JPH09246177A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH09246177A
JPH09246177A JP8080532A JP8053296A JPH09246177A JP H09246177 A JPH09246177 A JP H09246177A JP 8080532 A JP8080532 A JP 8080532A JP 8053296 A JP8053296 A JP 8053296A JP H09246177 A JPH09246177 A JP H09246177A
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JP
Japan
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slit
optical
projection
exposure apparatus
dielectric
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JP8080532A
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Takashi Kato
隆志 加藤
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焦点深度を実質的に増大し、かつスループッ
トを向上させる。 【解決手段】 所定のスリット形状の照明光束で第1物
体101面上のパターンを照明し、前記第1物体面上の
パターンを可動ステージ115に載置した第2物体10
3面上に、投影光学系102により、前記第1物体と前
記可動ステージを前記スリット形状の短手方向に前記投
影光学系の撮影倍率に対応させた速度比で同期させてス
キャンさせながら、投影露光する投影露光装置におい
て、前記スリット106形状の照明光束を前記短手方向
に複数有し、その少なくとも一つのスリット状の照明光
束にて照明された前記第1物体面上の部分とそれに対応
した第2物体面上の部分との間の光路中に光学特性を変
化させる光学部材116を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるステップ
アンドスキャン方式の投影露光装置に関し、特に実質的
な焦点深度が深くかつスループットの高い投影露光装置
に関する。このような露光装置は例えばICやLSI等
のデバイスやCCD等の撮像デバイスや液晶パネル等の
表示デバイスや磁気ヘッド等のデバイスを製造する工程
のうち、リソグラフィ工程に使用される際に好適なもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近の半導体素子の製造技術の進展は目
覚ましく、またそれに伴う微細加工技術の進展も著し
い。特に光加工技術はサブミクロンの解像力を有する縮
小投影露光装置、通称ステッパが主流であり、さらなる
解像力向上に向けて光学系の開口数(NA)の拡大や、
露光波長の短波長化が図られている。
【0003】このステッパにおいては、マスク(レチク
ル)の回路パターン像を所定の縮小倍率を持った投影光
学系を介してウエハ面上の所定の位置に縮小投影して転
写を行い、一回の投影転写終了後、ウエハが載置された
ステージを所定の量移動して再び転写を行うステップを
繰り返してウエハ全面の露光を行っている。
【0004】そして最近では高解像度が得られ、かつ画
面サイズを拡大できる、走査機構を用いたステップアン
ドスキャン方式の露光系が種々提案されている。
【0005】このステップアンドスキャン方式の露光装
置ではスリット状の露光領域を有し、ショットの露光は
レチクルとウエハとを走査することにより行っている。
そして一つのショットの走査が終了すると、ウエハは次
のショットにステップして、次のショットの露光を開始
する。これを繰り返してウエハ全体の露光を行ってい
る。
【0006】図13は、走査機構を用いて露光領域を広
くとることが可能なステップアンドスキャン方式を行う
投影露光装置を示している。図中、101は第1物体と
してのレチクル(マスク)であり、102は投影レンズ
(投影光学系)、104は可動ステージであり、第2物
体としてのウエハ103を載置している。ウエハ103
面上には紫外光に反応するレジストが塗布されている。
レチクル101の直前に設けたスリット開口106’を
有するアパーチャ106によりスリット状の照明光束の
当たった部分の回路パターンのみがウエハ103上に投
影転写される。000はX,Y,Z軸を示す座標系を示
している。投影レンズ102の光軸108をZ軸方向
に、スリット状の照明光束106’の長手方向をY軸方
向に、また短手方向をX軸方向に一致するようにとって
いる。
【0007】同図を用いて動作原理を簡単に説明する。
レチクル101上のパターンは、スリット状の照明光束
