JPH09249275A - チューブ容器収納箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を極力減らした製造コストの低
く、かつその管理が容易で、しかも不使用時にはコンパ
クト化できるチューブ容器収納箱の提供。 【解決手段】 帯状材を折曲して、その両端部を突き合
わせて構成したチューブ容器を囲繞する側面部と、該側
面部を固定する底蓋からなる内容物を充填する充填機に
取付け可能なチューブ容器収納箱であって、取付けた状
態において前記側面部に囲繞されたチューブ容器を解放
する不連続部を形成し得るように構成したチューブ容器
収納箱。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内容物を充填する
前の空のチューブ容器を輸送、保管するための、および
内容物充填のために充填機にそのまま取付けるためのチ
ューブ容器収納箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】チューブ容器は、その容器内に充填物
（流動性物質）を充填するまでは、充填物の取出口を有
する容器首部にキャップをして螺着し、チューブ胴の端
部を開口した状態にて取扱っており、そのためにかかる
未充填のチューブ容器をその製造工場から薬剤などの充
填工場に運搬する間の取扱いには多くの注意を必要と
し、通常は輸送箱に収納された状態で保管・流通されて
いる。また、チューブ容器に内容物を充填する際には、
輸送時に使用した箱から手作業にて充填機用のカートリ
ッジに移しかえるという面倒な作業も必要であった。し
かも、その際に注意を怠ると容器を変形したり、傷つけ
たりするおそれもあった。

【０００３】こうした繁雑さを解消するために、前記の
移し替え作業を要しないで直接充填機に取り付けること
ができるチューブ容器収納箱もすでに提案されている。

【０００４】例えば実公平３−３５７４６号には底面部
と側面部とを一体化した箱本体において該側面の下縁部
にチューブの出口及びこの出口を開閉するシャッターを
設け、そのシャッターのつまみ部を上側面から露出させ
ると共に、箱本体に着脱自在の蓋を設けて、この蓋の閉
鎖時にその内面につまみ部を当接させてシャッターをロ
ックするようにした箱が開示されている。また、実公平
５−１６１３０号には、底面部と側面部とを一体化した
箱本体において、該側面部に充填機へのチューブ供給孔
を一組穿設すると共に、供給孔を閉塞する当接板（シャ
ッター）を配設した構成の箱が開示されている。また空
箱時の輸送や保管の際にその取扱いを容易にするため分
離型の箱もすでに使用されている。これは図１１，１２
に示すもので、上蓋１１、それと同じ構造の底蓋１３、
帯状体を折曲してなり、かつ一隅がチューブ容器の出口
を形成するように不連続部Ａを有する箱本体１２、及び
その不連続部を閉塞するシャッター１４から構成される
チューブ容器収納箱である。この箱は図から明らかなよ
うに空箱時には分解が可能でその体積を著しく縮小する
ことができるという利点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の改善されたチューブ収納箱は、本体と蓋体とシャッタ
ーの３部品は必要であり、また前記分解可能なタイプで
は上蓋、底蓋、本体、及びシャッターの４部品が必要と
なる。それらのいずれが欠けても箱は完成しない。した
がって、部品の数量管理が必要となるがこれは実際上か
なり重要である。すなわちチューブ容器収納箱は繰返し
使用される間にシャッターが紛失したり、箱本体が損傷
したりして各部品数量に差が生じてくるが、そうした状
態が常時把握されていないと思わぬところで作業に重大
な支障を来すおそれがあるからである。 また、上記の
３種の箱ではチューブ出口の開放はシャッターを抜き取
ることによるが、この際シャッターとチューブとが擦れ
合うが注意を怠るとチューブを傷つけたり、変形させた
り、シャッターとともにこぼれ出たりするおそれがあ
る。また、シャッターを用いた開口機構の場合、箱本体
とシャッターの間にほこりやゴミがたまり易く、それら
を掃除するにもその都度分解しなければならず、やっか
いである。この清掃問題はチューブ容器の内容物が医薬
品や食品などのように衛生が重視される場合特に重要で
ある。

