JPH09251848A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

Info

Publication number
JPH09251848A
JPH09251848A JP8579696A JP8579696A JPH09251848A JP H09251848 A JPH09251848 A JP H09251848A JP 8579696 A JP8579696 A JP 8579696A JP 8579696 A JP8579696 A JP 8579696A JP H09251848 A JPH09251848 A JP H09251848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion beam
ion
slit
ions
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8579696A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaomi Baba
孝巨 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP8579696A priority Critical patent/JPH09251848A/ja
Publication of JPH09251848A publication Critical patent/JPH09251848A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、イオン注入装置について、所望のイ
オンの打ち込み処理の効率を向上し得るようにする。 【解決手段】本発明は、イオンビーム選別手段のスリツ
トの幅を自在に変えることができるようにしたことによ
り、所望のイオンの原子量及び所望のイオンからなる第
2のイオンビームのビーム径等に応じてスリツトの幅を
変えることができるので、所望のイオンからなる第2の
イオンビームに対するビーム損失を減少させてビーム収
率を大きくすることができ、かくして所望のイオンの打
ち込み処理の効率を向上し得るイオン注入装置を実現す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 発明の属する技術分野 従来の技術(図5) 発明が解決しようとする課題(図6) 課題を解決するための手段(図1〜図4) 発明の実施の形態(図1〜図4) 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン注入装置に関
し、例えばウエハに所望のイオンを打ち込むイオン注入
装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、この種のイオン注入装置において
は、三フツ化ボロン(BF3 )やフオスフイン(P
3 )等のガス状でなる各種不純物原子の化合物(以
下、これを材料ガスと呼ぶ)をイオン化させることによ
り各種イオンを生成し、これら各種イオンの中からホウ
素イオン(11+ )やリンイオン(31+ )等の所望の
イオンを選別してウエハに打ち込むようになされてい
る。
【0004】実際上図5に示すように、このイオン注入
装置1においては、プラズマイオン源でなるイオン生成
部2に材料ガス供給口3から材料ガスが導入されると、
当該イオン生成部2に制御部4から制御信号S1が入力
され、これによりイオン生成部2内において材料ガスを
放電させてプラズマ状態でなる各種イオンを生成する。
ここでイオン生成部2には、所定の電源5の正極が接続
されている。またこの電源5の負極は接地接続されてい
ると共に、イオン生成部2に隣接して設けられた所定の
幅のスリツト6Aを有する引出し電極6に接続されてい
る。
【0005】この場合イオン生成部2には、電源5から
所定の電圧値でなる高電圧が印加されており、またこの
イオン生成部2において生成された各種イオンは正の電
荷を有する。従つて各種イオンは、イオン生成部2より
も電位の低い引出し電極6側に引き出され、当該引出し
電極6のスリツト6Aを通じてイオンビーム(以下、こ
れを第1のイオンビームと呼ぶ)B1となり、イオンビ
ーム分離部7の一端(以下、これを入射口と呼ぶ)7A
に入射する。
【0006】イオンビーム分離部7は電磁石でなり、制
御部4から所定の値でなる電流に基づく制御信号S2が
入力されることにより内部に所定強度の磁場を発生させ
るようになされている。これによりこのイオンビーム分
離部7においては、入射された第1のイオンビームB1
を各種イオン毎のイオンビーム(以下、これを第2のイ
