JPH09253374A - ミシン用給油構造 - Google Patents

ミシン用給油構造

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JPH09253374A
JPH09253374A JP6268596A JP6268596A JPH09253374A JP H09253374 A JPH09253374 A JP H09253374A JP 6268596 A JP6268596 A JP 6268596A JP 6268596 A JP6268596 A JP 6268596A JP H09253374 A JPH09253374 A JP H09253374A
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oil
sewing machine
needle bar
supply structure
lubricating oil
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JP6268596A
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Kuniharu Sakuma
邦晴 佐久間
Shigeru Tamazawa
茂 玉沢
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミシンの軸受部位に対して潤滑油を確実に供
給し、かつ、この軸受部位から潤滑油が漏洩するのを確
実に防止すること。 【解決手段】 ミシン41の可動な被軸受部材29と、
保持部材11により保持され前記被軸受部材29を支持
する軸受部材36との軸受部位へ潤滑油8を供給するミ
シン用給油構造35において、前記軸受部材36の少な
くとも一部に潤滑油8が通過可能な軸受部材36の内外
を連通する複数の微細な連通孔を形成するとともに、こ
の複数の連通孔の少なくとも一部に接続された油溜39
を前記軸受部材36および前記保持部材11の少なくと
も一方に設けたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシンの針棒装置
や押え装置などの軸受部位に好適なミシン用給油構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ミシン(主に工業用ミシン)の
針棒は、縫製状態において縫製品の直上に位置し、上軸
に連動して上下方向に往復運動するように構成されてい
る。この針棒の上下方向への往復運動は、ミシン本体の
ミシンアームの一端部近傍、いわゆるミシン面部に配設
された軸受部材たる針棒軸受(すべり軸受)をもって摺
動可能に支持されている。そして、針棒と針棒軸受との
軸受部位には、ミシンの高速運転にともなって軸受部位
に摺動抵抗(摩擦抵抗)が生じて発熱し、この発熱に起
因して針棒が軸受と焼き付いてしまうという焼付損傷
や、軸受部位の摩耗による摩耗粉の発生を防止するため
に、軸受部位に潤滑膜を形成することのできる潤滑油を
強制的に供給するようになっている。
【0003】図15から図17は、軸受部位に潤滑油を
強制的に供給することのできる従来のミシンを示すもの
であり、図15に示すように、従来のミシン1のミシン
本体2は、下部にベッド3が配設され、上部にベッド3
と平行にしてミシンアーム4が配設されており、ベッド
3とミシンアーム4とは、ベッド3の右側に配設された
連結部5により連結され、全体として正面略コ字形状に
形成されている。
【0004】前記ベッド3の下部には、オイルパン6が
配設されており、オイルパン6の内部には、オイルポン
プ7が配設されている。そして、オイルパン6の内部の
下部には、例えば、動粘度5〜25cSt程度の低粘度
の潤滑油8が貯留されている。
【0005】前記ミシンアーム4の内部には、上軸9が
その軸芯をベッド3と略平行にして配設されている。こ
の上軸9の図15において右方に示す後端は、ミシン本
体2の外側に突出されており、このミシン本体2の外側
に突出した上軸9の後端部には、プーリ10が取着され
