JPH09256591A - サイディング固定用金物およびサイディングの固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイディングを所定の位置に正確かつ簡単に
固定することができるサイディング固定用金物およびサ
イディングの固定構造を提供すること。 【解決手段】 サイディング固定用金物1を、壁面に固
定される帯状をなす固定帯部2と、この固定帯部2に、そ
の長手方向に所定間隔で設けられ、サイディング5を挾
持する複数の挾持片5で構成し、前記固定帯部2を壁面に
固定することで、サイディング5を挾持する挾持片5を所
定間隔で壁面上に配置し、これら挾持片間にサイディン
グ5を挿入して該挾持片でサイディング5を挾持すること
によって、サイディング5を所定の位置に簡単かつ確実
に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外側の壁面
等にサイディングを固定するためのサイディング固定用
金物およびこの固定用金物を用いたサイディングの固定
構造に関する。

【０００２】

【背景の技術】近年、住宅の構築についてはその工業化
が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工
場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを
組み立てることにより、住宅を構築するといったパネル
工法が一部に採用されている。このようなパネル工法に
用いられるパネルとして、例えば壁パネルとしては、２
本の縦桟材と２本の横桟材とを矩形枠状に組み立てると
ともに、この矩形枠の内部に補強桟材を縦横に組んで枠
体とし、さらに、この枠体内にグラスウール等の断熱材
を充填した状態で枠体の表裏両面に合板等の面材を貼着
したものが一般的である。

【０００３】そして、上記壁パネルを用いて外壁を形成
するには、壁パネルの側端面どうしを接合することによ
り、壁パネルどうしを連結して外壁全体を構築した後、
この外壁の外面側に防水シートを貼着し、さらにその上
に横方向あるいは縦方向に複数枚の胴縁を釘打ちによっ
て取付け、次いで、これら胴縁の上に、軽量気泡コンク
リートなどからなるサイディングを釘打ちによって取付
け固定している。このサイディングの取付けは、例え
ば、サイディングが横貼りの場合、基礎と１階床との境
界部分を基準として、この基準位置から順次上方に同幅
のサイディング材を貼り上げていくことにより行なわれ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような外壁の施工方法では、胴縁の取付けや、サイデ
ィングの取付けなどが現場施工となってしまうことか
ら、これが工業化を損なう要因の一つとなっていた。そ
こで、工場等において壁パネルあるいは複数の壁パネル
を連結してなる連結壁パネルに予めサイディングを固定
しておくことが考えられる。この場合、各壁パネルごと
に複数のサイディングを固定するが、これらサイディン
グを固定する場合、サイディングが固定された壁パネル
を現場で組み付けた際に、壁パネル間でサイディングの
上下方向の固定位置が等しくなるように、サイディング
を固定しなければならないので、壁パネルごとのサイデ
ィングの固定作業が容易ではないという問題があった。

【０００５】また、壁パネルに釘打ちによってサイディ
ングを固定しているため、この固定作業に手間がかかる
とともに、釘打ちの際にサイディングが破損したりする
と、破損部分を修復したり、サイディング自体を取り替
えたりする必要があり、この点においても手間がかかる
という問題があった。

【０００６】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、複数のサイディングを所定の位置に正確かつ簡単に
固定することができるサイディング固定用金物およびサ
イディングの固定構造を提供することを目的としてい
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１のサイディング固定用金物は、例
えば図１〜図３に示すように、壁面（壁パネル１０の壁
面）に複数のサイディング５…を上下に突き合わせて固
定するためのサイディング固定用金物１であって、前記
壁面に固定される帯状をなす固定帯部２と、この固定帯
部２に、その長手方向に所定間隔で設けられ、前記サイ
ディング５を挾持する少なくとも３つ以上の挾持片３…
で構成したものである。

