JPH09231563A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH09231563A
JPH09231563A JP3480996A JP3480996A JPH09231563A JP H09231563 A JPH09231563 A JP H09231563A JP 3480996 A JP3480996 A JP 3480996A JP 3480996 A JP3480996 A JP 3480996A JP H09231563 A JPH09231563 A JP H09231563A
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Tetsuo Samoto
哲雄 佐本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より硬い膜の形成を可能とし、優れた耐久
性、走行性を確保する。 【解決手段】 非磁性支持体1上に設けられた磁性層
上、或いは該磁性層の形成面と反対側の上記非磁性支持
体1上にホローアノード型RF−CVD法により保護膜
又はバック層を形成する際に、原料ガス2中にアルゴン
ガスを60〜85%混合する。上記保護膜又はバック層
としては、カーボン膜が好適であり、この場合上記原料
ガス2としては、トルエン等が使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性層を有する非
磁性支持体上にホローアノード型RF−CVDを行って
カーボン保護膜を成膜する際に用いて好適な磁気記録媒
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体においては、一層高記録密
度化を図る流れから、スペーシング損失を少なくする為
に媒体が平滑化される傾向にある。この媒体の平滑化が
進むと、それに伴いヘッドと媒体間の摩擦力が増大し、
媒体に生ずる剪断応力は大きくなる。
【0003】そこで、この摺動耐久性が厳しく要求され
る状況下にあっては、耐久性を向上させる目的で、磁性
層の表面に保護膜を形成する技術が検討されている。
【0004】上記保護膜としては、例えばカーボン膜や
石英(SiO2 )膜、ジルコニア(ZrO2 )膜等が知
られており、ハードディスクにおいては実用化され生産
されているものもある。特に、最近はカーボン膜におい
てもより硬度の大きい膜であるダイヤモンドライクカー
ボン(DLC)膜等が有力視されており、今後広く使用
されると考えられる。かかる保護膜の成膜方法として
は、例えばスパッタリング法、蒸着法、CVD法等の真
空プロセスが主流である。
【0005】一方、走行性の向上を図るために、上記磁
性層の設けられた非磁性支持体の背面上にバック層が設
けられている。このバック層としては、従来、例えばカ
ーボン粒子等の非磁性顔料や樹脂結合剤を分散させた、
いわゆるバックコートなるものが使用されている。
【0006】このバックコートは、通常塗布法により膜
形成されている。しかし、この方法では、上記保護膜を
形成するための真空プロセスと該バックコート形成のた
めの塗布プロセスとが必要とされるため、装置コストが
かさむ。
【0007】これに対して、上記バック層についても真
空プロセスによる膜形成を行えば、より効率が良く、経
済的にも望ましい。特に、真空プロセスのなかでも、C
VD法は電場や磁場を用いて発生させたプラズマのエネ
ルギーを利用して原料となる気体の分解、合成等の化学
反応を起こさせ、膜を形成する化学的プロセスであり、
スパッタリング法に比べて成膜レートが大きいことか
ら、磁気記録媒体用保護膜の成膜手段として期待されて
いる。
【0008】このCVD法により上記バック層を形成す
る場合において、非磁性支持体上に直接成膜がなされる
ことから、絶縁膜上でも膜形成が可能であるRF−CV
D法を用いることが要求される。
【0009】このRF−CVD法においては、より硬い
膜を得る方法として、ホローアノード型RF−CVD法
が提案されている。このホローアノード型RF−CVD
法においては、アノード電極が窪みを有する形状(ホロ
ー型)をなし、該アノード電極にコンデンサを介して交
流電圧(13.56MHz)が印加される。このような
電極構成とすることにより、上記アノード電極上に大き
なバイアス電圧が発生し、成膜レートが向上されるの
で、得られる膜の硬度が高くなる。