106’の当たった部分のみしか投影転写されない。し
たがって、レチクル101を矢印114の方向に所定の
速度でスキャンすると同時に、この速度に投影レンズ1
02の結像倍率を乗じた速度でステージ104を矢印1
15の方向にスキャンすることによって、レチクル10
1上の回路パターン全体をウエハ103上に投影転写し
ている。また、スキャンコントローラ111によってレ
チクル101とウエハ103を同期させてスキャンを制
御している。そして回路パターン全体の転写終了後、ス
テージ104を所定の量だけ移動、すなわちステップし
てウエハ103上の異なる多数の位置で上記と同様の方
法でパターンの転写を繰り返す。
【0008】以上のようなステップアンドスキャン方式
の露光装置において、一般に高い解像度を得るために高
NAの投影レンズを用いている。この時露光波長をλと
した時λ/NA2 に比例して決まる焦点深度は非常に厳
しくなる。ウエハ103上に多少の凹凸があっても良好
な露光ができるためには、ある程度以上の焦点深度が必
要である。従来より見かけ上の焦点深度を大きくするた
めにレチクル101とウエハ103の光軸方向の相対位
置を変化させて投影した像を重ね合わせる多重露光方式
が有効であることが知られている。その多重露光の方法
としてウエハ103をレチクル101に対して所定の角
度だけ傾斜させてスキャンを行うようにしたものが特開
平4−277612号公報で提案されている。次に同公
報で提案されている多重露光方法について図14〜図1
7を用いて説明する。
【0009】図14は図13で説明したステップアンド
スキャン方式の露光装置をXZ平面内に2次元的に描い
た概略図である。同図ではウエハ103を投影レンズ1
02の像平面130より所定の角度θだけ傾いた位置に
配置している点が特徴となっている。またH、I、Jは
各々投影レンズ102の物体平面上の点を表し、それぞ
れの点から出た光束132、133、134は像平面1
30で点H’、I’、J’の位置に結像している。ここ
ではウエハ103の表面はI’の位置で像平面130に
一致し、H’、J’の位置ではZ軸方向にある量だけず
れている。
【0010】次に、ウエハ103を傾けて矢印136の
方向にスキャンすることにより多重露光が実現すること
を説明するためにレチクル101上の一点Qの結像につ
いて考える。点Q’は点Qの像が転写されるウエハ10
3上の点であるとする。
【0011】まずレチクル101が矢印114方向にス
キャンされて点QがHの位置にきた瞬間に点Q’はH’
の位置にあり、像が転写される。その際点Q’は像平面
上にないため、点Q’上の光強度分布は図15(A)に
示されるように低コントラストになる。点QがIの位置
まで移動すると点Q’もI’の位置まで移動するが、位
置I’ではウエハ103の面と像平面130とが一致す
るので点Q’上にできる光強度分布は図15(B)に示
すようにシャープなものになる。
【0012】続いて、点QがJの位置まで移動すると点
Q’もJ’の位置まで移動し、そこでの光強度分布は図
15(C)のようになる。実際には点Qに照明光が当た
っている間、点Q’の光強度分布は連続的に変化する
が、同図では簡単のために代表的な点H、I、Jについ
て示している。
【0013】パターンの転写は光強度の蓄積によって行
われているため、点Q’では点H’、I’、J’で受け
た光強度分布の重ね合わせとして図16に示す光強度分
布によって像が形成される。同図ではこれにより多重露
光を達成している。多重露光の利点は次のように説明さ
れる。まず、ウエハ103が図中の位置よりZ軸方向に
ΔZだけずれて下方に移動した場合にスキャンによって
できる光強度分布はH’、I’、J’の位置でそれぞれ
図17(A)、(B)、(C)のようになる。位置
H’、I’での分布形状は図15に比べて劣化するが、
位置J’ではウエハ103と像平面130が一致するこ
とにより最良の分布形状が得られ、総合強度としては図
16と略同様となる。ウエハ103のずれが逆になった
場合にも得られる光強度は図16と略同様となり、結果
的に2ΔZの範囲で良好な光強度分布が得られることと
なる。そしてこの範囲は多重露光を行わない場合に比べ
て広くなるので、実質的に焦点深度が増大したことにな
る。
【0014】また、特開平7−297117では、単一
スリット状の光束を用いた照明により第1物体面(レチ
クル)上のパターンからの光束の光路中に、レチクルの
スキャン方向に沿って光束の光路長を変化させる光学部
材を設けることで、ステージを傾けて走査することなく
多重露光を達成している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このようなステージを
傾けて走査しなければならない多重露光方式は、前述の
ごとく実質的に焦点深度が増大するといった利点がある
が、その反面ステージに特別な走査機構を設ける必要が
あり、装置全体が複雑化および大型化してくるといった
