JPH09235547A - 希土類酸化物蛍光体及び希土類酸硫化物蛍光体の製造方法 - Google Patents

希土類酸化物蛍光体及び希土類酸硫化物蛍光体の製造方法

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JPH09235547A
JPH09235547A JP8350032A JP35003296A JPH09235547A JP H09235547 A JPH09235547 A JP H09235547A JP 8350032 A JP8350032 A JP 8350032A JP 35003296 A JP35003296 A JP 35003296A JP H09235547 A JPH09235547 A JP H09235547A
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rare earth
phosphor
oxide
mixed crystal
oxysulfide
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JP8350032A
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English (en)
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Ryuji Adachi
隆二 安達
Yasuo Oguri
康生 小栗
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Kasei Optonix Ltd
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料の希土類酸化物又は酸硫化物粒子の粒径
分布を反映させた高輝度でかつシャ−プな粒度分布を有
する希土類酸化物又は酸硫化物蛍光体を提供する。 【構成】 一般式 (Ln1-x Ln′x23 (式中LnはY、Gd、ScおよびLuから選択される
少くとも一種の元素であり、Ln′はEu、Tb、S
m、Er、Tm、Dy、Ho、Nd及びPrから選択さ
れる少くとも一種の元素であり、xは0.001≦x≦
0.2の範囲にある)で表わされる希土類酸化物又は酸
硫化物蛍光体の製造において、上記Ln及びLn′の鉱
酸溶液の希土類蓚酸塩炭酸塩又は硝酸塩をその加熱分解
後の混晶の粉末X線回折による結晶子径が80Å〜20
0Åの範囲にある加熱条件下で加熱分解して混晶酸化物
又は混晶酸硫化物を得ること及びかくして得られた混晶
酸化物又は酸硫化物に融剤を加え必要に応じて硫化剤を
加えて加熱することからなる、希土類酸化物又は酸硫化
物蛍光体の合成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒度分布がシャープ
で高輝度な希土類の酸化物蛍光体及び酸硫化物蛍光体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類酸化物蛍光体、例えば、(Y,E
u)23 は投射管用ブラウン管また蛍光ランプ用蛍光
体として広く用いられており、また、希土類酸化物蛍光
体、例えば(Y,Eu)22 Sはカラ−ブラウン管用
蛍光体として広く用いられている。
【0003】従来、希土類酸化物蛍光体の場合は、希土
類酸化物のLn23 及びLn′23 を鉱酸等に溶解
した溶液に、蓚酸を反応させて希土類蓚酸塩として共沈
させ、これを加熱分解して希土類混晶酸化物(Ln2
3 ・Ln′23 )を生成させたり、加熱により容易に
希土類の酸化物を生成し得る炭酸塩や硝酸塩等の当該希
土類化合物を加熱分解することによって得た希土類の混
晶酸化物からなる蛍光体の中間原料(この蛍光体中間原
料を得る工程を、以下、「工程1」と称することにす
る)を、特別に選別することなくそのまま、これに融剤
を加えて1250〜1600℃程度で焼成し(この蛍光
体中間原料を焼成して蛍光体にする工程を、以下、「工
程2」と称することにする)所定の輝度を有する、蛍光
体を得ていた。また、希土類酸硫化物蛍光体の場合も、
希土類酸化物蛍光体を製造する場合と同じく、希土類酸
化物のLn23 及びLn′23 のを鉱酸等で溶解
後、蓚酸塩として沈殿させ、これを加熱分解して得た、
希土類の混晶酸化物(Ln23・Ln′23 )、ま
たは、希土類の炭酸塩、硝酸塩等の希土類元素の化合物
を硫化性雰囲気中加熱分解して得た、希土類混晶酸硫化
物(Ln22 S・Ln′ 22 S)を蛍光体の中間原
料(工程1)とし、やはりこれを何ら選別することなく
そのまま融剤のみ、もしくは融剤と硫化剤を添加して、
900〜1250℃の温度で焼成することによって(工
程2)、所定の輝度を有する希土類酸硫化物蛍光体を得
ていた。
【0004】ところで、蛍光体はその用途に応じて粒子
径や粒子径分布を変化させる場合があるが、その場合、
従来は上述のように、希土類酸化物蛍光体の場合は、工
程1において得た希土類の混晶酸化物(Ln23 ・L
n′23 )を、一方、希土類酸硫化物蛍光体の場合
は、希土類の混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23
あるいは混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22
S)からなる中間原料をそのまま用いて、それぞれ工程
2において、その焼成温度及び融剤の種類と添加量だけ
