JPH0926624A - 投写用スクリーン - Google Patents

投写用スクリーン

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JPH0926624A
JPH0926624A JP10658996A JP10658996A JPH0926624A JP H0926624 A JPH0926624 A JP H0926624A JP 10658996 A JP10658996 A JP 10658996A JP 10658996 A JP10658996 A JP 10658996A JP H0926624 A JPH0926624 A JP H0926624A
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JP
Japan
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light
fresnel
lenticular
equation
sheet
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JP10658996A
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English (en)
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Masanori Ogino
正規 荻野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 背後からの投写光を受光して画像を投写す
る、その水平指向角の半値角が左右各30°以上と広
く、しかも、垂直方向に光を偏移させるコントラスト比
の優れた投写用スクリーンを提供する。 【解決手段】 レンチキュラーシート57の入射面に
は、縦縞状のレンチキュラーレンズが形成され、該レン
チキュラーレンズの配列ピッチを該レンチキュラーシー
トの光透過部の厚みの0.64倍以上となすことによっ
て左右各30°以上の水平半値角を得、かつ、該2枚の
フレネルシート55,56は、光の入射側に配置され、
該レンチキュラーシート57は、光の出射側に配置さ
れ、該出射側フレネルシート56のレンズ面は、垂直方
向に光を収束する線状フレネルレンズ要素で形成され、
かつ、該2枚のフレネルシートによる垂直方向収束力が
水平方向収束力よりも強く形成されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のCRTを水
平並置して使用する背面投写装置に用いるスクリーンに
関り、特に、指向角が広く、かつ、カラーシフトの少な
い高性能背面投写スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】図1に、通常のリヤプロジェクションカ
ラーテレビの光学システムの基本構成を示す。図1にお
いて、1は赤CRTであり、その画像は投写レンズ3に
よって、スクリーン5へと投写される。スクリーン5
は、フレネルシート6とレンチキュラーシート7とから
構成される。フレネルシート6の働きは、投写レンズ3
からスクリーンの周辺部へ向ってマクロに発散してくる
投写光を、マクロに収束して、平行出射光に変換するた
めのものである。レンチキュラーシート7は、入射光を
ミクロに拡散して、スクリーン上に斜めから見ても像が
見えるようにするためのものである。その拡散指向特性
の半値角によってほゞそのスクリーンの適視角がきま
る。
【0003】図2は、望ましい適視角を示す。通常の用
途では、垂直方向に±8度、水平方向に±45度が望ま
しい。尚、必要最低限の水平半値角は±30度以上であ
る。図3は、同様の内容をグラフ表示して示したもので
ある。同図で曲線9は水平指向特性であり、曲線10は
垂直指向特性である。
【0004】図1において、2色の投写光の集中角εは
通常、6〜8度の値である。この集中角εに基因して、
カラーシフトが発生する。即ち、方向Aの方から見ると
赤色が青色よりも強調されて見え、逆に、Bの方向から
見ると、青色が赤色よりも強調されて見える。このカラ
