JPH09256841A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置

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JPH09256841A
JPH09256841A JP8065684A JP6568496A JPH09256841A JP H09256841 A JPH09256841 A JP H09256841A JP 8065684 A JP8065684 A JP 8065684A JP 6568496 A JP6568496 A JP 6568496A JP H09256841 A JPH09256841 A JP H09256841A
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cylinder
catalyst
exhaust
temperature
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Koichi Mori
浩一 森
Keiji Okada
圭司 岡田
Shigeaki Kakizaki
成章 柿▲ざき▼
Yasuyuki Ito
泰之 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロント触媒の内部温度を検出するセンサを
設けることなく、失火に伴うフロント触媒の過剰な発熱
を抑制する。 【解決手段】 排気管51の上流で主通路51aとバイ
パス通路51bに分岐して主通路51aに触媒52を設
置し、排気の流れを主通路51aとバイパス通路51b
とに切換える弁53を設けている。排気温度が所定値T
1未満の領域において触媒52の温度上昇を許容できる
失火範囲にあるかどうかを判定手段54が判定し、この
判定結果より排気温度が所定値T1未満の領域で触媒5
2の温度上昇を許容できる失火範囲にある場合に触媒5
2側に、また排気温度が所定値T1未満の領域において
触媒52の温度上昇を許容できる失火範囲にない場合に
バイパス通路51b側にそれぞれ排気が流れるように切
換弁53を弁切換手段55が切換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はエンジンの排気浄化装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】排気温度に応じて2個の触媒を使い分け
るようにしたものがある(特開昭57−210116号
公報、実開平1−66420号公報など参照)。
【0003】これを図15で説明すると、エンジンの始
動時など、温度センサ41で検出した排気温度が低いと
きは、バイパスバルブ6によりバイパス通路3bへの排
気流れが遮断され、排気の全量がフロント触媒4に導か
れる。フロント触媒4はエンジン本体1に近いため、フ
ロント触媒4の入口温度が高く、この高温の排気により
フロント触媒4が高い浄化性能を示す。また、フロント
触媒4を通過した排気でリア触媒5が暖機される。
【0004】一方、加速時など、温度センサ41により
検出される排気温度が所定値よりも高くなると、バイパ
スバルブ6の切換で主通路3aへの排気流れが遮断さ
れ、排気の全量がバイパス通路3bを流れてリア触媒5
に達する。リア触媒5の位置はエンジン本体1から遠い
ものの、エンジンの始動からの上記暖機によってリア触
媒5の触媒温度が高められており、高排気温度時はリア
触媒5の入口温度も高いため、リア触媒5がすぐれた浄
化作用を示す。
【0005】このようにして排気温度状態を低温時と高
温時とにほぼ二等分すれば、フロント触媒4とリア触媒
5に直接流入する排気の割合が均等に分配され、各触媒
4と5にほぼ同量の被毒物質が付着することになり、一
方の触媒だけが極端に劣化することがないのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フロント触
媒に排気の全量を流す温度域(低排気温度域)で失火が
多く生じるときにはフロント触媒が過剰に発熱してフロ
ント触媒の温度が上がり過ぎるので好ましくない。フロ
ント触媒が未活性状態のときには、失火により燃焼室か
ら排出される未燃HC、COがフロント触媒に導かれて
も、これらは酸化反応を起こすことなくフロント触媒下
流へと排出されるのであるが、排気によりフロント触媒
の一部でも活性温度(たとえば約300℃)に達してい
れば、その活性温度に達している触媒部分で未燃HC、
COが酸化反応をおこしてその反応熱によりフロント触
媒の温度が上昇するため、失火が多く生じるほど反応熱
による温度上昇が激しくなり、ひいてはフロント触媒に
熱劣化が生じることもあるのである。
【0007】しかしながら、このときのフロント触媒の
温度上昇は、従来装置のように、フロント触媒の上流に
設けた温度センサでは検出することができない。また、
エンジン回転数と負荷とから排気温度を推定する場合に
も、失火に伴うフロント触媒の温度上昇までは推定する
ことができない。
【0008】そこで本発明は、低排気温度域でも失火判
定時にはフロント触媒側に排気が流れないようにするこ
とにより、フロント触媒の内部温度を検出するセンサを
設けることなく、失火に伴うフロント触媒の過剰な発熱
を抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、図16
に示すように、排気管51の上流で主通路51aとバイ
パス通路51bに分岐して主通路51aに触媒52を設
置し、排気の流れを主通路51aとバイパス通路51b
とに切換える弁53を設ける一方、排気温度が所定値T
1未満の領域で前記触媒52の温度上昇を許容できる失
火範囲にあるかどうかを判定する手段54と、この判定
結果より排気温度が所定値T1未満の領域において前記
触媒52の温度上昇を許容できる失火範囲にある場合に
前記触媒52側に、また排気温度が所定値T1未満の領
域において前記触媒52の温度上昇を許容できる失火範