ている。そして、プーリ10には、ベッド3の下後端部
に配設された駆動モータの駆動力がタイミングベルト
(共に図示せず)などを介して伝達されるようになって
おり、駆動モータの駆動力により上軸9が回転駆動可能
に形成されている。さらに、ミシンアーム4の図15に
おいて左方に示す先端部近傍は、いわゆるミシン面部
(アーム面部)11とされており、このミシン面部11
の内部に、上軸9の図15において左方に示す先端が位
置するように形成されている。
【0006】前記上軸9は、ミシンアーム4の内部に配
設された3個の上軸軸受12により回転自在に支持され
ており、3個の上軸軸受12は、図15において左方に
示す先端部側から図15において右方に示す後端部側に
向かって順に、上軸前メタル12a、上軸中メタル12
b、上軸後メタル12cとされている。そして、上軸9
の上軸中メタル12bおよび上軸後メタル12cの中間
に位置する部位の外周面には、駆動用傘歯車13が取着
されており、この駆動用傘歯車13は、その下部に配設
された従動用傘歯車14と噛合されている。また、従動
用傘歯車14は、ミシン本体2の連結部5の内部を上下
方向に延在するようにして配設された連結軸15の上端
部に取着されており、この連結軸15の下端部は、ベッ
ド3の下部に配設されたオイルポンプ7の駆動軸7aに
接続されている。さらに、上軸9の内部(軸芯部)に
は、図15において右方に示す後端部側が有底とされた
油道16(図16)が形成されている。さらにまた、上
軸9には、油道16と上軸9の外周面とを連通するよう
に径方向に穿設された少なくとも3個の油孔17が設け
られている。この油孔17の内の1つの油孔17aは、
図15に示すように、上軸9の駆動用傘歯車13と上軸
後メタル12cとの間で従動用傘歯車14の上方に位置
する部位に設けられており、他の1つの油孔17bは、
図16に詳示するように、上軸中メタル12bの配設部
位に設けられており、残りの1つの油孔17cは、図1
5に示すように、上軸前メタル12cの配設部位に設け
られている。そして、上軸中メタル12bの配設部位に
設けられた油孔17bには、図16に詳示するように、
上軸中メタル12bに形成された供給口18を介してオ
イルポンプ7により汲み上げられた潤滑油8が上軸9の
内部に形成された油道16に供給されるようになってお
り、上軸9の内部の油道16に供給された潤滑油8は、
上軸9の内部の油道16を通って、他の油孔17a,1
7cおよび先端部へ達し、上軸9の回転運動による遠心
力によって上軸9の軸方向に対して直交する方向に形成
された各油孔17a,17cおよび先端部から吐出する
ようにされている。
【0007】前記上軸9の先端部近傍には、給油量調節
機構(図示せず)が配設されており、上軸9の上軸前メ
タル12cの配設部位に設けられた油孔17cおよび上
軸9の先端には、供給量が調節された潤滑油8が供給さ
れる。そして、上軸前メタル12cの配設部位に設けら
れた油孔17cに供給された潤滑油8は、上軸前メタル
12aに形成された連通孔19を通過して天秤装置20
の一部を構成する天秤クランク21(図17)の一端に
配設された天秤支え軸22の内部を通過して天秤支え軸
22に設けた潤滑油吐出孔(図示せず)などからミシン
面部11の内部に飛散するようにされている。
【0008】また、上軸9の先端部には、上軸9の油道
16に連通する給油孔(図示せず)を有する釣合錘23
が配設されている。この釣合錘23には、図15に示す
ように、天秤装置20(一部のみ図示)および針棒装置
24が接続されている。また、釣合錘23の図示しない
給油孔に供給された潤滑油8は、天秤装置20の天秤2
5および針棒装置24の針棒クランク26などに設けた
潤滑油吐出孔(図示せず)などからミシン面部11の内
部に飛散するようにされている。
【0009】前記針棒装置24は、図15に示すよう
に、上軸9の後端側から順に天秤25を介して釣合錘2
3に取着された針棒クランク26、この針棒クランク2
6に取着された針棒クランクロッド27および針棒クラ
ンクロッド27に針棒抱き28を介して上下運動可能に
