JPH09227164A - 反射低減ガラス - Google Patents

反射低減ガラス

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Publication number
JPH09227164A
JPH09227164A JP8034503A JP3450396A JPH09227164A JP H09227164 A JPH09227164 A JP H09227164A JP 8034503 A JP8034503 A JP 8034503A JP 3450396 A JP3450396 A JP 3450396A JP H09227164 A JPH09227164 A JP H09227164A
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JP
Japan
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layer
glass
thin film
refractive index
film
Prior art date
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Application number
JP8034503A
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English (en)
Inventor
Kensuke Makita
研介 牧田
Atsushi Takamatsu
敦 高松
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09227164A publication Critical patent/JPH09227164A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射低減ガラスにおいて、反射防止特性の角
度依存性を上部から下部に向かって徐々に変化する傾斜
特性に変え、運転者の視界確保性能を高める。 【解決手段】 透明ガラス基板の少なくとも片側表面
に、ガラス面側から第1層目として屈折率がn1=1.75〜
1.95であってかつ膜厚が90〜110nm の範囲で徐々に変化
させた傾斜膜厚薄膜層を形成し、次いで該第1層目の傾
斜膜厚薄膜層上に、第2層目として屈折率がn2=2.1 〜
2.3 であってかつ膜厚が150 〜170nm である薄膜層を被
覆積層し、さらに該第2層目の薄膜層上に、第3層目と
して屈折率がn3=1.4 〜1.5 であってかつ膜厚が110 〜
130nm である薄膜層を被覆積層して成ることを特徴とす
る反射低減ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に車両等を運転
する際に、ことにダッシュボードもしくはこれらの周辺
部が特定傾斜角で取り付けたフロントガラスに対し、映
り込み現象ならびにギラツキ感が発現するのを入射角度
に対する依存性を少なくして低減させるようにし、ドラ
イバーの視界確保性能を高めることで、より安全性の向
上に寄与する反射低減ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、低反射ガラスならびに該範疇
に属するガラスが、各種提案がなされ実施されている。
ことに車両用窓ガラスにおいては、近年種々の機能性を
付与した高性能多機能ガラスが用いられるようになりつ
つあるとともに、車内の運転者や乗員はもとより対向車
等に対しても、より安全性を有し、居住性に優れかつ環
境に優しいものとなるものがより望まれつつあるなか
で、低反射ならびに該範疇に属する性能を有するガラス
が提案されてきている。
【0003】特に、自動車窓のうち、特定傾斜角度で取
り付けたフロントガラスに用いた従来の低反射性能で
は、正面からの反射光の低減を目的としたものであり、
前記フロントガラス表面の垂直線(法線と以後いう)と
なす入射角が例えば50°〜70°以上の斜入射光に対して
は、その低反射効果が半減もしくはほとんどないもので
あって、例えば運転者がダッシュボードもしくはそれら
の周辺物がフロントガラスへの写り込みによって、ドラ
イビング時における前景の視認性が低下し、安全性の低
下等を発現することとなるものである。
【0004】これに対し、例えば特開平3-17601 号公報
には反射防止コーテイングの形成方法が記載されてお
り、軽金属酸化物プレカーサー、非水溶剤、および水を
含む反応性組成物のコーティングを基板上に形成し、十
分な時間加熱して濃縮し、該濃縮されたコーティング
を、弗素気体又は弗素生成気体状化合物を含む雰囲気
