JPH09235342A - リン脂質類似構造を有するポリウレタンおよび製造方法 - Google Patents

リン脂質類似構造を有するポリウレタンおよび製造方法

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JPH09235342A
JPH09235342A JP8043241A JP4324196A JPH09235342A JP H09235342 A JPH09235342 A JP H09235342A JP 8043241 A JP8043241 A JP 8043241A JP 4324196 A JP4324196 A JP 4324196A JP H09235342 A JPH09235342 A JP H09235342A
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phospholipid
group
polyurethane
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formula
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JP8043241A
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Kazuo Sugiyama
一男 杉山
Mikio Fukuchi
幹男 福知
Mitsuru Akashi
満 明石
Akio Kishida
晶夫 岸田
Yoshihito Kadoma
義仁 門磨
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Original Assignee
NOF Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/62Polymers of compounds having carbon-to-carbon double bonds
    • C08G18/6291Polymers of phosphorus containing compounds having carbon-to-carbon double bonds

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子内にリン脂質類似構造が存在し、タンパ
ク質の非吸着、抗細胞接着といった生体適合性を有し、
しかも弾性率等の力学的強度に優れ、医用材料の原料と
して有用な新規なポリマーを得る。 【解決手段】 式(1)で表されるリン脂質類似構造を
有するポリウレタン。 【化1】 〔Arはフェニレン基またはアルキレンジフェニル基、
Rは−(AO)u−で表される2価の有機基(Aは炭素数
2〜4のアルキレン基、uは10〜100)を示す。m
およびnは主鎖を構成するサブユニットのモル分率を示
し、mは0〜0.99、nは0.01〜1で、m+n=
1を満たす。pおよびqはグラグト鎖を構成するサブユ
ニットのモル分率を示し、pは0〜0.99、qは0.
01〜1で、p+q=1を満たす。ただし、p、qは連
鎖中の比率のみを表わし、サブユニットの連鎖の順序は
任意である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン脂質類似構造
を有する新規かつ有用なポリウレタンおよびその製造方
法に関し、さらに詳しくは生体と接触する医用材料など
の原料として好適に利用することができるリン脂質類似
構造を有する新規かつ有用なポリウレタンおよびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内には多種のリン脂質が含まれてお
り、これらのリン脂質は生体が生命を維持するために重
要な役割を演じていることが明らかになっている。例え
ば、リン脂質は生体の種々な代謝過程と密接な関係があ
り、またその他、脳組織のエネルギー源、脂肪の運搬お
よび吸収、血液の凝固、食物の味の知覚等にも非常に重
要な役割を果している。このようにリン脂質は生体全体
の生命維持において多くの機能を持ち、細胞膜等の細胞
質の構成要素である。
【0003】一方、合成高分子材料が医用目的として広
範囲に利用されている中、特に外科分野においては、人
工臓器を始めとする医療用高分子材料が多く用いられて
いる。人工臓器は失われた生体機能を代行、再建するも
のであり、生体内での耐腐食性、耐発癌性などの生体適
合性が要求される。しかし生体適合性を持たない合成高
分子材料は、外科的手術等、生体内で材料が血液と接触