配設された針棒29とにより構成されている。
【0010】また、前記ミシンアーム4のミシン面部1
1の内部には、図15に示すように、針棒29を上下方
向に垂直、かつ、上下方向に往復移動可能に支持する上
下1対の軸受部材たる針棒軸受30が配設されている。
この上下1対の針棒軸受30の内の、図15において上
方に示す一方は、全体がミシンアーム4のミシン面部1
1の内部に位置する針棒上メタル30aとされ、図15
において下方に示す他方は、その下端部がミシンアーム
4のミシン面部11の外側、すなわちミシン本体2の外
部に露出した針棒下メタル30bとされている。さら
に、前記ミシン面部11には、図17に示すように、押
え棒31を上下方向に垂直、かつ、上下方向に往復移動
可能に支持する軸受部材たる押え棒軸受32が配設され
ている。
【0011】また、ミシン面部11の内部の下部には、
環流パイプ33に接続された油環流フェルト34が配設
されており、ミシン面部11の内部に飛散して油環流フ
ェルト34に吸収された余剰の潤滑油9を、図示しない
環流ポンプによって環流パイプ33を介してオイルパン
6に環流するように構成されている。
【0012】このような従来のミシン1によれば、図1
5において矢印にて示すように、オイルパン6に貯留さ
れた潤滑油8は、上軸9の回転運動に連動して駆動する
駆動用傘歯車13と噛合する従動用傘歯車14を介して
回転駆動するオイルポンプ7により汲み上げられて、上
軸中メタル12bから上軸9の内部に形成された油道1
6に供給される。そして、上軸9の油道16に供給され
た潤滑油8は、油道16によって、上軸9の後端部側お
よび先端側へ導かれる。そして、上軸9の後端側へ導か
れた潤滑油8は、上軸9の後端側に設けられた油孔17
aから上軸9の回転運動による遠心力により吐出されて
駆動用傘歯車13および従動用傘歯車14の噛合部へ供
給された後に、ミシン本体2の連結部5を介してオイル
パン6に回収される。
【0013】また、上軸9の先端側へ導かれた潤滑油8
は、図示しない給油量調節機構によって給油量が調節さ
れた後、上軸9の先端側に設けられた油孔17cおよび
上軸9の先端を通って、図15および図17において矢
印にて示すように、天秤支え軸22や針棒クランク26
などに設けられた潤滑油吐出孔(共に図示せず)などか
らミシン面部11の内部に飛散(油飛散)してミシン面
部11の内部に配設された各部に付着し、この内、上下
運動する針棒29の外周面に付着した潤滑油8により、
針棒29と針棒軸受30との軸受部位に潤滑油8を強制
的に供給して針棒29と針棒軸受30との軸受部位に潤
滑膜を形成し、また、押え棒31の外周面に付着した潤
滑油8により、押え棒31と押え棒軸受32との軸受部
位に潤滑油8を強制的に供給して押え棒31と押え棒軸
受32との軸受部位に潤滑膜を形成することができるよ
うになっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ミシン1のミシン面部11に配設された針棒29と針棒
軸受30との軸受部位に対する潤滑油8の供給(給油)
は、ミシン面部11内に飛散させた潤滑油8を上下運動
する針棒29の外周面に付着させることにより行われて
おり、ミシン面部11の内部に飛散した潤滑油8が必ず
しも針棒29の外周面に付着するとは限らず、針棒29
と針棒軸受30との軸受部位に潤滑油8を常に確実に供
給するのが困難であるという問題点があった。
【0015】すなわち、針棒29と針棒軸受30の軸受
部位に対する潤滑油8の給油量が不安定となり、潤滑油
8の多い場合には、針棒下メタル30bと針棒29との
軸受部位からミシン本体2の外部に潤滑油8が漏洩して
縫製物を汚染する場合があり、また逆に、針棒29と針
棒軸受30との軸受部位に対する潤滑油8の給油量が少
ない場合には、針棒29と針棒軸受30とが焼付損傷し
たり、針棒29と針棒軸受30との少なくとも何れか一
方が摩耗して軸受機能を長期間に亘り保持することがで
きない場合があるという問題点があった。また、この針
棒29と針棒軸受30との軸受部位における縫製物の汚