オンビームと呼ぶ)B2に分離し、これら各イオンビー
ムB2の中から所望のイオンからなる第2のイオンビー
ムB2を内部のほぼ中間に位置する軌道(以下、これを
中間軌道と呼ぶ)を通過させるようになされている。
【0007】このイオンビーム分離部7の他端(以下、
これを出射口と呼ぶ)7B側には、当該イオンビーム分
離部7の内部の中間軌道に対応させてスリツト8Aを有
する板状でなるイオンビーム選別部8が配置されてい
る。このイオンビーム選別部8は、イオンビーム分離部
7の中間軌道を通る所望のイオンでなる第2のイオンビ
ームB2のみをスリツト8Aを通じて出射させると共
に、打ち込みに不要なイオンからなる第2のイオンビー
ムB2を一面8Bに衝突させて遮る。
【0008】ここでこのイオンビーム選別部8の他面8
Cと対向する位置には、導電性部材等でなるウエハホル
ダ9が配置され、当該ウエハホルダ9にはウエハWが保
持されている。これによりイオンビーム選別部8のスリ
ツト8Aを介して出射された所望のイオンからなる第2
のイオンビームB2はウエハWに照射され、かくしてウ
エハWには所望のイオンが打ち込まれる。
【0009】この場合このウエハホルダ9には電流積分
機10の一端が接続されており、この電流積分機10の
他端は接地接続されている。ここでウエハWに打ち込ま
れた所望のイオンはウエハW内に静止し、このイオンが
有する電荷はウエハホルダ9と電流積分機10とを順次
介してアース11に流入する。またこの電流積分機10
においては、流入する電荷に基づいてウエハWに対する
イオンの打ち込み量(以下、これをドーズ量と呼ぶ)を
検出し、当該ドーズ量が予め設定された値に達すると制
御部4に打ち込みを停止させる停止信号S3を送出す
る。これにより制御部4は入力された停止信号S3に基
づいてウエハWに対するイオンの打ち込みを停止させ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのようなイ
オン注入装置1においては、所望のイオンとして例えば
ホウ素イオン(11+ )をウエハWに打ち込む場合、材
料ガスとして三フツ化ボロン(BF3 )を放電させて当
該三フツ化ボロンを構成する各種不純物原子をイオン化
させる。この三フツ化ボロンからは11の原子量を有する
ホウ素イオン(11+ )と共に、10の原子量を有するホ
ウ素イオン(10+ )が生成される。これらホウ素イオ
ン(11+ )とホウ素イオン(10+ )とは、原子量が
非常に近い値でなるため、イオンビーム分離部7の内部
においてはそれぞれ第2のイオンビームB2として非常
に近い軌道を通る。
【0011】このため図6に示すように、イオンビーム
選別部8においては、イオンビーム分離部7の内部にお
けるそれぞれホウ素イオン(11+ )からなる第2のイ
オンビームB3とホウ素イオン(10+ )からなる第2
のイオンビームB4との軌道に基づいてスリツト8Aが
比較的狭い幅を有するように選定されて固定されてい
る。
【0012】またこのようなイオン注入装置1において
は、ホウ素イオン(11+ )やホウ素イオン(10+
の他に、31の原子量を有するリンイオン(31+ )や75
の原子量を有するヒ素イオン(75S + )等のようにホ
ウ素イオン(11+ )に比べて比較的原子量の大きいイ
オンもウエハWに打ち込む場合に用いられてる。
【0013】ところがリンイオン(31+ )やヒ素イオ
ン(75S + )等のような比較的原子量の大きいイオン
からなる第2のイオンビームB2においては、イオンビ
ーム選別部8のスリツト8Aの幅よりもビーム径が太
い。このため第2のイオンビームB2の一部がイオンビ
ーム選別部8のスリツト8Aの周辺部によつて遮られて
ビーム損失を生じ、イオンビーム選別部8の一面8B側
と他面8C側とで所望のイオンからなる第2のイオンビ
ームB2に含まれるイオンの量の割合(以下、これをビ
ーム収率と呼ぶ)が低下する問題があつた。
【0014】またウエハWの単位面積当たりのドーズ量
(すなわち、打ち込まれたイオンの密度)を増大させ
る、いわゆる高ドーズプロセスにおいては、第2のイオ
ンビームB2のビーム径を太くして当該第2のイオンビ
ームB2に含まれるイオンの数を増加させる。ところが
所望のイオンからなる第2のイオンビームB2のビーム
径がイオンビーム選別部8のスリツト8Aの幅よりも太
い場合にはビーム損失が増加する。これによりこのイオ
ン注入装置1においては、電流積分機10によつて検出
される電流が低下して打ち込み処理に多大な時間が必要
となり、当該打ち込み処理の効率が低下する問題があつ
た。
【0015】さらに所望のイオンに比較的低いエネルギ
を与えてウエハWに打ち込む、いわゆる低エネルギプロ
セスにおいては、所望のイオンが粗の状態でまとまつて
