JPH0923022A - 光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置

Info

Publication number
JPH0923022A
JPH0923022A JP7170060A JP17006095A JPH0923022A JP H0923022 A JPH0923022 A JP H0923022A JP 7170060 A JP7170060 A JP 7170060A JP 17006095 A JP17006095 A JP 17006095A JP H0923022 A JPH0923022 A JP H0923022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
conversion device
layer
core
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7170060A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhiko Tabuchi
晴彦 田淵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP7170060A priority Critical patent/JPH0923022A/ja
Publication of JPH0923022A publication Critical patent/JPH0923022A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でかつ簡易な構造で、複数の波長の光信
号を分離して、同時に波長毎に電気信号に変換できる光
電変換装置を提供する。 【解決手段】 本光電変換装置は、エネルギーバンドギ
ャップが異なる複数のコア部を含み半導体で形成された
コア層と、前記コア層の上側に半導体で形成された第1
のクラッド層と、前記コア層の下側に半導体で形成され
た第2のクラッド層とを含み、前記コア層が、前記第1
のクラッド層及び前記第2のクラッド層に挟まれること
により、ダブルヘテロ接合の光導波路を形成し、前記第
1のクラッド層或いは前記第2のクラッド層を介して複
数の波長の光に対応した電気信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の波長の光が
多重化された光信号を電気信号に変換する光電変換装置
に関し、特に、光信号を波長別に分離してそれぞれ電気
信号に変換する光電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光電変換装置は、光通信を始めと
して様々な分野で使用されている。例えば、光通信の分
野では、従来は、単一波長のレーザ光が光信号として使
用されていた。しかし、近年では、より多くの情報を伝
送するために、複数の波長の光が多重化された光信号が
使用されるようになってきた。
【0003】このような複数の波長の光が多重化された
光信号を、電気信号に変換する場合、従来は、次の様な
光電変換装置を使用していた。図11に、従来の光電変
換装置の一構成例を示す。即ち、まず、波長分離手段で
各波長の光を分離し、その後、波長依存性の無い複数の
光電変換ユニットで、それぞれ電気信号に変換してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光電変換装置には次のような問題点がある。波
長分離手段は、光学的に波長を分離するため、装置が大
型になりやすい。光電変換装置として、上記波長分離手
段を必要とする上に、波長の数に相当する数の光電変換
ユニットが必要になる。従って、部品点数が増え、構造
が複雑になりやすい。
【0005】さらに、波長分離手段と光電変換ユニット
との間に、光結合手段が必要になる等の問題があった。
本発明の目的は、上記の問題点を鑑みて、小型でかつ簡
易な構造で、複数の波長の光信号を分離して、同時に波
長毎に電気信号に変換できる光電変換装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、下記の手段を講じたことを特徴とするも
のである。請求項1記載の発明装置では、複数の波長の
光を各々電気信号に変換する光電変換装置であって、エ
ネルギーバンドギャップが異なる複数のコア部を含み半
導体で形成されたコア層と、前記コア層の上側に半導体
で形成された第1のクラッド層と、前記コア層の下側に
半導体で形成された第2のクラッド層とを含み、前記コ
ア層が、前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド
