JPH0924693A - キャップを有する筆記具などの軸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸両端に安全キャップを嵌合して幼児の誤飲
等による窒息を防止するとともに、両端には特定のキャ
ップのみを嵌合できるようにして、キャップの離脱、イ
ンク漏出の防止を図る。 【構成】 軸両端に嵌合するいずれか一方にクリップ
（３）を取りつけてなるキャップの外筒体（１），
（７）には、それぞれ内筒体（２），（８）をリブ
（５），（１０）を介して間隙を保持するように取り付
け、この内筒体、外筒体間にはそれぞれ頭部（４），
（９）から嵌合開口部（１２），（１３）迄連通する通
気路を形成し、軸端のキャップの嵌合する外径を異なる
ものとし、キャップの径もそれぞれの軸端の外径と同径
としてなり、安全キャップとしの効果を具えるととも
に、他のキャップを異なる軸端に嵌合して、みだりに脱
落するおそれを防止するとともに、プラスチック芯に比
べインク漏出のしにくい繊維芯を下方に向けるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、誤飲により不測
の事態を招くことのない安全キャップを有する筆記具、
化粧品などの軸に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、筆記具又は化粧品の軸に被嵌し
て、筆記体あるいは塗布部分を覆いその先端部分の損傷
もしくは乾燥を防止するため、キャップを密嵌するもの
であるが、キャップ単体を誤飲して窒息状態を招くこと
があり、これを防止するためキャップの頭部より嵌着開
口部にかけて連通して通気路を確保し、誤飲によっても
窒息などを招くことのない、いわゆる安全キャップが知
られており、両頭ペンなどのように両端に塗布部分をも
つ筆記具にも用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に両
端に筆記体、塗布部分などをもつものにおいては互換性
を優先するあまり同形のキャップを用いることが多く、
とりわけ、クリップをいずれか一方のキャップに取り付
ける場合には、衣服のポケットに装着した場合、下向き
のペン先からインキが漏出するおそれがある。

【０００４】そこで、この発明は、安全キャップを装着
する軸に上記特定の端部にしか特定のキャップを装着で
きないようにしてなるもので、この改良により、常に上
向きに保持したい端部を下向きにポケットに装着される
ことを防止する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そのために、軸の両端に
それぞれ嵌合するキャップを有し、これらのキャップは
それぞれ外筒体と内筒体をもち、外筒体内壁と内筒体外
壁に間隙をもって外筒体頭部から外筒体の嵌合開口部ま
で連通するとともに、一方のキャップの嵌合開口部は、
他方のキャップの外筒体頭部外周に嵌着する径を有し、
他方のキャップの嵌合開口部は、上記一方のキャップの
嵌合開口部の径と異なる径をもち、かつ、他方のキャッ
プの外筒体頭部外周に嵌着する径を有し、キャップが嵌
合する軸の両端の径を異なるものとした上、いずれか一
方のキャップ側方にはクリップを取り付けてなるもので
ある。

【０００６】

【発明の実施の形態】上記構成を具えるので、実施に当
り、筆記具などの軸の両端にそれぞれ嵌合するキャップ
は、外筒体内壁と内筒体外壁間に間隙をもつから、外筒
体頭部よりキャップの嵌合開口部まで外筒体内を連通す
る通気路を保持して、幼児の誤飲による窒息等の不測の
事態の生ずることを防止することができ、軸両端のキャ
ップの嵌合する径を、それぞれ異なる径をもつキャップ
と同径としてあるから、特定のキャップのみが特定の端
部に嵌合することができ、キャップが嵌着される軸にバ
ラツキがあるときには、同径のキャップ径が次第に大き
くなり脱落するものの生ずるおそれがあるが、特定の端
部に特定径のキャップを嵌合することにより上記故障の
生ずるおそれがない。

【０００７】更に、一方にクリップを取り付けたキャッ
プを用いるので、クリップ付キャップが嵌着する端部は
常に上方に向くこととなり、下方の端部にはインク漏出
のしにくいインク芯すなわち繊維芯を装着して、インク
の漏出をしにくくしたものである。

