JPH09239953A - スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】常に信頼性の高い印刷を行い得るスクリーン印
刷装置及びスクリーン印刷方法を実現し難かつた。 【解決手段】スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方
法において、スクリーンの他面側の気圧が当該スクリー
ンの一面側の気圧よりも高くなるように、スクリーンの
他面側とスクリーンの一面側との間に気圧差を生じさせ
るようにしたことにより、スクリーンの開口部に充填さ
れた印刷物の当該開口部からの抜け性をスクリーンの開
口部の大きさに関わりなく格段的に向上させることがで
き、かくして常に信頼性の高い印刷を行い得るスクリー
ン印刷装置及びスクリーン印刷方法を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【目次】以下の順序で本発明を説明する。 発明の属する技術分野 従来の技術（図２） 発明が解決しようとする課題（図２） 課題を解決するための手段（図１） 発明の実施の形態（図１） 発明の効果

【０００２】

【発明の属する技術分野】本発明はスクリーン印刷装置
及びスクリーン印刷方法に関し、例えばソルダーペース
ト印刷機に適用して好適なものである。

【０００３】

【従来の技術】従来、プリント配線基板の回路面上の所
定位置にはんだを供給するはんだ供給方法の１つとして
印刷法があり、通常、この印刷法によるはんだ供給はソ
ルダーペースト印刷機と呼ばれる専用の装置を用いて行
われている。

【０００４】実際上ソルダーペースト印刷機において
は、図２に示すように、ＸＹＺ駆動機構２によりＸ方向
（矢印ｘ）、Ｙ方向（矢印ｙ）及びＺ方向（矢印ｚ）に
移動自在に支持されたＸＹＺテーブル３を有し、当該Ｘ
ＹＺテーブル３の上方にプリント配線板４のはんだ供給
位置にそれぞれ対応させて開口部５Ａが設けられたスク
リーン５が固定配置されると共に、当該スクリーン５上
には硬質ゴム又はウレタン等からなるスキージ６が配置
され、かつ当該スキージ６はスキージ駆動機構７により
スクリーン５上をＸ方向に自在に摺動し得るようになさ
れている。

【０００５】さらにスクリーン５の上方には図示しない
ソルダペースト供給機構が配設されており、当該ソルダ
ーペースト供給機構を介してスクリーン５上にソルダー
ペースト８を必要時に必要量だけ供給し得るようになさ
れている。

【０００６】かくしてソルダーペースト印刷機１におい
ては、動作時、ＸＹＺテーブル３上にのプリント配線板
４が位置決めした状態で載置されると、まずＸＹＺ駆動
機構２が駆動してＸＹＺテーブル３を上昇させることに
よりプリント配線板４のはんだ供給面４Ａをスクリーン
５の下面５Ｂに密着させた後、ソルダーペースト供給機
構が駆動してスクリーン５上にソルダーペースト８を所
定量供給し、この後スキージ駆動機構７が駆動してスキ
ージ６をスクリーン５上において摺動させることにより
スクリーン５の各開口部５Ａをそれぞれ介してプリント
配線板４の対応するはんだ供給位置上にソルダーペース
ト８を印刷する。

【０００７】さらにソルダーペースト印刷機１において
は、この後ＸＹＺ駆動機構２が再び駆動してＸＹＺテー
ブル３を下降させることによりプリント配線板４をスク
リーン５から引き離した後、当該プリント配線板４を図
示しない搬送機構によつて続く製造ラインに送り出す一
方、この後ＸＹＺテーブル３上にプリント配線板４が供
給される毎に同様の動作を繰り返すようになされ、かく
して供給されるプリント配線板４に順次ソルダーペース
ト８を印刷供給し得るするようになされている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで上述のように
構成された従来のソルダーペースト印刷機１では、プリ
ント配線板４上に印刷されたソルダーペースト８のスク
リーン５の各開口部５Ａからの抜け性は、重力と、それ
自身の張力及び粘度とだけに頼つていた。ところが、近
年、電子部品の高密度実装化や電子部品の微細化によつ
てプリント配線板４上のソルダーペースト８を印刷すべ
き部分（主としてランド）の大きさも微細化してきてお
り、これに伴いソルダーペースト印刷機１のスクリーン
５の各開口部５Ａも細く、小さくなつてきている。