する場合、血栓と呼ばれる血液の凝固物が形成され易
い。これは材料が生体と接触することにより材料表面が
直ちにタンパク質によって覆われ、その後血小板、リン
パ球、マクロファージなどの細胞レベルの異物反応とし
て、血栓形成、炎症、貧食などが起こるためである。
【0004】このような異物反応を抑制するために、生
体内で用いられる医療用合成高分子材料は、抗タンパク
質吸着能の高いものが要求される。このような要求に対
して、近年、リン脂質類似構造を有する材料が合成さ
れ、人工臓器用等の医用材料、バイオセンサー等のセン
サー類などに応用する試みが数多くなされている。しか
し一般にこれらの試みに用いられているリン脂質は生体
から抽出した天然物であって、低分子量であるため均一
で強固な膜を得ることが著しく困難であったり、また製
膜可能なリン脂質類似構造を持った合成高分子材料であ
っても、実用的強度や種々の特性を持った材料が要望さ
れている。
【0005】このような背景の中、例えば特開昭54−
63025号には、ホスホリルコリン基を有するアクリ
レートポリマーが記載されている。しかし、このポリマ
ーは弾性的な力学強度に関して十分な材料ではないとい
う問題点がある。
【0006】また特開昭61−207395号には、ジ
オールとジフェニルメタンジイソシアネートとを反応さ
せて得られるリン脂質類似構造を有するポリウレタン、
さらに特開平62−500726号には、ジイソシアネ
ートとグリセロホスファチジルコリンとを反応させて得
られるポリウレタンが記載されている。しかし、これら
のポリウレタンはフィルムを形成した場合の強度が必ず
しも十分でないという問題点がある。
【0007】血液ポンプやチューブなどの医用材料に
は、血液に対する抗凝固性等のいわゆる生体適合性、お
よび材料への外的力に対して十分な可逆的変形ができる
弾性が要求されるが、このような要求を満足する材料は
これまで知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分子
内にリン脂質類似構造が存在し、タンパク質の非吸着、
抗細胞接着といった生体適合性を有し、しかも弾性率な
どの力学的強度に優れた新規かつ有用なポリウレタンお
よびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は次のリン脂質類
似構造を有するポリウレタンおよび製造方法である。 (1) 下記一般式(1)で表わされる構造単位を有す
る、リン脂質類似構造を有するポリウレタン。
【化4】 〔式中、Arは炭素数1〜4のアルキル基が0〜4個置
換したフェニレン基、または直鎖もしくは分岐鎖の飽和
もしくは不飽和の炭素数1〜12のアルキレン基を有す
るアルキレンジフェニル基を示す。Rは−(AO)u−で
表わされる2価の有機基(ここで、Aは炭素数2〜4の
アルキレン基、uは10〜100の数を示す。)を示
す。mおよびnは主鎖を構成するサブユニットのモル分
率を示し、mは0〜0.99、nは0.01〜1の数で
あり、m+n=1を満たす。pおよびqはグラフト鎖を
構成するサブユニットのモル分率を示し、pは0〜0.
99、qは0.01〜1の数であり、p+q=1を満た
す。ただし、p、qは連鎖中の比率のみを表わし、ラン
ダムであっても、ブロックであっても、さらにブロック
連鎖がランダムに結合していてもよく、連結の順序は任
意である。〕 (2) 下記一般式(2)で表されるリン脂質類似構造
を有するマクロモノマー。
【化5】 〔式中、pおよびqは構造単位のモル分率を示し、pは
0〜0.99、qは0.01〜1の数であり、p+q=
1を満たす。ただし、p、qは連鎖中の比率のみを表わ
し、ランダムであっても、ブロックであっても、さらに
ブロック連鎖がランダムに結合していてもよく、連結の
順序は任意である。〕 (3) ラジカル発生剤の存在下に、1−チオグリセロ
ール、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリ
ンおよびメタクリル酸メチルを、2−メタクリロイルオ
キシエチルホスホリルコリン:メタクリル酸メチルのモ
ル比が(0.01:0.99)〜(1:0)の範囲で反
応させることを特徴とする上記(2)記載のリン脂質類
似構造を有するマクロモノマーの製造方法。 (4) 前記一般式(2)で表されるリン脂質類似構造
を有するマクロモノマー、一般式(3) O=C=N−Ar−N=C=O ・・・・(3) 〔式中、Arは炭素数1〜4のアルキル基が0〜4個置
換したフェニレン基、または直鎖もしくは分岐鎖の飽和
もしくは不飽和の炭素数1〜12のアルキレン基を有す
るアルキレンジフェニル基を示す。〕で表されるジイソ