ーシフトは大幅に画質を劣化させるものである。過去に
おいて、このカラーシフトは、おおむね不可避のものと
考えられていて、その克服に成功した例は極めて少なか
った。
【0005】USP 4,054,907 にひとつの
アイデアが記述されており、そこでは、図4に示す構成
が、図1のレンチキュラー部に使用されている。この特
許は、3個のCRTと3個の投写レンズとを垂直方向に
並置することを前提としており、そのような配置に適し
た構成が記述されている。しかしながら、現実には、近
年のプロジェクションテレビには、水平並置方式が採用
されており水平並置方式において望まれる広い水平指向
角を実現してかつカラーシフトを低減した例は未だ存在
しなかった。
【0006】図4において、11は垂直方向に光を拡散
する円柱状レンチュラーレンズであり、その曲率半径r
1は1mmであり、その配列周期は0.8mmであり、これ
に基き、±12度の垂直指向角を得ている。同図で12
は、カラーシフト補償用のレンチキュラーレンズであ
り、その曲率半径及び周期は、既述11と同じである。
13は、水平方向に光を拡散する円柱状レンチキュラー
レンズであり、その曲率半径r3は0.4mm、周期P
3は、0.6mmとされている。これは、後述の通り水平
半値角約±27度以下に相当するものである。14は黒
縞細条で、出射面の外光に対する反射率を下げ、コント
ラストを向上するためのものである。
【0007】図5に、レンチュラーレンズ11、12の
部分の光路追跡と動作原理を示す。同図で、実線は青ビ
ームを意味し、点線は赤ビームを意味する。図から分か
るように、入射側レンチキュラーレンズの中央部に入っ
た光は、出射レンチキュラーレンズを経て、スクリーン
面に垂直な平行光として出射される。上述の作用は、上
述の狭い拡散角及びCRTの垂直並置との組み合せにお
いては良好に働くが、実際への応用に関してはその原理
に基づく限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】実際への応用の観点か
ら、具体的には、次に示す3項の問題点があった。 (1) 垂直並置CRT方式は、家庭用に望まれるキャ
ビネットの小形化にそぐわない。何故なら図6に示す通
り、垂直並置形式は、キャビネットの高さと奥行を増大
させるからである。
【0009】(2) 水平並置形式においては、水平指
向角は、±12度では、不充分であり、約±30度以上
が本来の使用条件から考えて望まれる。図7は、上述の
原理を仮りに、より広い指向角を得るために応用した場
合にどのような問題が発生するかを示すためのものであ
る。±40度の指向角を得るためには、周期対半径比は
1.8まで増加する必要がある。図7において、15
は、青色の指向性を意味し、16は赤色の指向性を意味
する。水平斜め方向から観視すると、青色と赤色との指
向性が甚しく非対象となってしまう。甚しい非対象性を
発生する理由は、入射光束の上側半分と下側半分との食
い違いにあることを発明者は見い出した。これは、図7
において、
【数1】 で示される。
【0010】(3) 図8に示されるように、水平半値
角が、約±27度と狭く、また、球面収差のために、出
射面に配置される黒縞細条によって有効光が阻止され、
効率の低下をきたす。狭い水平半値角の原因は、円柱状
レンズに内在しており、球面収差も同じ理由で発生して
いる。図8の指向特性は、後述式2の方法に基づいて計
算されたものである。
【0011】(4) 図4及び図5のレンチキュラーレ
ンズ11,12によって提供される垂直指向特性は上下
対称状でその半値角は12°である。観視者の存在しな
い無駄な方向へも光を出射することとなり、その光利用
効率が悪かった。また該従来技術においては、図5の既
述説明から明らかな通り、フレネル出射光即ち図5のレ
ンチキュラーレンズ:11への入射光を垂直方向に傾斜
させても、レンチキュラーレンズ:12の出射光におい
てはその垂直傾斜が消去されてしまうという欠点があっ
た。そこで、本発明の目的は、上記の従来技術における
問題点に鑑み、背後からの投写光を受光して画像を投写
する投写用スクリーンであって、その水平指向角の半値
角が左右各30°以上と広く、しかも、垂直方向に光を
偏移させるコントラスト比の優れた投写用スクリーンを
