JPH09258745A - 能動消音装置および能動消音系の設計方法 - Google Patents

能動消音装置および能動消音系の設計方法

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JPH09258745A
JPH09258745A JP8088756A JP8875696A JPH09258745A JP H09258745 A JPH09258745 A JP H09258745A JP 8088756 A JP8088756 A JP 8088756A JP 8875696 A JP8875696 A JP 8875696A JP H09258745 A JPH09258745 A JP H09258745A
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明彦 江波戸
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裕一 森川
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    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F13/00Details common to, or for air-conditioning, air-humidification, ventilation or use of air currents for screening
    • F24F13/24Means for preventing or suppressing noise
    • F24F2013/247Active noise-suppression

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  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Duct Arrangements (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な手法で反射のある空間に侵入する騒音を
消すことができる能動消音装置および能動消音系の設計
方法を提供する。 【解決手段】音響反射の存在する空間に侵入する騒音の
音響パワーを低減する能動消音装置であって、付加音源
25a,25bを閉空間21における騒音23の侵入口
の近くに配置するとともに付加音源25a,25bから
騒音23の侵入口における振動面30の騒音に対して逆
位相で同じ体積速度(振幅)の音響エネルギを放出させ
たときにできる節(音圧最小点)の位置31に誤差信号
検出手段27を配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばエレベー
タの乗り篭のように音響反射の存在する空間に侵入する
騒音を能動的に消音する能動消音装置および能動消音系
の設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、エレベータの乗り篭は音
響反射の存在する閉空間を構成している。この乗り篭に
は、通常、ダクトを介して換気用のファンが設けられて
いる。したがって、乗り篭内には、ファンで発生した騒
音がダクトを介して侵入する。この侵入騒音はエレベー
タの乗り心地を悪くする虞がある。したがって、侵入騒
音を消すための何等かの手段を乗り篭に設けることが望
まれる。
【0003】ところで、図12に示すような音響反射の
存在する閉空間1にダクト2などを介して侵入する騒音
3を閉空間1内において消音する方法としては、図13
(a)に示すように、閉空間1に吸音材4を内張して内部
の音圧上昇を防ぐ手法が一般に採用されている。また、
ダクト2から侵入する音の音響パワーを低減し、閉空間
全領域を消音するのではなく、図13(b) に示すよう
に、放射エネルギーによって閉空間1内に生じた顕著な
共鳴周波数成分に着目し、その音圧モードの振幅最大の
位置5に誤差マイク6を設置し、周知の能動消音制御で
そのモードを低減させる手法も知られている。
【0004】しかしながら、閉空間1に吸音材4を内張
する方法では、一般に波長の長い低周波数成分を低減さ
