JPH09241515A - ポリエステル用滑剤およびこれを含有するポリエステル組成物 - Google Patents

ポリエステル用滑剤およびこれを含有するポリエステル組成物

Info

Publication number
JPH09241515A
JPH09241515A JP8330696A JP8330696A JPH09241515A JP H09241515 A JPH09241515 A JP H09241515A JP 8330696 A JP8330696 A JP 8330696A JP 8330696 A JP8330696 A JP 8330696A JP H09241515 A JPH09241515 A JP H09241515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
rosin
purified
lubricant
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8330696A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Maeda
正雄 前田
Koji Yamada
幸治 山田
Eisuke Natsuhara
英介 夏原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP8330696A priority Critical patent/JPH09241515A/ja
Publication of JPH09241515A publication Critical patent/JPH09241515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、機械的性質、耐熱性などのポリエス
テルの特性を低下させることなく、その流動性、成形加
工性を改善しうる滑剤を提供する。また、流動性、成形
加工性に優れたポリエステル組成物を提供する。 【解決手段】 精製安定化ロジンとアルコールおよび/
もしくはエポキシ化合物とからなる精製安定化エステル
からなるポリエステル用滑剤、並びに該滑剤を含有して
なるポリエステル組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル用滑
剤およびこれを含有してなるポリエステル組成物に関す
る。詳しくは、機械的性質、流動性、耐熱性に優れ、自
動車部品、電気・電子部品等の成形品を得るのに用いら
れる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、及びその滑剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】成形材料用ポリエステル樹脂としては、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ートに代表される芳香族ポリエステルが用いられている
が、耐衝撃性などの機械的性質が十分でない。これら芳
香族ポリエステルの機械的性質を改善する方法として、
例えばポリエステル樹脂に対して、α−オレフィン重合
体あるいはα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体等を配
合する方法(特公昭45−26223号公報、特公昭4
5−26224号公報)やα−オレフィン−グリシジル
メタクリルレート共重合体叉はα−オレフィン−グリシ
ジルメタクリルレート−酢酸ビニル共重合体を配合する
方法(特開昭52−32045号公報)等多く提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法を用いることにより、機械的強度を高くすることが
出来るが、流動性や耐熱性が低下してバランスのとれた
物性を有するポリエステル樹脂組成物を得ることが困難
であった。本発明は、前記実情に鑑み、耐熱性と機械的
強度に優れ、流動性の良好なポリエステル樹脂組成物を
与えるポリエステル樹脂に対して相溶性や流動性付与効
果に優れ、滑剤自体の色調、臭気、加熱安定性などの点
でも満足しうるポリエステル用滑剤を提供することを目
的とする。また、本発明は、流動性、成形性が顕著に改
良されたポリエステル組成物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の
ロジンエステル類が前記目的に合致する滑剤となりうる
こと、該滑剤を使用すれば前記目的に合致するポリエス
テル樹脂組成物を収得しうることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、精製安定化ロジン類
とアルコール化合物および/もしくはエポキシ化合物と
からなる精製安定化ロジンエステル類からなるポリエス
テル樹脂用滑剤に関する。更に本発明は、前記滑剤を含
有してなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物に
関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の滑剤は、前記のように、
ポリエステルとの相溶性に優れ、ポリエステルの特性を
極力低下させずに流動性を付与することができ、しかも
加熱安定性が良好で無臭であるとの観点から、選択され
たものであり、以下のような特定のロジンエステル類か
らなる。該ロジンエステル類とは、精製安定化ロジン類