【０００８】前記固定帯部２は、壁パネル１０のサイデ
ィングを取付けるべき壁面に、上下に向けて配置され釘
１２等によって固定される。したがって、固定帯部２に
は所定間隔で釘１２を通すための穴４が形成されてい
る。また、固定帯部２は、壁パネル１０の壁面に直接固
定するか、あるいは、壁パネル１０の壁面に胴縁１１を
釘打ち等によって固定し、この胴縁１１に固定する。前
記挾持片３…は、サイディング５の上下の幅とほぼ等し
い間隔で固定帯部２に設ける。また、前記挾持片は、固
定帯部２に溶接等によって固着するか、あるいは、固定
帯部２に、一辺を残して切り込みを入れ、裏から打ち抜
くことによって形成する。

【０００９】請求項１のサイディング固定用金物１にあ
っては、その固定帯部２を壁パネル１０の壁面に固定す
ることで、サイディング５を挾持する挾持片３…が所定
間隔で壁面上に配置され、これら挾持片間にサイディン
グ５を挿入して該挾持片３でサイディング５を挾持する
ことによって、サイディング５を釘を用いることなく簡
単に固定できるとともに、壁パネル間でサイディング５
の上下方向の固定位置が等しくなる。

【００１０】請求項２のサイディング固定用金物２１
は、請求項１において、例えば図４に示すように、前記
固定帯部２に、該固定帯部２の強度を補強する補強部２
２，２２を固定帯部２の長手方向に沿って形成したもの
である。前記補強部２２，２２は、例えば、固定帯部２
の両縁部を、背面側に略直角に折り曲げて形成したり、
また、固定帯部の両縁部に長手方向に延在する補強リブ
を形成したりして構成する。補強リブを形成する場合、
固定帯部の表面に、成形時に圧力を加えることなどによ
って凹部を付与して裏面側に凸部を形成する。さらに、
前記補強部は、固定帯部の両縁部に設けてもよいし、片
側の縁部にだけ設けてもよい。

【００１１】請求項２のサイディング固定用金物２１に
あっては、固定帯部２は長尺なものであるが、この固定
帯部２に補強部２２，２２を長手方向に形成すること
で、該固定帯部２の強度（曲げ強度等）を十分に得るこ
とができ、よって、サイディング固定用金物２１の壁面
等への取付けを容易に行うことができる。また、補強部
２２，２２を、前記固定帯部２の両縁部を背面側に略直
角に折り曲げて形成したり、前記のような補強リブを形
成したりして、固定帯部の裏面側から突出させれば、サ
イディング固定用金物が取付られる壁面と、サイディン
グとの間に隙間が形成され、この隙間において通気を確
保することができる。

【００１２】請求項３のサイディング固定用金物１は、
請求項１または２において、前記挾持片３を、上下に隣
接するサイディング５，５のうち、上方のサイディング
５の下部を前記固定帯部２との間で挟み込む挟込み部６
と、この挟込み部６の先端部に設けられて、下方のサイ
ディング５の上端部を上方から押え込む押え込み部７と
から構成したものである。

【００１３】前記挾持片３の挟込み部６は、固定帯部２
から斜め上方に鋭角的に立ち上がるようにして形成さ
れ、該挟込み部６の上面と固定帯部２との間に上方のサ
イディング５の下部が挟み込まれるようになっている。
前記押え込み部７は、挟込み部６の上端部から下方に折
曲するようにして設けられ、その下面で下方のサイディ
ング５の上端部を上方から押え込むようになっている。

【００１４】請求項３のサイディング固定用金物１にあ
っては、その固定帯部２を壁パネル１０の壁面に固定し
た後、下方から上方に向けて順次サイディング５を挾持
片間に挿入して固定する際において、まず、最下方に位
置する１番目の挾持片３の挟込み部６と固定帯部２との
間に１番目のサイディング５の下部を挿入して挾持して
から、該サイディング５の上部を上側に隣接する２番目
の挾持片３の押え込み部７によって上方から支持する。