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、本発明によれば、投写テレビ方式に使用される
投写用スクリーンであって、少なくとも光を屈折し透過
する2枚のフレネルシートとレンチキュラーシートとを
含み、該レンチキュラーシートの入射面には、縦縞状の
レンチキュラーレンズが形成され、該レンチキュラーレ
ンズの配列ピッチを該レンチキュラーシートの光透過部
の厚みの0.64倍以上となすことによって左右各30
°以上の水平半値角を得、かつ、該2枚のフレネルシー
トは、光の入射側に配置され、該レンチキュラーシート
は、光の出射側に配置され、該2枚のフレネルシートは
入射側フレネルシートと出射側フレネルシートにより構
成され、該出射側フレネルシートのレンズ面は、少なく
とも垂直方向に光を収束する線状フレネルレンズ要素で
形成され、かつ、該2枚のフレネルシートによる垂直方
向収束力が水平方向収束力よりも強く形成されているこ
とを特徴とする投写用スクリーンが提案されている。す
なわち、上記の本発明になる投写用スクリーンによれ
ば、スクリーン出射光の方向を観視者の分布する方向へ
と垂直方向に収束偏移させることを可能とするものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図9に、本発明によるレンチキュ
ラー部の基本実施例を示す。この部分は、図1におけ
る、レンチキュラー部7として使用されるべきものであ
る。図9において、21は光を垂直方向に拡散するため
のレンチキュラーレンズである。このレンチキュラー面
は、ランダム拡散層で置き換えることも可能である。そ
の指向特性の半値角は、図3の曲線10に示される通
り、約±8度に選定する。22、23は各々入出射側レ
ンチキュラーレンズを示す。24は黒縞細条であり、外
光に対する表面反射率を低減しコントラストを向上する
ためのものである。
【0014】まず第1に、入射側レンチキュラーレンズ
22のプロファイルは、その離心率eが媒質の屈折率n
の逆数に等しいだ円状とする。通常の用途においては、
媒質には、アクリル材が用いられその屈折率nは約1.
5である。この値は、以下の記述において数値例を示す
場合に常に用いられる。入射側レンチキュラーレンズの
方程式:
【数2】
【0015】図10に、入射側レンチキュラーレンズの
半周期分を示す。同図で、入射線ビームは、だ円の長
軸、即ち光軸に平行であり、レンズ表面で屈折された後
波面収差なしでその焦点eに収束される。何故なら、x
座標−1のだ円の左端の平面から、焦点までの空中換算
光路長は、入射位置(−c,h)に無関係に、次式の通
り一定値となるからである。従ってレンチキュラーシー
トの出射面に配置される黒縞細条の面積の比率を向上で
き、従って再生画像のコントラスト比を向上できる。 d=1−c+(1+ec)n =1−c+n+c=1+n(定数) (1) 注)新しく導出する式の等号の下側に記した式の番号
は、新しい式を導出するに際してその番号の既述の式が
用いられたことを示す。以下、簡潔化のため、同様の表
現を用いる。
【0016】さて、緑ビームについての水平指向特性は
輝度の定義に基づいて次式によって計算される。この式
は発明者が自然法則に基き導出したものである。
【数3】 ここに、h :レンズへの入射高さ θG:出射角 上式において、cosθG はランバーシャン係数であ
り、dhは入射光束の微分に比例するものである。
【0017】図10の関係から式2は次のように変形で
きる。
【数4】
【数5】 上式を計算した結果を図11に示す。この計算結果は、
既に実測結果によって立証されており、図8の従来技術
に比べて、大幅なる改善効果のあることが明白である。
(27°→ 40°) 次に、カラーシフトを改善するために新しく開発された
手法について述べる。
【0018】図12に、赤,緑,青ビームの光路追跡結
果を示す。光軸に対して斜めに入射する赤,青ビームが
内向き極性のコマ収差を伴っていることが明白に概観さ
れる。この手法の基本は、該コマ収差を活用して、カラ
ーシフトを低減できるように、出射面側レンチキュラー
レンズのプロファイルを選定するにある。
【0019】さて、以下において記述は、図13の示す
