JPH09253437A - 除塵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下端を管板で支持した多孔質セラミックか
らなる複数の濾筒を具えた除塵装置において、除塵時に
濾筒内における粉塵の下方への移動と排出を容易にする
とともに、逆洗時に剥離粉塵の排出を速めることのでき
る除塵装置を提供する。 【解決手段】 多孔質セラミックからなる濾筒２が、略
鉛直な缶体内の上部管板３ａと下部管板３ｂとに各々両
端部を保持されて複数配置されている。含塵ガスは濾筒
２の内側に供給され、濾筒２の外側の清浄ガス室６に清
浄ガスとして取り出される。各清浄ガス室６より清浄ガ
スを取出す清浄ガス出口管には濾筒の内面に付着する粉
塵を払い落とす逆洗気体を噴射する逆洗装置を具えてい
る。含塵ガスが流入する濾筒１２の内側には略同軸に挿
入された円筒状の中子１４を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は除塵装置に関し、特
に石炭等の灰分を含む化石燃料を使用する燃焼設備、石
炭ガス化設備等から排出される含塵ガス用除塵装置や、
製鉄、セメント、化学プラント等の排ガスの除塵装置に
適用して有用な除塵装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】高圧高温の含塵ガス中の粉塵を除去する
ことが可能な多孔質セラミックス体で作られた濾筒を用
いた除塵装置が最近使用されるようになっている。図６
はそのような除塵装置の一例を示す構成図であり、図７
はそのような除塵装置の他の一例を示す構成図である。
図６に示す除塵装置は多孔質セラミックス体で作られた
濾筒２が略鉛直な缶体１内の上部管板３ａと下部管板３
ｂとに濾筒の各両端部を保持されて複数配置されてい
る。

【０００３】この除塵装置では、含塵ガス入口管４より
缶体上部空間５に含塵ガス１０が流入し、更に含塵ガス
が濾筒２の内側に供給され外側の清浄ガス室６へ出たガ
スは清浄ガス１１として取出され缶体１に設ける清浄ガ
ス出口管７より後流設備（図示しない）へと送られる。

【０００４】清浄ガス出口管７には、濾筒２の内面に捕
集された粉塵を払い落とし粉塵機能を回復させるため、
逆洗気体１２を噴射する逆洗ノズル２４を具備した複数
基の除塵装置が設けられる。複数基の除塵装置は除塵／
逆洗運転を切替える事で連続運転される。この種の除塵
装置では、濾筒２の内側はガスの流入、逆洗時の粉塵の
払い落としのため中空の空間となっている。

【０００５】特公平３−２４２５１号は下部ホッパ内か
ら含塵ガスを抜き取り、かつ、フィルタ下側出口流速を
０．３ｍ／ｓ以上４ｍ／ｓ以下に連続的に保持する方法
に係るものであり、特開平６−４７２２６号は含塵ガス
の導入部または導入配管にデイフューザが取り付けられ
下部ホッパ部の含塵ガスの一部分をガス導入部に還流す
る構成を開示しているが、いずれも下部ホッパから含塵
ガスを抜き取る操作を必須としている。

【０００６】図７は、図６に示す除塵装置を大容量化す
るため、缶体１内の中央部に上部管板３ａから下部管板
３ｂにわたり清浄ガス室６内に配設された円筒状の隔壁
２１により内筒部６ａと外筒部６ｂの２つのブロックに
分割したものである。

【０００７】隔壁２１には内筒部清浄ガス室６ａに連通
する内筒部清浄ガス出口管７ａが接続され、缶体１の側
部には外筒部清浄ガス室６ｂに連通する外筒部清浄ガス
出口管７ｂが接続されている。これら出口管７ａ，７ｂ
は同芯の二重管となっており、流出端部において合流し
清浄ガス管７に接続され後流側機器（図示せず）へと送
られる。

