JPH09236793A - 光学的機能を有する接着シート及びその製造方法 - Google Patents

光学的機能を有する接着シート及びその製造方法

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JPH09236793A
JPH09236793A JP8042610A JP4261096A JPH09236793A JP H09236793 A JPH09236793 A JP H09236793A JP 8042610 A JP8042610 A JP 8042610A JP 4261096 A JP4261096 A JP 4261096A JP H09236793 A JPH09236793 A JP H09236793A
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JP
Japan
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liquid crystal
adhesive
crystal display
optical function
display device
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JP8042610A
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English (en)
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Tomohiro Abe
智博 安部
Hitoshi Kobayashi
仁 小林
Koretoshi Ishimaru
維敏 石丸
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置などの光学装置における構成や
製造工程を複雑化することなく、位相差補償などの光学
的機能を発揮し得る安価な光学的機能を有する接着シー
ト及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 合成樹脂などよりなる基材24a,25
aの少なくとも片面に接着剤層24b,25bを設けて
なる光学的機能を有する接着シートであり、接着剤層2
4b,25bが液晶性を有する材料を含有している接着
シート24,25、並びに基材24a,25aをラビン
グにより配向処理した後に、液晶性を有する材料を含む
接着剤を塗布することにより、または液晶性を有する材
料を含有する接着剤を塗工した後に加熱乾燥するにあた
り液晶性を有する材料の液晶発現温度以上の温度で電場
または磁場を印加して配向処理を行う工程を備える接着
シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液晶表示
装置などに用いて光学補償を行うのに適した光学的機能
を有する接着シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターやワー
プロなどの表示装置として、種々の液晶表示装置が広く
用いられてきている。液晶表示装置の中でも、STN液
晶表示装置は、TN液晶表示装置に比べて高コントラス
トを実現でき、表示容量の増大及び画面の大型化に容易
に対応することができる。
【0003】しかしながら、STN液晶表示装置は、複
屈折モードを利用したものであり、表示画像が青色や黄
色に着色するという問題があった。そこで、STN液晶
表示装置において、液晶の複屈折による位相差を補償す
ることにより、上記着色の問題を解消し、白黒表示を実
現することが試みられている。
【0004】STN液晶表示装置における上記位相差を
補償する方法としては、液晶表示セルに対し、該液晶表
示セルと同じ構成であり、かつ位相差のみが逆位相とさ
れている補償用液晶セルを積層してなる、いわゆるダブ
ルセル型液晶表示装置や、複屈折性フィルムを用いる方
法などが提案されている。
【0005】しかしながら、ダブルセル型のSTN液晶
表示装置では、位相差を補償するための上記補償液晶セ
ルを用いているため、表示装置の重量や厚みが増大せざ
るをえず、かつコストがかなり高くつく。従って、表示
装置の軽量化及び薄型化並びにコストの低減を図るに