層に挟まれることにより、ダブルヘテロ接合の光導波路
を形成し、前記第1のクラッド層或いは前記第2のクラ
ッド層を介して複数の波長の光が変換された電気信号が
出力されることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明装置では、前記第1の
クラッド層及び前記第2のクラッド層のエネルギーバン
ドギャップは、前記コア層の複数のコア部のどのエネル
ギーバンドギャップよりも大きいことを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明装置では、前記コア層
の複数のコア部は、光導波路の光の進む方向に向かって
順次的に形成され、また、該複数のコア部は、光の進む
方向に向かって、階段状に小さくなるエネルギーバンド
ギャップを有することを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明装置では、前記コア層
の複数のコア部は、光導波路の光の進む方向に向かって
順次的に形成され、また、該複数のコア部は、光の進む
方向に向かって、厚さが段階状に変化する量子井戸層を
含むことを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明装置では、前記複数の
コア部の量子井戸層の厚さは、光導波路の光の進む方向
に向かって、階段状に厚くなることを特徴とする。請求
項6記載の発明装置では、前記第1のクラッド層は、前
記複数のコア部毎に、複数の部分に分割され、該部分の
間は電気伝導率の低い物質で充填され、該部分毎に電極
を有することを特徴とする。
【0011】請求項7記載の発明装置では、前記第1の
クラッド層及び前記コア層は、前記複数のコア部毎に、
複数の部分に分割され、該部分の間は透明で電気伝導率
の低い物質で充填され、該部分毎に電極を有することを
特徴とする。
【0012】請求項8記載の発明装置では、前記光電変
換装置は、前記複数のコア部毎に前記第1のクラッド層
上に形成され、互いに電気的に分離された電極をさらに
有することを特徴とする。請求項9記載の発明装置で
は、前記光電変換装置は、所定の電極から出力される電
気信号から、他の所定の電極から出力される電気信号の
所定の割合を減じる駆動装置をさらに有することを特徴
とする。
【0013】請求項10記載の発明装置では、前記他の
所定の電極は、前記所定の電極から、光導波路の光の進
む方向に従って近い順番に決定され、かつ前記所定の電
極に対応する前記コア部の光吸収係数特性に基づいて決
定されることを特徴とする。
【0014】請求項11記載の発明装置では、前記所定
の割合は、1以下であることを特徴とする。請求項1乃
至5のうちいずれか1項記載の光電変換装置において
は、複数の波長の光が入射された場合、コア層内のエネ
ルギーバンドギャップが異なる複数のコア部に導波さ
れ、そこで該エネルギーバンドギャップで定められる波
長の光毎に電気信号に変換される。請求項3乃至5に記
載の光電変換装置においては、特に、隣接する2つのコ
ア部のエネルギーバンドギャップで定められる波長λ1
とλ2との間の波長の光(λ1<λ<λ2)が、波長λ
2に対応するコア部において選択的に電気信号に変換さ
れる。
【0015】従って、1個の光電変換装置で、波長多重
された光について、各々の波長の光の強度の変化を検出
することが可能となる。本発明の光電変換装置では、従
来の光電変換装置に必要とされた波長分離素子が不要と
なり、1個の光電変換素子で構成することができる。ま
た、波長分離手段と光電変換ユニットとの光結合手段も
不要である。従って、光電変換装置全体の部品点数が少
なくなり、構造が単純になる。
【0016】請求項6又は7記載の光電変換装置におい
ては、第1のクラッド層、或いは第1のクラッド層及び
コア層が、複数のコア部毎に、複数の部分に分割され
る。従って、各部分に形成された電極は、電気的に確実
に分離することができる。請求項8記載の光電変換装置
においては、複数のコア部毎に前記第1のクラッド層上
に形成され、互いに電気的に分離された電極をさらに有
する。従って、該電極から、波長毎に変換された電気信
号を確実に抽出することができる。
【0017】請求項9乃至11のうちいずれか1項記載
の光電変換装置においては、所定の電極から出力される
電気信号から、他の所定の電極から出力される電気信号
の所定の割合を減じる駆動装置をさらに有する。従っ
て、波長クロストークを補正することができ、波長クロ
ストークによる各波長の光の強度検出の誤差を軽減する
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光電変換装置の
