JPH09258136A - 光サーキュレータ及び光スイッチ - Google Patents

光サーキュレータ及び光スイッチ

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JPH09258136A
JPH09258136A JP8877596A JP8877596A JPH09258136A JP H09258136 A JPH09258136 A JP H09258136A JP 8877596 A JP8877596 A JP 8877596A JP 8877596 A JP8877596 A JP 8877596A JP H09258136 A JPH09258136 A JP H09258136A
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polarization
light
port
optical
pbs
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JP8877596A
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Tomokazu Imura
智和 井村
Yoichi Suzuki
洋一 鈴木
Tsugio Tokumasu
次雄 徳増
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で小型で製作容易な偏光ビームスプリッ
タ(PBS)を用いて低損失かつ高アイソレーションな
4ポートの光サーキュレータを提供すること 【解決手段】 4個の各端子ユニット10−1〜10−
4は、第1のPBS11の下底面の三角プリズム13と
平行四辺形プリズム14に、互いに表裏を逆にした非相
反部12が並列に配置され、各ユニットのPBSの上底
面が光の入出力ポートとなる。各端子ユニットは、同一
方向を向き平行に配置され、非相反部側に第2のPBS
20a〜20d,ファラデー回転子25,全反射ミラー
26を配置する。各光学素子で発生した漏洩光成分は、
ポートの結合方向と異なる方向に出射したり、透過する
際にさらに減衰されるので、高アイソレーションを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信システムな
どに用いられるNポートの光サーキュレータ及び光スイ
ッチに関する。
【0002】
【従来の技術】4ポートの光サーキュレータとしては特
開平5−34633号公報に記載された構成が代表的で
ある。これは非相反部の両側に複屈折板を備え、この2
個の複屈折板にそれぞれ2個の端子モジュールを結合し
て4ポート回路としている。
【0003】ここでは2個の複屈折板による常光と異常
光の光路を分離する機能と、非相反部の非相反性を組み
合わせることで、ポート1の入力光がポート2から出力
し、ポート2の入力光がポート3から出力し、ポート3
の入力光がポート4から出力し、ポート4の入力光がポ
ート1から出力するという4ポート光サーキュレータの
機能を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の光サーキュレー
タでは常光・異常光を分離する偏光分離素子として複屈
折板を用いているために、常光ビームと異常光ビームの
分離距離を充分に大きくするためには複屈折板の厚みを
相当大きくしなければならず、そのために光サーキュレ
ータが大型で高価になるという問題があった。複屈折板
として例えばルチル単結晶を用いる場合、その最大分離
距離に対する厚みの比は約1:10なので、10ミリメ
ートルの分離距離を確保しようとするならば、複屈折板
の厚みは100ミリメートル必要となる。
【0005】また、常光ビームと異常光ビームの分離距
離が複屈折板への入射角度によって変化する特性がある
ために、複屈折板と入出力ポートとの機械的な配置関係
を高精度にし、入射角度を高精度に一定に保つ必要があ
る。したがって光サーキュレータの組立・調整が面倒に
なる。
【0006】そこで複屈折結晶を使用せずに、偏光ビー
ムスプリッタを偏光分離手段および光路決定手段として
用いることが考えられる。偏光ビームスプリッタは製作
容易で安価で小型である。しかし偏光ビームスプリッタ
の消光比があまり高くないことから、従来、このタイプ
で低損失かつ高アイソレーションの光サーキュレータを
実現することができなかった。
【0007】さらに、上記した従来の光サーキュレータ
では、入出力ポートが4方向に伸びるように設置されて
いるため、光サーキュレータ本体全体が大きくなってし
まう。そして、各ポートには光ファイバが接続され、そ
の光ファイバを光損失を生じないように曲げると、その
曲げ半径はあまり小さくすることができず、その光ファ
イバの専有面積を考慮した光サーキュレータの光回路基
板上での占有率は非常に大きくなってしまう。さらに、
光回路基板上での設置位置も、上記4方向にポート(光
ファイバ)が伸びることに鑑みると、基板の中央とな
り、基板設計上の自由度も少なくなる。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、安価で小型で製作容易な偏光ビームスプリッタを用
いて低損失かつ高アイソレーションのNポート光サーキ
ュレータ及び光スイッチを提供することにある。さら
に、別の目的としては、上記目的を達成しつつ、ポート
を1方向に伸びるように配置(同一面に各ポートを設
置)し、小型化並びに配置レイアウトの自由度の向上を
図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る4ポート光サーキュレータは、三角
プリズム(13)と、狭角が45度の平行四辺形プリズ
ム(14)の一面とが偏光分離膜(15)を挟んで一体
化された第1の複合偏光ビームスプリッタ(11)と、
直線偏光が1つの面からもう1つの面へ通過する際に偏
光方位を90度回転させ、それと逆方向へ通過する際に
その偏光方位を回転させないようにした所定の寸法形状
の非相反部(12)とを用い、前記第1の複合偏光ビー
ムスプリッタを構成する下底面の三角プリズムと平行四
辺形プリズムに、互いに表裏を逆にした前記非相反部を
並列に配置してなる端子ユニット(10−1,10−