問題点があった。また、ステージを傾けて走査すること
なく、単一のスリット状照明を用いて、第1物体面(レ
チクル)上のパターンからの光束の光路中に、レチクル
のスキャン方向に沿って光束の光路長を変化させる光学
部材を設ける場合には、ステージに特別な走査機構を設
ける必要がなく効果的に焦点深度を向上できるが、より
一層のスループットの向上を期待することは困難である
といった問題点があった。
【0016】本発明は、上述の従来例における問題点に
鑑みてなされたもので、焦点深度を実質的に増大し、か
つスループットを向上させたステップアンドスキャン方
式の投影露光装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の投影露光装置は、所定のスリット形状の照
明光束で第1物体面上のパターンを照明し、前記第1物
体面上のパターンを可動ステージに載置した第2物体面
上に、投影光学系により、前記第1物体と前記可動ステ
ージを前記スリット形状の短手方向に前記投影光学系の
撮影倍率に対応させた速度比で同期させてスキャンさせ
ながら、投影露光する投影露光装置において、前記スリ
ット形状の照明光束を前記短手方向に複数有し、その少
なくとも一つのスリット状の照明光束にて照明された前
記第1物体面上の部分とそれに対応した第2物体面上の
部分との間の光路中に光学特性を変化させる光学部材を
設けたことを特徴としている。
【0018】特に、前記光学部材は光路長を変化させる
誘電体からなっていることや、前記光学部材は前記第1
物体のスキャン方向に沿って前記第1物体からの回折光
の光路長を、部分的、連続的または段階的に変化させる
誘電体からなっていること、また、前記光学部材は前記
第1物体のスキャン方向に沿って厚さまたは材質の屈折
率分布が部分的、連続的または段階的に変化させる誘電
体からなっていることを特徴としている。あるいはま
た、前記光学部材は波長選択性を有するフィルタである
ことを特徴としている。また、特に前記光学部材を第1
物体面と投影光学系との間の光路中、または投影光学系
と第2物体面との間の光路中、または第1物体面と投影
光学系との間の光路中と投影光学系と第2物体面との間
の光路中の両方に配置していることを特徴としている。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示す。図1は本発
明の第1実施例の概略図である。同図において、図13
で示した従来例と同様な構成は説明を省略する。本実施
例の特徴は、走査方向に対しある間隔をおいて2つのス
リットを配置し、一方のスリットを透過した光束の光路
中に光学特性を変化させる光学部材を設けてレチクル1
01上のパターンをウエハ103に投影露光することに
ある。
【0020】ここで動作原理を簡単に説明する。光源レ
ーザ109から発したレーザ光は照明系105を介して
レチクル101を照明する。その際、照明する照明光
は、光学系102の光軸108に対してある一定の距離
離れて配置された2つのスリット部分106A、106
Bを透過する。このうち、スリット106Bを透過した
光束はレチクル101を照明した後、誘電体116を経
て投影光学系102へと入射する。なお、この誘電体1
16はスキャンに対してその位置を変えない、すなわ
ち、スリット106Bの位置との相対位置が変わらない
ように配置されている。
【0021】このスリット106A、106Bに対して
図中の114の方向にレチクルを走査(スキャン)す
る。同時に、この速度に投影レンズ102の結像倍率を
乗じた速度でステージ104を矢印115の方向にスキ
ャンすることによって、レチクル101上の回路パター
ンをウエハ103上に投影転写している。また、スキャ
ンコントローラ111によってレチクル101とウエハ
103を同期させてスキャンを制御している。そして回
路パターンの転写終了後、ステージ104を所定の量だ
け移動、すなわちステップしてウエハ103上の異なる
多数の位置で上記と同様の方法でパターンの転写を繰り
返す。
【0022】本実施例において、116は光学部材であ
り、直方体形状の誘電体よりなり、レチクル101の直
後に配置している。誘電体116はパターンからの回折
光束の光路長をZ軸方向に変化させている。本実施例の
投影露光装置ではアパーチャ106において2つの開口
部106A、106Bを有し、かつ一方の開口部に対応
するレチクル101の直後に誘電体116を配置してい
ることが特徴である。誘電体116は開口部106Bの
形状に則してY軸方向に長く伸びている。
【0023】図2はレチクル101、アパーチャ10
6、スリット開口106A、106B、誘電体116の
位置関係をXY平面内に描いた説明図である。本実施例
では、スリット開口106Bに対応する部分をカバーす
るように誘電体116が配置される。図2に示すよう
に、スリット状照明光束106A、106Bは投影光学
系における光軸からほぼ一定距離離れた位置(物体高)