第一実施例の断面図である。本光電変換装置は、n−I
nP基板1と、該基板1の上に形成されたn−InPク
ラッド層2、該クラッド層上に形成されたコアとしての
多重量子井戸層3、及び該多重量子井戸層3上に形成さ
れたp−InPクラッド層4より構成される。コアとし
ての多重量子井戸層3が、n−InPクラッド層2及び
p−InPクラッド層4に挟まれるようにして、ダブル
ヘテロ接合が形成されている。従って、多重量子井戸層
3は、光導波路を構成している。複数の波長を光を有す
る光信号は、この光導波路の一方の端部5aから入射さ
れ、多重量子井戸層3による光導波路を通って、他方の
端部5bに向かって進む。
【0019】多重量子井戸層3は、InGaAsの井戸
層とInGaAsPのバリア層とを交互に積層したノン
ドープの多重量子井戸構造(詳細は後に示す)をなして
いる。本構造では、量子井戸構造中のエネルギーギャッ
プ以上に相当するエネルギーを有する波長の光が入射さ
れた場合、その光は吸収される。また、多重量子井戸層
3は、入射光の進む方向に従って、井戸層の厚さの異な
る4つの多重量子井戸層3a,3b,3c,3dより構
成されている。
【0020】また、p−InPクラッド層4の上側の表
面には、多重量子井戸層3a,3b,3c,3dに対応
して、それぞれ電極6a,6b,6c,6dが、形成さ
れている。n−InP基板1の下側の表面には、電極7
が形成されている。図2は、図1に示した光電変換装置
の詳細な構成を示した図である。図1と同じ構成要素
は、同じ参照番号で示されている。また、図3は、図2
に示した光電変換装置の多重量子井戸層3a,3b,3
c,3dのうちの任意の1つに関するエネルギー帯図で
ある。横軸は、厚さ方向を位置を示している。即ち、左
から右に向かって、n−InPクラッド層2、多重量子
井戸層3、p−InPクラッド層4におけるエネルギー
準位が示されている。
【0021】多重量子井戸層3a,3b,3c,3d
は、図2に示すように、InGaAsの井戸層(図中黒
塗りの部分)とInGaAsPのバリア層とを交互に積
層した多重量子井戸構造持っている。このバリア層のエ
ネルギーバンドギャップは、井戸層のそれと異なってい
る。従って、多重量子井戸層3では、図3に示すよう
に、段階的にエネルギーバンドギャップが変化する。エ
ネルギー準位の段階的な落ち込みによって、井戸層に電
子が閉じ込められ量子井戸が形成される。
【0022】図3において、Ecは、伝導帯の最低のエ
ネルギー準位、Evは、価電子帯の最大のエネルギー準
位である。量子井戸を構成する結晶が十分厚い場合、即
ち各井戸層が厚い場合、このときのエネルギーバンドギ
ャップは、Egiで示される。一方、量子井戸を構成す
る結晶が薄い場合、量子準位レベル8cと8vが、井戸
層内に形成される。この場合、量子準位レベル8cと8
vとのエネルギー準位差が、実際のエネルギーバンドギ
ャップEgqwとなる。本構造においては、エネルギー
バンドギャップEgqw以上に相当するエネルギーを有
する波長の光が入射されると、吸収され電子を活性化さ
せる。
【0023】図4の(A),(B),(C),(D)
は、それぞれ図2に示す光電変換装置の多重量子井戸層
3a,3b,3c,3dに関するエネルギー帯図であ
る。本図においても、図3と同様に、横軸は、厚さ方向
を位置を示している。即ち、左から右に向かって、n−
InPクラッド層2、多重量子井戸層3、p−InPク
ラッド層4におけるエネルギー準位が示されている。但
し、wは、それぞれの量子井戸層の厚さを示し、Ea
は、エネルギーバンドギャップを示している。多重量子
井戸層3a,3b,3c,3dの光の進行方向に対する
長さは、全て100μmであり、各多重量子井戸層の量
子井戸層の厚さwは、それぞれ、5nm,6.5nm,
8nm,10nmである。また、光の波長に換算したエ
ネルギーバンドギャップλEaは、それぞれ1.34μ
m,1.41μm,1.48μm,1.55μmであ
る。即ち、多重量子井戸層3a,3b,3c,3dで
は、上記の波長以下の光をそれぞれ吸収することができ
る。
【0024】図5は、多重量子井戸層3a,3b,3
c,3dにおける入射光の波長に対する吸収係数を示す
図である。Sa,Sb,Sc,Sdは、多重量子井戸層
3a,3b,3c,3dの吸収係数である。また、波長
λa,λb,λc,λdは、それぞれ多重量子井戸層3
a,3b,3c,3dのエネルギーバンドギャップに相
当する波長1.34μm,1.41μm,1.48μ
m,1.55μmである。例えば、多重量子井戸層3c
では、λc=1.48μm以下の波長の光を吸収するこ
とができる。以下に具体的に示す。
【0025】図2に示す光電変換装置において、多重量
子井戸層3の左側の端部5aから、1.34μm,1.