囲にない場合に前記バイパス通路51b側にそれぞれ排
気が流れるように前記切換弁53を切換える手段55と
を設けた。
【0010】第2の発明では、第1の発明において排気
温度が所定値T1未満の領域で前記触媒52の温度上昇
を許容できる失火範囲にない場合でかつ排気温度が前記
所定値T1より小さな第2の所定値T2未満であるとき
前記触媒52側に排気が流れるように前記切換弁53を
切換える。
【0011】第3の発明では、第1または第2の発明に
おいて前記触媒52の温度上昇を許容できる失火範囲に
あるかどうかを失火パラメータに基づいて判定する。
【0012】第4の発明では、第3の発明において前記
触媒52の温度上昇を許容できる失火範囲にあるかどう
かを失火パラメータに基づいて判定する手段が、図17
に示すように、燃焼行程に対応する所定のクランク角度
区間に要する時間を気筒別に計測する手段61と、この
気筒別の時間計測値TINTを点火毎に記憶する手段6
2と、これらの記憶値のうち失火気筒とエンジン一回転
前の対向気筒との時間計測値差に失火気筒とエンジン一
回転後の対向気筒との時間計測値差を加えた値に基づく
失火パラメータMISBを演算する手段63と、この演
算された失火パラメータMISBと判定値との比較によ
り失火パラメータが判定値未満であるとき前記触媒52
の温度上昇を許容できる失火範囲にあると、またそれ以
外のとき(失火パラメータMISBが判定値以上となっ
たとき)前記触媒52の温度上昇を許容できる失火範囲
にないと判定する手段64とからなる。
【0013】第5の発明では、第3の発明において前記
触媒52の温度上昇を許容できる失火範囲にあるかどう
かを失火パラメータに基づいて判定する手段が、図18
に示すように、燃焼行程に対応する所定のクランク角度
区間に要する時間を気筒別に計測する手段61と、この
気筒別の時間計測値TINTを点火毎に記憶する手段6
2と、これらの記憶値のうち失火気筒と一点火前の気筒
との時間計測値差と、失火気筒と現在の気筒との時間計
測値差とを所定割合(たとえば6気筒エンジンでは失火
気筒と一点火前の気筒との時間計測値差が5、失火気筒
と現在の気筒との時間計測値差が1の割合)で加えた値
に基づく失火パラメータMISAを演算する手段71
と、この演算された失火パラメータMISAと判定値と
の比較により失火パラメータが判定値未満であるとき前
記触媒52の温度上昇を許容できる失火範囲にあると、
またそれ以外のとき(失火パラメータMISAが判定値
以上となったとき)前記触媒52の温度上昇を許容でき
る失火範囲にないと判定する手段64とからなる。
【0014】第6の発明では、第3の発明において前記
触媒52の温度上昇を許容できる失火範囲にあるかどう
かを失火パラメータに基づいて判定する手段が、図19
に示すように、燃焼行程に対応する所定のクランク角度
区間に要する時間を気筒別に計測する手段61と、この
気筒別の時間計測値TINTを点火毎に記憶する手段6
2と、これらの記憶値のうち失火気筒とエンジン一回転
前の対向気筒との時間計測値差に失火気筒とエンジン一
回転後の対向気筒との時間計測値差を加えた値に基づく
第1失火パラメータMISBまたは失火気筒と一点火前
の気筒との時間計測値差と、失火気筒と現在の気筒との
時間計測値差とを所定割合(たとえば6気筒エンジンで
は失火気筒と一点火前の気筒との時間計測値差が5、失
火気筒と現在の気筒との時間計測値差が1の割合)で加
えた値に基づく第2失火パラメータMISAを演算する
手段81と、この演算された各失火パラメータMIS
B、MISAと判定値との比較によりいずれも判定値未
満であるとき前記触媒52の温度上昇を許容できる失火
範囲にあると、またそれ以外のとき(いずれかが判定値
以上となったとき)前記触媒52の温度上昇を許容でき
る失火範囲にないと判定する手段82とからなる。
【0015】第7の発明では、図20に示すように、排
気管51の上流で主通路51aとバイパス通路51bに
分岐して主通路51aに触媒52を設置し、主通路51
a側を流れる排気流量とバイパス通路51b側を流れる
排気流量の各割合を調整可能な弁91を設ける一方、排
気温度が所定値T1未満の領域で失火パラメータが失火
程度の大きな値になるほど前記主通路51a側を流れる
排気流量の割合が小さくなる向きに前記流量割合調整弁
91を制御する手段92を設けた。
【0016】第8の発明では、図21に示すように、排
気管51の上流で主通路51aとバイパス通路51bに
分岐して主通路51aに触媒52を設置し、主通路51
a側を流れる排気流量とバイパス通路51b側を流れる
排気流量の各割合を調整可能な弁91を設ける一方、排
気温度が所定値T1未満の領域で失火パラメータと排気
温度に応じ、排気温度が一定の条件で失火パラメータが
失火程度の大きな値になるほど前記主通路51a側を流
れる排気流量の割合が小さくなる向きに、また失火パラ
メータが一定の条件で排気温度が高くなるほど前記主通
路51a側を流れる排気流量の割合が小さくなる向きに
前記流量割合調整弁91を制御する手段101を設け
た。
【0017】第9の発明では、第7または第8の発明に
おいて前記失火パラメータを演算する手段が、図22に
示すように、燃焼行程に対応する所定のクランク角度区
間に要する時間を気筒別に計測する手段61と、この気
筒別の時間計測値TINTを点火毎に記憶する手段62
と、これらの記憶値のうち失火気筒とエンジン一回転前
の対向気筒との時間計測値差に失火気筒とエンジン一回
転後の対向気筒との時間計測値差を加えた値に基づく失
火パラメータMISBを演算する手段63とからなる。
【0018】第10の発明では、第7または第8の発明
において前記失火パラメータを演算する手段が、図23
に示すように、燃焼行程に対応する所定のクランク角度
区間に要する時間を気筒別に計測する手段61と、この
気筒別の時間計測値TINTを点火毎に記憶する手段6
2と、これらの記憶値のうち失火気筒と一点火前の気筒
との時間計測値差と、失火気筒と現在の気筒との時間計