は、ダブルセル型液晶表示装置に比べて、上記複屈折性
フィルムを用いた位相差補償方法が望ましい。
【0006】上記複屈折性フィルムとしては、例え
ば、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂を一軸方向に
延伸してなる複屈折性フィルムを用いる方法、あるいは
基材の少なくとも片面に高分子液晶を精密に塗工し、
かつ配向させてなる複屈折性フィルムなどの位相差補償
フィルムが提案されている。
【0007】熱可塑性樹脂フィルムを一軸延伸する場
合に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネー
ト系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アク
リロニトリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹
脂、ポリアリレート系樹脂などが用いられている。これ
らの熱可塑性樹脂を、キャスト法、カレンダー法または
溶融押出法等によりフィルムもしくはシートに成形し、
縦方向または横方向に延伸することにより、上記複屈折
性フィルムが得られている。例えば、特開平4−204
503号公報では、延伸時の高分子フィルム中の溶剤含
有量を2〜10重量%として延伸することにより、位相
差ムラの少ない位相差補償板が得られるとされている。
【0008】他方、TFT駆動方式のTN液晶やSTN
液晶の何れにおいても、視野角度によるコントラストの
低下や色調反転などの問題があり、視野角の拡大が強く
求められている。そこで、STN液晶表示装置の場合の
色補償と同様に、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂
フィルムを二軸方向に延伸してなるフィルムや、高分子
液晶などを基材の上に精密に塗工し、配向させてなる位
相差補償フィルムなどにより、斜め方向の位相差を補償
することが試みられている(例えば、特開平7−191
218号公報、特開平7−191217号公報、特開平
7−168021号公報など)。すなわち、斜め方向の
位相差を上記位相差補償フィルムを用いることにより補
償し、それによって正面から観察した場合と斜め方向か
ら観察した場合における画質のずれを低減することが提
案されている。
【0009】しかしながら、位相差補償のためにSTN
液晶表示装置において複屈折性フィルムを用いた方法
や、視野角拡大のために液晶表示装置において位相差補
償フィルムを用いた方法では、液晶表示装置全体の構成
及び製造工程が複雑になり、コストが高くつくという問
題があった。これを、図1及び図2を参照して説明す
る。
【0010】図1は、従来のSTN液晶表示装置におい
て、複屈折性フィルムからなる位相差板を用いた場合の
透過型液晶表示装置の概略構成を示す略図的断面図であ
る。液晶表示装置1では、液晶2が一対のガラス板3
a,3bで挟まれており、かつ枠状部材2aにより側方
が封止されている。ガラス板3a,3bの外側には、複
屈折性フィルムよりなる位相差板5a,5bが接着剤層
4a,4bを用いて貼り合わされている。位相差板5
a,5bの外側には、それぞれ、偏光板7a,7bが接
着剤層7a,7bを用いて貼り合わされている。また、
偏光板7bの外側にはバックライト8が配置されてい
る。
【0011】他方、図2に示す反射型の液晶表示装置1
1では、液晶12がガラス板13a,13b間に挟まれ
ている。なお、液晶12は、枠状部材12a内に閉じ込
められている。ガラス板13a,13bの外側には、そ
れぞれ、複屈折性フィルムよりなる位相差板15a,1
5bが接着剤層14a,14bを用いて貼り合わされて
いる。位相差板15a,15bの外側には、偏光板17
a,17bが接着剤層16a,16bを用いて貼り合わ
されている。さらに、偏光板17bの外側には、接着剤
層18aにより反射板19が貼り合わされている。
【0012】従って、上記透過型の液晶表示装置1及び
反射型の液晶表示装置11においても、複屈折性フィル
ムよりなる位相差板5a,5b,15a,15b自体は
比較的薄いものの、該位相差板5a,5b,15a,1
5bを積層するために、接着剤層4a,4b,14a,
14bが必要であり、かつ組立工程が煩雑であるため、
液晶表示装置のコストの低減を図ることが困難であっ
