JPH09225470A - シアン含有水の処理方法 - Google Patents
シアン含有水の処理方法Info
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Abstract
に、シアンおよび有機物を効率的に分解する。 【解決手段】 シアン含有水を直流電流を通電した陽極
および陰極を設けた電解槽と、酸素もしくは水以外の分
解生成物を生じない酸化剤を用いた酸化処理槽により、
電解処理および酸化処理を行うことにより金属の回収、
シアンの分解、有機物の分解を行うシアン含有水の処理
方法。
Description
理方法に関し、特にシアンを含むめっき排水あるいは水
洗水の電気化学的な処理方法に関し、シアンとともに含
まれている有機物を同時に処理する処理方法に関する。
をする分野においては、シアンを含むめっき浴が一般的
に使用されている。シアンを含むめっき液の排水、ある
いはめっきした製品の水洗に用いる水洗水などのシアン
含有水から金属イオンを回収する方法としては、イオン
交換樹脂法、電解法、活性炭吸着法等多くの方法が提案
されてきた。一方、シアンイオンを分解する方法、塩素
や次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤による酸化分解法、
紫外線照射による酸化分解法、処理液に食塩を添加し、
食塩の電解により発生する次亜塩素酸を用いて、シアン
イオンを酸化する間接的な電解酸化法などの多くの方法
が提案されてきた。しかしながら、これらの方法を単独
あるいは併用した場合には、含まれている成分の完全な
処理は困難であり、処理液に何らかの前処理を必要とし
たり、処理後の液に2次、3次の後工程の処理を必要と
した。
では、処理液中の金属イオン濃度とシアンイオン濃度に
より溶液中に存在する金属イオンとシアンイオンが錯形
成し、吸着不可能となる場合が生じる。また、めっき液
中の有機物質などを栄養源とし、大気中より混入する菌
が繁殖したり、藻を発生させ、金属イオンのイオン交換
樹脂や活性炭への吸着力を低下させ、未処理のまま流出
することもある。
では、シアンイオンを無害化することは不可能であり、
後工程において塩素や次亜塩素酸処理により酸化する必
要がある。また、過剰の塩素や次亜塩素酸を含む処理液
は、直接放流することはできず還元処理等によって分解
処埋をするか、希釈して放出せざるを得ない。また、め
っき後の水洗水を塩素や次亜塩素酸処理を行って処理し
た場合には、は、塩素イオン等が含まれるので再度水洗
水として利用することは不可能となる。 シアンととも
に含まれている有機物を処理する方法としては、金属回
収の前にオゾンもしくは紫外線によって処理する方法
や、金属回収の後工程において、微生物を利用して分解
をする方法が行われている。しかし、設備の規模が大き
くなるなどの問題がある。
併用による重金属イオンとシアンイオンを含有する電気
めっきの水洗水処理法が特開昭51−94431号公報
として提案されている。この方法によれば、先ず、めっ
き液の水洗水のうち、濃度の比較的高い水洗水を電解
し、金属イオンを陰極上に析出し、回収後、陽極として
二酸化鉛電極を用いてシアンイオンを一定の濃度(約1
000ppm)まで電解酸化により分解し、残るシアン
イオンを次亜塩素酸ナトリウムを添加して、酸化分解す
るという化学処理によるものである。この方法では、電
解手段を採用しているものの、イオン交換樹脂法と同様
に残留シアンイオンを次亜塩素酸ナトリウムの添加によ
り処理しなければならず、過剰の次亜塩素酸イオンを後
処理しなければ放流できず、まためっき工程において、
水洗水として再利用不可能であるなどの問題を有してい
る。さらに、イオン交換樹脂は水洗槽の最終段に設置さ
れており、希釈されためっき液中の金イオンやシアンイ
オンを回収しているのみであり、従来のイオン交換樹脂
法の問題点を回避することは不可能である。
700号公報において不溶性陽極と不溶性陰極より構成
された電解槽により、貴金属シアン浴めっき排水および
水洗水中の貴金属の回収、シアンの分解、および有機物
の分解を行う方法を提案した。この方法は、貴金属の回
収とシアンの分解を可能とする優れた方法であるが、シ
