JPH09239920A - 不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体 - Google Patents

不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体

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JPH09239920A
JPH09239920A JP8056233A JP5623396A JPH09239920A JP H09239920 A JPH09239920 A JP H09239920A JP 8056233 A JP8056233 A JP 8056233A JP 5623396 A JP5623396 A JP 5623396A JP H09239920 A JPH09239920 A JP H09239920A
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film
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woven fabric
resin film
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裕行 三塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた柔軟性(風合い)と、不織布およびフ
ィルム間の適切な接着強度とを兼ね備えた不織布と熱可
塑性樹脂フィルムとの積層体を提供する。 【解決手段】 互いの融点差が5℃以上の二枚の熱可塑
性樹脂フィルムをそれぞれ外層として有する多層フィル
ムの、融点が低い方の熱可塑性樹脂フィルム面と、多層
フィルムの融点が低い方のフィルムを形成する樹脂より
も5℃以上高い融点を有する熱可塑性樹脂からなる不織
布とを熱ラミネートする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不織布と熱可塑性樹
脂フィルムとの積層体に関する。さらに詳しくは、優れ
た柔軟性と、不織布およびフィルム間の適切な接着強度
とを兼ね備え、おむつ等の生理・衛生用品に好適に用い
られる不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】おむつ、女性用生理用品、失禁用下着等
の各種生理・衛生用品が市販されている。このような生
理・衛生用品は、基本的に肌との接触を和らげる液体透
過性シートと、尿等の洩れを防ぐための液体非透過性シ
ートと、両者の間に挿入される吸収部材とから構成され
ている。この液体非透過性シートとしては、通常、合成
樹脂フィルムが、いわゆるバックシートとして用いられ
ている。このバックシートは、合成樹脂フィルムが本来
的に有する外見上の冷たさ、肌に対する感触の硬さ(風
合いの悪さ)、ガサガサという音の発生等の問題があっ
た。
【0003】このような不都合を解消するため、合成樹
脂フィルムに不織布シートを貼合わせた、いわゆるクロ
スライク化がなされたものが開示されている(実開昭6
2−41006号公報,実開昭62−83807号公
報、および特開昭63−212357号公報)。これら
の処理がなされたバックシートは、風合い面で向上が図
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのバッ
クシートの作製時における貼り合わせ方法の一つとして
熱ラミネート法が挙げられているが、不織布とフィルム
とを充分な接着強度を持つよう接着させると風合いが硬
くなる。また、風合いを柔らかくするために熱ラミネー
トをゆるやかな条件にすると、不織布とフィルムとの接
着強度が弱くなる。そのような原反を使用した、たとえ
ば紙おむつは、防水性のフィルムと不織布とが部分的、
全面的に剥離しやすくなり、おむつとして充分な品質を
保つことができない。これまでの熱ラミネート法による
不織布とフィルムとのラミネートでは、紙おむつに使用
することができる柔らかさと、不織布とフィルムとの充
分な接着強度とを併せ持つ積層体を得ることはできなか
った。
【0005】本発明は、上述の問題に鑑みなされたもの
であり、優れた柔軟性(風合い)と、不織布およびフィ
ルム間の適切な接着強度とを兼ね備えた不織布と熱可塑
性樹脂フィルムとの積層体を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、不織布と熱可塑性樹脂フィルムと