【０００８】内筒部、外筒部清浄ガス出口管７ａ，７ｂ
には逆洗ノズル１２が装着されており、各々逆洗制御弁
２３を介して逆洗用気体源２２に接続されている。この
ような除塵装置では逆洗シーケンスにより逆洗制御弁２
３を閉開して除塵／逆洗運転を切り替えることで連続運
転される。このように構成された除塵装置では、濾筒２
の内側はガスの流入、逆洗時の粉塵の払い落としのため
中空の空間となっている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の除塵装置に
あっては、含塵ガス１０から濾過された粉塵１３が濾筒
２の内面に付着・堆積する。従って清浄ガス出口管７に
設けた逆洗ノズル２４より逆洗気体１２を清浄ガス室６
内に噴射して清浄ガス室６内の圧力を高め濾筒２内面に
対し逆洗圧をかけて付着堆積した粉塵を剥離して下部ホ
ッパ８へと重力により落下をさせている。

【００１０】除塵装置の処理ガス量が大量となると、濾
過面積を増大する為、濾筒本数を増加する、または図６
に示すように清浄ガス室６内に配設された円筒状の隔壁
２１により内筒部６ａと外筒部６ｂの２つのブロックに
分割したもの、または単位濾筒を積み重ね１本の長尺の
濾筒とする方法がとられている。

【００１１】濾筒内面に付着堆積した粉塵を逆洗し粉塵
を下部ホッパ８に排出するには濾筒２を長手方向に一括
に逆洗する事が剥離粉塵の再付着を少なくできて有効で
あるが、大容量除塵装置にあっては濾筒２が長くなり、
長手方向に一括逆洗しても粉塵の落下速度が遅いと再付
着する粉塵の割合が多く、除塵装置の連続運転のための
有効な逆洗効果が得られないなどの問題がある。

【００１２】本発明は、上下端を管板で支持した多孔質
セラミックからなる複数の濾筒を具えた除塵装置におい
て、除塵時に濾筒内における粉塵の下方への移動と排出
を容易にするとともに、逆洗時に剥離粉塵の排出を速め
ることのできる除塵装置を提供することを課題としてい
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記したよう
に大容量除塵装置の逆洗性能が徐々に低下し濾筒圧損が
上昇し連続運転が困難となる問題点を解決するため、含
塵ガスが流入する濾筒の内側に略同軸となる円筒状の中
子を濾筒上端から下端まで挿入した除塵装置を提供す
る。

【００１４】この中子は含塵ガスの濾過時の濾筒内の下
降流速を速くし、逆洗時には洗浄ガス室に噴射された逆
洗気体が濾筒内面に吹き出して濾筒内を下降する時のガ
ス流速を速めて、粉塵の下部ホッパへの排出を速める。
なお、中子は濾筒の内径断面に対し１／２以上の断面を
有するものとするのが好ましい。

【００１５】上記構成をもつ本発明の除塵装置によれ
ば、含塵ガスが流入する濾筒の内側に略同軸となる円筒
状の中子を挿入してあるので、図５の「粉塵濾過時の濾
筒内ガス流速の変化」に示す如く、含塵ガス量を増加す
る事なく、即ち各濾筒の濾過速度を上げる事なく、濾過
時の濾筒内の下降流速を速くし、含塵ガス中の粉塵の濾
筒内の下方への移動と排出を容易とする。

【００１６】また、逆洗時には逆洗気体が濾筒内面に吹
き出して濾筒内を下降する時のガス流速を速めて、逆洗
により剥離した粉塵の下部ホッパへの排出を速め、優れ
た除塵・逆洗性能を得る。

【００１７】図５で、は中子を挿入しない従来の濾筒
の例を示し、は円筒状の中子を挿入した実施形態の場
合の例を示し、は後記するように濾筒上部に縮流を形
成する中子を挿入した実施形態の場合の例を示してい
る。

【００１８】前記した本発明による除塵装置において、
前記中子をその濾筒下部の径に比して上部の径を大きく
して縮流を形成しガス流速をあげて逆洗時に発生する上
昇流れを押え込み、粉塵が上部空間へ上昇するのを防ぎ
下部ホッパへの粉塵の排出を促進するようにするのが望
ましい。