シアネート化合物、および一般式(4) HO−R−H ・・・・(4) 〔式中、Rは−(AO)u−で表わされる2価の有機基
(ここで、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、uは10
〜100の数を示す。)を示す。〕で表されるグリコー
ル化合物を反応させることを特徴とする上記(1)記載
のリン脂質類似構造を有するポリウレタンの製造方法。
【0010】一般式(1)および(3)においてArで
示される2価の基の具体的なものとしては、o−フェニ
レン、m−フェニレン、p−フェニレン、モノメチルフ
ェニレン、ジメチルフェニレン、トリメチルフェニレ
ン、テトラメチルフェニレン、モノエチルフェニレン、
ジエチルフェニレン、トリエチルフェニレン、モノプロ
ピルフェニレン、ジプロピルフェニレン、モノブチルフ
ェニレン、ジブチルフェニレン、モノペンチルフェニレ
ン、ジペンチルフェニレン、モノヘキシルフェニレン、
ジヘキシルフェニレン、メチレンジフェニル、ジメチレ
ンジフェニル、トリメチレンジフェニル、テトラメチレ
ンジフェニル、ペンタメチレンジフェニル、ヘキサメチ
レンジフェニル、ヘプタメチレンジフェニル、オクタメ
チレンジフェニル、ノナメチレンジフェニル、デカメチ
レンジフェニル、ウンデカメチレンジフェニル、ドデカ
メチレンジフェニル、エチレンジフェニル、ブチレンジ
フェニル、ブタジエンジフェニル、ドデカトリエンジフ
ェニル基などがあげられる。
【0011】一般式(1)および(4)においてRで示
される2価の基を構成するAOは炭素数2〜4のアルキ
レンオキシ基であり、具体的にはエチレンオキシ基、プ
ロピレンオキシ基、トリメチレンオキシ基、ブチレンオ
キシ基、テトラメチレンオキシ基等があげられる。この
ようなアルキレンオキシ基(AO)の重合量(u)は1
0〜100である。
【0012】本発明のポリウレタンの分子量は3,00
0〜10,000,000、好ましくは10,000〜
1,000,000である。分子量が上記下限値未満の
場合はポリウレタンの強度が小さくなり、また上限値を
超える場合は溶液の粘度が高くなって取扱いにくくな
る。
【0013】一般式(2)で表されるマクロモノマー
は、一般式(1)で表される構造単位を有するポリウレ
タンを製造するための中間体であり、分子量は1,00
0〜100,000、好ましくは2,000〜10,0
00である。
【0014】一般式(1)で表わされる構造単位におけ
る主鎖の末端基はヒドロキシ基となる。また一般式
(1)で表わされる構造単位におけるグラフト鎖の末端
基、および一般式(2)で表わされるマクロモノマーの
末端基は、ラジカル発生剤を用いたラジカル重合による
不均化または再結合停止によって生成するポリマー末端
となる。すなわち不均化の場合、末端モノマーユニット
の水素原子の移動によって不飽和と飽和の末端、すなわ
ち−CH=CH−COOY〔Yは、末端モノマーユニッ
トがメタクリル酸メチルの場合はCH3、末端モノマー
ユニットが2−メタクリロイルオキシエチルホスホリル
コリンの場合はCH2CH2PO4 -CH2CH2+(CH3)
3である。〕または−CH2−CH2−COOY〔Yは上
記と同じである。〕となり、再結合の場合には再結合点
でモノマーユニットの繰返単位の向きが逆になり、末端
は、一般式(1)においてはチオグリセロール残基を経
たポリマー主鎖と連結し、一般式(2)においてはチオ
グリセロール残基となる。
【0015】一般式(1)で表されるポリウレタンは、
次のような方法により容易に製造することができる。す
なわち、1−チオグリセロール(TG)、2−メタクリ
ロイルオキシエチルホスホリルコリン(2-methacryloyl
oxyethyl phosphorylcholine: MPC)およびメタクリ
ル酸メチル(MMA)を、ラジカル発生剤の存在下に反
応溶媒中で反応させ、一般式(2)で表わされる中間体
〔Mac(MPC/MMA)と略す場合がある〕を得
る。
【0016】上記ラジカル発生剤としては、2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル等の公知のラジカル発生剤
が使用できる。上記反応溶媒としては、エタノールとテ
トラヒドロフランとの混合溶媒(混合比は仕込み組成に
応じて95/5〜50/50程度の範囲で選択する)等
があげられる。
【0017】モノマーの仕込み割合は、TG:(MPC
+MAA)のモル比が(1:10)〜(1:100
0)、好ましくは(1:50)〜(1:200)、MP
C:MAAのモル比が(0.01:0.99)〜(1:
0)、好ましくは(0.1:0.9)〜(0.9:0.