2,10−3,10−4)をn個(nは3以上の整数)
用意するとともに、それらを同一方向に向けて平行に配
置する。
【0010】そして、前記端子ユニットの第1の複合偏
光ビームスプリッタ側に入出射ポートを配置し、前記非
相反部側に2つの三角プリズム(21,22)が偏光分
離膜(23)を挟んで一体化された第2の複合偏光ビー
ムスプリッタ(20a,20b,20c,20d)を、
各偏光分離膜(23)が平行になるように配置する。さ
らに、前記第2の複合偏光ビームスプリッタの前記非相
反部の対向面と反対側に、往復することにより偏波面を
90度回転させる偏波回転手段(25)と、反射手段
(26)の順に配置した(請求項1)。
【0011】そして、前記偏波回転手段としては請求項
2に規定したように45度回転するファラデー回転子
(25)を用いたり、請求項3に規定したように1/4
波長板(31)を用いることができる。
【0012】上記構成にすると、順方向については、端
子ユニットの複合偏光ビームスプリッタで入射光をP偏
光とS偏光に分離し、非相反部でひとつの偏光は90°
偏波面を回転させ、他方は偏波面を回転させない。これ
により第2の複合偏光ビームスプリッタには同一の偏波
面を持つ偏光が入射される。この時、第2の複合偏光ビ
ームスプリッタにとってS偏光になるようにしている。
【0013】S偏光であるので、第2の複合偏光ビーム
スプリッタの偏光分離膜で反射され、隣接する他の第2
の複合偏光ビームスプリッタに入射され、その偏光分離
膜でさらに反射される。これにより、一段シフトされて
偏波回転手段に向けて出射される。そのS偏光は、反射
手段により戻ってくるが、その途中で偏波回転手段を往
復し、偏波面が90度回転されP偏光になる。従って、
係る戻ってきて再度第2の複合偏光ビームスプリッタに
入射したP偏光は、偏光分離膜を透過し、端子ユニット
(入射光が入射された端子ユニットに隣接する端子ユニ
ット)に至る。そして、そこにおいて二つの光は合成さ
れ、偏光依存性なく入射されたポートに隣接するポート
から出射される。
【0014】一方、端子ユニットの偏光分離膜の消光比
不足並びに非相反部での偏波回転誤差によって生じた漏
洩光成分は、逆方向に進むが、入射側の端子ユニット内
の第1の複合偏光ビームスプリッタの偏光分離膜で上記
とは逆に反射,透過することで、出射ポートのない方向
に漏洩光が出射され、出射ポートには結合しない。ま
た、その入射側の第1の複合偏光ビームスプリッタで漏
洩光が発生し、一部が入射側のポートに結合するが、係
る光は少なくとも2回減衰させられる。よって、2乗の
減衰効果が発揮され、たとえ入射側のポートに結合され
ても、問題がないレベルとなる。
【0015】すなわち、本発明では、反射手段を設けた
ことにより、部品点数の削減が図れる。さらに、各ポー
トを同一面に設置でき、各ポートに接続される光ファイ
バを同一方向に伸びるように配置できる。従って、本発
明品を光回路基板上に実装する際に、基板の周縁に配置
することも可能となり、配置レイアウトの自由度が増
し、また占有面積も小さくなる。
【0016】また、好ましくは、前記三角プリズムを通
過する光の光路上に、偏波分散補償板(28)を設ける
ことである(請求項4)。すなわち、平行四辺形プリズ
ムを通過する光の方が、三角プリズムを通過する光に比
べて平行四辺形プリズムの幅に相当する光学距離だけ長
く移動する。従って、送信信号によっては、係る光路差
が誤差を生むおそれがある。係る場合に、光路長の短い
三角プリズムを通過する光路上に所定長さの偏波分散補
償板を配置することにより、上記光路差を相殺或いは減
少する。
【0017】さらに好ましくは、前記第2の複合偏光ビ
ームスプリッタと、前記偏波回転手段との間に、複屈折
板(30)を設けることである(請求項5)。係る構成
にすると、実施の形態で詳細に説明したように、漏洩光
は複屈折板でシフトされて不必要なポートに結合される
のが可及的に抑制される。
【0018】さらに、隣接する前記端子ユニットを構成
する前記三角プリズムと前記平行四辺形プリズムが対向
するように配置するとともに、隣り合う前記端子ユニッ
トの構成要素の一部が共通の部品(13′,14′,1
5′,16′,17′,18′)から構成すると良い
(請求項6)。そして、上下に連続するようにすると、
各ポートも上下に配置された縦型となり、設置面積が小
さくなる。
【0019】さらにまた、本発明に係る光スイッチで
は、請求項1〜6のいずれかに記載の光サーキュレータ
の構成において、前記非相反旋光子として電気的手段に
より非相反性の方向が切替自在なものを用いることであ
る(請求項7)。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る光サーキュ
レータの第1の実施の形態の構成を示している。同図に
示すように、本例では4ポートの光サーキュレータであ
るので、4つのポート1〜4に対応する4つの端子ユニ
ット10−1,10−2,10−3,10−4を備える
とともに、4つの複合偏光ビームスプリッタ20a,2
0b,20c,20dと、ファラデー回転子25並びに
全反射ミラー25とで構成されている。各ポートは、先
端にカップリングレンズ6がついた光ファイバ7により
構成されている。そして、各部の具体的な構成は、以下
のようになっている。
【0021】[各端子ユニット10の構成]4個の端子
ユニット10−1,10−2,10−3,10−4は、
基本的には同一構成のものを用いる。従って、各部の説
明の際に、それらを区別する必要のない時は、単に端子
ユニット10と記す。各端子ユニット10は、第1の複
合偏光ビームスプリッタ(以下、「第1のPBS」とす
る)11と、表裏逆特性の2つの系を含んだ非相反部1
2とで構成されている。
【0022】各第1のPBS11は、三角プリズム13
と、狭角が45度の平行四辺形プリズム14の一面とが
偏光分離膜15を挟んで一体化されて片台形に構成され
ている。そして、その第1のPBS11の上底面に光フ
ァイバ7のカップリングレンズ6が結合され、また、第
1のPBS11の下底面に非相反部12が近接配置され
ている。
【0023】非相反部12は、第1のPBS11の下底
面を2分割した平面形状からなる2つの1/2波長板1
6,17と、第1のPBS11の下底面とほぼ同一の平
