JPH09251A - コレステロールエステラーゼの製造法 - Google Patents

コレステロールエステラーゼの製造法

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JPH09251A
JPH09251A JP17389395A JP17389395A JPH09251A JP H09251 A JPH09251 A JP H09251A JP 17389395 A JP17389395 A JP 17389395A JP 17389395 A JP17389395 A JP 17389395A JP H09251 A JPH09251 A JP H09251A
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JP
Japan
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cholesterol
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cholesterol esterase
esterase
enzyme
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JP17389395A
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English (en)
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Shigeaki Kato
重昭 加藤
Sumitaka Kokusho
純孝 国生
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Meito Sangyo KK
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Meito Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シュウドモナス・ストゥッツェリー(Pseudom
onas stutzeri)を培養し、その培養物から、コレステロ
ールエステラーゼを採取することを特徴とするコレステ
ロールエステラーゼの製造法。 【効果】 広範囲の炭素原子数の脂肪酸とコレステロー
ルとのエステルに対して活性を有し、しかも比活性が高
いコレステロールエステラーゼを製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なコレステロール
エステラーゼの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】コレステロールは、人体諸臓器、諸器官
に広く分布し、特に血中の存在量の把握が臨床医学的に
重要視されている。即ち、高コレステロール血症の場
合、動脈硬化、心筋梗塞その他の疾病を惹起し、低コレ
ステロール血症の場合は悪液質、甲状腺機能昂進等と関
連を有する。
【0003】近年、コレステロールの定量には、操作が
簡便でかつ感度が高いコレステロールオキシダーゼを用
いる酵素法が広く採用されている。血中のコレステロー
ルは大部分が脂肪酸とのエステルとして存在している
が、コレステロールオキシダーゼは、遊離のコレステロ
ールにしか作用しなため、上記酵素法においては、コレ
ステロールエステルを加水分解してコレステロールを遊
離させなければならない。この加水分解にはコレステロ
ールエステラーゼが用いられる。
【0004】微生物起源のコレステロールエステラーゼ
としては、現在までシュウドモナス属(特開昭50-15758
8 号公報、特開昭56-42586号公報、特開昭52-7483 号公
報など)、ストレプトミセス属(特開昭53-109992 号公
報)、ノカルディア属(特開昭57-43686号公報)、担子
菌のカワラタケ(特開昭55-114288 号公報)、スエヒロ
タケ(特開昭53-9391 号公報)などから採取されたもの
が知られている。その他特開昭62-36200に多くの微生物
由来のコレステロールエステラーゼが開示されている。
【0005】血中のコレステロールエステルの脂肪酸成
分は、主としてリノール酸、オレイン酸及びパルミチン
酸であり、その他にアラキドン酸、パルミトレイン酸、
ステアリン酸、ミリスチン酸なども含まれている。その
ため、コレステロールエステラーゼとしては、比較的広
い範囲の炭素原子数の脂肪酸エステルに作用するものが
望まれている。また、存在する全てのコレステロールエ
ステルをほぼ同じ速度及び精度で定量的に分解する能力