測値差とを所定割合(たとえば6気筒エンジンでは失火
気筒と一点火前の気筒との時間計測値差が5、失火気筒
と現在の気筒との時間計測値差が1の割合)で加えた値
に基づく失火パラメータMISAを演算する手段71と
からなる。
【0019】第11の発明では、第1から第10までの
いずれか一つの発明において前記排気温度をエンジンの
負荷と回転数から推定する。
【0020】
【作用】排気温度が所定値未満の領域で失火が多く生じ
るときには触媒が過剰に発熱して触媒温度が上がり過ぎ
るのであるが、第1の発明では、排気温度が所定値未満
の領域において触媒の温度上昇を許容できる失火範囲に
ないときバイパス通路側に排気の全量が流される(つま
り触媒側に排気が流れない)ことから、触媒に失火に伴
う急激な発熱が生じることがなく、これによって触媒の
内部温度を検出するセンサを設けていなくても、失火に
伴う触媒の熱劣化や熱害を防止することができる。
【0021】第2の発明では、排気温度が所定値T1未
満の領域において触媒の温度上昇を許容できる失火範囲
にない場合であっても、排気温度が前記所定値T1より
小さな第2の所定値T2未満であるとき触媒側に排気を
流すので、触媒の活用される領域が拡大する。
【0022】第7の発明では、排気温度が所定値未満の
領域で失火パラメータが失火程度の大きな値になるほど
主通路側を流れる排気流量の割合が小さくなる向きに流
量割合調整弁を制御するので、失火に伴う触媒の急激な
発熱を抑制できるほか、失火パラメータが判定値以上で
バイパス通路側に排気が、また判定値未満で触媒側に排
気が流れるように切換弁を切換える場合より触媒の活用
される領域が拡大する。
【0023】第8の発明では、排気温度が所定値未満の
領域で失火パラメータと排気温度に応じ、排気温度が一
定の条件で失火パラメータが失火程度の大きな値になる
ほど主通路側を流れる排気流量の割合が小さくなる向き
に、また失火パラメータが一定の条件で排気温度が高く
なるほど主通路側を流れる排気流量の割合が小さくなる
向きに流量割合調整弁を制御するので、失火に伴う触媒
の急激な発熱を抑制できるほか、失火パラメータが判定
値以上かつ排気温度が前記所定値T1より小さな第2の
所定値T2以上であるときバイパス通路側に、またそれ
以外で(失火パラメータが判定値以上かつ排気温度が
前記所定値T1より小さな第2の所定値T2未満である
ときと失火パラメータが判定値未満のとき)触媒側に
それぞれ排気が流れるように切換弁を切換える場合より
触媒の活用される領域が拡大する。
【0024】
【実施例】図1において、排気マニホールド2に接続さ
れる排気管3が主通路3aとバイパス通路3bに分岐さ
れ、主通路3aに三元触媒からなるフロント触媒4が、
またバイパス通路3bの合流部より下流に三元触媒から
なるリア触媒5が設置されている。
【0025】バイパス通路3bの分岐点のすぐ下流に
は、排気の流れを主通路3aとバイパス通路3bとに切
換えるためのバイパス弁6を備える。このバイパス弁6
はバイパス弁用駆動装置(ダイアフラム式アクチュエー
タ8と、このアクチュエータ8の往復直線運動を回転運
動に変える機構7と、アクチュエータ8に絞り弁23下
流の吸気管圧力と大気圧を切換導入する三方向弁9とか
らなる)により駆動される。バイパス弁6では主通路3
a側のバタフライ状バルブ6aと、バイパス通路3b側
のバタフライ状バルブ6bとがほぼ直交する状態でシャ
フト6cに固定されており、主通路側バルブ6aが全開
の場合にバイパス通路側バルブ6bが全閉となり、この
逆に主通路側バルブ6aが全閉の場合にバイパス通路側
バルブ6bが全開となる。なお、バイパス弁6はバイパ
ス通路3bと主通路3aの分岐部や合流部に設けること
もできる。
【0026】コントロールユニット21には、エンジン
の冷却水温Twを検出するセンサ13、エアフローメー
タ14、クランク角度の単位角度ごとの信号(Pos信
号)と基準位置信号(Ref信号)とを出力するクラン
ク角度センサ15からの信号が入力され、コントロール
ユニット21では、エンジン回転数Neと負荷に基づい
て排気温度Texhを推定し、低排気温度域にあるとき
には主通路3a側を排気の全量が流れるように、また高
排気温度域になると、バイパス通路3b側を排気の全量
が流れるように前記バイパス弁6を切換制御する。たと
えば、三方向弁9へのOFF信号でアクチュエータ8に
大気圧が導入されるとき主通路側バルブ6aが開かれて
おり、三方向弁9へのON信号への切換によりアクチュ
エータ8に絞り弁23下流の吸気管圧力が導入され主通
路側バルブ6aが閉じられるものとすれば、低排気温度
域で三方向弁9にOFF信号を、高排気温度域でON信
号を出力するのである。
【0027】コントロールユニット21ではまた、吸入
空気量Qaとエンジン回転数Neから基本噴射パルス幅
Tpを算出し、これに応じた時間だけ吸気ポートに設置
された燃料インジェクタ22をエンジン回転に同期して
開いて燃料を噴射するとともに、所定の空燃比フィード
バック制御域において空燃比がウインドウ(理論空燃比
を中心とした狭い範囲)に収まるように空燃比フィード
バック補正係数αを算出し、これを上記のTpに乗算す
ることによって、空燃比のフィードバック制御を行う。
この場合、主通路3aに排気を流すときには、フロント
触媒4のすぐ上流でバルブ6aの下流に設けた酸素セン
サ11の出力に基づいて空燃比フィードバック補正係数
αを算出し、またバイパス通路3bに排気を流すときは
主通路3aとバイパス通路3bの合流部近傍に設けた酸
素センサ12の出力に基づいてαを算出する。
【0028】さて、低排気温度域では排気による温度上
昇によってフロント触媒4の活性化を促すわけである
が、燃焼不安定により失火が多く生じるときにはフロン
ト触媒4が過剰に発熱して触媒温度が上がり過ぎるので
好ましくない。フロント触媒4が未活性状態のときに
は、失火により燃焼室から排出される未燃HC、COが
フロント触媒4に導かれても、これらは触媒上で酸化反
応を起こすことなくフロント触媒4下流へと排出される