アンイオンを分解するのに要する時間が貴金属を電解回
収するに要する時間より長くなり、シアンイオンをほぼ
完全に分解するまでには、貴金属を電解回収するに要す
る時間の数倍を要する場合がある。すなわち、シアンを
含むめっき排水および水洗水に溶存しているシアンイオ
ンおよび有機配位子は錯形成能力が大きいため、貴金属
イオン等と錯体を形成し安定化するために、直接の電解
酸化が困難である。したがって、安定な錯体に配位して
いるシアンイオンや有機配位子を分解するためには、ま
ず陰極上で金属イオンを電解還元し析出させ、シアンイ
オンや有機配位子を単独のイオンとして遊離した後に分
解処理を行う必要がある。有機配位子によっては、分解
してシアンイオンを生成したり、CODを増大させるた
めに、長時間の電解処理をしなければならない場合もあ
る。
むめっき排水および水洗水などのシアン含有水に含まれ
ている金属を回収し、シアンと有機物を短時間に同時に
処理し、処理水を直接に放流あるは、水洗水として再利
用可能なものとすることを課題とする。
の処理方法において、シアン含有水を直流電流を通電し
た陽極および陰極により電解処理を行うと共に、酸素も
しくは水以外の分解生成物を生じない酸化剤を用いて酸
化処理を行うことにより金属の回収、シアンの分解、有
機物の分解を行うシアン含有水の処理方法である。電解
処理に用いる陽極が、鉛、鉛合金、二酸化鉛、フェライ
ト又は白金族の金属のあるいは合金又は白金族の金属の
酸化物からなる電極触媒を電極基体上に形成した不溶性
電極である前記のシアン含有水の処理方法である。電解
処理に用いる陰極が、鉄、ニツケル、銅、クロム、アル
ミニウム、チタン、もしくはこれらの合金、又はこれら
に白金を被覆を施したもの、又は炭素、黒鉛である前記
のシアン含有水の処理方法である。酸化剤が過酸化水
素、オゾンである前記のシアン含有水の処理方法であ
る。酸化処理時に紫外線照射を行う前記のシアン含有水
の処理方法である。処理水を、そのままもしくは脱イオ
ン処理した後に再使用する前記のシアン含有水の処理方
法である。電解槽において電極上に析出した金属を化学
的、もしくは電気化学的に溶解し、再利用するシアン含
有水中の金属の再利用方法である。
は、電解槽による電解処理と、水もしくは酸素以外の分
解生成物を生じない酸化剤による酸化処理槽とを組み合
わせて、シアン含有水にシアンとともに含まれている金
属を回収するとともに、有機物を分解して除去するもの
であり、処理した含有水を再度シアンめっきでの洗浄水
等として再使用可能としたものである。本発明における
電解処理と酸化剤による酸化処理の順序は、電解処理し
た後に酸化剤による処理を行うことが好ましいが、シア
ン含有水中に含まれているめっきの添加剤等の有機物が
電解処理によって重合化する場合には、電解処理の前
段、あるいは後段において行うことが好ましい。また、
電解処理と酸化剤による処理は、各処理をバッチ的に行
っても、電解処理槽と酸化処理槽との間を循環させなが
ら処理を行ってもよい。
鉛、鉛合金、フェライト、白金族の金属またはその合
金、白金族の金属の酸化物を電極触媒とする電極を用い
ることができ、電極基体上に電極触媒を被覆する場合に
は、チタン、タンタル、二オブ、ジルコニウムもしくは
これらの合金からなる耐食性金属を電極基体とすること
が好ましい。また、陰極には、鉄、ニッケル、銅、クロ
ム、アルミニウム、チタンもしくはこれらの合金、白金
を電極触媒とする電極を用いることができる。また、陽
極、陰極には、板状体、とくに表面積が大きな多孔体、
網状、すだれ状、または粒状のものが好適であり、粒状
の電極を流動状態で電解する流動床電解槽を用いること
ができ、粒径が20〜2000μmのものを液体の流速
で流動状態とすることができる。
解槽であっても良いが、流動床電解を行う場合には、流
動床状態の電極と他方の電極との間に多孔性の隔膜を設
けた電解槽を用いることが必要となる。本発明の電解槽
の一実施例を図1を示して説明する。電解槽1内には、
陰極2と陽極3が対向して配置された単位電解槽4の複
数個が設けられており、陰極および陽極は電解用電源に
接続されている。各単位電解槽の間には、邪魔板5を設