1)である。
【0018】反応温度は40〜100℃、好ましくは5
0〜80℃、反応時間は5分〜50時間、好ましくは1
0分〜10時間とするのが望ましい。反応は減圧下溶封
等の操作によって密封するか、系内を窒素ガス等の不活
性ガスで満たしながら行うのが好ましい。また反応は攪
拌または振とうしながら行うのが好ましい。反応終了後
は、反応液をジエチルエーテル等の貧溶媒に注入し、再
沈させて精製物を得ることができる。
【0019】次に、上記のようにして得た一般式(2)
で表される中間体(マクロモノマー)、一般式(3)で
表されるジイソシアネート化合物および一般式(4)で
表されるグリコール化合物を、反応溶媒中で反応させ
る。これにより目的とする一般式(1)で表される本発
明のポリウレタンが得られる。上記反応溶媒としては、
ジメチルスルホキシド(DMSO)等があげられる。
【0020】モノマーの仕込み割合は、マクロモノマ
ー:グリコール化合物:ジイソシアネート化合物のモル
比として1:(0.5〜2):(1.3〜4)、好まし
くは1:(0.8〜1.5):(1.5〜3)である。
反応温度は50〜100℃、好ましくは60〜80℃、
反応時間は10分〜5時間、好ましくは30分〜3時間
とするのが望ましい。
【0021】反応は、一般式(2)で表される中間体お
よび一般式(4)で表されるグリコール化合物の混合液
中に、攪拌下に一般式(3)で表されるジイソシアネー
ト化合物を徐々に滴下し、滴下終了後さらに5〜10時
間前記温度を維持するのが好ましい。また反応は窒素ガ
ス等の不活性ガス雰囲気下に行うのが好ましい。反応終
了後は、反応液をエタノール等の貧溶媒に注入してポリ
ウレタンを再沈させ、さらに熱エタノール、熱プロパノ
ール等で未反応のモノマーを抽出除去することにより精
製することができる。
【0022】本発明の反応スキームを下記反応式(5)
および(6)に示す。式中、Ar、R、m、n、pおよ
びqは前記と同じものを示す。
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】本発明の製造方法によれば、上記のような
方法により、リン脂質類似の極性基を有する一般式
(1)で表されるポリウレタンを容易に得ることができ
る。このようにして得られる本発明のポリウレタンは、
一般式(2)で表されるマクロモノマー(中間体)と一
般式(4)で表されるグリコール化合物との仕込み割合
を変えることにより適当な強度や弾性等の力学的特性を
付与することができるとともに、リン脂質類似の極性基
構造に由来する抗タンパク付着性、抗血栓性、生体親和
性などの生理機能を持たせることができる。
【0025】従って、本発明のポリウレタンはバイオセ
ンサー等や、カテーテル、人工臓器、血液回路等の医用
材料、化粧品構成物等に応用することによって、抗タン
パク付着性、抗血栓性、生体親和性などの生理機能を持
たせることができ、その他幅広い分野への応用が可能で
ある。例えば、血液ポンプやチューブなどの医用材料の
原料として用いると、血液に対する抗凝固性等のいわゆ
る生体適合性を有しつつ、医用材料への外的力に対して
十分な可逆的変形ができる弾性を持った材料、特に人工
心臓等の人工臓器やその他の医用材料を得ることができ
る。
【0026】
【発明の効果】本発明のポリウレタンは新規な化合物で
あり、タンパク質の非吸着、抗細胞接着といった生体適
合性を有し、しかも弾性率などの力学的強度に優れてい
るので、生体と接触する医用材料などの原料として有用
である。本発明のマクロモノマーは新規な化合物であ
り、上記ポリウレタンを製造する際の中間体として有用
である。本発明の製造方法によれば、上記のようなポリ
ウレタンおよびマクロモノマーを効率よく製造すること
ができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について説明
する。 実施例1−1 《ω−ヒドロ−ポリ[2−メタクリロイルオキシエチル
ホスホリルコリン−co−メチルメタクリレート]チオ
グリセロール〔Mac(MPC/MMA)〕の合成》2