【０００６】本発明はこうした実情に鑑み、チューブ容
器を傷つけたり変形させるおそれのあるシャッターを不
要として部品点数を減らし、コストを低減できるととも
に部品の管理、清掃も容易で、かつ不使用時には、コン
パクトに分解可能なチューブ容器収納箱を提供すること
を目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、帯状材を折曲してチューブ容器を囲繞する
ように構成し、かつ内容物を充填する充填機に取付けた
状態でチューブ容器を解放する不連続部を形成可能とし
た側面部とそれを固定する底蓋とからなるチューブ容器
が有用であることを知見し本発明に至った。

【０００８】すなわち、本発明は帯状材を折曲してその
両端部を突き合わせて構成したチューブ容器を囲繞する
側面部と、該側面部を固定する底蓋からなる内容物を充
填する充填機に取付け可能なチューブ容器収納箱であっ
て、取付けた状態において前記側面部に囲繞されたチュ
ーブ容器を解放する不連続部を形成し得るように構成し
たチューブ容器収納箱を要旨とするものである。

【０００９】本発明においては、収納されたチューブ容
器の出口の開閉を、箱本体とは別部品であるシャッター
を使用することなく、箱本体側面部の一隅の分離された
端部を適宜の手段により移動させて、チューブ容器を解
放して充填機へチューブを供給する出口となる不連続部
を形成できるようにした点が重要である。このような構
成としたことにより本発明のチューブ容器収納箱は部品
点数が側面部と底蓋とのわずかに２点にすぎず、コスト
的に有利であり、またそのための数量管理も容易とな
る。本発明のチューブ容器の出口の開閉は、チューブ容
器と擦り合うことが避けられないシャッター機構とは異
なるので、チューブ容器と擦り合うことはなくこれを損
傷したり、変形したりすることもない。さらにシャッタ
ー機構の場合にみられる箱本体とシャッターとの間にほ
こり等がたまり易く、またそれを除去するにもいちいち
分解する必要があるなど作業効率が悪いという欠点も、
本発明では箱内部に重なり合う部分が全くないので、完
全に解消することができる。箱内の清掃が必要な場合も
エア洗浄や軽い拭き取りで十分で、非常に容易である。

【００１０】また、本発明ではチューブ容器の出口にシ
ャッター機構を用いないものの、底蓋によって確実に固
定されるので、輸送中あるいは内容物充填機への取付け
作業中に不用意に開放されてチューブ容器がこぼれ出る
こともない。本発明の収納箱において、チューブ容器の
出口は、シャッター機構ではなく、容器を充填機に取付
け底蓋をはずした後、適宜な方法で側面部を変形させ
て、帯状材からなる側面部の端部を移動、開口させて形
成した不連続部によって構成される。

【００１１】本発明のチューブ容器収納箱における側面
部は、その一隅において帯状材の両端部が突き合わせ状
態にて構成されされるが、箱の安定性、形状保持性の観
点から図１３、１４に示すような両端部が相互に突き合
わせ状態となるように構成するのが好ましい。図１４に
おける補助部材１５は、接着剤、リベット等で側面端部
に一体化できる。この突き合わせは両端部に外側からの
力による変形を防止できればよく、厳密な精度は要しな
い。

【００１２】なお、本発明のチューブ容器収納箱には上
蓋を使用してもよいが、上蓋を用いずに実公昭５６−２
８９４８号公報に開示されているような熱収縮性フィル
ムで密封するほうが、より衛生的で、また部品点数も少
なく有利である。

【００１３】本発明のチューブ容器収納箱の側面部は、
帯状材を折曲して構成されるので、チューブ容器収納箱
不使用時は、側面部は折りたたむことができ、また他方
の部材の底蓋もかさばらないので、全体としてかなりコ
ンパクトにすることができ、輸送・保管時のスペース効
率がよい。さらに、底蓋についても平面状に展開できる
ように構成することによって一層コンパクトにすること
ができる。底蓋を平面状に展開する方法としては、例え
ば図１５に説明するように、底蓋側面端部にマジックテ
ープ式、ボタン式あるいはマグネット式等を採用して隣
接する端部同士を脱着自在とする方法や図１６に説明す
るように、底蓋側面端部を折り畳み式に構成するなどの
方法がある。