第2のイオンビームB2になる。この場合所望のイオン
からなる第2のイオンビームB2のビーム径は比較的太
くなり、かくしてこのイオン注入装置1においては上述
の高ドーズプロセスと同様に打ち込み処理に多大な時間
が必要となり、当該打ち込み処理の効率が低下する問題
があつた。
【0016】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、所望のイオンの打ち込み処理の効率を向上し得るイ
オン注入装置を提案しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、複数種類のイオンからなる第1の
イオンビームを生成し、当該第1のイオンビームを所定
強度の磁場に入射させることにより第1のイオンビーム
を各種イオン毎の第2のイオンビームに分離すると共
に、当該複数のイオンビームの中から所望のイオンから
なる第2のイオンビームのみをイオンビーム選別手段の
スリツトを介して出射させ、所望のイオンからなる第2
のイオンビームをイオン打ち込み対象物に照射すること
により当該イオン打ち込み対象物に所望のイオンを打ち
込むイオン注入装置において、イオンビーム選別手段の
スリツトの幅を自在に変えることができるようにした。
【0018】従つて本発明においては、イオンビーム選
別手段のスリツトの幅を自在に変えることができるよう
にしたことにより、所望のイオンの原子量及び所望のイ
オンからなる第2のイオンビームのビーム径等に応じて
スリツトの幅を変えることができるので、所望のイオン
からなる第2のイオンビームに対するビーム損失を減少
させてビーム収率を大きくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。
【0020】図1において、20は全体として実施例に
よるイオン注入装置を示し、プラズマイオン源でなるイ
オン生成部21には材料ガス供給口22から材料ガスが
導入される。このイオン生成部21においては、材料ガ
スを放電させる図示しない放電機構が設けられ、制御部
23から入力される制御信号S10に基づいて内部の材
料ガスを放電させてプラズマ状態でなる各種イオンを生
成する。
【0021】このイオン生成部21には、図示しないイ
オン取出し口が設けられ、このイオン取出し口の外部に
は所定の幅のスリツト24Aを有する引出し電極24が
当該スリツト24Aとイオン取出し口とを対向させて配
置されている。またイオン生成部21には、所定の電源
25の正極が接続され、引出し電極24には当該電源2
5の接地接続された負極が接続されている。
【0022】この場合イオン生成部21には、電源25
から所定の電圧値でなる高電圧が印加されており、また
イオン生成部21において生成された各種イオンは正の
電荷を有する。従つてこのイオン生成部21において生
成された各種イオンは、イオン取出し口を介してイオン
生成部21よりも電位の低い引出し電極24側に引き出
される。これにより引出し電極24は、スリツト24A
を通じて各種イオンから第1のイオンビームB10を生
成して当該第1のイオンビームB10をイオンビーム分
離部26の入射口26Aに入射させる。
【0023】イオンビーム分離部26においては、弓な
り形状の電磁石でなり、制御部23から所定の値でなる
電流に基づく制御信号S11が入力されることにより内
部に所定強度の磁場を発生させるようになされている。
これによりこのイオンビーム分離部26においては、入
射された第1のイオンビームB10を各種イオン毎の第
2のイオンビームB11に分離し、これら各イオンビー
ムB11の中から所望のイオンからなる第2のイオンビ
ームB11を内部の中間軌道を通過させるようになされ
ている。
【0024】またイオンビーム分離部26の出射口26
B側にはスリツト27Aの幅を自在に変えることができ
るイオンビーム選別部27が配置されている。イオンビ
ーム選別部27においては、イオンビーム分離部26の
出射口26B側における第1の側壁26Cの端部近傍に
中間軌道に対してほぼ垂直となるように第1の軸部30
が配置され、一端が当該第1の軸部30を中心にして矢
印aで示す方向及びこれとは逆の方向に回動自在に軸支
された第1の板部31と、イオンビーム分離部26の出
射口26B側における第2の側壁26Dの端部近傍に第
1の軸部30とほぼ平行となるように第2の軸部32が
配置され、一端が当該第2の軸部32を中心にして矢印
bで示す方向及びこれとは逆の方向に回動自在に軸支さ
れた第2の板部33とから構成されている。
【0025】ここで制御部23は、駆動部35に所望の
イオンの原子量や所望のイオンからなる第2のイオンビ
ームのビーム径等に応じて制御信号S12を送出する。
