JPH09230985A - タブレット用オーバーレイシート - Google Patents

タブレット用オーバーレイシート

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JPH09230985A
JPH09230985A JP3637396A JP3637396A JPH09230985A JP H09230985 A JPH09230985 A JP H09230985A JP 3637396 A JP3637396 A JP 3637396A JP 3637396 A JP3637396 A JP 3637396A JP H09230985 A JPH09230985 A JP H09230985A
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JP
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writing
substrate
mat
resin
overlay sheet
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JP3637396A
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English (en)
Inventor
Takehisa Kimura
剛久 木村
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 書き味のよい、特に普通の筆記用具で紙の上
に筆記しているような書き味が得られるタブレット用オ
ーバーレイシートを提供する。 【解決手段】 マット化された少なくとも1つの表面を
有する基体と、基体のマット化された表面の上に設けら
れたマット層とを含むタブレット用オーバーレイシー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラフィックデー
タ等の手書き入力用のタブレットの手書入力表面に使用
されるオーバーレイシートに関する。
【0002】
【従来の技術】タブレットは、コンピュータにおけるグ
ラフィックデータの手書き入力用の器具であり、その表
面にスタイラスペンと呼ばれる筆記具様の用具により手
書きで所望の図形が描かれた際に筆圧等を感知して描か
れた図形を信号化し、これにより手書きされた図形等を
グラフィックデータとして入力することを可能とするも
のである。
【0003】タブレットはそもそもテンプレートを表面
に貼り付け、ペンでクリックすることにより所望の図形
を素早く入力することを目的として開発され、CAD等
のグラフィック処理分野においてデジタイザとして発展
を遂げたものである。
【0004】デジタイザの場合は、ボタンカーソルと呼
ばれるマウスのような用具を使用して図形をトレースす
るものであるが、フリーハンドで線を引くような場合に
はその操作に習熟する必要がある。そこで図形を描くデ
ジタイザ本体の構造はそのままに、ボタンカーソルをペ
ン型にして特にフリーハンドで図形を描きやすくしたも
のがタブレットである。
【0005】上記の通り、タブレット本体の構造はデジ
タイザとまったく同じで、筆記を感知するための方式と
しては抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式等があ
り、最近では電磁誘導方式を採用したものが主流となっ
ている。
【0006】これらの方式のいずれを採用するにして
も、タブレット本体は筆記を感知する方式に使用される
電極、コイル等を含む構造の上に、スタイラスペンで筆
記するための通常はプラスチック製のオーバーレイシー
トが設けられる。
【0007】スタイラスペンの筆記するためのペン先に
相当する部分は、通常、ポリアセタール、フッ素系樹脂
等の硬質のプラスチックで形成されており、従って上記
のようなプラスチック製のオーバーレイシート上で筆記
すると非常に滑りやすく、筆記しにくいことになる。
【0008】そこで、タブレット用のオーバーレイシー
トにおいてはポリエチレンテレフタレート等からなるシ
ート表面にサンドブラスト等の処理を施し、一定の表面
粗さを与え、滑りやすさを軽減することが行われてい
る。
【0009】そのような処理により滑りやすさはいくら
かは軽減されるものの、例えばボールペンや鉛筆で普通
の紙に筆記するような書き味を得ることはできなかっ
た。最近のパーソナルコンピュータの一般的な普及に伴
い、タブレットはCADのような産業用の図面作成のよ
うな分野だけではなく、グラフィックソフト等で処理す
るために自分で自由に図画等を描いて入力するための用
具としてのニーズが高まってきており、特にこのような
用途においては通常の筆記具で普通の紙に描くような書
き味が得られることが好ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、書き味のよい、特に普通の筆記用具で紙の上に筆記
しているような書き味が得られるタブレット用オーバー
レイシートを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究の結
果、サンドブラスト等によりマット化したプラスチック
等からなる基体上に、さらにマット層を設けたシートを