た。
【0013】上記のような問題は、視野角の拡大を図る
ために位相差補償フィルムを用いた液晶表示装置におい
ても同様である。加えて、視野角の拡大のために高分子
液晶等を基材上に別に塗工し、配向させてなる位相差補
償フィルムでは、高分子液晶材料を高精度に塗工する必
要があるが、表示面全体にわたり高精度に高分子液晶を
塗工することは非常に困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の欠点を解消し、液晶表示装置などの光学
装置における構成や製造工程を複雑化することなく、位
相差補償などの光学的機能を発揮し得る安価な光学的機
能を有する接着シート及びその製造方法を提供すること
である。なお、本発明における「接着」は、「粘着」の
意味をも含むものとする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基材の少なくとも片面に接着剤層を設けてなる光学
的機能を有する接着シートであって、前記接着剤層が、
液晶性を有する材料を含有していることを特徴とする光
学的機能を有する接着シートである。
【0016】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明にかかる光学的機能を有する接着シートの
製造方法であり、基材をラビングして配向処理し、基材
の配向処理された面に液晶性を有する材料を含む接着剤
を塗布することを特徴とする。
【0017】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
に記載の発明にかかる光学的機能を有する接着シートの
製造方法であり、基材の少なくとも片面に、液晶性を有
する材料を含む接着剤を塗工した後加熱乾燥するにあた
り、液晶性を有する材料の液晶発現温度以上の温度で電
場または磁場を印加して配向処理を行うことを特徴とす
る。
【0018】以下、本発明の詳細を説明する。請求項1
に記載の発明において用いられる上記基材としては、目
的とする光学的機能を阻害しない適宜のフィルムを用い
ることができ、このようなフィルムとしては、ポリカー
ボネート、三酢酸セルロース、ポリエステルもしくはポ
リサルホンなどの高分子フィルム類、銀もしくはアルミ
ニウムなどの金属粒子を蒸着してなる高分子フィルム、
または高分子フィルム面に金属箔をラミネート加工した
ものなどが挙げられる。
【0019】請求項1に記載の発明において、上記液晶
性を有する材料としては、目的とする光学的機能に応じ
て適宜選ばれるが、低分子液晶では配向保持が不安定で
あるため、高分子液晶を用いることが好ましい。高分子
液晶の場合には、直鎖型あるいは側鎖型の何れの構造を
有するものであってもよい。このような高分子液晶の例
としては、下記の式(1)〜(4)で示す側鎖型液晶高
分子や下記の式(5)〜(7)で示すカイラルな置換基
を導入した側鎖型液晶高分子を例示することができる。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】また、上記液晶性を有する材料を含有させ
る接着剤としては、液晶高分子の配向処理などに際して
の処理温度で変質せず、かつ目的とする光学的機能を損
なわない適宜の透明な接着剤を用いることができ、例え
ば、アクリル系接着剤などを例示することができる。
【0028】請求項1に記載の発明にかかる光学的機能
を有する接着シートでは、上記基材の厚みは特に限定さ
れるものではないが、例えば液晶表示装置に用いる場合
には、35〜100μm程度の厚みとされる。また、液
晶性を有する材料を含む接着剤層の厚みについては、通
常、10〜50μm程度の厚みとされる。
【0029】また、液晶性を有する材料の接着剤層への
含有割合については、目的とする光学的機能によっても
異なるが、多すぎると接着性を阻害することがあるの
で、通常は、接着剤中、1〜50重量%程度とする。
【0030】次に、上記光学的機能を有する接着シート
の製造方法につき説明する。請求項2に記載の発明で
は、まず、基材をラビングして配向処理を行う。この場
合、基材としては、その配向処理が施される面に予め配
向膜が形成されているものであってもよく、あるいは配
向膜が形成されていないものであってもよい。ラビング
処理に際しては、基材表面に、布などを用い縦方向(M