けて区画すると共に処理液が矢印で処理液の流れを示す
ように、各単位電解槽の陰極側から入り陽極側から出る
ように構成されており、処理液を充分に処理することが
可能となる。また、電解処理において通電する電流密度
は、0.5A/dm2 ないし30A/dm2 が好まし
い。通電時間の終点の決定は、電解液中の物質の濃度の
測定によって行う。
は、分解によって酸素、水以外のものは発生しないもの
であり、オゾン、過酸化水素を挙げることができる。オ
ゾンはオゾン含有気体あるいはオゾン水のいずれの形態
で供給しても良い。オゾン発生装置としては、オゾン含
有気体を発生する無声放電式のオゾン発生装置、オゾン
水を発生する電解オゾン発生装置を用いることができ
る。
別に設けた酸化処理槽中において行うことが好ましい
が、電解槽中に酸化剤を供給することも可能である。ま
た、電解処理用の電解槽の一部を区画して、酸化処理槽
を設ける場合には、一般には、電解槽の出口側の流路に
酸化処理槽を設けることが好ましいが、電解処理によっ
て重合反応を起こすおそれのあるめっき用の添加剤の有
機物を含んでいる場合には、電解槽の入り口側の流路に
酸化処理槽を設けることが好ましく、入り口側、流路側
の両方に設けても良い。
設けても良い。紫外線照射装置としては、短波長の紫外
線を発生する低圧水銀ランプを紫外線照射照射装置が挙
げられる。紫外線は、水の励起によりヒドロキシラジカ
ルを生成するとともに、オゾン、過酸化水素を励起し
て、酸素ラジカルやペルヒドロキシラジカルなどの活性
種が生成してシアンや有機物の分解効率を高めるものと
考えられる。また、紫外線照射処理によって含まれてい
るめっき添加剤等の有機物が重合し、酸化分解すること
が困難となることがあるが、このような場合には、紫外
線照射処理を酸化処理の後で行うことが好ましい。
理水は、さらにイオン交換樹脂、電気透析、逆浸透等の
方法によって脱イオン化を行うことにより、長期間にわ
たり水洗水等として再利用することが可能となり、めっ
き処理工程から排出される排水、水洗水のクローズド化
が可能となる。とくに、被処理水に含まれているナトリ
ウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、硫
酸イオン、リン酸イオン等のイオンの濃度が希薄である
場合、または処理量が少ない場合は、イオン交換樹脂に
よる方法でも処理可能であるが、イオン濃度が高く、処
理量も多い場合は、イオン交換樹脂による方法では、イ
オン交換樹脂の再生処理のために大量の薬剤が必要とな
るので、薬剤が不要な電気透析、逆浸透等が有効であ
る。電気透析法は、陽極と陰極の間に陰イオン交換膜、
陽イオン交換膜、またはバイポーラ膜の任意の数量を積
層した電解槽によって行うことが出来る。電気透析法に
使用する陽極と陰極には、本発明の電解処理用に用いた
ものと同様の電極を使用することができる。また、電気
透析処理においては、処理液中の陽イオンと陰イオンは
分離、濃縮され対応するアルカリ及び酸として回収し再
利用することも可能である。また、電気透析槽を通過
し、脱イオン化された処理液は直接放流またはめっき液
の調整水、水洗水として再利用できる。
ゾンや過酸化水素による酸化処理を併用しているので、
殺菌、滅菌効果により藻の発生を防止することができ
る。
る酸化処理を電解処理前に施してもほとんど効果がみら
れない場合が多い。これは、シアンや有機配位子が金属
イオンと錯形成し、安定化することによりオゾンや過酸
化水素のような酸化剤に対して分解されることなく存在
しているものと推察される。したがって、電解還元によ
り錯形成した金属イオンを陰極上で金属として析出させ
た後に金属イオンに配位していたシアンや有機物を遊離
させてオゾンや過酸化水素により酸化することが効果的
である。
水素による酸化処理を行うため、電解によって金属を陰
極上に析出した後、シアンや有機配位子が単独のイオン
となり、オゾンや過酸化水素によって分解可能となるた
め電解のみの場合に比べて数倍の効率でシアンの分解及
びCODの低減を図ることが可能となった。また、陽極
には、鉛、鉛合金、二酸化鉛、フェライト電極ととも
に、従来はシアンもしくは有機物の存在下では、これら
