JPH09233997A - 高湿度熱風を用いる緑茶の製造方法 - Google Patents

高湿度熱風を用いる緑茶の製造方法

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JPH09233997A
JPH09233997A JP10639796A JP10639796A JPH09233997A JP H09233997 A JPH09233997 A JP H09233997A JP 10639796 A JP10639796 A JP 10639796A JP 10639796 A JP10639796 A JP 10639796A JP H09233997 A JPH09233997 A JP H09233997A
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tea leaves
tea
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hot air
raw
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Keiichi Isotani
恵一 磯谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生茶葉に十分な熱処理を加え、更に、この茶
葉に従来の揉捻処理、中揉処理、及び精揉処理に匹敵す
る処理を加えると同時に、これをペースト状又はフレー
ク状にして処理する方法を提供し、以って衛生的で、飲
用成分の溶出性が高く、茶器を用いることなく手軽に飲
むことが出来、食用にすることも出来る緑茶が得られる
ようにする 【構成】 茶園から摘採した生茶葉を先ず洗浄して、茶
葉に付着した農薬、その他の汚れを除去した後、これに
湿度:60〜90%、温度:250 〜390 ℃程度の高湿度熱風
を数十秒間当てゝ、蒸熱処理に代わる熱処理を加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、茶園から摘採した生茶
葉を 250〜390 ℃程度の高湿度熱風により熱処理する緑
茶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】緑茶の製造工程は、荒茶工程と仕上げ工
程とからなっており、緑茶は、茶園で摘採した生茶葉を
先ず95〜105 ℃の蒸気と数十秒間接触させて蒸し上げて
醗酵を止め、次いでこの蒸し茶葉に粗揉、揉捻、中揉、
精揉、乾燥等の処理を夫々数十分ずつ加えて荒茶とし、
更に、これに火入れ、篩分、その他の仕上げ処理を加え
て製造する。この緑茶は、我が国では従前から最も多
く、日常的に飲用されているものであるが、殊に近時
は、この緑茶にタンニンやカフェイン、ビタミンC等の
ビタミンの他に、種々の薬効成分の含有が認められて、
嗜好飲料としてだけではなく、健康飲料としても注目さ
れており、粉末にして食品の一部としても用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の緑茶の
製造工程のうち、最初の、蒸熱処理工程は荒茶工程中の
最も重要な工程であって、この工程での作業性の良否が
製品緑茶の品質に大きく影響する。ところが従来の蒸熱
処理方式では、上述したように生茶葉に95〜105 ℃と云
う低温の蒸気を当てるので、最初に生茶葉に接触した蒸
気は結露して生茶葉は表面を水の薄膜で被覆された状態
となり、続いて接触する蒸気により徐々に加温される。
しかも蒸気の温度が低いためにこの水分は殆ど蒸発せ
ず、茶葉は、いわゆる「生煮え」の状態になる。又、蒸
熱処理に続いて粗揉処理、揉捻処理、中揉処理、及び精
揉処理が加えられるため、蒸熱処理を終えた段階でこの
茶葉には、以降の各処理を行うことができるだけの強靭
性を保たせておかなければならないため、蒸熱処理時間
を数十秒間程度に抑えなければならない。そのため茶葉
にとっては加熱が不十分であって、製品緑茶は旨味や香
味が薄い上に青臭みが残るという問題がある。このよう
な不具合を解消しようとして従来は、生茶葉に110〜130
℃程度の熱風を当てる方法が試みられた。ところがこの
方法では、生茶葉は表層部分の水分が蒸発して、表面は
枯れ葉の状態となり、内部は加熱されず、生葉の状態の
ものとなってしまうのである。蒸熱工程に続く粗揉工程
から精揉工程までの処理工程は、蒸し茶葉を加熱しなが
ら揉捻して、茶葉の含有水分を次第に減少させながら、
これに縒りを掛けて棒状に仕上げるものである。この処
理方式では、それぞれがバッチ作業であり、しかもそれ
ぞれの行程で数十分ずつを要するので作業性が悪いとい
う問題がある。しかもこの作業では、それぞれの行程で
の茶葉の含有水分の減少度合いを、その処理時間に合わ
せるために比較的低い温度で処理をせざるを得ない。例
えば粗揉工程では、茶葉の温度を35〜40℃程度に保つ条
件下で処理せざるを得ないので、ここでも旨味や香味の
強い製品緑茶を得ることは出来ない要因を有している。