【００１５】次いで、前記２番目の挾持片３の挟込み部
６と固定帯部２との間に２番目のサイディング５の下部
を挿入して挾持する。すると、２番目の挾持片３が２番
目のサイディング５の下部によって下方に押圧され、こ
れによって、２番目の挾持片３の押え込み部７が下方に
押圧されて、該押え込み部７によって、１番目のサイデ
ィング５の上部が上方から押さえ込まれる。そして、同
様にして順次３番目、４番目…のサイディング５…を上
下に隣接する挾持片３，３によって挾持していくことに
よって、複数のサイディング５を釘を用いることなく簡
単に固定できるとともに、壁パネル間でサイディングの
上下方向の固定位置が等しくなる。

【００１６】請求項４のサイディング固定用金物１は、
請求項３において、前記挾持片３の押え込み部７の先端
部に、下方のサイディング５を固定する際に、その上端
部が当接することによって、挾持片３を弾性的に撓ませ
て下方のサイディング５の上端部を前記押え込み部７の
下方に案内するガイド部８を形成したものである。この
ガイド部８は、前記押え込み部７の先端部から上方に折
曲するようにして設けられ、その下面に下方のサイディ
ング５の上端部が当接することにより、挾持片３を弾性
的に撓ませるようになっている。

【００１７】請求項４のサイディング固定用金物１にあ
っては、サイディング５を挾持片間に挿入して固定する
際において、該サイディング５の下部を下方の挾持片３
と固定帯部２との間に挿入してから、前記サイディング
５の上部を上方の挾持片３のガイド部８に当接してこれ
を押圧することによって、該挾持片３が弾性的に撓ん
で、前記サイディング５の上端部が前記押え込み部７の
下方に案内されるので、サイディング５の上端部を押え
込み部７の下方に容易に押し込むことができる。

【００１８】請求項５のサイディングの固定構造は、壁
面に、請求項１〜４のいずれかのサイディング固定用金
物によって、サイディングを固定する固定構造であっ
て、例えば、図２に示すように、上下に隣接するサイデ
ィング５，５のうち、上方のサイディング５の下部に、
前後に凸部５ａ，５ｂを形成するとともに、これら凸部
間に凹部５ｃを形成し、前記挾持片３と固定帯部２との
間に、前記上方のサイディング５の後の凸部５ｂを挿入
し、該上方のサイディング５の凹部５ｃに、下方のサイ
ディング５の上端部を、前記挾持片３によって上から押
さえ込んだ状態で嵌合し、さらに、前記下方のサイディ
ング５の上端部に、前記上方のサイディング５の前の凸
部５ａを係合したものである。

【００１９】請求項５のサイディングの固定構造にあっ
ては、挾持片３と固定帯部２との間に、上方のサイディ
ング５の後の凸部５ｂを挿入することによって、挾持片
３が下方に押圧される一方、上方のサイディング５の凹
部５ｃに、下方のサイディング５の上端部が嵌合されて
いるので、該下方のサイディング５の上端部は前記挾持
片３によって上から押さえ込んだ状態で支持され、これ
によって、サイディング５は上下に隣接する挾持片３，
３によって挾持される。

【００２０】また、下方のサイディング５の上端部に、
前記上方のサイディング５の前の凸部５ａを係合してい
るので、下方のサイディング５は上方のサイディング５
によって、傾倒が防止される。さらに、上方のサイディ
ング５の凹部５ｃに挾持片３が下方のサイディング５の
上端部とともに嵌合しているので挾持片３および下方の
サイディング５の上端部は前記凹部５ｃによって隠され
て外からは見えないので、サイディング５が取付けられ
た壁としての外観意匠性もよい。

【００２１】請求項６のサイディングの固定構造は、請
求項５において、前記下方のサイディング５の上端部
に、前記挾持片３が上から押さえ込んだ状態で係合する
係合部５ｄを形成したものである。この係合部５ｄは、
例えば、断面三角形状に形成し、これに挾持片３の下面
が係合するようにする。