のであるが、排気によりフロント触媒4の一部でも活性
温度(たとえば約300℃)に達していれば、その活性
温度に達している触媒部分で未燃HC、COが酸化反応
をおこしてその反応熱によりフロント触媒4の温度が上
昇するため、失火が多く生じるほど反応熱によるフロン
ト触媒4の温度上昇が激しくなるのである。
【0029】これに対処するため本発明では、コントロ
ールユニット21により低排気温度域において、フロン
ト触媒4の温度上昇を許容できる失火範囲にあるときフ
ロント触媒4側に、またフロント触媒4の温度上昇を許
容できる失火範囲にないときバイパス通路3b側にそれ
ぞれ排気が流れるようにバイパス弁6を切換制御する。
【0030】まず、失火判定については公知の手法を用
いることができる。たとえば、失火によるクランクシャ
フトのトルク変動を、リングギアに対向して設けた磁気
ピックアップにより周期変動として検出するものが特開
平4−113244号公報に詳しい。
【0031】これを簡単に説明すると、図2において、
31はエンジン本体、32はクランクシャフト、34は
クランクシャフト端のフライホイール33の外周に形成
されるリングギアである。リングギア34の歯に対向し
て、鉄心とコイルからなる磁気ピックアップ35が設置
され、クランクシャフト32が回転すると、この歯が磁
気ピックアップ35の鉄心に発生する磁界を断続するた
め、磁気ピックアップ35のコイルに磁力変化が生じ
て、交流電流が誘導される。この交流信号はコントロー
ルユニット21内で波形成型されて矩形波のON、OF
Fパルス(リングギアPos信号)に変換され、クラン
ク角度信号として使用される。
【0032】また、図2のクランク角度センサ15は図
1と異なるタイプのもの(クランクシャフト32によっ
て駆動されるカム軸(図示しない)に設けられる)であ
る。コントロールユニット21では、クランク角度セン
サ15の1番気筒用のRef信号の入力から所定数のパ
ルス(磁気ピックアップ35により得られるパルス)を
カウントした時点を基準として、図3に示したように、
クランクシャフト32の所定角度区間当たりに要する時
間TINTをクランクシャフトの1回転当たり3回サン
プリングし、そのサンプリング値を用いて失火判定を行
う。
【0033】この場合、後述するように、各区間に要す
る時間の計測値TINTを区別することが必要になるた
め、各区間に要する時間の計測値TINTを最新のもの
からTINT1、TINT2、……、TINT7として
サンプリングしている。
【0034】ただし、図3はV型6気筒エンジンのもの
で、点火順序を#1−#2−#3−#4−#5−#6と
したとき、aの区間は1番気筒および4番気筒の、bの
区間は2番気筒および5番気筒の、cの区間は3番気筒
および6番気筒の各燃焼行程に対応する。
【0035】次に、上記の計測値TINTより得られる
2つの失火パラメータMISB、MISAに基づいての
失火判定について述べる。
【0036】なお、一口に失火といっても、同じ気筒に
ついて、毎回失火する事態と単発的に失火する事態とが
考えられる。毎回失火は、燃料噴射弁の断線、点火用コ
ードの抜け、点火プラグの完全なくすぶりによって発生
するのに対して、単発失火は混合比が可燃混合比域をは
ずれるようなところまでずれることによって、あるいは
初期の点火プラグのくすぶりによって燃焼が不安定とな
った場合に発生する。この場合、失火パラメータMIS
Bについては同じ気筒についての単発失火を、失火パラ
メータMISAについては多気筒についての毎回失火を
対象として考えている。
【0037】まず、図4は、加速時に4番気筒で失火を
生じたときの波形図で、失火により4番気筒での計測値
が大きくなり、4番気筒の前後で段差が生じている。
【0038】この場合に、1番気筒と4番気筒とはリン
グギアの同じ歯位置を使って計測されるため、失火気筒
(4番気筒)を中心にしてエンジン一回転前の対向気筒
(1番気筒)のTINTとエンジン一回転後の対向気筒
(1番気筒)のTINTとを結んだ斜めの直線より上方
にはみ出す部分の時間増加ΔTINTが失火によるもの
と推定することができる。同図の時間増加ΔTINT
は、図形処理(たとえばTINT4からab間の長さを
引く)により、 ΔTINT={3(TINT4−TINT7) +3(TINT4−TINT1)}/6 …(1) の式で計算されるので、1番気筒と4番気筒のようにリ
ングギアの同じ歯位置で計測される対向気筒についての
失火パラメータMISBを、 MISB=6×ΔTINT/(TINT7)3 …(2) の式で定義する。
【0039】ここで、失火に伴う計測値の時間増加ΔT
INTは、発生トルク、エンジン回転数との間に、 ΔTINT∝発生トルク/(エンジン回転数3) …(a) なる関係があり、またエンジン回転数と計測値TINT
とは逆数の関係があるので、 発生トルク∝ΔTINT・(エンジン回転数3)=ΔTINT/TINT3 …(b) となる。この(b)式と(2)式とを比べれば、MIS
Bは物理的にはトルク相当の値であることが分かる。つ
まり、失火に伴う時間増加ΔTINTはエンジン回転数
に依存し、回転数が高くなるほど小さくなる値となるの
で、この時間増加ΔTINTを所定の時間計測値の三乗
で除した値を失火パラメータとすることによって、失火
パラメータが回転数の影響を受けないようにしているわ
けである。また、(2)式において6倍にしているのは
MISBの値が少数にならないようにするためである。
【0040】(1)式のΔTINTを(2)式に代入す
ると、失火パラメータMISBは最終的に次の式で与え
られる。
【0041】 MISB={3(TINT4−TINT7) +3(TINT4−TINT1)}/(TINT7)3 …(3) (3)式において、右辺分子の第1項が失火気筒とエン
ジン一回転前の対向気筒とのTINT差、右辺分子の第
2項が失火気筒とエンジン一回転後の対向気筒とのTI
NT差である。
【0042】図4より4番気筒に失火を生じてTINT
4が大きくなると、MISBが大きくなるので、MIS