染あるいは焼付損傷という問題点は、押え棒31と押え
棒軸受32との軸受部位、糸案内等を配設するための各
種の軸受孔などのミシン面部11に配設されるミシン本
体2の外部と連通した軸受部位においても同様に生じ
る。
【0016】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、ミシンの軸受部位に対して潤滑油を確実に供給
し、かつ、この軸受部位から潤滑油が漏洩するのを確実
に防止することのできるミシン用給油構造を提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明のミシン
用給油構造の特徴は、ミシンの可動な被軸受部材と、保
持部材により保持され前記被軸受部材を支持する軸受部
材との軸受部位へ潤滑油を供給するミシン用給油構造に
おいて、前記軸受部材の少なくとも一部に潤滑油が通過
可能な軸受部材の内外を連通する複数の微細な連通孔を
形成するとともに、この複数の連通孔の少なくとも一部
に接続された油溜を前記軸受部材および前記保持部材の
少なくとも一方に設けた点にある。
【0018】また、特許請求の範囲の請求項2に記載の
本発明のミシン用給油構造の特徴は、請求項1におい
て、前記油溜に油環流フェルトをもって潤滑油を供給可
能に形成した点にある。
【0019】また、特許請求の範囲の請求項3に記載の
本発明のミシン用給油構造の特徴は、請求項1または請
求項2において、潤滑油の供給源と前記油溜とを油供給
油芯をもって接続した点にある。
【0020】また、特許請求の範囲の請求項4に記載の
本発明のミシン用給油構造の特徴は、請求項1乃至請求
項3の何れか1項において、前記油溜を上向きに形成
し、ミシンが傾斜した際に前記油溜に貯留した潤滑油が
前記油溜から流出するのを防止する油保持手段を設けた
点にある。
【0021】また、特許請求の範囲の請求項5に記載の
本発明のミシン用給油構造の特徴は、請求項1乃至請求
項4の何れか1項において、前記軸受部材の少なくとも
一部を焼結金属または焼結樹脂により形成し、前記連通
孔を焼結金属または焼結樹脂の空隙により形成した点に
ある。
【0022】そして、このような構成を採用したことに
より、連通孔は、油溜に貯留した潤滑油を適正量だけ軸
受部位に確実に供給することができる。さらに、油溜
は、軸受部位の冷却効果を向上することもできる。ま
た、油環流フェルトは、潤滑油を確実に油溜に貯留する
ことができる。さらに、油供給油芯は、潤滑油をより確
実に油溜に供給することができる。さらにまた、油保持
手段は、保守などでミシンを傾斜させた際に、上向きに
形成した油溜に貯留した潤滑油が油溜から流出するのを
確実に防止することができる。また、焼結金属または焼
結樹脂は、油溜に貯留した潤滑油を軸受部位に供給する
連通孔を容易に形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態により説明する。なお、前述した従来のものと同一
ないしは相当する構成については、図面中に同一の符号
を付し、その説明は省略する。
【0024】図1は本発明に係るミシン用給油構造の第
1の実施の形態の要部を示す拡大縦断面図であり、図2
は本発明に係るミシン用給油構造の第1の実施の形態を
適用したミシンの給油系統図である。
【0025】図1および図2に示すように、本実施の形
態のミシン用給油構造35は、被軸受部材たる針棒29
を上下方向に垂直、かつ、上下方向に往復移動するよう
にして可動に支持する軸受部材たる針棒下メタル36を
有している。この針棒下メタル36は、ほぼ円筒形状に
形成されており、その下端部が針棒下メタル36の保持
部材たるミシン面部11の外部、すなわち、ミシン本体
2の外部に露出するようにしてミシン面部11の底壁に
配設されている。
【0026】前記針棒下メタル36は、例えば、粒子径
が5〜300μm程度で空孔が5〜40%程度の焼結金
属により形成されており、針棒下メタル36の内外を潤
滑油8が通過可能な複数の微細な連通孔(図示せず)を
有している。また、必要に応じて針棒下メタル36の下
端部を封孔処理するとよい。