【0010】このホローアノード型RF−CVD法によ
りカーボン膜の形成を行うに際し、従来、原料となる気
体(原料ガス)には純トルエンが使用されている。
【0011】しかしながら、得られる膜において高耐久
性、高走行性を実現するために更なる硬度の向上が望ま
れているが、満足な結果を得ることは難しいのが実状で
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、こ
のような実情に鑑みて提案されたものであって、より硬
い膜の形成を可能とし、耐久性、走行性に優れた磁気記
録媒体の製造方法を提供する事を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、原料ガス中にアル
ゴンガスを60〜85%混合することにより、電極間に
かかるセルフバイアス電圧を大きくすることができ、得
られる膜の硬度が向上することを見い出し、本発明を完
成するに至ったものである。
【0014】即ち、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性支持体上にホローアノード型RF−CVD法
により薄膜を成膜する磁気記録媒体の製造方法におい
て、上記ホローアノード型RF−CVD法による膜形成
を行う際に、原料ガス中にアルゴンガスを60〜85%
混合することを特徴とするものである。
【0015】本発明の磁気記録媒体の製造方法において
は、ホローアノード型RF−CVD法により成膜を行う
に際し、原料ガス中にアルゴンガスを所定の割合で導入
する。これにより、放電が安定し、RFパワーを大きく
印加できるようになる。この結果、電極間にかかるセル
フバイアス電圧が大きくなる。また、RFパワーを一定
にして、上記アルゴンガスの混合率を上げても上記セル
フバイアス電圧を大きくすることができる。セルフバイ
アス電圧が大きいと、得られる膜の硬度が大きくなり、
耐久性、走行性の向上が図られる。
【0016】本発明において、使用する原料ガスとして
は、取り扱いが容易で、安価であることが望ましい。こ
のような特性に叶うものとしては、例えばトルエン、ヘ
キサン、アルコール等が挙げられ、特にトルエンが好適
であるが、これに限定されるものではない。
【0017】本発明は、例えば非磁性支持体上に形成さ
れた磁性層上の保護膜、或いは前記非磁性支持体の背面
上のバック層を形成する際に用いて好適とされる。
【0018】本発明が適用可能な磁気記録媒体として
は、塗布型の磁気記録媒体、金属磁性薄膜型の磁気記録
媒体などがいずれも使用可能である。
【0019】これら本発明が適用される磁気記録媒体の
構成としては、上述の構成に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更、例えば必要に
応じて上記非磁性支持体上に下塗り層を形成したり、潤
滑剤層等の各種層を形成することはなんら差し支えな
い。
【0020】また、上記磁気記録媒体において、上記非
磁性支持体、上記磁性層を構成する磁性材料、或いは上
記バックコート層に含まれる非磁性顔料、樹脂結合剤、
或いは上記潤滑剤層に含まれる材料等としては、従来公
知のものがいずれも使用可能であり、特に限定されな
い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
より説明するが、本発明がこの実施例に限定されるもの
でないことは言うまでもない。
【0022】先ず、本実施例により磁気テープを作製す
る際に、保護膜の形成工程において使用したホローアノ
ード型RF−CVD連続膜形成装置の構成について説明
する。
【0023】このホローアノード型RF−CVD連続膜
形成装置は、図1に示すように、内部が所定の真空度に
保たれた真空チャンバ13内において、被処理体である
テープ状の非磁性支持体1が、図1中の時計回り方向に
定速回転する巻き出しロール3から時計回り方向に定速
回転する巻き取りロール4に向かって順次走行するよう
になされている。
【0024】上記非磁性支持体1上には、酸素ガスを導
入しながらCoを蒸着して部分酸化された強磁性金属薄
膜が形成されてなる。
【0025】この非磁性支持体1が上記巻き出しロール
3側から巻き取りロール4側に亘って走行する中途部に
は、該非磁性支持体1を図1中下方に引き出すように設
けられるとともに、上記各ロール3,4の径よりも大径
となされた円筒キャン11が図1中反時計回り方向に定