【００２２】請求項６のサイディングの固定構造にあっ
ては、挾持片３と固定帯部２との間に、上方のサイディ
ング５の後の凸部５ｂを挿入することによって、挾持片
３が下方に押圧される一方、上方のサイディング５の凹
部５ｃに、下方のサイディング５の上端部が嵌合されて
いるので、該下方のサイディング５の上端部は前記挾持
片３によって上から押さえ込んだ状態で支持されるが、
該サイディング５の上端部に係合部５ｄが形成されてい
るので、この係合部５ｄに挾持片３が係合することによ
って、サイディング３をより確実に固定することができ
る。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を説明する。図１は、本発明に係るサイ
ディング固定用金具の一例を示す斜視図、図２は、図１
に示すサイディング固定用金具によってサイディングを
固定した状態を示す断面図、図３は、同斜視図である。

【００２４】これらの図に示すサイディング固定用金物
１は、壁面に固定される帯状をなす固定帯部２と、この
固定帯部２にその長手方向に一定間隔で溶接等によって
設けられ、サイディングを挾持する複数の挾持片３…で
構成されており、固定帯部２には、上下に所定間隔で釘
を通すための穴４…が形成されている。

【００２５】前記挾持片３は、図１および図２に示すよ
うに、上下に隣接するサイディング５，５のうち、上方
のサイディング５の下部を前記固定帯部２との間で挟み
込む挟込み部６と、この挟込み部６の先端部に設けられ
て、下方のサイディング５の上端部を上方から押え込む
押え込み部７と、この押え込み部７の先端部に設けられ
たガイド部８とから構成されている。

【００２６】前記挟込み部６は、固定帯部２から斜め上
方に鋭角的に立ち上がるようにして形成されたもので、
該挟込み部６の上面と固定帯部２との間に上方のサイデ
ィング５の下部が挟み込まれるようになっている。前記
サイディング５は、軽量気泡コンクリート等の無機質系
の材料からなるもので、その下部には、前後に凸部５
ａ，５ｂが形成されるとともに、これら凸部５ａ，５ｂ
間に凹部５ｃが形成されている。前記後の凸部５ｂは楔
状をなすもので、該凸部５ｂが前記挾持片３の挟込み部
６と固定帯部２との間に上方から挿入されるようになっ
ている。

【００２７】前記押え込み部７は、前記挟込み部６の上
端部から下方に折曲するようにして形成されたもので、
その下面で下方のサイディング５の上端部を上方から押
え込むようになっている。前記サイディング５の上端部
には、断面三角形状をなす係合部５ｄが形成されてお
り、この係合部５ｄに前記押え込み部７の下面が係合す
るようになっている。

【００２８】前記ガイド部８は、前記押え込み部７の先
端部から上方に折曲するようにして形成されたもので、
サイディング５の上端部を固定する際に、該上端部が当
接することによって、挾持片３をその基端部から弾性的
に撓ませてサイディング５の上端部を前記押え込み部７
の下方に案内するようになっている。

【００２９】次に、上記構成のサイディング固定用金物
１を用いてサイディング５…を壁パネル１０，１０に固
定していく方法について説明する。まず、壁パネル１
０，１０のサイディング５…を固定すべき面側に、胴縁
１１，１１を取付ける。該胴縁１１を取付ける場合、壁
パネル１０の縦の桟材１０ａに胴縁１１を沿わせて配置
したうえで、釘を桟材１０ａまで打ち込むことによって
取付ける。

【００３０】なお、図示は省略するが、壁パネル１０の
サイディング５を固定すべき面には、胴縁１１を取付け
る前に、透湿防水シートを貼設する。この透湿防水シー
トは、水は透過せず水蒸気は透過するミクロなポアを有
したポリエチレンの不織布からなるものであり、具体的
にはタイベック（商品名：デュポン社製）等からなるも
のである。

【００３１】次いで、前記胴縁１１にサイディング固定
用金物１の固定帯部２を固定する。この場合、壁パネル
１０の上下端のいずれかに、固定帯部２の上下端を合わ
せて配置し、固定帯部２の穴４から釘１２を胴縁１１に
打ち込むことによって、サイディング固定用金物１を固
定する。したがって、互に横方向に隣接するサイディン
グ固定用金物１，１においては、それらの挾持片３…が
同高さ位置に配置されることになる。