に、高められた温度で十分な時間さらして、該コーティ
ングの軽金属酸化物の酸素原子の少なくとも一部を、弗
素原子と置換することにより、コーティングの厚みに対
して軽金属弗化物の濃度勾配をもち、可視光の全スペク
トルに対して優れた反射防止性能を示すコーティングが
得られることとなるというものが開示されている。
【0005】また、例えば特開昭64-70701号公報には導
電性反射防止膜を有する透明板が記載されており、導電
性付与の金属膜上に、屈折率が1.90〜2.50でかつ膜厚が
200Å〜400 Åの高屈折率誘電体膜と、該表面上に屈折
率が1.35〜1.50でかつ膜厚が700 Å〜1200Åの低屈折率
誘電体膜とからなるものが開示されている。
【0006】また、例えば本出願人が既に出願した特開
平4-357134号公報に車両用反射低減ガラスを記載したよ
うに、ガラス面側から第1層として屈折率がn1=1.8 〜
1.9でかつ膜厚が700 〜900 Åである薄膜層を被覆し、
次いで該第1層目薄膜層上に、第2層目として屈折率が
n2=1.4 〜1.5 でかつ膜厚が1100〜1300Åである薄膜層
を被覆積層してなり、さらに前記表面の垂直線となす入
射角が50°〜70°の間で入射する膜面側の可視光に対
し、前記薄膜被覆積層面における反射率を通常の薄膜被
覆のないガラス面における反射率より4.5 〜6.5 %低減
せしめて成るものを提案している。
【0007】さらに、例えば特公昭47-1300 号公報には
安全フロントガラス、殊に自動車用の安全フロントガラ
スが記載されており、少なくとも1つのプラスチツク層
がガラス層の間に設けられており、かつ(または)少な
くとも1つのプラスチツク層がガラス層表面に設けられ
ている形式のものにおいて、フロントガラスの単数また
は複数のプラスチツク層の衝撃時の可撓性が鉛直方向で
変化しているものが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した例えば本出願
人が既に提案した特開平4-357134号公報に記載の車両用
反射低減ガラスでは、斜入射光に対する充分な反射低減
効果を発揮できるものとなるものの、入射角が 0〜40°
の光に対してその反射光の刺激純度が30%を超え最大約
35%程度となり、また入射角が50〜70°の光に対してそ
の反射光の刺激純度が20%を超える部分があって、最大
約21%程度となる等、必ずしもギラツキ感が低いものと
は言い難いものであった。
【0009】また、例えば特公昭47-1300 号公報には安
全フロントガラス、殊に自動車用の安全フロントガラス
では、衝撃可撓性の変化を単数または複数のプラスチツ
ク層の鉛直方向(上下方向)での厚みの変化によってプ
ラスチツク層の強度をかえることで、ガラスに衝突する
乗員の頭部が下向きにねじれるようにし、安全性を高め
ようとするものであり、反射低減を念頭においたもので
はないし、単に層厚を変化させたからといって、反射低
減にはいたらない。
【0010】現実の自動車でのダッシュボードのフロン
トガラスへの映り込みがあり、ダッシュボードのある1
点のドライバーの眼への映り込み角度は、ドライバーの
アイポイントより高いフロントウインドウの上部では小
さい角度となり、フロントウインドウの下部になるほど
大きい角度となり、このため最適には反射防止特性の角
度依存性が上部から下部に向かって徐々に変化する傾斜
特性になるように緩和せしめ、特に反射低減での一方方
向に傾斜特性をもたせることであり、前述した従来のも
のでは傾斜特性を考慮されておらず充分最適な反射低減
ガラスとは言い難い。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
欠点に鑑みてなしたものであって、透明ガラス基板の少
なくとも片側表面に形成した3層系の反射防止薄膜にお
いて、該薄膜の少なくとも1層目の膜厚を、鉛直方向に
対して所定の範囲で増加もしくは減少させることによっ
て、反射防止特性の角度依存性が上部から下部に向かっ
て徐々に変化するように緩和せしめた傾斜特性を付与す
るものであり、このガラスを用いて自動車用の合せガラ
スとすることによって、自動車のドライバーに対してダ
ッシュボードのフロントガラスへの映り込みによる運転
阻害を効果的に低減する等の有用な反射低減ガラスを提
供するものである。
【0012】すなわち、本発明は、透明ガラス基板の少
なくとも片側表面に、ガラス面側から第1層目として屈
折率がn1=1.75〜1.95であってかつ膜厚が90〜110nm の
範囲で徐々に変化させた傾斜膜厚薄膜層を形成し、次い
で該第1層目の傾斜膜厚薄膜層上に、第2層目として屈
折率がn2=2.1 〜2.3 であってかつ膜厚が150 〜170nm