を熱ラミネートすることにより得られる積層体におい
て、熱可塑性樹脂フィルムが、互いの融点差が5℃以
上、好ましくは10℃以上の二枚の熱可塑性樹脂フィル
ムをそれぞれ外層として有する多層フィルムであり、か
つ不織布が、多層フィルムの融点が低い方のフィルムを
形成する樹脂よりも5℃以上、好ましくは10℃以上高
い融点を有する熱可塑性樹脂からなるシートであり、さ
らに不織布と、多層フィルムの融点が低い方の熱可塑性
樹脂フィルム面とが熱ラミネートされていることを特徴
とする不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体が提供
される。
【0007】また、その好ましい態様として、前記不織
布が、ポリプロピレンからなり、かつ前記互いの融点差
が5℃以上の二枚の熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチ
レンフィルムおよびポリプロピレンフィルムであること
を特徴とする不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体
が提供される。
【0008】また、不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを
熱ラミネートすることにより得られる積層体において、
不織布が、熱可塑性樹脂からなるシートであり、かつ、
熱可塑性樹脂フィルムが、不織布との熱接着性に優れた
熱可塑性樹脂フィルムと、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂
フィルムとをそれぞれ外層として有する多層フィルムで
あり、さらに不織布と、多層フィルムの不織布との熱接
着性に優れた熱可塑性樹脂フィルム面とが熱ラミネート
されていることを特徴とする不織布と熱可塑性樹脂フィ
ルムとの積層体が提供される。
【0009】また、その好ましい態様として、前記不織
布が、ポリプロピレンからなり、かつ多層フィルムの両
外層が、それぞれポリプロピレンフィルムおよびポリエ
チレンフィルムであることを特徴とする不織布と熱可塑
性樹脂フィルムとの積層体が提供される。
【0010】また、不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを
熱ラミネートすることにより得られる積層体において、
熱可塑性樹脂フィルムが、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂
からなり、かつ、不織布が、熱可塑性樹脂からなる不織
布層と、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂からなる不織布層
とをそれぞれ外層として有する多層不織布であり、さら
に多層不織布の柔軟性に優れた熱可塑性樹脂からなる不
織布層面と、熱可塑性樹脂フィルムとが熱ラミネートさ
れていることを特徴とする不織布と熱可塑性樹脂フィル
ムとの積層体が提供される。
【0011】また、その好ましい態様として、前記熱可
塑性樹脂フィルムが、ポリエチレンフィルムであり、か
つ、多層不織布の両外層が、ポリプロピレンからなる不
織布層、およびポリエチレンからなる不織布層であるこ
とを特徴とする不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層
体が提供される。
【0012】また、不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを
熱ラミネートすることにより得られる積層体において、
不織布が、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂からなるシート
であり、かつ熱可塑性樹脂フィルムが、柔軟性に優れた
熱可塑性樹脂フィルムと、熱可塑性樹脂フィルムとをそ
れぞれ外層として有する多層フィルムであり、さらに、
不織布と多層フィルムの柔軟性に優れた熱可塑性樹脂フ
ィルム面とが熱ラミネートされていることを特徴とする
不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体が提供され
る。
【0013】また、その好ましい態様として、前記不織
布が、ポリエチレンからなり、かつ多層フィルムの両外
層が、それぞれポリエチレンフィルムおよびポリプロピ
レンフィルムであることを特徴とする不織布と熱可塑性
樹脂フィルムとの積層体が提供される。