【０００９】この場合ソルダーペースト８は、はんだ粒
子とフラツクス（溶剤）とを混ぜ合わせることにより形
成されるゲル状の高粘度のものであり、このため例えば
スクリーン５の各開口部５Ａがある程度の大きさを有し
ているうちはある程度対応し得ていたものの、スクリー
ン５の開口部５Ａが微細化してくると、プリント配線板
４をソルダペースト印刷機１のスクリーン５から引き離
す際、印刷したソルダーペースト８がプリント配線板４
上に転写せずにスクリーン５の開口部５Ａ内に残留し、
スクリーン５に目詰まりが生じることがあつた。

【００１０】従つて従来のソルダーペースト印刷機１に
おいては、スクリーン５の開口部５Ａの微細化に伴つ
て、プリント配線板４上に印刷されたソルダーペースト
８にいわゆる「かすれ」と呼ばれる部分的な欠落や、
「歯抜け」と呼ばれる一部分全体に印刷がなされないよ
うな印刷不良が発生し易く、信頼性の高い印刷を行い難
い問題があつた。

【００１１】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、スクリーンの開口部の大きさに関わりなく、常に信
頼性の高い印刷を行い得るスクリーン印刷装置及びスク
リーン印刷方法を提案しようとするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め第１の本発明においては、スクリーン印刷装置に、印
刷対象物と当接しないスクリーンの他面側の気圧が当該
スクリーンの一面側の気圧よりも高くなるように、スク
リーンの一面側とスクリーンの他面側との間で気圧差を
生じさせる気圧差生成手段を設けるようにした。また第
２の発明においては、スクリーン印刷方法において、印
刷対象物と当接しないスクリーンの一面側の気圧が当該
スクリーンの他面側の気圧よりも高くなるようにスクリ
ーンの他面側とスクリーンの一面側との間で気圧差を生
じさせながらスクリーンと上記印刷対象物とを引き離す
ようにした。

【００１３】この結果、第１及び第２の発明ではスクリ
ーンの各開口部を介して印刷物を印刷対象物に印刷した
後、スクリーンを印刷対象物から引き離す際に、スクリ
ーンの各開口部に充填された印刷物に対して印刷対象物
に押しつける方向の圧力を与えることができる。従つて
スクリーンの各開口部に充填された印刷物が対応する開
口部から抜ける際、この圧力によつて抜けを積極的に補
助することができ、かくして当該印刷物の当該開口部か
らの抜け性を当該開口部の大きさに関わりなく格段的に
向上させることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。

【００１５】図２との対応部分に同一符号を付して示す
図１において、１０は全体として本発明を適用したソル
ダーペースト印刷機を示し、装置全体がカバー１１に覆
われている点及び当該カバー１１にフアン１２Ａ、１２
Ｂが取り付けられている点を除いて図２に示すソルダー
ペースト印刷機１と同様に構成されている。

【００１６】この場合カバー１１においては、内部がス
クリーン５を境として上部と下部とに分割されている。
またカバー１１のスクリーン５から上側の部分はスクリ
ーン５から下側の部分に比べて気密性が十分に高く形成
されている。さらにフアン１２Ａ、１２Ｂにおいては、
カバー１１の上部に取り付けられ、吸引した外気を順次
カバー１１の内部の上部１１Ａ内に排気し得るようにな
されている。

【００１７】これによりこのソルダーペースト印刷機１
０においては、カバー１１の内部上部１１Ａの気圧（ス
クリーン５の上面５Ｃ側の気圧）をカバー１１の内部下
部１１Ｂの気圧（スクリーン５の下面５Ｂ側の気圧）よ
りも高くさせることができ、かくしてスクリーン５の上
面５Ｃ側にカバー１１の内部上部１１Ａ及び内部下部１
１Ｂ間の気圧差に応じた圧力を与え得るようになされて
いる。

【００１８】この実施例の場合、カバー１１に対するフ
アン１２Ａ、１２Ｂの取り付け位置は、フアン１２Ａ、
１２Ｂによつてカバー１１内部に取り込まれた外気が直
接スクリーン５の上面５Ｃに吹きかからない位置に選定
されている。これによりこのソルダーペースト印刷機１
０においては、スクリーン５の上面１１Ｃ側に全面に亘
つて均一にカバー１１の内部上部１１Ａと内部下部１１
Ｃとの気圧差に応じた圧力を与え得るようになされてい
る。

【００１９】以上の構成において、このソルダーペース
ト印刷機１０では、スクリーン５の上面５Ｃ側にカバー
１１の内部上部１１Ａ及び内部下部１１Ｃ間の気圧差に
応じた圧力が与えられる。従つてスクリーン５の各開口
部５Ａに充填されたソルダーペースト８にも同じ大きさ
の圧力が上側から与えられるため、この圧力によつて当
該ソルダーペースト８のスクリーン５の開口部５Ａから
抜けを積極的に補助することができ、その分ソルダーペ
ースト８の抜け性を向上させることができる。