座標系に基づいて行う。同図で各記号の定義は、次の通
りである。 ε:入射青ビームの集中角 (−c,h):レンズ面入射点座標 (xV,yV):谷間座標 yVはレンズの半周期に等しくこれが水平指向角の限界
値を決める。 h′:入射青ビームの内在的入射高さ △h:h′−h θB:出斜面が平面であった場合の青ビームの出射角。 θBは、集中角εと入射高さhとの関数である。しか
し、その形は明白な形には表しにくい。この関数を形式
的にf(ε,h)で表わす。 θB=f(ε,h) …………(5)
【0020】そうすると、赤ビーム,緑ビームについて
次式が成立する。 θR=f(−ε,h) …………(6)
【数6】 緑ビームを基準に考えて、カラーシフトを避けるために
青ビームに対して必要とされる補償角δは、次式で表し
得る。 δ=−f(ε,h)+f(o,h+△h) …………(8)
【数7】
【数8】
【0021】上式のδを、集中角εとレンズ入射点の横
座標Cとで表わすという方針のもとに式の変形をする。
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【0022】式10,11,12から、
【数13】 次に、式9の
【数14】 を求める。
【数15】 以上によって、式9,13,14により、δの値がεと
cとの関数として求まった。
【0023】次に、青ビームの出射面における高さy
(図13参照)を求める。図13より、
【数16】 式15の形から、出射面でのビームの高さyはcとεの
みによって決まり、hの値及び符号にはよらないことが
判る。これは、球面収差が存在せず、コマ収差だけが存
在することを意味しており、既述の図12の説明を裏づ
けている。式9,13,14にも同様の性質が認められ
るのでCを補助変数として、出射面での青ビームの高さ
yの各値に応じての必要補償角δの値が求まることにな
る。
【0024】δの値が求まれば、出射面に付与すべき傾
角dx/dy値がスネルの法則に基き、次のように求め
られる。
【数17】 尚、式9,13,14から、δは次式の通りに求まる。
【数18】 光学システムを決めると、集中角εの値は、一定の値に
固定される。式15,16,17の形から判るように、
レンチキュラーレンズ入射面での入射深さcを媒介変数
として、出射面での青ビームの各入射高さyに対応する
その高さでの出射面での必要傾斜角が求められたことに
なる。この関係はひとつの微分方程式の関係である。微
分方程式をピースワイズリニア近似,フーリエ展開,多
項式展開あるいはグラフ的手法等により解くことがで
き、従って、出射側レンズ面のプロファイルを決定し得
る。
【0025】以上に述べた手法の正当さを示すために、
以下にいくつかの数値例を示す。ただしその数値の範囲
は、以下に述べる具体的な数値例の範囲に制約されるも
のでないことを注意されたい。以下の例で述べるδ1
δ2は、各々式17の第1項及び第2項を意味する。ま
たそれらは、式9’の定義とも合致するものである。
【0026】例A図13において下記の通りに選定した
場合。この場合、水平指向角の限界は、約±40度とな
る。 (xV,yV)=(−0.593,0.600)
【0027】
【数19】
【0028】集中角εを実際的な値0.128radに
置き換え、多項式展開法によって、上記微分方程式を解
くと次式を得る。
【数20】 for|y/ε|=1.11〜0.62 式18に基づき、水平指向特性を計算した結果を第14
図に示す。同図から判るように、赤/青の相対比は、
1.2以内に改善されていることが了解される。式18
の意味のある領域は|y/ε|=1.11〜0.62で
あるからして、これ以外の領域では、出射側レンチキュ
ラーレンズのプロファイルは任意で良く、型の製作を容
易にするべく変形することが許容される。
【0029】スクリーンの製造のためのもとになる型の
製作を容易化するために、出射面レンチキュラーレンズ
のプロファイルをパラボラ状とすることが望ましい場合
がある。式19でkを定数とすれば、パラボラ状とな
る。
【数21】
【0030】この場合、スクリーンを正面方向から見た
場合の近傍でのカラーシフトを最小化するという立場を
とると、これは、図13において、Cが1.0の近傍に
対応するからこの値を、式15,16,17に代入して