【0014】さらに、前記不織布と熱可塑性樹脂フィル
ムとの積層体からなることを特徴とするおむつ用バック
シートが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明は、基本的に、不織布と熱可塑性
樹脂フィルムとを熱ラミネートすることにより得られ
る、柔軟性と、不織布およびフィルム間の適切な接着強
度とを兼ね備えた積層体である。本発明は、三つの態
様、すなわち、第1発明、第2発明、および第3発明、
を包含する。
【0016】1.第1発明 (1)熱可塑性樹脂フィルム 構造 本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムは、互いの融
点差が5℃以上、好ましくは10℃以上の二枚の熱可塑
性樹脂フィルムをそれぞれ外層とする多層フィルムであ
る。本発明の目的を阻害しない範囲で、中間に必要に応
じて、たとえばガスバリア性,耐水圧性,緩衝性向上の
ための層を設けることもできる。二枚のフィルムの厚さ
は、特に制限はないが、たとえば、それぞれ5〜30μ
mが好ましい。
【0017】樹脂の種類 本発明に用いられる多層フィルムの両外層の樹脂は、互
いの融点差が5℃以上であることが必要であり、10℃
以上であることが好ましい。不織布と熱可塑性樹脂の多
層フィルムとを熱ラミネートする場合、不織布と、多層
フィルムの融点が低い方の熱可塑性樹脂フィルム面とが
貼合わされるが、融点が低い方の熱可塑性樹脂フィルム
を形成する樹脂と、不織布および融点が高い方の熱可塑
性樹脂フィルムを形成する樹脂との融点差が5℃未満で
あると、不織布とフィルムとをラミネートさせるのに充
分な温度をかけた場合、非ラミネート層も溶融し、ピン
ホールが発生するおそれがあるため、加熱条件が厳しく
なり、同じ目付量で比較した場合、フィルムの防水性が
失われるとともに、不織布等が硬くなり、肌触り、風合
いを害することになる。
【0018】互いの融点差が5℃以上の樹脂の組合せと
しては、特に制限はないが、たとえば、ポリプロピレン
(融点140〜160℃)とポリエチレン(融点100
〜130℃)、ナイロン(融点210〜260℃)とポ
リエチレン(融点100〜130℃)、ナイロン(融点
210〜260℃)とポリプロピレン(融点140〜1
60℃)、ポリエチレンテレフタレート(融点240〜
280℃)とポリエチレン(融点100〜130℃)、
ポリエチレンテレフタレート(融点240〜280℃)
とポリプロピレン(融点140〜160℃)、メタロセ
ン触媒を使用して製造された低密度ポリエチレン(LD
PE)(融点95℃)と直鎖状低密度ポリエチレン(L
LDPE)(融点120℃)等を挙げることができる。
中でも、ポリプロピレンとポリエチレンとの組合せが、
他樹脂と比較した場合、融点が低いため加工が容易で、
安価のため好ましい。
【0019】中間層の樹脂成分としては、熱可塑性樹脂
であれば特に制限はない。例えば、ポリエチレンテレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレン
ナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート,ポ
リフェニレンオキシド,ポリスルホン,ポリエーテルス
ルホン等のポリエーテル、6,6−ナイロン等のポリア
ミド、ポリフェニレンスルフィド,ポリオキシメチレン
等の縮重合系重合体、ポリアクリル酸,ポリアクリル酸
エステル,ポリメチルメタクリレート等のアクリル系重
合体、ポリオレフィン,またはポリ塩化ビニル,ポリ塩
化ビニリデン,ポリフッ化ビニリデン等のハロゲン含有
ビニル化合物共重合体等の熱可塑性樹脂を挙げることが
でき、本発明を阻害しない範囲で適宜選択することがで
きる。この樹脂のフィルムや発泡層を中間層として好適
に用いることができる。
【0020】多層フィルムの製造方法 本発明に用いられる多層フィルムの製造方法は特に制限
はないが、たとえば共押出しによるキャスト(Tダイ)
法、インフレーション法を用いて製造することができ
る。
【0021】(2)不織布 本発明に用いられる不織布は、前述のように、前記多層
フィルムの融点が低いフィルムを形成する樹脂よりも5
℃以上、好ましくは10℃以上高い融点を有する熱可塑
性樹脂からなるシートである。不織布を構成する樹脂と
しては、前記多層フィルムの融点が高いフィルムを形成
するものと同様のものを用いることができる。中でもポ
リプロピレンが安価であり、他樹脂より融点が低く加工
が容易であるため好ましい。その種類、製造方法として