せることが難しい。また、閉空間1に生じる音圧モード
を能動消音制御で制御する方法では、ある1つの音圧モ
ードだけ低減できても、複数のモードが卓越している場
合には消音効果が小さい。消音効果を向上させるには各
モードに対して誤差マイク6を1つずつ、しかも音圧の
一番大きい位置に配置しなければならい。しかし、閉空
間1の形状、騒音の伝播状況によりモードの現れ方も異
なることから、あまり実用的ではない。仮にモードの現
れ方が一定で、この手法で複数のモードを抑制できたと
しても、騒音が閉空間1に侵入する入口の音響パワーを
低減させているのではないので、閉空間全領域を消音さ
せることは難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の消
音手法では、低周波の騒音成分を消音できなかったり、
対象空間の影響を受けたり、システム全体が大掛かりに
なったり、閉空間全領域を消音させることが困難であっ
たりする問題があった。
【0006】そこで本発明は、上述した不具合を解消で
き、音響反射の存在する空間に侵入した騒音を良好に消
音できる能動消音装置および能動消音系の設計方法を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明では、音響反射の存在する空間
に侵入する騒音の音響パワーを低減する能動消音装置で
あって、前記騒音と相関のある信号を検出するセンシン
グ手段と、付加音源と、前記センシング手段の出力と制
御係数との演算出力で前記付加音源を制御する制御手段
と、前記空間に設けられた誤差信号検出手段と、この誤
差信号検出手段の出力と前記センシング手段の出力とを
導入して前記制御手段の前記制御係数を時々刻々適応的
に算出して更新する制御係数算出手段とを備え、前記付
加音源を前記空間における前記騒音の侵入口の近くに配
置するとともに上記付加音源から上記騒音の侵入口にお
ける振動面の騒音に対して逆位相で同じ体積速度(振
幅)の音響エネルギを放出させたときにできる節(音圧
最小点)の位置に前記誤差信号検出手段を配置してなる
ことを特徴としている。
【0008】また、上記目的を達成するために、請求項
2に係る発明では、音響反射の存在する空間に侵入する
騒音の音響パワーを低減する能動消音装置であって、前
記騒音と相関のある信号を検出するセンシング手段と、
付加音源と、前記センシング手段の出力と制御係数との
演算出力で前記付加音源を制御する制御手段と、前記空
間に設けられた誤差信号検出手段と、この誤差信号検出
手段の出力と前記センシング手段の出力とを導入して前
記制御手段の前記制御係数を時々刻々適応的に算出して
更新する制御係数算出手段とを備え、前記付加音源を前
記空間における前記騒音の侵入口の近くに配置するとと
もに前記誤差信号検出手段を予め設定された領域内で、
かつ上記付加音源から上記騒音の侵入口における振動面
の騒音に対して逆位相で同じ体積速度(振幅)の音響エ
ネルギを放出させたときに音圧最小となる位置に配置し
てなることを特徴としている。
【0009】さらに、上記目的を達成するために、請求
項3に係る発明では、騒音と相関のある信号を検出する
センシング手段、付加音源、前記センシング手段の出力
と制御係数との演算出力で前記付加音源を制御する制御
手段、誤差信号検出手段および前記誤差信号検出手段の
出力と前記センシング手段の出力とを導入して前記制御
手段の前記制御係数を時々刻々適応的に算出して更新す
る制御係数算出手段を用いて音響反射の存在する空間に
侵入する騒音の音響パワーを低減する能動消音系を設計
する際して、前記空間への騒音侵入口の音圧分布を測定
して騒音源の位置を決定した後に付加音源の設置可能範
囲内におけるパワー低下量の計算を行って付加音源の位
置を決定し、上記騒音源の位置および付加音源の位置に
基づいて上記付加音源から上記騒音の侵入口における振
動面の騒音に対して逆位相で同じ体積速度(振幅)の音
響エネルギを放出させたときにできる節(音圧最小点)
の位置に前記誤差信号検出手段を配置できるか否かの判
定を優先して行うことを特徴としている。
【0010】請求項1に係る能動消音装置では、付加音
源を空間における騒音の侵入口の近くに配置するととも
に上記付加音源から上記騒音の侵入口における振動面の