【００２０】従つてこのスルダーペースト印刷機１０に
おいては、スクリーン５の各開口部５Ａを介してプリン
ト配線板４上にソルダーペースト８を印刷した後、当該
プリント配線板４をスクリーン５から引き離す際に、ソ
ルダーペースト８がスクリーン５の各開口部５Ａ内に残
存し難く、かくしてスクリーン５の目詰まりを効率良く
防止し得る分、「かすれ」や「歯抜け」等の印刷不良の
発生を未然に防止することができる。

【００２１】以上の構成によれば、スクリーン５の上面
５Ｃ側の気圧が当該スクリーン５の下面５Ｂ側の気圧よ
りも高くなるように、スクリーン５の上面５Ｂ側と下面
５Ｂ側との間で気圧差を生じさせるようにしたことによ
り、スクリーン５の各開口部５Ａ内に充填されたソルダ
ーペースト８の抜け性をスクリーン５の開口部５Ａの大
きさに関わりなく格段的に向上させることができ、かく
して印刷不良の発生を未然に防止することができる。か
くするにつき信頼性の高いソルダーペースト印刷機を得
ることができる。

【００２２】またスクリーン５の各開口部５Ａ内に充填
されたソルダーペースト８の抜け性を向上させることが
できるため、常に安定した厚みでソルダーペースト８を
プリント配線板４上に印刷することができ、さらにはス
クリーン５の目詰まり等のエラー発生率を確実に低下さ
せ得るため、メンテナンス性も向上させることができ
る。

【００２３】なお上述の実施例においては、本発明をソ
ルダーペースト印刷機１０に適用するようにした場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、プリント配線
板４又は他の印刷対象物にソルダーペースト８又は他の
印刷物（例えばはんだレジスト等）をスクリーンを介し
て印刷するこの他種々のスクリーン印刷装置に適用して
好適なものである。

【００２４】また上述の実施例においては、スクリーン
５の上面５Ｃ側の気圧が当該スクリーン５の下面５Ｂ側
の気圧よりも高くなるようにスクリーン５の上面５Ｃ側
とスクリーン５の下面５Ｂ側との間に気圧差を生じさせ
る気圧差生成手段を、カバー１１とフアン１２Ａ、１２
Ｂとで構成するようにした場合について述べたが、本発
明はこれに限らず、例えば気圧差生成手段を所定の気体
が詰められたボンベとカバー１１とで構成し、ボンベか
ら排出される気体をカバー１１の内部上部に供給するこ
とによりスクリーン５の上面５Ｃ側の気圧を下面５Ｂ側
の気圧よりも高くさせるようにしても良い。

【００２５】また気圧差生成手段をスクリーン５から下
側部分の気密性がスクリーン５から上側部分よりも高い
カバーと、当該カバーの内部から気体を排出する気体供
給手段（例えばフアンや真空ポンプ等）とで構成し、当
該カバーの内部下部の気圧をカバーの内部上部気圧より
も下げることによりスクリーン５の上面５Ｃ側の気圧を
下面５Ｂ側の気圧よりも高くさせるようにしても良く、
気圧差生成手段の構成としてはこの他種々の構成を適用
できる。

【００２６】さらにこの場合スクリーン５の上面５Ｃ側
及び下面５Ｂ側に気圧差を生じさせる気圧差生成手段を
機械的なフアン１２Ａ、１２Ｂ等を使用せず、温度差に
よつて気圧差を生じさせるようにしても良い。

【００２７】さらに上述の実施例においては、スクリー
ン５の全面に亘つて上面５Ｃ側と下面５Ｂ側との間に気
圧差を生じさせるようにした場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、例えば先端部から気体を噴出する
所定構造の気体噴出手段を設け、スクリーン５のうちの
微細な開口部５Ａが設けられた部分に対してスクリーン
５の上面５Ｃ側から気体噴出手段から噴出された気体を
吹き当てることによりスクリーン５の上面５Ｃ側と下面
５Ｂ側との間で気圧差を生じさせるなど、スクリーン５
の開口部５Ａからソルダーペースト８の抜け性が悪い部
分にのみスクリーン５の上面５Ｃ側と下面５Ｂ側との間
に気圧差を生じさせるようにしても良い。