タブレット用のオーバーレイシートとし、その上でタブ
レット用のスタイラスペンで筆記すると、従来の単にマ
ット化処理したのみの基体からなるオーバーレイシート
等と比較して非常に優れた書き味が得られることが見い
出された。
【0012】従って本発明は、マット化された少なくと
も1つの表面を有する基体と、基体のマット化された表
面の上に設けられたマット層とを含むタブレット用オー
バーレイシートを提供するものである。
【0013】本発明の好適な態様においては、基体の両
面にマット層が設けられる。
【0014】本発明のタブレット用オーバーレイシート
においては、マット層自体の表面粗さによる効果に加
え、その下の基体がマット化されていることにより、マ
ット化された基体表面とその上のマット層によりクッシ
ョン性が得られ、上記のような優れた書き味、特に普通
の紙に鉛筆のような筆記具で筆記したような書き味が得
られるものと考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0016】本発明のタブレット用オーバーレイシート
に使用される基体は、従来のタブレット用オーバーレイ
シートと同様のプラスチックフィルムを使用することが
できる。そのようなプラスチックフィルムとしては透明
性を有するものが好ましく、ポリカーボネートフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ
塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、セルロ
ース系フィルム等が挙げられる。特にポリエチレンテレ
フタレート(PET)等のポリエステルフィルムが好ま
しい。
【0017】タブレットは、オ−バーレイシートの下に
入力したい図形等を描いた原画を置き、その図形等をオ
ーバーレイシートの上からスタイラスペンでなぞるとい
うような方法で使用される場合もあるので、オーバーレ
イシートはある程度の透明性を有していることが好まし
く、従って透明な基体を使用することが好ましい。
【0018】上記の基体の厚さは特に制限されるもので
はないが、通常100μm〜500μm、好ましくは2
00μm〜400μm程度のものを使用する。
【0019】本発明においては、上記の基体上にさらに
マット層を設けるが、このマット層を設ける基体の表面
には0.2μm〜1.2μm、好ましくは0.3μm〜
1.0μm程度の表面粗さ(JIS−B0601、Ra
75)を付与する。基体にこのような表面粗さを付与す
るためには公知のマット化方法を使用することができ、
例えばサンドブラスト法、ケミカルマット法等を使用す
ることができる。
【0020】上記基体の上に設けられるマット層の表面
粗さは、0.3μm〜1.5μm、好ましくは0.4μ
m〜1.0μm程度とする。またマット層の厚さは、そ
の上にスタイラスペンで筆記したときに基体の表面粗さ
とともに最適なクッション性を与えるように選択され、
通常は2.0μm〜10.0μm程度、好ましくは4.
0μm〜7.0μm程度の厚さとする。上記の表面粗さ
を有する基体表面上にこれらの表面粗さ及び厚さを有す
るマット層を形成することにより、スタイラスペンで筆
記した際の優れた書き味が得られる。
【0021】上記のマット層は基体上にマット層を形成
する樹脂をコーティングすることにより得られ、上記の
表面粗さは形成されたマット層の表面をマット化処理す
るか、マット層を形成する際にコーティングする樹脂に
マット化剤を添加することにより得られる。マット化処
理及びマット化剤は公知のものを使用することができ
る。但し、マット層は樹脂をコーティングすることによ
り形成するので、コーティングする樹脂にマット化剤を
混合しておくことが工程上容易であるので好ましい。
【0022】そのようなマット化剤としては、シリカ
(非結晶性シリカ)、クレー、タルク、ケイソウ土、炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸ア
ルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、天然及び合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイト
等の公知のマット化剤を用いることができ、これらのマ
ット化剤は単独であるいは2種以上混合して用いること
ができる。
【0023】またマット化剤として、抗菌性をもたせた
ゼオライト、シリカゲル等を使用することができる。こ
れらの材料はゼオライト、シリカゲル等の構造中に銀イ
オン、銅イオン、亜鉛イオン等を保持させたものであ
り、このようなマット化剤をマット層に含有させること
により抗菌効果が得られ、オーバーレイシート上の黴等
を防止することができ、また防臭効果も得られる。この
ような材料としては、ゼオライトの骨格構造中に銀、
銅、亜鉛等の抗菌金属を取り込んだ材料である抗菌性ゼ
オミック(商標、株式会社シナネンゼオミック製)、チ
オスルフェート銀錯塩を透明なシリカゲルに担持させ、
さらにその表面をシリカで覆った材料であるシルウェル
(商標、富士シリシア化学株式会社製)等がある。
【0024】マット層に上記のような表面粗さを与える
ためには、マット化剤の粒径は好ましくは1.0μm〜
12.0μm程度、より好ましくは3.0μm〜10.