41μm,1.48μm,1.55μmの波長の光を一
度に入射させると、多重量子井戸層3aでは、1.34
μmの波長の光が吸収される。残りの3つの波長を有す
る光は、さらに多重量子井戸層3bに進み、そこでは
1.41μmの波長の光が吸収される。残りの2つの波
長を有する光は、さらに多重量子井戸層3cに進み、そ
こでは1.48μmの波長の光が吸収される。残りの
1.51μmの光は、多重量子井戸層3dに進んで、そ
こで吸収される。結果的に、1.34μm,1.41μ
m,1.48μm,1.55μmの波長の光は、それぞ
れ多重量子井戸層3a,3b,3c,3dの部分で最も
吸収が大きくなり、各々電極6a,6b,6c,6dに
最も大きな光電流が流れる。
【0026】また、上記の例では、入射光は、1.34
μm,1.41μm,1.48μm,1.55μmの4
つの異なる波長の多重光である。しかし、さらに多くの
波長の多重光が入射された場合、図2の光電変換装置で
は、1.34μm以下の波長の光は、多重量子井戸層3
aで吸収され、1.34μm<λ≦1.41μmの波長
の光は、多重量子井戸層3bで吸収され、1.41μm
<λ≦1.48μmの波長の光は、多重量子井戸層3c
で吸収され、1.48μm<λ≦1.55μmの波長の
光は、多重量子井戸層3dで吸収される。
【0027】上記のように光電変換装置を構成すること
によって、1個の光電変換装置で、波長多重された光に
ついて、各々の波長の光の強度の変化を検出することが
可能となる。本願発明の光電変換装置では、従来の光電
変換装置に必要とされた波長分離素子が不要となり、1
個の光電変換素子で構成することができる。また、波長
分離手段と光電変換ユニットとの光結合手段も不要であ
る。従って、光電変換装置全体の部品点数が少なくな
り、構造が単純になる。
【0028】次に、光電変換装置の第2実施例ついて説
明する。図6は、本発明に係わる光電変換装置の第2実
施例の構成図である。本光電変換装置は、図2に示す光
電変換装置に、差動増幅器で構成される駆動装置を接続
しているものである。本光電変換装置では、図2に示す
光電変換装置の電極6a,6b,6c,6dからの出力
を、差動増幅器A1,A2,A3で処理し、波長λa,
λb,λc,λdの光の正確な強度を検出している。
【0029】以前の説明において、図2の光電変換装置
に、波長λa,λb,λc,λdの多重光を入射したと
き、電極6a,6b,6c,6dにそれぞれの波長の光
の強度に相当する電気信号が得られることは示した。し
かし、多重量子井戸層3a,3b,3c,3dの光の吸
収係数は、図5に示したように波長が大きい方向に裾を
引いている。従って、波長λa,λb,λc,λdの多
重光を入射したとき、例えば、多重量子井戸層3aで
は、波長λaの光が吸収されると共に、波長λb,λ
c,λdの光もその吸収係数Saの特性に従って、僅か
に吸収される。同様に、多重量子井戸層3bでは、波長
λbの光の他に、波長λc,λdの光が、多重量子井戸
層3cでは、波長λcの光の他に、波長λdの光が吸収
される。このように、図2の光電変換装置では、所望の
波長以外の光を吸収する波長クロストークが存在する。
これによって、各々の波長の光の強度検出に、誤差を生
ずる。図6に示す駆動装置を接続した光電変換装置によ
って、その波長クロストークを低減でき、波長の強度検
出の誤差を軽減することができる。以下にその原理を説
明する。
【0030】多重量子井戸層3aでは、波長λaの光と
共に、波長λb,λc,λdの光も僅かに吸収され、そ
の合計の強度は、電極6aに電気信号として現れる。差
動増幅器A1では、電極6aに現れた電気信号から、波
長λb,λc,λdの光の強度(それぞれ電極6b,6
c,6dで検出される)に所定の係数k1,k2,k3
を乗算した量が減算される。係数k1,k2,k3は、
多重量子井戸層3aの吸収係数Saの裾部の特性によっ
て決定され、例えば、それぞれ、0.05,0.01,
0.005である。
【0031】同様に、差動増幅器A2では、電極6bに
現れた多重量子井戸層3bで検出した電気信号から、波
長λc,λdの光の強度(それぞれ電極6c,6dで検
出される)に所定の係数k4,k5を乗算した量が減算
される。係数k4,k5は、多重量子井戸層3bの吸収
係数Sbの裾部の特性によって決定され、例えば、それ
ぞれ、0.05,0.01である。
【0032】差動増幅器A3では、電極6cに現れた多
重量子井戸層3cで検出した電気信号から、波長λdの
光の強度(電極6dで検出される)に所定の係数k6を
乗算した量が減算される。係数k6は、多重量子井戸層
3cの吸収係数Scの裾部の特性によって決定され、例
えば、0.05である。
【0033】多重量子井戸層3dでは、すでに、波長λ
a,λb,λcの光が多重量子井戸層3a,3b,3c
において吸収されているので、波長λdのみの光が吸収
される。従って、電極6dに現れた電気信号は、そのま
ま波長λdの光の強度として出力される。
【0034】以上の光電変換装置の第2実施例では、差
動増幅器からなる駆動装置において、波長クロストーク
を補正することができ、波長クロストークによる各波長
の光の強度検出の誤差を軽減することができる。図2に
示す光電変換装置における量子井戸層の厚さの異なる多
重量子井戸層3a,3b,3c,3dは、領域選択成長
技術を用いて容易に形成することができる。
【0035】図7は、領域選択成長を説明するための図