D方向)あるいは斜め方向にラビング処理する。
【0031】このようにしてラビング処理された基材面
に、上記液晶材料含有接着剤を塗布し、乾燥し、熱処理
することにより、液晶性を有する材料を配向させること
ができる。この場合、液晶性を有する材料を配向させる
には、ラビング及び接着剤の乾燥・熱処理に際しての条
件を調整することにより調整し得るが、目的とする光学
的機能、使用する液晶性を有する材料や、接着剤等によ
って処理条件は異なり、一義的には定め得ない。
【0032】何れにしても、請求項2に記載の発明で
は、基材が予めラビング処理されて配向処理されている
ため、上記液晶性を有する材料を含む接着剤を塗布する
に際し、配向処理された面の状態に応じて、塗布される
接着剤中に含まれている液晶材料が所定の方向に配向さ
れる。
【0033】また、請求項3に記載の発明では、基材の
少なくとも片面に液晶性を有する材料を含む接着剤を塗
布した後加熱乾燥するにあたり、該液晶性を有する材料
の液晶発現温度以上の温度で電場または磁場を印加する
ことにより配向処理が施される。すなわち、液晶性を有
する材料の液晶発現温度以上の温度に加熱することによ
り、液晶性を有する材料が接着剤層中にて移動可能とな
り、電場または磁場の印加により所定の方向に配向され
ることになる。従って、電場または磁場を印加して液晶
性を有する材料を配向させた後、液晶性を有する材料の
液晶発現温度未満の温度に冷却することにより、所望の
方向に液晶性を有する材料が配向されている接着剤層を
得ることができる。
【0034】この場合、電場または磁場の印加条件は、
目的とする光学的機能、液晶性を有する材料は接着剤の
種類によって異なるため、一義的には定め得ない。ま
た、請求項2,3に記載の発明の何れの方法において
も、液晶性を有する接着剤の塗布方法については特に限
定されるものではなく、ナイフコーター、コンマコータ
ー、リップコーターなどを用いた適宜の塗布方法を用い
ることができる。
【0035】また、請求項2,3に記載の発明の製造方
法で得られる請求項1に記載の発明にかかる光学的機能
を有する粘着シートは、上述したSTN液晶表示装置に
おける色補償を行うための位相差補償板として好適に用
い得るが、視野角拡大のためにTN液晶表示装置やST
N液晶表示装置で用いられる位相差補償板としても好適
に用いることができ、さらに、液晶表示装置以外の他の
光学装置においても位相差を補償する用途等に広く用い
ることができることを指摘しておく。
【0036】次に、本発明の光学的機能を有する接着シ
ートを用いた液晶表示装置の例を、図3〜図6を参照し
て説明する。図3は、液晶セルのガラス面に本発明にか
かる光学的機能を有する接着シートを貼り合わせた構造
を備える透過型の液晶表示装置を示す断面図である。図
3において、液晶表示装置21では、液晶22が一対の
ガラス板23a,23bで挟まれている。また、液晶2
2の側方は、枠状部材22aによりガラス板23a,2
3b間において封止されている。
【0037】ガラス板23a,23bの外側面には、そ
れぞれ、本発明にかかる光学的機能を有する接着シート
24,25が接着剤(図示せず)を介して貼り合わされ
ている。接着シート24,25は、それぞれ、基材24
a,25aと、接着剤層24b,25bとを有し、接着
剤層24b,25b内に液晶性を有する材料が含有され
ている。接着シート24,25は、液晶性材料を有する
接着剤層24b,25bを外方に向けて配置されてい
る。
【0038】なお、図3では、基材24a,25aが積
層されているが、基材24a,25aを使用せずともよ
い。すなわち、離型紙に支持された接着剤層24b,2
5bをガラス板23a,23bに貼付した後、離型紙を
取り除いて接着剤層24b,25bのみをガラス板23
a,23bの外側に積層した構造であってもよい。
【0039】また、接着シート24,25の外側には、
保護シート26a,26bがそれぞれ貼り合わされてい
る。この保護シートは、三酢酸セルロースなどからなる
透明な樹脂フィルムにより構成することができる。保護
シート26bの外側には、バックライト27が配置され
ている。
【0040】図3に示した液晶表示装置21を、同じく
透過型の従来の液晶表示装置1と比較した場合、本発明
によれば、従来の偏光板7a、接着剤層6a、位相差板
5a及び接着剤層4aからなる積層部分を、保護シート
