JPH09265173A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理装置 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理装置

Info

Publication number
JPH09265173A
JPH09265173A JP9009823A JP982397A JPH09265173A JP H09265173 A JPH09265173 A JP H09265173A JP 9009823 A JP9009823 A JP 9009823A JP 982397 A JP982397 A JP 982397A JP H09265173 A JPH09265173 A JP H09265173A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
photosensitive material
silver halide
photosensitive
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9009823A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Nomura
秀昭 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP9009823A priority Critical patent/JPH09265173A/ja
Publication of JPH09265173A publication Critical patent/JPH09265173A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photographic Developing Apparatuses (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Photographic Processing Devices Using Wet Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】作業が簡便で、簡易かつコンパクトな処理装置
で品質の向上した処理方法を提供する。 【解決手段】支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を少
なくとも1層有し、かつ磁性粒子を含有する磁気記録層
を有する撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を撮影に供す
る為の収納容器から分離せずに現像に供する為の処理容
器で発色現像、脱銀、水洗及び/又は安定化の処理を行
い、その後に該収納容器に該感光材料を戻すことを特徴
とする撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影用ハロゲン化
銀写真感光材料(以下、単に感光材料と言うこともあ
る)の処理装置及び処理方法に関するものであり、更に
詳しくは、支持体にハロゲン化銀乳剤層及び磁気記録層
を有する感光材料を簡易かつコンパクトな処理装置で現
像処理する処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法においては、発色現像、脱銀、水洗及び安定化の
処理が施される。現在、最も普及した画像記録方法であ
るネガ/ペーパー方式は、カラーネガフィルムをカメラ
に装填して撮影し現像処理後、これをカラー印画紙(カ
ラーペーパーともいう)上に焼き付け・現像処理してカ
ラー画像(プリントともいう)を得る方法である。この
方法における処理システムは、”CN−16L/CP−
47L”に代表される迅速用カラー処理剤とミニラボの
普及により処理システムの迅速性が図られ当日仕上げが
可能となってきている。但し、現像依頼からプリントを
得るには約20分は最低限待たなければならず、取扱店
に二度足を運んでいるのが実態であり、ユーザーの要求
を満足させるには到っておらず、更なる処理の迅速化が
極めて重要な課題となっている。また、この様なミニラ
ボにおいてはコスト及び人手作業の軽減、環境負荷の低
減、処理装置の小型化、更には商品価値の向上の為、で
きるだけ少量の処理液で安定かつ優れた処理性能を得る
ことが要求される。
【0003】更に、ユ−ザ−の不満としては例えば、1.
プリント仕上がりの色や濃度の調整が不充分;2.焼き増
しプリントが前のプリントと違うなどが挙げられる。こ
れらの品質に関する問題は、ユーザーの撮影時の情報や
前回の焼付け時の情報等をネガフィルムに持たせること
によって解決できる。その具体的な提案として、感光材
料に透明磁気記録層を付与することにより、撮影時のカ
メラからのデータやユーザーが入力したデータを、ラボ
機器が読み取って、プリントタイプの検出、プリントの
品質向上、プリントへの情報活字などに活用する”AD
VANCED PHOTO SYSTEM”と称するシ
ステムが最近提案されている。
【0004】このシステムにおいては、撮影済のフイル
ムを撮影用のカートリッジから処理専用の中間カートリ
ッジに”デタッチャー”と称する装置で詰め替える。そ
の後、リーダーに貼り付けてフイルムプロセサーで現像
処理を行い、リーダーはがしを行った後に現像済みのフ
イルムを”リアタッチャー”と称する装置で元のカート
リッジに収納する必要がある。従って、品質向上が図れ
る反面、従来のシステムに”デタッチャー”、”リアタ
ッチャー”という装置が加わる為に、機器コスト、処理
スペース、作業時間及び人手に負荷が加わるという問題
を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上を鑑みて
なされたものであり、撮影用カートリッジから引き出さ
れた感光材料を切り離さずに現像処理し、その後に同じ
カートリッジに戻すことによって、中間カートリッジに
詰め替え、リーダー貼り付け等の煩雑な作業を不要と
し、簡易かつコンパクトな処理装置で品質向上した処理
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の処
理装置及び処理方法によって達成された。即ち、 (1)支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくと
も1層有し、かつ磁性粒子を含有する磁気記録層を有す
る撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を撮影に供する為の
収納容器から分離せずに現像に供する為の処理容器で、
該感光材料同志または該感光材料と部材とで該感光材料
の感光面に接して形成された間隙に処理液を導入し、更
に該間隙を実質的に固定保持された状態で、導入された
処理液を該感光材料に対して、処理の一工程が終了する
までに間隙容量の少なくとも等量以上を処理液の供給手
段により置換することにより該感光材料を発色現像、脱
銀、水洗及び/又は安定化の処理を行い、その後に該収
納容器に該感光材料を戻すことを特徴とする撮影用ハロ
ゲン化銀写真感光材料の処理方法。特にその効果は、 (2)該収納容器と該処理容器の間に乾燥部が設けら
れ、処理後に該乾燥部で乾燥された後、又は乾燥中に該
収納容器に該感光材料が戻されることを特徴とする上記
(1)に記載の撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法。 (3)該感光材料のパーフォレーションを画像部の片側
のみに有し、かつパーフォレーションを有しない側から
短尺方向に該処理液を導入することを特徴とする上記
(1)また(2)に記載の撮影用ハロゲン化銀写真感光
材料の処理方法。 (4)該感光材料の支持体が、厚さ50〜150 μm、ガラ
ス転移温度が50〜200 ℃のポリエチレン芳香族ジカルボ
キシレート系ポリエステルで、下塗層付与前又は下塗層
付与後から乳剤層塗布前に40℃以上ガラス転移温度以下
の温度で0.1 〜1500時間熱処理されている支持体である
ことを特徴とする上記(1)〜(3)に記載のハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法。 (5)該発色現像液が実質的にヒドロキシルアミンを含
有しないことを特徴とする上記(1)〜(4)に記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。または、 (6)支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくと
も1層有し、かつ磁性粒子を含有する磁気記録層を有す
る撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を巻き付けた芯材を
撮影に供する為の収納容器本体内に回転自在に収納し、
芯材の回転により感光材料の先端を収納容器本体に設け
た感光材料通路を通して排出口から送り出され現像に供
する為の処理容器まで送られる搬送手段を有し、該収納
容器から該感光材料を切り離す手段を持たず、該感光材
料同志または該感光材料と部材とで該感光材料の感光面
に接して実質的に固定保持された間隙に処理液を供給す
る手段を有し、少なくとも一つの該感光材料を発色現
像、脱銀、水洗及び/又は安定化の処理が終了するまで
に供する為の処理容器が一つであり、かつ処理後に芯材
の回転及び/又は該搬送手段によって該収納容器に該感
光材料を戻すことを特徴とする撮影用ハロゲン化銀写真
感光材料の処理装置。特にその効果は、 (7)処理後、該収納容器に該感光材料を戻す間に乾燥
が行われる乾燥部を該収納容器と該処理容器の間に設け
られることを特徴とする上記(6)に記載の撮影用ハロ
ゲン化銀写真感光材料の処理装置。 (8)該収納容器の感光材料排出口から該処理容器の感
光材料挿入口までの距離が0.5cm〜10cmであること
を特徴とする上記(6)または(7)に記載の撮影用ハ
ロゲン化銀写真感光材料処理装置において顕著である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の処理装置においては、撮影済みの
感光材料を処理用中間カートリッジへの詰め替え、リー
ダー貼り付け等の煩雑な作業を不要とし、撮影に供する
為の収納容器(以下、単にカートリッジ又はパトローネ
と言うこともある)から引き出された感光材料を切り離
さずに現像処理し、その後に同じ収納容器に戻すことに
よって、簡易かつコンパクトな処理装置となることを特
徴とする。
【0008】本発明で用いられる撮影に供する為の収納
容器(以下、単にパトローネ又はカートリッジと言うこ
ともある)は、未使用状態では感光材料の先端までもカ
ートリッジ本体内に巻き込んでおくようにし、使用時に
は芯材(以下、単にスプールと言うこともある)を回転
させてることによって感光材料の送り出しを行うことを
特徴とする。これらのカートリッジの感光材料排出口に
は通常遮光部材としてパイルを有する遮光リボンが用い
られる。また、US 4,848,693、同 5,317,355、特開平3
−37645号記載の態様のように、感光材料排出口を
確実に遮光するために開閉自在な蓋部材を用いてもよ
く、遮光方法はこれらに限定されない。本発明で用いら
れるカートリッジは、US 4,834,306、同 5,226,613、同
5,296,886、同 5,347,334、特開平5−210202号
等に開示されている態様を採用することができる。ま
た、特開平7−199441号、特開平7−24436
5号に記載のシステムで用いられているカートリッジも
採用することができる。
【0009】本発明で使用されるカートリッジの主材料
は金属でも合成プラスチックでもよい。好ましいプラス
チック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明の
パトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカー
ボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、
カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等を好
ましく用いることが出来る。これらの帯電防止されたパ
トローネは特開平1-312537、同1-312538に記載されてい
る。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好まし
い。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与する
ためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラス
チックを使って製作される。カートリッジのサイズは現
在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、
現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下
とすることも有効である。カートリッジのケースの容積
は、30cm3 以下好ましくは 25cm3以下とすることが好ま
しい。カートリッジおよびカートリッジケースに使用さ
れるプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0010】本発明で用いられる現像に供する為の処理
容器とは、発色現像、脱銀、水洗及び/又は安定化の処
理液で感光材料を処理する容器のことである。即ち、現
像に供する為の処理容器とは、処理液を循環及び置換す
る処理槽を指す。
【0011】処理の形態としては、従来のハンガータイ
プ(吊り下げ式)自動現像機、コンティニュアス(シネ