であり、(A)は、領域選択成長を行う基板の平面図、
(B)は、マスクの幅Wに対する成長厚さの関係を示す
図である。図7の(A)において、InP基板上に、量
子井戸層が形成される。この場合、本図に示すような段
階的にノンマスク(マスクを行わない領域)領域の幅W
の異なるSiO2 マスクが使用される。このようなマス
クを使用し、例えば、有機金属気相エピタキシー(MO
VPE)の結晶成長を行う。この方法によると、ノンマ
スク領域の幅Wに従って、結晶成長厚さを、図7の
(B)のように、段階的に変化させることができる。
【0036】このような形成方法によって製造された多
重量子井戸層は、一定の吸収係数特性を有する。しか
し、光電変換装置の電極7と、電極6a,6b,6c,
6dとの間に電圧を印加(PN接合の場合は、逆バイア
ス)することによって、図8に示すように、その吸収係
数特性を微調整することも可能である。このとき、各電
極に電圧を印加する場合、電極相互間での干渉を低減す
るために、電極同志を確実に分離する必要がある。その
構成を、以下の図9及び図10に示す。
【0037】図9は、本発明の光電変換装置の第3の実
施例の断面図であり、図10は、本発明の光電変換装置
の第4実施例の断面図である。共に、図2と同じ構成要
素は、同じ参照番号で示されている。図9の光電変換装
置では、多重量子井戸層3の上側のクラッド層4が、各
電極6a,6b,6c,6d毎に分割されており、その
間は、電気伝導率の低い物質で充填されている。該物質
としては、ポリイミド、不純物として鉄をドープしたI
nP結晶等が適用できる。なお、VB1,VB2,VB
3,VB4は、電極6a,6b,6c,6dに印加する
電圧である。
【0038】図10の光電変換装置では、多重量子井戸
層3及びその上側のクラッド層4が、各電極6a,6
b,6c,6d毎に分割されており、その間は、電気伝
導率が低く透明な物質で充填されている。該物質として
は、上述のポリイミド、不純物として鉄をドープしたI
nP結晶等が適用できる。
【0039】以上説明してきた本発明の光電変換装置の
実施例では、光導波路を多重量子井戸層で構成する場合
を示した。しかし、本発明の光電変換装置では、光導波
路は多重量子井戸層に限られず、エネルギーバンドギャ
ップが光の進行方向に対して段階状に変化するどの構成
要素も適用可能である。
【0040】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば以下に
示す効果を有する。請求項1乃至5のうちいずれか1項
記載の光電変換装置においては、複数の波長の光が入射
された場合、コア層内のエネルギーバンドギャップが異
なる複数のコア部に導波され、そこで該エネルギーバン
ドギャップで定められる波長の光毎に電気信号に変換さ
れる。
【0041】従って、1個の光電変換装置で、波長多重
された光について、各々の波長の光の強度の変化を検出
することが可能となる。本発明の光電変換装置では、従
来の光電変換装置に必要とされた波長分離素子が不要と
なり、1個の光電変換素子で構成することができる。ま
た、波長分離手段と光電変換ユニットとの光結合手段も
不要である。従って、光電変換装置全体の部品点数が少
なくなり、構造が単純になる。
【0042】請求項6又は7記載の光電変換装置におい
ては、第1のクラッド層、或いは第1のクラッド層及び
コア層が、複数のコア部毎に、複数の部分に分割され
る。従って、各部分に形成された電極は、電気的に確実
に分離することができる。請求項8記載の光電変換装置
においては、複数のコア部毎に前記第1のクラッド層上
に形成され、互いに電気的に分離された電極をさらに有
する。従って、該電極から、波長毎に変換された電気信
号を確実に抽出することができる。
【0043】請求項9乃至11のうちいずれか1項記載
の光電変換装置においては、所定の電極から出力される
電気信号から、他の所定の電極から出力される電気信号
の所定の割合を減じる駆動装置をさらに有する。従っ
て、波長クロストークを補正することができ、波長クロ
ストークによる各波長の光の強度検出の誤差を軽減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換装置の第1実施例の断面図で
ある。
【図2】図1に示した光電変換装置の詳細な構成を示し
た図である。
【図3】図2に示した光電変換装置の多重量子井戸層3
a,3b,3c,3dのうちの任意の1つに関するエネ
ルギー帯図である。
【図4】図2に示した光電変換装置の多重量子井戸層3
a,3b,3c,3dに関するエネルギー帯図である。
(A)は、多重量子井戸層3aの部分、(B)は、多重
量子井戸層3bの部分、(C)は、多重量子井戸層3c
の部分、(D)は、多重量子井戸層3dの部分に関する
エネルギー帯図である。
【図5】多重量子井戸層3a,3b,3c,3dにおけ
る入射光の波長に対する吸収係数を示す図である。
【図6】本発明に係わる光電変換装置の第2実施例の構
成図である。
【図7】領域選択成長を説明するための図である。
(A)は、領域選択成長を行う基板の平面図、(B)
は、マスクの幅Wに対する成長厚さの関係を示す図であ
る。
【図8】電極間の電圧印加による多重量子井戸層の吸収
係数の微調整を説明する図である。
【図9】本発明の光電変換装置の第3の実施例の断面図
であり、
【図10】本発明の光電変換装置の第4実施例の断面図
である。