を変化させることにより対応してきた。
【0005】ところが、近年ブラウン管の高精細化が進
み従来より小さなドットパターンあるいはストライプパ
ターンで蛍光体粒子をブラウン管に塗布する必要が出て
きた。しかし、従来の製法によると、得られる蛍光体の
粒子径分布が比較的広く、中央粒径に対して大きい側と
小さい側の粒子が存在し粒径分布が広いために、それら
の蛍光体を用いて小さなドットパターンあるいは細いス
トライプパターンの蛍光膜を形成しようとすると、蛍光
膜のエッヂの凹凸が大きくなり、形状も悪くなる。その
ため、レベルの高い高精細化を進める上で大きな障害と
なっていた。また、蛍光ランプ用蛍光体の場合も粒径分
布がシャープになると蛍光膜からの光の透過率が上がり
光束が上がって、特性上より有利になると考えられる。
【0006】また、工業的にも粒度分布の広い蛍光体
は、これを所望の粒度分布のものとするために分級操作
を施す必要があり、単位操作が増えて生産コストを上げ
る要因となっていた。さらに、分級操作で発生した不要
な粒子は製品として使用できないためにコスト増の要因
となる。昨今コストリダクションに対する要望は益々強
まり、分級操作の省略、あるいは分級により生じる不要
粒子の根絶が必須となっていた。
【0007】ところで、従来からも蛍光体の粒度分布を
狭くするためのいくつかの方法は知られている。例えば
蛍光体原料にAlの化合物を添加して焼成する方法(特
開平8−41453号公報参照)や、蛍光体原料中に予
め合成された蛍光体を少量、結晶核として添加しておい
てから焼成する方法(特公平07−37613)等がそ
れである。これら従来の製法はみな蛍光体中間原料の希
土類混晶酸化物(Ln 23 ・Ln′23 )や、希土
類混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22S)を焼
成し蛍光体化するため、上記の工程2においてのみ採用
し得る方法である。従って、得られる蛍光体の粒度分布
は蛍光体中間原料である、希土類混晶酸化物(Ln2
3 ・Ln′23 )や、希土類混晶酸硫化物(Ln2
2 S・Ln′22 S)の特性を十分に反映することな
く、主として、工程2だけの効果で蛍光体の物性を制御
するために、例えば、粒度分布を例にとると、レベルの
高い高精細管または蛍光ランプ等用の蛍光体には不十分
な粒径分布しか得られなかった。また、工業的にも分級
操作が省略できるような粒径分布の粒子が得られなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粒度
分布の制御が容易で、シャ−プな粒度分布を有する、高
輝度な蛍光体を得ることが出来る希土類酸化物蛍光体及
び希土類酸硫化物蛍光体の製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は希土類酸化
物蛍光体及び希土類酸硫化物蛍光体の製造方法につい
て、詳細に検討した結果、これらの蛍光体の中間原料で
ある、希土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23
や、希土類混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′ 22
S)の結晶化度、本発明においては、結晶子の大きさを
制御し、所定の結晶化度の原料を用いた時に限り、上記
目的を達成し得ることを見いだし、本発明に到った。本
発明の希土類酸化物蛍光体の製造方法は、 (i) 一般式 (Ln1-x Ln′x23 (式中LnはY、Gd、ScおよびLuから選択される
少くとも一種の希土類元素であり、Ln′はEu、T
b、Sm、Er、Tm、Dy、Ho、Nd及びPrから
選択される少くとも一種の希土類元素であり、xは0.
001≦x≦0.2の範囲にある)で表わされる希土類
酸化物蛍光体の製造において、(1)加熱によって容易
に酸化物に変わり得る上記Ln及びLn′で表される希
土類元素の化合物を加熱分解して、その粉末X線回折に
よる結晶子径が80〜200Åの範囲にある希土類混晶
酸化物(Ln23 ・Ln′23 )からなる蛍光体中
間原料を得る工程(工程1)及び、(2)上記工程1に
より得られた上記希土類混晶酸化物(Ln23 ・L
n′ 23 )に融剤を加えて焼成する工程(工程2)か
らなることを特徴とする希土類酸化物蛍光体の製造方
法。 (ii) 上記工程1において用いられる上記希土類元素
の化合物が希土類の炭酸塩及び希土類の硝酸塩の中から
選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする上記
(i)に記載の希土類酸化物蛍光体の製造方法。 (iii) 前記工程2において用いられる上記融剤が0.
0001モル〜0.1モルの塩化バリウム、塩化ストロ
ンチウム及び塩化カルシウムから選ばれる少くとも一つ
であり、上記焼成を1250℃〜1500℃の温度で行
うことを特徴とする上記(i)ないし(ii)に記載の希
土類酸化物蛍光体の製造方法。 (iv) 前記工程1において、上記希土類混晶酸化物
(Ln23 ・Ln′2 3 )の粉末X線回折による結
晶子径が100〜150Åの範囲にあることを特徴とす
る上記(i)ないし(iii) のいづれかに記載の希土類酸
化物蛍光体の製造方法。 (v) 前記工程1において、上記加熱分解する温度が
600℃〜1200℃の温度であることを特徴とする上
記(i)ないし(iv)のいずれかに記載の希土類酸化物
蛍光体の製造方法。 (vi) 上記工程2において、上記融剤の添加量が0.