速回転するように設けられている。
【0026】これら巻き出しロール3、巻き取りロール
4及び円筒キャン11は、それぞれ上記非磁性支持体1
の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものである。
【0027】従って、このホローアノード型RF−CV
D連続膜形成装置においては、上記非磁性支持体1が、
上記巻き出しロール3から順次送り出され、上記円筒キ
ャン11の外周面に沿って通過し、更に上記巻き取りロ
ール4に巻き取られていくようになされている。
【0028】一方、上記真空チャンバ13内には、上記
円筒キャン11の下方に一対の電極5,6が設けられ
る。
【0029】これら電極5,6は、断面略矩形状の箱型
(ホロー状)をなし、上記円筒キャン11と対向配置さ
れてなる方がアノード電極6とされ、絶縁材14を介し
てこのアノード電極6を囲むかたちで配設されてなる方
がカソード電極5とされる。
【0030】上記アノード電極6の下部には、上記真空
チャンバ13の外壁13aを貫通して配設される原料ガ
ス導入管(アノード電極支持棒)7が取り付けられ、上
記アノード電極6は該原料ガス導入管(アノード電極支
持棒)7により支持され所定位置に配設される。
【0031】上記原料ガス導入管(アノード電極支持
棒)7は、図2に示すように、内部が中空であり、この
原料ガス導入管7内にトルエンなどの原料ガス2が供給
される。そして、この原料ガス導入管7内を通過した原
料ガス2は、上記アノード電極6と上記円筒キャン11
の間の空間に導入され反応が行われる。
【0032】この時、上記原料ガス2中にアルゴンガス
を60〜85%混合する。これにより、安定した放電が
行え、RFパワーを大きく印加できるようになるので、
上記電極5,6間にかかるセルフバイアス電圧を増大す
ることができる。また、RFパワーを一定にして、上記
アルゴンガスの混合率を上げても上記セルフバイアス電
圧を大きくすることができる。セルフバイアス電圧を大
きくすると、硬度の大きい膜を得ることができ、耐久
性、走行性が向上する。
【0033】上記原料ガス導入管7には、マスフローコ
ントローラ8A,8Bが接続されており、該原料ガス導
入管7と接続される液体供給装置(図示せず。)より上
記マスフローコントローラ8Aを介して上記原料ガス2
(アルゴンガス)が供給されるとともに、上記マスフロ
ーコントローラ8Bにてアルゴンガスが供給され、マス
フローコントローラ8Aと8Bの割合により、混合率が
上記範囲内となるように制御される。なお、マスフロー
コントローラ8A,8Bや液体供給装置を電気的に絶縁
するために絶縁材15が原料ガス導入管7の中途部に設
けられている。
【0034】上記原料ガス導入管7は、上記走行する非
磁性支持体1の走行方向に対して略直交方向に配設さ
れ、得られる膜の幅方向における膜厚分布が良好となる
ようになされている。
【0035】また、上記原料ガス導入管7は、コンデン
サ10を介して上記真空チャンバ13の外部に配設され
た交流電源9と接続されており、上記原料ガス導入管7
を介して上記アノード電極6に該交流電源9(周波数1
3.56MHz)により所定の電位が加えられ、上記円
筒キャン11と上記アノード電極6間で放電がおこるよ
うな構成とされている。そして、上記アノード電極6上
に発生したプラズマにより上記原料ガス導入管7から導
入される上記原料ガス2の分解、合成等の化学反応が起
こり、これが上記アノード電極6と上記円筒キャン11
の間を上記非磁性支持体1が通過する際に、上記非磁性
支持体1上に形成された磁性層上に被着されて保護膜が
形成されるようになされている。
【0036】一方、上記カソード電極5は、上記真空チ
ャンバ13の外壁13aと接続されるかたちで配設さ
れ、先端部が上記円筒キャン11の周面に沿って開口す
る構成を有してなる。
【0037】このカソード電極5の上記真空チャンバ1
3の外壁13aとの接続部には、上記原料ガス導入管7
との間に生ずる隙間(上記アノード電極6とカソード電
極5間の距離に対応する)を塞ぐべくOリング12が配
設されている。
【0038】これらカソード電極5及び上記アノード電
極6の構成材料としては、例えば銅等が代表的である
が、導電性から言えば、ステンレスや真鍮、金等も使用
可能である。
【0039】
【実施例】そこで、上述のような構成を有するのホロー
アノード型RF−プラズマ連続膜形成装置を使用して、