又、この製法による製品緑茶は、棒状であるために急須
を用いて淹れるには適しているが、小袋に充填するのは
困難であり、しかも飲用成分の溶出性が低いので、これ
をティーバッグにして用いることが出来ないと云う不具
合がある。尚、従来の緑茶の製造方式では、茶園で茶葉
に付着した塵埃や虫の糞、農薬等の汚物がそのまま加工
されて製品緑茶に入り込んでしまうため、衛生上の問題
がある。勿論従来も、栽培中の茶葉に火山灰が付着する
地域では、摘採した生茶葉を洗浄してから蒸熱処理をす
る方式も執られている。この方式では、火山灰だけでな
く農薬等も除去されるので衛生上の問題はなくなるが、
反面、洗浄を終えた生茶葉から水分を完全に除去するこ
と殆んど不可能であって、生茶葉は濡れた状態で蒸熱処
理をされるため、蒸熱処理の加熱条件が一層不十分とな
って、生茶葉はいわゆる「生煮え」となり、製品緑茶の
品質を低下させる原因となっているのである。本発明
は、生茶葉に十分な熱処理を加える方式を提供し、更
に、この茶葉に従来の揉捻処理、中揉処理、及び精揉処
理に匹敵する処理を加えると同時に、これをペースト状
又はフレーク状にして処理する方法を提供し、以って衛
生的で、飲用成分の溶出性が高く、茶器を用いることな
く手軽に飲むことの出来、食用にすることも出来る緑茶
が得られるようにすることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、茶園から摘採
した生茶葉に湿度:60〜90%、温度:250 〜390 ℃程度
の高湿度熱風を数十秒間当てゝ、蒸熱処理に代わる熱処
理を加えことにより上記した目的を達成している。茶園
から摘採した生茶葉を先ず洗浄して、茶葉に付着した農
薬、その他の汚れを除去してから、これに高湿度熱風を
当てても上記と殆んど同様の熱処理効果が得られる。次
いで、この熱処理をした茶葉を少なくとも二段以上の圧
潰ロールで圧潰してペースト状、又はフレーク状にし、
しかる後これを熱風乾燥機や火入れ機により所定の乾燥
度になるまで乾燥し、加熱処理する方法により、上記し
た第二の目的を達成している。又、上記した工程で、ペ
ースト状やフレーク状にした茶葉に 250〜390 ℃程度の
高湿度熱風を十数分乃至数十分当てゝ加熱処理し、所定
の乾燥度になるまで乾燥すると、一層上質の製品緑茶が
得られる。実施例に示す熱処理装置Bと同一の形式の熱
処理装置により加熱処理を加えても同様である。生茶葉
に熱処理を加えてから圧潰ロールによる圧潰処理を加え
るまでの間隔が長くて、茶葉の温度が室温程度にまで降
下しているときは、これに圧潰処理を加えるに先だっ
て、高湿度熱風を当てゝ加熱することができる。熱処理
を加えた茶葉に従来と同様の粗揉、揉捻、中揉、及び精
揉処理等の製茶処理を加えて荒茶にすることができる。
尚、熱処理を加える程度によっては、粗揉処理、揉捻処
理、及び中揉処理の一部、又は全部を省略することがで
きる。又、この荒茶に高湿度熱風を当てゝ加熱乾燥処理
する方式とすることもできる。
【0005】
【作用】本発明は、茶園から摘採した生茶葉に250 〜39
0 ℃程度の高湿度熱風を当てることにより、直ちに加熱
される。しかもこの高湿度熱風は、湿度が60〜90%程度
であるため、茶葉の表層部からの水分の蒸発が抑えられ
て、茶葉は内部までほゞ一様に、且つ十分に加熱される
ことゝなり、釜炒り茶のような処理を加えられたものと
同様のものとなる。生茶葉を先ず洗浄すると、生茶葉に
は表面に濯ぎ水が付着して濡れた状態になるが、その濡
れた茶葉に高湿度熱風を当てることにより、その水分は
速やかに加熱されて蒸散して、茶葉は洗浄をしないもの
と殆んど同様に加熱される。熱処理をした茶葉を圧潰ロ
ールで圧潰することにより、茶葉は葉肉や茎が圧潰され
る。殊に、茶葉は熱処理されているので、圧潰されるこ
とによって粘黏性が生じる。そのためこの茶葉を二段以
上の圧潰ロールで処理することにより、茶葉には圧潰作
用に捏練作用が加えられてペースト状、又はフレーク状
になり、従来の荒茶製造工程の揉捻処理、中揉処理、及
び精揉処理に匹敵する処理効果が得られる。そしてこれ
に高湿度熱風を当てと、通常の方式で加熱処理をし、火
入れ処理をした仕上げ茶と同様の、若しくはそれ以上の
上質の製品緑茶となるのである。
【0006】
【実施例】以下、本発明方法を図示の実施例に基づいて
具体的に説明する。この実施例では緑茶の製造装置は、
生茶葉の洗浄装置Aと熱処理装置B、圧潰ロール装置
C、及び熱風乾燥装置Dとにより構成されており、更
に、図示はしないがそれぞれの処理装置の間には茶葉の
移送供給コンベヤが設けられていて、前工程で処理され
た茶葉を次工程に送るようになっている。又、熱風乾燥
装置Dの次にはクラッシャー、静電選別機、火入れ機、
充填機等の仕上げ機が配設されて、ティーバッグ用、ド
リンク用、リーフティー用の製品緑茶が得られるように
なっている。生茶葉の洗浄装置Aは洗浄機1と脱水機2
とから成り、洗浄機1には図示しない定量投入装置が付
設されていて、茶園から摘採された新鮮な生茶葉Tをこ
れに定量的に投入して水で洗浄し、生茶葉に付着した汚
