JPH09258484A - 現像剤及び画像形成装置 - Google Patents

現像剤及び画像形成装置

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JPH09258484A
JPH09258484A JP6959196A JP6959196A JPH09258484A JP H09258484 A JPH09258484 A JP H09258484A JP 6959196 A JP6959196 A JP 6959196A JP 6959196 A JP6959196 A JP 6959196A JP H09258484 A JPH09258484 A JP H09258484A
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softening point
glass transition
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toner
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幸宏 藤倉
Mariko Ishii
眞理子 石井
Hiroko Takano
裕子 高野
Nobuko Ikegami
暢子 池上
Akira Takano
彰 高野
Takahiro Nakajima
隆宏 中島
Takumi Hatano
巧 波多野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2種の樹脂を用いた場合にもその配合比を容
易に設定することができ、スミア特性と定着残存率とを
満足させ得る現像剤を提供すること。 【解決手段】 本発明の現像剤は、軟化点温度が第1の
温度であり、かつガラス転移点温度が第2の温度である
第1の熱可塑性樹脂と、軟化点温度が第1の温度よりも
高い第3の温度であり、かつガラス転移点温度が第2の
温度よりも低い第4の温度である第2の熱可塑性樹脂
と、前記第1及び第2の熱可塑性樹脂中に含まれる着色
剤とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ等
に用いられる乾式現像剤より画像を形成する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来現像剤には、(1)定着残存率が高
いこと (2)スミア特性が良好であること (3)オ
フセット現象を生じないこと等の種々の特性を同時に満
足させることが要求されてきた。ここで定着残存率と
は、記録媒体上に定着された現像剤の定着強度を示すも
ので、定着残存率が高い程、定着が充分行われているこ
とになる。スミアとは、記録済の用紙等を原稿として、
自動原稿搬送装置中を通過させた場合等に、定着済の現
像剤像が機械的摩擦力を受けて用紙から剥離し、剥離し
た現像剤像が別の用紙上に画像汚れとして現れる現象で
ある。オフセット現象とは定着時に加熱溶融された現像
剤が定着器に付着し、画像汚れを引き起こす現象を指
す。特に定着ローラ対により加熱加圧定着を行う場合に
は、加熱溶融したトナーが加圧ローラに付着して用紙の
裏側を汚染するという、いわゆる裏汚れの発生を引起
す。
【0003】このような種々の特性を同時に満足させる
ため、例えば、特開平1−204061号公報には、熱
可塑性樹脂として高分子量の重合体と低分子量の重合体
を用い、高分子量重合体によりある一つの特性を制御
し、低分子量重合体により別の特性を制御することが開
示されている。このようにある一つの特性を制御し得る
樹脂を2種以上用いた場合には、単一の樹脂を用いた場
合に比べて、複数の特性を同時に満足させやすい。
【0004】しかしながら、このように低分子量成分と
高分子量成分とによって現像剤を構成する場合でも、定
着残存率とスミア特性とを同時に満足することは極めて
困難であった。なぜならスミアの発生を防止するために
は、機械的摩擦力等に耐え得る強靭な樹脂となるよう高
分子量成分の配合比を高くすることが望ましい。しかし
高分子量成分の配合比を高くすると、定着残存率が低下
するという問題が起きるからである。
【0005】このようにスミア特性と定着残存率とは相
反する性質のものであるために、2種類の熱可塑性樹脂
の適切な配合比の設定が極めて困難であり、スミア特
性、定着残存率等を同時に満足させることは容易なこと
ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した通り、従来ス
ミア特性と定着残存率とを同時に満足させることは極め
て困難であった。またこれらの特性を同時に満足させる
ために2種の樹脂を用いても、その配合比の設定は困難
であった。仮に、配合比を設定し得たとしても、その配
合比はとり得る範囲が極めて狭く、配合比を厳密に制御
する必要があった。 本発明は上記欠点を除去し、2種
の樹脂を用いた場合にもその配合比を容易に設定するこ
とができ、スミア特性と定着残存率とを満足させ得る現
像剤を提供することを目的とする。また本発明は定着強
度が充分であり、画像汚れのない質の高い画像を形成す
ることのできる画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、軟化点温度が第1の温度であり、かつガ
ラス転移点温度が第2の温度である第1の熱可塑性樹脂
と、軟化点温度が第1の温度よりも高い第3の温度であ
り、かつガラス転移点温度が第2の温度よりも低い第4
の温度である第2の熱可塑性樹脂と、前記第1及び第2
の熱可塑性樹脂中に含まれる着色剤とを溶融混練する溶
融混練工程と、前記溶融混練工程で得られた混練物を粉
砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得られた粉砕物を分
級する分級工程とを有することを特徴とする現像剤を提
供する。
【0008】上記第2の熱可塑性樹脂は第1の熱可塑性
樹脂よりも軟化点温度が高く、ガラス転移点温度が低
い。このため第2の熱可塑性樹脂の配合比を大きくして
いくと、現像剤の軟化点温度は高くなり、スミアの発生
を防止できるようになる。一方、第2の熱可塑性樹脂の