騒音に対して逆位相で同じ体積速度(振幅)の音響エネ
ルギを放出させたときにできる節(音圧最小点)の位置
に誤差信号検出手段を配置している。
【0011】上述した節の位置(音圧最小点)に誤差信
号検出手段を配置し、適応能動制御を実行することで、
空間に放射する音響パワーを低減でき、空間全領域を消
音することができる。
【0012】以下に、その理由を説明する。なお、ここ
では、騒音源をモノポール音源としてとり扱い、付加音
源をスピーカで構成し、誤差信号検出手段をマイクで構
成するものとして扱う。
【0013】閉空間に限らず開放空間においても、適応
能動制御で音響パワーを最小とする誤差マイクの最適配
置導出法には次の2つの手法がある。
【0014】手法1.誤差マイクの位置と付加音源の音
圧位相、振幅(体積速度)の関係をまず求め、これによ
り誤差マイクの位置の違いによる音響パワーの変化の様
子を調べる。
【0015】手法2.付加音源の音圧が騒音に対して逆
位相、同振幅になるときに音響パワーが最小となること
を利用し、逆位相、同振幅の付加音源を配したときの節
の位置を求め、この位置を誤差マイクの最適配置とす
る。
【0016】反射がない開放空間で付加音源が2個くら
いまでならば、手法1で求める方が正確に誤差マイク位
置と音響パワーとの関係を導くことができる。
【0017】たとえば、図3(a) のように、音源11の
音圧に対して2つの付加音源12の音圧がどちらも位相
θずれおり、かつ同振幅の場合には、音源11からr1
離れた場所にある誤差マイク13の音圧Pは、
【0018】
【数1】 となる。
【0019】能動制御によりP=0となることから、
【0020】
【数2】
【0021】
【数3】
【0022】
【数4】 次に、音響パワーと付加音源12の音圧の位相、振幅と
の関係が次式となることから、
【0023】
【数5】 式(3) ,(4)を式(5) に代入することで、誤差マイク13
の位置の違いによる音響パワー低下量を求めることがで
きる。
【0024】計算機を使用すれば、誤差マイク13の位
置毎の音響パワーを簡単に計算することができ、音響パ
ワー最小となる誤差マイク13の最適配置を求めること
ができる。
【0025】一方、最適配置だけを求めるのであるなら
ば、音響パワーが最小となる付加音源12の条件は音圧
が逆位相、同振幅であることから、式(3) 、式(4) よ
り、r1 =r2 =r3 が最適配置となる。図3(b) のよ
うにd=r1 のときには正三角形、d≠r1 のときには
図3(c) に示すように誤差マイク13を遠ざけるほどr
1 とr2 とが近い値となり音響パワーが低下する。
【0026】本発明が対象としている反射のある空間の
場合、最適配置の導出に際して手法1がさらに複雑にな
ることから、式(3) および式(4) を導くのに手間が非常
に掛かる。また、式(5) に代入して最適配置を求める以
前に、θ=π、A2 /A1 =1/2 を式(3) 式(4) に代入
して配置を見積るにも手間がかかる。
【0027】具体的に式を使って説明する。
【0028】今、図4に示すように、騒音が閉空間14
の隅の入口から侵入し、第一波のみの反射を仮定した場
合、鏡像音源の原理を用いて誤差マイク13の位置にお
ける音圧を求めると式(6) となる。
【0029】
【数6】 ここでP→0より
【0030】
【数7】
【0031】
【数8】
【0032】
【数9】 とすると、
【0033】
【数10】 このようにして、音圧の位相を求めることは式(3) と比
べて複雑になる。振幅についても同様で式(7) に代入す
ることで得られるが複雑となる。
【0034】すなわち、反射のある空間を対象にしたと
きには、手法1を用いて誤差マイク13の位置を手計算
で求めることは難しい。
【0035】したがって、反射のある空間を対象にした
ときには、まず手法2を用いて逆位相、同振幅の付加音
源12を配したときの節(音圧最小点)の位置を求める
ことで、誤差マイク13の最適配置を見積る作業を優先
することが得策である。
【0036】まず、θ=π、A2 /A1 =1/2 となる最
適条件を式(6) に代入すると、
【0037】
【数11】 となる。
【0038】節となる位置は、P=0より、
【0039】
【数12】 となる。
【0040】ここで、低周波数を対象としていることか
ら、
