JPH09263719A - 記録用水性インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

記録用水性インク及びインクジェット記録方法

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JPH09263719A
JPH09263719A JP7605196A JP7605196A JPH09263719A JP H09263719 A JPH09263719 A JP H09263719A JP 7605196 A JP7605196 A JP 7605196A JP 7605196 A JP7605196 A JP 7605196A JP H09263719 A JPH09263719 A JP H09263719A
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JP
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ink
recording
ink composition
weight
base compound
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JP7605196A
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Masaya Fujioka
昌也 藤岡
Hideto Yamazaki
秀人 山崎
Shunichi Higashiyama
俊一 東山
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 析出を生じにくく、液安定性に優れた記録用
水性インク、及び長期安定性及び吐出安定性、印字品質
に優れ、吐出応答性が良好であるインクジェット記録方
法を提供すること。 【解決手段】 純水(62.9重量部)にトリエタノー
ルアミン(0.1重量部)、黄色染料(2重量部)、ジ
エチレングリコール(25重量部)、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル(10重量部)を添加し、30
分間攪拌した後に孔径0.7μmのメンブランフィルタ
ーにて濾過し、イエローインク組成物を得た。このイン
ク組成物のpHを測定したところ、9.3であった。こ
のインク組成物をインクジェットヘッドを用いて印字し
たところ、印字品質、吐出安定性、吐出応答性は良好で
あり、インク組成物を−30℃及び60℃で6ヶ月間保
存したところ、不溶分の析出は見られず、色調もほとん
ど変化がなかった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用水性インク
及びインクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々のイン
ク吐出方法(例えば静電吸引方式、圧電素子を用いてイ
ンクに機械的振動または変位を与える方式、インクを加
熱することにより気泡を発生させ、その時に発生する圧
力を利用する方式等)により、インク小滴を形成し、そ
れらの一部もしくは全部を紙等の被記録材に付着させて
記録を行うものである。
【0003】このようなインクジェット記録方式に使用
するインク組成物としては、各種の水溶性の染料又は顔
料を、水又は水と水溶性有機溶剤からなる液媒体に溶解
又は分散させたものが知られ、且つ使用されている。そ
してそのようなインク組成物は、その目的のために最適
の性能特性を有することが要求される。例えば長期間使
用されなくても沈澱や凝集が生じることがなく、インク
ジェットプリンターのヘッドの先端部及びインク流路内
で目詰まりすることがなく、印字品質が良好なこと等で
ある。中でも最も要求される性能は、インク組成物を用
いて記録を行っている際、更に長期間記録が行われなか
ったときにおけるインクジェットプリンターのヘッドの
先端部及びインク流路内での目詰まり及び沈澱物が発生
しないという液安定性である。
【0004】また染料と顔料を比較すると、顔料はイン
ク媒体中に溶解せずに分散しているが、染料はインク媒
体中に完全に溶解するため、染料インク組成物は顔料イ
ンク組成物と比べてインクジェットプリンターのヘッド
の先端部やインク流路内で目詰まりしにくく、液安定性
もはるかに優れている。そのためインクジェットプリン
ター用インクは染料インク組成物が多い。この様な染料
インク組成物の中では水に染料を溶解させた水性染料イ
ンク組成物が主流を占めている。そのような水性染料イ
ンク組成物は、様々な化学構造を持つ水溶性染料を水及
びまたは水溶性有機溶剤の混合溶媒に溶解しており、必
要に応じて各種添加物が添加されたものが現在主として
用いられている。特に前述の最適の性能特性を得るた
め、強塩基であるKOHやNaOHなどの無機塩を添加
したり、緩衝作用を有する無機塩成分を添加してpHを
調整することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな水性染料インク組成物では、無機塩成分がインクジ
ェットプリンターのヘッドの先端部で析出し易く、目詰
まりの原因となる。また長期にわたりインクを使用した