0005〜0.05モルであり、上記焼成を1250℃
〜1400℃の温度で行うことを特徴とする上記(i)
ないし(v)のいづれかに記載の希土類酸化物蛍光体の
製造方法。また、本発明の希土類酸硫化物蛍光体の製造
方法は、 (vii) 一般式 (Ln1-x Ln′x22 S (式中、LnはY、Gd、ScおよびLuから選択され
る少なくとも一種の希土類元素であり、Ln′はEu、
Tb、Sm、Er、Tm、Dy、Ho、Nd、Prから
選択される少なくとも一種の希土類元素であり、xは
0.001≦x≦0.2の範囲にある)で表わされる希
土類酸硫化物蛍光体の製造において、(1)加熱によっ
て容易に酸化物又は酸硫化物に変わり得る上記Ln及び
Ln′の希土類元素の化合物を加熱分解して、その粉末
X線回折による結晶子径が80〜200Åの範囲にある
希土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23 )又は希
土類混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22 S)か
らなる蛍光体の中間原料を得る工程(工程1)、及び
(2)上記工程1により得られた上記希土類混晶酸化物
(Ln23 ・Ln′ 23 )又は希土類混晶酸硫化物
(Ln22 S・Ln′22 S)に融剤を加えて加熱
する工程(工程2)からなる、希土類酸硫化物蛍光体の
製造方法。 (viii) 上記蛍光体中間原料が上記希土類混晶酸化物
(Ln23 ・Ln′2 3 )であり、上記硫化剤が硫
黄であり、上記融剤としてアルカリ金属炭酸塩を上記硫
化剤に対して1〜50モル%使用し、上記工程2におけ
る上記焼成を900℃〜1250℃の範囲の温度で行う
ことを特徴とする上記(vii) に記載の希土類酸硫化物蛍
光体の製造方法。 (ix) 上記蛍光体中間原料が上記希土類混晶酸硫化物
(Ln22 S・Ln′ 22 S)であり、上記融剤と
してアルカリ金属炭酸塩とアルカリ金属硫酸塩を用い、
さらに、必要に応じて全融剤量の5wt%以上の上記硫
化剤を用いて上記工程2の上記焼成を900℃〜125
0℃の温度範囲で行うことを特徴とする上記(vii) に記
載の希土類酸硫化物蛍光体の製造方法。 (x) 上記工程1において用いられる上記希土類混晶
酸化物(Ln23 ・Ln′23 )または上記希土類
混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22 S)の粉末
X線回折による結晶子径が100〜150Åの範囲にあ
ることを特徴とする上記(vii) ないし(ix)に記載の希
土類酸硫化物蛍光体の製造方法。 (xi) 上記工程2において用いられる上記アルカリ金
属炭酸塩が炭酸ナトリウムであり、該炭酸ナトリウムの
量を上記硫化剤に対して25〜50モル%の範囲で用
い、上記工程2における上記焼成を1000℃〜120
0℃の温度で行うことを特徴とする(viii)に記載の希土
類酸硫化物蛍光体の製造方法。 (xii) 上記工程2において用いられる上記アルカリ金
属硫酸塩の量を上記硫化剤と上記融剤の総量の30wt
%以上用いて、上記工程2における上記焼成を1000
℃〜1250℃の温度で行うことを特徴とする上記(vii
i)に記載の希土類酸硫化物蛍光体の製造方法である。
【0010】
【作用】希土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′2
3 )からなる蛍光体中間原料に融剤を混合して焼成して
希土類酸化物蛍光体を製造するとき、または、希土類混
晶酸化物(Ln23 ・Ln′23 )からなる蛍光体
中間原料に硫化剤と融剤を混合して焼成し、もしくは混
晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22 S)に融剤を
混合して焼成することによって、希土類酸硫化物蛍光体
を製造するときには、蛍光体の粒子成長は融剤又は融剤
と硫化剤、及び焼成温度の影響を受け、粒径分布の制御
は主に融剤の種類と量および焼成温度、あるいはそのと
きの添加剤の選択、等によっていた。即ち、原料の希土
類酸化物(Ln23 ・Ln′23)あるいは酸硫化
物(Ln22 S・Ln′22 S)から蛍光体粒子を
加熱合成するときの条件のみを変化させることにより粒
径制御をしていた。しかし、これらの方法ではせっかく
粒径分布がシャープな原料を使用しても、その原料の粒
度分布をそのまま反映することなく蛍光体化されてしま
うため得られる粒径分布は不十分なものであった。
【0011】原料粒子の粒径分布をそのまま反映した蛍
光体粒子を得るには、一つの原料粒子から一つの蛍光体
粒子を合成すればよいという考え方ができる。ここで、
原料粒子は、蛍光体合成時の焼成過程で与えられた熱に
より結晶中の原子が移動し、微小粒子から蛍光体粒子へ
と成長していく。原料粒子は多数の微小粒子から成って
おり、その最小単位を結晶子と言う。結晶子はいくつか
集まっていわゆる1次粒子となり、更に集まって2次粒