とアルコール化合物および/もしくはエポキシ化合物か
らなるエステル化物である。好ましくは、その色調はガ
ードナー2以下である。
【0007】前記精製安定化ロジン類とアルコール化合
物からなるロジンエステル類の具体例としては、特開昭
63−186783号公報、特開平3−277675号
公報、特開平5−171112号公報、特開平5−27
9631号公報、特開平7−11194号公報などに記
載されている各種が例示できる。精製安定化ロジン類と
エポキシ化合物からなるエステル化物の構成成分である
精製安定化ロジンの具体例としては、不均化ロジン、水
素添加ロジン、脱水素化ロジンなどの安定化ロジンを蒸
留して不鹸化物や夾雑物を除いてなる精製安定化ロジン
類が該当する。より具体的には、特開昭64−8526
5号公報、特開平3−277675号公報、特開平5−
271622号公報、特開平5−271621号公報、
特開平6−329991号公報などに記載されている各
種が例示できる。
【0008】前記ロジンエステル類の構成成分であるア
ルコール化合物としては、特に限定はなく各種公知の多
価アルコールが使用できる。例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサン
ジオール、オクタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ジプロピレングリコール等の飽和および不飽和の各
種公知の2価アルコール、ビスフェノールAに酸化エチ
レンまたは酸化プロピレンを付加してえられた2価アル
コール等;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリス
リトール、ジグリセリンなどの4価アルコール;ジペン
タエリスリトールなどの6価アルコール;エチレングリ
コールやグリセリンなどの脂肪族多価アルコールを開始
剤とした酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロ
フラン等の重合体や共重合体等のポリエーテルポリオー
ル類が例示できる。これらアルコール化合物は1種単独
でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらア
ルコール化合物のうち芳香環を有するものは、得られる
ロジンエステル自体の加熱安定性が良好で色調悪化が極
めて少ないため特に好ましく、更には該ロジンエステル
を含有するポリエステル組成物の機械的性質や耐熱性の
点でも特に好ましい。
【0009】前記ロジンエステル類の構成成分であるエ
ポキシ化合物としては、特に限定されず各種公知のモノ
エポキシ化合物や多価エポキシ化合物などが使用でき
る。モノエポキシ化合物としては、例えばn−ブチルグ
リシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエー
テル等のアルキルグリシジルエーテル;フェニルグリシ
ジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル;バーサ
ティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリ
シジルエステル;前記ロジン類のグリシジルエステル等
のモノカルボン酸グリシジルエステル類;スチレンオキ
サイド、シクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。ジ
エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシ
ジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ルなどの非環状脂肪族ジグリシジルエーテル類;2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールA系高分子量エポキシ樹
脂、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジ
ルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタンジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテ
ル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジ
ヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、2,2−
ビス(4−(β−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プ
ロパンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシ
ジルエーテルなどの芳香族または、環状脂肪族ジグリシ
ジルエ−テル、無水フタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸ジグリシジルエステルなどの芳
香族または環状脂肪族ジグリシジルエステル類;3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセン
ジオキサイド等の環状脂肪族環状オキシラン類などのジ
エポキシ化合物が挙げられる。トリエポキシ化合物とし
ては、例えばトリメチロールエタントリグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリスヒドロ
