JPH09249164A - ゴムクローラの接合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチールコードの端末部の屈曲剛性を低下さ
せ、未接着部分の応力集中を分散すると共に、ばね撥ね
上げ挙動を低下させることで、スチールコードの端末部
における接合部の耐久性を向上させることが出来るゴム
クローラの接合構造を提供する。 【解決手段】 クローラ本体１２の内部には、長手方向
に対して直交する向きに所定の間隔で芯金７が平行に配
設されると共に、芯金７上には、抗張体としてのスチー
ルコード１０が配設され、またスチールコード１０の端
末部１０ａは重ね合わせてゴム材料内に埋設されてい
る。前記ゴムクローラ本体１２内に埋設されるスチール
コード１０の端末部１０ａの接合部Ｘは、図２及び図３
に示すように、所定の長さ撚りを解いて偏平状に形成し
て、接着ゴム層１１を介して積み合わせた接合構造にな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、土工機等の走行
装置に使用されるゴムクローラの接合構造にかかわり、
更に詳しくはクローラ本体内に埋設する抗張体としての
スチールコードの端末部の重合部分における接合部の耐
久性を向上させたゴムクローラの接合構造に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来の走行装置としては、例えば、図４
に示すように、スプロケット１とアイドラー２及び複数
個の車輪３ａ，ガイドローラ３ｂとに、エンドレス状の
ゴム材料から成るゴムクローラ本体４を掛け回し、この
ゴムクローラ本体４の張力は、アイドラー２を支持する
張力調整機構５により調整するように構成されている。

【０００３】またスプロケット１は、駆動装置６からの
駆動力を得ることによってゴムクローラ本体４を回転駆
動するように構成されている。前記ゴムクローラ本体４
内には、ゴムクローラ本体４の長手方向に対して直交す
る向きに所定の間隔で芯金７が平行に配設されると共
に、芯金７上、即ち、ゴムクローラ本体４に形成した突
起９側（パターン側）には、ゴムクローラ本体５の長手
方向に抗張体としてのスチールコード１０が配設され、
またスチールコード１０の端末部１０ａは重ね合わせて
ゴム材料内に埋設されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なゴムクローラ本体４内に埋設されるスチールコード１
０の端末部１０ａの接合は、図５及び図６に示すよう
に、接着ゴム層１１を介して積み合わせた接合構造にな
っている。また、スチールコード１０の端末部１０ａの
端末面は、接着処理層のないスチール面となっている。

【０００５】このため、ゴムクローラ本体４の加張力及
び屈曲時の剪断方向への移動により、図７に示すよう
に、芯金７の端部を中心としてスチールコード１０の端
末部１０ａは跳ね上がる挙動を起こし、スチールコード
１０の端末部１０ａに集中応力が作用し、亀裂（クラッ
ク）等が生ずると言う問題があった。この亀裂（クラッ
ク）は、ゴムクローラ本体４の内部から外面、即ち、ゴ
ムクローラ本体４に形成した突起９側の面に成長し、更
に接着層への成長により剥離Ｑすることになって、スチ
ールコード１０の端末部１０ａの接合が抜けてしまうと
言う問題があった。

【０００６】この発明は、かかる従来の課題に着目して
案出されたもので、スチールコードの端末部を、所定の
長さ撚りを解いて偏平状に形成することで、スチールコ
ードの端末部の屈曲剛性を低下させ、未接着部分の応力
集中を分散すると共に、ばね撥ね上げ挙動を低下させる
ことで、スチールコードの端末部における接合部の耐久
性を向上させることが出来るゴムクローラの接合構造を
提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、芯金上に埋設されるスチールコードの端末
部を、所定の長さ撚りを解いて偏平状に形成し、ゴム材
料から成るクローラ本体内に一体的に埋設したことを要
旨とするものである。また、スチールコードの撚りを解
いて偏平状に形成する端末部を芯金の幅方向の中央に位
置させるように配設したり、スチールコードの撚りを解
いて偏平状に形成する端末部は、少なくともクローラ本
体のパターン側に位置するように構成するものである。