【0027】ところで、本発明での焼結金属は、鉄系お
よび銅系の粉末を主体としたものである。
【0028】なお、針棒下メタル36としては、針棒下
メタル36の内外を潤滑油8が通過可能な複数の微細な
連通孔を有する他の構成、例えば、焼結樹脂、セラミッ
クスでもよく、特に、本実施の形態の構成に限定される
ものではない。
【0029】図1に詳示するように、前記針棒下メタル
36の外周面の軸芯方向の中央部よりやや上部には、環
状の針棒凹部37が形成されている。また、前記ミシン
面部11の底壁の針棒下メタル36の配設部位の上部に
は、環状の面部凹部38が形成されており、ミシン面部
11に形成された面部凹部38に対して針棒下メタル3
6に形成された針棒凹部37がほぼ対向するように配設
されている。
【0030】前記針棒下メタル36に形成された針棒凹
部37およびミシン面部11に形成された面部凹部38
により本実施の形態の油溜39が構成されている。
【0031】すなわち、本実施の形態の油溜39は、軸
受部材たる針棒下メタル36とミシン面部11との両者
に形成されているとともに、この油溜39は、保持部材
たるミシン面部11に上向きに形成され、かつ、針棒下
メタル36の複数の微細な連通孔の少なくとも一部に接
続されており、油溜39に貯留した潤滑油8が連通孔の
少なくとも一部に導入可能となっている。
【0032】前記針棒下軸受36および油溜39によ
り、本実施の形態のミシン用給油構造35が構成されて
いる。
【0033】なお、針棒凹部37としては、図3に示す
ように、針棒下メタル36の外周面の一部に複数の局部
的なへこみ40を設け、このへこみ40を針棒凹部37
とする構成としてもよく、設計コンセプトなどの必要に
応じて各種のバリエーションを選択することができる。
【0034】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0035】本実施の形態のミシン用給油構造35によ
れば、ミシン41のミシン面部11に配設された針棒2
9と針棒下メタル36との軸受部位に対する潤滑油8の
供給(給油)は、従来の天秤支え軸22や針棒クランク
26などに設けられた潤滑油吐出孔(共に図示せず)な
どからミシン面部11の内部に飛散(油飛散)させた潤
滑油8を上下運動する針棒29の外周面に付着させるこ
とに加え、ミシン面部11の内部に飛散してミシン面部
11の底壁に流下した潤滑油8を油溜39に貯留し、油
溜39に貯留した潤滑油8を針棒下メタル36の微細な
連通孔を介して針棒29と針棒下メタル36との軸受部
位に供給することができる。
【0036】すなわち、本実施の形態のミシン用給油構
造35の一部を構成する針棒下メタル36は、針棒29
と針棒下メタル36との軸受部位たる摺動部位において
潤滑油8が消費されると消費された量の潤滑油8を針棒
下メタル36の内外を連通する複数の微細な連通孔の一
部に接続されたミシン面部11の内部に開口する油溜3
9に貯留された潤滑油8から確実に補給することができ
る。
【0037】さらに説明すると、本実施の形態のミシン
用給油構造35の一部を構成する油溜39は、ミシン面
部11の内部に供給された潤滑油8を確実に貯留するこ
とができ、本実施の形態のミシン用給油構造35の一部
を構成する針棒下メタル36の複数の微細な連通孔は、
油溜39に貯留した潤滑油8を適正量だけ軸受部位に確
実に供給することができる。なお、予め油溜39に潤滑
油8を貯留するようにしてもよい。さらに、予め油溜3
9に潤滑油8を貯留するとともに油溜39の上部を閉塞
し、油溜39に定期的に潤滑油8を補給する構成として
もよい。
【0038】また、針棒下メタル36の複数の微細な連
通孔は、潤滑油8のゴミの濾過機能も有しているので、
良質の潤滑油8を軸受部位へ供給することができる。
【0039】さらに、油溜39に貯留した潤滑油8は、
針棒29と針棒下メタル36との軸受部位の発熱を吸収
することができるので、針棒29と針棒下メタル36と
の軸受部位の冷却効率を向上させることができる。
【0040】したがって、本実施の形態のミシン用給油
構造35によれば、針棒29と針棒下メタル36との軸
