化合物半導体の成長方法として有機金属気
相成長法を用いたが、これに代えてMBE(分子線エピ
タキシー)法やMOMBE(有機金属分子線エピタキシ
ー)法を用いることもできる。このように窒化ガリウム
系化合物半導体の成長方法として様々な手法を用いる場
合でも、本発明の技術思想の範囲内で使用材料や成長条
件等の変更を加えることで対応できる。
発光素子の製造方法の具体例について図1を参照しなが
ら説明する。以下の実施例は、有機金属気相成長法を用
いた窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法を示すもの
である。
アの基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基
板1の表面温度を1100℃に10分間保ち、水素ガス
を流しながら基板1を加熱することにより、基板1の表
面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除くため
のクリーニングを行う。
降下させ、主キャリアガスとしての窒素ガスを10リッ
トル/分、アンモニアを5リットル/分、TMAを含む
TMA用のキャリアガスを20cc/分で流しながら、
AlNからなるバッファ層2を25nmの厚さで成長さ
せる。
1050℃まで昇温させた後、主キャリアガスとして、
窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.95リット
ル/分で流しながら、新たにTMGを含むTMG用のキ
ャリアガスを4cc/分、Si源である10ppmのS
iH4(モノシラン)ガスを10cc/分で流しながら
60分間成長させる。そして、SiをドープしたGaN
からなるn型クラッド層3を2μmの厚さで成長させて
n型クラッド層3を成長形成後、TMG用のキャリアガ
スとSiH4ガスを止め、基板1の表面温度を750℃
まで降下させる。その後、新たに主キャリアガスとして
窒素ガスを10リットル/分、TMG用のキャリアガス
を2cc/分、TMI用のキャリアガスを100cc/
分で流しながら20秒間成長させて、アンドープのIn
GaNからなる活性層4を2nmの厚さで成長させる。
この活性層4のIn組成はx=0.55であった。
スのみを止め、主キャリアガスとアンモニアとをそのま
まの流量で流し、TMG用のキャリアガスを0.5cc
/分で流すとともに、基板1の表面温度を1050℃に
向けて上昇させながら、活性層4の成長に連続してGa
Nからなる第1のクラッド層5を成長させる。このとき
の第1のクラッド層5の成長速度は1nm/分、V/I
II比は100000である。そして、第1のクラッド
層5の膜厚が40nmに達したら、TMG用のキャリア
ガスを止め、そのまま基板1の温度を1050℃まで上
昇させる。
たに主キャリアガスとして窒素ガスを9リットル/分、
水素ガスを0.90リットル/分、TMG用のキャリア
ガスを4cc/分、TMA用のキャリアガスを6cc/
分、Mg源であるCp2Mg用のキャリアガスを50c
c/分で流しながら4分間成長させて、Mgをドープし
たp型のAlGaNからなる第2のクラッド層6を0.
1μmの厚さで成長させる。
止め、1050℃にて、新たに主キャリアガスとして窒
素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.90リットル
/分と、TMG用のキャリアガスを4cc/分、Cp2
Mg用のキャリアガスを100cc/分で流しながら3
分間成長させ、MgをドープしたGaNからなるp型コ
ンタクト層7を0.1μmの厚さで成長させる。
あるTMG用のキャリアガスとアンモニアを止め、窒素
ガスと水素ガスをそのままの流量で流しながら室温まで
冷却した後、ウェハーを反応管から取り出す。
合物半導体からなる量子井戸構造を含む積層構造に対し
て、その表面上にCVD法によりSiO2膜を堆積させ
た後、フォトリソグラフィにより所定の形状にパターン
ニングしてエッチング用のマスクを形成する。そして、
反応性イオンエッチング法により、p型コンタクト層7
とp型クラッド層すなわち第1及び第2のクラッド層
5,6と活性層4の一部を約0.25μmの深さで除去
して、n型クラッド層3の一部の表面を露出させる。そ
して、フォトリソグラフィーと蒸着法により露出させた
n型クラッド層2の表面上にAlからなるn側電極8を
蒸着形成する。さらに、同様にしてp型コンタクト層7
の表面上にNiとAuとからなるp側電極7を蒸着形成
する。
して100μm程度にまで薄くし、スクライブによりチ
ップ状に分離する。このチップを電極形成面側を上向き
にしてステムに接着した後、チップのn側電極8とp側
電極9をそれぞれステム上の電極にワイヤで結線し、そ
の後樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。この
発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したとこ
ろ、ピーク発光波長525nmの緑色で発光した。
ド層5を成長させる工程において、活性層4の成長温度
よりも50℃高い800℃において第1のクラッド層5
を成長させた後、TMG用のキャリアガスを止め、10
50℃まで基板1の温度を上昇させる以外は、上記実施
例と同様にして発光ダイオードを作製した。この発光ダ
イオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、実
施例と同様の条件で活性層を成長したにもかかわらず、
実施例よりも短波長であるピーク発光波長422nmの
紫色で発光した。
続して第1のクラッド層を成長させるため、活性層を構
成するInや窒素等の蒸発を防止するとともに活性層を
結晶性良く成長させることが可能となり、青緑色や緑色
等のより長波長の発光が得られるIn組成の活性層でも
高輝度な発光が可能となる。このため、発光素子の発光
出力を大幅に向上させることができるという有利な効果
が得られる。
合物半導体発光素子の構造を示す断面図
製造工程を示す図
製造工程を示す図
製造工程を示す図
成長温度プロファイルおよび原料供給プロファイルを示
す図
た発光素子の発光スペクトルを示す図
Claims (7)
- 【請求項1】第1の成長温度でInを含む活性層を成長
させる工程と、前記活性層の表面に第1のクラッド層を
成長させる工程と、前記第1の成長温度よりも高い第2
の成長温度でAlを含む第2のクラッド層を成長させる
工程と、を少なくとも含む窒化ガリウム系化合物半導体
発光素子の製造方法において、前記第1のクラッド層
を、前記活性層の成長完了時点からそのまま継続して前
記第1のクラッド層の結晶材料の成長により形成するこ
とを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の
製造方法。 - 【請求項2】前記第1のクラッド層を、前記第1の成長
温度から前記第2の成長温度までの範囲内で温度上昇さ
せながら成長させることを特徴とする請求項1記載の窒
化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項3】前記第2の成長温度に到達する前に、前記
第1のクラッド層の層厚を30nm以上まで成長させる
ことを特徴とする請求項2記載の窒化ガリウム系化合物
半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項4】前記第1のクラッド層の成長速度を0.4
nm/分〜4nm/分の範囲に調整して成長させること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の窒化ガ
リウム系化合物半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項5】前記第1のクラッド層の成長時の3族元素
の供給量に対する5族元素の供給量の比を20000以
上、500000以下とすることを特徴とする請求項1
から4のいずれかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体
発光素子の製造方法。 - 【請求項6】前記活性層はInxGa1−xN(但し、
0.5≦x≦1.0)であることを特徴とする請求項1
から5のいずれかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体
発光素子の製造方法。 - 【請求項7】前記第1のクラッド層はGaNからなるこ
とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の窒化
ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
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JP21524498A JP2000049377A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法 |
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JP21524498A JP2000049377A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法 |
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JP (1) | JP2000049377A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002043618A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-02-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 窒化物半導体の製造方法 |
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-
1998
- 1998-07-30 JP JP21524498A patent/JP2000049377A/ja active Pending
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