【0041】
【数13】
【0042】
【数14】 ここで、空間の壁面が剛で完全反射である場合には、
【0043】
【数15】 となり、
【0044】
【数16】 したがって、この式(16)を満たす誤差マイク13の位置
が節となる。
【0045】節に誤差マイク13を配して能動制御をか
けると、誤差マイク13の音圧が最小となるように付加
音源12の音圧が騒音とは逆位相、同振幅に近づくの
で、音響パワーは最小となる。
【0046】このときの音響パワー変化量は、式(5) に
θ=π、A2 /A1 =1/2 を代入することによって得ら
れ、式(17)となる。したがって、低周波数ほど、また付
加音源12を音源11に近づけるほど消音効果が向上す
る。
【0047】
【数17】 このように、反射の影響のある閉空間では鏡像音源も含
めて音源の数が複数になることから、手法1で音響パワ
ーを最小とする最適配置を導出することは難しく、節の
位置を見積る手法2を優先させることによって簡単に導
出できることが判る。
【0048】図5には反射の影響のある空間を対象にし
て実際に能動消音系を設計する場合の手順が示されてい
る。この場合には、先に説明したように、まず手法2を
用いて誤差マイクの最適位置を見積り、最適化を図る。
そして、手法2では目標を達成できないときには手法1
を用いて誤差マイクの最適位置を求める。このような手
順によって能動消音系の設計を能率よく行うことができ
る。
【0049】なお、図5中、対策1とは先の狭まった管
を付加音源に取り付けることにより、付加音源を音源に
近付けることで消音効果を向上させるなどの処置をとる
ことを指し、対策2とは初めに誤差マイク位置をきめた
場合の付加音源最適配置の導出などの処置をとることを
指している。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。
【0051】図1には本発明の一実施形態に係る能動消
音装置の概略構成が示されている。
【0052】同図において、21はエレベータの乗り篭
のように音響反射が存在する閉空間を示している。この
閉空間21にはダクト22が通じており、このダクト2
2を介して騒音23が閉空間21内に侵入し得る状況に
ある。
【0053】この能動消音装置は適応制御方式を採用し
ており、ダクト22から侵入する騒音23と相関のある
信号を検出するセンシング手段としてセンサ24と、ダ
クト22の閉空間側の開口部近くに設けられ付加音源と
してのスピーカ25a,25bと、センサ24の出力と
制御係数との演算出力でスピーカ25a,25bを制御
する制御器26と、閉空間21内に設けられた誤差信号
検出手段としての誤差マイク27と、この誤差マイク2
7の出力とセンサ24の出力信号をスピーカ25a,2
5bから誤差マイク27までの空間インパルス関数に相
当する遅延回路28を通して得られた信号とを導入して
制御器26の制御係数を時々刻々適応的に算出して更新
する制御係数演算器29とで構成されている。
【0054】そして、前述の如くスピーカ25a,25
bを閉空間21における騒音23の侵入口、つまりダク
ト22の開口近くに配置するとともに、スピーカ25
a,25bから騒音23の侵入口における振動面30の
騒音に対して逆位相で同じ体積速度(振幅)の音響エネ
ルギを放出させたときにできる節(音圧最小点)の位置
に誤差マイク27を配置している。
【0055】このように、上述した節の位置31に誤差
マイク27を配置しているので、適応能動制御を実行す
ることで、前述した理由で閉空間21に放射する音響パ
ワーを低減でき、空間全領域を消音することができる。
【0056】なお、図2に示すように、誤差マイク27
を閉空間21内のある限られた領域32のみにしか配置
できず、節の位置(音圧最小点)31が領域32の外部
にある場合には、領域32の内部において音圧最小とな
る位置33に誤差マイク27を配置しても、消音効果は
図1に比べやや劣化するものの、閉空間21に放射する
音響パワーを低減することができる.次に、実際に本発
明を応用して消音効果を確認した例について説明する。
【0057】対象とした騒音はエレベータの換気用ファ
ンの騒音である。このファン騒音が図6(a) に示すよう
にダクトを通り、乗り篭内に放射する際の放射音響パワ
ーを低減し、乗り篭内全領域を消音させることを目的と