【００２８】さらに上述の実施例においては、スクリー
ン５を固定側とし、プリント配線板４を可動側とするよ
うにした場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、スクリーン５を可動側とし、プリント配線板４を固
定側とするようにしても良い。

【００２９】さらに上述の実施例においては、装置全体
をカバー１１により覆うようにした場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、装置のスクリーン５よりも
上側部分のみ気密性の高いカバーで覆うようにしても良
い。

【００３０】さらに上述の実施例においては、スクリー
ン５の上面５Ｃ側に常時下面５Ｒ側よりも高い気圧を与
えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに
限らず、スクリーン５からプリント配線板４を離反させ
るときのみにスクリーン５の上面５Ｃ側の気圧を下面５
Ｂ側の気圧よりも高くするようにしてもよい。

【００３１】

【発明の効果】上述のように本発明によれば、スクリー
ン印刷装置において、印刷対象物と当接しないスクリー
ンの他面側の気圧が当該スクリーンの一面側の気圧より
も高くなるように、スクリーンの他面側とスクリーンの
一面側との間に気圧差を生じさせる気圧差生成手段を設
けるようにしたことにより、スクリーンの開口部に充填
された印刷物の当該開口部からの抜け性をスクリーンの
開口部の大きさに関わりなく格段的に向上させることが
でき、かくして常に信頼性の高い印刷を行い得るスクリ
ーン印刷装置を実現できる。

【００３２】また第２の発明によれば、スクリーン印刷
方法において、印刷対象物と当接しないスクリーンの一
面側の気圧が当該スクリーンの他面側の気圧よりも高く
なるようにスクリーンの他面側とスクリーンの一面側と
の間で気圧差を生じさせながらスクリーンと上記印刷対
象物とを引き離すようにしたことにより、スクリーンの
開口部に充填された印刷物の当該開口部からの抜け性を
スクリーンの開口部の大きさに関わりなく格段的に向上
させることができ、かくして常に信頼性の高いスクリー
ン印刷を行い得るスクリーン印刷方法を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したソルダーペースト印刷機の構
成を示す略線図である。

【図２】従来のソルダーペースト印刷機の構成を示す略
線図である。

【符号の説明】

４……プリント配線板、５……スクリーン、５Ａ……開
口部、１０……ソルダーペースト印刷機、１１……カバ
ー、１２Ａ、１２Ｂ……フアン。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷対象物の印刷対象面の印刷位置にそれ
   ぞれ対応させて開口部が設けられたスクリーンの一面を
   上記印刷対象物の上記印刷対象面に当接させ、上記スク
   リーンの上記開口部を介して印刷物を上記印刷対象物の
   上記印刷位置に印刷するスクリーン印刷装置において、 上記スクリーンの他面側の気圧が当該スクリーンの一面
   側の気圧よりも高くなるように、上記スクリーンの他面
   側と上記スクリーンの一面側との間で気圧差を生じさせ
   る気圧差生成手段を具えることを特徴とするスクリーン
   印刷装置。
2. 【請求項２】上記気圧差生成手段は、 上記スクリーンのうち、他の上記開口部に比べて上記印
   刷物の抜け性が悪い上記開口部が設けられた部分に対し
   てのみ上記スクリーンの他面側と上記スクリーンの一面
   側との間で気圧差を生じさせることを特徴とする請求項
   １に記載のスクリーン印刷装置。
3. 【請求項３】印刷対象物の印刷対象面の印刷位置にそれ
   ぞれ対応させて開口部が設けられたスクリーンの一面
   を、上記印刷対象物の上記印刷対象面に当接させる第１
   のステツプと、 上記スクリーンの上記開口部に印刷物を充填することに
   より、上記印刷対象物の上記印刷位置に上記印刷物を印
   刷する第２のステツプと、 上記スクリーンの他面側の気圧が当該スクリーンの一面
   側の気圧よりも高くなるように上記スクリーンの他面側
   と上記スクリーンの一面側との間で気圧差を生じさせな
   がら上記スクリーンと上記印刷対象物とを引き離す第３
   のステツプとを具えることを特徴とするスクリーン印刷
   方法。
4. 【請求項４】上記第３のステツプでは上記スクリーンの
   うち、他の上記開口部に比べて上記印刷物の抜け性が悪
   い上記開口部が設けられた部分に対してのみ上記スクリ
   ーンの他面側と上記スクリーンの一面側との間で気圧差
   を生じさせながら上記スクリーンと上記印刷対象物とを
   引き離すことを特徴とする請求項３に記載のスクリーン
   印刷方法。