配合比を大きくしていくと、現像剤のガラス転移点温度
は低下し、充分な定着残存率を得ることができるように
なる。
【0009】このため上記第1の熱可塑性樹脂と第2の
熱可塑性樹脂とを所定の割合で配合することにより、ス
ミア特性及び定着残存率を満足し得る現像剤を提供する
ことができる。
【0010】また、本発明は軟化点温度が第1の温度で
あり、かつガラス転移点温度が第2の温度である第1の
ポリエステル樹脂と、軟化点温度が第1の温度よりも高
い第3の温度であり、かつガラス転移点温度が第2の温
度よりも低い第4の温度である第2のポリエステル樹脂
と、前記第1及び第2のポリエステル樹脂中に含まれる
着色剤とを有し、前記第1のポリエステル樹脂と第2の
ポリエステル樹脂とを50:50〜20:80の比率で混合した
ことを特徴とする現像剤を提供する。
【0011】上記した通り、第1及び第2の熱可塑性樹
脂で現像剤を構成する場合には、第2の熱可塑性樹脂の
軟化点温度が第1の熱可塑性樹脂よりも高く、第2の熱
可塑性樹脂のガラス転移点温度が第1の熱可塑性樹脂よ
りも低くなるように、第1及び第2の熱可塑性樹脂を選
択する。そして両者を所定の混合比で混合することによ
り、スミア特性、定着残存率を満足し得ることができる
ようになる。
【0012】第1及び第2の熱可塑性樹脂がポリエステ
ル樹脂の場合には、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑
性樹脂との配合比が50:50〜20:80の場合にスミア特
性、定着残存率の他にオフセット性、保存性等の特性を
満足し得る現像剤が得られる。
【0013】また、このような配合比で第1及び第2の
熱可塑性樹脂を混合して現像剤とする場合、現像剤のガ
ラス転移点温度は61〜68℃、軟化点温度は135 〜145 ℃
とすることにより、得られた現像剤で形成した画像は極
めて質の高いものとなる。
【0014】さらに、また本発明は、軟化点温度が第1
の温度であり、かつガラス転移点温度が第2の温度であ
る第1のスチレンアクリル系樹脂と、軟化点温度が第1
の温度よりも高い第3の温度であり、かつガラス転移点
温度が第2の温度よりも低い第4の温度である第2のス
チレンアクリル系樹脂と、前記第1のスチレンアクリル
系樹脂と第2のスチレンアクリル系樹脂とを35:65〜6
5:35の比率で混合したことを特徴とする現像剤を提供
する。
【0015】第1及び第2の熱可塑性樹脂がスチレンア
クリル系樹脂の場合には、第1の熱可塑性樹脂と第2の
熱可塑性樹脂との配合比が35:65〜65:35の場合に、ス
ミア特性、定着残存率の他、保存性等の特性をも満足し
得る現像剤が得られる。特に現像剤の軟化点温度を124
〜142 ℃、ガラス転移点温度を54〜62℃とすることによ
り、画質を特に向上させることができる。
【0016】また、本発明は、軟化点温度が第1の温度
であり、かつガラス転移点温度が第2の温度である第1
の熱可塑性樹脂と、軟化点温度が第1の温度よりも高い
第3の温度であり、かつガラス転移点温度が第2の温度
よりも低い第4の温度である第2の熱可塑性樹脂と、前
記第1及び第2の熱可塑性樹脂中に含まれる着色剤とを
有する現像剤により、像担持体上に現像剤像を形成する
現像剤像形成手段と、前記現像剤像形成手段により形成
された現像剤像を被画像形成媒体上に転写する転写手段
と、前記転写手段により転写された現像剤像を加熱溶融
する加熱ローラおよび前記加熱ローラに圧接して設けら
れた加圧ローラを有し、前記被画像形成媒体上に前記現
像剤像を定着する定着手段と、前記加圧ローラ表面に当
接して設けられ、前記加圧ローラ表面をクリーニングす
るクリーニング部材とを備え、前記現像剤の軟化点温度
は、前記クリーニング部材が当接する箇所の前記加圧ロ
ーラの表面温度よりも高いことを特徴とする画像形成装
置を提供する。
【0017】このように構成された画像形成装置では、
軟化点温度、ガラス転移点温度が特定の関係にある第1
及び第2の熱可塑性樹脂により構成される現像剤を用い
るので、上述したように、スミアの発生がなくかつ定着
残存率の高い画像を形成することができる。さらに本発
明では、加圧ローラ表面には、加圧ローラ表面を清掃す
るクリーニング部材が当接しており、上記現像剤の軟化
点温度は、クリーニング部材が当接している箇所での加
圧ローラの表面温度よりも高くなるよう構成されてい
る。
【0018】定着時に加熱溶融された現像剤が加熱ロー
ラに付着すると、この現像剤が加熱ローラに圧接配置さ
れている加圧ローラにも付着し、さらに被画像形成媒体
の裏側に付着するという問題が起きる。本発明では現像
剤の軟化点温度をクリーニング部材が当接している箇所
での加圧ローラの表面温度よりも高くしたので、加圧ロ
ーラに付着した現像剤を冷却固化し、固化した現像剤を
クリーニング部材で掻き取ることができる。従ってスミ
アの発生がなく、定着残存率が高い上に、裏汚れのない
極めて質の高い画像を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を実施例
をあげて図面を参照しながら詳細に説明する。 (実施例1)図1は本発明の一実施例である画像形成装
置1の断面図である。
【0020】図1において、像担持体としての感光体ド
ラム3は、図示矢印a方向に回転可能に設けられてい
る。感光体ドラム3の周囲には回転方向に沿って以下の
ものが配置されている。図1において、感光体ドラム3
を一様に帯電させる帯電チャージャ5が感光体ドラム3
に対向して設けられている。
【0021】感光体ドラム3上方には、原稿が載置され
る原稿台ガラス7、原稿台ガラス7上に原稿を送り込む
ための自動原稿送り装置(以下ADF8と称する)、及
び帯電した感光体ドラム3に原稿画像に応じた露光を行
って静電潜像を形成する露光部9が設けられている。A
DF8の詳細な構成については後述する。
【0022】露光部9は、光源となる露光ランプ11、
露光ランプ11から照射された光を感光体ドラム3上へ
導く反射ミラー13a,13b,13c,13d,13
e,13f、スリットガラス13g及び反射光を結像さ
せるためのレンズユニット14を有している。
【0023】露光部9の下流には、現像剤であるトナー
T及びキャリア(図示せず)を収容し、このトナーTで