キシエチルイソシアヌレート、トリグリシジルエーテ
ル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジルエーテ
ル、トリメリット酸トリグリシジルエステルなどが挙げ
られる。またテトラエポキシ化合物としては、例えば
1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エ
タンテトラグリシジルエーテル、ビスレゾルシノールテ
トラグリシジルエーテルなどが挙げられる。その他のポ
リエポキシ化合物としては、ソルビトールポリグリシジ
ルエーテル、フェノールノボラック型樹脂のポリグリシ
ジルエーテルなどが挙げられる。これらエポキシ化合物
は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用でき
る。これらエポキシ化合物のうち芳香環を有するもの
は、得られるロジンエステル自体の加熱安定性が良好で
色調悪化が極めて少ないため特に好ましく、更には該ロ
ジンエステルを含有するポリエステル組成物の機械的性
質や耐熱性の点でも特に好ましい。
【0010】上記アルコール化合物および/またはエポ
キシ化合物と前記精製安定化ロジン類との反応は、特に
制限されず公知の反応条件を採用して容易に行うことが
できる。例えば、アルコール化合物と精製安定化ロジン
類との反応は、通常、アルコール化合物の水酸基と該ロ
ジン類のカルボキシル基の当量比〔−OH(eq)/−
COOH(eq)〕が0.8〜2.0程度となるよう仕
込んだ後、不活性気流下に150℃〜280℃程度に加
熱し、生成水を系外に留去しながら公知のエステル化触
媒の存在下または不存在下にエステル化すれば良い。ま
た、エポキシ化合物と該ロジン類との反応の具体例とし
ては、通常ポリエポキシ化合物中の1個のエポキシ基を
水酸基2個に相当するとして、OH(水酸基及びエポキ
シ基に由来する水酸基の合計)/COOH比を0.8〜
22の範囲内でロジン類とポリエポキシ化合物を所定量
仕込み、エポキシ開環触媒の存在下または不存在下に、
通常、窒素気流下において、反応温度120〜200℃
程度で開環付加反応させる。OH(エポキシ基に由来す
る水酸基)/COOH比が2より小さい場合にはエポキ
シ基が完全に開環したと思われる段階で、さらに反応温
度を230〜260℃に上げて、水酸基( エポキシ基の
開環によって生じた水酸基を含む)とロジン類をエステ
ル化反応させ、酸価5以下、好ましくは3以下となるま
でエステル化反応を続行すれば良い。上記反応は溶媒の
存在下または不存在下に行うことができる。該溶媒とし
ては、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水
素等があげられる。なお、エステル化工程においては必
要により、例えば各種公知の有機燐系化合物等の安定剤
やエステル化促進剤等を添加できることはもとよりであ
る。
【0011】本発明で用いるポリエステル樹脂は、芳香
族を重合体の連鎖単位に有する芳香族ポリエステルであ
って、芳香族ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性
誘導体を主成分とする酸成分とジオールあるいはそのエ
ステル形成性誘導体のジオール成分を主成分とする重合
原料を重縮合することにより得られる重合体ないしは共
重合体である。酸成分として使用される芳香族ジカルボ
ン酸あるいはそのエステル形成性誘導体としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビ
ス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジ
カルボン酸等、又はこれらのジアルキルエステル、ジア
リールエステル等のエステル形成性誘導体、脂環族ジカ
ルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体としては、
シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、テトラヒド
ロフタル酸等、又はこれらのジアルキルエステル、ジア
リールエステル等のエステル形成性誘導体、脂肪族ジカ
ルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体としては、
コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二酸、ア
ルケニル無水コハク酸等、又はこれらのジアルキルエス
テル、ジアリールエステル等のエステル形成性誘導体等
が挙げられる。グリコ−ル成分の具体例としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ビス(4
−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、シクロヘキサ
ンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン−エチレンオキサイド付加物、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−プロピレンオ
キサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコ−ル等の分
子量400〜6000の長鎖グリコールおよびこれらの
混合物等が挙げられる。