れを除去して脱水機2に移し、過剰の水を除いて熱処理
装置Bに送り込むようになっている。洗浄機1と脱水機
2は、従来から生茶葉の洗浄に用いられているものと変
わるところはない。一例として脱水機2は機枠21、脱水
ドラム22、駆動モータ23とから成る。脱水ドラム22は胴
面24が多孔鈑を用いて形成された横型の回転ドラムで、
前面には材料生茶葉の投入口25が形成されていてここか
ら材料生茶葉を投入するようになっており、 後面は開口
していて脱水された生茶葉の排出口となっている。そし
てその内面には仕切鈑26が螺旋状に取り付けられてい
る。更に、脱水ドラム22の後面の中央に回転軸29が取り
付けられており、 これが駆動モータ23に連絡されていて
所定の速度で回転するようになっている。尚、 この遠心
脱水機は脱水ドラム22の前部と後部がスプリング27によ
って機枠21に支持されていて、 前後方向にも上下方向に
も変動することが出来るようになっている。ちなみに、
この実施例では脱水ドラム22は覆胴28に取り付けられて
おり、この覆胴28がスプリング27によって機枠21に支持
されていて間接的に機枠21に支持される様になってい
る。即ち、 脱水ドラム22の前面の投入口25の部分に支持
レールが形成されていると共に、覆胴28の前部には支持
輪が取り付けられていて、支持レールがこの支持輪によ
って支持されることにより、脱水ドラム22の前部が覆胴
28に支持されている。そして回転軸29が覆胴28の後部に
軸支されていて、 これにより脱水ドラム22の後部が回転
軸29を介して覆胴28に支持されている。駆動モータ23は
回転軸29を介して脱水ドラム22に回転力を伝えてこれを
回転させるもので、図示はしないが回転速度を切り換え
る機構が具えられていて、脱水ドラム22の回転を一定時
間ごとに材料生茶葉の投入と取り出しを行うための速度
(移送速度)と材料生茶葉に所定の遠心力を作用させる
ための速度(脱水速度)とに自動的に切り換えることが
出来るようになっている。このように構成された脱水機
2では、 脱水ドラム22を移送速度で回転させると、 ドラ
ム内で既に脱水された生茶葉は胴面に添って上昇し、 や
がて適宜な高さにまで到ったところで落下する。そし
て、 生茶葉は上昇と落下を繰り返して見掛け上流動状態
になり、次第に排出口側に移行してここから排出され
る。 また、このとき投入口21から材料生茶葉を投入す
ると、これも前のものと同じく上昇と落下を繰り返しな
がら次第に排出口側に向かって移行する。そこで、 材料
生茶葉の先頭が所定の位置にまで達したところで脱水ド
ラム22の回転速度を脱水速度に切り換える。すると、 材
料生茶葉は遠心力の作用を受けて胴面24に圧接し、胴面
24と共に回転する。そして、 それと同時に材料生茶葉に
付着した水も遠心力の作用を受けて、 材料生茶葉から分
離して胴面24を透って放散し、覆胴28に捕集されるので
ある。尚、この脱水機2では、水は、材料生茶葉の表面
が軽く濡れた状態になる程度に除去されれば充分であっ
て、ほゞ完全に(例えば半乾燥状態になるまで)水分を
除去する必要はない。脱水機2により脱水された生茶葉
は、次に熱処理装置Bに送り込まれる。この実施例では
熱処理装置Bは、回転胴型加熱機3が用いられており、
これに高湿度熱風発生炉4が接続されていて、横型回転
胴31に湿度:60〜90%、温度:250〜390 ℃程度の高湿
度熱風を送り込むようになっている。回転胴型加熱機3
の横型回転胴31は、一方端に材料茶葉の投入口32が形成
されていて、洗浄生茶葉をここからを定量的に投入する
と共に、他方端に取出口33が形成されていて、所定の熱
処理を受けた茶葉がここから排出されるようになってい
る。横型回転胴31の内壁面には投入口32から取出口33に
向かって案内突条34が螺旋状に取り付けられており、こ
れにより横型回転胴31の内壁面には螺旋状の溝が形成さ
れて、横型回転胴31に投入された材料生茶葉がこの溝を
通って順に取出口33に向かって移行するようになってい
る。又、横型回転胴31は金属鈑を用いて形成されてお
り、その下にヒータ35が設けられていて、これを250 〜
290 ℃程度に加熱するようになっている。また、胴内に
は高湿高熱空気の噴出ノズル46が配設されていて、高湿
度熱風発生炉4より送り込まれる高湿高熱の空気を、胴
内を移行する材料茶葉に向けて噴き付けるようになって
いる。高湿度熱風発生炉4は、蒸気発生槽41とバーナー
42とから成っている。蒸気発生槽41は底部に水を溜める
ようになっており、一方、バーナー42はこの水の水面W
に向けて30〜45°の角度で取り付けられていて、火炎を
水面Wに吹き付けることによりその付近の水を加熱し
て、これを蒸発させるようになっている。蒸気発生槽41
は、適所に送出口43が形成されていて、槽41内で発生し
た高湿高熱の空気をここから送り出すようになっている
と共に、他の一端に空気供給口44が形成されていて、こ
こから槽41内に新たな空気が供給されるようになってい
る。尚、この実施例では、送出口43にはブロワ45を接続
して、蒸気発生槽41から高湿高熱空気を吸引し、それを