場合は液安定性が悪く、固形分が析出し、インクジェッ
トプリンターのヘッドの先端部やインク流路内での目詰
まりの原因となり、インクジェット用のインクとしての
使用に十分耐えられない。またインクの液性が強アルカ
リ性であると、インクジェット記録装置に使用されてい
る部材、特に有機材料が用いられている部材が変形した
り、部材からインクに対して溶出が起こる等の不具合が
生じ好ましくない。
【0006】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、液安定性に優れる記録用水性イ
ンク、及び、目詰まり等の問題を起こすことのないイン
クジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の記録用水性インクは、染料と、多価
アルコールと、多価アルコールのアルキルエーテルと、
有機性弱塩基化合物とを含有し、pHが8〜10に調整
されていることを特徴とする。このように構成すること
によって、記録の際の印字品質を向上し、析出物を生じ
にくい。
【0008】また、請求項2記載の記録用水性インク
は、さらに該有機性弱塩基化合物が常温で液体のアルコ
ールアミン誘導体であることを特徴とする。このように
構成することによって、適量の添加でpH8〜10に調
整することが容易になり、アルコールアミン自体が析出
物とはなり得ず、長期保存によってもpH変化は最小限
に抑えられ、析出物をきわめて生じにくい。
【0009】また、請求項3記載の記録用水性インク
は、さらに該有機性弱塩基化合物がトリエタノールアミ
ンであることを特徴とする。このように構成することに
よって、適量の添加でpH8〜10に調整することが容
易になり、トリエタノールアミン自体が常温液体である
ためそれ自体が析出物とはなり得ず、揮発性が小さく、
化学的に安定で、長期保存によってもpH変化は最小限
に抑えられ、析出物がきわめて生じにくい。
【0010】また、請求項4記載のインクジェット記録
方法は、染料と、多価アルコールと、多価アルコールの
アルキルエーテルと、有機性弱塩基化合物とを含有し、
pHが8〜10に調整されている記録用水性インクを使
用することを特徴とする。前記記録用水性インクを用い
るインクジェット記録方法では、インクジェットプリン
ターのヘッド先端部やインク流路内で目詰まりが起こり
にくくなり、印字品質が向上し、また、インクジェット
記録装置に使用されている部材、特に有機材料が侵食さ
れない。
【0011】また、請求項5記載のインクジェット記録
方法は、該有機性弱塩基化合物が常温で液体のアルカノ
ールアミン誘導体であることを特徴とする。前記記録用
水性インクを用いるインクジェット記録方法では、イン
クジェットプリンターのヘッド先端部やインク流路内で
さらに目詰まりが起こりにくくなり、特に長期保存によ
っても目詰まりせず、印字品質が向上し、また、インク
ジェット記録装置に使用されている部材、特に有機材料
が侵食されない。
【0012】また、請求項6記載のインクジェット記録
方法は、該有機性弱塩基化合物がトリエタノールアミン
であることを特徴とする。前記記録用水性インクを用い
るインクジェット記録方法では、インクジェットプリン
ターのヘッド先端部やインク流路内できわめて目詰まり
が起こりにくくなり、特に長期保存によっても目詰まり
せず、印字品質が向上し、また、インクジェット記録装
置に使用されている部材、特に有機材料が侵食されな
い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0014】本発明において使用される染料としては、
直接染料、酸性染料、反応性染料等に代表される水溶性
染料が使用できる。特にインクジェット記録方式のイン
クとして好適で、鮮明性、水溶性、安定性、耐光性その
他の要求される性能を満たすものとしては、例えば、
C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、
71、108、146、154、168;C.I.ダイ
レクトブルー6、22、25、71、86、90、10
6、199;C.I.ダイレクトレッド1、4、17、
28、83、227;C.I.ダイレクトイエロー1
2、24、26、86、98、132、142;C.
I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、6
0;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;C.
I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグ
リーン59;C.I.アシッドブラック2、7、24、
26、31、52、63、112、118;C.I.ア
シッドブルー9、22、40、59、93、102、1
04、117、120、167、229、234;C.
I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、
80、85、87、92、94、115、180、24
9、256、289、315、317;C.I.アシッ
ドイエロー11、17、23、25、29、42、6
1、71;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.