を分解する能力に欠けるために使用することが出来なか
った白金族の金属またはこれらの合金、白金族金属酸化
物を電極触媒とし、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコ
ニウムもしくはこれらの合金からなる耐食性金属電極基
体に被覆してなる電極も使用することができる。
る化合物を含む液を鉛、鉛合金、二酸化鉛電極を陽極と
して電解処理すると、陽極酸化によりシアンが生成する
ことが認められ、生成したシアンを分解するために、さ
らに過剰の電力と時間を要した。しかし、オゾンや過酸
化水素による酸化処理を併用することにより、短時間で
シアン及び有機物の分解が可能となった。さらに、白金
族金属または白金族金属酸化物を電極触媒とする金属電
極を陽極として電解処理した場合は、EDTAの分解と
シアンの生成はみられなかった。またシアンの分解効率
は、鉛、鉛合金、二酸化鉛電極に比べて劣るものの、オ
ゾンや過酸化水素による酸化処理を併用することで短時
間でシアン及びEDTAの分解が可能であった。
び有機物の分解効率は金属の回収効率の20%以下であ
り、電解処理に多大な時間と電力を要したのに比べて本
発明の方法では、従来の電界処理のみに比べ2倍以上の
分解効率が得られ、処理時間の短縮化、装置の小型化を
図ることができる。また、電解処理によって陰極に析出
した金属は、薬剤による溶解、電気化学的な溶解処理に
よって溶解し、金属の塩として回収し、めっき原料とし
て再利用することが可能である。
電解し、陰極上に析出、回収した金を水酸化カリウム、
シアン化カリウムのような強アルカリとシアンイオンま
たは有機酸の共存する水溶液中で、金を析出した陰極を
陽極とし、対極上に金が析出しない条伴下にて電解処理
することにより金を溶解させ、めっき原料として回収す
ることができる。対極上に金を析出させない方法として
は対極の電極電位を、基準電極に金を用いて金の析出電
位よりも高い電位となる条伴で電解処理するか、または
イオン交換膜等の隔膜を用いて電解処理することによ
り、対極上に析出することを防止し、かつ溶解した金イ
オンを金めっきの原料であるシアン化金の塩として回収
することも可能である。
明する。 実施例1 容積が30dm3 の貯槽と、縦200mm、横165m
mのチタン製エキスパンデッドメタルの基体上に二酸化
鉛を被覆した陽極と、陽極と同じ形状のチタン製のエキ
スパンデッドメタルを陰極とし、2枚の陰極の中央に電
極間距離を15mmとして陽極を設置した電解槽(内
寸:幅40mm、横185mm、高さ210mm)と、
ステンレス製の2個の円筒容器(内径100mm、高さ
500mm)の間を酸性金めっき工程より排出された金
めっき水洗水30dm3 を流量20dm3/分 で循環し
た。一方の円筒容器内の底部に設置した散気管よりオゾ
ン含有気体(オゾン量4g/時)を処理液と対向して噴
出させた。もう一方の円筒容器には、24Wの低圧水銀
ランプを設置し処理液を通過させながら紫外線を照射し
た。陽極と陰極に直流電源により10Aの電流を通電し
て電解処理を行うとともに、処理時間を変化させ、処理
液中の金イオン濃度をICP(誘導結合プラズマ分析装
置 セイコー電子工業製SPS一1100型)によっ
て、シアンはJIS法(JIS K0102)により、
それぞれ測定し、その結果を図2に示し、またCODは
JlS法(JIS K0101)によって測定し、その
結果を図3に示す。電解処理とオゾンによる処理を併用
した場合、電解処理とオゾン処理、紫外線照射を併用し
た場合のいずれの場合も金濃度は同様に変化したが、紫
外線照射を併用した場合の方が、シアン濃度、およびC
ODの減少が大であった。
様に電解による処理、オゾンと紫外線照射処理の併用に
よる処理及び電解と紫外線照射処理を行い、実施例1と
同様に金濃度、シアン濃度を測定し、その結果を図4に
示し、またCOD濃度を実施例1と同様に測定して図5
に示した。電解法のみの場合には、金の回収は良好であ
ったが、シアン分解とCODの分解には多くの時間を要
した。オゾンと紫外線照射処理の併用による処理の場合
には、CODの分解は良好であったが、金回収及びシア
ン分解には全く効果がみられなかった。また、電解と紫