駆動部35は入力された制御信号S12に基づいてイオ
ンビーム選別部27の第1及び第2の軸部30及び32
にそれぞれ駆動信号S13及びS14を送出してこれら
第1及び第2の軸部30及び32と共に第1及び第2の
板部31及び33を回動駆動し得るようになされてい
る。
【0026】この場合イオンビーム選別部27において
は、第1及び第2の板部31及び33のそれぞれ一面3
1A及び33Aがイオンビーム分離部26の出射口26
Bとほぼ平行になつた場合には、これら第1の板部31
の他端と第2の板部33の他端との間にイオンビーム分
離部26の内部の中間軌道とほぼ対向し、かつ所定の幅
を有するスリツト27Aを形成する。また第1及び第2
の板部31及び33をそれぞれ第1及び第2の軸部30
及び32を中心にして矢印a又は矢印bに示す方向に回
転させてスリツト27Aの幅を広げることができるよう
になされている。
【0027】これによりこのイオンビーム選別部27に
おいては、ホウ素イオン(11+ )とホウ素イオン(10
+ )とのように原子量の値が比較的近く、かつイオン
ビーム分離部26の内部における軌道が比較的近い場合
には、スリツト27Aの幅を比較的狭くし、リンイオン
31+ )やヒ素イオン(75S + )等のように原子量
が比較的大きく、かつイオンビーム分離部26の内部に
おいて比較的近い軌道を通る他のイオンからなる第2の
イオンビームB11がない場合には、スリツト27Aの
幅を比較的広くし得るようになされている。
【0028】かくしてこのイオンビーム選別部27にお
いては、所望のイオンの原子量及び所望のイオンからな
る第2のイオンビームB11の軌道に応じてスリツト2
7Aの幅を変え、イオンビーム分離部26の中間軌道を
通る所望のイオンからなる第2のイオンビームB11の
みをスリツト27Aを介して出射させる。またイオンビ
ーム選別部27は打ち込みに不要な各イオンからなる各
第2のイオンビームB11を、第1及び第2の板部31
及び33のそれぞれ一面31A及び33Aに衝突させて
遮るようになされている。
【0029】イオンビーム選別部27における第1及び
第2の板部31及び33のそれぞれ他面31B及び33
B側には、スリツト27Aを通過した所望のイオンから
なる第2のイオンビームB11が照射されるようにフア
ラデーカツプ等でなる電流検出部38が配置されてい
る。この電流検出部38には、電流計39の一端が接続
されており、当該電流計39の他端は接地接続されてい
る。ここでこの電流検出部38に第2のイオンビームB
11が照射されると、当該第2のイオンビームB11を
構成する所望のイオンが有する電荷が電流計39を介し
て電流検出部38よりも電位の低いアース40に流入す
る。これにより電流計39においては、流入する電荷に
応じて電流検出部38に照射された第2のイオンビーム
B11のイオンの量を計測し得るようになされている。
【0030】またこの電流計39には、電流を波形とし
て計測するシンクロスコープ等の図示しない計測部が設
けられており、電流検出部38、電流計39及び計測部
はイオンビーム選別部27のスリツト27Aの幅の調整
及びイオンビーム分離部26の内部における磁場の強度
の調整に用いられる。
【0031】すなわちこのイオン注入装置20において
は、所望のイオンとして例えばホウ素イオン(11+
を生成する場合、当該ホウ素イオン(11+ )と非常に
近い原子量を有するホウ素イオン(10+ )も生成され
る。従つてこのイオン注入装置20においては、イオン
ビーム選別部27のスリツト27Aを介してホウ素イオ
ン(11+ )からなる第2のイオンビームB11のみを
出射させるように当該スリツト27Aの幅と、ホウ素イ
オン(11+ )からなる第2のイオンビームB11がイ
オンビーム分離部26の内部の中間軌道を通るように当
該イオンビーム分離部26の磁場の強度とを調整する。
【0032】このため、このイオン注入装置20におい
ては、各種イオンからなる第1のイオンビームB10が
イオンビーム分離部26に入射された場合、まずイオン
ビーム選別部27のスリツト27Aの幅を全開にした状
態から段階的(例えば4段階)に狭くする。これに加
え、スリツト27Aの幅を段階的に狭くする毎に順次イ
オンビーム分離部26の内部においてホウ素イオン(11
+ )からなる第2のイオンビームB11が中間軌道を
介して所定範囲内における軌道を通るように磁場の強度
を所定範囲において変化させる。このようにして電流検
出部38に照射された第2のイオンビームB11によつ
てイオンが有する電荷に応じた電流の値を計測部によつ
て電流波形として計測する。
【0033】ここで、このように計測部において計測し
た電流波形を図2(A)〜(D)に示す。まず、イオン