以下のようにして蒸着テープを作製した。
【0040】<実施例>先ず、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)からなるベースフィルム上に酸素ガスを
導入しながら通常の方法により磁性材料を斜め蒸着して
単層膜からなる磁性層を形成した。
【0041】続いて、上記図1に示すホローアノード型
RF−CVD連続膜形成装置を使用し、上記ベースフィ
ルム7の磁性層形成面の反対面上にカーボン膜を形成し
てサンプルテープを得た。このホローアノード型RF−
CVDを行うに際し、成膜条件は下記に示す通りとし
た。
【0042】 原料ガス : トルエン 原料ガス流量 : 5ccm アルゴンガス流量 : 30ccm アルゴンガス混合率 : 85% 真空度 : 9mTorr RFパワー : 50W(一定) 非磁性支持体の送り速度: 1.1m/分 なお、この成膜に際し、アノード電極にかかるセルフバ
イアス電圧は90Vであった。
【0043】<比較例>先ず、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)からなるベースフィルム上に上記実施例
と同様にして磁性層を形成した。
【0044】続いて、上記図1に示すホローアノード型
RF−CVD連続膜形成装置を使用し、上記ベースフィ
ルムの磁性層形成面の反対面上にカーボン膜を形成して
比較テープを得た。このホローアノード型RF−CVD
を行うに際し、成膜条件は下記に示す通りとした。
【0045】 原料ガス : トルエン 原料ガス流量 : 30ccm アルゴンガス流量 : 30ccm アルゴンガス混合率 : 50% 真空度 : 17mTorr RFパワー : 50W(一定) 非磁性支持体の送り速度: 1.1m/分 なお、この成膜に際し、アノード電極にかかるセルフバ
イアス電圧は48Vであった。
【0046】以上のようにして作製した本実施例にかか
るサンプルテープと、比較用として原料ガス(トルエ
ン)中のアルゴンガス混合率を本発明の範囲より少なく
設定して作製した比較テープについて、得られた保護膜
の膜硬度(ビッカース硬度)をNEC薄膜硬度計MHA
−400(商品名)にてそれぞれ測定した。
【0047】この結果、サンプルテープの保護膜はHv
=350であったのに対して、比較テープの保護膜はH
v=210であり、本実施例では硬度の大きな膜が得ら
れることが判った。
【0048】そこで、上記結果に基づき、上記保護膜を
成膜する際の原料ガス(トルエン)中のアルゴンガス混
合率と得られるカーボン膜の硬度の関係について検討し
た。
【0049】実験1 上述のホローアノード型RF−CVDを行うに際し、R
Fパワーを50Wに固定し、原料ガス(トルエン)中の
アルゴンガス混合率を変化させた。
【0050】図3は、上記アノード電極にかかるセルフ
バイアス電圧及び得られたカーボン膜の膜厚の上記アル
ゴンガス混合率依存性を示す図である。
【0051】図3より、上記原料ガス中のアルゴンガス
混合率が増加すると、上記アノード電極にかかるセルフ
バイアス電圧は大きくなるが、代わりに得られる膜の厚
みが減少し、成膜レートが低下することが判った。ま
た、上記アルゴンガス混合率が85%を越える範囲で
は、十分な成膜レートを確保することができず、実用上
不適当であることが明らかとなった。
【0052】また、図4に、上記アルゴンガス混合率と
得られる膜の硬度の関係を示す。
【0053】図4に示すように、上記アルゴンガス混合
率を60%以上とすれば、得られる膜の硬度をHv>3
00とすることができ、硬い膜が得られることが判っ
た。
【0054】次に、アノード電極にかかるセルフバイア
ス電圧を変化させて上述のホローアノード型RF−CV
D法により非磁性支持体の背面上にバック層を形成し、
原料ガス中にアルゴンガスを混合することによる走行性
への効果を検討した。
【0055】実験2 先ず、通常の方法により斜め蒸着を行って非磁性支持体
上に磁性薄膜からなる磁性層を形成した。
【0056】続いて、上記ホローアノード型RF−CV
D連続膜形成装置を使用し、上記非磁性支持体の磁性層
形成面の反対面上にカーボン膜を膜厚が20nmとなる
ように形成してバック層を設けた。
【0057】なお、このバック層上には潤滑剤層等を特
に形成しなかった。
【0058】このようにして得られたサンプルテープに
ついて、アノード電極にかかるバイアス電圧を+120