外線照射処理を行った場合には、金回収とシアン分解に
効果がみられたが、CODの低減には十分な効果が得ら
れなかった。
を処理し、実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定
し、その結果を図6に示し、またCOD濃度を実施例1
と同様に測定して図7に示した。
と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、その結果を図6
に示し、またCOD濃度を実施例1と同様に測定して図
7に示した。金回収効率に関しては、実施例2および比
較例2は、同じ結果であったが、シアン分解に関して
は、比較例の電解処理、電解処理と紫外線照射併用処埋
の場合には、シアンの増加がみられたが、本発明の方法
では処理時間50時間で処理できた。また、COD値も
比較例の方法よりも効率良く処理できることが判明し
た。実施例3 陽極として、チタン基体上に酸化イリジウムと酸化タン
タル(70:30(重量比))からなる電極触媒を被覆
した電極を用いた以外は、実施例2と同じ試験を行っ
た。実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、そ
の結果を図8に示し、またCOD濃度を実施例1と同様
に測定して図9に示した。
った。実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、
その結果を図8に示し、またCOD濃度を実施例1と同
様に測定して図9に示した。金回収効率に関しては、い
ずれの場合も同じ結果であったが、シアンの分解に関し
ては、電解処理のみでは、処理時間が60時間でも処理
できなかったが、電解処理と紫外線照射の併用、または
電解処理とオゾン処理の併用、電解処理と紫外線照射及
びオゾン処理の併用では、シアンの増加もみられずに処
理できた。しかしながら、電解処理と紫外線照射の併用
法では、CODを低減することができなかった。一方、
酸化イリジウムを電極触媒とする電極を用いた場合でも
本発明の方法では、CODを短時間で低減することがで
きた。陽極として、チタン基体に白金めっき(3μm)
を施した白金めっき電極を用いた以外は、実施例2と同
様の条件で試験を行った。その結果も図8及び図9で示
した結果と同等であった。
02:30重量%)を添加しながら、実施例1と同じ条
件で電解処理のみ、電解処理と紫外線照射併用処理及び
電解と酸化剤による処理を行った。過酸化水素の添加方
法は初期と1時間毎に0.02dm3 ずつ添加して、合
計0.1dm3 を添加した。実施例1と同様に金濃度、
シアン濃度を測定し、その結果を図10に示し、またC
OD濃度を実施例1と同様に測定して図11に示した。
酸化剤として過酸化水素を用いることにより、金の回収
時間は変化しなかったか、シアン分解及びCOD低減に
要する処理時間は実施例2で得られた結果(図6及び図
7)より、さらに短縮できた。
マ製AMH)と陽イオン交換膜(トクヤマ製CMX)で
陽極室、中間室及び陰極室に分離した電気透析槽を脱イ
オン化を目的として用いた。陽極はチタン製エキスパン
デッドメタル上に酸化イリジウムと酸化タンタルの複合
酸化物(50モル%)を被覆した電極(電解有効面10
0mm×300mm)、陰極は陽極と同一の形状及び大
きさのニツケル製エキスパンデッドメタルとし、陽極液
として0.1mol/dm3 の硫酸水溶液、陰極液とし
て0.1mol/dm3 の水酸化カリウム水溶液を用い
た。一方、金めっき水洗水を電流密度4A/dm2 の定
電流電解処理とオゾン処理(オゾン発生量50g/時)
及び紫外線照射処理(紫外線ランプ110W)を行った
処理水を1500dm2/時 の流量で電気透析槽の中間
室に供給し、1.6A/dm2 の電流密度の直流電流を
通電して、電気透析処理を行い、電気透析処理された処
理水を再び金めっき水洗水として再利用した。この操作
を連続して10日間にわたり実施し、カリウムイオン濃
度をICPによって測定し、、COD値の変化を実施例
1と同様に測定した。また、めっき不良の有無を外観検
査によって評価し、それらの結果を表1に示した。
理を実施例4と同様の条件で行った処理液を水洗水とし