Bが判定値以上となる場合に失火が生じたと判断するこ
とができる。MISBを用いての失火判定では、リング
ギアの同じ歯位置を用いるので、リングギアの形状バラ
ツキの影響を受けることがないという特質を有する。
【0043】しかしながら、1番気筒と4番気筒が連続
してともに失火したときは、TINT1、TINT4、
TINT7のすべてが同じように大きくなるため、ΔT
INT≒0(つまりMISB≒0)となって失火が判定
できなくなるので、他の失火パラメーターを考える必要
が出てくる。
【0044】そこで、図5に示したように、今度は2番
気筒で失火を生じた場合に、失火気筒(2番気筒)の一
点火前の気筒(1番気筒)の計測値を考慮して失火によ
る時間増加ΔTINTを計算することを考える。これも
図形処理により、 ΔTINT={5(TINT6−TINT7) +(TINT6−TINT1)}/6 …(4) の式で計算されるので、別の失火パラメータMISA
を、 MISA=6×ΔTINT/(TINT7)3 …(5) の式で定義すると、失火パラメータMISAは最終的に
次の式で与えられる。
【0045】 MISA={5(TINT6−TINT7) +(TINT6−TINT1)}/(TINT7)3 …(6) (6)式において、右辺分子の第1項が失火気筒と一点
火前の気筒とのTINT差、右辺分子の第2項が失火気
筒と現在の気筒とのTINT差であり、6気筒エンジン
では、失火気筒と現在の気筒とのTINT差が1に対し
て失火気筒と一点火前の気筒とのTINT差が5の割合
になっている。
【0046】このようにして得られた失火パラメータM
ISAによれば、1番気筒と4番気筒のようにリングギ
アの同じ歯位置で測定される対向気筒が連続してともに
失火したときでも、MISAが判定値以上となることか
ら失火と判断することができる。
【0047】以上で公知の2つの失火パラメータMIS
B、MISAによる失火判定の説明を終える。
【0048】次に、コントロールユニット21で実行さ
れるバイパス弁制御の内容を、以下のフローチャートに
したがって説明する。
【0049】図6のフローチャートはフロント触媒4の
温度上昇を許容できる失火範囲にあるかどうかを判定す
るためのもので、点火毎に実行する。
【0050】ステップ1では計測値TINTの旧値のシ
フトを行い、1回前のデータを2回前のRAMに、3回
前を4回前へ、…、また6回前を7回前へと移し変え、
ステップ2において新たなTINTの計測を行い、これ
をTINT1に移す。TINTの測定区間は、クランク
角センサからの1のRef信号の入力から所定数のリン
グギアPos信号をカウントした時点を始期、次のRe
f信号が入力される時点を終期とする区間である。
【0051】ステップ3では3つのTINT1、TIN
T4、TINT7を用い、前述の(3)式によりMIS
Bを、またステップ4において3つのTINT1、TI
NT6、TINT7を用い、前述の(6)式によりMI
SAを計算する。
【0052】ステップ5、6では失火パラメータMIS
B、MISAと各判定値SLB、SLAを比較し、MI
SB、MISAとも判定値未満であるときには、フロン
ト触媒4の温度上昇を許容できる失火範囲にあると判断
してステップ7に進み失火判定フラグ(始動時に“0”
に初期設定)を“0”にリセットする。これに対して、
MISBまたはMISAのいずれか一方でも判定値以上
であればステップ8に進んで失火判定フラグを“1”に
セットする。
【0053】ここで、失火の程度は、フロント触媒4の
種類、フロント触媒4の取りつけ位置、エンジンの機
種、排気マニホールド形状、使用燃料などにより変化す
るので、最終的にはマッチングにより各判定値SLB、
SLAの値を決定する。
【0054】図7のフローチャートはバイパス弁切換フ
ラグを設定するためのもので、図6に示した失火判定の
後で一定時間(たとえば10msec)毎に実行する。
【0055】ステップ11ではエンジン回転数Neと基
本噴射パルス幅(エンジン負荷相当量)Tpを読み込
む。これらからステップ12で図8を内容とするマップ
を検索して排気温度Texhを求める。Neとエンジン
負荷(Tp)から排気温度を推定するわけで、図8に示
したように排気温度Texhは回転数Neが一定であれ
ば高負荷になるほど、また負荷が一定のとき高回転にな
るほど高くなる。
【0056】このようにして求めた排気温度Texhと
所定値T1をステップ13において比較する。Texh
<T1(低排気温度域)であれば、ステップ14に進ん
で失火判定フラグをみる。失火判定フラグ=1(フロン
ト触媒4の温度上昇を許容できる失火範囲にない)のと
きには主通路側バルブ6aを閉じるためステップ15に
進んでバイパス弁切換フラグ(始動時に“0”に初期設
定)を“1”にセットし、失火判定フラグ=0(フロン
ト触媒4の温度上昇を許容できる失火範囲にある)のと
きには従来と同じに主通路側バルブ6aを開くためステ
ップ16に進んでバイパス弁切換フラグを“0”にセッ
トする。バイパス弁切換フラグは、主通路3a側とバイ
パス通路3b側のいずれを開くのかを三方向弁9に指示
するためのフラグである。
【0057】一方、Texh≧T1(高排気温度域)で
は、ステップ13よりステップ15に進み主通路側バル
ブ6aを閉じるためバイパス弁切換フラグを“1”にセ
ットする。
【0058】図9のフローチャートは、三方向弁9を駆
動するためのもので、図7に示したバイパス弁切換フラ
グの設定に続けて実行する。
【0059】ステップ21ではバイパス弁切換フラグを
みて、バイパス弁切換フラグが“1”のときにはステッ
プ22に進んで三方向弁9にON信号を出力する。この
ときアクチュエータ8に絞り弁23下流の吸気管圧力が
導入され、主通路側バルブ6aが閉じられる。また、バ
イパス弁切換フラグが“0”のときにはステップ21よ
りステップ23に進み三方向弁9にOFF信号を出力す
る。このときは主通路側バルブ6aが開かれる。
【0060】ここで、この実施形態の作用を説明する。
【0061】低排気温度域(フロント触媒4側に排気の