面形状からなるファラデー回転子18と、このファラデ
ー回転子18を厚み方向に磁気飽和させる永久磁石とか
ら構成されている。本例では、第1のPBS11の下底
面側にファラデー回転子18を配置する。そして、ファ
ラデー回転子18の表面(第1のPBS11との接合面
と反対側)に積層するように、2つの1/2波長板1
6,17を並列に配置している。
【0024】このとき、2つの1/2波長板16,17
は、互いに表裏が逆の配置になっている。また、1/2
波長板16,17の光学軸は、±22.5度としてい
る。さらに、ファラデー回転子18は、順方向の入射偏
光の方位を反時計方向に45度回転させるようになって
いる。
【0025】そして、第1のPBS11側からファラデ
ー回転子18と1/2波長板16を通過した光は、ファ
ラデー回転子18と1/2波長板16でそれぞれ同一方
向に45度ずつ回転してその偏波面が90度回転し、P
偏光はS偏光(S偏光はP偏光)に変換される。逆に1
/2波長板16側から両光学部品16,18を通過した
光は、偏波面は正逆方向に45度ずつ回転するためその
偏波面は変わらないように設定している。
【0026】一方、第1のPBS11側からファラデー
回転子18と1/2波長板17を通過した光は、偏波面
は正逆方向に45度ずつ回転するためその偏波面は変わ
らない。逆に、1/2波長板17側から両光学部品1
7,18を通過した光は、1/2波長板17とファラデ
ー回転子18でそれぞれ同一方向に45度ずつ回転して
その偏波面が90度回転し、P偏光はS偏光(S偏光は
P偏光)に変換するように設定している。
【0027】なお、非相反部12は、図2に示すよう
に、第1のPBS11側に1/2波長板16,17を配
置し、その外側にファラデー回転子18を配置するよう
に構成してももちろんよい。
【0028】[他の光学部品の構成]第2の複合偏光ビ
ームスプリッタ(以下、「第2のPBS」という)20
a〜20dは、ともに2つの三角プリズム21,22の
底面同士で、偏光分離膜23を挟んで一体化された矩形
状に形成されている。また、ファラデー回転子25は、
入射偏光の方位を45度回転させるようになっている。
さらに、ファラデー回転子25と全反射ミラー26の形
状は、4つの第2のPBS20a〜20dを横に並べて
形成される外形状とほぼ等しい、一枚の細長い偏平な板
状としている。なお、このように1枚の偏平な板状にし
たのは、部品点数の削減を図ったためで、各第2のPB
S20a〜20dの平面形状とほぼ同じものを4つ設け
ても良く、さらには適宜位置で分割しても良い。
【0029】[4個の端子ユニット同士並びに他の光学
部品との関係]各ポート1〜4は、それぞれ平行に等間
隔をおいて配置される。そして、各ポートのカップリン
グレンズ6の入出射面が同一方向を向いている。従っ
て、そのカップリングレンズ6に接続された光ファイバ
7は同一方向に伸びるように配置され、実際の装置で
は、各光学部品等が1つの筐体内の適宜位置に配置さ
れ、その筐体の1つの側面に4つのカップリングレンズ
6,光ファイバ7が取り付けられる。
【0030】さらに、各ポート1〜4に対向して、4つ
の端子ユニット10−1〜10−4が配置される。この
時、第1のPBS11がそれぞれ各ポート1〜4に対面
するようにする。そして、各端子ユニット10−1〜1
0−4の非相反部12側には、第2のPBS20a〜2
0dをそれぞれ配置するとともに、各第2のPBS20
a〜20dの偏光分離膜23は、相互に平行になるよう
に配置される。さらに第1のPBS11の偏光分離膜1
5と第2のPBS20a〜20dの偏光分離膜23も平
行になるように配置している。さらにまた、第2のPB
S20a〜20dの端子ユニット10−1〜10−4と
反対の面には、ファラデー回転子25,全反射ミラー2
6の順に配置されている。
【0031】次に、上記した構成の光サーキュレータの
動作原理、すなわち、順方向と逆方向の光路について説
明する。
【0032】[順方向の光路]まず、ポート1からポー
ト2への順方向の光路は、図3に示すようになる。すな
わち、同図(A)に示すように、ポート1の端子ユニッ
ト10−1において、光ファイバからの入射光線がレン
ズでコリメートされ、第1のPBS11に入射し、偏光
分離膜15でP偏光とS偏光に分離される。P偏光成分
は偏光分離膜15を透過し、S偏光成分は偏光分離膜1
5で反射して平行四辺形プリズム14でも反射する。
【0033】その結果、P偏光とS偏光は第1のPBS
11から平行に出射する。非相反部12では、ファラデ
ー回転子18,1/2波長板16を通過する光路には、
P偏光が入射されるので、上記したように各光学部品1
8,16で同一方向に45度ずつ回転されS偏光として
出射される。また、ファラデー回転子18,1/2波長
板17を通過する光路には、S偏光が入射されるので、
上記したように各光学部品18,17で正逆方向に45
度ずつ回転され、結局S偏光のまま出射される。従っ
て、端子ユニット10−1の非相反部12から出射され
た2本の光は、ともにS偏光となる。
【0034】上記非相反部12から出射された2本のS
偏光の光線は、第2のPBS20aに入射され、その偏
光分離膜23で反射され光路が90度偏光されて隣接す
る第2のPBS20bに入射される。そして、その第2
のPBS20bの偏光分離膜23で再度反射される。こ
れにより、端子ユニット10−1の非相反部12から出
射された2本の光は、平行にシフトされて第2のPBS
20bからS偏光のまま出射される。
【0035】そして、その両S偏光は、ファラデー回転
子25を通過して偏波面が45度回転し、全反射ミラー
26で反射されて再度ファラデー回転子25を通過する
際に偏波面がさらに45度回転される。従って、往復す
ることにより90度回転してP偏光になる(同図(B)
参照)。
【0036】このようにP偏光に変換されるので、全反
射ミラー26で反射されて戻ってきた光は、第2のPB
S20bの偏光分離膜23を透過し、第2の端子ユニッ
ト10−2の非相反部12の1/2波長板16,17に
それぞれ入射する。そして、1/2波長板16から入射
されたP偏光は、非相反部12で偏波面が回転されない
ので、そのまま第2のPBS11の偏光分離膜15を透
過する。また、1/2波長板17から入射されたP偏光
は、非相反部12を通過する際にS偏光に変換されるの