は特に制限はないが、たとえば、スパンボンド法、メル
トブロー法,カード法を挙げることができる。なお、不
織布を構成する樹脂は、前記多層フィルムの融点が高い
フィルムを形成する樹脂と同一でも異なっていてもよ
い。目付量としては特に制限はないが、たとえば10〜
70g/m2 が好ましい。
【0022】(3)熱ラミネート 本発明に用いられる熱ラミネート方法については特に制
限はないが、たとえば二本の熱カレンダーロール間を通
し熱接着をさせる方法、および前記方法のうち一本に熱
エンボシングロールを用いて熱接着させる方法を挙げる
ことができる。
【0023】上記の構成の積層体とすることにより、通
常は熱接着することができない、互いに異種素材を使用
した不織布とフィルムとを熱接着した積層体を提供する
ことができる。従って、将来的に積層体に求められる要
求特性が変化する等の理由で、素材が多様化しても、熱
接着による積層体製造を行うことができる。また、互い
に同素材の不織布とフィルムとの熱接着を行う場合に比
べ、中間層がより低温で溶融するので、同じ熱接着条件
であるならば、生産性を向上させることができる。
【0024】2.第2発明 (1)熱可塑性樹脂フィルム 構造 本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムは、不織布と
の熱接着性に優れた熱可塑性樹脂フィルムと、柔軟性に
優れた熱可塑性樹脂フィルムとを、それぞれ外層とする
多層フィルムである。中間層を設けてもよいことは第1
発明の場合と同様である。二枚のフィルムの厚さは特に
制限はないが、たとえば、それぞれ0.5〜30μmと
することが好ましい。
【0025】樹脂の種類 本発明に用いられる不織布との熱接着性に優れた熱可塑
性樹脂フィルムにおいて、「不織布との熱接着性に優れ
る」とは、熱接着した後、不織布となじみ、接着強力が
大きいことを意味する。本発明における接着強力の測定
方法は後に説明するが、接着強力が大きいとは、その方
法で測定した値が20g/5cm以上、好ましくは30
g/5cm以上さらに好ましくは50g/5cm以上で
あることを意味する。接着強力が20g/5cm未満の
場合、不織布とフィルムとの間に全面剥離や部分剥離が
発生しやすい。なお、不織布との熱接着性が悪いフィル
ムを使用すると、充分な接着強度を得るためには、より
高温及び/又は高圧にならざるをえず、その結果、風合
いが硬くなったり、ピンホールが発生する等の不都合が
生ずる。
【0026】本発明における接着強力の測定方法は、引
張試験機として、インストロン1122型を用い、不織
布とフィルムとの熱接合体のサンプルにおける接合幅を
5cmとし、引張速度を200mm/minで接合され
ていない不織布と、接合されていないフィルムとを反対
の方向(180°の方向)に引張った際に生じる応力を
測定する。この場合、サンプル幅5cmの接合部分と、
接合されてない不織布と、接合されていないフィルムと
は、Tの字状となる。評価は、極大値四点(大きい値か
ら順に四点)の平均値と、極小値四点(小さい値から順
に四点)の平均値との中間の値を中間測定値とする。こ
の測定を四回繰り返し、中間測定値の平均値を測定値と
する。
【0027】このような不織布との熱接着性に優れた熱
可塑性樹脂の具体的選定としては、例えば不織布に用い
た樹脂と同種の熱可塑性樹脂を用いることが通常であ
る。異種の樹脂を用いる場合、たとえば不織布とフィル
ムとの組合せにおいて、PP不織布とEVAフィルム,
PP不織布とエチレンメチルメタクリレート(EMM
A)フィルム(単層,多層)、PP不織布と、PEおよ
びEPRをブレンドした単層フィルムを挙げることがで
きる。
【0028】また、本発明に用いられる柔軟性に優れた
熱可塑性樹脂フィルムにおいて、「柔軟性に優れる」と
は後に説明する曲げ試験で測定した値が0.30gfc
2/cm以下、好ましくは0.20gfcm2 /cm
以下であることを意味する。この測定値が0.30gf
cm2 /cmを超えると風合いが硬く感ずるようにな
る。
【0029】本発明における曲げ試験で柔軟性を測定す
る方法は、サンプル全体を一定曲率で円弧状に曲げ、そ
の曲率を等速で変化させ、それに伴なう微小な曲げモー
メントを検出し、曲げモーメントと曲率との関係から柔
軟性を定量化するものである。具体的には、カトーテッ
ク株式会社製純曲げ試験機(KES−FB2)を使用
し、サンプルは20cm×20cmの正方形とする。曲
率は、等速で−2.5〜+2.5cm-1で変化させ、1
サイクル20秒の間に曲率を0→+2.5→0→−2.