にある幅を持って配置されている。このスリット状照明
光束106A、106Bは単一スリット状照明光束にお
ける、走査方向に垂直な方向に対する照明光束の範囲と
同じ領域(Y軸方向)をカバーしている。
【0024】図3は、単一スリット状照明光束による走
査露光に対するスループットと2つのスリット状照明光
束によるスループットの違いを示す単純な概念図であ
る。同図において、aは1回のスキャンにおける、スキ
ャン方向に沿ったレチクル101の露光範囲、bはスキ
ャン方向に垂直な方向の露光範囲、cは走査速度、dは
2つのスリット状照明光束の間の距離を示す。単一スリ
ット状照明光束の場合、ウエハ103上で十分な露光量
を得るために、その走査速度はcが最大であるとする。
この場合、レチクル101を露光するのに要する時間
は、a/cで表される。一方、2つのスリット状照明1
06A、106Bの場合は、その各々のスリット状照明
のスリット幅が単一スリットの場合と同一であるとする
と、走査速度を1/2(すなわち2c)にすることが可
能になる。ただし、2つのスリット状照明光束間の距離
dの分だけ単一スリット状照明光束の場合より走査距離
は伸びることになるため、レチクル101の露光範囲1
13を露光するのに要する時間は、(a+d)/cで表
される。したがって、このような単純なモデルにおいて
は、a>dであれば実質的にスループットを向上させる
ことが可能になる。
【0025】なお、誘電体116は図2に示すような形
状に限定されるものではない。例えば、図4に示すよう
に、スリット開口106Bの形状に合わせた形状でも、
あるいはその他の形状でも構わない。
【0026】図5は物点Dの直後に誘電体116を挿入
することによって結像位置が変化する様子の説明図であ
る。図5中、102は投影光学系であり、116は材質
の屈折率n、光軸方向の厚さdの誘電体である。図5
(A)において投影光学系102による物点Cの像点を
C とする。また、図5(B)のように、光路中に誘電
体116が挿入された場合の物点Dの像点をID とす
る。物点Dからの光束は屈折の影響で光束117のよう
に折れ曲がり、実質的に像点が光軸方向にΔ1だけ変動
したものとみなせる。ここで、Δ1は Δ1=(n−1)d/n のように表せる。そして物点Dが光軸方向にΔ1だけ移
動した場合、像点も同じ方向にΔ2だけ移動する。この
とき、投影光学系102の投影倍率をmとすると、 Δ2=m2 Δ1 の関係がある。具体的な値として、1/4倍の縮小結像
の光学系にn=1.5の誘電体物質を用いたとして、Δ
2=1μmとするためには計算上、Δ1=16μmとす
れば良く、そのためにはd=48μmが必要となる。
【0027】次に、本実施例において前述した多重露光
と同様に焦点深度が増大する理由について説明する。簡
単のため、図1でレチクル101上の一点Pの結像につ
いて考える。ウエハ103上の点P’はレチクル101
上の点Pの像が転写されるべき点であるとする。今、点
P’のZ座標は、点IA と点IB の中間に位置するよう
にステージ104によって調整されているとする。レチ
クル101が114の方向にスキャンされて点Pが位置
Aにきたとき、ステージ104は115の方向にスキャ
ンされた点P’が位置A’にきている。この状態で点
P’は点IA とは一致しないので図6(A)に示す多少
劣化した光学像が転写される。
【0028】次に、レチクル101がさらに移動して点
P位置Bに来た状態を考える。このとき、点P’は位置
B’にあり、やはり点IB とは一致していないので、図
6(A)同様に多少劣化した光学像である図6(B)が
転写される。なお、像の転写を2点A、Bを代表させて
説明したが、点Pがスリット開口106Aを通過する間
に転写される点像は、図6(A)同様の分布を持ち、ま
た点Pがスリット開口106Bを通過する間に転写され
る点像は図6(B)同様の分布を持つ。そして点Pがス
リット開口106A、106B両方の範囲をスキャンさ
れる間に点P’に転写される像は、図6(A)と図6
(B)の分布を合計した形、すなわち図6(C)で表せ
る。
【0029】ここで、ウエハ103の凹凸、ステージ1
04の制御誤差等により像が形成されるべき点P’が上
下に変動した場合について考える。今、点P’が下方に
変動したとすると、位置A’における像は図7(A)に
示すように、劣化が大きくなるが、位置B’においては
理想的な結像点像IB に近づくので像は図7(B)に示
すようにシャープになる。そして点Pがスリット開口1
06A、Bをスキャンされる間に点P’に転写される像
の形状は図7(A)、(B)を合計して、やはり図6
(C)のように表せるのである。
【0030】点P’が上方に変動した場合は、位置A’
で転写される像と位置B’で転写される像とは入れ替わ
り、図8のようになるが、点Pの像としての形状は図6
(C)のようになるのは同様である。すなわち、点P’
がある程度上下に変動した場合でも常に同様の像が得ら