I.アシッドバイオレット49;C.I.フードブラッ
ク1、2等が挙げられる。上記の染料は本発明の記録方
法に適用できるインク組成物に対して特に好ましいもの
であるが、本発明ではこれらの染料に限定されるもので
はない。
【0015】このような水溶性染料は、従来のインク組
成物中において一般的には約0.1〜10重量%を占め
る割合で利用されているが、本発明においては、上記の
範囲で使用されることは勿論であると共に、従来の使用
量以上の使用量でもインク組成物の安定性を示し、且つ
沈澱物を生じないものである。
【0016】本発明において使用される溶媒は、水と多
価アルコールと多価アルコールのアルキルエーテルとの
混合溶媒である。このうち、多価アルコールは主として
インクの乾燥防止効果を有するものである。また、多価
アルコールのアルキルエーテルはインクの乾燥防止効果
に加えて記録紙等への優れた浸透作用によって速乾性と
良好な印字品質を達成するものである。また水として
は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオ
ン水を使用することが望ましい。
【0017】前記多価アルコールは、インクの乾燥防止
(湿潤)効果を有することによりインクの液安定性を向
上させ得るものが好適に使用される。
【0018】例えば、多価アルコールの具体例として
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチ
レングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,
6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレ
ングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン
等が挙げられる。
【0019】また、前記多価アルコールのアルキルエー
テルは、多価アルコールと同様、インクの乾燥防止効果
を有すると共に、優れた浸透作用により速乾性、良好な
印字品質が達成させ得るものが好適に使用される。
【0020】多価アルコールのアルキルエーテルの具体
例としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノブチルエーテル、等が挙げ
られる。
【0021】インク組成物中の多価アルコールの含有量
は、一般的にはインクの全重量に対して重量%で5〜9
5重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましく
は10〜50重量%の範囲である。また、多価アルコー
ルのアルキルエーテルの含有量は1〜50重量%、好ま
しくは3〜25重量%、より好ましくは5〜15重量%
である。また、この時の水の含有量は、上記溶剤成分の
種類、その組成、あるいは所望されるインクの特性に依
存して広い範囲で決定されるが、インクの全重量に対し
て一般に10〜95重量%の範囲である。
【0022】本発明において使用されるpH調整剤は有
機性弱塩基化合物である。該有機性弱塩基化合物は、他
の一般的にpH調整剤として用いられる無機塩とは異な
り、それ自体がインクジェットプリンターのヘッドの先
端部で固化したりすることなく、目詰まりしにくいとい
う優れた効果が発揮される。
【0023】上記有機性弱塩基化合物としては、望まし
くは常温で液体のアルコールアミン誘導体である。常温
で液体のアルコールアミン誘導体は適量の添加でpHを
8〜10の範囲に調整することが容易に可能であり、そ
れ自体が析出物とはなり得ず、長期保存によってもpH
変化は最小限に抑えられ、液安定性に優れている。
【0024】該有機性弱塩基化合物として、さらに望ま
しくはトリエタノールアミンである。該トリエタノール
アミンは、適量の添加でpHを8〜10の範囲に調整す
ることが容易に可能であり、揮発性が低く、化学的に安
定で、きわめて析出を起こしにくい。
【0025】本発明においてはインクのpHは8〜10
に限定される。インクのpHが8以下である場合にはイ
ンクを長期保存した場合に染料が析出し易く、インクジ
ェットプリンターのヘッドの先端部やインク流路内での
目詰まりの原因となり、またインクのpHが10以上で
ある場合には、インクジェット記録装置に使用されてい
る部材、特に有機材料が用いられている部材が変形した
り、部材からインクに対して溶出が起こったり、あるい
は、強アルカリであるため人体等への安全上好ましくな
いからである。上記有機性弱塩基化合物の添加量は使用
する染料の酸性度によって適宜決定される。
【0026】本発明におけるインク組成物の基本組成は
以上の通りであるが、その他従来公知の各種添加剤、す
なわち界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防黴
剤等を必要に応じて添加することができる。例えばポリ
ビニルアルコール、セルロース類、水溶性樹脂等の粘度
調整剤、カチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活
性剤等である。また記録液を帯電するタイプのインクジ
ェット記録方法に使用されるインク組成物を調合する場
合には、塩化アンモニウム等の無機塩類等の比抵抗調整
剤が添加される。
【0027】次に本発明の実施例及び比較例を説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】実施例1 純水(62.9重量部)にトリエタノールアミン(0.