した。
【0058】本発明の有効性を検証する意味でファンの
代りにダクト内部に騒音源としてのスピーカを設置し、
これからランダムノイズを出力し、このノイズがダクト
出口から乗り篭内に放射するパワーを低減させる実験を
実施した。図6(a) ,(b)にダクト、付加音源用のスピー
カなどの配置を示す。
【0059】計算で仮定するモノポール音源(騒音源)
の位置は、ダクト出口(乗り篭空間への侵入口)の最上
部中央に位置し、モノポール付加音源の位置はスピーカ
の振動中心である。アクティブスピーカの設置範囲は室
内から見えない位置、つまり、照明用の天井裏空間と限
定されていることから、設置した時点で図3(b),(c)に
示した開放空間における最適配置とは異なり、図6(c)
に示すように騒音源との間に67.9度の開き角度が生
じた。
【0060】なお、このように最適配置からずれている
と、従来では音源、付加音源の配置を変更する手段をと
るが、本発明では音源、付加音源がどのような位置関係
にあっても、また反射の影響を受けようとも、節の位置
を見つけることに主力をおいている。したがって、制約
を受けにくく最適配置の自由度が大きくなり、実用的で
あることが大きな特徴である。
【0061】この例において、図4に示したような完全
反射を仮定した場合でも、計算による節の位置は、反射
のない結果と比べてほとんど変化がなく、実際に室内の
空間伝達関数を測定した結果からも、誤差マイクの出力
は反射音よりも直接音が支配的であったため、結果的に
は乗り篭は閉空間でありながら、反射の影響が極めて少
ない空間であることが判った。
【0062】計算により導出した節の位置は図7に示す
ように、室内の天井よりも約20cmくらい下の側壁、
つまり設置条件である天井裏の照明用の空間の外部であ
った。そこで、照明用空間領域において、音圧が最小と
なる位置を再度見積った結果、図7のように2箇所存在
した。
【0063】実際に騒音源用スピーカから周期音を発生
させ、この音のダクト出口の騒音振動面に対して逆位
相、同振幅(アクティブスピーカ2個使用のときは1/
2)をアクティブスピーカから出力し、音響パワーが最
小になったことを確認した後に、図8(a) に示す誤差マ
イク設置可能範囲のダクト出口付近の音圧分布を測定し
たところ、図8(b) に示す結果が得られた。この図から
判るように、周波数に左右されずに2箇所で音圧が低減
することを確認した。これは図7のシミュレーション
(線上(天井面)の2点)結果とほぼ一致している。
【0064】したがって、この位置(左側1箇所)に誤
差マイクを設置して、ランダムノイズ音源を対象として
適応能動制御を実施した。
【0065】そして、室内の図9に示す4隅及中間(A
1〜C2計6点)で音圧を測定したところ、能動制御前
後において、図10,図11に示すように音圧スペクト
ル変化値(Aスケール)が観測された。なお、これらの
図において、上側のデータが能動制御前、下側のデータ
が能動制御を行ったときのものである。
【0066】図10,図11から判るように、本発明の
手法を採用することにより、閉空間に放射するパワーを
低減でき、室内全領域で音圧レベルが約5〜8dB低下
し、聴感上もはっきりと消音効果を確認することができ
た。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
節の位置に誤差マイクを配置し、適応能動制御を実行す
ることで、反射の影響のある閉空間に放射する騒音の音
響パワーを低減させることができる。また、節の位置
(音圧最小点)が誤差マイクの設置可能範囲外にある場
合でも、設置可能範囲内において音圧最小となる位置に
誤差マイクを配置することにより、節に配置した場合と
比べやや劣化するものの、閉空間に放射する音響パワー
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る能動消音装置の概略
構成図
【図2】本発明の別の実施形態に係る能動消音装置の概
要構成図
【図3】音源に対して2つの付加音源と誤差マイクとを
使用して能動制御で音響パワーを最小とすることを説明
するための図
【図4】反射がある閉空間にある音源に対して2つの付
加音源と誤差マイクとを使用して能動制御で音響パワー
を最小とすることを説明するための図