全量が流れる)において失火が多く生じるときにはフロ
ント触媒4が過剰に発熱して触媒温度が上がり過ぎるこ
とを前述したが、エンジン回転数Neとエンジン負荷か
ら排気温度を推定するだけでは、失火に伴うフロント触
媒4の温度上昇までを推定することができない。また、
失火によりフロント触媒4が過剰に発熱するときには、
その熱によりフロント触媒4の下流に位置する酸素セン
サ12にも熱劣化や熱害が生じることがある。
【0062】これに対してこの実施形態では、低排気温
度域においてフロント触媒4の温度上昇を許容できない
ほどの失火範囲にあるときには主通路側バルブ6aが閉
じられる(フロント触媒4に排気が流れない)ことか
ら、フロント触媒4に失火に伴う急激な発熱が生じるこ
とがなく、これによってフロント触媒4の内部温度を検
出するセンサを設けていなくても、低排気温度域での失
火に伴うフロント触媒4の熱劣化や熱害を防止すること
ができる。
【0063】また、低排気温度域での失火に伴うフロン
ト触媒4の急激な発熱による熱が下流に流れることがな
いので、フロント触媒4の下流に位置する酸素センサ1
2についても熱劣化や熱害を防ぐことができる。
【0064】図10のフローチャートは第2実施形態で
図7に対応する。なお、図7と同一部分には同一のステ
ップ番号をつけて、これらの説明は省略する。
【0065】この実施形態は低排気温度域かつ失火判定
フラグ=1のとき、ステップ31において排気温度Te
xhと所定値T2を比較し、Texh<T2のときには
主通路側バルブ6aを開かせるためステップ16に進ん
でバイパス弁切換フラグを“0”にセットするようにし
たものである。
【0066】ここで、所定値T2は失火による排気温度
(触媒温度)の上昇によりフロント触媒4に熱劣化や熱
害が実際に生じると思われる温度(たとえば約500℃
〜550℃)である。これに対してT1は約650℃で
あるため、T2<T1となる。
【0067】この実施形態では、低排気温度域において
フロント触媒4の温度上昇を許容できる失火範囲にない
ときでも、排気温度がフロント触媒4に熱劣化や熱害が
実際に生じると思われる温度に達するまでは主通路側バ
ルブ6aを開いてフロント触媒4に排気を流すので、第
1実施形態よりもフロント触媒4の活用される領域が拡
大する。
【0068】図11、図12のフローチャートは第3実
施形態で、図11が図6に、図12が図7にそれぞれ対
応する。なお、図6、図7と同一部分には同一のステッ
プ番号をつけている。
【0069】第1実施形態のバイパス弁6は全開と全閉
の2位置をとるものであったのに対し、第3実施形態で
はバイパス弁6をステップモータにより駆動(たとえば
ステップモータの動きをギア機構を介してバイパス弁の
シャフト6cに伝える)することで、主通路側バルブ6
aの開度を階段状に切換えられるようにしている(図1
4参照)。
【0070】まず、図11では図6と同様にして失火パ
ラメータMISB(またはMISA)を算出する。この
MISBの算出後に図12のフローチャートを実行す
る。
【0071】図12では図7と異なる部分(ステップ4
1、42、43、44、45)を主に説明すると、低排
気温度域(Texh<T1)でステップ13よりステッ
プ41に進み、図11により得ている失火パラメータM
ISBを読み込み、この失火パラメータMISBと排気
温度Texhからステップ42において図13を内容と
するマップを検索して主通路側バルブ6aの開度を求め
る。主通路側バルブ6aの開度は、図13に示すように
失火パラメータMISBが一定のとき排気温度Texh
が高くなるほどバルブ6aが閉じる側の値、また排気温
度Texhが一定であれば失火パラメータMISBが大
きくなるほどバルブ6aが閉じる側の値である。
【0072】このようにして得た主通路側バルブ6aの
開度からステップ43において図14を内容とするテー
ブルを検索してステップモータに与えるステップ数を求
め、これをステップ44においてレジスタに転送する。
このレジスタに転送されたステップ数は出力インターフ
ェースを介してステップモータ駆動回路に与えられ、ス
テップ数に応じた主通路側バルブ開度となる位置までス
テップモータが回転する。
【0073】一方、高排気温度域(Texh≧T1)で
はステップ13よりステップ45に流れ、主通路側バル
ブ6aを全閉位置にする値(たとえば0)をステップ数
に入れてステップ44の操作を実行する。
【0074】第3実施形態では、失火パラメータMIS
Bと排気温度Texhに応じて主通路側バルブ6aの開
度を変化させるので、失火に伴うフロント触媒4の急激
な発熱を抑制できるほか、フロント触媒4の活用される
領域が第2実施形態よりもさらに拡大する。
【0075】実施形態ではNeとTpから排気温度を推
定したが、冷却水温や運転履歴から排気温度を推定する
こともできる。また、フロント触媒4の上流側に温度セ
ンサを設けている場合にも本発明を適用することができ
る。
【0076】実施形態では、失火によるクランクシャフ
トのトルク変動を、リングギアに対向して設けた磁気ピ
ックアップにより周期変動として検出することで、失火
判定を行ったが、これに限定されるものでなく、他の公
知の失火判定方法(たとえばクランク角度センサの信号
に基づく)を用いることができる。
【0077】第3実施形態では主通路3a側を流れる排
気流量とバイパス通路3b側を流れる排気流量の各割合
を調整可能とするため、バイパス弁6をステップモータ
により駆動しているが、ステップモータ駆動に限られる
ものでない。たとえば、バイパス弁6をデューティー制
御可能な弁(あるいはソレノイド)により駆動するもの
に対しても本発明を適用できる。
【0078】
【発明の効果】排気温度が所定値未満の領域で失火が多
く生じるときには触媒が過剰に発熱して触媒温度が上が
り過ぎるのであるが、第1の発明では、排気温度が所定
値未満の領域において触媒の温度上昇を許容できる失火
範囲にないときバイパス通路側に排気の全量が流される
ことから、触媒に失火に伴う急激な発熱が生じることが