【0012】本発明で使用するのに好ましいポリエステ
ル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘ
キシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等が挙げられるが、これらの中で
もポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート及びこれらを主体とする共重合体が適度の機械的
強度を持ち好ましい。また、本発明において使用する熱
可塑性ポリエステル樹脂としては、フェノール/テトラ
クロルの混合溶媒中(混合比1/1重量比)、23℃の
温度下で測定した極限粘度〔η〕が0.4〜1.4であ
るものが好ましい。極限粘度が0.4未満では成形品の
強度が低下し、また1.4を越えると成形時の流動が低
下し、所望の成形品を得ることが困難となる。
【0013】以下、本発明のポリエステル組成物につき
説明する。本発明の該組成物は、前記ポリエステルと、
前記精製安定化ロジンエステル類からなる滑剤とを必須
構成成分とする。該滑剤の使用量は、得られる成形品の
用途に応じて変化するため一義的に決定できないが、通
常はポリエステル100重量部に対して0.1〜67部
程度、好ましくは0.5〜20重量部である。該滑剤の
使用量が0.1重量部未満では流動性の向上が認められ
ず、また67部を越えると機械的性質や耐熱性が低下す
る。
【0014】本発明のポリエステル組成物では、必要に
より、繊維状強化剤、無機質充填剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、核剤、分散剤、着色剤などを添
加することができる。
【0015】前記繊維状強化剤としては、ガラス繊維、
ガラス繊維以外の無機繊維、炭素繊維、耐熱性有機繊維
等をあげることができる。具体的には、繊維径1〜20
μm、繊維長10mm以下のガラス繊維または炭素繊維
のチョップドストランド、ガラス繊維ミルドファイバ
ー、ピッチ系炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族
ポリイミド繊維、芳香族ポリアミドイミド繊維、及びこ
れらを組み合わせたもの等を使用できるが、ガラス繊維
のチョップドストランドが特に好ましい。
【0016】前記無機質充填剤としては、タルク、粉末
長石、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム、粉末石英、珪藻土、カオリン、マイカな
どを例示できる。
【0017】本発明のポリエステル組成物の好ましい配
合割合としては、ポリエステル30〜99.9重量%、
前記ロジンエステル系滑剤0.1〜20重量%、繊維状
強化剤0〜50重量%および無機質充填剤0〜50重量
%とされる。更に好ましくは、ポリエステル50〜90
重量%、前記ロジンエステル系滑剤0.5〜10重量
%、繊維状強化剤0.5〜40重量%および無機質充填
剤0.5〜40重量%とされる。
【0018】本発明の組成物においては本発明の目的を
損なわない範囲内で、ポリエチレン、ポリプロピレン、
アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリア
ミド、ポリアセタ−ル、ポリスルホン、ポリフェニレン
オキサイド、α−オレフィン重合体、α−オレフィン−
酢酸ビニル共重合体、α−オレフィン−グリシジルメタ
クリルレ−ト共重合体、α−オレフィン−グリシジルメ
タクリルレ−ト−酢酸ビニル共重合体等その他の熱可塑
性ポリマ−を併用したり、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム等の無機難燃剤、ハロゲン系あるいはリン
系等の有機難燃剤、金属粉末、タルク、マイカ、木粉等
の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、カップ
リング剤、発泡剤、架橋剤、着色剤、核剤等の添加剤を
添加することができる。
【0019】本発明の滑剤をポリエステルに配合するに
際しては、該混合方法は特に限定されず、公知各種の混
合方法を採用できる。すなわち、ペレット、粉末または
砕片状態のポリエステルに、本発明の滑剤および必要に
より繊維状強化剤、無機質充填剤などを前記使用割合で
配合し、高速撹拌機等を用いて均一混合した後、一軸ま
たは多軸の押出機で溶融混練する方法、バンバリーミキ
サーやゴムロール機を用いて溶融混練する方法等が挙げ
られる。こうして得られる本発明のポリエステル組成物
は、各種成形品、例えばシート、繊維状物、管状物など
の所望の形態に成形して使用できる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステルの特性を
高度に維持しつつ、その流動性を顕著に向上でき、しか
も無臭で加熱安定性に優れた滑剤が提供できる。また該
滑剤を配合することにより、成形加工性に優れるポリエ
ステル組成物を提供できる。該組成物は、エンジニアリ
ングプラスチックとして、各種の自動車用部品、電子・
電気機器部品、熱器具その他、剛性、耐熱性、寸法安定
性等が求められる各種成形品に使用できる。
【0021】
【実施例】以下、製造例、実施例および比較例により本
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。以下、特記しない限り、
部および%は重量基準である。