次式を得る。
【数22】
【数23】
【数24】
【数25】
【0031】式19の曲率kは、次式によって求まる。
【数26】 よって、
【数27】 eの値 0.667を代入して次式を得る。 k=1.8+1.62(1+xV) ……………(25) k1=1.8 ,k2=1.62(1+xV) ………(26) 式25において、(1+xV)は、図13のレンチキュ
ラーレンズの谷部の深さを意味する。これは、図11の
θVで示す限界指向角を決定するものである。xVとθV
との関係は、式7と次式とから求まる。
【数28】
【0032】上式に基く計算結果を表1に示す。上述の
説明から判るように、表1において入射側のレンチキュ
ラーレンズの谷部の深さ(1+Xv)とその近軸曲率半
径(1/k1)との比は、1.8(1+Xv)で与えら
れる。従って±30°以上の水平半値角を得るために
は、表1のXv=−0.7,θv=33°の値に基づ
き、1.8(1−0.7)≒0.5となり、それ故、該
比の値を約0.5以上とすることが必要である。また、
その際、レンチキュラーシートの厚みは、図13から1
+eすなわち1.667であり、かつ、ピッチ(2
V)は表1から1.06である。従って、水平半値角
を±30°以上とするには、ピッチ/厚み 比を0.6
4以上とする必要がある。
【0033】 表1 xV,yV,θV,k,k/k1の関係 xV =−0.3 , −0.4 , −0.5 , −0.7 , −0.95 yV = 0.71 0.68 0.65 0.53 0.23 θV = 62° 53° 48° 33° 12° k = 2.93 2.77 2.61 2.29 1.88 k/k1= 1.63 1.54 1.45 1.27 1.04 上表中、第2列の欄の場合を例Bとして以下に記す。
【0034】例B (xV,yV)=(−0.4,0.68),θV=53° k=2.7 出射側レンチキュラーレンズのプロファイル:
【数29】
【0035】図15に、上式に対応する指向特性の計算
結果を示す。同図において、実線51は青ビームの指向
特性、点線52は、赤ビームの指向特性である。尚、短
かい実線53及び短かい点線54は、各々、図5の従来
技術における特性を計算して併記したもので、各々青ビ
ーム,赤ビームに対応するものである。同図から明白に
理解されるように、本手法による指向角拡大効果及びカ
ラーシフトの改善効果は、極めて大きい。本例におい
て、左右端の限界角が、赤,青間で若干食い違っている
が、この食い違いの影響は、別途ランダムディフューザ
要素を、レンチキュラー部の媒質内に追加する等の手段
により、軽減することができるものである。
【0036】以上の記述において、基本実施例で述べた
通り、入射面側のレンチキュラーレンズのプロファイル
として、離心率が1/nに等しいだ円を採用することを
前提としてきた。しかしながら、その範囲は、既述の特
定だ円形状に限定されるべきものではない。実際、スク
リーンの法線方向にその長軸を合わせた任意形状の非球
面を採用して本発明の意図を達成することが可能で、そ
の形状は一般に次式で表すことが可能である。
【数30】
【0037】ここに、A4,A6,………は定数 この場合、既述の式3,4は成立しないが、式5,6は
成立する。式7も、その後半部を、式28に基づきスネ
ルの法則に置き代えれば、やはり成立する。従って、
式、8,9,9’も成立する。式20,21,22に対
応する公式を得るには、式28を式29によって近軸近
似する。
【数31】 そうすれば、式20,21,22,23が成立し、従っ
て、式24,25,26も成立する。従って、表1は、
VとθVの行を除いて、一般的なスーパーパラボラに対
しても適用できることになる。この部分を表2に示す。
【0038】 表2 谷部座標xVと出射側レンチキュラーレンズの曲率kとの関係 xV =−0.3 , −0.4 , −0.5 , −0.7 k = 2.93 2.77 2.61 2.29 1/k = 0.34 0.36 0.38 0.44 k/1.8= 1.63 1.54 1.45 1.27 上表中のxV,kの値は、図16に示す座標系を基にし
た数値である。
【0039】本手法を、より一般的に利用しやすくする