高湿度熱風として茶葉蒸機等に送り込むように構成して
ある。又、蒸気発生槽41のバーナー42より噴き出される
火炎が直接当たることのない位置に噴霧ノズル47が取り
付けられていて、ここから霧状の水を噴き出す様になっ
ている。この水は槽41内の熱風と混合し、気化して、高
湿高熱空気となって送り出される。尚、この場合は、蒸
気発生槽41は噴噴霧ノズル47から噴霧される水とバーナ
ー42より噴出される熱風との混合槽として機能するの
で、蒸気発生槽41の底部に水を溜めたり、バーナー42の
火炎をこの水面Wに吹き付けたりすることはかならずし
も必要条件ではないが、このようにすることにより高温
高湿空気の温度や含有水分量を確実に制御することが出
来るのである。回転胴型加熱機3により加熱処理された
茶葉は、次に圧潰ロール装置Cに送られる。圧潰ロール
装置Cの圧潰ロール機5は数組の圧潰ロール51a と51b
、52a と52b 、及び53a と53b から成っており、夫々
が上下に配設されていて、定量供給コンベヤによって投
入される材料茶葉を最上段の圧潰ロール51a 、51b で圧
潰したのち、順に下段の圧潰ロールに落として繰り返し
圧潰して茶葉をペースト状、又はフレーク状にするよう
になっている。それぞれの圧潰ロール51a と51b 、52a
と52b 、及び53a と53b は通常のこの種のロールと同じ
く、一定以上の力が加えられると、間隔が広がるように
なっていて、両ロールの間を通過する蒸し茶葉の量に多
少の変化があっても、その変化を吸収して常に一定の圧
潰力で蒸し茶葉を圧潰するようになっていると共に、材
料茶葉に混ざり込んだ小石や茶枝の硬い部分、或いは材
料茶葉の塊状になった物等がロールの間に入り込むこと
によってこれに一定以上の力が作用すると、少なくとも
片側のロールが後退してロールの間隔が広がるようにな
っている。熱風乾燥装置Dは、トレーコンベヤ式の連続
加熱機6と熱風発生炉7とから成る。殊にこの実施例で
は熱風発生炉7は、高湿度熱風発生炉を用いている。連
続加熱機6の加熱室61には数段のトレーコンベヤ62が設
けられており、 更に加熱室61の上面には材料生茶葉の投
入ホッパー63が形成されていて、圧潰ロール装置Cから
送り込まれる材料茶葉をこヽから加熱室61に投入する
と、茶葉は先ず最上段のトレーコンベヤ62に積載され
る。そして、トレーコンベヤの回転するに従がい、高湿
度熱風により加熱されながら順次下段のトレーコンベヤ
に転載され、 最後に所定の熱処理を受けて排出口64より
取り出されるようになっている。熱風発生炉7は、前述
した熱処理装置Bの高湿度熱風発生炉4と同様の構成の
もので、蒸気発生槽71とバーナー72とから成り、250 〜
390 ℃程度の高湿度熱風を発生することができるもので
ある。
【0008】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、茶園から
摘採した生茶葉に250〜390 ℃程度の高湿度熱風を当て
ることにより、生茶葉の表面には結露による水分の付着
がすくないので、生茶葉は直ちに加熱される。しかもこ
の高湿度熱風は、湿度が60〜90%程度であるため、茶葉
の表層部からの水分の蒸発が抑えられて、茶葉は内部ま
でほゞ一様に、且つ十分に加熱されることゝなり、釜炒
り茶のような処理を加えられたものとほゞ同様のものと
なって、生臭みのない、旨味や香味高い製品緑茶が得ら
れるのである。生茶葉を熱処理するに先立って洗浄する
と、生茶葉には表面に濯ぎ水が付着して濡れた状態にな
るが、その濡れた茶葉に高湿度熱風を当てることによ
り、その水分は速やかに加熱されて蒸散して、茶葉は洗
浄をしないものと殆ど同様に加熱されて、農薬その他の
生茶葉に付着した汚れが除去されて、衛生的な茶葉が得
られる。又、この茶葉を圧潰ロール装置により処理する
ことにより、茶葉は圧潰ロールで圧潰されると同時に捏
練作用を受けてペースト状、又はフレーク状になり、茶
葉の細胞膜が壊れて茶葉中の旨味成分や香味成分が混ざ
り合うことから、旨味や香味が強くて、その溶出性の高
い緑茶を得ることが出来るのである。殊に、圧潰ロール
工程の前か、後で茶葉を高湿高熱処理すると、製品荒茶
の旨味や香味が一層強くなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する荒茶製造工程装置の一例
を示す説明図である。
【図2】洗浄装置Aの脱水機の要部を示す正面図であ
る。
【図3】同上縦断側面図である。
【図4】熱処理装置Bの回転胴型加熱機と高湿度熱風発
生炉の要部を示す縦断側面図である。
【図5】圧潰ロール装置Cの圧潰ロール機要部を示す縦
断側面図である。
【図6】高湿度熱風乾燥装置Dの連続加熱機と高湿度熱
風発生炉の要部を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