−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MP
C)5g(16.9mmol)、メチルメタクリレート
(MMA)6.78g(67.7mmol)、1−チオ
グリセロール0.09g(0.85mmol)、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1
4g(0.85mmol)、およびエタノール/テトラ
ヒドロフラン(90:10vol%)混合溶液10ml
を重合管中に仕込み、ドライアイス/メタノールによる
凍結法により脱気した後、減圧下で溶封した。60℃で
12時間振とうしながら重合させた。反応終了後、反応
物をジエチルエーテル中に注ぎ、生成物を再沈させた。
この生成物の分析結果は次の通りである。
【0028】○元素分析 分析値 C;52.43%、H;7.60%、N;1.98% 計算値 C;53.55%、H;7.81%、N;1.98% (MPC/MMA=0.2/0.8) ○NMR(CD3OD)、δ(ppm) 0.75−0.95(s,3H,−CH3) 3.12(s,9H,−N+(CH3)3) 3.58(m,2H,−CH2−) 3.95(m,2H,−CH2−N) 4.08(m,2H,−PO−CH2−) 4.21(m,4H,−O−CH2CH2−OP−) ○IR(KBr)ν(cm-1)3420,3000,2
950,1730,1490,1250,1150,7
90
【0029】○分子量測定 〔標準物質、検量線の作成〕まずp−トリルイソシアネ
ート(p−TI)とエチレングリコールとの反応により
1,2−ビス(4−メトキシフェニルアミノカルボニロ
キシ)エタン(Bis−TI)を合成した。エタノール
から再結晶し、白色結晶を得た。mp:170〜173
℃、λ=283nm(MeOH)。NMRの分析結果は
次の通りであった。 NMR(DMSO)、δ(ppm) 2.21(s,6H,−CH3) 4.29(s,4H,−CH2CH2−) 7.05,7.32(d,8H,−C64−) 8.30(s,2H,−NH) このBis−TIを標準物質とし、濃度範囲1×10-4
〜1×10-3mol/lで紫外可視吸収スペクトルを測
定し、検量線(濃度−吸光度)を作用した。
【0030】〔測定試料の作成〕Mac(MPC/MM
A)0.5gおよびp−TI 0.5g(3.8mmo
l)をジメチルスルホキシド(DMSO)中で36時間
反応させた後、ジエチルエーテル中に注ぎ、試料を得
た。NMRの分析結果は次の通りであった。 NMR(DMSO)、δ(ppm) 0.88−1.06(s,6H,−CH3) 3.36(s,9H,−N+(CH3)3−) 3.65(m,2H,−CH2−) 4.10(m,2H,−CH2−N) 4.21(m,2H,−PO−CH2−) 4.35(m,4H,−O−CH2CH2−OP−) 7.10,7.29(d,8H,−C64−)
【0031】〔試料の測定〕Mac(MPC/MMA)
のメタノール溶液での吸光度を測定し、283nmにお
ける吸光度をBis−TIの検量線に適用すると、Mn
=22,000であった。
【0032】比較製造例1−1 《ω−ヒドロ−ポリ[メチルメタクリレート]チオグリ
セロール(Mac(MMA))の合成》MMA、TGお
よびAIBNを各々1.00、0.01および0.01
モル仕込み、実施例1−1と同様に6時間重合させ、同
様な処理によって生成物を得た。分子量はゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し
た。標準ポリスチレン換算でMn=12,000であっ
た。
【0033】実施例2−1ないし2−2、比較例2−1 《ポリウレタン(その1)の合成》攪拌装置、窒素ガス
導入管、冷却管の付いた50mlの三つ口フラスコにM
ac(MPC/MMA)1g(0.05mmol)、ポ
リエチレングリコール(PEG、分子量約2000)
0.11gおよびDMSO 10mlを加え、80℃、
窒素ガス気流下、攪拌しながら2時間かけて4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(DPMDI)0.