V(図5中A)、+50V(図5中B)とした時の走行
性を調べた。
【0059】測定に際し、繰り返しパス走行を行って、
各パス毎の動摩擦係数μをガイドピンとしてSUSφ2
0.2Sを用い、ラップ角90°、荷重10gwとし
て測定した。テープ速度は、20mm/秒とした。
【0060】この結果を図5に示す。
【0061】図5に示すように、アノード電極にかかる
セルフバイアス電圧が50V以下になると100パス後
の動摩擦係数μが0.3以上となり、実用範囲限界とな
ることが判った。
【0062】以上のことから、アノード電極にかかるセ
ルフバイアス電圧が50V以上となり、且つ成膜レート
が実用範囲になる条件として、原料ガス中のアルゴンガ
スの混合率が60〜85%の範囲内とされることが必要
であることが判った。
【0063】なお、本実施例は、磁性層として斜め蒸着
により形成される磁性薄膜を用いたいわゆる金属磁性薄
膜型の磁気記録媒体の製造において適用した例である
が、本発明が適用される磁気記録媒体としてはこれに限
定されるものではなく、この他塗布型の磁気記録媒体の
製造において適用しても上述と同様の効果が期待でき
る。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、ホローアノード型RF−CVD法による成
膜時に、原料ガス中に60〜85%の割合でアルゴンを
混合しているので、放電が安定し、アノード電極にかか
るセルフバイアス電圧が大きくなる。この結果、成膜レ
ートを落とすことなく、得られる膜の硬度を向上させる
ことができる。
【0065】従って、この方法により磁性層上に設けら
れる保護膜或いはバック層を形成すれば、優れた耐久
性、走行性を有する磁気記録媒体を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して磁気テープを製造するに際
し、保護膜の成膜時に使用したホローアノード型RF−
CVD装置の一構成例を示す模式図である。
【図2】原料ガス導入管の一構成例を示す要部拡大模式
図である。
【図3】保護膜の成膜時におけるアルゴンガスの混合率
とアノード電極にかかるセルフバイアス電圧及びカーボ
ン膜の膜厚との関係を示す特性図である。
【図4】保護膜の成膜時におけるアルゴンガスの混合率
と得られる膜の硬度の関係を示す特性図である。
【図5】ホローアノード型RF−CVD法により成膜さ
れたバック層のパス回数と動摩擦係数の関係を示す特性
図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体(被処理体) 2 原料ガス 3 巻き出しロール 4 巻き取りロール 5 カソード電極 6 アノード電極 7 原料ガス導入管 8 マスフローコントローラ 9 交流電源 10 コンデンサ 11 円筒キャン 12 Oリング 13 真空チャンバ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上にホローアノード型RF
    −CVD法により薄膜を成膜する磁気記録媒体の製造方
    法において、 上記ホローアノード型RF−CVD法による膜形成を行
    う際に、原料ガス中にアルゴンガスを60〜85%混合
    することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記原料ガスとしてトルエンが使用され
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
JP3480996A 1996-02-22 1996-02-22 磁気記録媒体の製造方法 Withdrawn JPH09231563A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013222627A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Ulvac Japan Ltd プラズマ処理装置
US11680322B2 (en) 2011-12-28 2023-06-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Method for forming a laminated film on a substrate

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