【0022】製造例1(精製安定化ロジンの調製) (1) 不均化反応 酸価172.5、軟化点75℃、色調ガードナー6の未
精製中国産ガムロジン1000部に触媒として5%パラ
ジウムカーボン(含水率50%)0.3部を加え、窒素
シール下、280℃で4時間攪拌して不均化反応を行な
い、酸価157.3、軟化点77℃、色調ガードナー8
の不均化ロジンを得た。 (2) 精製 前記不均化ロジンを窒素シール下に3mmHgの減圧下で蒸
留し、酸価178.3、軟化点85℃、色調ガードナー
4の一般恒数を有する表1に示す主留を精製不均化ロジ
ンとした。 (3) 水素化反応 前記精製不均化ロジン200部と5%パラジウムカーボ
ン(含水率50%)0.4部を、振盪式オートクレーブ
に仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素にて1
00Kg/cm2 に加圧し260℃まで昇温し、同温度で3
時間、水素化反応を行ない、酸価168.9、軟化点8
6℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー50)の
精製安定化ロジン(R1)を得た。
【0023】製造例2(精製安定化ロジンの調製) (1) 水素化反応 製造例1(1) に記載の未精製中国産ガムロジン1000
部と、水素化触媒として5%パラジウムカーボン(含水
率50%)2部を、振盪式オートクレーブに仕込み、系
内の酸素を除去した後、系内を水素にて100Kg/cm2
に加圧し、撹拌下に260℃まで昇温し、同温度で3時
間、水素化反応を行ない、酸価167.2、軟化点74
℃、色調ガードナー5の未精製水素化ロジンを得た。 (2) 精製 上記の未精製水素化ロジンを窒素シール下に3mmHgの減
圧下で蒸留し、酸価175.2、軟化点83℃、色調ガ
ードナー2の一般恒数を有する表2に示す主留を精製水
素化ロジンとした。 (3) 脱水素化反応 上記の精製水素化ロジン200部と、脱水素化触媒とし
て5%パラジウムカーボン(含水率50%)0.1部
を、振盪式オートクレーブに仕込み、窒素置換して系内
の酸素を除去した後、系内を250℃まで昇温し、同温
度で3時間、脱水素化反応を行ない、酸価172.6、
軟化点84℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー
80)の精製安定化ロジン(R2)を得た。
【0024】実施例1(精製安定化ロジンエステルの調
製) 製造例1(2) で得た精製不均化ロジン500部をフラス
コに仕込み、窒素シール下に180℃に昇温し、溶融撹
拌下に200℃でグリセリン60部を加えた後、280
℃まで昇温し、同温度でエステル化を行ない、酸価2.
5、軟化点99℃、色調ガードナー5の精製不均化ロジ
ンエステルを得た。該ロジンエステルを製造例1(3) と
同様の反応条件にて水素化反応を行ない、酸価2.8、
軟化点99℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー
150)の精製安定化ロジンエステル(RE1)を得
た。
【0025】実施例2(精製安定化ロジンエステルの調
製) 製造例1(2) で得た精製不均化ロジン500部、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(水酸
基価318)336部をフラスコに仕込み、窒素気流下
250℃にてエステル化を行い、酸価2.0、軟化点9
0℃、色調ガードナー5の精製不均化ロジンエステルを
得た。該ロジンエステルを製造例1(3)と同様の反応条
件にて水素化反応を行い、酸価2.5、軟化点88℃、
色調ガードナーカラー1以下(ハーゼンカラー100)
の精製安定化ロジンエステル(RE2)を得た。
【0026】実施例3(精製安定化ロジンエステルの調
製) 製造例2(3) で得られた精製安定化ロジン(R2)20
0部、高分子量ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量935.3)592.2部およびトリフェニル
ホスフィン0.19部をフラスコに仕込み、窒素気流下
160℃にてエステル化を進め、酸価0.6、軟化点1
14℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー22
5)の精製安定化ロジンエステル(RE3)を得た。
【0027】比較例1 製造例1(1) で得られた未精製不均化ロジンを用い、こ
れを実施例1のエステル化条件と同一条件にてエステル
化し、次いで製造例2(1) の水素化条件と同一条件にて
水素化を行ない、酸価2.5、軟化点88℃、色調ガー
ドナー6の未精製安定化ロジンエステル(RE4)を得
た。
【0028】比較例2 製造例1(1) で使用したと同じ未精製ロジンを用い、こ
れを実施例1のエステル化条件および水素化条件と同一
条件にてエステル化と水素化を行ない、酸価2.0、軟
化点84℃、色調ガードナー7の未精製ロジンエステル
(RE5)を得た。
【0029】(ポリエステル組成物の調製)固有粘度
〔η〕1.0のポリブチレンテレフタレートまたは固有
粘度〔η〕0.8のポリエチレンテレフタレート100
部、前記実施例または比較例で得られた各種ロジンエス
テル、および繊維径13μm で繊維長3mmのガラス繊維
をそれぞれ表3に示す割合で配合し、V型ブレンダー中
で充分混合した後、該混合物を直径30mmの一軸押出機
に投入し、シリンダー温度270℃で溶融混合し、ポリ
エステル組成物のペレットを得た。このペレットを、シ