れ、実質的に焦点深度が増大したことになるのである。
【0031】なお、アパーチャ106におけるスリット
開口部106Aと106Bは図2の形状・数に限定され
るものではない。図9には、図2で示したスリット状照
明光束の例以外の例を示す。図9(A)は、2つの矩形
状のスリット状光束にて照明を行う場合の例であり、ス
リット開口116に対応した光路中に誘電体が配置され
ている。また図9(B)は、3つの矩形状のスリット状
光束にて照明を行う場合であり、スリット開口が106
B、Cに対応した光路中に誘電体が配置されており、そ
の各々の誘電体のZ軸方向の厚みを変えてある。すなわ
ち、誘電体116と116’とでは、材質が同じである
が、そのZ軸方向の厚さが異なるのである。あるいは、
屈折率の異なる誘電体を配置することも可能である。
【0032】また、図9(C)は色々なスリット開口形
状の組み合わせの例であり、図9(B)と同様に2つの
スリット開口(ここでは116AとC)に対応した光路
中に誘電体116’、116をそれぞれ配置している。
なお、全てのスリット開口に対応した光路中に誘電体を
配置することも可能である。その際は少なくとも一つの
スリット開口に対応して、他のスリット開口とは異なる
厚みを有する誘電体をその光路中に配置することが必要
である。
【0033】また、誘電体116は図5に示したように
物点の位置を光軸方向に所定量変位させることができる
ものであればどのような形状でも構わない。図10
(A)〜(C)は本発明に適用可能な誘電体116の形
状とアパーチャ106との関係を示す要部概略図であ
る。図10(A)の誘電体116はスリット開口106
B内でスキャン方向114に対し連続的にその厚さが変
化する形状になっている。誘電体116をこのような形
状で構成することにより、投影光学系102による像空
間での結像位置を光軸であるZ方向に連続的に変化させ
ることができ、前述したのと同様に多重露光の効果によ
って実質的な焦点深度の向上が可能になる。なお、図1
0(B)のように誘電体116をスリット開口内でスキ
ャン方向114に対して階段状に厚さが変化する形状に
することも可能である。これにより、多重露光による同
様の効果を得ている。さらに、図10(C)に示すよう
に、3つ以上のスリット開口を有する場合には、その用
途に応じてスキャン方向114に対して自由な形状およ
びその組み合わせが可能になる。
【0034】また、本発明におけるスキャンによる多重
露光においてはこれまでに説明したように誘電体の厚み
の違いを利用する以外に、レチクルのスキャン方向に屈
折率分布を持った誘電体を用いても前述と同様に実現が
可能である。また、誘電体はレチクルのスキャン方向と
直交する方向にも必ずしも一様な厚みまたは屈折率を持
っている必要がない。また、スリット開口を用いる代わ
りにシリンドリカルレンズ等を用いてスリット状の光束
を得るようにしても構わない。さらに、走査方向に対す
るスリット開口の幅は、例えば図1のスリット開口10
6A、BのX軸方向の幅は同じでも異なっても構わな
い。すなわち意図的に幅を異ならせることも可能であ
る。
【0035】さらに、本実施例では、第1物体であるレ
チクル101近傍に光学部材を配置したが、レチクル1
01とウエハ103との間の光路中であれば、光学部材
を設ける場所は制限されることはない。例えば、ウエハ
103の直前に光学部材を設けることも可能である。ま
た、レチクル101付近とウエハ103付近の両方に配
置することも可能である。以上のように、光学部材を設
ける場所および個数は自由に選択が可能である。
【0036】なお、以上の実施例においては、光学特性
を変更するために誘電体を用いたが、その誘電体の代わ
りに波長選択性を持つフィルタを用いても同様な効果を
得ることができる。図11は誘電体の代わりに波長選択
性を持つフィルタを用いた投影露光装置の構成を示す。
同図において、光源109としてある程度広帯域を持つ
波長レーザを用い、照明系105を介してアパーチャ1
06のスリット開口部106A、Bを透過してレチクル
101を照明する。118’、118は波長選択フィル
タであり、その各々のフィルタを透過する光の波長が異
なるように選ばれて配置されている。図12はアパーチ
ャ106、スリット開口106A、106B、波長選択
フィルタ116A、Bの位置関係をXY平面内に描いた
説明図である。なお、この波長選択フィルタの形状、ス
リット開口の形状、個数等については、前述した誘電体
における実施例のように、図12に限定されるものでは
ない。この波長選択フィルタを透過した波長をλ1、λ
2とすると、その各々の波長に対応した像点は図11の
ようにZ軸方向に異なった位置になる。このようにし
て、波長選択フィルタを用いることにより、誘電体を配
置するのと同様の効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ステップアンドスキャ