【００１９】すなわち、中子の濾筒上部を下部に比して
径を大きくして縮流を形成し濾過時のガス流速をあげる
と、逆洗時に発生する上昇流れを押え、濾筒内に生じる
流れを下降流とし、逆洗により剥離した粉塵の下部ホッ
パへの排出を速め優れた除塵・逆洗性能を得ることがで
きる。

【００２０】従来の技術では、濾筒を細く製作する、濾
筒の径を下方に行くに従い徐々に小さくするなどの対応
が考えられるが、いずれも高圧高温下で大容量装置とし
て使うには実用的ではない。

【００２１】特公平３−２４２５１号公報及び特開平６
−４７２２６号公報には濾筒に流入するガス量を増加す
る方法が示されているが、本発明による除塵装置では何
らそのような装置、手段を要することなく濾筒に流入し
濾筒内を流れるガス流速を増加させることができる。

【００２２】濾筒内面には粉塵が捕集堆積するが、除塵
装置の濾過面積、含塵ガス中の粉塵濃度、濾過速度、逆
洗サイクルタイムなどを適正に選定することにより粉塵
層の厚さを調整でき、中子挿入による濾筒内の閉塞は何
ら問題ない。なお、本発明による除塵装置では全ての濾
筒に対し前記した中子を設けるのが好ましい。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、本発明による除塵装置につ
いて図１〜図４に示した実施の形態に基づいて具体的に
説明する。なお、以下の実施の形態において、図５，図
６に示した従来の装置と同じ構成の部分には説明を簡単
にするため同じ符号を付してある。

【００２４】（第１実施形態）まず図１及び図２に示し
た第１実施形態による除塵装置について説明する。この
第１実施形態による除塵装置では、図１に示すように、
多孔質セラミックス体で作られた複数の濾筒２が略鉛直
な缶体１内（図示省略）の上部管板３ａ、下部管板３ｂ
とに濾筒の各両端部を保持されて配置されている。

【００２５】各濾筒２に対し含塵ガス１０が上部空間５
より濾筒２の内側に流入し濾筒２の外側から清浄ガス１
１として取出され、缶体に設けられている清浄ガス出口
管より後流設備（図示しない）へと送られる。

【００２６】各濾筒２の内側には、濾筒２と略同軸とな
る円筒状の中子１４を挿入している。中子１４は頂部へ
の粉塵堆積を防止する為に上端部を円錐状とし、濾筒上
端部もしくは上部管板３ａより中子支持板１５を介して
ほぼ同軸となる様に吊り下げられる。高温下での濾筒２
との間に熱伸び差をとるため下端はフリーとし、好まし
くは振れ止めを設ける。中子１４は重量軽減のため中空
管とするのが好ましい。

【００２７】中子の材質は高温強度、耐熱衝撃性に優
れ、灰付着性の低い材料がよい。また、中子の大きさ
は、濾筒２の内径断面に対し１／２以上の断面とし濾筒
２内のガス下降流の速度が２倍以上になるようにしてす
るのが好ましい。なお、逆洗装置を含め、その他の構成
は図６，図７に示した除塵装置の構成と同様である。

【００２８】図１で、左側の濾筒２は除塵運転（濾過
中）時のガス流れを、右側濾筒は逆洗時の逆洗ガス流れ
を矢印で示している。ガスは図１に矢印で示すように濾
筒２と中子１４の間の円環空間内を流れる。

【００２９】（第２実施形態）次に図３及び図４に示し
た第２実施形態による除塵装置について説明する。この
第２実施形態による除塵装置では、濾筒２内に挿入され
た中子１２の上部が下部に比べて径を大きくしてある。
従って、濾筒２と中子１４の間を流れるガスは上端部で
縮流を形成し濾過時のガス流速をあげる。このようにし
て、この第２実施形態による除塵装置においては、逆流
時に発生する上昇ガス流（粉塵の吹き上げ）を押え、濾
筒２内に生じる流れを下降流としている。

【００３０】図３及び図４に示した第２実施形態による
除塵装置のその他の構成は、図１及び図２に示した第１
実施形態による除塵装置と同じである。なお、図３にお
いて、左側の濾筒は除塵運転（濾過中）時のガス流れ、
右側濾筒は逆洗時の逆洗ガス流れを矢印で示している。