0μmである。但し上記のようなマット化剤は通常ある
程度粒子が凝集して二次粒子等を形成しているので、マ
ット層の表面粗さはマット化剤を構成する一次粒子の粒
径によってのみ決まるものではなく、マット化剤の分散
の度合い等にも影響され、マット化剤を十分に分散させ
る程表面粗さは小さくなる。
【0025】マット化剤の混合割合はマット層を形成す
る樹脂固形分に対して通常1〜100重量%、好ましく
は3〜50重量%である。
【0026】マット層を形成する樹脂は特に限定される
ものではないが、マット層はその上に直接スタイラスペ
ンで筆記するのである程度の表面硬度が必要であり、J
IS−K5400による鉛筆硬度においてHB以上を有
するものが好ましく、より好ましくはH以上4H程度ま
での硬度を有するものである。この点からは、マット層
を形成する樹脂は熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂
等の電離放射線硬化型樹脂であることが好ましい。
【0027】熱硬化性樹脂としては、公知の熱硬化性樹
脂を使用することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等を
使用することができる。このような熱硬化性樹脂を使用
した場合、マット層は熱硬化性樹脂を構成するモノマー
あるいはプレポリマーと、必要に応じて上記のようなマ
ット化剤、並びにその他の添加剤を適当な溶媒中に溶
解、または分散して形成された熱硬化性樹脂塗料を上記
基体上に塗布し、加熱硬化させることにより得ることが
できる。樹脂の硬化のための加熱温度は樹脂の種類に応
じて適宜選択することができる。
【0028】電離放射線硬化型樹脂は、電子線あるいは
紫外線照射により重合、硬化される樹脂であり、電離放
射線硬化型樹脂を使用したマット層は、光重合性プレポ
リマー、光重合性モノマー及び光重合開始剤と、必要に
応じて上記のようなマット化剤、並びにその他の添加剤
を適当な溶媒中に溶解、または分散して形成された電離
放射線硬化塗料を上記基体上に塗布し、硬化させること
により形成することができる。
【0029】光重合性プレポリマーは骨格中に導入され
た官能基が電離放射線照射されることによりラジカル重
合またはカチオン重合、あるいはラジカル重合及びカチ
オン重合するものである。ラジカル重合により硬化する
ものは硬化速度が速く、樹脂設計の自由度も大きいた
め、特に好ましい。光重合性プレポリマーはその構造、
官能度、分子量が電離放射線硬化塗料の硬化に関係し、
電離放射線硬化型樹脂層の接着性、硬度、耐クラック性
等の特性を決定するものである。
【0030】ラジカル重合性プレポリマーとしては、ア
クリロイル基を有するアクリル系プレポリマーで、1分
子中に2個以上のアクリロイル基を有し、重合して三次
元網目構造を形成するものが特に好ましい。そのような
アクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、ポ
リエステルアクリレート等が使用できる。
【0031】光重合性モノマーは、高粘度の光重合性プ
レポリマーを希釈し粘度を低下させ作業性を向上させる
ために、また架橋剤として塗膜強度を付与するために使
用される。光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブトキシエ
チルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、1,6
−ヘキサンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロ
キシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールアクリ
レート等の二官能アクリルモノマー、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、トリメチルプロパントリア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等
の多官能アクリルモノマー等の1種もしくは2種以上が
使用される。
【0032】また、光重合性モノマーの混合量が多くな
ると塗膜が硬くなるため、所望の硬度あるいは所望の可
撓性が得られるように混合割合を適宜選択することがで
きる。また所望の可撓性を得るため、可撓性に優れた非
反応性樹脂を混合することにより硬度を調節することも
できる。このような非反応性樹脂としては、熱硬化性、
熱可塑性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂等を使用するこ
とができる。
【0033】上記のような光重合性プレポリマー、モノ