で、偏光分離膜15で反射される。よってその偏光分離
膜15でS偏光とP偏光は1本の光線に合成されるの
で、端子ユニット10−2からポート2に偏波依存性無
く結合される。
【0037】そして、同様の動作原理に従い、ポート2
から入射された光は、途中で偏波面が適宜回転された
り、分波・合波されたり、光学部品で透過・反射されな
がら、端子ユニット10−2→第2のPBS20b→第
2のPBS20c→ファラデー回転子25→全反射ミラ
ー26→ファラデー回転子25→第2のPBS20c→
端子ユニット10−3の順に進み、ポート3に偏波依存
性無く結合される。
【0038】さらに、ポート3から入射された光は、途
中で偏波面が適宜回転されたり、分波・合波されたり、
光学部品で透過・反射されながら、端子ユニット10−
3→第2のPBS20c→第2のPBS20d→ファラ
デー回転子25→全反射ミラー26→ファラデー回転子
25→第2のPBS20d→端子ユニット10−4の順
に進み、ポート4に偏波依存性無く結合される。
【0039】このように、ポート1から入射された光は
ポート2から出射され、ポート2から入射された光はポ
ート3から出射され、ポート3から入射された光はポー
ト4から出射されるようになる。
【0040】一方、PBSを用いた光サーキュレータの
アイソレーション特性の劣化原因としてはPBSの偏光
分離能力(消光比)不足と、偏波面を回転させる素子の
回転角のずれとによって生じる伝搬すべき偏波に含まれ
る直交偏波成分が漏洩光となって結合されてしまうため
である。そこで、この逆方向に進む光(漏洩光)の光路
について説明する。
【0041】[逆方向に進む漏洩経路]ポート2からポ
ート1への漏れ経路を図4,図5に示している。そし
て、図4は端子ユニット10−2において発生する第1
のPBS11の消光比不足による漏洩光の光路を示して
いる。図4(A)に示すように、漏洩光は、偏光分離膜
15で透過すべきP偏光が反射し、反射すべきS変更が
透過するので、偏光状態が正常のものと逆になる。従っ
て、非相反部12からは2本の平行なP偏光が出射され
る。
【0042】このP偏光は、第2のPBS20bの偏光
分離膜23を透過し、全反射ミラー26で反射されて往
復する際に2回ファラデー回転子25を通過してS偏光
になる(図4(B)参照)。従って、図4(B)に示す
ように、第2のPBS20bの偏光分離膜23で反射さ
れ、近接する第2のPBS20a側に進み、その第2の
PBS20a偏光分離膜23で再度反射され、端子ユニ
ット10−1の非相反部12に入射される。
【0043】1/2波長板16側の非相反部12を通過
した光は、偏光状態は変わらずS偏光のままであるの
で、端子ユニット10−1内の第1のPBS11の偏光
分離膜15で反射し、端子ユニット10−1からはポー
ト1のない面に出射される。また、1/2波長板17側
の非相反部12を通過した光はS偏光がP偏光になるた
め、やはり、端子ユニット10−1内の第1のPBS1
1の偏光分離膜15を透過し、端子ユニット10−1か
らはポート1のない面に出射される。よって、ポート1
に結合しない。
【0044】さらに、端子ユニット10−1の第1のP
BS11の偏光分離膜15においても、消光比不足によ
り透過・反射されてポート1側に進む光(図中破線で示
す)があるが、すでに端子ユニット10−1の第1のP
BS11の偏光分離膜15で1回減衰されているので結
果として2回減衰されるため、無視できる程度の光の量
となる。
【0045】図5は、端子ユニット10−2の非相反部
12における回転不足による漏洩光の光路を示してい
る。第1のPBS11で正常に分離されたS偏光とP偏
光は、非相反部12で回転角ずれにより、その一部が正
常のものと逆の偏光成分が漏洩光となる。すなわち、正
常であれば非相反部からはS偏光が出射されるところ、
回転ずれがあると図5(A)に示すように、P偏光が出
射される。
【0046】従って、上記した第1のPBS11での漏
洩光と同様の経路を通り、図5(A),(B)に示すよ
うに、係る漏洩光の多くは、端子ユニット10−1から
ポート1の内面に出射され、また、その漏洩光の一部が
端子ユニット10−1の第1のPBS11の偏光分離膜
15で生じる消光比不足によりポート1に結合される
が、2回減衰されるので、問題のない程度の非常に小さ
い量となる。
【0047】また、具体的な光路図は記載しないが、ポ
ート3からポート2への漏洩光並びにポート4からポー
ト3への漏洩光も、上記したポート2からポート1への
漏洩光の原理と同様に、ポートの無い方向に出射される
か、仮にポートに結合されたとしても、問題のない程度
の光量となる。
【0048】以上の結果、例えばPBSの消光比や非相
反部の回転誤差により生じる漏れ光を30dBとする
と、ポート4→3→2→1の逆方向のアイソレーション
は、それぞれ各経路で少なくとも30dBずつ2回減衰
されるので、結果として60dB減衰されることにな
り、充分に高いアイソレーションを実現できることにな
る。
【0049】さらに、本例では、各端子ユニット10−
1〜10−4を構成する非相反部12の2つの1/2波
長板16,17が一直線上に配列されるため、装置全体
の薄型化が図れる。また、各光路は、同一の平面(実施
の形態では水平平面)内をとる。
【0050】図6は、本発明の光サーキュレータの第2
の実施の形態を示している。本例では、上記した第1の
実施の形態の構成において、隣り合う端子ユニットの構
成要素の一部を共通の部品で構成するようにしている。
【0051】具体的には、図1に示す構造の端子ユニッ
ト10−1,10−2,10−3,10−4を上下に積
層する。すると、各端子ユニット10−1〜10−4の
第1のPBS11を構成する三角プリズム13及び平行
四辺形プリズム14が互いに対向する。そこで、それら
を一体化し、部品の共通化を図った。つまり、細長な三
角プリズム13′と、細長な平行四辺形プリズム14′
を偏光分離膜15′を挟んで接合一体化して第1のPB
S11′を形成する。
【0052】同様に、図1に示す非相反部12も重ね合
わされ、非相反部12を構成する1/2波長板16は、
三角プリズム3と対向し、1/2波長板17は平行四辺
形プリズム4と対向するので、非相反部16同士、ま
た、非相反部17同士が上下に並ぶため、それらを一体