03g(0.10mmol)を滴下した。さらに8時間
攪拌した後、反応物をエタノールに注入してポリウレタ
ン(以下、gPEU−IIIという)を再沈させた。gP
EU−IIIは熱エタノールで抽出して未反応のMac
(MPC/MMA)等を除いて生成物を得た。gPEU
−IIIの極限粘度〔η〕はDMSOを溶媒としてウベロ
ーデ型粘度計を用いて30℃で測定した。測定結果を表
2に示す。共重合組成比は元素分析値から求めた。結果
を表2に示す。また表1に示すモノマー組成で、上記と
同様にしてgPEU−II(比較例2−1)およびgPE
U−IV(実施例2−2)のポリウレタンを得た。
【0034】上記で得られたポリウレタンgPEU−II
I(実施例2−1)は、一般式(1)においてArが
【化8】 Rが−(CH2CH2O)u−(uは約45)、mが0.7
9、nが0.21、pが0.8、qが0.2のポリウレ
タンである。
【0035】また上記で得られたポリウレタンgPEU
−IV(実施例2−2)は、一般式(1)においてArが
【化9】 Rが−(CH2CH(CH3)O)u−(uは約34)、mが
0.80、nが0.20、pが0.8、qが0.2のポ
リウレタンである。
【0036】実施例2−3ないし2−4 《ポリウレタン(その2)の合成》攪拌装置、窒素ガス
導入管、冷却管の付いた50mlの三つ口フラスコにM
ac(MPC/MMA)1g(0.05mmol)、ポ
リエチレングリコール(PEG、分子量約2000)
0.11gおよびDMSO 10mlを加え、80℃、
窒素ガス気流下、攪拌しながら2時間かけてトリレンジ
イソシアネート(TDI)0.017g(0.10mm
ol)を滴下した。さらに8時間攪拌した後、反応物を
エタノールに注入してポリウレタン(以下、gPEU−
Vという)を再沈させた。gPEU−Vは熱プロパノー
ルで抽出して未反応のMac(MPC/MMA)等を除
いて生成物を得た。極限粘度〔η〕、共重合組成比を実
施例2−1と同様にして求めた。結果を表2に示す。ま
た表1に示すモノマー組成で、上記と同様にしてgPE
U−VI(実施例2−4)のポリウレタンを得た。
【0037】上記で得られたポリウレタンgPEU−V
(実施例2−3)は、一般式(1)においてArが
【化10】 Rが−(CH2CH2O)u−(uは約45)、mが0.8
5、nが0.15、pが0.8、qが0.2のポリウレ
タンである。
【0038】また上記で得られたポリウレタンgPEU
−VI(実施例2−4)は、一般式(1)においてArが
【化11】 Rが−(CH2CH(CH3)O)u−(uは約34)、mが
0.84、nが0.16、pが0.8、qが0.2のポ
リウレタンである。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】試験例1 《細胞接着試験》 表1〜表2のポリウレタンgPEU−II〜IVについて、
コーティングした13.5mmφのガラスセルを24w
ellマルチプレート(住友ベークライト(株)製)の
底部にセットし、これにマウス繊維芽細胞(L929)
を播種し、HIRASAWA製テーハー式CO2培養器
CPD−170内で、37℃、5%CO2雰囲気下に2
4時間培養を行った。培養後リン酸緩衝溶液(PBS)
で未接着の細胞を洗浄後、細胞数を比色分析法を用いて
求めた。
【0042】すなわち、各gPEUでコーティングした
ガラスセル上の未接着の細胞をPBSで洗浄した後、フ
ェノールレッドを含まないRPMI 1640培養液を
500μlとWST−1溶液50μlを加えて3時間反
応後、培養液200μlをFALON 96 well
マルチプレート(BECTRON DICKINSON
社製)に移し、日本インターメッドマイクロウェル
(株)製プレート測定用自動比色計イムノミニNj−2
201を用いて450nm、(参照波長620nm)で
吸光度測定を行った。細胞数は未分化のL−929細胞
を用いてあらかじめ求めた検量線(濃度−吸光度)から
求めた。比較のため、ガラスセルまたは組織培養ポリス
チレン(TCPS)への接着試験も同様にして行った。
求めた細胞数を表3にまとめた。
【0043】なお上記WST−1溶液は2−(4−ヨー
ドフェニル−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,
4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウムモノナ
トリウム塩(WST−1、同仁化学(株)製)と1−メ
トキシ−5−メチルフェナジニウムメチルスルフェート
(1−Methoxy PMS、同仁化学(株)製)が
それぞれ5mM、0.2mMのPBSになるように調製
したものである。
【0044】
【表3】
【0045】試験例2 《タンパク質吸着試験》 直径約0.20mm、60cm2/gのガラスビーズを
0.1%濃度のgPEUのDMSO溶液に浸し、表面を
コートした。この表面コートしたガラスビーズ83.3
6g(0.50m2)を直径20mm、高さ300mm
のカラムに充填し、0.067Mのリン酸緩衝液(アル
ブミンの場合pH5.6、グロブリンの場合pH6.