ために、図17に、もうひとつ別の一般的な座標系を示
す。同図では原点を、入射側レンチキュラーレンズ面の
頂点にもってきてある。また、座標(x,y)は小文字
から大文字に代えてある。 入射面レンチキュラープロファイル:
【数32】
【0040】ここに、R1:入射面曲率半径 出射面レンチキュラープロファイル:
【数33】
【0041】ここに、T:厚み R2:出射面曲率半径 TとR2とは、R1によって次式の通り関係づけられる。
【0042】
【数34】
【数35】 式33の第2項は、式32の等号を満たすような設計例
においては、消滅してしまう。この条件は、入射面レン
チキュラーレンズの焦点面上に出射面レンチキュラーレ
ンズを配置する条件に対応している。式33の第1項
は、出射面レンチキュラーレンズの形状を極力簡略化す
るという条件のもとでの本発明の応用によるR2の設定
を記述するものである。この第1項によって求められる
Vと、R1/R2比との関係を表3に示す。
【0043】 表3 XVとR1/R2比との関係 XV/R1 = 1.8 , 1.6 , 1.4 , 1.2 , 1.0 , 0.6 R1/R2 = 1.9 , 1.8 , 1.7 , 1.6 , 1.5 , 1.3
【0044】以上、式20以降において述べた、実施例
は、前提条件として、スクリーンの正面近傍から見たカ
ラーシフトを最小化するという立場に立っている。この
ことは、式20の導出に先だって述べた通りである。本
手法の別の応用においては、カラーシフトを、スクリー
ンの正面方向と、斜め方向との間で、妥協的に、最適化
することが要求される。このような応用においては、R
1/R2比は、次式を満足するように設計することが、推
しょうされる。 R1/R2=1+(n−1)XV/R1 〜1+{(n−1)/3}XV/R1 ……(33’) 上記一般化された場合においても、表1に関連して記述
した通り、±30°以上の水平半値角を得るためには、
入射側レンチキュラーレンズのピッチとレンチキュラー
シートの光透過部の厚みとの比を0.64以上とする必
要がある。以上の記述によって本発明の図9のフロント
エレメントについては、充分なる理解が得られたものと
考えられる。
【0045】次に本発明の特徴となる図9における垂直
方向光拡散要素、および、図1のフレネル要素に関わる
例について述べる。図18に、フレネルレンズ部の変形
案を単純化してしめす。同図において、55は、水平方
向に光を収束するフレネルレンズである。一例として、
フレネルレンズの周期は0.27mmに設定される。シー
ト56は、垂直方向に光を収束するためのフレネルレン
ズである。一例としてその周期は0.27mmに設定さ
れ、厚みは3.0mmに設定される。シート57は、図9
で既述のレンチキュラー部である。
【0046】図19は、シート55によるマクロな光収
束効果を示す。同図は、出射側共役点を無限遠点に設定
した場合を示す。出射側共役点を有限距離に設定するこ
とも可能であるが、この場合には、図9のフロントエレ
メントにおいて、入射側レンチキュラーレンズと出射側
レンチキュラーレンズとの配置関係を、フレネルレンズ
からの出射光の収束の方向に沿って、光軸をずらせて配
置することが必要である。
【0047】図20は、本発明になるフレネルレンズ5
6によるマクロな光収束効果を示す。垂直方向に関して
は、観視者は、図20において、極限された領域に存在
するのが通常であり、bの値は、スクリーンの高さの4
〜6倍、また、h/bの値は、スクリーンの垂直指向性
の半値角の10%以上の範囲にあることが多い。従っ
て、これに合致するように、フレネルレンズ56を構成
することが有効である。フレネルレンズ55の共役点
(出射側)を無限遠点に設定し、かつ、フレネルレンズ
56の出射側共役点を有限の位置に設定することは、図
18に示す非サーキュラーフレネル技術を用いて始めて
実現できるものであり、その実現のためには、フレネル
レンズ55,56による垂直方向収束力が水平方向収束
力よりも強くなるように構成しておくことによって実現
できる。
【0048】図18において、フレネルレンズ面は、各
シートの出射面側に形成してあるが、これは、フレネル
レンズ面を入射面側に配置すると、投写レンズから発散
的にスクリーン周辺部に向って入射する光の一部が、フ