【００３２】次に、最下方に位置する１番目の挾持片３
の挟込み部６と固定帯部２との間にサイディング５の下
部の後の凸部５ｂを挿入してから、該凸部５ｂを支点と
してサイディング５を固定帯部２側に向けて起こし、そ
の上端部の係合部５ｄで、前記１番目の挾持片３の上方
に位置する２番目の挾持片３のガイド部８を押圧する。
すると、２番目の挾持片３がその基端部から弾性的に撓
み、さらに前記係合部５ｄを押圧すると、該係合部５ｄ
がガイド部８によって押え込み部７の下方に案内され、
前記挾持片３が弾性復帰することによって、前記係合部
５ｄに押え込み部７が上方から係合する。

【００３３】次いで、前記２番目の挾持片３の挟込み部
６と固定帯部２との間に２番目のサイディング５の下部
の後の凸部５ｂを挿入する。すると、２番目の挾持片３
が前記２番目のサイディング５の凸部５ｂによって下方
に押圧される。これに伴って２番目の挾持片３の押え込
み部７が下方に押圧されて、該押え込み部７によって、
１番目のサイディング３の上部の係合部５ｄが上方から
押さえ込まれる。また、２番目のサイディング３の下部
の凹部５ｃに、１番目のサイディング５の上端部を、前
記挾持片３の押え込み部７によって上から押さえ込んだ
状態で嵌合するとともに、１番目のサイディング５の上
端部前面に形成された段部５ｅに２番目のサイディング
５の下部の前の凸部５ａを係合する。

【００３４】したがって、前記１番目のサイディング５
は、その上端部の係合部５ｄが２番目の挾持片３の押え
込み部７によって上から押さえ込んだ状態で支持される
とともに、２番目のサイディング５の凸部５ａが１番目
のサイディング５の段部５ｅに係合することで、傾倒が
防止されつつ確実に固定される。

【００３５】そして、同様にして順次３番目、４番目…
のサイディング５…を上下に隣接する挾持片３，３によ
って挾持していく。このようにすれば、複数のサイディ
ング５を釘を使用することなく簡単に固定できるととも
に、壁パネル１０の所定の位置にサイディング５を固定
することができる。したがって、工場等において壁パネ
ル１０に予めサイディング５…を固定しておく場合にお
いても、壁パネル間でサイディング５…の上下方向の固
定位置を等しくすることができる。

【００３６】また、上方のサイディング５の下部の凹部
５ｃに挾持片３が下方のサイディング５の上端部ととも
に嵌合しているので挾持片３および下方のサイディング
５の上端部は前記凹部５ｃによって隠されて外からは見
えないので、サイディング５…が取付けられた壁として
の外観意匠性もよい。

【００３７】図４は本発明のサイディング固定用金物の
その他の例を示すものである。この図に示すサイディン
グ固定用金物２１が前記図１〜図３に示すサイディング
固定用金物１と異なる点は、固定帯部２に、補強部２
２，２２を形成した点であるので、この点について説明
し、その他の共通部分には同一符号を付してその説明を
省略する。

【００３８】すなわち、前記補強部２２，２２は固定帯
部２の長手方向に沿う両縁部を背面側に略直角に折り曲
げて形成されたもので、これによって長尺な固定帯部２
の曲げ強度を補強している。また、前記補強部２２，２
２間の距離は、前記胴縁１１の幅とほぼ等しく設定され
ており、該補強部２２，２２で前記胴縁１１を挟み込む
とともに、固定帯部２に形成された穴４…から釘を胴縁
１１に打ち込むことによって、サイディング固定用金物
２１を胴縁１１に強固に取付けることができるようにな
っている。また、各挾持片３は、固定帯部２に一辺を残
して切り込みを入れ、裏から打ち抜くことによって形成
されている。したがって、前記サイディング固定用金物
１のように、挾持片３を溶接によって固定する必要がな
いという利点がある。