2)でリンスした後、所定濃度のアルブミンまたはグロ
ブリン水溶液を入れた。2時間吸着させた後、水溶液中
のタンパク質の濃度をLowry法で定量した。比較の
ため、未コートのガラスビーズ、MPCとMMAとのラ
ジカル共重合体〔P(MPC−co−MMA)〕および
MMAのホモポリマー〔P(MMA)〕についても同様
に測定した。測定結果を図1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例2の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
gPEU−II、gPEU−III ・・・・ ポリウレタン P(MPC−co−MMA) 2−メタクリロイルオ
キシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル酸
メチル(MMA)とのラジカル共重合体 P(MMA) メタクリル酸メチルのホモポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 18/76 NFH C08G 18/76 NFH

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされる構造単位
    を有する、リン脂質類似構造を有するポリウレタン。 【化1】 〔式中、Arは炭素数1〜4のアルキル基が0〜4個置
    換したフェニレン基、または直鎖もしくは分岐鎖の飽和
    もしくは不飽和の炭素数1〜12のアルキレン基を有す
    るアルキレンジフェニル基を示す。Rは−(AO)u−で
    表わされる2価の有機基(ここで、Aは炭素数2〜4の
    アルキレン基、uは10〜100の数を示す。)を示
    す。mおよびnは主鎖を構成するサブユニットのモル分
    率を示し、mは0〜0.99、nは0.01〜1の数で
    あり、m+n=1を満たす。pおよびqはグラフト鎖を
    構成するサブユニットのモル分率を示し、pは0〜0.
    99、qは0.01〜1の数であり、p+q=1を満た
    す。ただし、p、qは連鎖中の比率のみを表わし、ラン
    ダムであっても、ブロックであっても、さらにブロック
    連鎖がランダムに結合していてもよく、連結の順序は任
    意である。〕
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表されるリン脂質類
    似構造を有するマクロモノマー。 【化2】 〔式中、pおよびqは構造単位のモル分率を示し、pは
    0〜0.99、qは0.01〜1の数であり、p+q=
    1を満たす。ただし、p、qは連鎖中の比率のみを表わ
    し、ランダムであっても、ブロックであっても、さらに
    ブロック連鎖がランダムに結合していてもよく、連結の
    順序は任意である。〕
  3. 【請求項3】 ラジカル発生剤の存在下に、1−チオグ
    リセロール、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
    ルコリンおよびメタクリル酸メチルを、2−メタクリロ
    イルオキシエチルホスホリルコリン:メタクリル酸メチ
    ルのモル比が(0.01:0.99)〜(1:0)の範
    囲で反応させることを特徴とする請求項2記載のリン脂
    質類似構造を有するマクロモノマーの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化3】 〔式中、pおよびqは構造単位のモル分率を示し、pは
    0〜0.99、qは0.01〜1の数であり、p+q=
    1を満たす。ただし、p、qは連鎖中の比率のみを表わ
    し、ランダムであっても、ブロックであっても、さらに
    ブロック連鎖がランダムに結合していてもよく、連結の
    順序は任意である。〕で表されるリン脂質類似構造を有
    するマクロモノマー、一般式(3) O=C=N−Ar−N=C=O ・・・・(3) 〔式中、Arは炭素数1〜4のアルキル基が0〜4個置
    換したフェニレン基、または直鎖もしくは分岐鎖の飽和
    もしくは不飽和の炭素数1〜12のアルキレン基を有す
    るアルキレンジフェニル基を示す。〕で表されるジイソ
    シアネート化合物、および一般式(4) HO−R−H ・・・・(4) 〔式中、Rは−(AO)u−で表わされる2価の有機基
    (ここで、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、uは10
    〜100の数を示す。)を示す。〕で表されるグリコー
    ル化合物を反応させることを特徴とする請求項1記載の
    リン脂質類似構造を有するポリウレタンの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6040415A (en) * 1997-04-17 2000-03-21 Toyobo Co., Ltd. Biocompatible polymers
CN103059315A (zh) * 2012-12-31 2013-04-24 中科院广州化学有限公司 一种聚氨酯/聚丙烯酸酯共聚物及其制备的bopp膜
CN104448153A (zh) * 2013-09-17 2015-03-25 同济大学 一种含磷酸胆碱的高强度聚氨酯水凝胶及其制备方法
CN111234170A (zh) * 2020-01-15 2020-06-05 中国科学院长春应用化学研究所 一种聚氨酯材料及其制备方法和在人工半月板材料上的应用

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