子となっている。(これらの集合力は比較的強い。)ち
なみに一般に粒子凝集と呼ぶ凝集体は、この2次粒子が
更に集合化したもので、複数個の原料粒子が集合したも
のである。(この凝集力は前者よりは比較的弱い。)つ
まり、上記の一つの原料粒子は多数の結晶子によって成
り立っている集合体と言え、原料粒子から合成される蛍
光体粒子は多数の結晶子が互いに成長しほとんど一つの
結晶になったものである。通常これらの原料粒子を焼成
すると2次粒子である一つの原料粒子内だけでなく、複
数の原料粒子が合一して一つの蛍光体となってしまう。
よって、上記のように一つの原料粒子から一つの蛍光体
粒子を得るには、あるひとつの原料粒子内の結晶子が隣
の原料粒子内の結晶子と共に成長することなく、一つの
原料粒子内の結晶子だけで成長すればよい。すなわち個
々の2次粒子内で粒子成長がおこり、隣の2次粒子と合
一を起こさなければ良い。
【0012】ところでこの結晶子の成長性は、結晶子自
身が持つ成長能力と融剤、添加剤等の外部影響によると
考えられる。つまり、蛍光体合成時の粒子成長は、原料
の結晶性と原料焼成時に使用する融剤等による成長促進
効果の組み合わせにより決定されるため、たとえば、結
晶性が低い原料を使用すると、結晶性の高い原料を使用
したときに比べ粒子成長性が高いために蛍光体合成時の
焼成過程で原料同士の合一が激しく、原料粒子より大き
な蛍光体粒子が得られてしまう。つまり、複数の原料粒
子から一つの蛍光体粒子が合成されてしまう。逆に結晶
性が高い原料では、原料同士の合一がない代わりに一つ
の原料粒子内における成長粒子が十分に行われず、輝度
が暗い等の特性上不十分な蛍光体が得られてしまう。ま
た、蛍光体合成時の焼成過程で粒子成長の促進効果の大
きな融剤等を用いると、原料粒子の成長が早く原料粒子
同士の合一が激しくなり、前述の結晶性の低い原料を用
いたときと同様に原料粒子より大きな蛍光体粒子が得ら
れてしまう。また、粒子成長の促進作用の弱い融剤等を
用いると、原料粒子内における粒子成長が十分に行われ
ず、前述の結晶性が高い原料を用いたときと同様に輝度
が低い等の特性上不十分な蛍光体が得られてしまう。
【0013】本発明者等は凝集がなく、所望の粒子径及
び粒子径分布をもった蛍光体を得るには、その原料粒子
の結晶性(具体的にはその粒子の結晶子径で評価)が特
定の範囲に入るものを選択し、蛍光体原料の焼成時に、
その結晶性に見合った融剤等を最適な条件で選択すれ
ば、一つの原料粒子から一つの蛍光体粒子が得られるこ
とを見いだした。現実には一つの坩堝内、あるいはある
量の原料粉体を用いて製造するので、これら原料粉体お
よび得られる蛍光体粉体は無数の粒子からなる集合体で
あることは言うまでもない。よって、厳密には一つの原
料粒子から完全に一つの蛍光体粒子が得られたことを確
認することは殆ど不可能である。したがって正確には、
蛍光体原料の焼成時にその結晶性に見合った融剤等を最
適な条件で選択すれば、一つの原料粒子が一つの蛍光体
粒子になる確率が非常に高くなり、原料粒子の粒径分布
を殆どそのまま反映した蛍光体粒子が得られ、本発明の
目的が達成し得る。
【0014】本発明では工程2において蛍光体の中間原
料となるところの、工程1において加熱分解により得ら
れた希土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23 )、
もしくは混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22
S)の結晶性は粉末X線回折により測定された結晶子径
により判断した。結晶性は加熱分解時の温度あるいは加
熱分解時の加熱時間等の加熱分解条件で制御した。この
時、希土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23 )、
もしくは混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22
S)の結晶子径は、80〜200Å、より好ましくは1
00〜150Åのものを用いると、工程2においてこれ
を焼成し、蛍光体化した時、所望の粒子径分布をもった
粒子径分布のシャープな蛍光体が得られる。この希土類
混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23 )、もしくは混
晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22 S)の結晶子
径が80Åより小さいもの、もしくは200Åより大き
いものを用いて焼成すると、得られる蛍光体の粒子径分
布の制御がきわめて難しく、粒子径分布の広い蛍光体と
なる。希土類酸化物蛍光体、希土類酸硫化物蛍光体共、
工程1の出発原料となる希土類化合物を加熱分解して、
希土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23 )、もし
くは混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22 S)を