式)・自動現像機等を用いて、カートリッジから感光材
料を切り離さずに処理するためには、処理槽又は処理ラ
ックの改造(長尺化等)及び複雑な機構を要するので、
コンパクト化及び簡易化の観点から好ましくない。従っ
て、感光材料の処理液の使用量を削減し、処理装置をコ
ンパクトにするために、少なくとも2枚の感光材料を重
ねて、感光材料の感光面に接して、実質的に固定保持さ
れた状態の間隙を設け(感光材料の乳剤面同志が対向し
た状態でもよいし、乳剤面とバック面とが対向した状態
でもよい)、その間隙に処理液を供給して処理する特開
平4−230475号、特開平5−273719号、特
開平6−110175号に記載の態様がより好ましい。
この場合の間隙は、感光材料の画像面を除く部分、好ま
しくは感光材料の縁部に周期的に設けた凸部により形成
することができる。また他の部材例えば凸部を設けた非
感光性のフイルム、凸凹面をもつフイルム、感光材料の
両縁部を支えて画像面に間隙を与える部材など用いるこ
とができる。当該間隙は処理液を安定に供給できる大き
さであればよく、通常0.005〜2mm、好ましくは
0.01〜1mm、特に好ましくは0.05〜0.5m
mの間隙を設けることができれば、間隙を設ける方法は
特に限定されない。
【0012】該間隙を「実質的に固定保持する」とは、
富士フイルム製の専用ダークレス処理具を用いる処理
(フイルムをゼンマイの様に収縮しての処理)、実開昭
50−105457号明細書に記載の現像機を用いる処
理、インスタント写真用感材の粘性現像液の感光面への
展開による処理などと異なり、感光面に接して間隙を固
定して与える機構をもって保持することを意味する。
「実質的」にとは、処理液の供給時に若干の間隙の変
動、例えば感光材料の膨潤等の変動は生じてもよい。ま
た、間隙を固定して与える機構例えば凸部の近傍に比
し、凸部より離れた部分は若干の間隙が変動していても
よい。処理液を供給でき、置換できそして処理できる充
分な間隙があればよい。
【0013】このような好ましい態様において、処理の
一工程が終了するまでに間隙容量の少なくとも等量の処
理液が置換されることが好ましい。間隙容量とは、処理
液が供給される前、即ち液膨潤される前の感光材料の感
光面に接して形成された間隙の容量の総和である。処理
の一工程とは、黒白写真感光材料の処理では、現像工
程、定着工程、停止工程、安定工程、水洗工程等の各工
程であり、カラー写真感光材料の処理では、発色現像工
程、定着工程、漂白工程、漂白定着工程、反転工程、安
定工程、水洗工程等の各工程である。これらの全処理に
おいて処理液が等量以上置換される必要はないが、現像
工程を含む少なくとも一工程は等量以上の処理液が置換
されることが好ましい。
【0014】処理液の置換は等量以上が好ましいが、更
に好ましくは1等量〜100等量、より好ましくは1等
量〜10等量である。ここで、処理液の流れを変化させ
て置換する場合には、1処理工程に対して2回以上変化
させることが好ましく、より好ましくは3〜100回、
特に好ましくは4〜10回変化させる。この範囲より少
ない場合は、安定しかつ均一な写真画像を得ることが難
しくなる。また、この範囲より大きい場合は、処理液の
使用量が増大し環境負荷が大きくなり好ましくない。
【0015】更に、処理液の置換方向は処理の一工程の
間、一定方向のままであってもよいし、経時的に変化
(例えば逆方向)させてもよく、更に処理液を往復運動
させる間に停止状態を設けてもよい。処理液の置換方向
が経時的に変化又は往復運動させる間に停止状態を設け
る場合においては、一定方向に処理液を導入する場合に
発生する処理ムラを抑える点で好ましい態様であるが、
迅速処理の目的で行う場合には所望の写真性能を得るに
は不充分であることが判った。また、処理液を往復方向
に移動する方法としては、モーターによってシリンダー
中のピストンを往復運動させる方法やポンプを反転させ
て処理液を圧送する方法が考えられるが、処理装置全体
が複雑になることやポンプの微妙な出力に困難を要する
という問題がある。しかし、感光材料のパーフォレーシ
ョンが画像部の片側のみに有し、かつパーフォレーショ
ンを有しない側から短尺方向に処理液を導入する態様に
よって、処理迅速化と装置の簡易化の両立が達成可能と
なり、上記問題の解決が図られた。
【0016】このように狭い間隙に処理液を自由落下な
どではなく、供給手段により強制的に供給することによ
り、少量の処理液であっても予想外にも良好な写真画像
を得ることができた。これは、感光材料を処理液の液流
の中に置くことにより、極めて効率的に処理を行うこと
ができる。これは、従来のタンク現像方式では得ること
のできなかった高度な液攪拌が可能となったためと考え
られる。本発明の好ましい態様によれば、処理工程にお
いて、処理容器に対して充填された感光材料を実質的に
動かすことなく、むしろ少ない処理液を供給し流動せし
めて、効率的に処理することができる。本発明の感光材
料は、感光面に接する間隙容量の少なくとも2倍の処理
液量で現像処理できる。ここで、実質的に動かさないと
は、手動で容器を振ったりすることによって内部の感光
材料を容器内で移動させるものではないということであ
る。
【0017】また、本発明の好ましい態様である処理装
置は、コンパクトなため処理液の使用量は少ないので、
環境負荷が低減でき好ましい。また、処理液の処理中の
経時変化(劣化)を考慮する必要がないため、処理剤の
設計が容易になる。処理液を置換する場合、その方法は
特に限定されないが、例えば長尺の感光材料を渦巻状に
巻き込んだ場合には長手方向に対して実質的に直角方向
に処理液を供給することが、置換効率などの点から好ま
しい。ここで、実質的に直角方向とは、90°±30°
以内であることが好ましい。また、シート状などの感光
材料の場合においても、間隙のパス長の短い方向に処理
液を移動させることが処理性(現像ムラの抑制など)の
点から好ましい。
【0018】乾燥工程においては、上記現像に供する処
理容器内に温風を供給し、乾燥を行う構成としてもよ
い。しかしながら、乾燥ムラを抑え、迅速乾燥を可能と
する点で、該処理容器とカートリッジの間に乾燥部を設
ける構成が最も好ましい。また、発色現像工程から乾燥
工程まで同一処理容器で行う構成において、長期間連続
的な処理を行うと、処理容器や配管系などに微量な沈殿
物が生じ、感光材料の汚れが発生するという新たな問題
が起きることが明らかになった。しかし、上記処理容器
とカートリッジの間に乾燥部を設けた構成では前記問題
が発生せず、該構成において驚くべき効果が得られた。
【0019】以下に具体的な構造を例示する。図1に
は、本発明の好ましい態様であるカートリッジを分解し
た状態が示されている。このカートリッジ101は、感
光材料102をロール状に巻き回したスプール103
と、これを収納するカートリッジ本体104と、スプー
ル103を回動自在に支持するとともに、カートリッジ
本体104を側方から光密に閉じる側板105、106
とから構成されている。前記スプール103は可撓性を
有するように厚みを薄く形成したフランジ103aと、
厚く形成した可撓性のないフランジ103bとを備え、
プラスチックで一体に成形されている。感光材料102
は、その終端部がフランジ103a、103b間のスプ
ール103に固定され、それぞれの端面をフランジ10
3a、103bの内側に沿わせるようにスプール103
にロール状に巻かれており、先端まで完全にカートリッ
ジ本体104内に巻き込まれている。前記カートリッジ
本体104には、遮光用の開閉蓋107(図示せず)が
接合された感光材料出入口108が設けられている。
【0020】前記側板105の中央部には、スプール1
03端部を回転自在に支持する軸受け105aが設けら
れ、また内壁面にはフランジ103aの一部を押圧する
突条部105bが設けられている。前記側板106の中
央部には、スプール103端部を回転自在に支持する軸
受け106aが設けられ、その近傍には内壁面とフラン
ジ103bとの摩擦を軽減するための突起(図示せず)
が設けられている。突条部105bはフランジ103a
を押圧して変形させることによって、感光材料102の
端面がフランジ103a、103bに狭持される。従っ
て、スプール103を図1中の矢印方向に回転させれば
フランジ103a、103bと感光材料102端面の摩
擦によって、感光材料102の先端部は感光材料出入口
108からカートリッジ本体104の外部へ送り出され
る。
【0021】図2及び図3には、本発明の好ましい態様
である処理容器における処理方法について示されてい
る。図2に示されるように、カートリッジ207内に収
納されている撮影済みの感光材料201を、以下のよう
にして処理容器202内に移す。まず、暗室や暗箱内の
ような暗所において、芯材208を第2図中の矢印方向
に回転する。これにより、感光材料201はカートリッ
ジ207から順次引き出され、フィルム通過口204よ
り処理容器202内にガイド搬送ロ−ラ(図示せず)等
で導入される。また、処理容器205が保持するリーダ
ーフィルム(図示せず)等の端部と感光材料201の先
端を粘着テープ等で固定し、芯材206の回転でリーダ
ーフィルム等の牽引により、感光材料201が引き出さ
れ、処理容器202内に導入することもできる。なお、
カ−トリッジ207のフィルム出入り口209と処理容
器202のフィルム通過口204との間のフィルム通過
経路を遮光ケース(図示せず)等で覆うことにより遮光
すれば、上記作業を明所で行うことができ、より好まし
い。
【0022】処理容器202に導入された感光材料20
1は、例えば、図3に示すように仕切り部材305に沿
って巻き取られ処理容器302に収納される。感光材料
301と仕切り部材305の間隙307を保持するため
に、感光材料301、仕切り部材305又はリーダーフ
ィルム(図示せず)等に所定の間隔で突起(図示せず)
等が設けられていることが好ましい。この場合、仕切り
部材305又はリーダーフィルム自体を変形させて突起
を形成するのが、製造上簡易かつ低コストであり好まし
い。感光材料301に突起を形成する場合において、突
起の形成は感光材料に乳剤層を塗布した後に行うことが
好ましい。また、感光材料に撮影した後に、処理するま
での間に突起を形成してもよい。該間隙は、処理液を安
定に供給できる範囲であればよく、通常0.005〜2
mm、より好ましくは0.01〜1mm、特に好ましく
は0.05〜0.5mmである。尚、間隙は狭い方が処
理する容器をコンパクトにする点などで好ましいが、あ
まり狭くすると逆に、現像処理時のムラなどの問題が生
じ良好な画像を得ることが困難になる点で好ましくな
い。
【0023】次に、処理容器302のフィルム通過口3
08を液密に遮蔽する。この遮蔽は、例えば、図3に示
すような蓋体309をフィルム通過口308の先端に装
着することにより行うことができる。なお、このフィル
ム通過口308の遮蔽は、蓋体309の装着による場合
に限らず、例えば、フィルム通過口308の先端面にシ
ールテープを貼着する方法、フィルム通過口308を圧
閉する方法等、いかなる方法でもよい。
【0024】感光材料301と仕切り部材305との間
の間隙307へ処理液を供給するには、例えば加圧又は
減圧又はこの両方式を併用したポンプ等により供給す
る。このときの圧力は感光材料の感光面に接して形成さ
れた間隙中の処理液粘度等によって変化するが、通常は
0.2〜20kg/cm2 、好ましくは1〜6kg/c
2 である。
【0025】ここで間隙容量は用いる感光材料の巾の
他、長さによって変化するが、例えば24mm巾の40
枚どりの感光材料の場合には、5〜30ml、好ましく
は7〜15mlとすることによって、コンパクトであり
ながら良好な現像処理をすることができる。また、一工
程における処理液量は好ましくは5〜100ml、より
好ましくは10〜50mlを用いて行なうことができ
る。
【0026】また、上記方法を自動化した装置で実施す
る場合には、処理容器を大きく振動させることによって
主たる液流を作らないほうが好ましい。本発明の好まし
い態様である処理装置及び処理方法は、フレッシュな処
理液を用いて処理を開始し充分に使い切ることができ
る。このことは、処理液の効率的使用つまり処理液量の
削減ばかりでなく、処理の安定化、更に処理液が現像液
の場合には以外にも感光材料の高感度化と画像の微粒子
化にも著しく優れた効果をもたらすことが判った。
【0027】図4には、本発明の好ましい態様である自
動現像処理装置の概略構成図が示されている。この装置
では、感光材料の一例として長尺のカラーネガフィルム
417をカートリッジ402に収納された状態で、処理
容器401の上流側に設けている図示しないカートリッ
ジマガジンに設置し、自動的にフィルム417が処理容
器401に搬送され、処理容器401で処理した後に、
乾燥部403によって乾燥処理して仕上がるようになっ
ている。
【0028】処理液413a〜413cは例えば3種用
意され、ポンプ405により各処理液が別々に処理容器
401に供給されて感光材料417の処理が行われる。
処理液の温調は、配管中に設けられた温調装置416で
処理液の循環する際に所定の温度に温調される。なお、
この処理液の温調は、配管中での温調に限らず、例え
ば、処理液413a〜413cを直接温調する方法、処
理装置全体を温調する方法等、いかなる方法でもよい。
【0029】まず、第一処理液がポンプ405、切り換
えバルブ413、ポンプ414、処理容器401、排液
コック415により構成される流路に供給されると、切
り換えバルブ413は閉流路を構成する。そして、ポン
プ414により該閉流路内で処理液を循環させることに
より、感光材料417の所定の処理が行われる。ここ
で、ポンプ414による定期的に反転させることによ
り、間隙を形成する突起(図示せず)や感光材料417
のパーフォレーション等の周囲にも処理液が良好に行き
渡り、処理ムラの発生を抑えることができる。よって、
処理時間の比較的長い標準処理においては、この方式を