A 洗浄装置 B 熱処理装置 C 圧潰ロール装置 D 熱風乾燥装置 1 洗浄機 2 脱水機 3 回転胴型加熱機 4 高湿度熱風発生炉 5 圧潰ロール機 6 連続加熱機 7 熱風発生炉 21 機枠 22 脱水ドラム 23 駆動モータ 24 胴面 25 投入口 26 仕切鈑 27 スプリング 28 覆胴 29 回転軸 31 横型回転胴 32 投入口 33 取出口 34 案内突条 35 ヒータ 41 蒸気発生槽 42 バーナー 43 送出口 44 空気供給口 45 ブロワ 46 噴出ノズル 47 噴霧ノズル 51 圧潰ロール 52 圧潰ロール 53 圧潰ロール 61 加熱室 62 トレーコンベヤ 63 投入ホッパー 64 排出口 71 蒸気発生槽 72 バーナー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、茶園から摘採した生茶
葉を 250〜390 ℃程度の高湿度熱風により熱処理する緑
茶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】緑茶の製造工程は、荒茶工程と仕上げ工
程とからなっており、緑茶は、茶園で摘採した生茶葉を
先ず95〜105 ℃の蒸気と数十秒間接触させて蒸し上げて
醗酵を止め、次いでこの蒸し茶葉に粗揉、揉捻、中揉、
精揉、乾燥等の処理を夫々数十分ずつ加えて荒茶とし、
更に、これに火入れ、篩分、その他の仕上げ処理を加え
て製造する。この緑茶は、我が国では従前から最も多
く、日常的に飲用されているものであるが、殊に近時
は、この緑茶にタンニンやカフェイン、ビタミンC等の
ビタミンの他に、種々の薬効成分の含有が認められて、
嗜好飲料としてだけではなく、健康飲料としても注目さ
れており、粉末にして食品の一部としても用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の緑茶の
製造工程のうち、最初の、蒸熱処理工程は荒茶工程中の
最も重要な工程であって、この工程での作業性の良否が
製品緑茶の品質に大きく影響する。ところが従来の蒸熱
処理方式では、上述したように生茶葉に95〜105 ℃と云
う低温の蒸気を当てるので、最初に生茶葉に接触した蒸
気は結露して生茶葉は表面を水の薄膜で被覆された状態
となり、続いて接触する蒸気により徐々に加温される。
しかも蒸気の温度が低いためにこの水分は殆ど蒸発せ
ず、茶葉は、いわゆる「生煮え」の状態になる。又、蒸
熱処理に続いて粗揉処理、揉捻処理、中揉処理、及び精
揉処理が加えられるため、蒸熱処理を終えた段階でこの
茶葉には、以降の各処理を行うことができるだけの強靭
性を保たせておかなければならないため、蒸熱処理時間
を数十秒間程度に抑えなければならない。そのため茶葉
にとっては加熱が不十分であって、製品緑茶は旨味や香
味が薄い上に青臭みが残るという問題がある。このよう
な不具合を解消しようとして従来は、生茶葉に110〜130
℃程度の熱風を当てる方法が試みられた。ところがこの
方法では、生茶葉は表層部分の水分が蒸発して、表面は
枯れ葉の状態となり、内部は加熱されず、生葉の状態の
ものとなってしまうのである。蒸熱工程に続く粗揉工程
から精揉工程までの処理工程は、蒸し茶葉を加熱しなが
ら揉捻して、茶葉の含有水分を次第に減少させながら、
これに縒りを掛けて棒状に仕上げるものである。この処
理方式では、それぞれがバッチ作業であり、しかもそれ
ぞれの行程で数十分ずつを要するので作業性が悪いとい
う問題がある。しかもこの作業では、それぞれの行程で
の茶葉の含有水分の減少度合いを、その処理時間に合わ
せるために比較的低い温度で処理をせざるを得ない。例
えば粗揉工程では、茶葉の温度を35〜40℃程度に保つ条
件下で処理せざるを得ないので、ここでも旨味や香味の
強い製品緑茶を得ることは出来ない要因を有している。
又、この製法による製品緑茶は、棒状であるために急須
を用いて淹れるには適しているが、小袋に充填するのは
困難であり、しかも飲用成分の溶出性が低いので、これ
をティーバッグにして用いることが出来ないと云う不具
合がある。尚、従来の緑茶の製造方式では、茶園で茶葉
に付着した塵埃や虫の糞、農薬等の汚物がそのまま加工
されて製品緑茶に入り込んでしまうため、衛生上の問題
がある。勿論従来も、栽培中の茶葉に火山灰が付着する
地域では、摘採した生茶葉を洗浄してから蒸熱処理をす
る方式も執られている。この方式では、火山灰だけでな
く農薬等も除去されるので衛生上の問題はなくなるが、
反面、洗浄を終えた生茶葉から水分を完全に除去するこ
と殆んど不可能であって、生茶葉は濡れた状態で蒸熱処
理をされるため、蒸熱処理の加熱条件が一層不十分とな
って、生茶葉はいわゆる「生煮え」となり、製品緑茶の
品質を低下させる原因となっているのである。本発明
は、生茶葉に十分な熱処理を加える方式を提供し、更
に、この茶葉に従来の揉捻処理、中揉処理、及び精揉処
理に匹敵する処理を加えると同時に、これをペースト状
又はフレーク状にして処理する方法を提供し、以って衛
生的で、飲用成分の溶出性が高く、茶器を用いることな
く手軽に飲むことの出来、食用にすることも出来る緑茶
が得られるようにすることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、茶園から摘採