得るため、これらの結晶子径を制御する、加熱、分解条
件は加熱の時間、温度、昇温速度などにより変化するの
で、加熱温度、加熱時間等の条件は一義的に規定できな
いが、加熱温度は一般的には600℃〜1100℃であ
り、好ましくは850℃〜1000℃の範囲とするのが
良い。
【0015】次に工程2において、蛍光体合成時に用い
る融剤として、希土類酸化物蛍光体の場合は、0.00
01〜0.1モル、好ましくは0.0005〜0.05
モルの範囲となる割合の塩化バリウム、塩化カルシウ
ム、塩化ストロンチウムの内の少なくとも一つを添加混
合して空気中で1250℃〜1500℃、好ましくは1
250〜1400℃の範囲の温度で加熱する。また、希
土類酸硫化物蛍光体を製造する場合、工程2における蛍
光体原料として希土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′
23 )を用いる時は、硫化剤としての硫黄と融剤とし
て炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸
塩を用い、その量を硫化剤の1〜5モル%、好ましくは
25〜50モル%の範囲で使用する。また、希土類混晶
酸硫化物(Ln22 S・Ln′22 S)を工程2に
おける蛍光体原料として使用する時は、融剤として炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を含
み、さらに硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等のアルカリ
金属硫酸塩を含む融剤を用いる。この場合、硫化剤とし
ての硫黄は含んでも含まなくてもよい。そして、硫酸塩
の量を全融剤量の5wt%以上、好ましくは30wt%
以上用いて希土類酸化物蛍光体の場合と同様、工程2に
おける焼成温度は、900℃〜1250℃、好ましくは
1000℃〜1250℃の範囲の温度とすることによ
り、高輝度でかつ、所望の粒子径分布を持った蛍光体が
得られ、上記本発明の目的を達成することができる。
【0016】
〔酸化物蛍光体〕
(実施例1)硝酸イットリウムと硝酸ユーロピウムの混
合溶液中に蓚酸を投入して得た蓚酸イットリウム・ユー
ロピウムの共沈生成物200gを石英ボートに入れ、石
英チューブ内にて空気中において900℃で2時間の加
熱分解により、酸化イットリウム・ユーロピウム混晶の
蛍光体中間原料(Y23 ・Eu23 )を得た。この
時得られた酸化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y2
3 ・Eu23 )の粉末X線回折により求めた結晶子
径は130Åであった。この蛍光体中間原料(Y23
・Eu23 )50gに融剤として塩化バリウムを0.
25g(0.0058モル)添加して十分に混合し、 ア
ルミナ坩堝に詰めて空気中において1400℃で1時間
焼成した後、焼成物を純水により十分に洗浄し、脱水乾
燥を行った。以上のようにして(Y0.96Eu0.042
3 で表される実施例1の希土類酸化物蛍光体を得た。こ
の時用いられた中間原料である、酸化イットリウム・ユ
ーロピウム混晶酸化物(Y23 ・Eu23 )と、 得
られた蛍光体{(Y0.96Eu0.0423 }の粒子径及
び粒度分布(Q.D.)を表1に示す。表1から明らか
なように、蛍光体中間原料の混晶酸化物(Y23 ・E
2 3 )の粒度分布(Q.D.)は蛍光体のそれとほ
とんど変わらず、原料の粒度分布を反映して蛍光体が製
造されていることが分かる。
【0017】(実施例2)実施例1の蓚酸イットリウム
・ユ−ロピウムの共沈物を1000℃で2時間、加熱分
解した以外は実施例1と同様にして、蛍光体中間原料の
酸化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y23 ・Eu
23 )を得た。これの粉末X線回折により求めた結晶
子径は145Åであった。この酸化イットリウム・ユー
ロピウム混晶(Y23 ・Eu23 )50gに融剤と
して塩化ストロンチウムを0.25g(0.0069モ
ル)を添加して1350℃で1時間焼成した以外は実施
例と同様にして、(Y0.96Eu0.0423 で表される
実施例2の希土類酸化物蛍光体を得た。この時用いられ
た蛍光体中間原料である、混晶酸化物の酸化イットリウ
ム・ユーロピウム(Y23 ・Eu23 )と、 得られ
た蛍光体(Y0.96Eu 0.0423 の粒子径及び粒度分
布Q.D.を表1に示す。表1から明らかなように蛍光
体中間原料の混晶酸化物(Y23 ・Eu23)の粒
度分布(Q.D.)は蛍光体{(Y0.96Eu0.042
3 }のそれとほとんど変わらず、原料の粒度分布を反映
して蛍光体が製造されていることが分かる。 (比較例1)蓚酸イットリウム・ユーロピウムの共沈物
200gを600℃で1時間、加熱分解した以外は実施
例1と同様にして酸化イットリウム・ユーロピウム混晶
(Y 23 ・Eu23 )を得た。これの粉末X線回折