【図11】従来の光電変換装置の一構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 n−InP基板 2 n−InPクラッド層 3,3a,3b,3c,3d 多重量子井戸層 4 p−InPクラッド層 5a 光導波路の入射端部 5b 光導波路の出射端部 6,6a,6b,6c,6d 電極 7 電極 A1,A2,A3 差動増幅器

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の波長の光を各々電気信号に変換す
    る光電変換装置であって、 エネルギーバンドギャップが異なる複数のコア部を含み
    半導体で形成されたコア層と、 前記コア層の上側に半導体で形成された第1のクラッド
    層と、 前記コア層の下側に半導体で形成された第2のクラッド
    層とを含み、前記コア層が、前記第1のクラッド層及び
    前記第2のクラッド層に挟まれることにより、ダブルヘ
    テロ接合の光導波路を形成し、前記第1のクラッド層或
    いは前記第2のクラッド層を介して複数の波長の光に対
    応する電気信号が出力されることを特徴とする光電変換
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のクラッド層及び前記第2のク
    ラッド層のエネルギーバンドギャップは、前記コア層の
    複数のコア部のどのエネルギーバンドギャップよりも大
    きいことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記コア層の複数のコア部は、光導波路
    の光の進む方向に向かって順次的に形成され、また、該
    複数のコア部は、光の進む方向に向かって、階段状に小
    さくなるエネルギーバンドギャップを有することを特徴
    とする請求項2記載の光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記コア層の複数のコア部は、光導波路
    の光の進む方向に向かって順次的に形成され、また、該
    複数のコア部は、光の進む方向に向かって、厚さが段階
    状に変化する量子井戸層を含むことを特徴とする請求項
    2記載の光電変換装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のコア部の量子井戸層の厚さ
    は、光導波路の光の進む方向に向かって、階段状に厚く
    なることを特徴とする請求項4記載の光電変換装置。
  6. 【請求項6】 前記第1のクラッド層は、前記複数のコ
    ア部毎に、複数の部分に分割され、該部分の間は前記第
    1のクラッド層の電気伝導率よりも低い電気伝導率を有
    する物質で充填され、該部分毎に電極を有することを特
    徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の光電
    変換装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のクラッド層及び前記コア層
    は、前記複数のコア部毎に、複数の部分に分割され、該
    部分の間は透明で前記第1のクラッド層の電気伝導率よ
    りも低い電気伝導率を有する物質で充填され、該部分毎
    に電極を有することを特徴とする請求項1乃至5のうち
    いずれか1項記載の光電変換装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のコア部毎に前記第1のクラッ
    ド層上に形成され、互いに電気的に分離された電極をさ
    らに有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいず
    れか1項記載の光電変換装置。
  9. 【請求項9】 前記電極の第1の電極から出力される電
    気信号から、第2の電極から出力される電気信号に1よ
    り小さい係数を乗したものを減じる手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項8記載の光電変換装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の電極は、前記第1の電極か
    ら光導波路の光の進む方向に従って近い順番に、かつ前
    記第1の電極に対応する前記コア部の光吸収係数特性に
    基づいて特定された電極であることを特徴とする請求項
    8記載の光電変換装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の波長の光は、伝送信号であ
    ることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1
    項記載の光電変換装置。
JP7170060A 1995-07-05 1995-07-05 光電変換装置 Withdrawn JPH0923022A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7170060A JPH0923022A (ja) 1995-07-05 1995-07-05 光電変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7170060A JPH0923022A (ja) 1995-07-05 1995-07-05 光電変換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0923022A true JPH0923022A (ja) 1997-01-21