マー等を配合した組成物が市販されており、本発明に好
適に使用できる。このような市販の樹脂組成物として
は、大日本インキ化学工業社により製造されている紫外
線硬化型樹脂組成物のユニディック(商標)等がある。
【0034】光重合開始剤は電離放射線の照射によりア
クリロイル基等の重合反応を短時間で開始させ、反応を
促進させるために添加される触媒的な作用を有するもの
である。光重合開始剤は特に紫外線照射により硬化を行
う場合に必要とされ、高いエネルギーの電子線を照射す
るときは必要としない場合もある。光重合開始剤の種類
としては、開裂することによりラジカル重合させるも
の、水素を引抜くことによりラジカル重合させるもの、
あるいはイオンを発生させることによりカチオン重合さ
せるものもある。このような光重合開始剤の任意のもの
を使用でき、例えば、ベンゾインエーテル系、ケタール
系、アセトフェノン系、チオキサントン系等のラジカル
型光重合開始剤、ジアゾ化合物、ジアリールヨードニウ
ム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールピリ
リウム塩、ベンジルピリジニウムチオシアネート、ジア
ルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキルヒドロキ
シフェニルスルホニウム塩、ジアルキルヒドロキシフェ
ニルホスホニウム塩等あるいは複合系のカチオン型光重
合開始剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が使用できる。光重合開始剤は樹脂固形分に対して2〜
10重量%、好ましくは3〜6重量%混合して使用す
る。
【0035】塗布された電離放射線硬化塗料を硬化させ
るには、電子線あるいは紫外線を照射する。電子線を照
射する場合、走査型あるいはカーテン型の電子線加速器
を用い、加速電圧1000keV以下、好ましくは10
0〜300keVのエネルギーを有し、100nm以下
の波長領域の電子線を照射して行うことができる。紫外
線を照射する場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水
銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライ
ドランプ等を用い、100〜400nm、好ましくは2
00〜400nmの波長領域で、71〜285kcal
/molのエネルギーを有する紫外線を照射する。
【0036】プラスチックフィルムに塗布された電離放
射線硬化塗料に電子線あるいは紫外線を照射して硬化す
る場合、酸素の存在及び塗膜の厚さが硬化と密接に関係
する。電離放射線が照射されて発生したラジカルは酸素
を捕捉するため、硬化を抑制してしまう。このため、塗
膜の厚さが薄いと塗膜体積に占める表面積が大きくな
り、空気中の酸素により硬化阻害を受けやすい。また、
塗膜の厚さが厚いと電離放射線が内部まで透過しにく
く、表面が硬化しても内部の硬化が充分でなく、塗布界
面の未硬化部分の存在のため電離放射線硬化型樹脂層と
ポリエステルフィルム等の基体との密着不良を生じてし
まう場合がある。このような硬化阻害、未硬化を防止す
るため、特に電子線照射の場合はN2ガス等の不活性ガ
ス下で照射を行うことができる。また、塗膜の厚さを調
整し、硬化速度の速い光重合性プレポリマー、光重合性
モノマーを選択し、光重合開始剤の混合量を増加するこ
とにより硬化阻害を防止することができる。
【0037】上記のようなマット層形成用の樹脂塗料に
使用することができるその他の添加剤としては、上記の
非反応性樹脂の他、顔料、充填剤、レベリング剤等、さ
らに電離放射線硬化塗料にあっては増感剤等が挙げられ
る。
【0038】また、上記のようなマット層形成用の樹脂
塗料を形成する溶剤としては、各樹脂成分に対して相溶
性のある公知の溶剤を使用することができる。
【0039】上記のマット層形成用樹脂塗料をプラスチ
ックフィルム等の基体に塗布するためには公知の塗布方
法を使用することができ、例えば、メイヤーバーコーテ
ィング、ブレードコーティング、グラビヤコーティン
グ、スピンコーティング、スプレーコーティング等によ
り行うことができる。
【0040】上記のマット層は、基体の片面に設けても
よいが、マット層が基体の片面のみに存在すると温度変
化や湿度によってシートがカールしやすいので、マット
層を基体の両面に設けることが好ましい。この場合、マ
ット層を形成する樹脂組成を同じものとし、両方のマッ
ト層の厚さを同じものとすることがカール防止の観点か
ら好ましい。
【0041】また、基体の両面にマット層を設ける場
合、基体表面及びマット層の表面粗さ、並びにマット層