露光部9により形成された静電潜像を現像する現像器1
5が設けられている。現像器15の下流には、被画像形
成媒体としての用紙P上に、現像器15により形成され
たトナー像を転写する転写チャージャ17が設けられて
いる。
【0024】帯電チャージャ5、露光部9、現像器15
は現像剤像形成手段を構成する。転写チャージャ17に
隣接して、転写時に感光体ドラム3に静電的に付着した
用紙Pを剥離するための剥離チャージャ19が配置され
ている。剥離チャージャ19の下流には、転写後に感光
体ドラム3上に残留したトナーTを除去するためのクリ
ーニング装置21が設けられている。クリーニング装置
19はクリーニングブレード23を有している。このク
リーニング装置19の下流には、感光体ドラム3の電荷
を除去する除電器25が設けられている。
【0025】図1中、感光体ドラム3の右側には、用紙
Pを収容する給紙カセット27が画像形成装置1本体に
取り外し可能に設けられている。また画像形成装置1本
体には、給紙カセット27中の用紙Pを取り出すピック
アップローラ29が取り付けられている。さらにピック
アップローラ29に近接して用紙Pを1枚づつ分離して
給紙する給紙ローラ対31が設けられている。
【0026】用紙Pの搬送方向に沿って転写チャージャ
17の上流には、搬送される用紙Pを所定のタイミング
で感光体ドラム3に向けて送り出すアライニングローラ
対32が設けられている。アライニングローラ対32は
用紙Pを挟持搬送して、感光体ドラム3と転写チャージ
ャ17との間に用紙Pを供給する。
【0027】用紙Pの搬送方向に沿って転写チャージャ
17の下流には、上述した剥離チャージャ19、用紙P
を担持して後述する定着器35へ搬送する搬送ベルト3
3及び用紙P上にトナー像を定着する定着手段としての
定着器35等が設けられている。
【0028】搬送ベルト33は絶縁性材料から形成され
ており、転写チャージャ17から電荷が付与されて帯電
した用紙Pを静電吸着し、後述する定着器35へ向けて
搬送する。
【0029】定着器35は加熱ローラ37及び加圧ロー
ラ39から構成される一対のローラ対を有している。加
熱ローラ37及び加圧ローラ39が図示矢印c方向及び
d方向に各々回転することにより、トナー像は用紙P上
に溶融定着される。
【0030】用紙Pの搬送方向に沿って定着器35の下
流には、定着済用紙Pを画像形成装置1外へ排出するた
めの排紙ローラ対43及び排出された用紙Pを受け入れ
る排紙トレイ45が設けられている。
【0031】一方、ADF8は原稿が載置される原稿載
置台47及び原稿載置台47上に載置された原稿を取り
出すためのピックアップローラ49を有している。原稿
は原稿載置台47上に原稿面を上にして載置される。ピ
ックアップローラ49に近接して、原稿を原稿台ガラス
7へ向けて1枚ずつ分離して給紙するための分離ベルト
51及び給紙ローラ53が互いに対向して設けられてい
る。また分離ベルト51及び給紙ローラ53と、原稿台
ガラス7との間には、原稿を整位して原稿台ガラス7上
へ送り出すためのアライニングローラ55が設けられて
いる。
【0032】原稿台ガラス7と対向して、原稿台ガラス
7上で原稿を搬送するための原稿搬送ベルト57が設け
られている。原稿搬送方向に沿って原稿搬送ベルト57
の下流には原稿を表裏反転させる反転ローラ59及び原
稿をADF8外へ排出するための排出ローラ61が設け
られている。
【0033】このように構成された画像形成装置1にお
ける画像形成プロセスについて述べる。図示しない操作
パネル等を介して画像形成開始が指示されると、感光体
ドラム3は図示矢印a方向に回転を始める。帯電チャー
ジャ5は、回転する感光体ドラム3の表面を一様に帯電
する。
【0034】ADF8は原稿を原稿台ガラス7上へ1枚
ずつ送り出す。露光ランプ11が原稿台ガラス7上に載
置された原稿に光を照射して移動することにより、露光
部9は帯電した感光体ドラム3上に原稿画像に応じた露
光を行い静電潜像を形成する。 現像器15は帯電した
トナーTを静電潜像に付着させ、トナー像を形成する。
用紙Pは給紙カセット27からピックアップローラ2
9及び給紙ローラ対31の回転によって1枚づつ取り出
され、アライニングローラ対32により、感光体ドラム
3と転写チャージャ17との間に供給される。
【0035】供給された用紙Pの背面に、転写チャージ
ャ17はトナーTの帯電極性と逆極性の電荷を与え、ト
ナー像を用紙P上に転写する。剥離チャージャ19はA
Cコロナ放電を行って、転写時に感光体ドラム3に付着
した用紙Pを感光体ドラム3から剥離する。剥離された
用紙Pを搬送ベルト33は定着器35に向けて搬送す
る。
【0036】定着器35は加熱された用紙P上のトナー
像を加熱溶融して、トナー像を用紙Pに定着する。その
後用紙Pは排紙ローラ対43の回転により排紙トレイ4
5上に排出される。
【0037】一方感光体ドラム3はクリーニング装置2
1により転写後に残留したトナーTを除去された後、除
電器25により除電される。除電器25による除電によ
り感光体ドラム3は画像形成プロセスの1サイクルを完
了し、次の画像形成時に再び帯電チャージャ5により帯
電される。一方原稿は原稿搬送ベルト57により搬送さ
れてADF8外へ排出される。
【0038】続いて定着器35の構成について図2を用
いて詳細に説明する。図2は定着器35の詳細断面図で
ある。加熱ローラ37は0.5mm 厚の鉄製の金属筒67
と、この金属筒67の中心部に固設されたヒータランプ
69とを有している。金属筒67の表面には約20μm の
厚さでテフロン層71がコーティングされている。加熱
ローラ37の大きさは直径約40mmである。
【0039】加圧ローラ39は金属製の円筒状筐体73
表面をシリコンゴム75で被覆したゴムローラである。
加圧ローラ39の大きさは加熱ローラ37と等しい。加
圧ローラ39は図示しない加圧機構により加熱ローラ3
7に圧接されており、加熱ローラ37との間に、所定の
幅のニップ部Nを形成している。
【0040】加熱ローラ37は図示しない駆動機構から
駆動力を受け図示矢印c方向に250mm/sec の周速で回転
する。加圧ローラ39はニップ部Nを形成した状態で加