を有することが必要である。しかしながら、そのような
広い範囲の脂肪酸エステルに対して活性を示すコレステ
ロールエステラーゼは限られている。また、コレステロ
ールエステラーゼは、単位タンパク質当たりの酵素活性
(比活性)が高いことも重要である。さらに、産業利用
上においては、微生物の単位培養当たりの酵素生産量が
大きいことが要求される。しかしながら、上記の既知の
コレステロールエステラーゼは、その性質上あるいは生
産上いずれかの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、広い範囲の炭素原子数の脂肪酸エステルに対して活
性を示し、比活性が高いコレステロールエステラーゼを
効率よく製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の条件
を満たすコレステロールエステラーゼを安価に、工業的
規模で得るために、コレステロールエステラーゼ生産菌
を新たに探索した。その結果、土壌より分離したシュウ
ドモナス・ストゥッツェリーが、広い範囲の脂肪酸エス
テルに対して活性を示し、しかも比活性が高いコレステ
ロールエステラーゼを生産する能力を有することを見い
だし、本発明を完成した。
【0008】本発明は、シュウドモナス・ストゥッツェ
リー(Pseudomonas stutzeri)を培養し、その培養物か
ら、コレステロールエステラーゼを採取することを特徴
とする、コレステロールエステラーゼの製造法を提供す
る。
【0009】本発明の製造法で用いる微生物は、シュウ
ドモナス・ストゥッツェリー(Pseudomonas stutzeri)に
属するものであって、広い基質特異性を示し、比活性の
高いコレステロールエステラーゼの生産能を有する菌株
であればいずれのものでもよく、その具体例としてはシ
ュウドモナス・ストゥッツェリーPL-836株を挙げること
ができ、その変種あるいは変異株も用いることができ
る。このシュウドモナス・ストゥッツェリーPL-836株
は、土壌から新たに採取したものであり、その菌学的性
質を下記に示す。 (a) 形態学的性状 1.細胞の形及び大きさ:桿菌、0.5×1〜3μm 2.細胞の多形成:あまり認められないが、稀に長いも
のを含む 3.運動性:あり 4.鞭毛着性:極鞭毛 5.胞子:形成しない
【0010】(b) 各培地における生育状態 1.肉汁寒天平板培地:集落は凸状に***し、表面は平
滑、周縁は波状を呈する。拡散性色素は認められない。 2.肉汁寒天斜面培地:菌苔は拡散気味に生育する。光
を通して観察すると、半透明な褐色であるが、水溶性色
素の生産は認められない。 3.肉汁液体培地:培地全体が濁る。上層には菌が白い
リング状に生育し、下層には大量の菌体を生じる。 4.肉汁ゼラチン穿刺培地:穿刺部は糸状、表面の生育
は良いが、液化は認められない。 5.リトマスミルク:アルカリを産生するが、凝固も分
解も認められない。
【0011】(c) 生理学的性質 1.グラム染色性:陰性 2.抗酸性:なし 3.ウレアーゼ:陽性 4.オキシダーゼ:陽性 5.カタラーゼ:陽性 6.O−Fテスト:酸化 7.酸素に対する態度:好気性 8.生育の範囲 pH :6.5〜9.0 温度:15〜40℃ 9.インドールの生成:陰性 10.メチルレッドテスト:陰性 11.VPテスト:陰性 12.クエン酸の利用:陰性 13.硫化水素の生成:微陽性 14.硝酸塩の還元:陽性 15.脱窒反応:陽性 16.無機窒素源の利用 硝酸塩:陽性 アンモニウム塩:陽性 17.ゼラチン液化:陰性 18.澱粉の加水分解:陽性 19.ミルクカゼインの加水分解:陰性 20.菌体内DNAのGC含量:63〜65% 21.キノン分子種:Q9 22.本菌のDNAはPseudomonas stutzeri IAM 12668T
のDNAに対し、84〜92 %の相同性を示す。 21.資化性 陰性:L−アラビノース、サッカロース、D−ラクトー
ス、D−ソルビトール、イノシトール、ラフィノース 陽性:ガラクトース、マルトース、グルコース、トレハ
ロース、マンニトール、D−キシロース、グリセリン、
D−マンノース、デキストリン、フラクトース
【0012】このシュウドモナス・ストゥッツェリー P
L-836 株は、工業技術院生命工学工業技術研究所に平成
7年6月1日付けで寄託し、受託番号FERM P-14968を得
た。
【0013】本発明によるシュウドモナス・ストゥッツ
ェリーを培養するには、通常の栄養培地を使用でき、炭
素源、窒素源、無機塩類等を適当に含有するものであれ
ば、天然培地、合成培地のいずれでも使用できる。
【0014】炭素源としてはグルコース、グリセロー
ル、シュクロース、糖蜜、澱粉などの糖質、アルコール