リンダー温度270℃、金型温度80℃で射出成形し
て、試験片を作成した。
【0030】(性能評価)上記で得られた各試験片を用
い、それぞれ衝撃強度、耐熱性および流動性の試験に供
した。これらの評価結果を表3に示す。また、前記実施
例および比較例でえられた各ロジンエステルを用い、そ
れぞれ臭気および加熱安定性を評価した。これらの結果
を表4に示す。
【0031】(衝撃強度)ASTM D256 に準拠
し、1/8インチ厚の試験片についてアイゾット衝撃強
度(ノッチ付)を測定した。 (耐熱性)ASTM D648 に準拠し、荷重たわみ
温度(18.6kg/cm2荷重)を測定した。 (流動性)上記射出成形機を用いて、シリンダー温度2
70℃、流路幅15mm、流路厚2mmのアルキメデス型ス
パイラルフローの金型を用いて、金型温度80℃で測定
した。 (臭気)各ロジンエステルを内径1.5cm、高さ15cm
の試験管に入れ蓋をしないまま200℃の循風乾燥器に
静置して溶融後、臭気を嗅ぎ、下記基準で判断した。 ○:臭気なし △:少し臭気有り ×:臭気が強い (加熱安定性)各ロジンエステルを内径1.5cm、高さ
15cmの試験管に入れ蓋をしないまま200℃の循風乾
燥器に静置して色調(ガードナー)の経時変化を観察し
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製安定化ロジン類とアルコール化合物
    および/もしくはエポキシ化合物とからなる精製安定化
    ロジンエステル類からなるポリエステル用滑剤。
  2. 【請求項2】 精製安定化ロジンエステル類が、ガード
    ナー色調2以下のものである請求項1記載の滑剤。
  3. 【請求項3】 精製安定化ロジンエステル類において、
    該アルコール化合物およびエポキシ化合物が芳香環を有
    するものである請求項1または2記載の滑剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の滑剤を
    含有してなるポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】 ポリエステル30〜99.9重量%、請
    求項1〜3のいずれかに記載の滑剤0.1〜20重量
    %、繊維状強化剤0〜50重量%および無機質充填剤0
    〜50重量%からなる請求項4記載の組成物。
JP8330696A 1996-03-11 1996-03-11 ポリエステル用滑剤およびこれを含有するポリエステル組成物 Pending JPH09241515A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8330696A JPH09241515A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 ポリエステル用滑剤およびこれを含有するポリエステル組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8330696A JPH09241515A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 ポリエステル用滑剤およびこれを含有するポリエステル組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09241515A true JPH09241515A (ja) 1997-09-16

Family

ID=13798740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8330696A Pending JPH09241515A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 ポリエステル用滑剤およびこれを含有するポリエステル組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09241515A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006292820A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真トナー用樹脂組成物
JP2007248704A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Dainippon Ink & Chem Inc 非磁性一成分静電荷現像トナー用樹脂組成物
WO2013069365A1 (ja) * 2011-11-10 2013-05-16 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体
JP2018065989A (ja) * 2016-10-17 2018-04-26 荒川化学工業株式会社 複合プラスチック成形物
JPWO2021106746A1 (ja) * 2019-11-27 2021-06-03

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006292820A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真トナー用樹脂組成物
JP4505738B2 (ja) * 2005-04-06 2010-07-21 Dic株式会社 電子写真トナー用樹脂組成物