採用するのが好ましい。なお、迅速処理においては、攪
拌強化し所望の写真性能を得るために、処理液を一定方
向に連続的に供給する方式が好ましい。この場合、パー
フォレーションを有しない側から短尺方向に処理液を供
給すれば、気泡等の影響による処理ムラを防止すること
ができる。
【0030】第一処理液による処理が終了すると排液コ
ック415が開かれ、同時に切り換えバルブ413の空
気取り入れ口418が開かれ、空気の自然流入により処
理容器401内の処理液は上記閉流路外に排出される。
次いで、第2及び第3処理液も同様に処理容器401内
に供給され、感光材料417が処理される。全処理液に
よる処理が終了すると、処理容器401とカートリッジ
402の間に設けられた乾燥部403で乾燥されなが
ら、感光材料417はカートリッジ402に巻き取られ
る。この態様における乾燥は、除湿機411により除湿
された空気がブロアー410によりヒータ409を介し
て乾燥部403に供給され、カートリッジ402に巻き
取られる感光材料417を順次乾燥していく。
【0031】図示の感光材料417には、パーフォレー
ションが形成されていないが、本発明の態様によれば、
パーフォレーションが形成されていても、形成されてい
なくてもよい。なお、搬送性と処理ムラを両立する観点
から、感光材料の画像部の片側のみにパーフォレーショ
ンを有しているのがより好ましい。
【0032】図5及び図6には、図4の構成に基づいた
自動現像処理装置の具体例が示されている。図5の装置
では、処理容器502内で感光材料(図示せず)がロー
ル状に重畳されて処理される。この場合は、処理装置全
体が非常にコンパクト化される点で好ましい。図6の装
置では、処理容器602内で感光材料601が平面状に
重畳されて処理される。この場合は、感光材料601を
処理容器602内への搬送性の信頼性が向上される点で
好ましい。
【0033】収納容器の感光材料排出口から処理容器の
感光材料挿入口までの距離は、好ましくは0.5cm〜1
0cm、より好ましくは1cm〜8cm、特に好ましくは1.
5cm〜6cmである。この範囲より短い場合は、処理容器
感材挿入口の閉塞手段や乾燥手段を設けるには機器設計
負荷が大きくなり好ましくない。この範囲より長い場
合、感光材料の現像処理されない部分が増えるために、
感光材料の光学情報や磁気情報を充分活用することがで
きなくなる点で好ましくない。
【0034】以下、本発明に用いられるハロゲン化銀写
真感光材料(以下、単に感光材料ということあり)につ
いて説明する。先ず、本発明に用いられる磁気記録層に
ついて説明する。本発明に用いられる磁気記録層とは、
磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは有機
溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。本発明
の磁気記録層は、支持体上に少なくとも1層が設けられ
ていればよく、塗設される層数及び層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体を挟んで一方の側にハ
ロゲン化銀乳剤層を、他方の側に磁気記録層を有する感
光材料である。本発明で用いられる磁性体粒子は、γFe
2O3 などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe 2O3 、Co被着マグ
ネタイト、、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロ
ム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライ
ト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを
使用できる。Co被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄
が好ましい。形状としては針状、米粒状、球状、立方体
状、板状等いずれでもよい。比表面積では SBET で30m2
/g以上が好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ま
しくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mである。強磁性体粒子
を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材による表
面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6-
161032に記載された如くその表面にシランカップリング
剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特
開平4-259911、同5-81652 号に記載の表面に無機、有機
物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0035】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解
性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導
体など)およびそれらの混合物を使用することができ
る。上記の樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均分子量
は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セ
ルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルローストリプロピオネートなどの
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特に
セルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダ
ーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の
架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシア
ネート系の架橋剤としては、例えば特開平6-59357 に記
載されている。
【0036】磁気記録層の厚みは 0.1μm〜10μm、好
ましくは 0.2μm〜 5μm、より好ましくは 0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ま
しくは 0.5:100〜60:100からなり、より好ましくは1:10
0 〜30:100である。磁性体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/
m2、好ましくは0.01〜 2g/m2、さらに好ましくは0.02〜
0.5g/m2である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.
01〜0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.04
〜0.15が特に好ましい。磁気記録層は、写真用支持体の
裏面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に
設けることができる。
【0037】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。磁気記録層を
有する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、
同 5,229,259、同 5,215,874、EP466,130に記載されて
いる。
【0038】次に本発明に用いられる好ましいポリエス
テル支持体について記すが、後述する感材、処理、カー
トリッジ及び実施例なども含め詳細については、公開技
報、公技番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載され
ている。本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、
前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の 647頁右欄
から 648頁左欄、および同No.307105 の 879頁に記載さ
れているが、特に好ましく用いられるポリエステル支持
体としては、ジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分
として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、
1,5−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオー
ルとしてジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、
ビスフェノールBが挙げられる。この重合ポリマーとし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレ
ート等のホモポリマーを挙げることができる。特に好ま
しいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜
100モル%含むポリエステルである。中でも特に好まし
いのはポリエチレン 2,6−ナフタレートである。平
均分子量の範囲は約 5,000ないし 200,000である。本発
明のポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以
上が好ましい。
【0039】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しな
がら熱処理してもよい。この熱処理時間は、 0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時
間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施して
もよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。
表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無
機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端
部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻
芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望
ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、
バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布
後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防
止剤塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤
を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、
三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエ
ステル用として市販されている染料または顔料を練り込
むことにより目的を達成することが可能である。
【0040】次に、本発明では支持体と感材構成層を接
着させるために、表面処理することが好ましい。好まし
いのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロ
ー処理である。次に下塗法について述べると、単層でも
よく2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中
から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めと
して、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化
ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。
支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロ
ルフェノールがある。下塗層には公知のゼラチン硬化剤
を用いることができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又は
ポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10μ
m)をマット剤として含有させてもよい。また本発明に
おいては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの
帯電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、ス
ルホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性
界面活性剤化合物を挙げることができる。
【0041】本発明の感材には滑り性がある事が好まし
い。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いるこ
とが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.