類、有機酸類、オリーブ油、大豆油等の油脂、及びこれ
らの組み合わせを用いることができる。窒素源としては
コーンスティープリカー、大豆粉、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス等の有機態窒素、硫安、硝酸アンモニウ
ム、尿素などの無機態窒素を用いることができる。無機
塩類としては、食塩、塩化カリウム、硫酸マグネシウ
ム、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、硫酸第
一鉄などが使用できる。更に生育を促進し、酵素生産能
を高めるためにエマルゲン、トリトン、トゥウィーン、
スパンなどの適当な界面活性剤を添加してもよい。
【0015】培養はこのような成分を含む液体培地中で
通気攪拌などの好気的培養を15〜35℃、pH5〜9で1〜
3日間行う。培養液からコレステロールエステラーゼを
採取するには、培養液を濾過又は遠心分離によって菌体
から分別し、その濾液又は上清液から硫酸アンモニウム
塩析、アルコール、アセトン等を用いる溶剤沈殿、限外
濾過膜による分離濃縮などの公知の方法で酵素標品を得
る。また、菌体内に蓄積されたコレステロールエステラ
ーゼを抽出するには、菌体磨砕、自己消化、超音波処理
などの公知の方法によって無細胞酵素液としたのち、菌
体外の酵素と同様に精製に供することができる。さらに
高度に精製された酵素標品を得るにはイオン交換クロマ
トグラフィ、吸着クロマトグラフィ、ゲル濾過クロマト
グラフィなどの、従来から通常用いられている酵素精製
方法で精製すればよい。
【0016】本発明によるコレステロールエステラーゼ
の活性を下記の測定法にて測定した。また、本発明のコ
レステロールエステラーゼの理化学的性状を下記に示
す。
【0017】(1) コレステロールエステラーゼ活性測定 シュウドモナス・ストゥッツェリーPL-836株を用いて本
発明の製造方法に従って製造したコレステロールエステ
ラーゼと、比較例として、市販のコレステロールエステ
ラーゼであるBoehringer Mannheim 691941〔シュードモ
ナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens) 由
来〕、Sigma C 1403(シュードモナスsp. 由来)、及び
Boehringer Mannheim 161772〔カンジダ・シリンドラセ
ア(Candida cylindracea) 由来〕の活性をそれぞれ下記
の測定法及びにより測定した。基質としては、表1
に示したコレステロールエステル(全てSigma 社製)を
用いた。
【0018】
【表1】
【0019】測定法 コレステロールエステルの溶液〔濃度20mM、溶媒はジオ
キサン:Thesit(平均重合度9のポリオキシエチレンの
ドデシルエーテル、ベーリンガー マンハイム製)=
2:3の混合溶媒〕50μl と、0.1Mリン酸緩衝液(pH
7.0)400μl を混合した。混合後のコレステロールエス
テルの濃度は2mMであり、Thesitの濃度は6%である。
この混合液を37℃で5分間インキュベートした後、コレ
ステロールエステラーゼ溶液50μl (0.03〜0.3u/ml )
を添加して、37℃で5〜10分間インキュベートした。次
いで、100℃で4分間加熱して酵素反応を停止させた。
得られた溶液に遊離コレステロール定量用のコレステロ
ール発色液〔遊離コレステロールE−テストワコー;和
光純薬工業製;50mM MES緩衝液(pH6.1)、4-アミノア
ンチピリン0.19mM、3,5-ジメトキシ-N-エチル-N-(2-ハ
イドロキシ-3-スルホプロピル)-アニリンナトリウム(D
AOS)0.98mM、コレステロールオキシダーゼ(Streptomy
ces)0.29u/ml及びペルオキシダーゼ(西洋ワサビ)4.7
u/ml〕2.0mlを添加して、37℃で10分間インキュベート
した後、600nmにおける吸光度を測定した。下記式: 活性(u/ml)=A×0.321 ×20/t×(希釈率) A:吸光度 t:反応時間(分) によりコレステロールエステラーゼ溶液1ml当たりのコ
レステロールエステラーゼ活性(u/ml)を求めた。尚、
コレステロールエステルから1分間に1μmol のコレス
テロールを遊離するために必要な酵素量を1単位(1un
it)とする。
【0020】測定法 コレステロールエステルの溶液〔濃度20mM、溶媒はジオ
キサン:Thesit=2:3の混合溶媒〕40μl と、遊離コ
レステロール定量用のコレステロール発色液〔遊離コレ
ステロールC−テストワコー;和光純薬工業製;0.1M
リン酸緩衝液(pH7.0)、フェノール10.6mM、4-アミノ