受部位に対して、潤滑膜を形成するための必要最小量
(多くもなく少なくもない)の潤滑油8を確実、かつ、
適正に供給することができるので、針棒29と針棒下メ
タル36との軸受部位の焼付損傷や摩耗を確実に防止す
ることができるとともに、軸受部位から潤滑油8が漏洩
するのを確実に防止し、潤滑油8による縫製物の汚染を
確実に防止することができるのでミシンの商品価値を向
上させることもできる。
【0041】また、針棒下メタル36に針棒凹部37を
設けることにより、油溜39に貯留した潤滑油8と軸受
部位との距離を短くする、すなわち、潤滑油8が通過す
る針棒下メタル36の肉厚を薄くすることにより、軸受
部位への潤滑油8の供給速度をより迅速にすることがで
きる。
【0042】図4は本発明に係るミシン用給油構造の第
2の実施の形態を示すものであり、本実施の形態のミシ
ン用給油構造35aは、ミシン面部11に面部凹部38
を形成せずに、針棒下メタル36の外周面の上部側を小
径とすることにより形成した環状の針棒凹部37bのみ
を油溜39aとしたものである。その他の構成は前述し
た第1の実施の形態のミシン用給油構造35と同様の構
成とされている。
【0043】このような構成の本実施の形態のミシン用
給油構造35aは、前述した第1の実施の形態のミシン
用給油構造35と同様の効果を奏する。
【0044】図5は本発明に係るミシン用給油構造の第
3の実施の形態を示すものであり、本実施の形態のミシ
ン用給油構造35bは、針棒下メタル36に針棒凹部3
7を形成せずに、ミシン面部11に形成した面部凹部3
8のみを油溜39bとしたものである。その他の構成は
前述した第1の実施の形態のミシン用給油構造35と同
様の構成とされている。
【0045】このような構成の本実施の形態のミシン用
給油構造35bは、前述した第1の実施の形態のミシン
用給油構造35と同様の効果を奏する。
【0046】図6および図7は本発明に係るミシン用給
油構造の第4の実施の形態を示すものであり、本実施の
形態のミシン用給油構造35cは、図6および図7にお
いてクロスハッチィングにて示す針棒下メタル36の一
部の必要部位にのみ複数の微細な連通孔を有する素材、
例えば、焼結金属または焼結樹脂を用いて形成したもの
である。その他の構成は前述した第3の実施の形態のミ
シン用給油構造35と同様の構成とされている。
【0047】このような構成の本実施の形態のミシン用
給油構造35cは、前述した第3の実施の形態のミシン
用給油構造35と同様の効果を奏するとともに、比較的
高価な複数の微細な連通孔を有する素材の部位を少なく
して、経済的負担の増加を低減することができる。ま
た、比較的強度の弱い複数の微細な連通孔を有する素材
を構造部材とすしなくてすむので、針棒下メタル36の
強度の低下を防止することができる。
【0048】図8は本発明に係るミシン用給油構造の第
5の実施の形態を示すものであり、本実施の形態のミシ
ン用給油構造35dは、油溜39に従来の油環流フェル
ト34の一部が位置するように形成したものである。す
なわち、油環流フェルト34をもってミシン面部11の
潤滑油8を油溜39に供給可能に形成したものである。
その他の構成は前述した第1の実施の形態のミシン用給
油構造35と同様の構成とされている。
【0049】このような構成の本実施の形態のミシン用
給油構造35dは、前述した第1の実施の形態のミシン
用給油構造35と同様の効果を奏するとともに、ミシン
面部11の内部に位置する潤滑油8を油環流フェルト3
4に含浸させて確実に油溜39に導くことができるし、
また、保全などでミシン41を例えば70〜80度程度
傾斜させた際に、ミシン面部11の内部に位置する潤滑
油8の流出を防止することができる。
【0050】図9は本発明に係るミシン用給油構造の第
6の実施の形態を示すものであり、本実施の形態のミシ
ン用給油構造35eは、油溜39に従来の油環流フェル
ト34の一部が位置するように形成するとともに、この
油環流フェルト34と天秤支え軸22や針棒クランク2
6などに設けられた潤滑油吐出孔(共に図示せず)など
のミシン面部11の内部への潤滑油8の供給源(図示せ