Family

ID=15897891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7170060A Withdrawn JPH0923022A (ja) 1995-07-05 1995-07-05 光電変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0923022A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8183656B2 (en) 2006-12-14 2012-05-22 Nec Corporation Photodiode
US8466528B2 (en) 2008-08-18 2013-06-18 Nec Corporation Semiconductor light-receiving element, optical communication device, optical interconnect module, and photoelectric conversion method
JP2016092048A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 日本電信電話株式会社 受光素子
WO2022003813A1 (ja) * 2020-06-30 2022-01-06 シャープ株式会社 電磁波センサ装置および表示装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8183656B2 (en) 2006-12-14 2012-05-22 Nec Corporation Photodiode
US8466528B2 (en) 2008-08-18 2013-06-18 Nec Corporation Semiconductor light-receiving element, optical communication device, optical interconnect module, and photoelectric conversion method
JP2016092048A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 日本電信電話株式会社 受光素子
WO2022003813A1 (ja) * 2020-06-30 2022-01-06 シャープ株式会社 電磁波センサ装置および表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140111793A1 (en) Wafer level testing of optical devices
US10830638B2 (en) Photodetector circuit with improved saturation current and integrated optical filtering
JP4762834B2 (ja) 光集積回路
JP2005051039A (ja) 導波路型受光素子
US6271943B1 (en) Wavelength demultiplexing stack photodiode detector with electrical isolation layers
JPH0923022A (ja) 光電変換装置
US20120120478A1 (en) Electro-optical devices based on the variation in the index or absorption in the isb transitions
JP2004054135A (ja) 半導体受光装置及びその製造方法
JPH06268196A (ja) 光集積装置
JP2005072273A (ja) 導波路型受光素子
JP2002100796A (ja) 受光素子アレイ
JPH06109935A (ja) 波長選択受光装置
JPH06204549A (ja) 導波路型受光素子並びにその製造方法及びその駆動方法
JP2700262B2 (ja) 光検出方法
JP2986029B2 (ja) 波長分波光検出器
US5949561A (en) Wavelength demultiplexing multiple quantum well photodetector
JPH11103088A (ja) 半導体導波路型受光素子
JPH10144950A (ja) 半導体受光デバイス
JP2646978B2 (ja) 半導体受光素子
JP2895099B2 (ja) 光検出器
JP3039572B2 (ja) 多波長半導体光検出器
KR20010054750A (ko) 흡수 파장 대역이 다른 다수개의 모니터 광검출기가집적된 단일파장 반도체 레이저
JPH05251673A (ja) 光検出装置
JP2672141B2 (ja) 光検出器
CN114365359A (zh) 半导体激光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021001