ビーム選別部27のスリツト27Aの幅を全開にして、
この状態において制御部23からイオンビーム分離部2
6に入力させる制御信号S11に基づく電流の値を所定
範囲において変化させ、これにより当該イオンビーム分
離部26の内部の磁場の強度を所定範囲において変化さ
せた場合には、イオンビーム選別部27の全開にされた
スリツト27Aを介してホウ素イオン(11+ )からな
る第2のイオンビームB11とホウ素イオン(10+
からなる第2のイオンビームB11とが共に出射されて
電流検出部38に照射される。これにより計測部におい
ては、曲線Mに示すようにホウ素イオン(11+ )の電
荷に応じた電流とホウ素イオン(10+ )の電荷に応じ
た電流とが含まれる一つの山状でなる電流波形として計
測される(図2(A))。
【0034】またイオンビーム選別部27のスリツト2
7Aの幅を1段階狭くして、この状態においてイオンビ
ーム分離部26の内部における磁場の強度を所定範囲に
おいて変化させた場合には、イオンビーム選別部27の
スリツト27A介して出射されたホウ素イオン
11+ )からなる第2のイオンビームB11とホウ素
イオン(10+ )からなる第2のイオンビームB11と
は、スリツト27Aの幅に応じて僅かに区別される。す
なわち計測部においては、曲線Nに示すようにホウ素イ
オン(11+ )の電荷に応じた電流とホウ素イオン(10
+ )の電荷に応じた電流とが段差を有するような山状
でなる電流波形として計測される(図2(B))。
【0035】次いでイオンビーム選別部27のスリツト
27Aの幅をさらに1段階狭くして、この状態において
イオンビーム分離部26の内部における磁場の強度を所
定範囲において変化させた場合には、イオンビーム選別
部27のスリツト27Aの幅を介して出射されたホウ素
イオン(11+ )からなる第2のイオンビームB11と
ホウ素イオン(10+ )からなる第2のイオンビームB
11とは、スリツト27Aの幅に応じて上述した以上に
区別される。すなわち計測部においては、曲線Oに示す
ようにホウ素イオン(11+ )の電荷に応じた電流とホ
ウ素イオン(10+ )の電荷に応じた電流とが起伏を有
する山状でなる電流波形として計測される(図2
(C))。
【0036】続いてイオンビーム選別部27のスリツト
27Aの幅をさらに1段階狭くして、この状態において
イオンビーム分離部26の内部における磁場の強度を所
定範囲において変化させた場合には、イオンビーム選別
部27のスリツト27Aを介して出射されたホウ素イオ
ン(11+ )からなる第2のイオンビームB11とホウ
素イオン(10+ )からなる第2のイオンビームB11
とは、スリツト27Aの幅に応じてほぼ区別される。す
なわち計測部においては、曲線Pに示すようにホウ素イ
オン(11+ )の電荷に応じた電流とホウ素イオン(10
+ )の電荷に応じた電流とがそれぞれ山状でなる電流
波形として計測される(図2(D))。
【0037】このようにしてこのイオン注入装置20に
おいては、計測部においてホウ素イオン(11+ )の電
荷に応じた電流でなる電流波形が得られると(図2
(D)曲線P)、このときイオンビーム分離部26に入
力された制御信号S11の電流の値と、イオンビーム選
別部27のスリツト27Aの幅とをホウ素イオン(11
+)をウエハに打ち込みどきの設定値にする。
【0038】かくしてこのイオン注入装置20において
は、このようにした得られた設定値に基づいて、イオン
ビーム分離部26の磁場の強度を設定すると共に、イオ
ンビーム選別部27のスリツト27Aの幅を設定し、こ
の状態において図示しないウエハに所望のイオンを打ち
込むようになされている。またこの場合電流検出部38
からは、当該電流検出部38に照射された第2のイオン
ビームB11に基づく電流に応じて打ち込み信号S15
が送出され、これにより制御部23は所望のイオンに対
するドーズ量を制御し得るようになされている。
【0039】この実施例の場合、図3に示すように引出
し電極24のスリツト24Aは、イオンビーム分離部2
6の第1の側壁26Cから第2の側壁26Dに向かう方
向と直行する方向に伸びて所定の幅を有するように形成
されている。これによりこの引出し電極24を通じて各
種イオンから生成される第1のイオンビームB10のビ
ーム形状はスリツト24Aの幅及び形状に依存してトラ
ツク形状になる。
【0040】またこれに加えてこの実施例の場合、図4
に示すように、このような第1のイオンビームB10に
おいては、所定強度の磁場が形成されたイオンビーム分
離部26の内部において矢印Cに示すように第1の側壁
26Cから中心軌道を通る第2の側壁26D側の方向
に、順次原子量の大きいイオンでなる第2のイオンビー