した生茶葉に湿度:60〜90%、温度:250 〜390 ℃程度
の高湿度熱風を数十秒間当てゝ、蒸熱処理に代わる熱処
理を加えことにより上記した目的を達成している。茶園
から摘採した生茶葉を先ず洗浄して、茶葉に付着した農
薬、その他の汚れを除去して、表面の湿った生茶葉に高
湿度熱風を当てると、一層の熱処理効果が得られる。
又、この生茶葉に、霧を吹き付け、水をかけ、又は生茶
葉を水に浸すなどして、その表面を湿った状態にして
も、同様の熱処理の効果が得られる。次いで、この熱処
理をした茶葉を少なくとも二段以上の圧潰ロールで圧潰
したり、又は一対の圧潰盤の間で圧潰するなどしてペー
スト状、又はフレーク状にし、しかる後これを熱風乾燥
機や火入れ機により所定の乾燥度になるまで乾燥し、加
熱処理する方法により、上記した第二の目的を達成して
いる。又、上記した工程で、ペースト状やフレーク状に
した茶葉に 250〜390 ℃程度の高湿度熱風を十数分乃至
数十分当てゝ加熱処理し、所定の乾燥度になるまで乾燥
すると、一層上質の製品緑茶が得られる。実施例に示す
熱処理装置Bと同一の形式の熱処理装置により加熱処理
を加えても同様である。生茶葉に熱処理を加えてから圧
潰ロールによる圧潰処理を加えるまでの間隔が長くて、
茶葉の温度が室温程度にまで降下しているときは、これ
に圧潰処理を加えるに先だって、高湿度熱風を当てゝ加
熱することができる。熱処理を加えた茶葉に従来と同様
の粗揉、揉捻、中揉、及び精揉処理等の製茶処理を加え
て荒茶にすることができる。尚、熱処理を加える程度に
よっては、粗揉処理、揉捻処理、及び中揉処理の一部、
又は全部を省略することができる。又、この荒茶に高湿
度熱風を当てゝ加熱乾燥処理する方式とすることもでき
る。
【0005】
【作用】本発明は、茶園から摘採した生茶葉に250 〜39
0 ℃程度の高湿度熱風を当てることにより、直ちに加熱
される。しかもこの高湿度熱風は、湿度が60〜90%程度
であるため、茶葉の表層部からの水分の蒸発が抑えられ
て、茶葉は内部までほゞ一様に、且つ十分に加熱される
ことゝなり、釜炒り茶のような処理を加えられたものと
同様のものとなる。生茶葉を水に漬けたり、洗浄したり
することにより、生茶葉には表面に濯ぎ水が付着して湿
った状態になる。その湿った茶葉に高湿度熱風を当てる
ことにより、茶葉の表層部からの水分の蒸発が確実に抑
えられて、茶葉は内部まで更に一様に、且つ十分に加熱
されることゝなる。熱処理をした茶葉を圧潰することに
より、茶葉は葉肉や茎が圧潰される。殊に、茶葉は熱処
理されているので、圧潰されることによって粘黏性が生
じる。そのためこの茶葉を二段以上の圧潰ロールや圧潰
で処理することにより、茶葉には圧潰作用に捏練作用
が加えられてペースト状、又はフレーク状になり、従来
の荒茶製造工程の揉捻処理、中揉処理、及び精揉処理に
匹敵する処理効果が得られる。そしてこれに高湿度熱風
を当てると、通常の方式で加熱処理をし、火入れ処理を
した仕上げ茶と同様の、若しくはそれ以上の上質の製品
緑茶となるのである。
【0006】
【実施例】以下、本発明方法を図示の実施例に基づいて
具体的に説明する。この実施例では緑茶の製造装置は、
生茶葉の洗浄装置Aと熱処理装置B、圧潰ロール装置
C、及び熱風乾燥装置Dとにより構成されており、更
に、図示はしないがそれぞれの処理装置の間には茶葉の
移送供給コンベヤが設けられていて、前工程で処理され
た茶葉を次工程に送るようになっている。又、熱風乾燥
装置Dの次にはクラッシャー、静電選別機、火入れ機、
充填機等の仕上げ機が配設されて、ティーバッグ用、ド
リンク用、リーフティー用の製品緑茶が得られるように
なっている。生茶葉の洗浄装置Aは洗浄機1と脱水機2
とから成り、洗浄機1には図示しない定量投入装置が付
設されていて、茶園から摘採された新鮮な生茶葉Tをこ
れに定量的に投入して水で洗浄し、生茶葉に付着した汚
れを除去して脱水機2に移し、過剰の水を除いて熱処理
装置Bに送り込むようになっている。洗浄機1と脱水機
2は、従来から生茶葉の洗浄に用いられているものと
様であって、生茶葉を水に浸漬して濯ぎ、しかる後それ
を水から掬い揚げて水切りをするものである。一例とし
て脱水機2は機枠21、脱水ドラム22、駆動モータ23とか
ら成る。脱水ドラム22は胴面24が多孔鈑を用いて形成さ
れた横型の回転ドラムで、 前面には材料生茶葉の投入口
25が形成されていてここから材料生茶葉を投入するよう
になっており、 後面は開口していて脱水された生茶葉の
排出口となっている。そしてその内面には仕切鈑26が螺
旋状に取り付けられている。更に、脱水ドラム22の後面
の中央に回転軸29が取り付けられており、 これが駆動モ
ータ23に連絡されていて所定の速度で回転するようにな
っている。尚、 この遠心脱水機は脱水ドラム22の前部と
後部がスプリング27によって機枠21に支持されていて、
前後方向にも上下方向にも変動することが出来るように
なっている。ちなみに、 この実施例では脱水ドラム22は
覆胴28に取り付けられており、この覆胴28がスプリング