化する。よって、図6に示すように、細長な直方体から
なる1/2波長板16′,17′を接合することによ
り、一体化する。さらに、ファフデ一回転子18′も一
体化している。これにより図示するように、端子ユニッ
ト10′を構成する各部品が、削減でき、組み立て等も
容易になる。また、この例では、上下に積み重ねるよう
にしたので、設置面積(占有面積)が小さくなる。
【0053】なお、本例では、第1のPBS11側から
ファラデー回転子18と三角プリズム13′側に位置す
る1/2波長板16′を通過した光は、ファラデー回転
子18′と1/2波長板16′でそれぞれ正逆方向に4
5度ずつ回転して偏波面が変わらず、逆に1/2波長板
16′側から両光学部品16′,18′を通過した光
は、偏波面が同一方向に45度ずつ回転してP偏光はS
偏光(S偏光はP偏光)に変換されるように設定してい
る。そして、1/2波長板17′側では、上記とは逆の
動作を行うようにしている。
【0054】さらに、端子ユニット10′を上下に積層
したのにともない、各ポート1〜4も等間隔に上下に配
置し、また、第2のPBS20a〜20c,ファラデー
回転子25並びに全反射ミラー26を起立形成した。
【0055】次に、上記した構成の光サーキュレータの
動作原理、すなわち、順方向と逆方向の光路について説
明する。
【0056】[順方向の光路]まず、ポート1からポー
ト2への順方向の光路は、図7に示すようになる。すな
わち、同図(A)に示すように、ポート1の端子ユニッ
ト10において、光ファイバからの出射光線がレンズで
コリメートされ、第1のPBS11′に入射し、偏光分
離膜15′でP偏光とS偏光に分離される。P偏光成分
は偏光分離膜15′を透過し、S偏光成分は偏光分離膜
15′で反射して平行四辺形プリズム14′でも反射す
る。その結果、P偏光とS偏光は第1のPBS11′か
ら平行に出射する。
【0057】非相反部12′では、ファラデー回転子1
8′,1/2波長板16′を通過する光路には、P偏光
が入射されるので、上記したように各光学部品18′,
16′で正逆方向に45度ずつ回転されP偏光のまま出
射される。また、ファラデー回転子18′,1/2波長
板17′を通過する光路には、S偏光が入射されるの
で、上記したように各光学部品18′,17′で同一方
向に45度ずつ回転され、P偏光が出射される。従っ
て、非相反部12′から出射された2本の光は、ともに
P偏光となる。
【0058】上記非相反部12′から出射された2本の
P偏光の光線は、第2のPBS20aに入射されるが、
第2のPBS20aの偏光分離膜23と、第1のPBS
11′の偏光分離膜15′の面が直交しているので、第
2のPBS20a内ではS偏光として機能する。よっ
て、第2のPBS20の偏光分離膜23で反射され、下
方に向けて進み隣接する第2のPBS20bの偏光分離
膜23で再度反射される。これにより、下方に所定距離
だけシフトされて次段のファラデー回転子25に向けて
出射される。なお、このシフト量は、ポート1とポート
2の離反距離と同じであり、ポート2の設置高さと同一
平面上で出射される。
【0059】そして、全反射ミラー26で反射されるこ
とにより往復でファラデー回転子25を2回通り、第2
のPBS20bにとってP偏光の光が戻ってくる(図7
(B))。よって、第2のPBS20bの偏光分離膜2
3を透過し、端子ユニット12′で結合してポート2に
偏波依存性無く結合される。
【0060】同様の原理に従い、ポート2から入射され
た光は、偏波依存性なくポート3に結合され、また、ポ
ート3から入射された光は偏波依存性なくポート4に結
合される。このように、本例では、光が上下方向に移動
しながら進むことになる。
【0061】[逆方向に進む漏洩経路]ポート2からポ
ート1への漏れ経路を図8,図9に示している。そし
て、図8は、第1のPBS11′で生じる漏洩光の光路
を示している。すなわち、ポート2から入射された光の
一部が、端子ユニット10′の第1のPBS11′の偏
光分離膜15′の消光比不足によってP偏光が反射さ
れ、S偏光が透過されてしまう。従って、非相反部1
2′では、上記した順方向を進む光とは逆に、S偏光
(偏波面が垂直)が出射される。
【0062】すると、第1のPBS11′でのS偏光は
第2のPBS20bではPとなるので偏光分離膜23を
透過し、全反射ミラー26で反射されることによりファ
ラデー回転子25を2回通り、第2のPBS20bにと
ってS偏光に変換される。従って、偏光分離膜23で反
射され、上方に移動し、第2のPBS20aの偏光分離
膜20aの偏光分離膜23で再度反射されてポート1の
設置高さと同一平面上をポート1に向かって進む。しか
し、上記した第1の実施の形態と同様に、第1のPBS
11′の偏光分離膜23で合成され、大部分の光はポー
ト1の無い方向に出射される。そして、その一部がポー
ト1に結合されるが、2回減衰しているので、問題のな
い程度となる。
【0063】また、非相反部12′における回転ずれに
基づく漏洩光は、図9に示すようになり、やはり端子ユ
ニット10′から出射される時は、S偏光になってい
る。よって、上記した第1のPBS11′で発生する漏
洩光と同様に、各光学部品で透過反射が繰り返されると
ともに、偏波面が回転され、最終的に第1のPBS1
1′の偏光分離膜15で合成され、大部分の光はポート
1の無い方向に出射される。そして、その一部がポート
1に結合されるが、2回減衰しているので、問題のない
程度となる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上
記した第1の実施の形態と同様であるので、その詳細な
説明を省略する。
【0064】図10は、本発明に係る光サーキュレータ
の第3の実施の形態を示している。同図に示すように、
本実施の形態は、上記した第1の実施の形態を基準と
し、端子ユニット10−1〜10−4と、第2のPBS
20a〜20dの間に、偏波分散補償板28を設置して
いる。
【0065】すなわち、第1のPBS11で偏波分離し
た際に、平行四辺形プリズム14側を通る光路は、その
平行四辺形プリズム14の幅dの2倍に相当する光学距
離(平行四辺形プリズム14の幅dと屈折率の積)だけ
長く移動することになる。従って、端子ユニット10−
1の第1のPBS11の偏光分離膜15で分離され、隣