5→0のように変化させる。3回繰り返し測定し、その
平均値を柔軟性の測定値とする。本発明においては、縦
(MD)方向の曲げを測定した。測定値は、小さい方が
柔軟性に優れていることを示す。この試験機を用いた場
合、柔軟性に優れる(柔らかい)場合は0.2以下で、
柔軟性に劣る(硬い)場合は0.4以上で、普通の場合
0.3である。
【0030】このような柔軟性に優れた熱可塑性樹脂フ
ィルムの具体的選定としては、不織布との熱接合に優れ
た熱可塑性樹脂よりも柔軟であれば特に制限はないが、
例えばポリエチレンを挙げることができる。
【0031】従来も、通常不織布と熱可塑性樹脂フィル
ムとの双方に腰の強いポリプロピレンを用いていたが、
全体的に硬いため目付を薄くする必要があり、技術的に
薄肉化には限界があり、また生産性が低下する等の問題
があった。本発明のように、一つの外層として、不織布
との熱接着性が優れた樹脂として腰の強いポリプロピレ
ンを用い、他の外層(シール層)として、柔軟性に優れ
たポリエチレンを用いることによって、不織布およびフ
ィルム間の適切な接着強度と、柔軟性とを兼備した多層
フィルム、延いてはその積層体を提供することができ
る。
【0032】多層フィルムの製造方法 本発明に用いられる多層フィルムの製造方法は特に制限
はないが、たとえば、キャスト(Tダイ)法、インフレ
ーション法により製造することができる。
【0033】(2)不織布 本発明に用いられる不織布と、前記多層フィルムの熱ラ
ミネートされる側の熱可塑性樹脂フィルムとには、前述
のように相互に熱接着性の優れた樹脂同士の組合せが用
いられる。具体的には、ポリプロピレンの共用を挙げる
ことができる。その種類、製造方法としては第1発明と
同様のものを用いることができる。
【0034】なお、不織布を構成する樹脂は、前記多層
フィルムの不織布との熱接着性に優れた熱可塑性樹脂フ
ィルムに用いた樹脂と同一でも異っていてもよい。目付
量としては、特に制限はないが、たとえば、10〜70
g/m2 が好ましい。
【0035】(3)熱ラミネート 本発明に用いられる熱ラミネート方法は特に制限はない
が、たとえば、第1発明の場合と同様に実施することが
できる。
【0036】上記の積層体とすることによって、不織布
およびフィルム間の適切な接着強度と、柔軟性とを兼備
した不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体を熱ラミ
ネートにより提供することができる。また、この積層体
を用いて製袋する場合に、多層フィルムの柔軟性に優れ
た熱可塑性樹脂フィルムをいわゆるシール層として用い
ることによって袋をつくり易くすることができる。
【0037】3.第3の発明 (1)熱可塑性樹脂フィルム 本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムは、柔軟性に
優れた熱可塑性樹脂からなり、第2発明で用いたものと
同様のものを用いることができる。その厚さは特に制限
はないが、たとえば、5〜60μmが好ましい。
【0038】(2)不織布 構造 本発明の不織布は、熱可塑性樹脂からなる不織布層と、
柔軟性に優れた熱可塑性樹脂からなる不織布層(シール
層)とをそれぞれ外層として有する多層不織布である。
中間層として、第1および第2発明で用いた樹脂のフィ
ルムを用いてもよく、また、不織布や発泡体であっても
良い。
【0039】樹脂の種類 熱可塑性樹脂および柔軟性に優れた樹脂としては、第2
発明で用いたものを同様に用いることができる。
【0040】多層不織布の製造方法 本発明に用いられる多層不織布の製造方法は特に制限は
ないが、たとえば、スパンボンド法,メルトブロー法,
カード法等を用いて、それぞれ異なる樹脂による不織布
層を積層することにより製造することができる。
【0041】目付量 二枚の不織布層の目付量としては特に制限はないが、た
とえば、それぞれ5〜50g/m2 とすることが好まし
い。
【0042】(3)熱ラミネート 本発明に用いられる熱ラミネート方法については特に制
限はないが、たとえば、第1発明と同様にして実施する
ことができる。
【0043】上記の積層体とすることによって、不織布
およびフィルム間の接着強度と、柔軟性とに優れるとと
もに、製袋性(袋をつくり易い性質)にも優れた不織布
と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体を提供することがで
きる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 [実施例1]ポリエチレン(出光石油化学社製モアテッ
クV−0398,MI=3)とポリプロピレン(出光石
油化学社製出光ポリプロF−794,MI=7)を層比
6:1で共押出キャスト法により厚さ25μmの多層フ
ィルムを作製した。得られた多層フィルムのポリエチレ
ン層と、ポリプロピレン(出光石油化学社製出光ポリプ
ロY6005GM,MI=60)をスパンボンド法によ
り不織布化した目付20g/m2 の不織布とを、接する