熱ローラ37の回転に従動して図示矢印d方向に回転す
る。定着時には、ヒータランプ49が加熱ローラ37の
表面温度が約200 ℃になるよう発熱し、加熱ローラ37
及び加圧ローラ39が用紙Pを挟持しつつ各々の回転方
向に回転することにより用紙P上のトナー像が溶融定着
される。
【0041】加熱ローラ37の外周面には、加熱ローラ
の回転方向に沿って以下のものが固設されている。まず
図2中、加熱ローラ37の右側には加熱ローラ37の表
面温度を検出するサーミスタ79が加熱ローラ37の外
周面に対向して設けられている。サーミスタ79は、加
熱ローラ37の表面温度を検知し、フィードバック制御
することにより加熱ローラ37の表面温度を所望の温度
に保持する。
【0042】サーミスタ79の下流に、上述したニップ
部Nが形成される。ニップ部Nの下流には定着時に加熱
ローラ37表面に付着した用紙Pを剥離するための剥離
爪81が加熱ローラ37表面に当接している。
【0043】剥離爪81の下流には加熱ローラ37表面
に付着したトナーTや紙粉等を除去するクリーニングブ
レード85が加熱ローラ37表面に当接して設けられて
いる。クリーニングブレード85の下流には、クリーニ
ングフェルトローラ87が加熱ローラ37に当接して設
けられている。クリーニングフェルトローラ87はシリ
コンオイルを含有している。クリーニングフェルトロー
ラ87に含有されたシリコンオイルは加熱ローラ37の
熱によって加熱ローラ37表面に付着する。クリーニン
グフェルトローラ87はシリコンオイルによってトナー
Tの除去を容易にし、トナーTの回収を行う。
【0044】一方加圧ローラ39の外周面には、加圧ロ
ーラ39表面に付着したトナーTや紙粉を除去するため
のクリーニングブレード89及び加圧ローラ39の表面
温度を検出するためのサーミスタ91が設けられてい
る。
【0045】このように構成された加熱ローラ37及び
加圧ローラ39は各々断熱部材からなるケーシング93
及びケーシング95によって囲まれており、定着に必要
な温度を確保している。
【0046】ここで本実施例に用いられるトナーTにつ
いて説明する前に、ガラス転移点温度Tg 、軟化点温度
2 について定義する。ガラス転移点温度Tg は、示差
熱量計を用いてDSC法により測定した。DSC法によ
るガラス転移点温度Tg の測定法を図3に基づき説明す
る。図3には横軸をトナーTの温度とし、縦軸を各温度
におけるトナーTの吸熱量として、両者の関係を表す吸
熱曲線が示されている。温度t1 までの熱量にほとんど
変化が見られない部分を基線(1)とする。また温度t
2 以上の熱量にほとんど変化が見られない部分を基線
(2)とする。基線(1)と基線(2)との間を等しく
2分する中線をひき、中線と吸熱曲線とが交わるときの
温度をガラス転移点温度Tgとする。
【0047】一方、軟化点温度T2 は図4に示す高架式
フローテスタ101を使って測定した。高架式フローテ
スタ101は、試料Sを収容する断面積1cm2 のピスト
ン103を有している。ピストン103内に試料Sを入
れ、ピストン103に10kgf の荷重をかけつつ、毎分2.
5 ℃ずつ昇温した場合、ある温度以上になると試料Sは
フローテスタ101から流出を開始する。
【0048】図5は試料Sの温度とピストン103の先
端の降下量との関係を表す。試料Sが一定の温度に達
し、流出を開始した後は、試料Sの温度上昇に伴いピス
トン103の下降量は大きくなる。流出開始点からピス
トン103が2mm降下した時の温度を軟化点温度T2
する。
【0049】本実施例に係るトナーは図6に示す方法に
より製造される。まず軟化点温度の異なる2種類の熱可
塑性樹脂、即ち高温軟化性能樹脂(以下H体と称する)
及び低温軟化性樹脂(以下L体と称する)を用意する。
【0050】H体製造工程S1 におけるH体の製造方法
について説明する。まず、ポリオキシプロピレン(2.2)-
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、フマル
酸、無水トリメリット酸を用意する。これらの材料をガ
ラス製2lの4つ口フラスコに入れ、このフラスコに温
度計、流下式コンデンサ及び窒素導入管を取り付けた。
そして電熱マントル中で窒素気流下にて材料を220 ℃に
加温し、撹拌しつつ重合反応を行った。この時得られる
重合体の軟化点温度T2 (H)が143 ℃となるように反
応を終了させた。また得られた重合体の軟化点温度Tg
(H)を測定したところ、65℃であった。
【0051】一方、L体製造工程S2 において、ポリオ
キシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(ヒドロキシフェニル)
プロパン、トリメリット酸、テレフタル酸を用いる以外
はH体製造工程と同様にしてL体を製造した。L体製造
時の重合反応は、得られる樹脂の軟化点温度T2 (L)
が109 ℃になるように終了させた。また得られたL体の
ガラス転移点温度Tg (L)を測定したところ70℃であ
った。即ち本実施例においては下記の関係が成立してい
る。
【0052】H体のT2 > L体のT2 H体のTg < L体のTg さて、上述の方法で得られたH体、L体各々を44重量
部ずつ準備する。他にワックスとしてポリプロピレンワ
ックス4重量部、カーボンブラック6重量部及び帯電制
御剤2重量部を用意して、これらの材料を混合工程S3
において混合する。得られた混合物を溶融混練工程S4
にて加圧式ニーダを用いて125 ℃にて30分間混練する。
得られた混練物を冷却工程S5 にて冷却した後、粉砕工
程S6においてまずハンマーミルにて2mm程度に粗粉砕
した。さらにジェットミルを用いて微粉砕し、得られた
粉砕物を分級工程S7 にて分級して平均粒径10〜15μm
の粒子を得た。この粒子100重量部に対し外添剤添加
工程S8 において負帯電性の疎水性シリカ0.2重量部
をヘンシェルミキサを用いて混合し、トナーTを得た。
得られたトナーTのガラス転移点温度Tg (T)は68
℃、軟化点温度T2 (T)は135.0 ℃であった。
【0053】このようにして得たトナーTを上述の画像
形成装置1に用いて、画像形成を行い、トナーTを下記
の4点から評価した。定着時の定着条件として熱量を0.