ン方式の露光装置において、第1物体、例えばレチクル
を複数のスリット状の照明光束により照明し、その少な
くとも一つのスリット状の照明光束にて照明されたレチ
クル部分とそれに対応した第2物体、例えばウエハ部分
との間の光路中に適切なる構成の光学部材を設けること
により、ステージを傾けることなく水平に走査して多重
露光ができるようにして装置全体の簡素化を図りつつ焦
点深度を実質的に増大し、高解像度のパターン像が広い
面積に渡り得られるとともにスループットを向上させた
投影露光装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の概略図である。
【図2】 図1のXY平面における概略図である。
【図3】 単一スリットと複数スリットの場合のスルー
プットの違いを説明する概略図である。
【図4】 本実施例に係る誘電体形状の他の実施例の説
明図である。
【図5】 誘電体による像点位置のずれを示す説明図で
ある。
【図6】 図1の像面上における光強度分布の説明図で
ある。
【図7】 図1の像面上における光強度分布の説明図で
ある。
【図8】 図1の像面上における光強度分布の説明図で
ある。
【図9】 図2のスリット状光束の他の実施例を示す図
である。
【図10】 誘電体の形状の他の実施例を示す図であ
る。
【図11】 波長選択性を有するフィルタを用いた場合
の実施例の概略図である。
【図12】 図11のXY平面における概略図である。
【図13】 従来のステップアンドスキャン方式の露光
装置の概略図である。
【図14】 従来の多重露光の説明図である。
【図15】 従来の多重露光における光強度分布の説明
図である。
【図16】 従来の多重露光における光強度分布の説明
図である。
【図17】 従来の多重露光における光強度分布の説明
図である。
【符号の説明】
101:第1物体(レチクル)、102:投影光学系、
103:第2物体(ウエハ)、104:可動ステージ、
105:照明系、106:アパーチャ、106A,10
6B:スリット開口、108:光軸、109:光源、1
10:ミラー、116:誘電体。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のスリット形状の照明光束で第1物
    体面上のパターンを照明し、前記第1物体面上のパター
    ンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体
    面上に、前記第1物体と前記可動ステージを前記スリッ
    ト形状の短手方向に前記投影光学系の撮影倍率に対応さ
    せた速度比で同期させてスキャンさせながら、投影露光
    する投影露光装置において、前記スリット形状の照明光
    束を複数有し、その少なくとも一つのスリット状の照明
    光束にて照明された前記第1物体面上の部分とそれに対
    応した第2物体面上の部分との間の光路中に光学特性を
    変化させる光学部材が配置されていることを特徴とする
    投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記光学部材は光路長を変化させる誘電
    体からなることを特徴とする請求項1記載の投影露光装
    置。
  3. 【請求項3】 前記光学部材は前記第1物体のスキャン
    方向に沿って前記第1物体面からの回折光束の光路長
    を、部分的、連続的または段階的に変化させる誘電体か
    らなっていることを特徴とする請求項2記載の投影露光
    装置。
  4. 【請求項4】 前記光学部材は前記第1物体のスキャン
    方向に沿って厚さまたは材質の屈折率分布が部分的、連
    続的または段階的に変化する誘電体からなっていること
    を特徴とする請求項2記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記光学部材は波長選択性を有するフィ
    ルタであることを特徴とする請求項1記載の投影露光装
    置。
  6. 【請求項6】 前記光学部材を第1物体面と投影光学系
    との間の光路中もしくは投影光学系と第2物体面との間
    の光路中、またはそれらの光路中の両方に配置したこと
    を特徴とする請求項2または5記載の投影露光装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011007941A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Fujifilm Corp 露光ヘッド及び露光装置
CN112731775A (zh) * 2021-01-06 2021-04-30 华虹半导体(无锡)有限公司 超高深宽比图形的光刻工艺方法

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