である薄膜層を被覆積層し、さらに該第2層目の薄膜層
上に、第3層目として屈折率がn3=1.4 〜1.5 であって
かつ膜厚が110 〜130nm である薄膜層を被覆積層して成
ることを特徴とする反射低減ガラス。
【0013】ならびに、前記透明ガラス基板が、合せガ
ラスであることを特徴とする上述した反射低減ガラス。
さらに、前記合せガラスが、自動車用フロントウインド
ウであって、該ウインドウの車内側表面に、ガラス面側
から第1層目として屈折率がn1=1.83〜1.87であってか
つ膜厚が下辺側において94nmで上辺側において108nm の
範囲で徐々に増加させた傾斜膜厚薄膜層を形成し、次い
で該第1層目の傾斜膜厚薄膜層上に、第2層目として屈
折率がn2=2.17〜2.23でかつ膜厚が155 〜165nm である
薄膜層を被覆積層し、さらに該第2層目の薄膜層上に、
第3層目として屈折率がn3=1.43〜1.47であってかつ膜
厚が115 〜125nm である薄膜層を被覆積層して成ること
を特徴とする上述した反射低減ガラスを提供するもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】ここで、ガラス面側から第1層目
として屈折率がn1=1.75〜1.95であってかつ膜厚が90〜
110nm の範囲で徐々に変化させた傾斜膜厚薄膜層を形成
し、次いで該第1層目の傾斜膜厚薄膜層上に、第2層目
として屈折率がn2=2.1 〜2.3 であってかつ膜厚が150
〜170nm である薄膜層を被覆積層し さらに該第2層目
の薄膜層上に、第3層目として屈折率がn3=1.4 〜1.5
であってかつ膜厚が110 〜130nm である薄膜層を被覆積
層して成ることとしたのは、2層膜の積層では反射色調
にわずかにギラツキ感が残存することもあるものであ
り、また4層以上の積層では高コストになるからであ
り、また第1、第2および第3層薄膜の前記屈折率なら
びに前記膜厚の値でなければ、前記表面の垂直線となす
入射角が20°〜70°の間で入射する膜面側の可視光に対
し、該薄膜被覆積層面における反射率が低減するだけで
なく、通常の薄膜被覆のないガラス面における反射率よ
り3.0 〜4.5 %程度の低減となり、しかも反射防止特性
の角度依存性が上部から下部に向かって徐々に変化する
ように緩和せしめた傾斜特性を付与することができない
からである。
【0015】上述した膜構成により、ほとんど運転者等
に対し前記映り出しがなくなって映り出しを視認されに
くくなりかつ気にならなくなって、透視性を高めより安
全性に優れるものとなる。さらに運転者はもちろん同乗
者ならびに対向車の人等の環境に対して、特に必ずしも
人等の環境は特定の角度でガラスを見るとは限らず全て
の方角からの視認に対してよりギラツキ感を抑え、目や
身体の疲労の低減ならびにそれらによる不安全性を解消
し、人的物的両面から優しいものとなる。
【0016】また、膜厚が鉛直方向に対して徐々に変化
する傾斜膜厚薄膜層については、少なくとも1種以上の
有機金属化合物もしくはその加水分解物と溶媒とを含む
溶液を用いるゾルゲルコーティングであり、ガラス基板
の片面のみに、溶液をガラス基板上部から流下させる所
謂ノズルフローコート法で光学薄膜を形成する。
【0017】さらに、前記第1層目薄膜層の薄膜が、Si
O2、TiO2、ZrO2、Al2O3 、B2O3のうちの2種以上を混合
したものから成ることが好ましく、屈折率が比較的高い
TiO2(2.20程度)、ZrO2(1.95程度)と屈折率が比較的
低いSiO2(1.45程度)、Al2O 3 (1.65程度)、B2O3(1.
60程度)とを種々組み合わせて混合することで、自由に
コントロールして屈折率が1.75〜1.95になるような複合
膜を得易く、かつ耐久性に優れるものとなるからであ
る。
【0018】さらにまた、特に例えば第1層目薄膜層と
してモル比でTiO2:SiO2=50:50〜60:40である薄膜
を、第2層目薄膜層としてTiO2薄膜を、第3層目薄膜層
としてSiO2薄膜を適宜組み合わせることが好ましく、前
記各成分の組み合わせの中でも、アルコキシドが安定で
成膜性がよく、均質な膜を得易く、最も優れた反射率低
減効果が得られ、かつ高耐久性であるものとなる。
【0019】また、前記合せガラスは、前記光学薄膜付
きガラスの非成膜面を他のガラス基板とポリビニルブチ
ラールなどの樹脂フイルムを介して接着させたものであ
り、前記合せガラスが自動車用フロントウインドウであ
れば、該ウインドウの車内側表面に、ガラス面側から第
1層目として屈折率がn1=1.83〜1.87であってかつ膜厚
が下辺側において94nmで上辺側において108nm の範囲で
徐々に増加させた傾斜膜厚薄膜層を形成し、次いで該第