25以下0.01以上である。本発明に使用可能な滑り剤とし
ては、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高
級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステ
ル等であり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジ
メチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチ
リルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン
等を用いることができる。添加層としては乳剤層側の最
外層やバック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサ
ンや長鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。本発
明の感材にはマット剤が有る事が好ましい。マット剤と
しては乳剤面、バック面とどちらでもよいが、乳剤側の
最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤は処理液
可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは両者を併
用することである。例えばポリメチルメタクリレート、
ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸= 9/1又は
5/5(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。
【0042】本発明の感光材料は、支持体上に少なくと
も1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例
としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが
感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光
性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料
である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の
何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感
光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色
性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じ
て上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異
なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上
記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層に
は非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプ
ラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよ
い。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤
層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されてい
るように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体
に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ま
しい。また、特開昭57-112751 、同62- 200350、同62-2
06541 、62-206543に記載されているように支持体より
離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤
層を設置してもよい。具体例として支持体から最も遠い
側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層
(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、また
はBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができ
る。また特公昭 55-34932 公報、特開昭56-25738、同62
-63936、特公昭49-15495、特開昭59-202464 に記載され
ているように、配置されてもよい。色再現性を改良する
ために、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、
特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、B
L,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効
果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して
配置することが好ましい。
【0043】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ
塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいの
は約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ
臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロ
ゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規
則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な
結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するも
の、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の
粒径は、約 0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約
10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤
でも単分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン
化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22 〜23
頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and type
s)”、および同No.18716 (1979年11月),648 頁、同N
o.307105(1989年11月),863 〜865 頁に記載された方法
を用いて調製することができる。US 3,574,628、同 3,6
55,394およびGB 1,413,748に記載された単分散乳剤も好
ましい。また、アスペクト比が約3以上であるような平
板状粒子も本発明に使用できる。結晶構造は一様なもの
でも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるもの
でもよく、層状構造をなしていてもよい。エピタキシャ
ル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されて
いてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化
銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結
晶形の粒子の混合物を用いてもよい。上記の乳剤は潜像
を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に
形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を
有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であること
が必要である。内部潜像型のうち、特開昭 63-264740に
記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、
この調製方法は特開昭59-133542に記載されている。こ
の乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異なるが、
3 〜40nmが好ましく、5 〜20nmが特に好ましい。
【0044】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同No.187
16および同No.307105 に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。本発明の感光材料には、感光性
ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロ
ゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の
異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用す
ることができる。US 4,082,553に記載の粒子表面をかぶ
らせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 59-21
4852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、
コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または
実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用することが
好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わ
ず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀
粒子のことをいい、その調製法は、US 4,626,498、特開
昭 59-214852に記載されている。粒子内部がかぶらされ
たコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成する
ハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよい。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀として
は、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれ
をも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲ
ン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm 、
特に0.05〜0.6 μm が好ましい。また、粒子形状は規則
的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性
(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95
%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)で
あることが好ましい。本発明の感光材料の塗布銀量は、
2.0 〜6.0g/m2 が好ましく、2.5 〜4.5g/m2が最も好ま
しい。
【0045】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5. 光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6. バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 7. 可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8. 塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9. スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10. マツト剤 878 〜879 頁
【0046】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わさ
れるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされる
カプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037Aのクレーム1
の式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム
1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開
平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラ
ー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー
(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表
わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41 頁)); US
4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わ
されるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラ
ム19))。 マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-
68(12 頁右下),L-77(13頁右下); EP 456,257 の A-4 -6
3(134頁),〔A-4 〕-73,-75(139 頁); EP 486,965 のM-
4,-6(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19 頁);特
開平5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の段落0237
のM-22。 シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,1
4,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),3
4,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385
の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプ
ラー。 ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
【0047】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873Bに
記載のものが好ましい。発色色素の不要吸収を補正する
ためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁に記載の式(C
I),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエローカラード
シアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EPに記載のイエ
ローカラードマゼンタカプラーExM-7(202 頁) 、 EX-1
(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069に記載のマ
ゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム8)、CC-13
(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、WO92/1157
5のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマスキング
カプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ましい。現
像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物残基を放
出する化合物(カプラーを含む)としては、以下のもの
が挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 378,236A1の
11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わされる化合
物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36頁),T-131
(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP436,938A2の 7頁
に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-49(51
頁))、EP 568,037A の式(1) で表わされる化合物(特に
(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の式(I),
(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-(1) );
漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の式(I),
(I')で表わされる化合物(特に61頁の(60),(61)) 及び
特開平6-59411 の請求項1の式(I) で表わされる化合物
(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合物:US 4,555,478
のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化合物(特に
カラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色素放出化合
物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色
素放出化合物:US4,774,181のクレーム1のCOUP-DYEで
表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜1
1);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US 4,656,
123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされる化合
物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,637A2の75頁36
〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基を放出
する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I) で表わ
される化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19) 。
【0048】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,
16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,199,
363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャ
ー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わ
される化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜
5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4
頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24
〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特に
III-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-
2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,