27によって機枠21に支持されていて間接的に機枠21に支
持される様になっている。即ち、 脱水ドラム22の前面の
投入口25の部分に支持レールが形成されていると共に、
覆胴28の前部には支持輪が取り付けられていて、支持レ
ールがこの支持輪によって支持されることにより、脱水
ドラム22の前部が覆胴28に支持されている。そして回転
軸29が覆胴28の後部に軸支されていて、 これにより脱水
ドラム22の後部が回転軸29を介して覆胴28に支持されて
いる。駆動モータ23は回転軸29を介して脱水ドラム22に
回転力を伝えてこれを回転させるもので、図示はしない
が回転速度を切り換える機構が具えられていて、脱水ド
ラム22の回転を一定時間ごとに材料生茶葉の投入と取り
出しを行うための速度(移送速度)と材料生茶葉に所定
の遠心力を作用させるための速度(脱水速度)とに自動
的に切り換えることが出来るようになっている。このよ
うに構成された脱水機2では、 脱水ドラム22を移送速度
で回転させると、 ドラム内で既に脱水された生茶葉は胴
面に添って上昇し、 やがて適宜な高さにまで到ったとこ
ろで落下する。そして、 生茶葉は上昇と落下を繰り返し
て見掛け上流動状態になり、次第に排出口側に移行して
ここから排出される。 また、このとき投入口21から材
料生茶葉を投入すると、これも前のものと同じく上昇と
落下を繰り返しながら次第に排出口側に向かって移行す
る。そこで、 材料生茶葉の先頭が所定の位置にまで達し
たところで脱水ドラム22の回転速度を脱水速度に切り換
える。すると、 材料生茶葉は遠心力の作用を受けて胴面
24に圧接し、胴面24と共に回転する。そして、 それと同
時に材料生茶葉に付着した水も遠心力の作用を受けて、
材料生茶葉から分離して胴面24を通って放散し、覆胴28
に捕集されるのである。尚、この脱水機2では、水は、
材料生茶葉の表面が軽く濡れた状態になる程度に除去す
れば充分であって、ほゞ完全に(例えば半乾燥状態にな
るまで)水分を除去する必要はない。脱水機2により脱
水された生茶葉は、次に熱処理装置Bに送り込まれる。
この実施例では熱処理装置Bは、回転胴型加熱機3が用
いられており、これに高湿度熱風発生炉4が接続されて
いて、横型回転胴31に湿度:60〜90%、温度:250〜390
℃程度の高湿度熱風を送り込むようになっている。回
転胴型加熱機3の横型回転胴31は、一方端に材料茶葉の
投入口32が形成されていて、洗浄生茶葉をここからを定
量的に投入すると共に、他方端に取出口33が形成されて
いて、所定の熱処理を受けた茶葉がここから排出される
ようになっている。横型回転胴31の内壁面には投入口32
から取出口33に向かって案内突条34が螺旋状に取り付け
られており、これにより横型回転胴31の内壁面には螺旋
状の溝が形成されて、横型回転胴31に投入された材料生
茶葉がこの溝を通って順に取出口33に向かって移行する
ようになっている。又、横型回転胴31は金属鈑を用いて
形成されており、その下にヒータ35が設けられていて、
これを250 〜290 ℃程度に加熱するようになっている。
また、胴内には高湿高熱空気の噴出ノズル46が配設され
ていて、高湿度熱風発生炉4より送り込まれる高湿高熱
の空気を、胴内を移行する材料茶葉に向けて噴き付ける
ようになっている。高湿度熱風発生炉4は、蒸気発生槽
41とバーナー42とから成っている。蒸気発生槽41は底部
に水を溜めるようになっており、一方、バーナー42はこ
の水の水面Wに向けて30〜45°の角度で取り付けられて
いて、火炎を水面Wに吹き付けることによりその付近の
水を加熱して、これを蒸発させるようになっている。蒸
気発生槽41は、適所に送出口43が形成されていて、槽41
内で発生した高湿高熱の空気をここから送り出すように
なっていると共に、他の一端に空気供給口44が形成され
ていて、ここから槽41内に新たな空気が供給されるよう
になっている。尚、この実施例では、送出口43にはブロ
ワ45を接続して、蒸気発生槽41から高湿高熱空気を吸引
し、それを高湿度熱風として茶葉蒸機等に送り込むよう
に構成してある。又、蒸気発生槽41のバーナー42より噴
き出される火炎が直接当たることのない位置に噴霧ノズ
ル47が取り付けられていて、ここから霧状の水を噴き出
す様になっている。この水は槽41内の熱風と混合し、気
化して、高湿高熱空気となって送り出される。尚、この
場合は、蒸気発生槽41は噴噴霧ノズル47から噴霧される
水とバーナー42より噴出される熱風との混合槽として機
能するので、蒸気発生槽41の底部に水を溜めたり、バー
ナー42の火炎をこの水面Wに吹き付けたりすることはか
ならずしも必要条件ではないが、このようにすることに
より高温高湿空気の温度や含有水分量を確実に制御する
ことが出来るのである。回転胴型加熱機3により加熱処
理された茶葉は、次に圧潰ロール装置Cに送られる。圧
潰ロール装置Cの圧潰ロール機5は数組の圧潰ロール51
a と51b 、52a と52b 、及び53a と53b から成ってお
り、夫々が上下に配設されていて、定量供給コンベヤに
よって投入される材料茶葉を最上段の圧潰ロール51a 、