【００１４】また、本発明のチューブ容器収納箱は、上
蓋・底蓋を自由に取り外すことができるので、チューブ
製造後にその検査を行う際、箱に収納したままの状態
で、チューブのキャップ側、裾側の両面から目視できる
という利点を有する。

【００１５】本発明のチューブ容器収納箱を内容物充填
機に取付けて底蓋をはずした後、側面端部を移動させて
チューブ容器の出口となる不連続部を形成する方法は、
とくに制限はなく収納箱側面部上方を引上げるなど適宜
の方法を採用することができる。

【００１６】本発明のチューブ容器収納箱に使用する材
質については特に制限はない。たとえば、段ボール、厚
紙、プラスチック、金属などを使用することができる。
しかし、耐水性で軽量かつ紙粉のようなほこりの発生も
ないプラスチック発泡体を用いることが好ましく、特に
発泡ポリオレフィン、さらには発泡ポリプロピレンが好
ましい。これは例えば三井東圧化学（株）より「パロニ
アＰＰ」あるいは「ハッポート」として市販されてい
る。

【００１７】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施例を図面に基づ
き説明する。

【００１８】図１は、本発明のチューブ容器収納箱の斜
視図、図２は同組立説明図、図３は同充填機への取付け
時の説明図、図４は同チューブ容器解放時（充填機への
供給時）の説明図。図１〜４中、１はチューブ容器収納
箱、２は底蓋、３は帯状体を折曲して構成された一隅部
において分離された側面部、４は側面部端部を移動させ
て開口させて形成したチューブ容器の出口となる不連続
部、５はチューブ容器を示す。

【００１９】本発明のチューブ容器収納箱１は、前記図
１、２に示すとおり、嵩の低い底蓋２と帯状材を折曲し
て構成した側面部からなる。チューブ容器を収納した
後、輸送・保管時には上蓋を使用してもよいが、前記の
ように熱収縮性フィルムで密封するのが好ましい。な
お、本発明のチューブ容器収納箱については、チューブ
供給孔（出口）を設けるための孔開け加工や、供給孔を
閉鎖するためのシャッター部品は不要である。

【００２０】次に本発明のチューブ容器の使用法につい
て説明すると、製造されたチューブ容器は、まず図１の
収納箱に収納され、内容物充填工場へと輸送される。充
填機にチューブを供給する際には、熱収縮性フィルム
（もし上蓋を使用した場合には、上蓋）を取り外し、そ
のまま底蓋を手前に向けて図３に示すように充填機のチ
ューブ供給台座に取り付ける。

【００２１】次に底蓋を取り除き、図５〜７に示される
ように箱の側壁面を上方向に持ち上げて、箱本体の分離
端部を開口し、不連続部４を形成しチューブを供給す
る。このときの開口方法は、図６のように上方からフッ
ク７を懸けるか、バキュームポンプで吸引するか、又箱
の材質に磁性体金属を用いる場合なら、マグネットで引
き付けるかして、側壁面を引き上げる方法や、図７のよ
うに供給台座の支持板１０の角度を鈍角に設定しておい
て、開口部と対向する角部８を柔らかく押し下げること
によって側壁面をせり上げる方法や、予め供給台にシャ
ッター機構を設置しておいて、箱の端部９を直接引き上
げるといったような様々な方法が考えられる。

【００２２】特にフック７は、例えば図８に示すよう
に、バネ式のクリップ状のものを用いれば、脱着操作も
簡単であるし、箱のサイズに拘らず対応できる。

【００２３】又、開口に際しては、シャッターを取り除
く作業を必要としないので、誤ってシャッターと同時に
チューブを引き抜いてしまったり、チューブを変形させ
たり傷つけたりするような心配は一切ない。