85J /cm2 、定着器圧力を4kg/cm2 とした。
【0054】評価項目 スミア発生状況 定着済用紙をADF8中で通過させた場合に、表れる画
像の汚れのレベルを、スミアの発生が無い場合をレベル
1とし、またスミアが最も多く発生した場合をレベル10
とし、レベル1〜10を表すリファレンスサンプルを参照
して決定した。スミアレベルが5以下の場合を良好とし
た。
【0055】評価項目 定着残存率 温度10℃、湿度20%の低温低湿下で、ハーフトーン画像
を定着温度200 ℃で定着した。この定着済の画像を摩擦
堅牢度試験機で擦り、下記式から定着残存率を算出し
た。 定着残存率=(試験機で擦った後の画像濃度÷試験機で
擦る前の画像濃度)×100(%) 定着残存率が70%以上の場合を良好とした。
【0056】評価項目 ブロッキング性 トナーT20g を100ml のポリビンに採取し、このポリビ
ンを55℃のウォーターバス中に8時間放置した後、パウ
ダーテスタ(ホソカワミクロン社製)にて評価した。具
体的には200 メッシュのふるい上に放置後のトナーTを
のせて、10秒間ふるいを振動させ、凝集等によってメッ
シュを通過できなかったトナーTの量を測定した。測定
したトナーTの量が3g 以下の場合をブロッキング性が
良好と判定した。
【0057】評価項目 裏汚れの発生状況 画像濃度0.6 〜0.8 となるように50枚の用紙Pに画像形
成を行った後、10枚の用紙Pを画像形成を行わずに通紙
する。この時に用紙Pの裏側の汚れを目視にて確認し、
汚れが全くない時を二重丸、ほとんどない時を○、少し
ある時を△、多くある時を×として評価した。二重丸、
○の場合が良好な状態である。
【0058】図7に実施例1に係るトナーTの評価結果
を示す。図7からわかるように、トナーTは上記4評価
項目のいずれにおいても良好な結果を示した。そこで、
他の実施例として下記に示す内容のトナーTを製造し
た。下記に示す実施例では上述の実施例1とトナーTの
構成においてのみ相違し、トナーTが用いられる画像形
成装置1等の構成については実施例1と同じである。こ
のため実施例1と同一部分については実施例1と同じ参
照符号を用いるとともに、説明を省略する。
【0059】(実施例2)H体、L体の配合比をH体:
L体=7:3とする以外は実施例1と同様にトナーTを
製造した。
【0060】(実施例3)フマル酸、無水トリメリット
酸の配合比を調整して軟化点温度T2 (H)=143 ℃、
ガラス転移点温度Tg (H)=62℃のH体を得る以外は
実施例1とほぼ同様にして、H体を得た。またトリメリ
ット酸、テレフタル酸の配合比を調整して軟化点温度T
2 (L)=109 ℃、ガラス転移点温度Tg (L)=67℃
のL体を得る以外は実施例1とほぼと同様にして、L体
を得た。H体、L体の配合比をH体:L体=5:5とし
て実施例1とほぼ同様にトナーTを製造した。
【0061】(実施例4)H体とL体の混合比を7:3
とする以外は、実施例3と同様にしてトナーTを製造し
た。
【0062】(実施例5)H体とL体の混合比を8:2
とする以外は、実施例3と同様にしてトナーTを製造し
た。
【0063】(実施例6)軟化点温度T2 (H)=143
℃、ガラス転移点温度Tg (H)=60℃のH体と、軟化
点温度T2 (L)=109 ℃、ガラス転移点温度Tg
(L)=64℃のL体とを用意した。このH体とL体を
8:2の混合比にて混合して、実施例1と同様にトナー
Tを製造した。
【0064】(比較例1)H体とL体との配合比を3:
7とする以外は、実施例3と同様にしてトナーTを製造
した。
【0065】(比較例2)H体とL体との混合比を4:
6とする以外は、実施例3と同様にしてトナーTを製造
した。
【0066】(比較例3)H体とL体との配合比を9:
1とする以外は、実施例3と同様にしてトナーTを製造
した。
【0067】(比較例4)H体のみを用いてトナーを製
造する以外は、実施例3と同様にしてトナーTを製造し
た。
【0068】さらに比較例5及び比較例6として下記の
ようなトナーTを製造した。 (比較例5)実施例1と同様にして軟化点温度T2
(H)=143 ℃、ガラス転移点温度Tg(T)=68℃の
H体を製造した。また実施例1と同様に軟化点温度T2
(L)=109 ℃、ガラス転移点温度Tg (L)=60℃の
L体を製造した。得られたH体とL体とをH体:L体=
7:3の混合比で混合してトナーTを得た。
【0069】(比較例6)実施例1と同様にして軟化点
温度T2 (H)=143 ℃、ガラス転移点温度Tg(T)
=72℃のH体を製造した。また実施例1と同様に軟化点
温度T2 (L)=109 ℃、ガラス転移点温度Tg (L)
=63℃のL体を製造した。得られたH体とL体とをH
体:L体=7:3の混合比で混合してトナーTを得た。
【0070】比較例5及び比較例6のトナーTを評価し
た結果を図7にあわせて示す。比較例5及び比較例6に
係るトナーTは、スミア、定着残存率の両方を満足させ
ることはできなかった。また比較例5に用いたH体、L
体の配合比を変えて種々のトナーTを製造したが、それ
でもスミア及び定着残存率を同時に満足し得るトナーT
は得られなかった。比較例6に用いたH体、L体の配合
比を変えてトナーTを製造した場合も同様であった。
【0071】ここで実施例及び比較例に係るトナーTに
ついて考察する。実施例3及び比較例5で得られたトナ
ーTの軟化点温度T2 (T)はいずれも135 ℃である。
このときガラス転移点温度Tg (T)が低い実施例3の
トナーTの方が定着残存率は良い。このようにガラス転
移点温度Tg (T)が低い程、定着残存率が良いこと
は、実施例5と比較例6との比較からもわかる。
【0072】一方、実施例3、比較例1及び比較例2の
トナーTはいずれもガラス転移点温度Tg (T)が65℃
である。このとき軟化点温度の高いトナー程、スミアの
発生は少ない。
【0073】このためスミアの発生を防止するために、
トナー中においてH体の配合比を高くすることが望まし
い。ただしこの時H体のガラス転移点温度Tg (H)が
L体のガラス転移点温度Tg (L)よりも高い場合に
は、H体の配合割合が増大するのに伴ってトナーTのガ
ラス転移点温度Tg (T)も上昇し、定着残存率の低下