【０００８】この発明は上記のように構成され、スチー
ルコードの端末部を、所定の長さ撚りを解いて偏平状に
形成することで、スチールコードの端末部の屈曲剛性を
低下させ、未接着部分の応力集中を分散すると共に、ば
ね撥ね上げ挙動を低下させることで、スチールコードの
端末部における接合部の耐久性を向上させることが出来
るものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、この発
明の実施形態を説明する。なお、従来例と同一構成要素
は、同一符号を付して説明は省略する。図１は、この発
明の第１実施形態を示すゴム材料から成るクローラ本体
１２の一部拡大断面図を示し、クローラ本体１２の内部
には、長手方向に対して直交する向きに所定の間隔で芯
金７が平行に配設されると共に、芯金７上には、抗張体
としてのスチールコード１０が配設され、またスチール
コード１０の端末部１０ａは重ね合わせてゴム材料内に
埋設されている。

【００１０】前記ゴムクローラ本体１２内に埋設される
スチールコード１０の端末部１０ａの接合部Ｘは、図２
及び図３に示すように、所定の長さ撚りを解いて偏平状
に形成して、接着ゴム層１１を介して積み合わせた接合
構造になっている。また、スチールコード１０の端末部
１０ａの接合部Ｘは、芯金７の幅方向の中央に位置させ
ると共に、クローラ本体１２の突起９側（パターン側）
に位置するように構成するのが好ましい。

【００１１】この発明は、上記のように、ゴムクローラ
本体１２内に埋設されるスチールコード１０の端末部１
０ａを、所定の長さ撚りを解いて偏平状に形成して、接
着ゴム層１１を介して積み合わせた接合構造とすること
により、スチールコード１０の端末部１０ａの屈曲剛性
を低下させ、未接着部分の応力集中を分散すると共に、
ばね撥ね上げ挙動を低下させることで、スチールコード
１０の端末部１０ａにおける接合部の耐久性を向上させ
ることが出来るものである。

【００１２】

【発明の効果】この発明は、上記のように芯金上に埋設
されるスチールコードの端末部を、所定の長さ撚りを解
いて偏平状に形成し、ゴム材料から成るクローラ本体内
に一体的に埋設したので、スチールコードの端末部の屈
曲剛性を低下させ、未接着部分の応力集中を分散すると
共に、ばね撥ね上げ挙動を低下させることで、スチール
コードの端末部における接合部の耐久性を向上させるこ
とが出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施形態を示すゴム材料から成
るクローラ本体の一部拡大断面図である。

【図２】この発明を実施したスチールコードの端末部の
斜視図である。

【図３】この発明を実施したスチールコードの端末部の
断面図である。

【図４】従来の走行装置の概略構成図である。

【図５】従来のスチールコードの端末部の斜視図であ
る。

【図６】従来のスチールコードの端末部の断面図であ
る。

【図７】従来のクローラ本体内に埋設されたスチールコ
ードの端末部のばね撥ね上げ挙動を示す説明図である。

【符号の説明】

１ スプロケット ２ アイドラ
ー ３ａ 車輪 ３ｂ ガイド
ローラ ４ ゴムクローラ本体 ５ 張力調整
機構 ６ 駆動装置 ７ 芯金 ９ 突起（パターン側） １０ スチール
コード １０ａ 端末部 １１ 接着
ゴム層 １２ ゴムクローラ本体 Ｘ 接合部 Ｑ 剥離

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴム材料から成るクローラ本体内に、ク
   ローラ本体の長手方向に対して直交する向きに所定の間
   隔で平行に配設される芯金と、この芯金上に、端末部を
   重ね合わせてクローラ本体の長手方向に配設されるスチ
   ールコードとを一体的に埋設してエンドレス状に構成し
   て成るゴムクローラの接合構造において、前記芯金上に
   埋設されるスチールコードの端末部を、所定の長さ撚り
   を解いて偏平状に形成し、ゴム材料から成るクローラ本
   体内に一体的に埋設したことを特徴とするゴムクローラ
   の接合構造。
2. 【請求項２】 前記スチールコードの撚りを解いて偏平
   状に形成する端末部を芯金の幅方向の中央に位置させる
   ように配設した請求項１に記載のゴムクローラの接合構
   造。
3. 【請求項３】 前記スチールコードの撚りを解いて偏平
   状に形成する端末部は、少なくともクローラ本体のパタ
   ーン側に位置するように構成する請求項１または請求項
   ２に記載のゴムクローラの接合構造。