ず)とを油供給油芯44にて接続したものである。その
他の構成は前述した第5の実施の形態のミシン用給油構
造35dと同様の構成とされている。
【0051】なお、油供給油芯44の油供給量が少ない
場合、油環流フェルト34の油環流構造がなくてもよ
い。
【0052】このような構成の本実施の形態のミシン用
給油構造35eは、前述した第5の実施の形態のミシン
用給油構造35dと同様の効果を奏するとともに、ミシ
ン面部11の内部に供給される潤滑油8を、より確実
に、油溜39に導くことができる。
【0053】ところで、ミシン用給油構造35d,35
eの油環流フェルト34は、油を吸収するものであれば
よいので、フェルトの他、スポンジ等の発砲体やポリウ
レタン、ポリエチレンフォーム、不織布等の部材でもよ
い。
【0054】図10および図11は本発明に係るミシン
用給油構造の第7の実施の形態を示すものであり、本実
施の形態のミシン用給油構造35fは、図10に示すよ
うに、油保持手段としての油保持板42を油溜39の上
部に設けたものである。その他の構成は前述した第1の
実施の形態のミシン用給油構造35と同様の構成とされ
ている。
【0055】このような構成の本実施の形態のミシン用
給油構造35fは、前述した第1の実施の形態のミシン
用給油構造35と同様の効果を奏するとともに、保全な
どでミシン41を例えば70〜80度程度傾斜させた際
に、図11に示すように、上向きに形成した油溜39に
貯留した潤滑油8を、油溜39の内部に確実に保持させ
ることができるので、油溜39に貯留した潤滑油8が油
溜39からミシン面部11の内部に流出するのを確実に
防止することができる。
【0056】図12から図14は本発明に係るミシン用
給油構造の第8の実施の形態を示すものであり、本実施
の形態のミシン用給油構造35gは、図12および図1
3に示すように、油保持手段としての油保持凹み43を
油溜39に連設したものである。その他の構成は前述し
た第1の実施の形態のミシン用給油構造35と同様の構
成とされている。
【0057】このような構成の本実施の形態のミシン用
給油構造35gは、前述した第1の実施の形態のミシン
用給油構造35と同様の効果を奏するとともに、保全な
どでミシン41を例えば70〜80度程度傾斜させた際
に、図14に示すように、上向きに形成した油溜39に
貯留した潤滑油8を、油溜39に連接した油保持凹み4
3の内部に確実に保持させることができるので、油溜3
9に貯留した潤滑油8が油溜39からミシン面部11の
内部に流出するのを確実に防止することができる。
【0058】なお、本発明は、ミシン面部11に配設さ
れる針棒装置24の針棒29と針棒下メタル36との軸
受部位だけでなく、他の軸受部位、例えば、押え棒31
と押え棒軸受32との軸受部位にも当然適用することが
できる。
【0059】また、本発明は、前記各実施の形態に限定
されるものではなく、必要に応じて変更することができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明のミシン用給
油構造によれば、軸受部材の少なくとも一部に潤滑油が
通過可能な軸受部材の内外を連通する複数の微細な連通
孔を形成するとともに、この複数の連通孔の少なくとも
一部に接続された油溜を設けることにより、軸受部位に
適正な量の潤滑油を確実に供給して軸受部位の焼付損傷
や摩耗を確実に防止するとともに、この軸受部位から潤
滑油が漏洩して縫製物を汚染するという不都合を確実に
防止することができるという極めて優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るミシン用給油構造の第1の実施
の形態の要部を示す拡大縦断面図
【図2】 図1のミシン用給油構造を適用したミシンの
給油系統図
【図3】 図1の針棒下メタルに形成する針棒凹部の変
形例を示す斜視図
【図4】 本発明に係るミシン用給油構造の第2の実施
の形態の要部を示す図1と同様の図
【図5】 本発明に係るミシン用給油構造の第3の実施
の形態の要部を示す図1と同様の図
【図6】 本発明に係るミシン用給油構造の第4の実施