ように合わせ、140℃に加熱したエンボシングロール
と105℃に加熱した鏡面(スムース)ロールとの間
を、ロール間に線圧20kg/cmの圧力を加えなが
ら、速度50m/minで通して熱ラミネートした。な
お、不織布側がエンボシング側になるようにした。得ら
れた積層体について各評価項目、すなわち接着強力,柔
軟度,およびピンホールの有無をそれぞれ測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0045】[実施例2]実施例1において、インフレ
ーション法により成膜したメタロセン触媒系低密度ポリ
エチレン(LDPE)(ダウケミカル社製アフィニティ
1880)と、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)(三菱化学社製三菱ポリエチ−LL)との多層フィ
ルムを用いたこと、およびメタロセン触媒系LDPE面
と不織布とを接着させたこと以外は実施例1と同様にし
た。
【0046】[実施例3]実施例1において、インフレ
ーション法により成膜したエチレンメチルメタクリレー
ト(EMMA)(住友化学社製アクリフト)とポリエチ
レン(LLDPE)(三菱化学社製三菱ポリエチ−L
L)との多層フィルムを用いたこと、およびEMMA面
と不織布とを接着させたこと以外は実施例1と同様にし
た。
【0047】[比較例1]実施例1において、ポリエチ
レン(出光石油化学社製モアテックV−0398,MI
=3)の単層フィルムを用いたこと以外は実施例1と同
様にした。評価項目の測定結果を表1に示す。
【0048】[比較例2]実施例1において、ポリエチ
レン(出光石油化学社製モアテックV−0398,MI
=3)の単層フィルムを用いたこと、およびラミネート
条件をエンボスロール90℃、スムースロール90℃に
したこと以外は実施例1と同様にした。
【0049】[比較例3]実施例1において、融点差が
3℃の、ポリエチレン(出光石油化学社製モアテックV
−0398,MI=2)とポリエチレン(出光石油化学
社製出光ポリエチレン−L0234CL,MI=2)と
を用いたこと以外は実施例1と同様にした。評価項目の
測定結果を表1に示す。
【0050】[実施例4]実施例1と同様にして多層フ
ィルムを作製した。得られた多層フィルムのポリプロピ
レン層と、実施例1と同様にして得られた不織布が接す
るように重ね合わせ、140℃に加熱したエンボシング
ロールと、75℃に加熱した鏡面(スムース)ロールの
間を、ロール間に線圧20kg/cmの圧力を加えなが
ら速度50m/minで、通して熱ラミネートした。な
お、不織布がエンボシングロール側になるようにした。
実施例1と同様に評価項目の測定をし、その結果を表1
に示す。
【0051】[比較例4]実施例4において、前記ポリ
プロピレン(MI=7)の単層フィルム(厚さ20μ
m)を用いたこと以外は実施例4と同様にした。評価項
目の測定結果を表1に示す。
【0052】[実施例5]ポリプリピレン(出光石油化
学社製出光ポリプロY6005GM,MI=60)をス
パンボンド法により不織布化した目付10g/m2 のポ
リプロピレン不織布とポリエチレン(出光石油化学社製
出光ポリエチレン−L5064G,MI=40)をスパ
ンボンド法により不織布化した目付10g/m2 のポリ
ポリエチレン不織布とを積層することにより得られた多
層不織布と、ポリエチレン(大倉工業社製高密度ポリエ
チレン)単層フィルム(厚さ20μm)が接するように
重ね合わせ、120℃に加熱したエンボシングロール
と、75℃に加熱した鏡面(スムース)ロールの間を、
ロール間に線圧20kg/cmの圧力を加えながら、速
度50m/minで通して熱ラミネートした。なお不織
布がエンボシングロール側になるようにした。得られた
積層体について、実施例1と同様に評価項目を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0053】[比較例5]実施例5において、不織布と
して前記ポリプロピレン(MI=60)不織布(目付2
0g/m2 )を用いたこと以外は実施例5と同様にし
た。評価項目の測定結果を表1に示す。
【0054】なお、熱接着性は以下のように評価した。 ○:接着強力が20g/5cm以上で、下記のトラブル
なし。 ×:接着強力20g/5cm未満で、積層体を通常のお
むつ製造機にかけると、縦方向の張力が加わり、フィル
ムと不織布とが一部分離(剥離)する(生産トラブルを
生ずる)。また、製品のおむつになっても、使用時の折
り曲げ等によりフィルムと不織布とが一部分離(剥離)
し、外観不良となる。
【0055】また、柔軟性は以下のように評価した。K
ES試験で「普通」の硬さの値0.3を標準として比較
した。 ○:被験者10人中、8人以上が標準より柔らかいと判
断 △:被験者10人中、3〜7人が標準より柔らかいと判
断 ×:被験者10人中、8人以上が標準より硬いと判断
【0056】また、ピンホールは以下のように評価し
た。 ○:ピンホールなし ×:ピンホール1個以上あり
【0057】また、おむつ適性は以下のように評価し