により求めた結晶子径は65Åであった。この酸化イッ
トリウム・ユーロピウム混晶(Y23 ・Eu23
を用いて実施例1と同様にして{(Y0.96Eu0.042
3 }で表される比較例1の希土類酸化物蛍光体を得
た。この時用いた、蛍光体中間原料である、混晶酸化物
の酸化イットリウム・ユーロピウム(Y23 ・Eu2
3 )と、 得られた蛍光体粒子{(Y0.96Eu0.042
3 }の粒子径及び粒度分布(Q.D.)を表1に示
す。表1から明らかなように、中間原料の酸化物混晶
(Y23 ・Eu23 )の粒度分布(Q.D.)は蛍
光体のそれより相当大きくなり、原料の粒度分布を反映
することなしに蛍光体粒子が製造されたことが分かる。
【0018】 なお上記表1には中間原料及び得られた蛍光体をコール
ターカウンターにより測定したときの粒子径(中央粒
径)及び粒径分布(Q.D.)を示した。表中、粒子径
(中央粒径)は体積基準の累積50%粒子径(d50)
を示したものであり、粒径分布(Q.D.)とは粒径分
布の指標となるものであって、累積25%の時の粒径d
25と累積75%の時の粒径d75の四分偏差であり次
の式で表される。
【0019】 Q.D.=(d25−d75)/(d25+d75) Q.D.値が小さいほど粒径分布が狭いことを示し、
Q.D.値が大きいほど粒径分布が広いことを示す。 〔酸硫化物蛍光体〕 (実施例3)硝酸イットリウムと硝酸ユーロピウムの混
合溶液中に蓚酸を投入して得た蓚酸イットリウム・ユー
ロピウムの共沈物200gを石英ボートに入れ、石英チ
ューブ内にて空気中において900°で2時間の加熱分
解により酸化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y2
3 ・Eu23 )からなる蛍光体中間原料を得た。この
時得られた酸化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y2
3 ・Eu23 )の粉末X線回折により求めた結晶子
径は130Åであった。この酸化イットリウム・ユーロ
ピウム混晶(Y23 ・Eu23 )50gに硫化剤と
しての硫黄47.5gと融剤として炭酸ナトリウム5
2.5g(硫黄に対し33.0mol%)を添加しアル
ミナ坩堝に詰めて1150℃で1時間焼成した後、焼成
物を純水により十分に洗浄し脱水乾燥を行った。以上の
ようにして(Y0.96Eu0.042 2 Sで表される実施
例3の希土類酸硫化物蛍光体を得た。この時用いられた
蛍光体中間原料である、混晶酸化物の酸化イットリウム
・ユーロピウム(Y23 ・Eu23 )と、 得られた
蛍光体{(Y0.96Eu0.0422 S}の粒子径、粒度
分布(Q.D.)及び蛍光体の相対発光輝度を表2に示
す。表2から明らかなように、蛍光体中間原料の混晶酸
化物(Y23 ・Eu2 3 )の粒度分布(Q.D.)
は蛍光体のそれとほとんど変わらず、原料の粒度分布を
反映して蛍光体が製造されていることが分かる。なお、
この蛍光体の相対輝度は下記比較例2の蛍光体の107
%の発光輝度を示した。
【0020】(比較例2)実施例3の蓚酸イットリウム
・ユーロピウムの共沈物を空気中で1100℃・10時
間、加熱分解した以外は実施例3と同様にすることによ
り、酸化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y23
Eu23 )からなる蛍光体中間原料を得た。この時得
られた酸化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y23
・Eu2 3 )の粉末X線回折により求めた結晶子径は
250Åであった。この酸化イットリウム・ユーロピウ
ム混晶(Y23 ・Eu23 )を用いて実施例3と同
様にして(Y0.96Eu0.0422 Sで表される比較例
2の希土類酸硫化物蛍光体を得た。この時用いられた蛍
光体の中間原料である、混晶酸化物(Y23 ・Eu 2
3 )と得られた蛍光体{(Y0.96Eu0.0422
S}の粒子径、粒度分布(Q.D.)及び蛍光体の相対
発光輝度を表2に示す。表2から明らかなように、中間
原料の酸化物混晶(Y23 ・Eu23 )の粒度分布
(Q.D.)は蛍光体のそれより大きくなり、原料の粒
度分布を反映することなしに蛍光体粒子が製造されたこ
とが分かる。また、比較例2の蛍光体は上記実施例3の
蛍光体に比べて相対輝度も低く粒子成長が不十分といえ
るし、蛍光体特性が不良であった。 (実施例4)実施例3で得た蓚酸イットリウム・ユーロ
ピウムの共沈物を石英ボートに入れ石英チューブ内にて
硫化水素10vol%と窒素90vol%の混合雰囲気
中で900℃において2時間の加熱分解により酸硫化イ
ットリウム・ユーロピウム混晶(Y22 S・Eu2
2 S)からなる蛍光体中間原料を得た。このとき得られ
た酸硫化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y22
・Eu22 S)の粉末X線回折により求めた結晶子径