【００２４】又、必要に応じてチューブの供給量を加減
・調整することもできるし、開口部は孔ではないので、
図７に示すようにチューブが孔枠に触れて、横ずれした
りするといったような心配もない。

【００２５】チューブの供給が終了すると箱壁を持ち上
げていたフック等を外し、充填機の供給台から箱本体
（側面部）を取り除き、チューブの入った新たな箱をセ
ットする。このとき空き箱となった箱本体（側面部）は
帯状で、図１０のようにコンパクトに折り畳んで保管・
収納することができる。

【００２６】あるいは、箱自身のコストが安価であるの
で一度使用した箱は廃棄してもよいが、通い箱としてチ
ューブ製造工場へ返却するとしても、輸送コストは従来
のコンテナーと比べて非常に安価である。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のチューブ
容器収納箱は、チューブ容器供給孔（出口）の開閉にシ
ャッター機構を使用していないので、部品点数がわずか
に帯状材から折曲して構成した箱本体（側面部）と、そ
の底蓋の２点のみであり、繁雑な部品の数量管理が容易
であり、箱の製作も簡易でコストも安価である。しか
も、１種類の箱で内容物充填機の左右のいずれの台座に
も区別なく適応することができる。そしてシャッターを
不要としたのでチューブ容器と擦り合ってこれを損傷、
変形するおそれはなく、またシャッター機構とは異なり
箱内部に重なり合う部分がないのでその間にほこり等が
たまることもなく、必要時の清掃も非常に容易であり衛
生上も優れている。チューブ容器の内容物が医薬、化粧
料、食品、調味料など衛生管理が重要となる場合が多い
ことを考慮すれば、この利点も本発明の顕著な効果であ
る。

【００２８】さらにチューブ出口の閉塞時は底蓋により
確実に固定されるので、作業中に不用意にチューブ容器
がこぼれ落ちることもなく、箱の取扱いも容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のチューブ容器収納箱の実施例の斜視
図。

【図２】本発明のチューブ容器の組立説明図。

【図３】同チューブ容器収納箱の充填機への取り付け時
の説明図。

【図４】同チューブ容器解放時（充填機への供給時）の
説明図。

【図５】チューブ容器収納箱の開口不連続部の形成法説
明図。

【図６】同フック７によるもの。

【図７】同開口部対向角部８の押下げによるもの。

【図８】同クリップによるもの。

【図９】開口部が多孔である場合の不具合の説明図。

【図１０】本発明のチューブ容器収納箱の箱本体部（側
面部）を折りたたんだ状態の説明図。

【図１１】従来のチューブ容器収納箱の分解図。

【図１２】同組立図。

【図１３】本発明のチューブ容器収納箱の箱本体部（側
面部）の突き合わせ端部の別の実施例の説明図。

【図１４】本発明のチューブ容器収納箱の箱本体部（側
面部）の突き合わせ端部のさらに別の実施例の説明図。

【図１５】本発明のチューブ容器収納箱の底蓋の他の実
施例の説明図。

【図１６】同上さらに別の実施例の説明図。

【符号の説明】

１．チューブ容器収納箱 ２．底蓋 ３．側面部 ４．チューブ容器出口となる不連続部 ５．チューブ容器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状材を折曲して、その両端部を突き合
   わせて構成したチューブ容器を囲繞する側面部と、該側
   面部を固定する底蓋からなる内容物を充填する充填機に
   取付け可能なチューブ容器収納箱であって、取付けた状
   態において前記側面部に囲繞されたチューブ容器を解放
   する不連続部を形成し得るように構成したチューブ容器
   収納箱。
2. 【請求項２】 チューブ容器を囲繞する側面部の突き合
   わせ端部が両端部相互の突き合わせからなる請求項１記
   載のチューブ容器収納箱。
3. 【請求項３】 底蓋が平面状に展開可能に構成されてい
   る請求項１又は２記載のチューブ容器収納箱。