51b で圧潰したのち、順に下段の圧潰ロールに落として
繰り返し圧潰して茶葉をペースト状、又はフレーク状に
するようになっている。それぞれの圧潰ロール51a と51
b 、52a と52b 、及び53a と53b は通常のこの種のロー
ルと同じく、一定以上の力が加えられると、間隔が広が
るようになっていて、両ロールの間を通過する蒸し茶葉
の量に多少の変化があっても、その変化を吸収して常に
一定の圧潰力で蒸し茶葉を圧潰するようになっていると
共に、材料茶葉に混ざり込んだ小石や茶枝の硬い部分、
或いは材料茶葉の塊状になった物等がロールの間に入り
込むことによってこれに一定以上の力が作用すると、少
なくとも片側のロールが後退してロールの間隔が広がる
ようになっている。熱風乾燥装置Dは、トレーコンベヤ
式の連続加熱機6と熱風発生炉7とから成る。殊にこの
実施例では熱風発生炉7は、高湿度熱風発生炉を用いて
いる。連続加熱機6の加熱室61には数段のトレーコンベ
ヤ62が設けられており、 更に加熱室61の上面には材料生
茶葉の投入ホッパー63が形成されていて、圧潰ロール装
置Cから送り込まれる材料茶葉をこヽから加熱室61に投
入すると、茶葉は先ず最上段のトレーコンベヤ62に積載
される。そして、トレーコンベヤの回転するに従がい、
高湿度熱風により加熱されながら順次下段のトレーコン
ベヤに転載され、 最後に所定の熱処理を受けて排出口64
より取り出されるようになっている。熱風発生炉7は、
前述した熱処理装置Bの高湿度熱風発生炉4と同様の構
成のもので、蒸気発生槽71とバーナー72とから成り、25
0 〜390 ℃程度の高湿度熱風を発生することができるも
のである。
【0008】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、茶園から
摘採した生茶葉に250〜390 ℃程度の高湿度熱風を当て
ることにより、生茶葉の表面には結露による水分の付着
がすくないので、生茶葉は直ちに加熱される。しかもこ
の高湿度熱風は、湿度が60〜90%程度であるため、茶葉
の表層部からの水分の蒸発が抑えられて、茶葉は内部ま
でほゞ一様に、且つ十分に加熱されることゝなり、釜炒
り茶のような処理を加えられたものとほゞ同様のものと
なって、生臭みのない、旨味や香味高い製品緑茶が得ら
れるのである。生茶葉を熱処理するに先立って洗浄する
と、生茶葉には表面に濯ぎ水が付着して濡れた状態にな
るが、その濡れた茶葉に高湿度熱風を当てることによ
り、茶葉の表層部からの水分の蒸発が確実に抑えられ
て、茶葉は内部まで更に一様に、且つ十分に加熱される
のであり、しかも、農薬その他の生茶葉に付着した汚れ
が除去されて、衛生的な茶葉が得られる効果がある。
又、生茶葉を洗浄する必要のないときは、これに霧を吹
き付けたり、水をかけたり、又は生茶葉を水に浸すなど
して、その表面に水分を付着させて、生茶葉を適度に湿
った状態にして加熱処理をすると、上記と同様、茶葉の
表層部からの水分の蒸発が確実に抑えられて、茶葉は内
部まで一様に、且つ十分に加熱される効果がある。又、
この茶葉を圧潰ロール装置や圧潰盤により処理すること
により、茶葉は圧潰されると同時に捏練作用を受けてペ
ースト状、又はフレーク状になり、茶葉の細胞膜が壊れ
て茶葉中の旨味成分や香味成分が混ざり合うことから、
旨味や香味が強くて、その溶出性の高い緑茶を得ること
が出来るのである。殊に、圧潰工程の前か、後で茶葉を
高湿高熱処理すると、製品荒茶の旨味や香味が一層強く
なる利点がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶園から摘採した生茶葉に、湿度:60〜
    90%、温度:250 〜390 ℃程度の高湿度熱風を数十秒間
    当てゝ熱処理を加え、しかるのちこれに製茶処理を加え
    ることを特徴とする高湿度熱風を用いる緑茶の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 茶園から摘採した生茶葉を先ず洗浄し
    て、農薬その他の生茶葉に付着した汚れを除去し、続い
    てこれに湿度:60〜90%、温度:250 〜390 ℃程度の高
    湿度熱風を数十秒間当てゝ熱処理を加えることを特徴と
    する請求項1の高湿度熱風を用いる緑茶の製造方法。
  3. 【請求項3】 生茶葉に熱処理を加えた後、これを少な
    くとも二段以上の圧潰ロールで圧潰してペースト状、又
    はフレーク状にし、これに高湿度熱風を当てて加熱し、
    乾燥することを特徴とする請求項1、又は2の高湿度熱
    風を用いる緑茶の製造方法。
  4. 【請求項4】 生茶葉に熱処理を加えた後、これに粗揉
    処理、揉捻処理、中揉処理、及び精揉処理を加えて乾燥
    し、又は中揉処理、及び精揉処理を加えて乾燥すること
    を特徴とする請求項1、又は2の高湿度熱風を用いる緑
    茶の製造方法。
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