なく、これによって触媒の内部温度を検出するセンサを
設けていなくても、失火に伴う触媒の熱劣化や熱害を防
止することができる。
【0079】第2の発明では、排気温度が所定値T1未
満の領域において触媒の温度上昇を許容できる失火範囲
にない場合であっても、排気温度が前記所定値T1より
小さな第2の所定値T2未満であるとき触媒側に排気を
流すので、触媒の活用される領域が拡大する。
【0080】第7の発明では、排気温度が所定値未満の
領域で失火パラメータが失火程度の大きな値になるほど
主通路側を流れる排気流量の割合が小さくなる向きに流
量割合調整弁を制御するので、失火に伴う触媒の急激な
発熱を抑制できるほか、失火パラメータが判定値以上で
バイパス通路側に排気が、また判定値未満で触媒側に排
気が流れるように切換弁を切換える場合より触媒の活用
される領域が拡大する。
【0081】第8の発明では、排気温度が所定値未満の
領域で失火パラメータと排気温度に応じ、排気温度が一
定の条件で失火パラメータが失火程度の大きな値になる
ほど主通路側を流れる排気流量の割合が小さくなる向き
に、また失火パラメータが一定の条件で排気温度が高く
なるほど主通路側を流れる排気流量の割合が小さくなる
向きに流量割合調整弁を制御するので、失火に伴う触媒
の急激な発熱を抑制できるほか、失火パラメータが判定
値以上かつ排気温度が前記所定値T1より小さな第2の
所定値T2以上であるときバイパス通路側に、またそれ
以外で(失火パラメータが判定値以上かつ排気温度が
前記所定値T1より小さな第2の所定値T2未満である
ときと失火パラメータが判定値未満のとき)触媒側に
それぞれ排気が流れるように切換弁を切換える場合より
触媒の活用される領域が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】第1実施形態の失火判定についての制御システ
ム図である。
【図3】リングギヤ上のa、b、cの各計測区間を説明
するための図である。
【図4】失火パラメータMISBの計算を説明するため
の波形図である。
【図5】失火パラメータMISAの計算を説明するため
の波形図である。
【図6】失火判定を説明するためのフローチャートであ
る。
【図7】バイパス弁切換フラグの設定を説明するための
フローチャートである。
【図8】排気温度Texhの特性図である。
【図9】三方向弁9の駆動を説明するためのフローチャ
ートである。
【図10】第2実施形態のバイパス弁切換フラグの設定
を説明するためのフローチャートである。
【図11】第3実施形態の失火パラメータの算出を説明
するためのフローチャートである。
【図12】第3実施形態の主通路側バルブ6aの開度制
御を説明するためのフローチャートである。
【図13】第3実施形態の主通路側バルブ6a開度の特
性図である。
【図14】第3実施形態のステップ数に対する主通路側
バルブ6a開度の特性図である。
【図15】従来例の制御システム図である。
【図16】第1の発明のクレーム対応図である。
【図17】第4の発明のクレーム対応図である。
【図18】第5の発明のクレーム対応図である。
【図19】第6の発明のクレーム対応図である。
【図20】第7の発明のクレーム対応図である。
【図21】第8の発明のクレーム対応図である。
【図22】第9の発明のクレーム対応図である。
【図23】第10の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
3 排気管 3a 主通路 3b バイパス通路 4 フロント触媒 6 バイパス弁 6a 主通路側バルブ 21 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 362 F02D 45/00 362E 362F 368 368Z 370 370B F02P 17/12 F02P 17/00 E ZAB ZABF (72)発明者 伊藤 泰之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気管の上流で主通路とバイパス通路に分
    岐して主通路に触媒を設置し、排気の流れを主通路とバ
    イパス通路とに切換える弁を設ける一方、 排気温度が所定値未満の領域において前記触媒の温度上
    昇を許容できる失火範囲にあるかどうかを判定する手段
    と、 この判定結果より排気温度が所定値未満の領域において
    前記触媒の温度上昇を許容できる失火範囲にある場合に
    前記触媒側に、また排気温度が所定値未満の領域におい
    て前記触媒の温度上昇を許容できる失火範囲にない場合
    に前記バイパス通路にそれぞれ排気が流れるように前記
    切換弁を切換える手段とを設けたことを特徴とするエン
    ジンの排気浄化装置。
  2. 【請求項2】排気温度が所定値未満の領域において前記
    触媒の温度上昇を許容できる失火範囲にない場合でかつ
    排気温度が前記所定値より小さな第2の所定値未満であ
    るとき前記触媒側に排気が流れるように前記切換弁を切
    換えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排
    気浄化装置。
  3. 【請求項3】前記触媒の温度上昇を許容できる失火範囲
    にあるかどうかを失火パラメータに基づいて判定するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの排
    気浄化装置。
  4. 【請求項4】前記触媒の温度上昇を許容できる失火範囲
    にあるかどうかを失火パラメータに基づいて判定する手
    段は、燃焼行程に対応する所定のクランク角度区間に要
    する時間を気筒別に計測する手段と、この気筒別の時間
    計測値を点火毎に記憶する手段と、これらの記憶値のう
    ち失火気筒とエンジン一回転前の対向気筒との時間計測
    値差に失火気筒とエンジン一回転後の対向気筒との時間
    計測値差を加えた値に基づく失火パラメータを演算する