ムB11の軌道が並び、各第2のイオンビームB11同
士の干渉を防止し得るようになされている。
【0041】以上の構成において、このイオン注入装置
20においては、まずイオン生成部21に材料ガスを導
入し、この材料ガスを放電させてプラズマ状態でなる各
種イオンを生成する。この状態においてイオン生成部2
1に高電圧を印加することにより、各種イオンを引出し
電極24側に引き出してこの引出し電極24のスリツト
24Aを通じて第1のイオンビームB10を生成し、イ
オンビーム分離部26の入射口26Aに入射させる。
【0042】ここでイオンビーム選別部27のスリツト
27Aの幅を全開にした状態から段階的に狭くすると共
に、当該スリツト27Aの幅を段階的に狭くする毎に順
次イオンビーム分離部26の内部に発生させる所定強度
の磁場を所定範囲内において変化させる。このようにし
てイオンビーム選別部27のスリツト27A介して電流
検出部38に第2のイオンビームB11を照射させて当
該電流検出部38に照射させた第2のイオンビームB1
1に基づいて所望のイオンに基づく電流の値を計測部に
よつて計測する。これにより計測部において得られる計
測結果に基づいてイオンビーム分離部26の内部に発生
させる磁場の強度を設定すると共に、イオンビーム選別
部27のスリツト27Aの幅を設定し、この状態におい
てウエハに所望のイオンを打ち込む。
【0043】従つてこのイオン注入装置20において
は、イオンビーム選別部27のスリツト27Aの幅を変
えることができるようにしたことにより、所望のイオン
の原子量及び所望のイオンからなる第2のイオンビーム
B11のビーム径等に応じてスリツト27Aの幅を変え
ることができるので、当該イオンビーム選別部27にお
いて所望のイオンからなる第2のイオンビームB11に
対するビーム損失を減少させてビーム収率を大きくする
ことができる。
【0044】またこのイオン注入装置20においては、
イオンビーム選別部27のスリツト27Aの幅を全開の
状態から段階的に狭くすると共に、当該スリツト27A
の幅を段階的に狭くする毎に順次イオンビーム分離部2
6の内部の磁場の強度を所定範囲内において変化させる
ようにしたことにより、所望のイオンの原子量及び所望
のイオンからなる第2のイオンビームB11のビーム径
等に応じてイオンビーム選別部27のスリツト27Aの
幅及びイオンビーム分離部26の内部の磁場の強度を容
易に調整して設定することができる。。
【0045】以上の構成によれば、イオンビーム選別部
27の第1及び第2の板部31及び33をそれぞれ第1
及び第2の軸部30及び32を中心にして回動させて、
第1の板部31の他端と第2の板部33の他端との間に
形成されるスリツト27Aの幅を変えることができるよ
うにしたことにより、所望のイオンの原子量及び所望の
イオンからなる第2のイオンビームB11のビーム径等
に応じてスリツト27Aの幅を変えることができるの
で、イオンビーム選別部27において所望のイオンから
なる第2のイオンビームB11に対するビーム損失を減
少させてビーム収率を大きくすることができ、かくして
所望のイオンの打ち込み処理の効率を向上し得るイオン
注入装置を実現することができる。
【0046】なお上述の実施例においては、イオンビー
ム選別部27の第1の板部31及び第2の板部33をそ
れぞれ第1の軸部30及び第2の軸部32を中心にして
回動させてスリツト27Aの幅を変えるようにした場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば第1
の板部31の一面31Aと第2の板部33の一面33A
とが同一面上においてイオンビーム分離部26の出射口
26Bとほぼ平行となり、かつ第1の板部31と第2の
板部33とを第2のイオンビームB11のビーム形状の
長平方向と直行する方向に各他端が近づき又は離れるよ
うにスライド自在に保持するようにして、第1の板部3
1の他端と第2の板部33の他端との間に幅を自在に変
えることができるスリツトを形成するようにしても良
い。
【0047】また中心位置から放射状に複数の種類の幅
を有するスリツトが形成された円盤状でなるイオンビー
ム選別部を、所定の軸部に回動自在に保持させて、当該
イオンビーム選別部を回動させた場合に、各スリツトを
順次イオンビーム分離部26の中心軌道と対向させるよ
うにして、スリツトの幅を自在に変える等のようにこの
他種々の構成及び方法によつてスリツトの幅を自在に変
えるようにしても良い。
【0048】また上述の実施例においては、イオン打ち
込み対象物としてウエハに所望のイオンを打ち込むよう
にした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