は110Åであった。この硫化イットリウム・ユーロピ
ウム混晶(Y22 S・Eu22 S)50gに融剤と
して硫酸ナトリウム100gを添加し、十分に混合して
からアルミナ坩堝に詰めて1100℃で1時間焼成した
後、焼成物を純水により十分に洗浄し脱水乾燥を行っ
た。以上のようにして(Y0.96Eu0.0422 Sで表
される実施例4の希土類酸硫化物蛍光体を得た。この時
用いられた蛍光体の中間原料である、硫化イットリウム
・ユーロピウム混晶(Y22 S・Eu22 S)と得
られた蛍光体{(Y0.96Eu 0.0422 S}の粒子径
及び粒度分布(Q.D.)を表2に示す。表2から明ら
かなように蛍光体中間原料の酸硫化物(Y22 S・E
22S)と、得られた酸硫化物蛍光体{(Y0.96
0.0422 S}のの粒度分布(Q.D.)はほとん
ど変わらず、原料の粒度分布を反映して蛍光体粒子が製
造されていることが分かる。
【0021】(実施例5)実施例4で得た蛍光体中間原
料の酸硫化イットリウム・ユーロピウムの混晶(Y2
2 S・Eu22 S)50gに硫化剤の硫黄23.8g
と融剤の炭酸ナトリウム26.3g並びに硫酸ナトリウ
ム50g(全融剤量の50wt%)を添加して十分に混
合した後、実施例4と同様にして(Y0.96Eu0.042
2 Sで表される実施例5の希土類酸硫化物蛍光体を得
た。この時用いられた蛍光体中間原料である、酸硫化イ
ットリウム・ユーロピウム混晶(Y22 S・Eu2
2 S)と蛍光体{(Y0.96Eu0.0422 S}の粒子
径及び粒度分布(Q.D.)を表2に示す。表2から明
らかなように蛍光体中間原料の酸硫化物(Y22 S・
Eu22S)と、得られた酸硫化物蛍光体{(Y0.96
Eu0.0422 S}のの粒度分布(Q.D.)はほと
んど変わらず、原料の粒度分布を反映して蛍光体粒子が
製造されていることが分かる。
【0022】(実施例6)実施例4で得た蛍光体中間原
料の酸硫化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y 22
S・Eu22 S)に硫化剤の硫黄35.4gと融剤の
炭酸カリウム24.6gと硫酸カリウム40g(全融剤
量の40wt%)を添加し十分に混合した後、実施例4
と同様にして(Y0.96Eu0.0422 Sで表される実
施例6の希土類酸硫化物蛍光体を得た。この時用いられ
た蛍光体中間原料である、硫化イットリウム・ユーロピ
ウム混晶(Y22 S ・Eu22 S)と蛍光体
{(Y0.9 6Eu0.0422 S}の粒子径及び粒度分布
(Q.D.)を表2に示す。表2から明らかなように蛍
光体中間原料の酸硫化物(Y22 S・Eu22S)
と、得られた酸硫化物蛍光体{(Y0.96Eu0.042
2 S}の粒度分布(Q.D.)はほとんど変わらず、原
料の粒度分布を反映して蛍光体粒子が製造されているこ
とが分かる。
【0023】(比較例3)実施例3の蓚酸イットリウム
・ユーロピウムの共沈物200gを石英ボートに入れ石
英チューブ内にて空気中において600℃で1時間加熱
した以外は実施例3と同様にすることによって酸硫化イ
ットリウム・ユーロピウム混晶(Y22S・Eu22
S)を得た。この時得られた酸硫化イットリウム・ユ
ーロピウム混晶(Y22 S・Eu22 S)の粉末X
線回折により求めた結晶子径は50Åであった。この酸
硫化イットリウム・ユーロピウム混晶(Y22 S・E
22 S)を蛍光体の中間原料として、実施例3と同
様にして、(Y0.96Eu0.0422 Sで表される比較
例3の希土類酸硫化物蛍光体を得た。この時の蛍光体中
間原料である、酸硫化イットリウム・ユーロピウム混晶
(Y22 S・Eu22 S)と蛍光体{(Y0.96Eu
0.0422 S}の粒子径及び粒度分布(Q.D.)を
表2に示す。表2から明らかなように蛍光体中間原料の
酸硫化物(Y22 S・Eu22S)の粒度分布
(Q.D.)よりも、得られた酸硫化物蛍光体{(Y
0.96Eu0. 0422 S}の粒度分布(Q.D.)の方
がかなり大きくなり、原料の粒度分布を反映することな
しに蛍光体粒子が製造されていることが分かる。
【0024】 なお、表2に示した中間原料及び得られた蛍光体の粒子
径(中央粒径)並びに粒径分布(Q.D.)の数値は上
記表1と同様にして測定された値である。
【0025】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、原料の粒子
径を制御することによって、原料の粒子径を反映させ
た、所望の粒子径を有し、シャ−プな粒度分布をもった
高輝度な希土類酸化物蛍光体及び希土類酸硫化物蛍光体
を得ることが出来る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (Ln1-x Ln′x23 (式中LnはY、Gd、ScおよびLuから選択される
    少くとも一種の希土類元素であり、Ln′はEu、T
    b、Sm、Er、Tm、Dy、Ho、Nd及びPrから
    選択される少くとも一種の希土類元素であり、xは0.