26a及び接着シート24からなる部分に置き換えるこ
とができ、かつ接着剤層4b、位相差板5b、接着剤層
6b及び偏光板7bからなる積層部分を接着シート25
及び保護シート26bからなる2層の積層部分に置き換
え得ることがわかる。従って、液晶表示装置の製造に際
して必要な部材の低減及び製造工程の簡略化を果たし得
ることがわかる。
【0041】図4は、本発明の光学的機能を有する接着
シートを用いた反射型液晶表示装置の一例を示す断面図
である。液晶表示装置31では、液晶32が液晶32を
封止するための枠状部材32aで封止された状態で、一
対のガラス板33a,33b間に挟まれている。ガラス
板33a,33bの外側面には、本発明の接着シート3
4,35が図示しない接着剤により接着されている。接
着シート34,35は、それぞれ、基材34a,35a
の外面に、液晶性を有する材料を有する接着剤層34
b,35bが形成された構造を有する。
【0042】なお、図4に示す構成においても、図3の
例の場合と同様に基材34a,35aを省略してもよ
い。接着シート34,35の外側面には、それぞれ、保
護シート36aまたは反射板37が、接着剤層34b,
35bの接着性により貼り合わされている。
【0043】従って、図4に示した液晶表示装置31
を、図2に示した液晶表示装置31と比較した場合、光
学的機能を有する接着シート34,35を用いることに
より、積層すべき部材の数の大幅な低減及び製造工程の
簡略化を果たし得ることがわかる。
【0044】図5は、本発明の光学的機能を有する接着
シートを用いた液晶表示装置のさらに他の例を示す。図
5は、図3と同様に、透過型の液晶表示装置に適用した
例を示す。なお、液晶表示装置41では、図3に示した
液晶表示装置の保護シート26a,26bに代えて、偏
光板46a,46bを用いたことを除いては、同様に構
成されている。従って、上記保護シート26a,26b
に代えて、偏光板46a,46bを用いた場合において
も、従来の透過型液晶表示装置1に比べて、積層すべき
部材の数の低減及び製造工程の簡略化を果たし得ること
がわかる。
【0045】同様に、反射型液晶表示装置においても、
図6に示す液晶表示装置51のように、図4に示した液
晶表示装置31における保護シート36aに代えて偏光
板56aを用い、かつ反射板37が用いられている側に
おいて、偏光板58を挿入したとしても、図2に示した
従来の反射型液晶表示装置に比べて積層すべき部材を大
幅に低減することができ、かつ製造工程を簡略化し得る
ことがわかる。
【0046】作用 請求項1に記載の発明にかかる光学的機能を有する粘着
シートでは、基材の少なくとも片面に液晶性を有する材
料を含む接着剤層が設けられているため、それ自身が接
着もしくは粘着機能を有する部材として構成されてい
る。従って、例えば、液晶表示装置などにおいて、他の
光学部材にそのまま貼り合わせることができる。しか
も、接着剤層中に液晶性を有する材料が含有されてお
り、該液晶性を有する材料により所望の光学的機能、例
えば、位相差補償機能が発揮される。
【0047】すなわち、請求項1に記載の発明にかかる
光学的機能を有する接着シートは、位相差補償機能など
の光学的機能を発揮し得るだけでなく、それ自身が他の
光学部材に貼り合わされるように接着・粘着機能を有す
るように構成されているため、液晶表示装置などの光学
装置の構成部材の数の低減及び製造工程の簡略化を果た
し得る。
【0048】また、請求項2に記載の発明のように、液
晶性を有する材料を含む接着剤を塗工するに先立ち、基
材をラビングして配向処理しておいた場合には、基材の
配向処理状態に応じて接着剤層中の液晶性を有する材料
が配向処理されることになる。従って、光学的機能を発
揮させるために、液晶性を有する材料の高精度な塗工を
必要としないため、目的とする光学的機能を発揮し得る
層を容易に形成することができる。
【0049】同様に、請求項3に記載の発明において
も、接着剤を塗工した後に加熱乾燥するにあたり、液晶
性を有する材料の液晶発現温度以上の温度で電場または
磁場を印加することにより、液晶性を有する材料が所望
の方向に配向処理されることになるため、接着剤を高精
度に塗工する必要がない。
【0050】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0051】実施例1 ポリイミドよりなる厚み0.1μmの配向膜を片面に形