た。 ○:熱接着性評価(○)+柔軟性評価(○)+ピンホー
ル評価(○) △:熱接着性評価(○)+柔軟性評価(△,×)+ピン
ホール評価(○)(使用感は悪いが、防水性は良好) ×:熱接着性評価(×)かピンホール評価(×)の少な
くとも一つを含むケース(おむつの機能なし)
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって柔
軟性(風合い)と、不織布およびフィルム間の適切な接
着強度とを兼ね備えた不織布と熱可塑性樹脂フィルムと
の積層体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/54 A61F 13/18 320 D06M 17/00 D06M 17/00 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを熱ラ
    ミネートすることにより得られる積層体において、 熱可塑性樹脂フィルムが、互いの融点差が5℃以上の二
    枚の熱可塑性樹脂フィルムをそれぞれ外層として有する
    多層フィルムであり、かつ不織布が、多層フィルムの融
    点が低い方のフィルムを形成する樹脂よりも5℃以上高
    い融点を有する熱可塑性樹脂からなるシートであり、さ
    らに不織布と、多層フィルムの融点が低い方の熱可塑性
    樹脂フィルム面とが熱ラミネートされていることを特徴
    とする不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体。
  2. 【請求項2】 不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを熱ラ
    ミネートすることにより得られる積層体において、 不織布が、熱可塑性樹脂からなるシートであり、かつ、
    熱可塑性樹脂フィルムが、不織布との熱接着性に優れた
    熱可塑性樹脂フィルムと、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂
    フィルムとをそれぞれ外層として有する多層フィルムで
    あり、さらに不織布と、多層フィルムの不織布との熱接
    着性に優れた熱可塑性樹脂フィルム面とが熱ラミネート
    されていることを特徴とする不織布と熱可塑性樹脂フィ
    ルムとの積層体。
  3. 【請求項3】 不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを熱ラ
    ミネートすることにより得られる積層体において、 熱可塑性樹脂フィルムが、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂
    からなり、かつ、不織布が、熱可塑性樹脂からなる不織
    布層と、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂からなる不織布層
    とをそれぞれ外層として有する多層不織布であり、さら
    に多層不織布の柔軟性に優れた熱可塑性樹脂からなる不
    織布層面と、熱可塑性樹脂フィルムとが熱ラミネートさ
    れていることを特徴とする不織布と熱可塑性樹脂フィル
    ムとの積層体。
  4. 【請求項4】 前記不織布が、ポリプロピレンからな
    り、かつ前記互いの融点差が5℃以上の二枚の熱可塑性
    樹脂フィルムが、ポリエチレンフィルムおよびポリプロ
    ピレンフィルムであることを特徴とする請求項1記載の
    不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体。
  5. 【請求項5】 前記不織布が、ポリプロピレンからな
    り、かつ多層フィルムの両外層が、それぞれポリプロピ
    レンフィルムおよびポリエチレンフィルムであることを
    特徴とする請求項2記載の不織布と熱可塑性樹脂フィル
    ムとの積層体。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチ
    レンフィルムであり、かつ、多層不織布の両外層が、ポ
    リプロピレンからなる不織布層、およびポリエチレンか
    らなる不織布層であることを特徴とする請求項3記載の
    不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の不
    織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体からなることを
    特徴とするおむつ用バックシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021522093A (ja) * 2018-04-24 2021-08-30 エルカーヴェー エスエー 印刷不織布フィルムラミネートの製造方法

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