【００３１】なおまた、前記した第１及び第２実施形態
による濾筒構成は、図６に示した形式の除塵装置と図７
に示したように缶体１内に隔壁２１を設けて濾筒を複数
個のブロックに分割した形式の除塵装置のいづれに対し
ても適用できる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明による除塵
装置においては、含塵ガスが流入する濾筒の内側に略同
軸となる円筒状の中子を挿入してあるので、含塵ガス量
を増加する手段を必要とせず、即ち各濾筒の濾過速度を
上げることなく、濾過運転時の濾筒内の下降流速を速く
し含塵ガス中の粉塵の濾筒内の下方への移動と排出を容
易とする。

【００３３】また、濾筒の逆洗時には逆洗気体が濾筒内
面に吹き出して濾筒内を下降するが、その時のガス流速
を速めて逆洗により剥離した粉じんの下部ホッパへの排
出を速め、優れた除塵逆洗性能を得ることができる。

【００３４】また、本発明による除塵装置において中子
の濾筒上部の径を下部に比して大きくしてそこに縮流を
形成し濾過時のガス流速をあげるようにしたものでは、
逆洗時に濾筒内に発生する上昇流れを押え、濾筒内に生
じる流れを下降流とし、逆洗により剥離した粉塵の下部
ホッパへの排出を速め優れた除塵逆洗性能を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態による除塵装置における
濾筒の構成を示す断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う平面図。

【図３】本発明の第２実施形態による除塵装置における
濾筒の構成を示す断面図。

【図４】図３のＢ−Ｂ線に沿う平面図。

【図５】本発明の実施形態にかゝる除塵装置における粉
塵濾過時の濾筒内ガス流速の変化を示すグラフ。

【図６】従来技術にかゝる除塵装置の一例を示す構成図
で、（イ）は縦断面図、（ロ）は横断面図。

【図７】従来技術にかゝる除塵装置の他の一例を示す構
成図。

【符号の説明】

１ 缶体 ２ 濾筒 ３ａ 上部管板 ３ｂ 下部管板 ４ 含塵ガス入口管 ５ 上部空間 ６ 清浄ガス室 ６ａ 内筒部清浄ガス室 ６ｂ 外筒部清浄ガス室 ７ 清浄ガス出口管 ７ａ 内筒部清浄ガス出口管 ７ｂ 外筒部清浄ガス出口管 ８ 下部ホッパ ９ 逆洗装置 １０ 含塵ガス １１ 清浄ガス １１ａ 内筒部清浄ガス １２ 逆洗気体 １１ａ 外筒部清浄ガス １３ 粉塵 １４ 中子 １５ 中子支持板 ２１ 隔壁 ２２ 逆洗用気体源 ２３ 逆洗制御弁 ２４ 逆洗ノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石神 重泰 長崎市飽の浦町１番１号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 (72)発明者 清家 彌十郎 長崎市深堀町５丁目717番１号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 高木 光治 長崎市飽の浦町１番１号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通気性を有する多孔質セラミックからな
   る濾筒が、略鉛直な缶体内の上部管板と下部管板とに各
   々両端部を保持されて複数配置され、含塵ガスが前記濾
   筒の内側に供給され、同濾筒の外側の清浄ガス室に清浄
   ガスとして取り出され、各清浄ガス室より清浄ガスを取
   出す清浄ガス出口管に前記濾筒の内面に付着する粉塵を
   払い落とす逆洗気体を噴射する逆洗装置とを具備した除
   塵装置において、含塵ガスが流入する前記濾筒の内側に
   略同軸に挿入された円筒状の中子を有することを特徴と
   する除塵装置。
2. 【請求項２】 請求項１の除塵装置において、前記中子
   が前記濾筒の内径断面に対して１／２以上の断面を有す
   る除塵装置。
3. 【請求項３】 請求項１の除塵装置において、前記中子
   を濾筒下部に比して上部の径を大きくして形成してある
   除塵装置。
4. 【請求項４】 請求項１の除塵装置において、前記中子
   が、複数の濾筒に好ましくは全ての濾筒に設置されてい
   る除塵装置。