この他種々のイオン打ち込み対象物に所望のイオンを打
ち込むようにしても良い。
【0049】さらに上述の実施例においては、イオン生
成部としてプラズマイオン源でなるイオン生成部21を
用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、表面効果イオン源等のようにこの他種々のイ
オン源でなるイオン生成部を用いるようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、イオンビ
ーム選別手段のスリツトの幅を自在に変えることができ
るようにしたことにより、所望のイオンの原子量及び所
望のイオンからなる第2のイオンビームのビーム径等に
応じてスリツトの幅を変えることができるので、所望の
イオンからなる第2のイオンビームに対するビーム損失
を減少させてビーム収率を大きくすることができ、かく
して所望のイオンの打ち込み処理の効率を向上し得るイ
オン注入装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるイオン注入装置の構成
を示すブロツク図である。
【図2】所望のイオンに応じてイオンビーム分離部の内
部に発生させる磁場の強度とイオンビーム選別部のスリ
ツトの幅とを設定する際の説明に供するグラフである。
【図3】引出し電極のスリツトの説明に供する略線的斜
視図である。
【図4】イオンビーム分離部の内部における各第2のイ
オンビームの軌道の説明に供する正面図である。
【図5】従来のイオン注入装置の構成を示すブロツク図
である。
【図6】ウエハにホウ素イオン(11+ )を打ち込む場
合のイオンビーム分離部の内部における第2のイオンビ
ームの軌道の説明に供する略線的断面図及び略線的平面
図である。
【符号の説明】
1、20……イオン注入装置、2、21……イオン生成
部、4、23……制御部、6、24……引出し電極、
7、26……イオンビーム分離部、8、27……イオン
ビーム選別部、30……第1の軸部、31……第1の板
部、32……第2の軸部、33……第2の板部、6A、
24A、8A、27A……スリツト。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数種類のイオンからなる第1のイオンビ
    ームを生成し、当該第1のイオンビームを所定強度の磁
    場に入射させることにより上記第1のイオンビームを各
    種上記イオン毎の第2のイオンビームに分離すると共
    に、当該複数のイオンビームの中から所望の上記イオン
    からなる上記第2のイオンビームのみをイオンビーム選
    別手段のスリツトを介して出射させ、所望の上記イオン
    からなる上記第2のイオンビームをイオン打ち込み対象
    物に照射することにより当該イオン打ち込み対象物に所
    望の上記イオンを打ち込むイオン注入装置において、 上記イオンビーム選別手段の上記スリツトの幅を自在に
    変えることができるようにしたことを特徴とするイオン
    注入装置。
  2. 【請求項2】上記イオンビーム選別手段は、 一端が所定の第1の軸を中心にして回動自在に軸支され
    た第1の板部と、 一端が上記第1の軸とほぼ平行な所定の第2の軸を中心
    にして回動自在に軸支された第2の板部とを具え、上記
    第1の板部の他端と上記第2の板部の他端とが対向して
    各上記他端の間に所定の幅を有する上記スリツトを形成
    すると共に、上記第1の板部及び上記第2の板部がそれ
    ぞれ上記第1の軸及び上記第2の軸を中心にして互いに
    逆方向に回転することにより上記スリツトの幅を変える
    ことができるようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載のイオン注入装置。
  3. 【請求項3】上記イオンビーム選別手段の上記スリツト
    の幅を段階的に変えると共に、上記スリツトの幅を段階
    的に変える毎に順次上記磁場の強度を所定範囲において
    変化させる制御手段を具えることを特徴とする請求項1
    に記載のイオン注入装置。
JP8579696A 1996-03-14 1996-03-14 イオン注入装置 Pending JPH09251848A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8579696A JPH09251848A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 イオン注入装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8579696A JPH09251848A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 イオン注入装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09251848A true JPH09251848A (ja) 1997-09-22