接する端子ユニット10−2の第1のPBS11の偏光
分離膜15で合成されるまでの間で、係る光学距離に応
じた光路差が生じるので、厳密にいうと偏波分散を生じ
る。そして、伝送する信号の周波数が高くなると、前後
の信号と干渉してしまう。
【0066】そこで、本例では、三角プリズム13を通
過する光の光路上に空気より屈折率の高いガラスからな
る偏波分散補償板28を配置し、その偏波分散補償板2
8を通過させる。そして平行四辺形プリズム14を通過
する光は、偏波分散補償板28と同一距離だけ空気中を
通過させることにより、上記した光路差を解消するよう
にする。
【0067】そして、具体的な寸法は、第1のPBS1
1並びに偏波分散補償板28に使われるガラスの屈折率
を1.5とすると、偏波分散補償板28の長さDが、平
行四辺形プリズム14の一辺の長さdの3倍の長さにな
るように設定するとよい。なお、その他の構成並びに作
用効果は、上記した第1の実施の形態と同様であるの
で、その詳細な説明を省略する。
【0068】また、この偏波分散補償板を実装する構造
としては、上記した第1の実施の形態のものに限らず、
例えば第2の実施の形態のものに適用してももちろんよ
い。その一例を示すと図11に示すようになる。
【0069】さらに、偏波分散補償板28を設置する位
置は、三角プリズムを通過する光路上に配置すればよい
ので、例えば図12に示すように、端子ユニット11′
の内部に実装してもよい。つまり、図示のように第1の
PBS11′と、非相反部12′の間に実装してもよ
く、さらには図示省略するが、非相反部12の内部(1
/2波長板とファラデー素子の間)に実装してもよい。
そして、係る構造は、第1の実施の形態に適用してもよ
いのはもちろんである。
【0070】さらに、端子ユニットの共通化を図った第
2の実施の形態では、第2のPBSの共通化を図ること
もできる。すなわち、図12に示すように、ポートn
(nは1〜3)から入射された光が照射される第2のP
BSの三角プリズムと、それと隣接するポート(n+
1)から入射された光が照射される第2のPBSの三角
プリズムとを一体化した平行四辺形プリズム29′を用
いている。つまり、3つの平行四辺形プリズム29′を
偏光分離膜23′で接合し、さらにその両端に2つの三
角プリズム21′をそれぞれ偏光分離膜23′を介して
接合することにより、4つのポートに対応した4つの第
2のPBSを一体的に形成する。これにより、部品点数
のさらなる削減が図れる。そして、こように第2のPB
S20′を一体的に形成した構造は、図11に示す構造
並びに第2の実施の形態のいずれにも適用できる。
【0071】なお、上記した各実施の形態並びにその変
形例では、いずれも偏波回転手段としてファラデー回転
子25を用いた例を説明したが、本発明はこれに限るこ
とはなく、ファラデー回転子25に替えて、S偏光或い
はP偏光に光学軸をあわせた1/4波長板にしても同様
の作用効果を得ることができる。
【0072】図13は、本発明の第5の実施の形態を示
している。本実施の形態では、さらに所定の光路上に複
屈折板を実装するようにし、さらなる高アイソレーショ
ン化を図っている。すなわち、この例は、第1の実施の
形態の光サーキュレータを置き換えたもので、さらに第
1の実施の形態では4ポートとしたが、図示の例では1
列除去して3ポートとしているため、平行に配置された
3つのポートに対向して3つの端子ユニット10−1〜
10−3を横に並ぶように配置する。そして、各端子ユ
ニット10−1〜10−3と直列に、第2のPBS20
a〜20cと全反射ミラー26を配置する。
【0073】ここで本例では、第2のPBS20a〜2
0cと全反射ミラー26との間に、その全反射ミラー2
6と同一の平面形状からなる複屈折板30と偏波回転手
段としての1/4波長板31を順次積層配置した構成を
とるようにしている。なお、複屈折板30の光学軸は、
第2のPBS20a〜20cにおけるS偏光が常光また
は異常光(本例では常光)になるように設定しておく。
【0074】そして、係る構成の動作原理について説明
すると、以下のようになる。
【0075】[順方向の光路]ポート1から入射された
光の順方向の光路を図14に示す。同図に示すように、
ポート1から入射された光は、図3に示す第1の実施の
形態と同様に2本の平行なS偏光となって端子ユニット
10−1から出射される。よって第2のPBS20a,
20bの偏光分離膜23で2回反射されて水平方向にシ
フトされ、複屈折板30に至る。
【0076】複屈折板30の光学軸は、第2のPBS2
0bに対するS偏光が常光になるように設定してあるの
で光は直進して、偏波回転手段たる1/4波長板31を
透過し、さらに全反射ミラー26で反射されて再度1/
4波長板31を通過することにより、光の偏波面が90
°回転する。よってこのときは複屈折板に対しては異常
光になっているので、同図(B)に示すように複屈折板
でシフトした後第2のPBS20bに入射される。
【0077】そして、この光は、第2のPBS20bに
対してはP偏光になっているので偏光分離膜23を透過
して、端子ユニット10−2に至る。よって、上記した
各実施の形態と同様に端子ユニット10−2内で合成さ
れ、ポート2に偏波依存性なく結合される(端子ユニッ
ト10−2からの出射位置にポート2を配置する(以下
同じ))。
【0078】なお、複屈折板30の光学軸を、上記と逆
に第2のPBS20a〜20cにおけるS偏光が異常光
になるようにすると、第2のPBS20bから進む往路
の時に複屈折板でシフトし、復路の時は複屈折板でシフ
トすることなく直進するが、複屈折板でのシフトはいず
れにしても1回であるので、最終的にポート2に結合す
るのは同じである。
【0079】また、ポート2から入射された光は、図1
5に示す光路を通り、上記したポート1からポート2へ
の光と同様の原理に従いポート3に偏波依存性なく結合
される。
【0080】[逆方向の光路]次に、ポート2からポー
ト1への漏洩光の光路について説明する。まず、図6に
示すように、ポート2から入射された光は、端子ユニッ
ト10−2の第1のPBSでの消光比不足並びに非相反
部での回転ずれにともなう漏洩光として、その一部が端
子ユニット10−2からP偏光として出射される。
【0081】その漏れ光成分は、第2のPBS20bの