アンチピリン0.74mM、コレステロールオキシダーゼ(Pse
udomonas) 0.034 u/ml、ペルオキシダーゼ(西洋ワサ
ビ)0.68u/ml〕2.0mlを混合した。混合後のコレステロ
ールエステルの濃度は400μMであり、Thesitの濃度は
1.2%である。この混合液を37℃で5分間インキュベー
トした後、37℃に保持しながらコレステロールエステラ
ーゼ溶液50μl (0.05〜0.5u/ml)を添加して反応を開
始させ、反応開始後2〜9分における吸光度(505 nm)
を連続的に測定した。横軸を反応時間、縦軸を吸光度と
して測定結果をプロットし、直線部分の1分間当たりの
吸光度の増加量ΔAを求めた。下記式: 活性(u/ml)=ΔA×20/3×(希釈率) ΔA:1分間当たりの吸光度の増加量 によりコレステロールエステラーゼ溶液1ml当たりのコ
レステロールエステラーゼ活性(u/ml)を求めた。
【0021】比活性の算出法 上記の測定法又はにより求めた活性から下記式によ
り測定法又はにおけるコレステロールエステラーゼ
の単位タンパク質当たりの酵素活性〔比活性(u/mg)〕
を求めた。
【0022】上記式中のタンパク質濃度は、コレステロ
ールエステラーゼ溶液1mlに含まれるタンパク質の濃度
であり、タンパク質定量用試薬(BCA Protein Assay Re
agent:Pierce 23225X)を用いて測定した。
【0023】また、上記式中のコレステロールエステラ
ーゼの純度は、逆相HPLCにより測定した。その結果
を表2に示す。尚、測定条件は下記のとおりである。 カラム:Resource RPC(1.0ml) 、Pharmacia 製 溶媒 :アセトニトリル32〜56%直線濃度勾配 0.05%トリフルオロ酢酸を含む、1%アセトニトリル/
min 流速 :0.7ml/min 検出 :UV220nm
【0024】更に、各コレステロールエステラーゼの分
子量をSDS-PAGEにより測定した結果を表2に示す。尚、
ゲルとしては、プリキャストゲル Resofine G(8×8c
m、10〜20%)ACI を用いた。
【0025】
【表2】
【0026】上記の比活性算出のための式を用いて、測
定法におけるコレステロールエステラーゼの比活性を
求めた結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】上記の比活性算出のための式を用いて、測
定法におけるコレステロールエステラーゼの比活性を
求めた結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】(2) 作用 コレステロールエステルを加水分解し、脂肪酸とコレス
テロールを遊離させる。
【0031】(3) 基質特異性 上記(1) の結果から、本発明のコレステロールエステラ
ーゼは他のコレステロールエステラーゼと比べ、ほとん
どの基質に対して比活性が高いことがわかる。特に脂肪
酸成分の炭素原子数が12以上のコレステロールエステル
に対して活性が高いことがわかる。
【0032】(4) 至適pH 本酵素の各pHにおける活性を、基質としてコレステロー
ル・オレエートを用いて上記(1) の測定法の方法にし
たがって測定した。pH8における活性を100%とした場
合の各pHにおける活性の割合(相対活性)を求めた。pH
活性曲線を図1に示す。至適pHは7〜8である。
【0033】(5) 安定pH 本酵素を各pHで8℃、24時間処理した後、基質としてコ
レステロール・オレエートを用いて上記(1) の測定法
の方法にしたがって活性を測定した。処理前の本酵素の
活性を100%とした場合の各pHにおける活性の割合(残
存活性)を求めた。pH安定曲線を図2に示す。安定pHは
6〜9.5 である。
【0034】(6) 至適温度 本酵素の各温度における活性を、基質としてコレステロ
ール・オレエートを用いて上記(1) の測定法の方法に
したがって測定した。35℃における活性を100%とした
場合の各温度における活性の割合(相対活性)を求め
た。温度活性曲線を図3に示す。至適温度は35〜40℃で
ある。
【0035】(7) 安定温度 本酵素をリン酸緩衝液中(pH7.0、0.1M)、各温度で30
分間処理した後、基質としてコレステロール・オレエー
トを用いて上記(1) の測定法の方法にしたがって活性
を測定した。処理前の本酵素の活性を100%とした場合
の各温度における活性の割合(残存活性)を求めた。温
度安定性曲線を図4に示す。本酵素は35℃まで安定であ
る。
【0036】(8) 等電点 液体等電点電気泳動装置(ロトフォア、バイオ・ラッド
ラボラトリーズ株式会社製)によって測定した結果、6.