42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させ
る素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-4
6; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁
のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の
17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式
(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-
214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜7
6),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合
物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-2
4,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載
の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US
4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,
9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,79
3のカラム6 〜16のI-1 〜(14),特にI-1,60,(2),(13), U
S 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36:
化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5-40324 の化合物50;染料: 特開平3-156450の15〜18
頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29
頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-
1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28
頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26の
Dye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の
化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ない
し(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,26
8,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜1
0), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜
(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式
(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜
9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(6
6)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1
〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物
(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0049】本発明のハロゲン化銀感光材料には処理の
簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵しても良
い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレカーサ
ーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第 3,342,597
号記載のインドアニリン系化合物、同第 3,342,599号、
リサーチ・ディスクロージャー No.14,850及び同No.15,
159 に記載のシッフ塩基型化合物、同13,924号記載のア
ルドール化合物、米国特許第 3,719,492号記載の金属塩
錯体、特開昭53-135628 号記載のウレタン系化合物を挙
げることができる。本発明のハロゲン化銀感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1-フ
ェニル-3- ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な
化合物は特開昭56-64339号、同57-144547 号、および同
58-115438号等に記載されている。
【0050】本発明は、カラー、黒白等の如何なる撮影
用感光材料にも適用することができるが、カラーネガフ
ィルム及びカラー反転フィルムに適用する場合が好まし
く、とりわけ、カラーネガフィルムへの適用が好まし
い。また、特公平2-32615 、実公平3-39784 に記載され
ているレンズ付きフイルムユニット用に好適である。本
発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイ
ド層の膜厚の総和が28μm 以下であることが好ましく、
23μm 以下がより好ましく、18μm 以下が更に好まし
く、16μm 以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2
は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。本発
明の感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜
厚の総和が2 μm〜20μm の親水性コロイド層(バック
層と称す)を設けることが好ましい。このバック層に
は、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、
スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑
剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させることが好まし
い。このバック層の膨潤率は150 〜500 %が好ましい。
【0051】本発明の感光材料は、前述のRD.No.176
43の28〜29頁、同No.18716の 651左欄〜右欄、および同
No.307105 の880 〜881 頁に記載された通常の方法によ
って現像処理することができる。
【0052】以下、本発明に好ましく用いられる処理方
法を詳細に説明する。本発明の漂白能を有する処理液に
用いられる金属キレート化合物は、特開平8−1106
26号及び/又は欧州特許公開第713139A1号に
記載されている金属キレート化合物が好ましい。特に好
ましいのは、特開平8−110626号記載の金属キレ
ート化合物である。
【0053】本発明においては、漂白能を有する処理液
中の金属キレート化合物は、単独で使用しても2種以上
併用してもよい。漂白能を有する処理液が漂白定着液で
ある場合、本発明の効果(特に復色不良の防止)を顕著
に発揮する点から、上記金属キレート化合物若しくはそ
の塩のFe(III) キレート化合物の少なくとも1種とエ
チレンジアミン四酢酸の第二鉄錯塩とを併用しているこ
とが好ましい。上記以外に併用又は単独に使用できる漂
白剤としては、例えば鉄(III)などの多価金属の化合
物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。
代表的漂白剤としては鉄(III)の有機錯塩、例えば、ジ
エチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四
酢酸、メチルイミノ二酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸、特開平4−121739号、第4ペ−ジ右下
欄から第5ペ−ジ左上欄の1,3−プロピレンジアミン
四酢酸鉄錯塩をはじめとする漂白剤、特開平4−736
47号に記載のカルバモイル系の漂白剤、特開平4−1
74432号に記載のヘテロ環を有する漂白剤、N−
(2−カルボキシフェニル)イミノ二酢酸第二鉄錯塩を
はじめとする欧州特許公開第520457号に記載の漂
白剤、欧州特許公開第501479号に記載の漂白剤、
欧州特許公開第567126号に記載の漂白剤、特開平
4−127145号に記載の漂白剤、特開平3−144
446号公報の(11)ページに記載のアミノポリカル
ボン酸第二鉄塩を挙げることができるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0054】本発明の態様で好ましく用いられる金属キ
レート化合物は、金属キレート化合物として単離したも
のを用いてもよいし、硫酸第二鉄塩、塩化第二鉄塩、硝
酸第二鉄塩、燐酸第二鉄塩などとを、溶液中で反応させ
て使用してもよい。金属キレート化合物は金属イオンに
対してモル比で1.0以上で用いられる。この比は金属
キレート化合物の安定度が低い場合には大きいほうが好
ましく、通常1から30の範囲で用いられる。本発明の
態様で好ましく用いられる金属キレート化合物は漂白能
を有する処理液に上述のように処理液1リットル当り、
好ましくは0.05〜0.40モル/リットルの範囲で
ある。また、定着液や発色現像と脱銀工程の間の中間浴
に少量含有させてもよい。漂白能を有する処理液に含有
される漂白剤としては、赤血塩、塩化第二鉄、重クロム
酸塩、過硫酸塩、臭素酸塩、過酸化水素等の無機酸化剤
の他、有機酸鉄(III)錯塩が知られている。本発明の漂
白能を有する処理液に含有される有機酸鉄(III)錯塩は
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩として用いてもよ
い。アルカリ金属塩としてはリチウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩等、アンモニウム塩としては、アンモニ
ウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等を挙げることが
出来る。本発明において、漂白能を有する処理液の漂白
剤として、上述した有機酸鉄(III)錯塩からなる漂白剤
に加え、上述した無機酸化剤を漂白剤として併用しても
よい。無機酸化剤を併用する場合には鉄(III)錯塩の総
濃度としては0.005〜0.050モル/リットルの
範囲が好ましい。
【0055】本発明の現像処理に用いる発色現像液は、
好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分
とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬とし
ては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p-フ
ェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代
表例としては、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N -β-
ヒドロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エ
チル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3
- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリ
ン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- メタンスル
ホンアミドエチルアニリン及びこれらの塩酸塩、p-トル
エンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好ましく、更には3-
メチル-4- アミノ-N- エチル-N -β- ヒドロキシエチル
アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロ
キシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチ
ル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン及びこれらの塩酸
塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好まし
い。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用すること
もできる。
【0056】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は、
好ましくは発色現像液1リットル当たり0.01モル〜
0.2モル、さらに好ましくは0.02モル〜0.1モ
ルである。好ましい芳香族第一級アミン現像主薬の使用
量の範囲において、現像速度が向上し、かつ現像カブリ
が抑えられた迅速処理が可能となる。
【0057】本発明において発色現像液には、ヒドロキ
シルアミンを実質的に含有しないことが好ましい。本発
明において実質的にヒドロキシルアミンを含まないと
は、ヒドロキシルアミンの濃度が0.01モル/リット
ル以下の状態をさし、好ましくは0.005モル/リッ
トル以下、より好ましくは0.001モル/リットル以
下、特に好ましくは全く含有しない状態を表わす。ヒド
ロキシルアミンの代わりの化合物として、アルキル基や
ヒドロキシアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシ
アルキル基などの置換基を有するヒドロキシルアミン誘
導体が好ましく、具体的にはN,N−ジ(スルホエチ
ル)ヒドロキルアミン、モノメチルヒドロキシルアミ
ン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキ
シルアミン、ジエチルヒドロキルアミン、N,N−ジ
(カルボキシエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。上
記の中でも、特にN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキ
ルアミンが好ましい。
【0058】本発明の態様において、発色現像時間を短
縮する手段である発色現像主薬濃度を高めた発色現像液
で処理する方法を行い、更に、長期間連続的に閑散な処
理を行うと、処理容器や配管系などに微量な沈殿物が生
じ、感光材料の汚れが顕著に発生するという新たな問題
が生じた。しかしながら、これらの問題は、発色現像液
にヒドロキシルアミンを実質的に含有しない発色現像液
で処理する方法で解決が図られ、予想しえなかった効果
が得られた。
【0059】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、
臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチ
アゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制
剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的である。ま
た必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロ
キシルアミンの他特開平3−144446号の一般式
(I)で表されるヒドロキシルアミン類、亜硫酸塩、N,
N-ビスカルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン
類、フェニルセミカルバジド類、トリエタノールアミ
ン、カテコールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールのような有機溶
剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四
級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素
形成カプラー、競争カプラー、1-フェニル-3−ピラゾリ
ドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカ
ルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン
酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレー
ト剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジア
ミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロ
キシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-
トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N-
テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o
- ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を代表例と
して挙げることができる。
【0060】本発明における発色現像液での処理温度は
20〜55℃、好ましくは30〜50℃である。処理時
間は、処理の迅速性の観点から10秒〜3分30秒、好
ましくは20秒〜2分30秒であり、更に好ましくは3
0秒〜1分30秒である。
【0061】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンやハイドロキノンモノスルホネートなどの
ジヒドロキシベンゼン類、1-フェニル-3- ピラゾリドン
や1-フェニル-4- メチル-4-ヒドロキシメチル-3- ピラ
ゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メチル-p-ア
ミノフェノールなどのアミノフェノール類など公知の黒
白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いることが
できる。これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜
12であることが一般的である。
【0062】本発明の脱銀処理は、発色現像後に直ちに
行なうことが好ましいが、反転処理の場合には調整浴
(漂白促進浴、前漂白浴であってもよい。)等を介して
行なうことが一般である。これらの調整浴に、後述の画
像安定剤を用いた調整安定液とすると画像安定性が向上
し好ましい。調整液としては、画像安定化剤以外には、
エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、1,3−プロピレンジアミン四酢酸、シクロヘキサ
ンジアミン四酢酸のようなアミノポリカルボン酸キレー
ト剤、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウムのような
亜硫酸塩及びチオグリセリン、アミノエタンチオール、
スルホエタンチオールなど後述する各種漂白促進剤を含
有させることができる。またスカム防止の目的で、米国
特許4,839,262号に記載のエチレンオキシドで
置換された脂肪酸のソルビタンエステル類、米国特許
4,059,446号及びリサーチ・ディスクロージャ
ー誌191巻、19104(1980)に記載されたポ
リオキシエチレン化合物等を含有させることが好まし
い。これらの化合物は、調整液1リットル当たり0.1
g〜20gの範囲で使用することができるが、好ましく
は1g〜5gの範囲である。調整浴のpHは、通常3〜
11の範囲で用いられるが、好ましくは4〜9、更に好
ましくは4.5〜7である。調整浴での処理時間は、2
0秒〜5分であることが好ましい。より好ましくは20
秒〜100秒であり、最も好ましくは20秒〜60秒で
ある。調整浴の処理温度は20℃〜50℃が好ましい
が、特に30℃〜40℃であることが好ましい。
【0063】本発明においては、像様露光された感光材
料は、発色現像液で処理され、脱銀処理され、その後に
水洗及び/又は安定液で処理される。脱銀処理は、基本
的には漂白能を有する処理液で漂白処理した後、定着能
を有する処理液で定着処理される。このように漂白処理
と定着処理は個別に行なわれてもよいし、漂白能と定着
能を兼ね備えた漂白定着液で同時に行なわれてもよい
(漂白定着処理)。これらの漂白処理、定着処理及び漂
白定着処理は、それぞれ、1工程でもよいし、2工程以
上であってもよい。
【0064】本発明における漂白能を有する処理液と
は、脱銀工程に用いられる処理液のうち、漂白剤を含有
する処理液のことを意味し、具体的には、漂白液と漂白