1重量部)、黄色染料「ダイワ IJ YELLOW
205H」(ダイワ化成社製、2重量部)、ジエチレン
グリコール(25重量部)、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル(10重量部)を添加し、30分間攪拌
した後に孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾
過し、イエローインク組成物を得た。このインク組成物
のpHを測定したところ、9.3であった。
【0029】このインク組成物について以下の(1)〜
(4)の検討を行ったところ、いずれにおいても良好な
結果を得た。
【0030】(1)長期安定性;インク組成物を耐熱ガ
ラス瓶に密閉し、−30℃と60℃で6ヶ月間保存した
後でも不溶分の析出は見られず、色調もほとんど変化が
なかった。また液の物性はpHは−30゜C、60゜C
ともやや低下したが、いずれも8.5〜9.0の範囲内
であり、粘度、表面張力、導電率、密度等はほとんど変
化はなかった。
【0031】(2)印字品質;特開平2−150355
号公報に開示されているせん断モード型のインクジェッ
トヘッドを用いて常温常湿雰囲気で各種の普通紙及びコ
ート紙に対して文字及びベタ印字を行ったが、印字物の
乾燥時間は文字、ベタ共に5秒以内であり、滲み等のほ
とんどない良好な印字物が得られた。
【0032】(3)吐出安定性;特開平2−15035
5号公報に開示されているせん断モード型のインクジェ
ットヘッドを用いて5℃、20℃、40℃の各雰囲気温
度でそれぞれ24時間の連続吐出を行ったが、いずれの
条件においても終始安定した高品質の記録が行えた。
【0033】(4)吐出応答性;特開平2−15035
5号公報に開示されているせん断モード型のインクジェ
ットヘッドを用いて1分間の間欠吐出と2ヶ月間放置後
の吐出について調べたが、いずれの場合もインクジェッ
トプリンターのヘッドの先端部やインク流路内で目詰ま
りすることなく、安定且つ均一に記録された。
【0034】実施例2 純水(77.9重量部)にジエタノールアミン(0.1
重量部)、黄色染料「ダイワ IJ YELLOW 2
05H」(ダイワ化成社製、2重量部)、グリセリン
(15重量部)、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテル(5重量部)を添加し、同様にイエローインク組
成物を得た。このインク組成物のpHを測定したとこ
ろ、9.1であった。
【0035】このインク組成物について実施例1と同様
な検討を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が
得られた。また、(1)の長期安定性評価におけるpH
は−30゜C、60゜Cとも8.0〜8.5の範囲に保
たれていた。
【0036】実施例3 純水(55.95重量部)にトリエタノールアミン
(0.05重量部)、シアン染料「ダイワ IJ BL
UE 319H」(ダイワ化成社製、2重量部)、ポリ
エチレングリコール(平均分子量200)(30重量
部)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(12
重量部)を添加し、同様にシアンインク組成物を得た。
このインク組成物のpHを測定したところ、8.6であ
った。
【0037】このインク組成物について実施例1と同様
な検討を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が
得られた。また、(1)の長期安定性評価におけるpH
は−30゜C、60゜Cともに8〜8.5の範囲に保た
れていた。
【0038】比較例1 純水(77.99重量部)にトリエタノールアミン
(0.01重量部)、黄色染料「ダイワ IJ YEL
LOW 205H」(ダイワ化成社製、2重量部)、ジ
エチレングリコール(20重量部)を添加し、同様にイ
エローインク組成物を得た。このインク組成物のpHを
測定したところ、7.8であった。
【0039】このインク組成物について実施例1と同様
な検討を行ったところ、(1)において、−30℃、6
0℃ともに固形分の析出が見られた。また、(2)にお
いて乾燥時間が10秒以上かかり、文字部においてヒゲ
状の滲みが観察された。また(4)においてしばしばイ
ンクの不吐出が見られた。インクジェットプリンターの
ヘッドの先端部を光学顕微鏡で観察すると、固形分が付
着していた。
【0040】比較例2 実施例1においてトリエタノールアミンなしでインクを
作製したところ、インクのpHは5.3であった。この
インク組成物について実施例1と同様な検討を行ったと
ころ、(1)において−30゜C、60゜Cともに固形
分の析出が見られた。また(3)及び(4)においてし
ばしばインクの不吐出が見られた。インクジェットプリ
ンターのヘッドの先端部を光学顕微鏡で観察すると、固
形分が付着していた。
【0041】比較例3 濃度が2×10-5mol/lとなるように調製したKO
H水溶液(68重量部)に黄色染料「ダイワ IJ Y
ELLOW 205H」(ダイワ化成社製、2重量
部)、ジエチレングリコール(20重量部)、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル(10重量部)を添加
し、同様にイエローインク組成物を得た。このインク組
成物のpHを測定したところ、9.0であった。
【0042】このインク組成物について実施例1と同様