    手段と、この演算された失火パラメータと判定値との比
    較により失火パラメータが判定値未満であるとき前記触
    媒の温度上昇を許容できる失火範囲にあると、またそれ
    以外のとき前記触媒の温度上昇を許容できる失火範囲に
    ないと判定する手段とからなることを特徴とする請求項
    3に記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 【請求項5】前記触媒の温度上昇を許容できる失火範囲
    にあるかどうかを失火パラメータに基づいて判定する手
    段は、燃焼行程に対応する所定のクランク角度区間に要
    する時間を気筒別に計測する手段と、この気筒別の時間
    計測値を点火毎に記憶する手段と、これらの記憶値のう
    ち失火気筒と一点火前の気筒との時間計測値差と、失火
    気筒と現在の気筒との時間計測値差とを所定割合で加え
    た値に基づく失火パラメータを演算する手段と、この演
    算された失火パラメータと判定値との比較により失火パ
    ラメータが判定値未満であるとき前記触媒の温度上昇を
    許容できる失火範囲にあると、またそれ以外のとき前記
    触媒の温度上昇を許容できる失火範囲にないと判定する
    手段とからなることを特徴とする請求項3に記載のエン
    ジンの排気浄化装置。
  6. 【請求項6】前記触媒の温度上昇を許容できる失火範囲
    にあるかどうかを失火パラメータに基づいて判定する手
    段は、燃焼行程に対応する所定のクランク角度区間に要
    する時間を気筒別に計測する手段と、この気筒別の時間
    計測値を点火毎に記憶する手段と、これらの記憶値のう
    ち失火気筒とエンジン一回転前の対向気筒との時間計測
    値差に失火気筒とエンジン一回転後の対向気筒との時間
    計測値差を加えた値に基づく第1失火パラメータまたは
    失火気筒と一点火前の気筒との時間計測値差と、失火気
    筒と現在の気筒との時間計測値差とを所定割合で加えた
    値に基づく第2失火パラメータを演算する手段と、この
    演算された各失火パラメータと判定値との比較によりい
    ずれも判定値未満であるとき前記触媒の温度上昇を許容
    できる失火範囲にあると、またそれ以外のとき前記触媒
    52の温度上昇を許容できる失火範囲にないと判定する
    手段とからなることを特徴とする請求項3に記載のエン
    ジンの排気浄化装置。
  7. 【請求項7】排気管の上流で主通路とバイパス通路に分
    岐して主通路に触媒を設置し、主通路側を流れる排気流
    量とバイパス通路側を流れる排気流量の各割合を調整可
    能な弁を設ける一方、 排気温度が所定値未満の領域で失火パラメータが失火程
    度の大きな値になるほど前記主通路側を流れる排気流量
    の割合が小さくなる向きに前記流量割合調整弁を制御す
    る手段を設けたことを特徴とするエンジンの排気浄化装
    置。
  8. 【請求項8】排気管の上流で主通路とバイパス通路に分
    岐して主通路に触媒を設置し、主通路側を流れる排気流
    量とバイパス通路側を流れる排気流量の各割合を調整可
    能な弁を設ける一方、 排気温度が所定値未満の領域で失火パラメータと排気温
    度に応じ、排気温度が一定の条件で失火パラメータが失
    火程度の大きな値になるほど前記主通路側を流れる排気
    流量の割合が小さくなる向きに、また失火パラメータが
    一定の条件で排気温度が高くなるほど前記主通路側を流
    れる排気流量の割合が小さくなる向きに前記流量割合調
    整弁を制御する手段を設けたことを特徴とするエンジン
    の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】前記失火パラメータを演算する手段は、燃
    焼行程に対応する所定のクランク角度区間に要する時間
    を気筒別に計測する手段と、この気筒別の時間計測値を
    点火毎に記憶する手段と、これらの記憶値のうち失火気
    筒とエンジン一回転前の対向気筒との時間計測値差に失
    火気筒とエンジン一回転後の対向気筒との時間計測値差
    を加えた値に基づく失火パラメータを演算する手段とか
    らなることを特徴とする請求項7または8に記載のエン
    ジンの排気浄化装置。
  10. 【請求項10】前記失火パラメータを演算する手段は、
    燃焼行程に対応する所定のクランク角度区間に要する時
    間を気筒別に計測する手段と、この気筒別の時間計測値
    を点火毎に記憶する手段と、これらの記憶値のうち失火
    気筒と一点火前の気筒との時間計測値差と、失火気筒と
    現在の気筒との時間計測値差とを所定割合で加えた値に
    基づく失火パラメータを演算する手段とからなることを
    特徴とする請求項7または8に記載のエンジンの排気浄
    化装置。
  11. 【請求項11】前記排気温度をエンジンの負荷と回転数
    から推定することを特徴とする請求項1から10までの
    いずれか一つに記載のエンジンの排気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009144678A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Toyota Motor Corp 触媒バイパス制御装置

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JP2007231905A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Nissan Motor Co Ltd エンジンの失火検出装置および失火検出方法
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