1層目の傾斜膜厚薄膜層上に、第2層目として屈折率が
n2=2.17〜2.23でかつ膜厚が155 〜165nm である薄膜層
を被覆積層し、さらに該第2層目の薄膜層上に、第3層
目として屈折率がn3=1.43〜1.47であってかつ膜厚が11
5 〜125nm である薄膜層を被覆積層して成る反射低減ガ
ラスとすることが好ましいものである。
【0020】さらにまた、ガラス基板としては、透明ガ
ラスであれば無色あるいは有色のどちらでもよい、すな
わち例えばブルー、ブロンズ、グレーあるいはグリーン
ガラス等でもよく、特に自動車用窓材ではブルー色系あ
るいはゴールド色系、グリーン色系、なかでもゴールド
色系色調で熱線・紫外線吸収性能を得やすいものであれ
ばより好ましいものである。また単板で使用できること
はもとより、熱線反射ガラス、また複層あるいは合せガ
ラスあるいは強化ガラスまたは強度アップガラス、曲げ
ガラス等としても使用できることは言うまでもない。さ
らに、ガラス基板が無機質でも有機質でもよいことは言
うに及ばない。
【0021】前述したとおり、本発明の反射低減ガラス
は、中屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜とした特定の屈折
率、ならびに所定の膜厚と特定範囲の膜厚で傾斜膜厚と
した薄膜を組み合わせ、シンプルな3層の薄膜被覆積層
にしたことにより、高い低反射性能を発揮し、またギラ
ツキ感もなく、前記表面の垂直線となす入射角が20°〜
70°の間で入射する膜面側の可視光に対し、該薄膜被覆
積層面における反射率が格段に低減でき、かつ通常の薄
膜被覆のないガラス面における反射率より3.0〜4.5 %
程度の低減となり、しかも反射防止特性の角度依存性が
上部から下部に向かって徐々に変化するように緩和せし
めた傾斜特性を付与することができることとなる。
【0022】これにより、車内外側から見た際のギラツ
キ感を抑えることができ、反射を抑制した分透視性が向
上し、誤認や違和感が発現しないようにでき、さらに高
耐久性であって運転者等の乗員ならびに人々の環境に優
しい、自動車用の窓材等として有用な反射低減ガラスと
なるものである。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 先ずSiのアルコキシドとTiのアルコキシドとを酸化物換
算のモル比が55:45となるように混合した混合アルコキ
シドに、酸化物換算の溶質濃度が約0.04wt%となるよう
イソプロピルアルコールと微量の水および酸触媒を加え
て約1時間程度攪拌してアルコキシド溶液を得た。この
溶液の粘度は約2.5cP であった。この溶液を洗瓶に入れ
成膜用溶液とした。
【0025】次に温度約25℃、湿度約55%に保ったクリ
ーンルーム内において、縦が約1m、横が約1.5 m、厚
みが約2mmの自動車用のブロンズ色調系ガラス基板を、
水平からの角度(傾斜角)が約40°になるよう支持具に
立て掛け、洗瓶中の塗布溶液をガラスの上端部に沿って
一定圧力で流下させてガラス基板のほぼ片面全面に塗膜
を形成した。溶液が全て基板上を流下した後も、この塗
膜が充分乾燥するように約10分間そのままの状態で保持
し、さらにこのガラスを約270 ℃で約30分間キュアーリ
ングして第1層目のゲル膜を片面に形成した。
【0026】次いで、Tiのアルコキシドを酸化物換算濃
度が 0.5wt%になるようにi-PAで希釈し、この溶液中
に、前記の片面に塗膜を形成したガラス基板の非膜面側
をマスキングテ−プで覆い、静かに浸漬した後、約6mm
/sec の一定速度で静かに引き上げた。約2分間程度そ
のまま静置して塗膜を乾燥させた後、ガラスのマスキン
グテ−プを取り除き、第1層目と同様に約270 ℃で約30
分間程度キュアーリングして第2層目の薄膜を積層形成
した。
【0027】さらに次いで、シリコンテトラエトキシド
を出発原料としこれを加水分解させた市販のシリカゾル
溶液をエタノールと酢酸エチルおよびノルマルプロパノ
ールの混合溶媒で 0.4wt%に希釈した。この溶液の粘度
を測定したところ約3.0cP であった。この溶液中に、前
記の片面に塗膜が形成されたガラス基板の非膜面側をマ
スキングテープで覆い静かに浸漬した後、約 4.5mm/秒
の一定速度で静かに引き上げた。引き上げが完了した後
約2分間そのまま静置し塗膜を乾燥させてガラスのマス
キングテープを取り除き、第1、2層目と同様約270 ℃
で約30分間キュアーリングして第3層目のゲル膜を形成
させた。
【0028】さらに次いで得られた3層のゲル膜を積層
したガラス基板を、自動車用のフロントウインドウの形
状(上下幅が約75cm)に切断し、さらにこのフロント用
ブロンズガラスと、該ガラスと同一形状に切断した薄膜