て再利用し、実施例4と同様にカリウムイオン濃度、C
OD値の変化及びめっき不良の有無を測定した結果を表
1に示した。表1の結果より本発明の方法によればCO
D値も低く、めっき状態も良好であったが、比較例の方
法では、カリウムイオンの蓄積が顕著であり、8日目よ
り水洗後のめっきの表面にしみが発生した。
解処理と紫外線照射処理の併用法より短時間で効率良
く、金属の回収と有害なシアンを系外に放出することな
く処理でき、かつ、処理水の再利用が可能であるため使
用水量と排水の処理量を大幅に低減することが可能であ
る。
る。
化を説明する図である。
する図である。
を説明する図である。
る図である。
シアン濃度の変化を説明する図である。
Dの変化を説明する図である。
シアン濃度の変化を説明する図である。
Dの変化を説明する図である。
の変化を説明する図である。
説明する図である。
…邪魔板
Claims (7)
- 【請求項1】 シアン含有水の処理方法において、シア
ン含有水を直流電流を通電した陽極および陰極によって
電解処理すると共に、酸素もしくは水以外の分解生成物
を生じない酸化剤を用いて酸化処理を行うことにより金
属の回収、シアンの分解、有機物の分解を行うことを特
徴とするシアン含有水の処理方法。 - 【請求項2】 電解処理に用いる陽極が、鉛、鉛合金、
二酸化鉛、フェライト又は白金族の金属のあるいは合金
又は白金族の金属の酸化物からなる電極触媒を電極基体
上に形成した電極であることを特徴とする請求項第1項
記載のシアン含有水の処理方法。 - 【請求項3】 電解処理に用いる陰極が、鉄、ニツケ
ル、銅、クロム、アルミニウム、チタン、もしくはこれ
らの合金、又はこれらに白金を被覆を施したもの、又は
炭素、黒鉛であることを特徴とする請求項第1〜項記載
のシアン含有水の処理方法。 - 【請求項4】 酸化剤が過酸化水素、オゾンであること
を特徴とする請求項第1〜3項記載の前記のシアン含有
水の処理方法。 - 【請求項5】 酸化処理時に紫外線照射を行うことを特
徴とする請求項第1〜4項記載のシアン含有水の処理方
法。 - 【請求項6】 処理水をそのままもしくは脱イオン処理
した後に再使用することを特徴とする請求項第1〜5項
記載のシアン含有水の処理方法。 - 【請求項7】 請求項1記載の方法によって電解槽にお
いて電極上に析出した金属を化学的、もしくは電気化学
的に溶解し、再利用することを特徴とするシアン含有水
中の金属の再利用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03469596A JP3783972B2 (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | シアン含有水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03469596A JP3783972B2 (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | シアン含有水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09225470A true JPH09225470A (ja) | 1997-09-02 |
JP3783972B2 JP3783972B2 (ja) | 2006-06-07 |
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ID=12421514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03469596A Expired - Lifetime JP3783972B2 (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | シアン含有水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3783972B2 (ja) |
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