定着液をいう。本発明においては、その効果を顕著に発
揮する点から漂白能を有する処理液が漂白定着液である
ことが好ましい。また、定着能を有する処理液とは、脱
銀工程に用いられる処理液のうち、定着剤を含有する処
理液のことを意味し、具体的には、定着液と漂白定着液
をいう。本発明における脱銀処理の具体的な態様を以下
にあげるがこれらに限定されるものではない。 1.漂白−定着 2.漂白定着 3.漂白−漂白定着 4.漂白定着−漂白定着 5.漂白−漂白定着−定着 6.漂白−漂白定着−漂白定着 7.漂白−定着−漂白定着 8.漂白定着−定着 9.漂白−定着−定着 10.漂白定着−漂白 尚、これらの処理の間には任意、水洗工程をもうけても
よい。本発明においては、脱銀時間の短縮化と装置のコ
ンパクト化の観点から上記2.が最も好ましい。
【0065】本発明における漂白能を有する処理液での
処理温度は20〜55℃、好ましくは30〜50℃であ
る。処理時間は、迅速性の観点から10秒〜2分の範囲
が好ましく、特に20秒〜1分30秒の範囲が好まし
い。
【0066】本発明による金属キレート化合物を含有す
る漂白能を有する処理液は漂白剤として該金属キレート
化合物を含有する他、銀の酸化を促進する為の再ハロゲ
ン化剤として、塩化物、臭化物、ヨウ化物の如きハロゲ
ン化物を加えるのが好ましい。また、ハロゲン化物の代
わりに難溶性銀塩を形成する有機性配位子を加えてもよ
い。ハロゲン化物はアルカリ金属塩あるいはアンモニウ
ム塩、あるいはグアニジン、アミンなどの塩として加え
る。具体的には臭化ナトリウム、臭化アンモニウム、塩
化カリウム、塩酸グアニジン、臭化カリウム、塩化カリ
ウム等がある。本発明の漂白能を有する処理液において
再ハロゲン化剤の量は2モル/リットル以下が適当であ
り、漂白液の場合には0.01〜2.0モル/リットル
が好ましく、更に好ましくは0.1〜1.7モル/リッ
トルであり、特に好ましくは0.1〜0.6モル/リッ
トルである。漂白定着液においては、0.001〜2.
0モル/リットルが好ましく、0.001〜1.0モル
/リットルが更に好ましく、0.001〜0.5モル/
リットルが特に好ましい。
【0067】本発明による漂白能を有する処理液又はそ
の前浴には、漂白促進剤、処理浴槽の腐食を防ぐ腐食防
止剤、液のpHを保つための緩衝剤、蛍光増白剤、消泡
剤などが必要に応じて添加される。漂白促進剤について
は、例えば、米国特許第3,893,858号明細書、
ドイツ特許第1,290,821号明細書、英国特許第
1,138,842号明細書、特開昭53−95630
号公報、リサーチ・ディスクロージャー第17129号
(1978年7月号)に記載のメルカプト基またはジス
ルフィド基を有する化合物、特開昭50−140129
号公報に記載のチアゾリジン誘導体、米国特許第3,7
06,561号明細書に記載のチオ尿素誘導体、特開昭
58−16235号公報に記載の沃化物、ドイツ特許第
2,748,430号明細書に記載のポリエチレンオキ
サイド類、特公昭45−8836号公報に記載のポリア
ミン化合物などを用いることができる。更に、米国特許
第4,552,834 号に記載の化合物も好ましい。これらの漂
白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感
光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に
有効である。特に好ましくは英国特許第1,138,8
42号明細書、特開平2−190856号に記載のよう
なメルカプト化合物が好ましい。
【0068】本発明における漂白能を有する処理液に用
いられる、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸に
はシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、アスパラギン酸、クエン
酸、2、6−ピリジンジカルボン酸などが挙げられる。
これらは、2種〜4種組み合わせて用いてもよい。本発
明における漂白能を有する処理液には、ジカルボン酸化
合物の他、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸等pKa
2.0〜5.5の有機酸を使用することができる。有機
酸は単独で使用しても併用してもよく、バッファー剤と
して0.05〜2.0モル/リットル含有することが好
ましく、0.1〜1.5モル/リットル含有することが
より好ましい。
【0069】本発明の漂白液或いは漂白定着液のpHは
2.0〜8.0、好ましくは3.0〜7.5である。撮
影用感材において発色現像後直ちに漂白或いは漂白定着
を行う場合には、漂白カブリ等を抑えるために液のpH
を7.0以下、好ましくは6.4以下で用いるのが良
い。特に漂白液の場合には3.0〜5.0が好ましい。
pH2.0以下では、本発明になる金属キレートが不安
定となり易く、pH2.0〜6.4が好ましい。このた
めのpH緩衝剤としては、漂白剤による酸化を受け難
く、上記pH範囲で緩衝作用のあるものであればどのよ
うなものでも用いることができる。例えば上述のジカル
ボン酸化合物、酢酸、グリコール酸、乳酸、プロピオン
酸、酪酸等の有機酸類、ピリジン、イミダゾール等の有
機塩基類等が挙げられる。これら緩衝剤は複数の物を併
用しても良い。
【0070】漂白能を有する処理液のpHを前記領域に
調節するには、前記の酸とアルカリ剤(例えば、アンモ
ニア水、KOH、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、イミダゾール、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン)を併用してもよい。また、腐食防止剤とし
ては、特開平3−33847号公報に記載されているよ
うに硝酸塩を用いるのが好ましく、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウムや硝酸カリウムなどが用いられる。環境
中に排出される窒素原子を低減させる観点からすると本
発明の処理液にも実質上アンモニウムイオンを含まない
ことが望まれる。尚、本発明において、実質上アンモニ
ウムイオンを含まないとは、アンモニウムイオンの濃度
がより好ましくは0.01モル/リットル以下、特に好
ましくは全く含有しない状態を表わす。本発明の漂白能
を有する処理液を調整するためのキットは、液体でも粉
体でも良いが、アンモニウム塩を排除した場合、ほとん
どの原料が粉体で供給され、また吸湿性も少ないことか
ら、粉体を作るのが容易になる。定着能を有する処理液
の定着剤濃度は漂白定着液もしくは定着液1リットル当
り0.2〜3.0モル、好ましくは0.5〜2.0モ
ル、より好ましくは0.8〜1.8モルである。この好
ましい定着剤濃度範囲において、脱銀速度が向上し、か
つ処理後のステイン発生等が有効に防止される。
【0071】尚、脱銀工程における定着剤としては、一
般にチオ硫酸アンモニウムが使用されてきたが、公知の
他の定着剤、例えば、メソイオン系化合物、チオエーテ
ル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物、ハイポ等に置
き換えてもよい。これらについては、特開昭60-61749
号、同60-147735 号、同64-21444号、特開平1-201659
号、同1-210951号、同2-44355 号、米国特許第4,378,42
4 号等に記載されている。更には、二種類以上の定着剤
を併用する事で、更に迅速な定着を行うこともできる。
例えば、チオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウムに
加えて、前記チオシアン酸アンモニウム、イミダゾー
ル、チオ尿素、チオエーテル等を併用するのも好まし
い。定着液のpHは定着剤の種類によるが、チオ硫酸塩
を用いる場合には、5.8〜8.0が安定な定着性能を
得る上で好ましい。
【0072】漂白定着液や定着液には、保恒剤を加え、
液の経時安定性を高めることも出来る。チオ硫酸塩を含
む漂白定着液あるいは定着液の場合には、保恒剤として
亜硫酸塩、および/またはヒドロキシルアミン、ヒドラ
ジン、アルデヒドの重亜硫酸塩付加物(例えば、アセト
アルデヒドの重亜硫酸付加物、特に好ましくは、特開平
3−158848号に記載の芳香族アルデヒドの重亜硫
酸付加物)が有効である。また、本発明の金属キレート
化合物を含有する漂白定着液や定着液には、少なくとも
一種のスルフィン酸およびその塩を含有することが好ま
しい。スルフィン酸およびその塩の好ましい例として
は、特開平1−230039号、同1−224762
号、同1−231051号、同1−271748号、同
2−91643号、同2−251954号、同2−25
1955号、同3−55542号、同3−158848
号、同4−51237号、同4−329539号、米国
特許第5108876号、同4939072号、EP第
255722A号、同第463639号などに記載の化
合物が挙げられる。
【0073】本発明においては、定着能を有する処理液
におけるアンモニウムイオン濃度が0.0〜1.0モル
/リットルの範囲が好ましく、更には0.0〜0.5モ
ル/リットルの範囲が好ましく、特にはアンモニウムイ
オンを含まないような定着能を有する処理液が好まし
い。本発明における定着能を有する処理液での処理温度
は20〜55℃、好ましくは30〜50℃である。処理
時間は、処理の迅速性の観点から10秒から2分の範囲
が好ましく、特に20秒〜1分30秒の範囲が好まし
い。
【0074】定着能を有する処理液には、各種の蛍光増
白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリド
ン、メタノール等の有機溶剤を含有させることができ
る。さらに定着能を有する処理液には処理液の安定化の
目的で各種アミノポリカルボン酸類や、有機ホスホン酸
類等のキレート剤の添加が好ましい。好ましいキレート
剤としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テ
トラキス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリメチレ
ンホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,
2−プロピレンジアミン四酢酸を挙げることができる。
また、定着能を有する処理液には液のpHを一定に保つ
ために、緩衝剤を添加するのも好ましい。例えば、リン
酸塩、あるいはイミダゾール、1−メチル−イミダゾー
ル、2−メチル−イミダゾール、1−エチル−イミダゾ
ールのようなイミダゾール類、トリエタノールアミン、
N−アリルモルホリン、N−ベンゾイルピペラジン等が
あげられる。脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は10秒〜
2分、更に好ましくは10秒〜1分30秒である。ま
た、処理温度は30℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃であ
る。好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、
かつ処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0075】本発明は、脱銀処理後、水洗及び/又は安
定工程を経る。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特
性(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には
水洗水温、水洗工程の数、その他種々の条件によって広
範囲に設定し得る。閑散な処理時には、水の滞留時間の
増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感
光材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感
光材料の処理において、このような問題の解決策とし
て、特開昭62-288,838号に記載のカルシウムイオン、マ
グネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用い
ることができる。また、特開昭57-8,542号に記載のイソ
チアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソ
シアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベン
ゾトリアゾール等、殺菌剤を用いることもできる。
【0076】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、3〜9であり、好ましくは4〜8である。水洗水
温、水洗時間も、迅速性の観点から、15〜50℃で5秒〜
1分、好ましくは25〜45℃で5秒〜40秒の範囲が選択
される。
【0077】更に、本発明の脱銀工程が漂白定着液の一
工程構成の場合においては、漂白定着処理工程に続き、
実質的に水洗工程を経ずに直接安定化処理工程を行うこ
とが好ましい。このような安定化処理においては、特開
昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号に記載の
公知の方法はすべて用いることができる。
【0078】本発明の感光材料の処理における安定液の
pHは4.0 〜5.5 の範囲が好ましく、より好ましくは4.
2 〜5.3 の範囲であり、この範囲において本発明の効果
が顕著となる。このような安定液には、2個以上のカル
ボキシル基を有する有機酸、例えばシュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、
フマル酸、アスパラギン酸、クエン酸、2、6−ピリジ
ンジカルボン酸などが挙げられる。これらは、2種〜4
種組み合わせて用いてもよい。該安定液には、ジカルボ
ン酸化合物の他、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸等
pKa2.0〜5.5の有機酸を使用することができ
る。有機酸は単独で使用しても併用してもよく、バッフ
ァー剤として0.001 〜0.2モル/リットル含有すること
が好ましく、0.005 〜0.15モル/リットル含有すること
がより好ましい。
【0079】該安定液のpHを前記領域に調節するに
は、前記の酸とアルカリ剤(例えば、アンモニア水、K
OH、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、イミ
ダゾール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン)を併用してもよい。なかでも、アンモニア水、KO
H、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好まし
い。
【0080】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0081】水洗水及び安定液には処理後の感光材料の
乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を
含有することができる。中でもノニオン性界面活性剤を
用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレン
オキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールとし
ては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノ
ールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル数
としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高
いシリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0082】水洗水及び安定液中には、各種キレート剤
を含有させることが好ましい。好ましいキレート剤とし
ては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′−トリ
メチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−N,N,
N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機ホス
ホン酸、あるいは、欧州特許345,172A1号に記
載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあげる
ことができる。
【0083】本発明における各種処理液は10℃〜50℃に
おいて使用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的で
あるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮し
たり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性
の改良を達成することができる。
【0084】本発明に使用される処理剤の供給形態は、
使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは
顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形
態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63-1
7453には低酸素透過性の容器に収納した液剤、特開平4-
19655 、同4-230748には真空包装した粉末あるいは顆
粒、同4-221951には水溶性ポリマーを含有させた顆粒、
特開昭51-61837、特開平6-102628には錠剤、特表昭57-5
00485 にはペースト状の処理剤が開示されており、いず
れも好ましく使用できるが、使用時の簡便性の面から、
予め使用状態の濃度で調製してある液体を使用すること
が好ましい。これらの処理剤を収納する容器には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエ
チレンテレフタレート、ナイロンなどが、単独あるいは
複合材料として使用される。これらは要求される酸素透
過性のレベルに合わせて選択される。発色現像液などの
酸化されやすい液に対しては、低酸素透過性の素材が好
ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンとナイロンの複合材料が好ましい。これらの材
料は 500〜1500μmの厚さで、容器に使用され、酸素透
過性を20ミリリットル/m2・24hrs ・atm 以下にすることが好
ましい。
【0085】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0086】実施例1 (1) 支持体の材質等 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。 ・PEN:ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマ
ー 100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ
・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、
300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で
3.3倍の縦延伸を行ない、続いて 130℃で 3.3倍の横延
伸を行い、さらに 250℃で6秒間熱固定して厚さ90μm
の PENフイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブル
ー染料,マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公
技番号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,I
I-5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス
巻き芯に巻付けて、 110℃、48時間の熱履歴を与え、巻
き癖のつきにくい支持体とした。
【0087】(2) 下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にPE
N 支持体はゼラチン 0.1g/m2、ソジウムα−スルホジ−
2−エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸
0.04g/m2、p−クロロフェノール 0.2g/m2、(CH2=CHSO2
CH2CH2NHCO)2CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロル
ヒドリン重縮合物0.02g/m2の下塗液、TAC 支持体はゼラ
チン 0.2g/m2、サリチル酸 0.1g/m2、メタノール 15ml/
m2、アセトン 85ml/m2、ホルムアルデヒド0.01g/m2の下
塗液を塗布して(10cc/m2、バーコーター使用)、下塗層
を延伸時高温面側に設けた。乾燥は 115℃、6分実施し
た(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115℃と