な検討を行ったところ、(1)において−30℃、60
℃でのpHがともに8未満となり、ともに固形分の析出
が見られた。また(3)及び(4)においてしばしばイ
ンクの不吐出が見られた。インクジェットプリンターの
ヘッドの先端部を光学顕微鏡で観察すると、固形分が付
着していた。
【0043】長期安定性、吐出安定性が良く、印字品質
に優れ、吐出応答性も良好であった実施例1〜3のイン
ク組成物では、いずれも染料と、多価アルコールと、多
価アルコールのアルキルエーテルと、有機性塩基化合物
とを含有し、インクのpHが8〜10に調整されてい
た。
【0044】これに対し、長期安定性、吐出安定性、印
字品質、吐出応答性が悪かった比較例1〜4では、いず
れも上記条件を満たしていなかった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の請求項1記載の記録用水性インクは、染料と、多
価アルコールと、多価アルコールのアルキルエーテル
と、有機性弱塩基化合物とを含有し、pHが8〜10に
調整されているので、記録の際の印字品質に優れ、析出
物を生じにくく、液安定性に優れている。
【0046】また、請求項2記載の記録用水性インク
は、さらに該有機性弱塩基化合物が常温で液体のアルコ
ールアミン誘導体であることを特徴としているので、p
H8〜10を達成することが容易に可能であり、アルコ
ールアミン自体が析出物とはなり得ず、長期保存によっ
てもpH変化は最小限に抑えられ、析出物をきわめて生
じにくく、液安定性に優れている。
【0047】また、請求項3記載の記録用水性インク
は、さらに該有機性弱塩基化合物がトリエタノールアミ
ンであることを特徴としているので、適量の添加でpH
8〜10を達成することが可能であり、トリエタノール
アミン自体が常温液体であるためそれ自体が析出物とは
なり得ず、揮発性が小さく、化学的に安定で、長期保存
によってもpH変化は最小限に抑えられ、析出物がきわ
めて生じにくく、液安定性に非常に優れている。
【0048】また、請求項4記載のインクジェット記録
方法は、染料と、多価アルコールと、多価アルコールの
アルキルエーテルと、有機性弱塩基化合物とを含有し、
pHが8〜10に調整されている記録用水性インクを使
用することを特徴としているので、インクジェットプリ
ンターのヘッド先端部やインク流路内で目詰まりしにく
く、優れた印字品質が達成され、また、インクジェット
記録装置に使用されている部材、特に有機材料を侵食す
ることがない。
【0049】また、請求項5記載のインクジェット記録
方法は、該有機性弱塩基化合物が常温で液体のアルカノ
ールアミン誘導体であることを特徴としているため、イ
ンクジェットプリンターのヘッド先端部やインク流路内
で目詰まりしにくく、特に長期保存によっても目詰まり
せず、優れた印字品質が達成され、また、インクジェッ
ト記録装置に使用されている部材、特に有機材料を侵食
することがない。
【0050】また、請求項6記載のインクジェット記録
方法は、該有機性弱塩基化合物がトリエタノールアミン
であることを特徴としているので、インクジェットプリ
ンターのヘッド先端部やインク流路内できわめて目詰ま
りしにくく、特に長期保存によっても目詰まりせず、優
れた印字品質が達成され、また、インクジェット記録装
置に使用されている部材、特に有機材料を侵食すること
がない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用水性インクにおいて、 染料と、多価アルコールと、多価アルコールのアルキル
    エーテルと、有機性弱塩基化合物とを含有し、pHが8
    〜10に調整されていることを特徴とする記録用水性イ
    ンク。
  2. 【請求項2】 該有機性弱塩基化合物が常温で液体のア
    ルコールアミン誘導体であることを特徴とする請求項1
    記載の記録用水性インク。
  3. 【請求項3】 該有機性弱塩基化合物がトリエタノール
    アミンであることを特徴とする請求項1及び2記載の記
    録用水性インク。
  4. 【請求項4】 記録用水性インクを用いて記録を行うイ
    ンクジェット記録方法において、 染料と、多価アルコールと、多価アルコールのアルキル
    エーテルと、有機性弱塩基化合物とを含有し、pHが8
    〜10に調整されている記録用水性インクを使用するこ
    とを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 該有機性弱塩基化合物が常温で液体のア
    ルコールアミン誘導体であることを特徴とする請求項4
    記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 該有機性弱塩基化合物がトリエタノール
    アミンであることを特徴とする請求項4及び5記載のイ
    ンクジェット記録方法。
JP7605196A 1996-03-29 1996-03-29 記録用水性インク及びインクジェット記録方法 Pending JPH09263719A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004167996A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Brother Ind Ltd 画像記録方法

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