成することにより配向処理された全体の厚みが80μm
のポリカーボネートフィルムよりなる基材の配向膜が形
成されている側の面に、アクリル系接着剤(固形分30
重量%)80gに、低分子の液晶としてメルク社製、品
番:ZLI−2293を6g加えた溶液をナイフコータ
ーを用いて乾燥後の厚みが25μmとなるように設定し
て塗工し、110℃で10分間乾燥し、しかる後ガラス
板(Corning社製、品番:7059)に貼り合わ
せ、位相差補償用接着シートとガラス板との積層体を得
た。このようにして得た位相差補償用接着シートの位相
差は、下記の表1に示すように、473nmであった。
【0052】実施例2 三酢酸セルロースフィルムよりなる厚み100μmの基
材に、バフロールによるラビングで直接配向処理を行
い、実施例1で用いたアクリル系接着剤80gに、上述
した化学式(2)で示した液晶ポリマー6gを加えた溶
液を、ナイフコーターを用いて乾燥後の厚みが25μm
となるように設定して塗工し、110℃で10分間乾燥
して、位相差補償用接着シートを作製した。しかる後、
上記接着剤層をガラス板に貼り合わせ、位相差補償用接
着シートとガラス板との積層体を得た。実施例2で得ら
れた位相差補償用接着シートの位相差を測定したとこ
ろ、405nmであった。
【0053】実施例3 表面が離型処理されたポリエステルフィルムよりなる、
厚み38μmの基材の離型処理された面に、実施例1で
用いたアクリル系接着剤(固形分30重量%)80g
に、上述した化学式(3)で示した液晶ポリマー6gを
加えた溶液を、ナイフコーターで乾燥後の厚みが25μ
mとなるように設定して塗工し、110℃で20分間乾
燥する工程において、電磁石を用い、面方向に対して4
5度の角度をなす方向に磁力線が延びるように10kG
(ガウス)の強度の磁場を印加し、さらにガラス板に貼
り合わせ、位相差補償用接着シートとガラス板との積層
体を得た。実施例3で得た位相差補償用接着シートの位
相差は、420nmであった。
【0054】実施例4 ポリサルホンフィルムよりなる、厚み70μmの基材
に、直接バフロールによるラビングで配向処理を行い、
実施例1で用いたアクリル系接着剤80gに、上述した
化学式(3)で示す液晶ポリマー6gを加え、これに液
晶ポリマーに対する重量比で2重量%のカイラルな置換
基を導入してなる化学式(5)で示す側鎖型液晶ポリマ
ー6.4gを混合してなる溶液を、ナイフコーターを用
い乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工し、110
℃で10分間乾燥した。しかる後、上記のようにして得
た位相差補償用接着シートをガラス板に貼り合わせ、9
0度ねじれ位相差を有する位相差補償用接着シートを得
た。このようにして得た位相差補償用接着シートでは、
位相差値は460nmであった。
【0055】実施例5 ポリエステルよりなる厚み50μmの高分子フィルムに
30μmの厚みのアルミ箔をラミネートしてなる基材
に、アルミ箔側の面において配向処理をバフロールによ
るラビングを行い、配向処理された面に実施例1で用い
たアクリル系接着剤80gに、化学式(4)で示す液晶
ポリマー6gを加えた溶液をナイフコーターで乾燥後の
厚みが25μmとなるように塗工し、153℃で10分
間乾燥し、ガラス板に貼り合わせた。このようにして得
た位相差補償用接着シートの位相差値は、493nmで
あった。
【0056】上記実施例1〜5で得た位相差補償用接着
シートの位相差値を下記の表1にまとめて示す。
【0057】
【表1】
【0058】なお、実施例4では、化学式(5)で示す
側鎖型液晶ポリマーを、混合していたが、これに代え
て、化学式(6)または(7)で示す側鎖型液晶ポリマ
ーを用いた場合であっても、実施例4と同様の結果が得
られた。
【0059】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の光学的機能を有
する接着シートでは、接着剤層中に含まれている液晶性
を有する材料により、目的とする光学的機能を果たすこ
とができると共に、該接着剤層が設けられているため、
他の光学部材に直接貼り合わせることができる。従っ
て、液晶表示装置などの光学装置の構成部材の数の低減