偏光分離膜23を透過し、複屈折板30でシフトし、全
反射ミラー26で反射して往復する際に1/4波長板3
1を両方向に通過するため偏波面が90度回転し、S偏
光となる(同図(B)参照)。従って、第1の実施の形
態と同様に、第2のPBS20b,20aの偏光分離膜
23で2回反射されながら進み、端子ユニット10−1
にS偏光として入射される。
【0082】従って、端子ユニット10−1の第1のP
BS11の偏光分離膜15で合成され、大部分はポート
1のない部分に向けて出射される。そして、端子ユニッ
ト10−1での消光比不足並びに回転ずれにより、その
一部はポート1に結合されるが、少なくとも2回減衰す
るので、問題のない程度となる。
【0083】一方、逆方向に進む漏洩光は、上記した端
子ユニットに限らず、他の光学部品でも生じる。すなわ
ち、図17は、1/4波長板31で生じる漏洩光の光路
を示している。同図(A)に示すように、ポート2から
入射された光は、正常であればS偏光であるので、第2
のPBS20b,20cで反射し、光路がシフトされ複
屈折板30をさらに直進する。ここまでは図15(A)
に示したポート2からポート3へ進む順方向の光路と同
様である。
【0084】全反射ミラー26で反射して戻ってくる際
に、1/4波長板31を2回通過するが、その通過の際
に偏波回転ずれによる漏れ成分があると、P偏光のまま
となる。すると、同図(B)に示すように、往路と同様
の光路を逆に進み、端子ユニット10−2に入射され
る。そして、係るP偏光は端子ユニット10−2の第1
のPBSの偏光分離膜で合成され、大部分はポート2の
ない部分に向けて出射される。なお、端子ユニット10
−2で発生する漏洩光がポート2に結合されるが、少な
くとも2回減衰するので、問題のない程度となる。
【0085】さらに、ポート2から入射された光は、上
記したように2本のS偏光となって、第2のPBS20
bに入射される。従って、本来であればその第2のPB
S20bの偏光分離膜30で反射されるが、消光比不足
により透過してしまう光がある。係る光の光路を図18
に示す。
【0086】同図に示すように、第2のPBS20bか
ら出射された光は、全反射ミラー26で反射されて往復
する際に1/4波長板31を両方から通過することによ
り、P偏光になる。従って、同図(B)に示すように、
複屈折板30でシフトされた後第2のPBS20bに戻
ってくる。そして、係る戻り光はP偏光であるので第2
のPBS20bの偏光分離膜20を透過し、端子ユニッ
ト10−2に入射される。
【0087】そして、端子ユニット10−2で合成され
た光は、ポート2のある面に向けて出射されるが、復路
の複屈折板30を通過する際にその光路がシフトされて
いるので、ポート2に対して僅かにずれたところに出射
する。よって、ポート2には結合しないので(自ポート
には戻らないので)、反射減衰量を低減できる。
【0088】さらにまた、ポート2から入射された光
は、図19(A)に示すように第2のPBS20bで反
射されて第2のPBS20c側にシフトされ全反射ミラ
ー26に至る。そして、全反射ミラー26で反射され、
1/4波長板31を往復することによりP偏光に偏光さ
れて第2のPBS20cに戻ってくる。
【0089】そして、同図(B)に示すように、この第
2のPBS20cの消光比不足により、P偏光の一部は
偏光分離膜で反射されてしまう。すると、隣接する第2
のPBS20b側に向けて進むが、P偏光は各偏光分離
膜を透過するので、そのまま直進し、ポートには結合し
ない。
【0090】また、各第2のPBS20a,20bの偏
光分離膜23でも、消光比不足によりその一部が反射
し、端子ユニット10−1,10−2で合成され各ポー
トのある方向に出射されるが、複屈折板30で1回シフ
トされることにより、ポート1,2に対して僅かにずれ
たところに出射する。よって、ポート1,2には結合し
ない。よって、非常に高い光アイソレーションが得られ
る。
【0091】なお、具体的な光路図は記載しないが、ポ
ート3から入射された光の漏洩光も上記したのと同様の
原理に従い、ポート1〜3のいずれにも結合しないか、
仮に結合したとしてもごく僅かな量となる。
【0092】そして、本実施の形態のように複屈折板3
0を実装したタイプでも、上記した各実施の形態と同様
に、端子ユニットを共通化することができる。すなわ
ち、図6に示した第2の実施の形態のうち、ファラデー
回転子25を1/4波長板231にするとともに、その
1/4波長板31と第2のPBS20a〜20cとの間
に複屈折板30を実装してもよい(図20参照)。さら
には、図21,図22に示すように、上記した図17,
20に示した構成に偏波分散補償板28を実装するよう
にしてももちろんよい。そして、各構成及びその作用効
果は、上記した各構成のものと同様であるので、同一符
号を付しその詳細な説明を省略する。
【0093】さらにまた、上記した図17,20〜22
の構成において、1/4波長板31に替えて、45度回
転するファラデー回転子にしてももちろんよい。さらに
は、ポート数を3としたが、4ポート以上でももちろん
よい。
【0094】[光スイッチへの応用]上記した各実施の
形態並びに変形例に示した光サーキュレータにおいて、
前述の各非相反部として電気的手段により非相反性の方
向が切替自在なものを用いることで、ポート1→2→3
→4→1と光が伝搬する状態と、ポート1→4→3→2
→1と光が伝搬する状態とを切り替えることができる。
つまり、非相反部を構成するファラデー回転子18に対
する磁界の印加手段を上記した各実施の形態等では、永
久磁石としたが、それを電磁石に置き換えることにより
光スイッチとして利用できる。
【0095】
【発明の効果】本発明では複屈折結晶を使用せずに、偏
光ビームスプリッタを偏光分離手段および光路決定手段
として用いているので、製作が容易で安価であり、しか
も分離距離を充分に大きくとっても小型の偏光ビームス
プリッタで済む。また偏光ビームスプリッタの消光比が
あまり高くないことから、従来、このタイプで低損失か
つ高アイソレーションの光サーキュレータを実現するこ
とができなかったが、本発明の構成によれば消光比や回
転誤差によって生じる漏れ光が他のポートに達しないの
で高いアイソレーションを実現できる。また、偏光ビー