レネルレンズの不連続部に無効光束として食われてしま
うのを防ぐためである。図18において、シート55,
レンチキュラー部57との間に、シート56を配置した
のは、シート55の縦線状構造と、シート57の縦線状
構造との間で発生する干渉縞モアレ妨害を軽減するため
である。
【0049】図21は、フレネルレンズの1周期分と、
角度α,β,θ,γを示す。図20,図21から、スネ
ルの法則により、プリズム角θは、次の通りに求められ
る。
【数36】
【0050】かくして、必要なプリズム角θは、y,
a,b,hの関数として求められ、所望のフレネルレン
ズを構成することができる。以上の記述によって理解さ
れる通り、本発明の投写用スクリーンを使用することに
より、従来技術の欠点を克服し、より広い水平半値角と
観視者の分布にマッチした垂直指向性を有するコントラ
スト比の優れた、観視者にとって見易く美しい画像を提
供できる背面投写用スクリーンを提供することが可能と
なる。従ってその工業的価値極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロジェクションテレビの光学系の基本構成を
示す図。
【図2】望まれる指向角の範囲を示す図。
【図3】望まれる指向特性を示すグラフ。
【図4】従来技術によるレンチキュラー部の透視図。
【図5】第4図の一部拡大垂直断面図。
【図6】第4図に対するキャビネット構成を示す図。
【図7】従来技術の変形例を示す図。
【図8】従来技術の変形例の指向特性を示す図。
【図9】本発明によるレンチキュラー部の一部透視図。
【図10】本発明の第9図の入射面レンチキュラーレン
ズの半周期分の一部拡大水平断面図。
【図11】本発明による水平指向特性を示す図。
【図12】本発明の第9図の一部拡大水平断面図。
【図13】本発明の説明のための座標系を示す断面図。
【図14】本発明によるカラーシフト特性を示す図。
【図15】本発明によるカラーシフト特性の一例を、従
来技術と対比させて示す図。
【図16】本発明の説明のための座標系を示す図。
【図17】本発明の説明のための今ひとつの座標系を示
す断面図。
【図18】本発明の実施例を示す単純化された透視図。
【図19】フレネルレンズの水平方向収束作用を示す
図。
【図20】フレネルレンズの垂直方向収束作用を示す
図。
【図21】フレネルレンズの1周期分を抜き出した断面
図。
【符号の説明】
1,2 CRT 3,4 投写用レンズ 5 スクリーン 6 フレネル部 7 レンチキュラー部 9 水平指向特性 10 垂直指向特性 11,12 円柱状レンチキュラーレンズ 22 入射面レンチキュラーレンズ 23 出射面レンチキュラーレンズ 24 黒縞細条 55 水平方向収束用フレネルシート 56 垂直方向収束用フレネルシート 57 レンチキュラー部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投写テレビ方式に使用される投写用スク
    リーンであって、 光を屈折し透過する2枚のフレネルシートとレンチキュ
    ラーシートを含み、 該2枚のフレネルシートは、投写光の入射側に配置さ
    れ、 該レンチキュラーシートは、投写光の出射側に配置され
    たものにおいて、 該レンチキュラーシートの入射面には縦縞状のレンチキ
    ュラーレンズが形成され、該レンチキュラーレンズの配
    列ピッチをレンチキュラーシートの光透過部の厚みの
    0.64倍より大となすことによって、左右各30°以
    上の水平半値角とし、 該レンチキュラーシートの出射面の光不通過部には、該
    レンチキュラーレンズの光軸に関して左右対称状に黒縞
    細条が形成され、かつ、 該2枚のフレネルシートは入射側フレネルシートと出射
    側フレネルシートにより構成され、該出射側フレネルシ
    ートのレンズ面は少なくとも垂直方向に光を収束する線
    状フレネルレンズ要素で形成され、かつ、該2枚のフレ
    ネルシートによる垂直方向収束力が水平方向収束力より
    も強く形成されたことを特徴とする投写用スクリーン。
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