【００３９】前記サイディング固定用金物２１において
は、固定帯部２の両縁部に補強部２２，２２を形成する
ことで、該固定帯部の強度（曲げ強度等）を十分に得る
ことができ、よって、サイディング固定用金物２１の壁
面等への取付けを容易に行うことができる。

【００４０】なお、本発明のサイディング固定用金物お
よびサイディングの固定構造は、工場等で壁パネルに予
めサイディングを固定する場合、あるいは、現場で壁に
サイディングを固定する場合のいずれにも適用すること
ができる。また、上記の二つの例では、サイディング固
定用金物１，２１を胴縁１１を介して壁パネル１０に固
定したが、これに限らず、サイディング固定用金物１を
直接壁パネル１０に固定してもよい。サイディング固定
用金物２１を直接壁パネル１０に固定する場合、前記補
強部２２，２２を壁パネル１０に当接して固定すること
によって、壁パネル１０の壁面と、サイディング５との
間に隙間が形成され、この隙間において通気を確保する
ことができる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
のサイディング固定用金物は、壁面に固定される帯状を
なす固定帯部と、この固定帯部に、その長手方向に所定
間隔で設けられ、サイディングを挾持する複数の挾持片
で構成したものであるから、前記固定帯部を壁面に固定
することで、サイディングを挾持する挾持片が所定間隔
で壁面上に配置される。したがって、これら挾持片間に
サイディングを挿入して該挾持片でサイディングを挾持
することによって、サイディングを釘を用いることな
く、所定の位置に簡単かつ確実に固定することができ
る。また、工場等において壁パネルに予めサイディング
を固定しておく場合においても、壁パネルの所定の位置
にサイディングを固定することができるので、壁パネル
間でサイディングの上下方向の固定位置を等しくするこ
とができる。

【００４２】請求項２のサイディング固定用金物は、請
求項１において、前記固定帯部に、該固定帯部の強度を
補強する補強部を固定帯部の長手方向に沿って形成した
ものであるから、該固定帯部の強度（曲げ強度等）を十
分に得ることができ、よって、サイディング固定用金物
の壁面等への取付けを容易に行うことができる。また、
補強部を固定帯部の裏面から突出させて形成し、この補
強部を壁面に当接させれば、サイディング固定用金物が
取付られる壁面と、サイディングとの間に隙間が形成さ
れ、この隙間において通気を確保することができる。

【００４３】請求項３のサイディング固定用金物は、請
求項１または２において、前記挾持片を、上下に隣接す
るサイディングのうち、上方のサイディングの下部を前
記固定帯部との間で挟み込む挟込み部と、この挟込み部
の先端部に設けられて、下方のサイディングの上端部を
上方から押え込む押え込み部とから構成したものである
から、挟込み部と固定帯部との間に上方のサイディング
の下部を挿入することによって、挾持片が下方に押圧さ
れ、これによって、該挾持片の押え込み部が下方に押圧
され、該押え込み部によって、下方のサイディングの上
部が上方から押さえ込まれる。したがって、各サイディ
ングを上下に隣接する挾持片によって上下から確実に挾
持して固定することができる。

【００４４】請求項４のサイディング固定用金物は、請
求項３において、前記挾持片の押え込み部の先端部に、
下方のサイディングを固定する際に、その上端部が当接
することによって、挾持片を弾性的に撓ませて下方のサ
イディングの上端部を前記押え込み部の下方に案内する
ガイド部を形成したものであるから、サイディングの上
端部を押え込み部の下方に容易に押し込むことができ
る。

【００４５】請求項５のサイディングの固定構造は、上
下に隣接するサイディングのうち、上方のサイディング
の下部に、前後に凸部を形成するとともに、これら凸部
間に凹部を形成し、前記挾持片と固定帯部との間に、前
記上方のサイディングの後の凸部を挿入し、該上方のサ
イディングの凹部に、下方のサイディングの上端部を、
前記挾持片によって上から押さえ込んだ状態で嵌合し、
さらに、前記下方のサイディングの上端部に、前記上方
のサイディングの前の凸部を係合したものであるから、
各サイディングを上下に隣接する挾持片によって上下か
ら確実に挾持して固定することができる。