を招く。従って、定着残存率及びスミア特性の両方を同
時に満足させ得るH体、L体の配合比の設定は極めて難
しい。
【0074】これに対し、H体のガラス転移点温度Tg
(H)がL体のガラス転移点温度Tg (L)よりも低い
場合には、H体の配合比を増大させるとトナーTのガラ
ス転移点温度Tg (T)が下降する。このため適当な配
合比とすることで定着残存率及びスミア特性の両方を満
足し得るトナーTが得られる。適当な配合比とは図7か
らわかるようにH体:L体=50:50〜H体:L体=20:
80の場合である。
【0075】この時得られるトナーTのガラス転移点温
度Tg (T)が61〜68℃で、軟化点温度T2 (T)135
〜145 ℃であることが望ましい。このような温度範囲を
満たすトナーTは、定着器圧力3.0 〜5.0kg /cm2 、熱
量0.7 〜1.0J/cm2 の範囲において、スミア特性、定着
残存率の他にも裏汚れやブロッキング性の点においても
優れていた。またこのようなトナーTを製造するために
はL体のガラス転移点温度Tg (L)は64〜70℃、H体
のガラス転移点温度Tg (H)は60〜65℃が適してい
た。
【0076】トナーTの軟化点温度T2 (T)は裏汚れ
の問題と密接な関係がある。上述の実施例1乃至実施例
5においてトナーTの軟化点温度T2 (T)と、クリー
ニングブレード89の当接位置における加圧ローラ39
の表面温度Thとを、T2 (T)>Thの関係に保つこ
とで裏汚れは完全に防止される。上述の実施例において
はTh=130 ℃に保たれている。
【0077】なぜなら定着時に加熱溶融したトナーTが
加熱ローラ37表面に付着し、さらに加圧ローラ39に
付着したとしても、加圧ローラ39の表面温度Thはト
ナーTの軟化点温度T2 (T)よりも低いので、加圧ロ
ーラ39上のトナーTは冷却固化される。この固化した
トナーTをクリーニングブレード89が掻き取るので用
紙Pの裏汚れは発生しないのである。
【0078】このため実施例1乃至実施例6では裏汚れ
の発生が認められなかったが、比較例1及び比較例2で
は裏汚れが発生した。上述の実施例では、結着樹脂とし
てポリエステル樹脂を用いたが、ポリエステル樹脂以外
にも各種の樹脂を用いてトナーTを製造することができ
る。
【0079】以下にスチレン−アクリル系樹脂を用いた
場合の実施例について説明するが、上述の実施例と同一
の部分については説明を省略する。 (実施例7)まず、H体を製造するために樹脂単量体と
してスチレン、アクリル酸メチルを用意する。反応溶媒
としてイソプロパノールを入れたフラスコを用意し、こ
のフラスコを75℃に加温した。そしてこのフラスコ中に
スチレン、アクリル酸メチル及び重合開始剤であるアゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBM)の混合物を4時間
かけて滴下しつつ、反応液を撹拌することにより重合反
応を行った。滴下終了後、フラスコを80℃に昇温し、重
合反応を断続させた。重合反応終了後、反応生成物を減
圧乾燥して固形状の樹脂、即ちH体を得た。
【0080】得られたH体の軟化点温度T2 (H)は15
6 ℃であった。またガラス転移点温度Tg (H)を測定
したところ55℃であった。次にL体の製造方法について
説明する。樹脂単量体としてスチレン、アクリル酸ブチ
ル及びメタクリル酸を用いて製造する以外は、H体製造
時と同様の手順にてL体を製造した。
【0081】得られたL体の軟化点温度T2 (L)は10
9 ℃であり、またガラス転移点温度Tg (L)は65℃で
あった。従って本実施例においてもT2 (H)>T2
(L)かつTg (H)<Tg (L)が成立する。
【0082】続いてトナーTの製造を行うため、得られ
たH体及びL体をその比をH体:L体=65:35として合
計90重量部用意する。また着色剤としてカーボンブラ
ック6重量部、ワックス2重量部及び帯電制御剤2重量
部を用意し、これらの用意した材料を図6に示す混合工
程S3 で均一に混合した。
【0083】さらに実施例1と同様に図6に示す溶融混
練工程S4 、冷却工程S5 、粉砕工程S6 及び分級工程
7 を経てトナー粒子を得る。このトナー粒子100重
量部にシリカを外添剤添加工程S8 において外添するこ
とによりトナーTを得た。
【0084】得られたトナーTのガラス転移点温度Tg
(T)は62℃、軟化点温度T2 (T)=126 ℃であっ
た。このトナーTを実施例1で用いた画像形成装置に用
い実施例1と同様に4つの項目について評価した。ただ
し、加圧ローラ39とクリーニングブレード89との当
接温度が122 ℃となるように加熱ローラ37の発熱温度
を調整した。その結果、いずれの項目においても良好な
結果が得られた。
【0085】図8に示すように、(実施例8)乃至(実
施例15)して、種々のH体、L体を組み合わせて種々
のトナーTを製造し、各トナーを評価した。又比較例7
乃至比較例12として図9に示すトナ−Tを製造した。
【0086】(実施例8)H体、L体の配合比をH体:
L体=50:50とする以外は実施例7と同様にトナー
Tを製造した。
【0087】(実施例9)H体、L体の配合比をH体:
L体=60:40とする以外は実施例7と同様にトナー
Tを製造した。
【0088】(実施例10)H体、L体の配合比をH
体:L体=65:35とする以外は実施例7と同様にト
ナーTを製造した。
【0089】(実施例11)スチレン、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸のの配合比を調整して軟化点温度T2
(H)=156 ℃、ガラス転移点温度Tg (H)=55℃の
H体を得る以外は実施例7とほぼ同様にして、H体を得
た。またスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ト
リメリット酸、テレフタル酸の配合比を調整して軟化点
温度T2 (L)=109 ℃、ガラス転移点温度Tg (L)
=62℃のL体を得る以外は実施例7とほぼと同様にし
て、L体を得た。H体、L体の配合比をH体:L体=6
0:40として実施例7とほぼ同様にトナーTを製造し
た。