及びラミネート工程などの工程数の削減を図ることがで
き、それによって光学装置の歩留りの向上及びコストの
低減を実現することができる。
【0060】また、請求項2に記載の発明のように、液
晶性を有する材料を含む接着剤を塗工するに先立ち、基
材をラビングにより配向処理しておいた場合には、液晶
性を有する材料が接着剤の塗工に際し基材側の配向処理
状態に応じて配向されることになるため、液晶性を有す
る材料を高精度に塗工する必要がない。従って、目的と
する光学的機能を発揮し得る層を、容易にかつ安価に形
成し得る。
【0061】同様に、請求項3に記載の発明において
も、液晶性を有する材料が、液晶性を有する材料の液晶
発現温度以上の温度で電場または磁場を印加することに
より所望の方向に配向されるため、液晶性を有する材料
の塗工に高精度の工程を実施する必要がないため、目的
とする光学的機能を発揮し得る層を容易に形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の透過型液晶表示装置の一例を説明するた
めの略図的断面図。
【図2】従来の反射型液晶表示装置の一例を説明するた
めの略図的断面図。
【図3】本発明の光学的機能を有する接着シートが用い
られた透過型液晶表示装置の一例を説明するための断面
図。
【図4】本発明の光学的機能を有する接着シートを用い
た構成された反射型液晶表示装置の一例を説明するため
の断面図。
【図5】本発明の光学的機能を有する接着シートを用い
て構成された透過型液晶表示装置の他の例を説明するた
めの断面図。
【図6】本発明の光学的機能を有する接着シートを用い
た構成された反射型液晶表示装置の他の例を説明するた
めの断面図。
【符号の説明】
21…液晶表示装置 22…液晶 23a,23b…ガラス板 24,25…光学的機能を有する接着シート 24a,25a…基材 24b,25b…接着剤層 31…液晶表示装置 32…液晶 33a,33b…ガラス板 34,35…光学的機能を有する接着シート 34a,35a…基材 35b,36b…接着剤層 41…液晶表示装置 46a,46b…偏光板 51…液晶表示装置 56a…偏光板 58…偏光板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面に接着剤層を設け
    てなる光学的機能を有する接着シートであって、 前記接着剤層が、液晶性を有する材料を含有しているこ
    とを特徴とする光学的機能を有する接着シート。
  2. 【請求項2】 基材をラビングして配向処理し、 前記基材の配向処理された面に液晶性を有する材料を含
    む接着剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載の
    光学的機能を有する接着シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 基材の少なくとも片面に液晶性を有する
    材料を含有する接着剤を塗布した後加熱乾燥するにあた
    り、前記液晶性を有する材料の液晶発現温度以上の温度
    で電場または磁場を印加して配向処理を行うことを特徴
    とする請求項1に記載の光学的機能を有する接着シート
    の製造方法。
JP8042610A 1996-02-29 1996-02-29 光学的機能を有する接着シート及びその製造方法 Pending JPH09236793A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005202346A (ja) * 2003-12-19 2005-07-28 Hitachi Ltd 投写光学装置及びそれを用いた画像表示装置
KR100817314B1 (ko) * 2006-10-31 2008-03-27 한국과학기술원 단일방향으로 배향된 액정분자의 박막제조방법 및 액정소자
KR101448810B1 (ko) * 2013-02-26 2014-10-08 (주)와이티에스 디스플레이 패널의 필름 부착장치 및 방법
WO2017012322A1 (zh) * 2015-07-17 2017-01-26 京东方科技集团股份有限公司 显示装置的承载部件的粘贴结构和显示装置

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