なっている)。
【0088】(3) バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0089】(3-1) 帯電防止層の塗設 平均粒径 0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物
の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒
子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(C
H2 =CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度1
0)オキシエチレン−p−ノニルフェノール 0.005g/m2
及びレゾルシンと塗布した。 (3-2) 磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキシ
トリメトキシシラン(15 重量%)で被覆処理されたコバ
ルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単
軸0.03μm、飽和磁化 89emu/g、Fe+2/Fe +3=6/94 、表
面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理され
ている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC2H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)3
0.3g/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンを用いてバーコーターで塗布し、
膜厚 1.2μmの磁気記録層の得た。マット剤としてシリ
カ粒子(0.3μm)と3−ポリ(重合度15) オキシエチレン
−プロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処
理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
10mg/m2となるように添加した。乾燥は 115℃、6分実
施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDB の色濃度増加分は約 0.1、また磁気記録層の飽和
磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力 7.3×104A/m、角形
比は65%であった。
【0090】(3-3) 滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20C
OOC40H81 (化合物a,6mg/m2) /C50H101O(CH2CH2O)16H
(化合物b,9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合
物は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル (1/1)
中で 105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエー
テル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中
で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マッ
ト剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重
合度15) オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシ
シラン(15重量%で被覆された酸化アルミ(0.15μm)を
それぞれ 15mg/m2となるように添加した。乾燥は 115
℃、6分行なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は
すべて 115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのス
テンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係
数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の
動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
【0091】(4) 感光層の作成 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示
し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。た
だし、増感色素については同一層のハロゲン化銀1モル
に対する塗布量をモル単位で示す。
【0092】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0093】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0094】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0095】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.015 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0096】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0097】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0098】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0099】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0100】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33
【0101】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0102】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0103】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0104】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0105】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0106】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0107】
【表1】
【0108】表1において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938の実施例に従い、二
酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に
還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450の実施例に従い、各
感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウム
の存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されてい
る。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426の実施例に
従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450に記載されている
ような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 に記載されている内部
高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0109】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキ
シエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリットル並びに5%
水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエ
−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリットルのポットミル
に入れ、染料ExF−2を 5.0gと酸化ジルコニウムビ
ーズ(直径1mm) 500ミリリットルを添加して内容物を2時間
分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボール
ミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラ
チン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料
のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44
μmであった。
【0110】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5はEP549,489Aの実施例1に記載の微小析出
(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均
粒径は0.06μmであった。
【0111】
【化1】
【0112】
【化2】
【0113】
【化3】
【0114】
【化4】
【0115】
【化5】
【0116】
【化6】
【0117】
【化7】
【0118】
【化8】
【0119】
【化9】
【0120】
【化10】
【0121】
【化11】
【0122】
【化12】
【0123】
【化13】
【0124】
【化14】
【0125】
【化15】
【0126】
【化16】
【0127】上記の方法で作成した支持体上に(4)に
示す感光層を塗布し、感光材料を作成し試料101とし
た。
【0128】上記記載の試料101を24mm幅、16
0cmに裁断し、さらに感光材料の長さ方向の片側幅方
向から0.7mmの所に2mm四方のパーフォレーショ
ンを5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセットを
32mm間隔で設けたものを作成し、米国特許第5,2
96,887号のFIG.1〜FIG.7に説明されて
いるプラスチック製のフィルムカートリッジに収納し
た。収納した試料を引き出して、磁気記録装置を用いて
試料の磁気記録層の塗布面側からヘッドギャップ5μ
m、ターン数2000の入出力可能なヘッドを用いて、
感光材料の上記パーフォレーションの間に100mm/
sの送り速度でFM信号を記録した。FM信号記録後、
乳剤面に1000cmsの全面均一露光を与えて、再び
元のプラスチック製のフィルムカートリッジに収納し
た。このようにして作成した試料101は、カートリッ
ジに収納したままの状態で、図5に示すカートリッジ5
03に設置した。
【0129】(6) エンボス付き仕切り部材の作成 使用部材は、ゼラチン下塗り(ホルマリンで硬膜、下塗
りの厚さ0.5μm)PENフィルムである。使用部材
の形状は、厚み約90μm、幅約25mmである。ま
た、エンボスの位置は部材の短尺方向両端から2mm、
長尺方向5mmの間隔毎に設けた。エンボスの加工は、
特開平5−210196号記載の図10に示す加工機を
用い、使用部材の下塗り面にエンボスの形状が高さ25
0μm、高さの1/2における直径が400μmの円錐
であるように75℃で加圧加熱成形して設けた。このよ
うにして作成したエンボス付き仕切り部材は、図5に示
す処理容器502の間隙が360μmとなるように芯材
から渦巻き状に取り付けた。
【0130】カートリッジから引き出された感光材料
は、図5に示す処理容器502に挿入した。処理容器5
02内では、前述仕切り部材のエンボスの凸部が感光材
料の乳剤面側になった。感光材料と仕切り部材の間隙は
約250μmに保持された。その後、以下に示す処理液
を用いて下記工程に示す処理を行った。この場合、該容
器中で、発色現像工程は順方向に6秒送液後、4秒停止
し、次に6秒逆方向に送液する。それ以降は前述と同様
に送液と停止を繰り返し流量25ml/sで循環させ、
漂白工程以降は一方向に固定して各処理液を流量25m
l/sで循環させながら処理した。処理後の感光材料
は、図5に示す乾燥部505で乾燥しながらカ−トリッ
ジに巻き戻した。以上一連の処理を、試料101につい
て実施した。尚、感光材料は一度もカートリッジから切
り離されることはなかった。
【0131】以上、本実施例で用いた処理機としては、
図5に記載のものに処理タンク508が5個使用できる
ように改造したものを用い処理工程Aとした。比較処理
機としては、富士写真フイルム(株)製自動現像機FP
−362B(AL)を用い処理工程Bとし、処理液組成
は同じ処理液を使用し試料101について実施した。
尚、感光材料は富士写真フイルム(株)製デタッチャー
DT100で処理専用の中間カートリッジに詰め替え、
リーダーに貼り付けて処理し、その後、リーダーをはが
し富士写真フイルム(株)製リアタッチャーAT100
で元のカートリッジに収納した。
【0132】処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0133】 (処理工程A) 工程 処理時間 処理温度 タンク容量(リットル) 発色現像 3分 5秒 38.0℃ 1.0 漂 白 50秒 38.0℃ 1.0 定 着 1分40秒 38.0℃ 1.0 水 洗 30秒 38.0℃ 1.0 安 定 40秒 38.0℃ 1.0 乾 燥 1分30秒 60℃ 1.0
【0134】 (処理工程B) 工程 処理時間 処理温度 タンク容量 発色現像 3分 5秒 38.0℃ 11.5リットル 漂 白 50秒 38.0℃ 4.0リットル 定 着(1) 50秒 38.0℃ 4.0リットル 定 着(2) 50秒 38.0℃ 4.0リットル 水 洗 30秒 38.0℃ 3.0リットル 安 定(1) 20秒 38.0℃ 3.0リットル 安 定(2) 20秒 38.0℃ 3.0リットル 乾 燥 1分30秒 60℃ *補充量は感光材料1m2 当たり 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着(2)へ導入した。ま
た、定着液も(2)から(1)へ向流配管で接続されて
いる。
【0135】 (発色現像液) タンク液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 炭酸カリウム 37.5 臭化カリウム 1.4 沃化カリウム 1.3 mg ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 2.0 ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05
【0136】 (漂白液) タンク液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 138 臭化アンモニウム 80 硝酸アンモニウム 16 コハク酸 40 マレイン酸 33 水を加えて 1.0 リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.6
【0137】 (定着液) タンク液(g) メタンスルフィン酸アンモニウム 10 メタンチオスルホン酸アンモニウム 4 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 280 ミリリットル イミダゾール 7 エチレンジアミン四酢酸 15 水を加えて 11.0 リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調製〕 7.4
【0138】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg
/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150
mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.
5の範囲にあった。
【0139】 (安定液) タンク液 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.10 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0140】次に、収納したフィルムを引き出して、上
記の磁気記録装置のヘッドで信号を記録した時と同一速
度で信号を読み出し、正しく出力されるかどうかをを調
べた。入力ビット数に対し、エラーを発生したビット数
の比率は、処理した中の全てが0.005%以下を示し
た。このエラー率が0.1%以上であればNGであり、
0.05%以下、好ましくは0.01%以下、より好ま
しくは0.008%以下である。このように低くすると
実用上の問題はなくなってくる。このような磁気記録情
報は、カメラ露光のパラメータを記録する機能を有する
カメラにおいて有効であり、例えばレギュラーまたはパ
ノラマのような望ましいプリント・フォーマットや適切
なプリント条件をカラーペーパーをプリントする前に確
認することが可能となり、品質向上に繋がる。
【0141】本実施例の処理工程A及びBのいづれにお
いても、磁気記録層に記録された信号を損なうことなく
処理できた。但し、1本を現像処理しプリンターにかけ
るまで、処理工程Bでは約20分を要したが、処理工程
Aでは約9分であった。更に、処理工程Aでは”デタッ
チャー”、”アタッチャー”による中間カートリッジへ
の詰め替え等の煩雑な作業を行わなくても、磁気記録を
用いて品質が向上するシステムを活用することが可能と
なる。従って、本発明の態様によれば作業効率の向上と
作業負荷の軽減が図れた。
【0142】実施例2 本願実施例1記載の試料101をカメラで撮影し、実施
例1と同様の処理装置を用いて以下に示す処理液及び処
理工程で処理を行った。但し、該容器中での処理液循環
方式は、感光材料のパーフォレーションを有しない側か
ら短尺一方向に固定して発色現像工程以降の各処理液を
流量25ml/sで循環させながら処理した。また、乾
燥方式と攪拌条件は、2種の方式をそれぞれ採用した。
図5に示す乾燥部505で試料を乾燥させた場合を乾燥
A、ブロア50の熱風処理容器502内に通るように改
造して試料を乾燥させた場合を乾燥Bとし、パーフォレ
ーションを有しない側から短尺方向に固定して循環させ
た場合を攪拌a、パーフォレーションを有する側から短
尺方向に固定して循環させた場合を攪拌bとした。尚、
本実施例で用いた処理機としては、図5に記載のものに
処理タンク508が4個使用できるようにしたものを用
い、各条件毎に処理容器は変更して試料101を100
本づつ処理した。また、1日の処理量は最高2本まで
(各条件毎)とし、約2ヵ月かけて処理を実施し、後述
する評価を行った。
【0143】処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0144】
【0145】以下に処理液の組成を示す。
【0146】 (発色現像液) 母液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 40.0 臭化カリウム 2.0 ヨウ化カリウム 1.3mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0 ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 2.4 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 11.0 水を加えて 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05
【0147】 (漂白定着液) 母液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 40.0 2−{〔1−(カルボキシルエチル)−カルボキシメチルアミノ〕 エチル}−カルボキシメチルアミノ安息香酸第2鉄アンモニウム 一水塩 30.0 エチレンジアミン四酢酸 6.0 コハク酸 12.0 亜硫酸アンモニウム 20 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 300 パラアミノベンゼンスルフィン酸 5.0 沃化アンモニウム 1.0 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 6.0
【0148】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg
/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150
mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.