Family

ID=13868856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8579696A Pending JPH09251848A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 イオン注入装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09251848A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10854418B2 (en) 2017-11-22 2020-12-01 Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co., Ltd. Ion implanter and method of controlling ion implanter

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10854418B2 (en) 2017-11-22 2020-12-01 Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co., Ltd. Ion implanter and method of controlling ion implanter

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100517300B1 (ko) 전하 수집, 광방출 분광분석 및 질량분석을 이용한이온주입 제어
JP4416949B2 (ja) 粒子ビーム電流モニタリング技術
TW200539326A (en) Faraday dose and uniformity monitor for plasma based ion implantation
JP2000100372A (ja) イオンビ―ム注入装置、イオンビ―ムのエネルギ―測定装置、及びイオンの平均運動エネルギ―の測定方法
JPH01500310A (ja) イオンビーム走査方法および装置
JPH10507029A (ja) 重イオンビームの高速の磁気走査
TWI386967B (zh) 離子佈植機、離子佈植機電極,以及用於將離子佈植到基材之方法
JPH02226645A (ja) イオン注入装置
JPH0582071A (ja) イオン注入装置、イオンビームの電位測定装置およびその電位測定方法
Johnson et al. Direct and charge-transfer scattering of keV-energy H+ and He+ projectiles from rare-gas atoms to obtain small-angle absolute differential cross sections
US5796219A (en) Method and apparatus for controlling the acceleration energy of a radio-frequency multipole linear accelerator
JPH09251848A (ja) イオン注入装置
JPS62112777A (ja) 薄膜形成装置
JPS5853469B2 (ja) イオン打込み装置
JP2569812B2 (ja) 高エネルギイオン注入装置
Day et al. Electron capture from coherent elliptic Rydberg states
JPH0612660B2 (ja) 高電圧イオン打込み装置
JP2978191B2 (ja) イオンビームの照射方法
JP3264987B2 (ja) イオン注入装置
JPS6139356A (ja) イオン打込装置
JP4009013B2 (ja) イオン電流検出装置、及びイオン注入装置
JPS6119036A (ja) 荷電粒子加速器
JP2000036279A (ja) イオン注入装置
JPS60124343A (ja) ラザフオ−ド散乱測定装置付きイオン打込み装置
Sarstedt et al. Beam profile and emittance measurements for ion implantation