7であった。
【0037】(9) 各種物質の影響 本酵素に対する種々の物質の影響を調べるために、表5
に示す添加物を、それぞれ表5に示す濃度で、上記(1)
の測定法の酵素反応液に添加し、同様の方法で活性を
測定した。添加物を添加しない場合の活性を100%とし
て、各種添加物を添加した場合の活性の割合(相対活
性)を表5に示す。
【0038】
【表5】
【0039】上記の結果から、本発明によるコレステロ
ールエステラーゼは金属イオンが存在してもほとんど阻
害されないことがわかる。
【0040】(10)必要酵素量 上記(1) の測定法で用いた遊離コレステロール定量用
のコレステロール発色液(遊離コレステロールC−テス
トワコー)3ml中に、下記の表6に示した微生物由来の
コレステロールエステラーゼの溶液(それぞれ、0.16u/
ml、0.04u/ml及び0.016u/ml の溶液を用いた。)50μl
及び標準血清(リピッドセーラムI、栄研化学製)50μ
l を添加して、37℃で反応させながら、 505nmの吸光度
を経時的に測定した。呈色が一定に達するまでの時間
(コレステロールエステルが完全に分解されるまでの時
間)を表6に示す。図5は、横軸を反応時間、縦軸を吸
光度として、測定結果をプロットしたものである。
【0041】
【表6】
【0042】上記の結果から、本発明により得られたコ
レステロールエステラーゼは、他のコレステロールエス
テラーゼと比較して、使用酵素量が少量の場合(例え
ば、0.016u/ml )でも短時間で呈色が一定に達すること
がわかる。即ち、本発明により得られたコレステロール
エステラーゼは、少量でも短時間で血清中のコレステロ
ールエステルを分解することができることが確認され
た。
【0043】
【実施例】
〔実施例1〕容量500mlの坂口フラスコに、前培養用培
地としてグリセロール1%、コーンスティープリカー2
%、クエン酸 0.5%、及び尿素 0.5%を含む液体培地
(pH6.5)100mlを入れて、蒸気滅菌した後、シュウドモ
ナス・ストゥッツェリーPL-836株を1白金耳接種した。
次いで25℃で24時間振とう培養することにより、前培養
液を得た。容量2リットルのジャーに、キナコ3%、グ
リセロール3%、コーンスティープリカー2%、尿素
1.5%、塩化ナトリウム 0.5%、リン酸二カリウム 0.2
%及びエマルゲン430 0.5%からなる液体培地を入れ、1
21℃で15分間加圧滅菌した後、上記の前培養液を接種
し、26℃、700rpm 、0.7vvmで36時間通気培養を行っ
た。培養後、遠心分離して菌体を含む固形物を除去し、
培養上清液を得た。得られた培養上清液中のコレステロ
ールエステラーゼ活性は、320 u/mlであった。
【0044】〔実施例2〕実施例1で得られた培養上清
液1リットルに、硫酸アンモニウムを35%飽和となるよ
うに添加、溶解して、5℃で6時間静置した。生じた沈
殿を遠心分離により集めて、0.5%テシット(ポリオキ
シエチレン・ドデシルエーテル)を含む25mMトリス塩酸
緩衝液(pH7.5)に溶解した。次に、得られた溶液を、
同緩衝液によって平衡化したDEAE−トヨパールに負荷
し、吸着させた。食塩の濃度勾配によって溶出した活性
区分を、更に10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で
平衡化したヒドロキシアパタイトに負荷し、吸着させ
た。リン酸ナトリウム緩衝液の濃度勾配で溶出すること
により、純度95%以上の精製酵素を得た。精製倍率は30
倍であり、実施例1で得られた培養上清液からの生成酵
素の活性回収率は20%であり、比活性は 600u/mgであっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、広い範囲の炭素
原子数の脂肪酸とコレステロールのエステルに対して活
性を有し、しかも、比活性が高いコレステロールエステ
ラーゼを大量に、かつ安価に製造することができる。ま
た、本発明によるコレステロールエステラーゼは金属イ
オンに阻害されにくく、少量でもコレステロールエステ
ルを分解することができるので、血液中のコレステロー
ルの定量に使用する臨床検査薬として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコレステロールエステラーゼのpH
活性曲線を示す図である。
【図2】本発明によるコレステロールエステラーゼのpH
安定性曲線を示す図である。
【図3】本発明によるコレステロールエステラーゼの温
度活性曲線を示す図である。
【図4】本発明によるコレステロールエステラーゼの温
度安定性曲線を示す図である。
【図5】各種コレステロールエステラーゼを添加した場
合の、血清中のコレステロールエステルの分解に伴う吸
光度の経時変化を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュウドモナス・ストゥッツェリー(Pse
    udomonas stutzeri)を培養し、その培養物から、コレス
    テロールエステラーゼを採取することを特徴とする、コ
    レステロールエステラーゼの製造法。
JP17389395A 1995-06-19 1995-06-19 コレステロールエステラーゼの製造法 Pending JPH09251A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7570874B2 (en) 1999-01-04 2009-08-04 Lg Electronics Inc. Method and apparatus for recording digital data streams

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7570874B2 (en) 1999-01-04 2009-08-04 Lg Electronics Inc. Method and apparatus for recording digital data streams

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