の厚さを二つの面で変化させることにより、スタイラス
ペンで筆記した場合の異なる書き味が得られ、そのオー
バーレイシートを裏返しても使用できるようにすれば、
使用者の好みに応じて二種の書き味の何れかを選択でき
るようにすることができる。あるいは、片面を従来のよ
うな基体上にマット層を設けただけの表面とし、両面で
異なる書き味が得られるようにしてもよい。
【0042】
【作用】タブレット用オーバーレイシートを、マット化
された少なくとも1つの表面を有する基体と、基体のマ
ット化された表面の上に設けられたマット層とからなる
ものとすることにより、スタイラスペンによる書き味の
良好なタブレット用オーバーレイシートを得ることがで
きる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載するが、本発明
はこれに限定されるものではない。実施例中の「部」及
び「%」(光線透過率について使用したものは除く)
は、重量による。 実施例1 厚さ250μmのポリエステル(PET)フィルムの片
面をサンドブラスト処理してRa=0.6μmの表面粗
さとした。以下の組成の熱硬化型樹脂塗料を作製し、メ
イヤーバーにより上記ポリエステルフィルムのサンドブ
ラスト処理面に塗布し、110℃のオーブンで1分30
秒乾燥させ、その後60℃のオ−ブンで48時間硬化さ
せて厚さ6.0μmの熱硬化型樹脂マット層を設けた。
マット層の表面粗さはRa=0.8μmであった。 熱硬化型樹脂塗料組成(固形分:26.3%) アクリルポリオール(固形分:50%) 10.0部 (アクリディック A807:大日本インキ化学工業社製) マット化剤 1.0部 (サイリシア 456: 富士シリシア化学社製、平均粒径
5.5μmのシリカ) イソシアネート硬化剤(固形分:60%) 2.0部 (タケネートD-110N: 武田薬品工業社製) レベリング剤 0.05部 (Painted-M:ダウコーニング社製) トルエン 7.2部 メチルエチルケトン 4.0部 シクロヘキサノン 3.1部 一方、下記の組成の熱硬化型樹脂塗料を使用し、上記ポ
リエステルフィルムのサンドブラスト処理面と反対側の
表面に上記と同様にして厚さ6.0μmの熱硬化型樹脂
マット層を設けた。下記の組成の樹脂塗料についてはマ
ット化剤の分散度を上記のものよりも高め、Ra=0.
4μmのマット層の表面粗さを得た。 熱硬化型樹脂塗料組成(固形分:26.3%) アクリルポリオール(固形分:50%) 10.0部 (アクリディック A-807: 大日本インキ化学工業社製) イソシアネート硬化剤(固形分:60%) 2.0部 (タケネートD-110N:武田薬品工業社製) マット化剤 0.5部 (アエロジルR-974:日本アエロジル社製、平均粒径12
μmのシリカ) マット化剤(シリカ) 0.5部 (アエロジルOK412:日本アエロジル社製、平均粒径1〜
7μmのシリカ) レベリング剤 0.05部 (Painted-M:ダウコーニング社製) トルエン 7.2部 メチルエチルケトン 4.0部 シクロヘキサノン 3.1部 上記で得られたタブレット用オーバーレイシートの、サ
ンドブラスト面上にマット層を形成した本発明による表
面において、ペン先がポリアセタール製のスタイラスペ
ンで筆記したところ、通常の紙上で鉛筆で筆記するのと
同様の書き味が得られた。このオーバーレイシートの両
面塗工後の全光線透過率は87〜88%であり、良好な
透明度を有していた。 実施例2 厚さ250μmのポリエステル(PET)フィルムの片
面をサンドブラスト処理してRa=0.6μm の表面
粗さとした。以下の組成の紫外線硬化型樹脂塗料を作製
し、メイヤーバーにより上記ポリエステルフィルムのサ
ンドブラスト処理面に塗布し、高圧水銀灯により紫外線
を1〜2秒照射することにより硬化させて厚さ4.0μ
mの紫外線硬化型樹脂マット層を設けた。マット層の表
面粗さはRa=0.6μm であった。 紫外線硬化型樹脂塗料組成(固形分:32.2%) 紫外線硬化型樹脂(固形分:80%) 6.0部 (ユニディック17 806: 大日本インキ化学工業社製) マット化剤 0.8部 (サイリシア 456: 富士シリシア化学社製、平均粒径
5.5μmのシリカ) レベリング剤 0.02部 (Painted-M:ダウコーニング社製) 光重合開始剤 0.2部 (イルガキュアー 651: チバガイギー社製) 酢酸エチル 3.0部 トルエン 4.0部 イソプロピルアルコール 4.0部 一方、上記ポリエステルフィルムのサンドブラスト処理
面と反対側の表面に下記の組成の紫外線硬化型樹脂塗料
をメイヤーバーにより塗布し、高圧水銀灯により紫外線
を1〜2秒照射することにより硬化させて厚さ4.0μ
mの紫外線硬化型樹脂マット層を設けた。下記の組成の