【０００８】

【実施例】この発明を図に示す実施例により更に詳細に
説明する。図１において、（１），（７））はキャップ
の外筒体であり、この外筒体（１），（７）のそれぞれ
内部に内筒体（２），（８）を外筒体（１）の内壁との
間に間隙（２１）をもって上記外筒体（１）内壁より突
出するリブ（５），（１０）を介して固定し、その外筒
体（１），（７）の下端には外方に開放する嵌合開口部
（１２），（１３）をそれぞれ形成する。上記外筒体
（１），（７）と内筒体（２），（８）により頭部
（４），（９）より嵌合開口部（１２），（１３）まで
連通する通気路が構成されることとなる。そして、その
嵌合開口部（１２）の内径（Ａ）と他方の嵌合開口部
（１３）の内径（Ｂ）は異なるものとし、したがって、
一方の嵌合開口部（１２）は軸（１６）の一方の端部
（１７）の径と同径で、これに嵌着され、同様に他方の
嵌合開口部（１３）は軸（１６）の他方の端部（１８）
の径と同径で、これに嵌着される。

【０００９】この実施例においては、キャップのいずれ
か一方の外筒体（１）の側方にはクリップ（３）が取り
付けられ、このクリップ（３）を取り付けたキャップの
外筒体（１）の嵌合開口部（２）の径（Ａ）は、他のキ
ャップの外筒体（７）の嵌合開口部（１３）の径（Ｂ）
と異なるものとされ（ここではＡはＢより大きい）、軸
（１６）端の径はそれぞれの嵌着するキャップの径と同
径とされる。また、この軸（１６）の端部より突出して
構成される筆記体（１９）は、プラスチックよりなる細
芯のものであり、他方の筆記体（２０）は繊維束より得
られる太芯のもので細芯の筆記体（１９）はインクの浸
出が太芯の筆記体（２０）より容易であり、常時携帯す
るときには、プラスチック芯より繊維芯のものを下方に
向けていないとインクの漏出するおそれがある。この実
施例は筆記具を例として記載しているが化粧品として筆
記体を化粧料塗布部に代えることができる。

【００１０】この発明は、上記のように構成されるから
使用に当り、一方のキャップを取り外した上、その外筒
体（１）の嵌合開口部（１２）を他方のキャップの外筒
体頭部の外周（１５）に嵌着し、一方の筆記体（１９）
により筆記をすることができ、また他方の端部にある筆
記体（２０）を使う場合は、他方のキャップを取り外
し、一方のキャップの外筒体頭部外周（１４）に嵌着し
て筆記体（２０）により筆記することができる。なお、
キャップはいずれもその外筒体の頭部より嵌合開口部ま
で、キャップ内を連通する通気路が確保さているので、
これらを連結した場合でも、一方のキャップの外筒体頭
部から他方の外筒体の嵌合開口部迄連通する空気路が貫
通されるから、誤って飲み込んでも通気が可能で不測の
事態は生じないものである。その上、上記キャップは他
のキャップの外筒体の頭部と同径としてあるから、嵌合
密着してみだりに分離するおそれはないものである。

【００１１】

【発明の効果】以上のとおり、この発明は安全キャップ
としての効果をもつ上に、いずれか一方のキャップにク
リップを取り付けることにより、インクの漏出のしにく
い筆記体等を常に下方にするよう、その軸端の径を上記
クリップを取りつけていないキャップの径と同径とする
ことにより、選択的にキャップを取り付けることがで
き、更には製造時のキャップの径の不揃えに対しても、
当初から両端径を異なるものとして、脱着の不具合を回
避できる優れた効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の一部縦断正面図である。

【図２】両端のキャップを連結した状態を示す縦断面図
である。

【図３】キャップの上面図である。

【符号の説明】

１，７ キャップの外筒体 ２，８ キャップの内筒体 ３ クリップ ４，９ 外筒体頭部 ５，１０ リブ ６，１１ キャップ内部 １２，１３ 嵌合開口部 １４，１５ 外筒体頭部外周 １６ 軸 １７，１８ 軸端部 １９ 筆記体（太芯） ２０ 筆記体（細芯） ２１ 間隙

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸両端にそれぞれ嵌合するキャップを有
   し、これらのキャップはそれぞれ外筒体と内筒体をも
   ち、外筒体内壁と内筒体外壁に間隙をもって外筒内に内
   筒体が保持され、上記間隙は外筒体頭部から外筒体の嵌
   合開口部まで連通するともに、一方のキャップの嵌合開
   口部は、他方のキャップの外筒体頭部外周に嵌合する径
   を有し、他方のキャップの嵌合開口部の径と異なる径を
   もち、かつ、他方のキャップの外筒体頭部外周に嵌着す
   る径を有し、キャップが嵌合する軸の両端の径を異なる
   ものとした上、いずれか一方のキャップ側方にはクリッ
   プを取りつけてなる筆記具などの軸。