【００４６】また、下方のサイディングの上端部に、前
記上方のサイディングの前の凸部を係合しているので、
下方のサイディングは上方のサイディングによっても、
傾倒を防止することができる。さらに、上方のサイディ
ングの凹部に挾持片が下方のサイディングの上端部とと
もに嵌合しているので挾持片および下方のサイディング
の上端部は前記凹部によって隠されて外からは見えない
ので、サイディングが取付けられた壁としての外観意匠
性もよい。

【００４７】請求項６のサイディングの固定構造は、請
求項５において、前記下方のサイディングの上端部に、
前記挾持片が上から押さえ込んだ状態で係合する係合部
を形成したものであるから、この係合部に挾持片が係合
することによって、サイディングをより確実に固定する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るサイディング固定用金具の一例を
示す斜視図である。

【図２】図２に示すサイディング固定用金具によってサ
イディングを固定した状態を示す断面図である。

【図３】同、斜視図である。

【図４】本発明に係るサイディング固定用金具の他の例
を示す斜視図である。

【符号の説明】

１，２１ サイディング固定用金物 ２ 固定帯部 ３ 挾持片 ５ サイディング ５ａ 前の凸部 ５ｂ 後の凸部 ５ｃ 凹部 ５ｄ 係合部 ６ 挟込み部 ７ 押え込み部 ８ ガイド部 １０ 壁パネル ２２ 補強部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁面に複数のサイディングを上下に突き
   合わせて固定するためのサイディング固定用金物であっ
   て、 前記壁面に固定される帯状をなす固定帯部と、この固定
   帯部に、その長手方向に所定間隔で設けられ、前記サイ
   ディングを挾持する少なくとも３つ以上の挾持片で構成
   されていることを特徴とするサイディング固定用金物。
2. 【請求項２】 請求項１記載のサイディング固定用金物
   において、 前記固定帯部には、該固定帯部の強度を補強する補強部
   が固定帯部の長手方向に沿って形成されていることを特
   徴とするサイディング固定用金物。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載のサイディング固
   定用金物において、 前記挾持片が、上下に隣接するサイディングのうち、上
   方のサイディングの下部を前記固定帯部との間で挟み込
   む挟込み部と、この挟込み部の先端部に設けられて、下
   方のサイディングの上端部を上方から押え込む押え込み
   部とからなることを特徴とするサイディング固定用金
   物。
4. 【請求項４】 請求項３記載のサイディング固定用金物
   において、 前記挾持片の押え込み部の先端部には、下方のサイディ
   ングを固定する際に、その上端部が当接することによっ
   て、挾持片を弾性的に撓ませて下方のサイディングの上
   端部を前記押え込み部の下方に案内するガイド部が形成
   されていることを特徴とするサイディング固定用金物。
5. 【請求項５】 壁面に、請求項１〜４のいずれかのサイ
   ディング固定用金物によって、サイディングを固定する
   サイディングの固定構造であって、 上下に隣接するサイディングのうち、上方のサイディン
   グの下部には、前後に凸部が形成されるとともに、これ
   ら凸部間に凹部が形成され、 前記挾持片と固定帯部との間には、前記上方のサイディ
   ングの後の凸部が挿入され、 該上方のサイディングの凹部には下方のサイディングの
   上端部が、前記挾持片によって上から押さえ込まれた状
   態で嵌合され、 さらに、前記下方のサイディングの上端部には、前記上
   方のサイディングの前の凸部が係合されていることを特
   徴とするサイディングの固定構造。
6. 【請求項６】 請求項５記載のサイディングの固定構造
   において、 前記下方のサイディングの上端部には、前記挾持片が係
   合する係合部が形成されていることを特徴とするサイデ
   ィングの固定構造。