【図5】本発明に係る設計方法の手順を示す図
【図6】エレベータの乗り篭の設けられた換気用ファン
の騒音を本発明を用いて消音したときの各部の配置関係
等を示す図
【図7】音源と付加音源の位置関係により決まる節の位
置と誤差マイク設置範囲が限定されたときの誤差マイク
の最適配置を説明するための図
【図8】音源付近の音圧分布実測値例を説明するための
【図9】エレベータの乗り篭内の消音効果を評価する位
置を示す図
【図10】エレベータの乗り篭内の消音効果を示す図
【図11】エレベータの乗り篭内の消音効果を示す図
【図12】従来技術を説明するための図
【図13】従来技術を説明するための図
【符号の説明】
21…閉空間 22…ダクト 23…騒音 24…センシング手段としてのセンサ 25a,25b…付加音源としてのスピーカ 26…制御器 27…誤差信号検出手段としての誤差マイク 28…遅延回路 29…制御係数演算器 30…騒音振動面 31…節の位置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響反射の存在する空間に侵入する騒音の
    音響パワーを低減する能動消音装置であって、 前記騒音と相関のある信号を検出するセンシング手段
    と、付加音源と、前記センシング手段の出力と制御係数
    との演算出力で前記付加音源を制御する制御手段と、前
    記空間に設けられた誤差信号検出手段と、この誤差信号
    検出手段の出力と前記センシング手段の出力とを導入し
    て前記制御手段の前記制御係数を時々刻々適応的に算出
    して更新する制御係数算出手段とを備え、 前記付加音源を前記空間における前記騒音の侵入口の近
    くに配置するとともに上記付加音源から上記騒音の侵入
    口における振動面の騒音に対して逆位相で同じ体積速度
    (振幅)の音響エネルギを放出させたときにできる節
    (音圧最小点)の位置に前記誤差信号検出手段を配置し
    てなることを特徴とする能動消音装置。
  2. 【請求項2】音響反射の存在する空間に侵入する騒音の
    音響パワーを低減する能動消音装置であって、 前記騒音と相関のある信号を検出するセンシング手段
    と、付加音源と、前記センシング手段の出力と制御係数
    との演算出力で前記付加音源を制御する制御手段と、前
    記空間に設けられた誤差信号検出手段と、この誤差信号
    検出手段の出力と前記センシング手段の出力とを導入し
    て前記制御手段の前記制御係数を時々刻々適応的に算出
    して更新する制御係数算出手段とを備え、 前記付加音源を前記空間における前記騒音の侵入口の近
    くに配置するとともに前記誤差信号検出手段を予め設定
    された領域内で、かつ上記付加音源から上記騒音の侵入
    口における振動面の騒音に対して逆位相で同じ体積速度
    (振幅)の音響エネルギを放出させたときに音圧最小と
    なる位置に配置してなることを特徴とする能動消音装
    置。
  3. 【請求項3】騒音と相関のある信号を検出するセンシン
    グ手段、付加音源、前記センシング手段の出力と制御係
    数との演算出力で前記付加音源を制御する制御手段、誤
    差信号検出手段および前記誤差信号検出手段の出力と前
    記センシング手段の出力とを導入して前記制御手段の前
    記制御係数を時々刻々適応的に算出して更新する制御係
    数算出手段を用いて音響反射の存在する空間に侵入する
    騒音の音響パワーを低減する能動消音系を設計するに際
    して、 前記空間への騒音侵入口の音圧分布を測定して騒音源の
    位置を決定した後に付加音源の設置可能範囲内における
    パワー低下量の計算を行って付加音源の位置を決定し、
    上記騒音源の位置および付加音源の位置に基づいて上記
    付加音源から上記騒音の侵入口における振動面の騒音に
    対して逆位相で同じ体積速度(振幅)の音響エネルギを
    放出させたときにできる節(音圧最小点)の位置に前記
    誤差信号検出手段を配置できるか否かの判定を優先して
    行うことを特徴とする能動消音系の設計方法。
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