ムスプリッタの通過後の分離距離は入射角度に依存しな
いので、各構成要素の組立・調整が容易である。
【0096】各入出射ポートを同一面に取り付ける(ポ
ート・光ファイバは平行に配置する)ことができ、小型
化が図れ、さらに本発明品を光回路基板上に実装する際
に、中央に置く必要がなくなるので、配置レイアウトの
自由度が向上する。
【0097】また本発明によれば、前記の利点(製作容
易・調整容易・安価・小型・高クロストーク)をそのま
ま有する光スイッチを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光サーキュレータの第1の実施の
形態を示す構成図である。
【図2】端子ユニットの別の構成を示す図である。
【図3】図1に示す光サーキュレータの作用説明図その
1である。
【図4】図1に示す光サーキュレータの作用説明図その
2である。
【図5】図1に示す光サーキュレータの作用説明図その
3である。
【図6】本発明の光サーキュレータの第2実施の形態を
示す構成図である。
【図7】図6に示す光サーキュレータの作用説明図その
5である。
【図8】図6に示す光サーキュレータの作用説明図その
6である。
【図9】図6に示す光サーキュレータの作用説明図その
6である。
【図10】本発明の光サーキュレータの第3の実施の形
態を示す構成図である。
【図11】本発明の光サーキュレータの第4の実施の形
態を示す構成図である。
【図12】本発明の光サーキュレータの他の実施の形態
を示す構成図である。
【図13】本発明の光サーキュレータの第5の実施の形
態を示す構成図である。
【図14】図13に示す光サーキュレータの作用説明図
その1である。
【図15】図13に示す光サーキュレータの作用説明図
その2である。
【図16】図13に示す光サーキュレータの作用説明図
その3である。
【図17】図13に示す光サーキュレータの作用説明図
その4である。
【図18】図13に示す光サーキュレータの作用説明図
その5である。
【図19】図13に示す光サーキュレータの作用説明図
その6である。
【図20】本発明の光サーキュレータの他の実施の形態
を示す構成図である。
【図21】本発明の光サーキュレータの他の実施の形態
を示す構成図である。
【図22】本発明の光サーキュレータの他の実施の形態
を示す構成図である。
【符号の説明】
6 カップリングレンズ 7 光ファイバ 10−1,10−2,10−3,10−4 端子ユニッ
ト 11 第1の複合偏光ビームスプリッタ 12 非相反部 13 三角プリズム 14 平行四辺形プリズム 15 偏光分離膜 16,17 1/2波長板 18 ファラデー回転子 20a〜20d 第2の複合偏光ビームスプリッタ 21,22 三角プリズム 23 偏光分離膜 25 ファラデー回転子(偏波回転手段) 26 全反射ミラー(反射手段) 28 偏波分散補償板 30 複屈折板 31 1/4波長板(偏波回転手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三角プリズム(13)と、狭角が45度
    の平行四辺形プリズム(14)の一面とが偏光分離膜
    (15)を挟んで一体化された第1の複合偏光ビームス
    プリッタ(11)と、 直線偏光が1つの面からもう1つの面へ通過する際に偏
    光方位を90度回転させ、それと逆方向へ通過する際に
    その偏光方位を回転させないようにした所定の寸法形状
    の非相反部(12)とを用い、 前記第1の複合偏光ビームスプリッタを構成する下底面
    の三角プリズムと平行四辺形プリズムに、互いに表裏を
    逆にした前記非相反部を並列に配置してなる端子ユニッ
    ト(10−1,10−2,10−3,10−4)をn個
    (nは3以上の整数)用意するとともに、それらを同一
    方向に向けて平行に配置し、 前記端子ユニットの第1の複合偏光ビームスプリッタ側
    に入出射ポートを配置し、 前記非相反部側に2つの三角プリズム(21,22)が
    偏光分離膜(23)を挟んで一体化された第2の複合偏
    光ビームスプリッタ(20a,20b,20c,20
    d)を、各偏光分離膜(23)が平行になるように配置
    し、 かつ、前記第2の複合偏光ビームスプリッタの前記非相
    反部の対向面と反対側に、往復することにより偏波面を
    90度回転させる偏波回転手段(25)と、反射手段
    (26)の順に配置したことを特徴とする光サーキュレ
    ータ。
  2. 【請求項2】 前記偏波回転手段が45度回転するファ
    ラデー回転子(25)であることを特徴とする請求項1
    に記載の光サーキュレータ。
  3. 【請求項3】 前記偏波回転手段が1/4波長板(3
    1)であることを特徴とする請求項1に記載の光サーキ
    ュレータ。
  4. 【請求項4】 前記三角プリズムを通過する光の光路上
    に、偏波分散補償板(28)を設けたことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光サーキュレー
    タ。
  5. 【請求項5】 前記第2の複合偏光ビームスプリッタ
    と、前記偏波回転手段との間に、複屈折板(30)を設
    けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の光サーキュレータ。
  6. 【請求項6】 隣接する前記端子ユニットを構成する前
    記三角プリズムと前記平行四辺形プリズムが対向するよ
    うに配置するとともに、隣り合う前記端子ユニットの構
    成要素の一部が共通の部品(13′,14′,15′,
    16′,17′,18′)からなることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の光サーキュレータ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の光サー
    キュレータの構成において、前記非相反旋光子として電
    気的手段により非相反性の方向が切替自在なものを用い
    たことを特徴とする光スイッチ。
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