5の範囲にあった。
【0149】 (安定液) 母液(g) コハク酸 0.6 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 塩素化イソシアヌ−ル酸ナトリウム 0.02 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 5.0
【0150】処理終了後、下記に示す方法で2種の評価
を行った。 ・処理汚れ:約2ヵ月間にわたり処理を行った各条件毎
の処理容器を目視で観察した。 ・処理ムラ:各条件毎の処理後の試料100本分(1本
40枚撮り)を目視で観察し、処理ムラの発生頻度を評
価した。尚、画像部に影響してなくても勘定し、1コマ
に2つのムラが発生している場合は、ムラの発生は2つ
あるものとして扱った。 処理ムラの発生頻度=(ムラの数/4000)×100
(%)
【0151】上記方法で得られた結果を表2に示す。
【0152】
【表2】
【0153】本実施例は、いずれも本発明の態様である
が、迅速処理における連続処理を試みた場合、充分満足
できる処理性能が得られない乾燥や処理液循環の態様が
ある。しかし、乾燥方式や処理液循環方式を本発明のよ
り好ましい態様(本実施例においてはAaの組み合わせ
が最も良い)にすることによって、充分満足のできる処
理汚れ防止と処理ムラの抑止が可能となることが明らか
になった。
【0154】実施例3 (1) 支持体の材質等 本実施例で用いた各支持体は、下記の方法により作製し
た。 ・PEN:ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマ
ー 100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ
・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、
300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で
3.3倍の縦延伸を行ない、続いて 130℃で 3.3倍の横延
伸を行い、さらに 250℃で6秒間熱固定して厚さ90μm
の PENフイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブル
ー染料,マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公
技番号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,I
I-5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス
巻き芯に巻付けて、 110℃、48時間の熱履歴を与え、巻
き癖のつきにくい支持体とした。 ・TAC:トリアセチルセルロースを通常の溶液流延法
により、メチレンクロライド/メタノール=82/8wt
比、TAC濃度13%、可塑剤TPP/BDP=2/1
(ここでTPP;トリフェニルフォスフェート、BD
P;ビフェニルジフェニルフォスフェート)の15wt%
のバンド法にて作製した。
【0155】(2) 下塗層の塗設、(3) バック層の塗設及
び(4) 感光層の作成については本実施例1と同一のもの
を使用した。
【0156】上記の方法で作成した2種の支持体上に
(4)に示す感光層を塗布し、感光材料を作成した。P
EN支持体のものを試料301、TAC支持体のものを
試料302とした。また上記PEN支持体で 110℃、48
時間の熱処理をしていないものを試料303とした。
【0157】上記記載の試料301〜303をカメラで
撮影したものを、以下に示す処理工程及び処理液で1日
2本(40枚撮り)ずつ約4ヶ月にわたり実施例1と同
様に処理をした。尚、発色現像液は表3に示した6種の
実験に対応した処理機6台を同時にスタートさせて連続
処理を行った。
【0158】処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0159】
【0160】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) 母液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 40.0 臭化カリウム 1.0 ヨウ化カリウム 1.3mg 表3記載の保恒剤 0.06 モル 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 9.0 水を加えて 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05
【0161】 (漂白定着液) 母液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 30.0 3−(カルボキシメチル−{2−〔カルボキシメチル−(1−カルボキシ メチル−プロピル)−アミノ〕−エチル}−アミノ)−ペンタン酸第2 鉄アンモニウム三水塩 50.0 エチレンジアミン四酢酸 6.0 コハク酸 12.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 270 パラアミノベンゼンスルフィン酸 5.0 沃化アンモニウム 1.0 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 6.0
【0162】(水洗水)実施例2と同一
【0163】連続処理終了後、試料301〜303を実
施例1同様の方法でエラー率及び実施例2同様の方法で
汚れの評価を行った。
【0164】上記方法で得られた結果を表3に示す。
【0165】
【表3】
【0166】本実施例はいずれも本発明の態様である
が、熱処理をしたPEN支持体及び/又はヒドロキシル
アミンを含有しない発色現像液を選択することによっ
て、磁気記録の読み取りエラーを減少し、かつ処理汚れ
防止する結果が長期間連続な迅速処理においても得られ
た。
【0167】実施例4 本願実施例1記載の試料101に磁気記録層の塗布面側
からヘッドギャップ5μm 、ターン数2000の入出力
可能なヘッドを用いて、感光材料の上記パーフォレーシ
ョンの間に100mm/sの送り速度でFM信号を記録し
た。FM信号記録後、乳剤面に1000cms の全面均一
露光を与えて、再び元のプラスチック製のフィルムカー
トリッジに収納した。このようにして作成した試料10
1は、カートリッジに収納したままの状態で、図6に示
すカートリッジマガジン604に設置した。本実施例で
用いた処理機としては図6に記載のものを用い、実施例
3の実験No. 4と同様の処理液及び処理工程で処理を行
った。但し、該容器中での処理液循環方式は、発色現像
工程は順方向に6秒送液後、4秒停止し、次に6秒逆方
向に送液する。それ以降は前述と同様に送液と停止を繰
り返し流量60ml/sで循環させ、漂白定着工程以降は
感光材料の長尺一方向に固定して各処理液を流量60ml
/sで循環させながら処理した。処理後の感光材料は、
図6に示す乾燥部605で乾燥しながらカートリッジに
巻き戻した。以上一連の処理を表4に示したように、収
納容器603の感光材料排出口から処理容器602の感
光材料挿入口までの距離を変更できるように改造し、表
4に示した4種の距離条件毎に20本づつ連続処理を行
った。連続処理終了後、実施例1同様の方法でエラー率
及び実施例2同様の方法で処理ムラの評価を行った。 ・処理ムラ:各条件毎の処理後の試料20本分(1本4
0枚撮り)を目視で観察し、処理ムラの発生頻度を評価
した。尚、画像部に影響してなくても勘定し、1コマに
2つのムラが発生している場合は、ムラの発生は2つあ
るものとして扱った。 処理ムラの発生頻度=(ムラの数/800)×100
(%)
【0168】上記方法で得られた結果を表4に示す。
【0169】
【表4】
【0170】本実施例はいずれも本発明の態様である
が、収納容器の感光材料排出口から処理容器の感光材料
挿入口の距離を選択することによって、磁気記録の読み
取りエラーを減少し、かつ処理汚れ防止する結果が迅速
処理においても得られた。
【0171】
【発明の効果】本発明の構成に従えば、磁気情報を用い
て品質向上させた処理システムにおいて、煩雑な作業等
を不要とした簡易かつコンパクトな処理装置及び処理方
法を提供することができ、更に迅速処理も可能とするこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本具体例に適用した撮影用収納容器の分解斜視
図である。
【図2】感光材料を処理容器内に収納する操作を説明す
るための斜視図である。
【図3】撮影用収納容器、処理容器及び乾燥部の配置を
示す概略断面図である。
【図4】本具体例に適用した自動現像装置の概略構成を
示すブロック構成図である。
【図5】本具体例に適用した自動現像装置の概略を示す
斜視図である
【図6】本具体例に適用した自動現像装置の概略を示す
斜視図である
【符号の説明】
101,207,303,402,503,603カー
トリッジ(撮影用収納容器) 102,201,301,417,601 フィルム
(感光材料) 202,302,401,502,602 処理容器 103,206,208,306 スプール(芯材) 103a,103b フランジ 104 カートリッジ本体 105,106 側板 105a,106a 軸受け開口 106b 突条部 203 キャップ 204,308 フィルム通過口 205 処理液導入口 108,209 フィルム出入口 304,604 撮影済みカートリッジマガジン 305 仕切り部材(間隙保持部材) 307 間隙 309 蓋体 310,403,505,605 乾燥部 311 加熱手段 312,409 ヒータ 313,410,506,606 ブロアー 314 ローラ 404,507,607 バルブ 405 処理液供給ポンプ 406 配管 407,508,608 処理液タンク 408 浮き蓋 411 除湿機 412 ダクト 413 流れ方向切り換えバルブ 413a 第1処理液 413b 第2処理液 413c 第3処理液 414,504,609 処理ポンプ 415,509,611 排液切り換えコック 416 処理液温調装置 418 空気取り入れ口 501 遮光ケース 510,610 排液タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/26 G03C 5/26 7/00 510 7/00 510 7/407 7/407 G03D 13/00 GAP G03D 13/00 GAPZ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を
    少なくとも1層有し、かつ磁性粒子を含有する磁気記録
    層を有する撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を撮影に供
    する為の収納容器から分離せずに現像に供する為の処理
    容器で、該感光材料同志または該感光材料と部材とで該
    感光材料の感光面に接して形成された間隙に処理液を導
    入し、更に該間隙を実質的に固定保持された状態で、導
    入された処理液を該感光材料に対して、処理の一工程が
    終了するまでに間隙容量の少なくとも等量以上を処理液
    の供給手段により置換することにより該感光材料を発色
    現像、脱銀、水洗及び/又は安定化の処理を行い、その
    後に該収納容器に該感光材料を戻すことを特徴とする撮
    影用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 該収納容器と該処理容器の間に乾燥部が
    設けられ、処理後に該乾燥部で乾燥された後、又は乾燥
    中に該収納容器に該感光材料が戻されることを特徴とす
    る請求項1に記載の撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。
  3. 【請求項3】 該感光材料のパーフォレーションを画像
    部の片側のみに有し、かつパーフォレーションを有しな
    い側から短尺方向に該処理液を導入することを特徴とす
    る請求項1また請求項2に記載の撮影用ハロゲン化銀写
    真感光材料の処理方法。
  4. 【請求項4】 該感光材料の支持体が、厚さ50〜150 μ
    m、ガラス転移温度が50〜200 ℃のポリエチレン芳香族
    ジカルボキシレート系ポリエステルで、下塗層付与前又
    は下塗層付与後から乳剤層塗布前に40℃以上ガラス転移
    温度以下の温度で0.1 〜1500時間熱処理されている支持
    体であることを特徴とする請求項1〜3に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 該発色現像液が実質的にヒドロキシルア
    ミンを含有しないことを特徴とする請求項1〜4に記載
    のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を
    少なくとも1層有し、かつ磁性粒子を含有する磁気記録
    層を有する撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を巻き付け
    た芯材を撮影に供する為の収納容器本体内に回転自在に
    収納し、芯材の回転により感光材料の先端を収納容器本
    体に設けた感光材料通路を通して排出口から送り出され
    現像に供する為の処理容器まで送られる搬送手段を有
    し、該収納容器から該感光材料を切り離す手段を持た
    ず、該感光材料同志または該感光材料と部材とで該感光
    材料の感光面に接して実質的に固定保持された間隙に処
    理液を供給する手段を有し、少なくとも一つの該感光材
    料を発色現像、脱銀、水洗及び/又は安定化の処理が終
    了するまでに供する為の処理容器が一つであり、かつ処
    理後に芯材の回転及び/又は該搬送手段によって該収納
    容器に該感光材料を戻すことを特徴とする撮影用ハロゲ
    ン化銀写真感光材料の処理装置。
  7. 【請求項7】 処理後、該収納容器に該感光材料を戻す
    間に乾燥が行われる乾燥部を該収納容器と該処理容器の
    間に設けられることを特徴とする請求項6に記載の撮影
    用ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置。
  8. 【請求項8】 該収納容器の感光材料排出口から該処理
    容器の感光材料挿入口までの距離が0.5cm〜10cmで
    あることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の
    撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
JP9009823A 1996-01-23 1997-01-22 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理装置 Pending JPH09265173A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9009823A JPH09265173A (ja) 1996-01-23 1997-01-22 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP903896 1996-01-23
JP8-9038 1996-01-23
JP9009823A JPH09265173A (ja) 1996-01-23 1997-01-22 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09265173A true JPH09265173A (ja) 1997-10-07

Family

ID=26343686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9009823A Pending JPH09265173A (ja) 1996-01-23 1997-01-22 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09265173A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5890028A (en) * 1996-12-20 1999-03-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Apparatus for and method of development processing

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5890028A (en) * 1996-12-20 1999-03-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Apparatus for and method of development processing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5736305A (en) Processing method for silver halide photosensitive materials and processor for the same
JPH09258397A (ja) ハロゲン化銀感光材料
JPH10104809A (ja) 撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料の現像処理方法
JPH09265173A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理装置
JPH09325450A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH09258398A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法
JP3359469B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び画像形成方法
JP3963548B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の現像処理方法及び現像処理剤組成物
JPH10171069A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP3457793B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH0961976A (ja) 現像処理後の増感色素の残留量を低減させる方法
JP3439277B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2001125231A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH08292530A (ja) ハロゲン化銀カラー感光材料および画像形成方法
JPH1184582A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH08328222A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH08328220A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH09101605A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH09146237A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH08262659A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH0934046A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH0934047A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH09152689A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH095958A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料および画像形成方法
JPH08328221A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法