の形態の要部を示す図1と同様の図
【図7】 図6の針棒下メタルを示す斜視図
【図8】 本発明に係るミシン用給油構造の第5の実施
の形態の要部を示す図1と同様の図
【図9】 本発明に係るミシン用給油構造の第6の実施
の形態の要部を示す図1と同様の図
【図10】 本発明に係るミシン用給油構造の第7の実
施の形態の要部を示す図1と同様の図
【図11】 図10のミシン用給油構造を適用したミシ
ンを傾斜させた際のミシン面部の要部を示す図1と同様
の図
【図12】 本発明に係るミシン用給油構造の第8の実
施の形態の要部を示す図1と同様の図
【図13】 図12の斜視図
【図14】 図12ミシン用給油構造を適用したミシン
を傾斜させた際のミシン面部の要部を示す図1と同様の
【図15】 従来のミシンの給油系統を示す給油系統図
【図16】 従来のミシンの上軸中メタル近傍の拡大断
面図
【図17】 従来のミシンのミシン面部の給油系統をミ
シン面部を正面にして見た要部の給油系統図
【符号の説明】
11 ミシン面部 34 油環流フェルト 35、35a、35b、35c、35d、35e、35
f、35g ミシン用給油構造 36 針棒下メタル 37 針棒凹部 38 面部凹部 39、39a、39b 油溜 40 へこみ 41 ミシン 42 (油保持手段としての)油保持板 43 (油保持手段としての)油保持凹み 44 油供給油芯

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンの可動な被軸受部材と、保持部材
    により保持され前記被軸受部材を支持する軸受部材との
    軸受部位へ潤滑油を供給するミシン用給油構造におい
    て、 前記軸受部材の少なくとも一部に潤滑油が通過可能な軸
    受部材の内外を連通する複数の微細な連通孔を形成する
    とともに、この複数の連通孔の少なくとも一部に接続さ
    れた油溜を前記軸受部材および前記保持部材の少なくと
    も一方に設けたことを特徴とするミシン用給油構造。
  2. 【請求項2】 前記油溜に油環流フェルトをもって潤滑
    油を供給可能に形成したことを特徴とする請求項1に記
    載のミシン用給油構造。
  3. 【請求項3】 潤滑油の供給源と前記油溜とを油供給油
    芯をもって接続したことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載のミシン用給油構造。
  4. 【請求項4】 前記油溜を上向きに形成し、ミシンが傾
    斜した際に前記油溜に貯留した潤滑油が前記油溜から流
    出するのを防止する油保持手段を設けたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のミシン用
    給油構造。
  5. 【請求項5】 前記軸受部材の少なくとも一部を焼結金
    属または焼結樹脂により形成し、前記連通孔を焼結金属
    または焼結樹脂の空隙により形成したことを特徴とする
    請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のミシン用給
    油構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006296782A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Juki Corp ミシンの給油機構
JP2007061139A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Brother Ind Ltd 鳩目穴かがりミシン

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006296782A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Juki Corp ミシンの給油機構
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