樹脂塗料についてはマット化剤の分散度を上記のものよ
りも高め、Ra=0.3μmのマット層の表面粗さを得
た。 紫外線硬化型樹脂塗料組成(固形分:32.2%) 紫外線硬化型樹脂(固形分:80%) 6.0部 (ユニディック17 806: 大日本インキ化学工業社製) マット化剤 0.4部 (アエロジル R972:日本アエロジル社製、平均粒径16
μmのシリカ) マット化剤(シリカ) 0.4部 (アエロジル OK412: 日本アエロジル社製、平均粒径1
〜7μmのシリカ) レベリング剤 0.02部 (Painted-M:ダウコーニング社製) 光重合開始剤 0.2部 (イルガキュアー 651: チバガイギー社製) 酢酸エチル 3.0部 トルエン 4.0部 イソプロピルアルコール 4.0部 上記で得られたタブレット用オーバーレイシートの、サ
ンドブラスト面上にマット層を形成した本発明による表
面において、ペン先がポリアセタール製のスタイラスペ
ンで筆記したところ、通常の紙上で鉛筆で筆記するのと
同様の書き味が得られた。このオーバーレイシートの両
面塗工後の全光線透過率は87〜88%であり、良好な
透明度を有していた。 実施例3 厚さ250μmのポリエステル(PET)フィルムの片
面をサンドブラスト処理してRa=0.6μmの表面粗
さとした。以下の組成の紫外線硬化型樹脂塗料を作製
し、メイヤーバーにより上記ポリエステルフィルムのサ
ンドブラスト処理面に塗布し、高圧水銀灯により紫外線
を1〜2秒照射することにより硬化させて厚さ4.0μ
mの紫外線硬化型樹脂マット層を設けた。本実施例にお
いてはマット化剤として抗菌性ゼオライトを使用したも
のである。マット層の表面粗さはRa=0.6μm で
あった。 紫外線硬化型樹脂塗料組成(固形分:28.6%) 紫外線硬化型樹脂(固形分:80%) 12.0部 (ユニディック17 806: 大日本インキ化学工業社製) マット化剤 0.7部 (ゼオミックAW10D 、シナネンゼオミック社製抗菌性ゼ
オライト、平均粒径2μm) レベリング剤 0.17部 (Painted-M:ダウコーニング社製) 光重合開始剤 0.3部 (イルガキュアー 184: チバガイギー社製) メチルエチルケトン 20.0部 エチルセロソルブ 4.0部 一方、上記ポリエステルフィルムのサンドブラスト処理
面と反対側の表面に下記の組成の紫外線硬化型樹脂塗料
をメイヤーバーにより塗布し、高圧水銀灯により紫外線
を1〜2秒照射することにより硬化させて厚さ4.0μ
mの紫外線硬化型樹脂マット層を設けた。下記の組成の
樹脂塗料についてはマット化剤の分散度を上記のものよ
りも高め、Ra=0.3μmのマット層の表面粗さを得
た。 紫外線硬化型樹脂塗料組成(固形分:29.7%) 紫外線硬化型樹脂(固形分:80%) 12.0部 (ユニディック17 806: 大日本インキ化学工業社製) マット化剤 0.7部 (ゼオミックAW10D 、シナネンゼオミック社製抗菌性ゼ
オライト、平均粒径2μm) マット化剤 0.3部 (アエロジル R974:日本アエロジル社製、平均粒径12
μmのシリカ) マット化剤(シリカ) 0.3部 (アエロジル OK412: 日本アエロジル社製、平均粒径1
〜7μmのシリカ) レベリング剤 0.17部 (Painted-M:ダウコーニング社製) 光重合開始剤 0.3部 (イルガキュアー 184: チバガイギー社製) メチルエチルケトン 20.0部 エチルセロソルブ 4.0部 上記で得られたタブレット用オーバーレイシートの、サ
ンドブラスト面上にマット層を形成した本発明による表
面において、ペン先がポリアセタール製のスタイラスペ
ンで筆記したところ、通常の紙上で鉛筆で筆記するのと
同様の書き味が得られた。このオーバーレイシートの両
面塗工後の全光線透過率は88%であり、良好な透明度
を有していた。
【0044】また、上記のオーバーレイシートの表面上
に大腸菌及び黄色ブドウ状球菌の培養液を塗布し24時
間後に観察したところ生存菌は検出されず、オーバーレ
イシート表面で抗菌効果が得られることが判った。
【0045】
【発明の効果】スタイラスペンにより筆記したときに、
通常の筆記具で紙上に筆記したのと同様な書き味の、タ
ブレット用オーバーレイシートが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マット化された少なくとも1つの表面を
    有する基体と、基体のマット化された表面の上に設けら
    れたマット層とを含むタブレット用オーバーレイシー
    ト。
  2. 【請求項2】 基体の両面にマット層を設けた請求項1
    に記載のタブレット用オーバーレイシート。
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