JP2007248704A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Dainippon Ink & Chem Inc 非磁性一成分静電荷現像トナー用樹脂組成物
JP4678520B2 (ja) * 2006-03-15 2011-04-27 Dic株式会社 非磁性一成分静電荷現像トナー用樹脂組成物
TWI579336B (zh) * 2011-11-10 2017-04-21 由尼帝佳股份有限公司 熱可塑性樹脂組成物及由該熱可塑性樹脂組成物製成之成形體
JPWO2013069365A1 (ja) * 2011-11-10 2015-04-02 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体
WO2013069365A1 (ja) * 2011-11-10 2013-05-16 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体
JP2018065989A (ja) * 2016-10-17 2018-04-26 荒川化学工業株式会社 複合プラスチック成形物
CN109844034A (zh) * 2016-10-17 2019-06-04 荒川化学工业株式会社 复合塑料成形物
EP3527627A4 (en) * 2016-10-17 2020-05-27 Arakawa Chemical Industries, Ltd. COMPOSITE PLASTIC MOLDED ARTICLE
CN109844034B (zh) * 2016-10-17 2021-07-27 荒川化学工业株式会社 复合塑料成形物
JPWO2021106746A1 (ja) * 2019-11-27 2021-06-03
WO2021106746A1 (ja) * 2019-11-27 2021-06-03 荒川化学工業株式会社 繊維強化樹脂用組成物、繊維強化樹脂、成形体、繊維強化樹脂用組成物の使用方法、繊維強化樹脂の強化方法、及び繊維強化樹脂の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4536531A (en) Polyester resin composition
US9062197B2 (en) Polyester blends
JPH05222279A (ja) エポキシ化合物と触媒との併用によるポリエステルの安定化
JPS62275153A (ja) ポリエステル組成物
JPH09241515A (ja) ポリエステル用滑剤およびこれを含有するポリエステル組成物
EP0273152A2 (en) Process for the preparation of polyester/polycarbonate copolymers
EP0551685B1 (en) Poly(alkylene cyclohexane dicarboxylate)-(alkylene terephthalate)copolyesters and compositions thereof
US4327198A (en) Polymeric molding compositions having the high impact strength
US5886099A (en) Thermoplastic polyester resin composition
JPH03503542A (ja) エチレンポリマーとポリエステルとをベースとした熱可塑性組成物
JPH09227773A (ja) ポリカーボネート用滑剤およびこれを含有するポリカーボネート組成物
JPH10152606A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びその成形品
JPH09249807A (ja) ポリアミド用滑剤およびこれを含有するポリアミド組成物
KR20050006202A (ko) 가수분해 내성 폴리에스테르 엘라스토머 조성물 및 관련물품 및 방법
WO2004005399A1 (ja) 加工安定性に優れる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とその成形品
JP3097762B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2013245250A (ja) ポリエステルエラストマからなるpet用樹脂改質剤
JP2614936B2 (ja) ポリブチレンテレフタレート組成物
JP2542145B2 (ja) ポリ(アルキレンシクロヘキサンジカルボキシレ―ト)−(アルキレンテレフタレ―ト)コポリエステル
JPS61261346A (ja) 難燃性芳香族ポリエステル樹脂組成物
EP0383058A1 (en) Polyesters modified with ABS terpolymers
JP2023083807A (ja) ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物、ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法、及び成形品
JPH0157142B2 (ja)
JPH09165508A (ja) ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JPH1160916A (ja) ポリエステル樹脂組成物