【0090】(実施例12)H体、L体の配合比をH
体:L体=50:50とする以外は実施例11と同様に
トナーTを製造した。
【0091】(実施例13)スチレン、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸のの配合比を調整して軟化点温度T2
(H)=156 ℃、ガラス転移点温度Tg (H)=55℃の
H体を得る以外は実施例7とほぼ同様にして、H体を得
た。またスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ト
リメリット酸、テレフタル酸の配合比を調整して軟化点
温度T2 (L)=109 ℃、ガラス転移点温度Tg (L)
=60℃のL体を得る以外は実施例7とほぼと同様にし
て、L体を得た。H体、L体の配合比をH体:L体=5
5:45として実施例7とほぼ同様にトナーTを製造し
た。
【0092】(実施例14)スチレン、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸のの配合比を調整して軟化点温度T2
(H)=156 ℃、ガラス転移点温度Tg (H)=60℃の
H体を得る以外は実施例7とほぼ同様にして、H体を得
た。またスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ト
リメリット酸、テレフタル酸の配合比を調整して軟化点
温度T2 (L)=109 ℃、ガラス転移点温度Tg (L)
=68℃のL体を得る以外は実施例7とほぼと同様にし
て、L体を得た。H体、L体の配合比をH体:L体=6
0:40として実施例7とほぼ同様にトナーTを製造し
た。
【0093】(実施例15)スチレン、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸のの配合比を調整して軟化点温度T2
(H)=156 ℃、ガラス転移点温度Tg (H)=50℃の
H体を得る以外は実施例7とほぼ同様にして、H体を得
た。またスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ト
リメリット酸、テレフタル酸の配合比を調整して軟化点
温度T2 (L)=109 ℃、ガラス転移点温度Tg (L)
=66℃のL体を得る以外は実施例7とほぼと同様にし
て、L体を得た。H体、L体の配合比をH体:L体=6
0:40として実施例7とほぼ同様にトナーTを製造し
た。
【0094】(比較例7)H体、L体の配合比をH体:
L体=20:80とする以外は実施例7と同様にトナー
Tを製造した。
【0095】(比較例8)H体、L体の配合比をH体:
L体=25:75とする以外は実施例7と同様にトナー
Tを製造した。
【0096】(比較例9)H体、L体の配合比をH体:
L体=75:25とする以外は実施例7と同様にトナー
Tを製造した。
【0097】(比較例10)H体、L体の配合比をH
体:L体=90:10とする以外は実施例7と同様にト
ナーTを製造した。
【0098】(比較例11)H体のみを用いてトナーを
製造する以外は、実施例7と同様にしてトナーTを製造
した。
【0099】(比較例12) (追加した比較例の内容を記載する)その結果(実施例
8)〜(実施例15)に係るトナーTはいずれも定着残
存率、スミア特性の両方を満足させることができた。
【0100】トナーTはガラス転移点温度Tg (T)は
54〜62℃、軟化点温度T2 (T)が124 〜142 ℃である
ことが好ましい。このような温度範囲にあるトナーT
は、定着残存率、スミア特性だけでなく、ブロッキング
性や裏汚れの点においても良好な結果を示す。
【0101】またこのようなトナーTを製造するにはH
体とL体との配合比をH体:L体=35:65〜H体:L体
=65:35とするとよい。またH体のガラス転移点温度T
g (H)を50〜60℃、L体のガラス転移点温度Tg
(L)を60〜68℃とすると、上記範囲のトナーTを製造
しやすい。
【0102】また実施例8乃至実施例15においても、
トナーTの軟化点温度T2 (T)を、クリーニングブレ
ード89が当接している箇所での加圧ローラ39の表面
温度Thよりも高くすることにより、裏汚れの発生を防
止することができた。
【0103】図10は実施例7のトナーTを用い、クリ
ーニングブレード89が当接している箇所での加圧ロー
ラ39の表面温度Thを110 ℃,120 ℃,123 ℃,125
℃,127 ℃,130 ℃,140 ℃となるように定着温度を変
えてトナーTの定着を行った場合の裏汚れの発生状況を
示す。
【0104】加圧ローラ39の表面温度ThがトナーT
の軟化点温度の124 ℃よりも低い場合には裏汚れは全く
発生しないかほとんど発生しなかった。これに対し加圧
ローラ39の表面温度 が124 ℃より大きい場合には、
裏汚れの発生が起きた。
【0105】このような結果からもトナーTの軟化点温
度をクリーニングブレード89が当接している箇所での
加圧ローラ39の表面温度Thよりも高くした場合に
は、裏汚れの発生を防止できることがわかる。
【0106】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の現像剤によ
れば、スミア特性と定着残存率とを同時に満足させるこ
とができる。また本発明の画像形成装置によれば、定着
強度が充分でありかつ画像の汚れのない質の高い画像を
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の断
面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る定着器の断面図で
ある。
【図3】トナーのガラス転移点測定法を示す図である。
【図4】トナーの軟化点温度測定法を説明する図であ
る。
【図5】トナーの軟化点温度測定法を説明する図であ
る。
【図6】トナーの製造手順を示す図である。
【図7】種々の高温軟化性樹脂と低温軟化性樹脂とを種
々の混合比で混合して得られたトナーの評価結果を表す
図である。
【図8】種々の高温軟化性樹脂と低温軟化性樹脂とを種
々の混合比で混合して得られたトナーの評価結果を表す
図である。