    001≦x≦0.2の範囲にある)で表わされる希土類
    酸化物蛍光体の製造において、(1)加熱によって容易
    に酸化物に変わり得る上記Ln及びLn′で表される希
    土類元素の化合物を加熱分解して、その粉末X線回折に
    よる結晶子径が80〜200Åの範囲にある希土類混晶
    酸化物(Ln23 ・Ln′23 )からなる蛍光体中
    間原料を得る工程(工程1)及び、(2)上記工程1に
    より得られた上記希土類混晶酸化物(Ln23 ・L
    n′23 )に融剤を加えて焼成する工程(工程2)か
    らなることを特徴とする希土類酸化物蛍光体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記工程1において用いられる上記希土
    類元素の化合物が希土類の炭酸塩及び希土類の硝酸塩の
    中から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする
    請求項1に記載の希土類酸化物蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程2において用いられる上記融剤
    が0.0001モル〜0.1モルの塩化バリウム、塩化
    ストロンチウム及び塩化カルシウムから選ばれる少くと
    も一つであり、上記焼成を1250℃〜1500℃の温
    度で行うことを特徴とする請求項1ないし2に記載の希
    土類酸化物蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程1において、上記希土類混晶酸
    化物(Ln23 ・Ln′23 )の粉末X線回折によ
    る結晶子径が100〜150Åの範囲にあることを特徴
    とする請求項1ないし3のいづれか一項に記載の希土類
    酸化物蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程1において、上記加熱分解する
    温度が600℃〜1200℃の温度であることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の希土類酸
    化物蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】上記工程2において、上記融剤の添加量が
    0.0005〜0.05モルであり、上記焼成を125
    0℃〜1400℃の温度で行うことを特徴とする請求項
    1ないし5のいづれか一項に記載の希土類酸化物蛍光体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式 (Ln1-x Ln′x22 S (式中、LnはY、Gd、ScおよびLuから選択され
    る少なくとも一種の希土類元素であり、Ln′はEu、
    Tb、Sm、Er、Tm、Dy、Ho、Nd、Prから
    選択される少なくとも一種の希土類元素であり、xは
    0.001≦x≦0.2の範囲にある)で表わされる希
    土類酸硫化物蛍光体の製造において、(1)加熱によっ
    て容易に酸化物又は酸硫化物に変わり得る上記Ln及び
    Ln′の希土類元素の化合物を加熱分解して、その粉末
    X線回折による結晶子径が80〜200Åの範囲にある
    希土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23 )又は希
    土類混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22 S)か
    らなる蛍光体の中間原料を得る工程(工程1)、及び
    (2)上記工程1により得られた上記希土類混晶酸化物
    (Ln23 ・Ln′23 )又は希土類混晶酸硫化物
    (Ln22 S・Ln′22 S)に融剤と、必要に応
    じて硫化剤とを加えて焼成する工程(工程2)からな
    る、希土類酸硫化物蛍光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記蛍光体中間原料が上記希土類混晶酸
    化物(Ln23 ・Ln′23 )であり、上記硫化剤
    が硫黄であり、上記融剤としてアルカリ金属炭酸塩を上
    記硫化剤に対して1〜50モル%使用し、上記工程2に
    おける上記焼成を900℃〜1250℃の範囲の温度で
    行うことを特徴とする請求項7に記載の希土類酸硫化物
    蛍光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記蛍光体中間原料が上記希土類混晶酸
    硫化物(Ln22S・Ln′22 S)であり、上記
    融剤としてアルカリ金属炭酸塩とアルカリ金属硫酸塩を
    用い、さらに、必要に応じて全融剤量の5wt%以上の
    上記硫化剤を用いて上記工程2の上記焼成を900℃〜
    1250℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項7
    に記載の希土類酸硫化物蛍光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記工程1において用いられる上記希
    土類混晶酸化物(Ln23 ・Ln′23 )または上
    記希土類混晶酸硫化物(Ln22 S・Ln′22
    S)の粉末X線回折による結晶子径が100〜150Å
    の範囲にあることを特徴とする請求項7ないし9に記載
    の希土類酸硫化物蛍光体の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記工程2において用いられる上記ア
    ルカリ金属炭酸塩が炭酸ナトリウムであり、該炭酸ナト
    リウムの量を上記硫化剤に対して25〜50モル%の範
    囲で用い、上記工程2における上記焼成を1000℃〜
    1200℃の温度で行うことを特徴とする請求項8に記
    載の希土類酸硫化物蛍光体の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記工程2において用いられる上記ア
    ルカリ金属硫酸塩の量を上記硫化剤と上記融剤の総量の
    30wt%以上用いて、上記工程2における上記焼成を
    1000℃〜1250℃の温度で行うことを特徴とする
    請求項8に記載の希土類酸硫化物蛍光体の製造方法。
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