が形成されていないクリアガラスとを膜面が外向きにな
るよう重ね合わせ、雰囲気温度を約650 ℃に保った焼成
炉中を膜面が上向きとなるように水平に保った状態で約
15分間通過させて自動車ガラスの形状になるよう曲げ焼
成をした。
【0029】この2枚のガラス板を充分に冷却した後、
ポリビニルブチラール樹脂フイルムを2枚のガラス板間
に挟持させてオートクレーブに入れて加圧加熱し、自動
車用フロント合せガラスを作製した。
【0030】なお、合せ加工する前の膜付きガラス基板
を各成膜した時点等で抜き取り焼成された酸化物薄膜の
屈折率と膜厚をエリプソメーターで測定したところ、第
1層目は屈折率n1=1.85で膜厚d1はガラス基板上端部か
ら約5cm下方で約108nm 、さらに約30〜35cm下方のガラ
ス中央部付近で約100nm 、上端部より約70cm下方の下端
部付近で約94nmであり、薄膜の膜厚が上端部から下端部
に向かってほぼ0.22nm/cm(22nm/100cm )の割合で上
向きに増加する傾斜膜であった。また屈折率の値から第
1層目の薄膜は、焼成によって55SiO2・45TiO2系の酸化
物膜になっているものであった。
【0031】続いて、第2、3層目についても同様な測
定を行ったところ、第2層目は屈折率n2=2.20、膜厚d2
=約160nm のTiO2膜で、第3層目は屈折率n3=1.45、膜
厚d3=約120nm のSiO2膜であった。
【0032】さらに得られた自動車用フロント合せガラ
スの光学特性を、薄膜が形成されていない通常のフロン
トガラスと比較して測定したところ、表1の結果が得ら
れており、ガラス板の上端部から下端部に向かって反射
防止特性の入射角依存性が徐々に変化する傾斜特性を示
した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は特定した
屈折率ならびに膜厚の薄膜、特に傾斜膜厚薄膜層を組み
合わせ、シンプルな3層の薄膜被覆積層によって、フロ
ントガラスにおける可視光線透過率が70%以上を満たす
ようにして格段の反射低減をし、ギラツキ感もなく、か
つ20°〜70°の斜入射光での反射率を3.0 〜4.5 %程度
低減し、しかも反射防止特性の角度依存性が上部から下
部に向かって徐々に変化するように緩和せしめた傾斜特
性を付与することができることとなるものとしたことに
より、ことにダッシュボードもしくはこれらの周辺部の
映り込み現象を低減し、ドライバーの透視性を高めて、
誤認あるいは眼の疲労等を防いで安全性を向上するもの
であり、どの方向から見てもギラツキ感が少ない人的物
的の両面に対してもまたその環境に対しても優しいもの
となり、幅広い分野において有用な反射低減ガラスを提
供できるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明ガラス基板の少なくとも片側表面
    に、ガラス面側から第1層目として屈折率がn1=1.75〜
    1.95であってかつ膜厚が90〜110nm の範囲で徐々に変化
    させた傾斜膜厚薄膜層を形成し、次いで該第1層目の傾
    斜膜厚薄膜層上に、第2層目として屈折率がn2=2.1 〜
    2.3 であってかつ膜厚が150 〜170nm である薄膜層を被
    覆積層し、さらに該第2層目の薄膜層上に、第3層目と
    して屈折率がn3=1.4 〜1.5 であってかつ膜厚が110 〜
    130nm である薄膜層を被覆積層して成ることを特徴とす
    る反射低減ガラス。
  2. 【請求項2】 前記透明ガラス基板が、合せガラスであ
    ることを特徴とする請求項1記載の反射低減ガラス。
  3. 【請求項3】 前記合せガラスが、自動車用フロントウ
    インドウであって、該ウインドウの車内側表面に、ガラ
    ス面側から第1層目として屈折率がn1=1.83〜1.87であ
    ってかつ膜厚が下辺側において94nmで上辺側において10
    8nm の範囲で徐々に増加させた傾斜膜厚薄膜層を形成
    し、次いで該第1層目の傾斜膜厚薄膜層上に、第2層目
    として屈折率がn2=2.17〜2.23でかつ膜厚が155 〜165n
    m である薄膜層を被覆積層し、さらに該第2層目の薄膜
    層上に、第3層目として屈折率がn3=1.43〜1.47であっ
    てかつ膜厚が115 〜125nm である薄膜層を被覆積層して
    成ることを特徴とする請求項2記載の反射低減ガラス。
JP8034503A 1996-02-22 1996-02-22 反射低減ガラス Pending JPH09227164A (ja)

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