【図9】種々の高温軟化性樹脂と低温軟化性樹脂とを種
々の混合比で混合して得られたトナーの評価結果を表す
図である。
【図10】一定の軟化点温度を持つトナーを用い、加圧
ローラとクリーニングブレードとの当接箇所の温度を種
々変えて画像形成を行った場合の、裏汚れの発生状態を
表す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 33 定着器 37 加熱ローラ 39 加圧ローラ 89 クリーニングブレード T トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池上 暢子 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 高野 彰 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝イン テリジェントテクノロジ株式会社内 (72)発明者 中島 隆宏 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝イン テリジェントテクノロジ株式会社内 (72)発明者 波多野 巧 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝イン テリジェントテクノロジ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化点温度が第1の温度であり、かつガ
    ラス転移点温度が第2の温度である第1の熱可塑性樹脂
    と、 軟化点温度が第1の温度よりも高い第3の温度であり、
    かつガラス転移点温度が第2の温度よりも低い第4の温
    度である第2の熱可塑性樹脂と、 前記第1及び第2の熱可塑性樹脂中に含まれる着色剤と
    を有することを特徴とする現像剤。
  2. 【請求項2】 軟化点温度が第1の温度であり、かつガ
    ラス転移点温度が第2の温度である第1のポリエステル
    樹脂と、 軟化点温度が第1の温度よりも高い第3の温度であり、
    かつガラス転移点温度が第2の温度よりも低い第4の温
    度である第2のポリエステル樹脂と、 前記第1及び第2のポリエステル樹脂中に含まれる着色
    剤とを有し、 前記第1のポリエステル樹脂と第2のポリエステル樹脂
    とを50:50〜20:80の比率で混合したことを特徴とする
    現像剤。
  3. 【請求項3】 軟化点温度が第1の温度であり、かつガ
    ラス転移点温度が第2の温度である第1のポリエステル
    樹脂と、 軟化点温度が第1の温度より高い第3の温度であり、か
    つガラス転移点温度が第2の温度より低い第4の温度で
    ある第2のポリエステル樹脂とを有し、 前記第1のポリエステル樹脂と第2のポリエステル樹脂
    とは50:50〜20:80の比率で混合され、ガラス転移点温
    度が61〜68℃であり、かつ軟化点温度が135 〜145 ℃で
    あることを特徴とする現像剤。
  4. 【請求項4】 軟化点温度が第1の温度であり、かつガ
    ラス転移点温度が第2の温度である第1のスチレンアク
    リル系樹脂と、 軟化点温度が第1の温度よりも高い第3の温度であり、
    かつガラス転移点温度が第2の温度よりも低い第4の温
    度である第2のスチレンアクリル系樹脂と、 前記第1のスチレンアクリル系樹脂と第2のスチレンア
    クリル系樹脂とを35:65〜65:35の比率で混合したこと
    を特徴とする現像剤。
  5. 【請求項5】 軟化点温度が第1の温度であり、かつガ
    ラス転移点温度が第2の温度である第1のスチレンアク
    リル系樹脂と、 軟化点温度が第1の温度よりも高い第3の温度であり、
    かつガラス転移点温度が第2の温度よりも低い第4の温
    度である第2のスチレンアクリル系樹脂とを有し、 前記第1のスチレンアクリル系樹脂と第2のスチレンア
    クリル系樹脂とは35:65〜65:35の比率で混合され、ガ
    ラス転移点温度が54〜62℃であり、かつ軟化点温度が12
    4 〜142 ℃であることを特徴とする現像剤。
  6. 【請求項6】 軟化点温度が第1の温度であり、かつガ
    ラス転移点温度が第2の温度である第1の熱可塑性樹脂
    と、軟化点温度が第1の温度よりも高い第3の温度であ
    り、かつガラス転移点温度が第2の温度よりも低い第4
    の温度である第2の熱可塑性樹脂と、前記第1及び第2
    の熱可塑性樹脂中に含まれる着色剤とを有する現像剤に
    より、像担持体上に現像剤像を形成する現像剤像形成手
    段と、 前記現像剤像形成手段により形成された現像剤像を被画
    像形成媒体上に転写する転写手段と、 前記転写手段により転写された現像剤像を、前記被画像
    形成媒体上に定着する定着手段とを有することを特徴と
    する画像形成装置。
  7. 【請求項7】 軟化点温度が第1の温度であり、かつガ
    ラス転移点温度が第2の温度である第1の熱可塑性樹脂
    と、軟化点温度が第1の温度よりも高い第3の温度であ
    り、かつガラス転移点温度が第2の温度よりも低い第4
    の温度である第2の熱可塑性樹脂と、前記第1及び第2
    の熱可塑性樹脂中に含まれる着色剤とを有する現像剤に
    より、像担持体上に現像剤像を形成する現像剤像形成手
    段と、 前記現像剤像形成手段により形成された現像剤像を被画
    像形成媒体上に転写する転写手段と、 前記転写手段により転写された現像剤像を加熱溶融する
    加熱ローラおよび前記加熱ローラに圧接して設けられた
    加圧ローラを有し、前記被画像形成媒体上に前記現像剤
    像を定着する定着手段と、 前記加圧ローラ表面に当接して設けられ、前記加圧ロー
    ラ表面をクリーニングするクリーニング部材とを備え、 前記現像剤の軟化点温度は、前記クリーニング部材が当
    接する箇所の前記加圧ローラの表面温度よりも高いこと
    を特徴とする画像形成装置。
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