JP3783972B2 - シアン含有水の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シアン含有水の処理方法に関し、特にシアンを含むめっき排水あるいは水洗水の電気化学的な処理方法に関し、シアンとともに含まれている有機物を同時に処理する処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品や機械部品などに貴金属めっきをする分野においては、シアンを含むめっき浴が一般的に使用されている。シアンを含むめっき液の排水、あるいはめっきした製品の水洗に用いる水洗水などのシアン含有水から金属イオンを回収する方法としては、イオン交換樹脂法、電解法、活性炭吸着法等多くの方法が提案されてきた。一方、シアンイオンを分解する方法、塩素や次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤による酸化分解法、紫外線照射による酸化分解法、処理液に食塩を添加し、食塩の電解により発生する次亜塩素酸を用いて、シアンイオンを酸化する間接的な電解酸化法などの多くの方法が提案されてきた。しかしながら、これらの方法を単独あるいは併用した場合には、含まれている成分の完全な処理は困難であり、処理液に何らかの前処理を必要としたり、処理後の液に2次、3次の後工程の処理を必要とした。
【0003】
例えば、イオン交換樹脂法や活性炭吸着法では、処理液中の金属イオン濃度とシアンイオン濃度により溶液中に存在する金属イオンとシアンイオンが錯形成し、吸着不可能となる場合が生じる。また、めっき液中の有機物質などを栄養源とし、大気中より混入する菌が繁殖したり、藻を発生させ、金属イオンのイオン交換樹脂や活性炭への吸着力を低下させ、未処理のまま流出することもある。
【0004】
さらに、イオン交換樹脂法や活牲炭吸着法では、シアンイオンを無害化することは不可能であり、後工程において塩素や次亜塩素酸処理により酸化する必要がある。また、過剰の塩素や次亜塩素酸を含む処理液は、直接放流することはできず還元処理等によって分解処埋をするか、希釈して放出せざるを得ない。
また、めっき後の水洗水を塩素や次亜塩素酸処理を行って処理した場合には、は、塩素イオン等が含まれるので再度水洗水として利用することは不可能となる。 シアンとともに含まれている有機物を処理する方法としては、金属回収の前にオゾンもしくは紫外線によって処理する方法や、金属回収の後工程において、微生物を利用して分解をする方法が行われている。しかし、設備の規模が大きくなるなどの問題がある。
【0005】
また、近年、イオン交換樹脂法と電解法の併用による重金属イオンとシアンイオンを含有する電気めっきの水洗水処理法が特開昭51−94431号公報として提案されている。この方法によれば、先ず、めっき液の水洗水のうち、濃度の比較的高い水洗水を電解し、金属イオンを陰極上に析出し、回収後、陽極として二酸化鉛電極を用いてシアンイオンを一定の濃度(約1000ppm)まで電解酸化により分解し、残るシアンイオンを次亜塩素酸ナトリウムを添加して、酸化分解するという化学処理によるものである。この方法では、電解手段を採用しているものの、イオン交換樹脂法と同様に残留シアンイオンを次亜塩素酸ナトリウムの添加により処理しなければならず、過剰の次亜塩素酸イオンを後処理しなければ放流できず、まためっき工程において、水洗水として再利用不可能であるなどの問題を有している。さらに、イオン交換樹脂は水洗槽の最終段に設置されており、希釈されためっき液中の金イオンやシアンイオンを回収しているのみであり、従来のイオン交換樹脂法の問題点を回避することは不可能である。
【0006】
そこで、本発明者らは、特開平6−336700号公報において不溶性陽極と不溶性陰極より構成された電解槽により、貴金属シアン浴めっき排水および水洗水中の貴金属の回収、シアンの分解、および有機物の分解を行う方法を提案した。この方法は、貴金属の回収とシアンの分解を可能とする優れた方法であるが、シアンイオンを分解するのに要する時間が貴金属を電解回収するに要する時間より長くなり、シアンイオンをほぼ完全に分解するまでには、貴金属を電解回収するに要する時間の数倍を要する場合がある。すなわち、シアンを含むめっき排水および水洗水に溶存しているシアンイオンおよび有機配位子は錯形成能力が大きいため、貴金属イオン等と錯体を形成し安定化するために、直接の電解酸化が困難である。したがって、安定な錯体に配位しているシアンイオンや有機配位子を分解するためには、まず陰極上で金属イオンを電解還元し析出させ、シアンイオンや有機配位子を単独のイオンとして遊離した後に分解処理を行う必要がある。有機配位子によっては、分解してシアンイオンを生成したり、CODを増大させるために、長時間の電解処理をしなければならない場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シアンを含むめっき排水および水洗水などのシアン含有水に含まれている金属を回収し、シアンと有機物を短時間に同時に処理し、処理水を直接に放流あるは、水洗水として再利用可能なものとすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シアン含有水の処理方法において、シアン含有水を直流電流を通電した陽極および陰極によって電解槽において電解処理を行った後、該電解槽から排出された電解処理液を酸化処理槽において、酸素もしくは水以外の分解生成物を生じない酸化剤を用いて酸化処理を行うことにより金属の回収、シアンの分解、有機物の分解を行うシアン含有水の処理方法である。
また、不溶性陽極が鉛合金、二酸化鉛または白金族金属の合金、白金族金属の酸化物からなる電極触媒を電極基体上に形成した不溶性電極を使用した前記のシアン含有水の処理方法である。
不溶性陰極が、鉄、ニッケル、銅、クロム、アルミニウム、チタンもしくはこれらの合金、またはこれらに白金の被覆を施したもの、炭素、黒鉛である前記のシアン含有水の処理方法である。
陰極に紫外線照射を行いながら電解処理するか、あるいは不溶性陰極を通過した処理水に紫外線照射を行う前記のシアン含有水の処理方法である。
電解処理および紫外線処理を行った後に電気透析によって脱イオン化を行い、再使用する前記のシアン含有水の処理方法である。
また、不溶性陰極上に析出した金属をアルカリおよびシアンを含有する水溶液中において、析出金属を化学的に溶解、または陽極として通電して溶解して金属成分を回収する前記のシアン含有水の処理方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のシアン含有水の処理方法は、電解槽においてる電解処理を行った後、該電解槽から排出された電解処理液を酸化処理槽において、電解処理と、水もしくは酸素以外の分解生成物を生じない酸化剤による酸化処理槽とを組み合わせて、シアン含有水にシアンとともに含まれている金属を回収するとともに、有機物を分解して除去するものであり、処理した含有水を再度シアンめっきでの洗浄水等として再使用可能としたものである。
シアン含有水中に含まれているめっきの添加剤等の有機物が電解処理によって重合化する場合には、電解処理の前段でも酸化処理を行うことが好ましい。
また、電解処理と酸化剤による処理は、各処理をバッチ的に行っても、電解処理槽と酸化処理槽との間を循環させながら処理を行ってもよい。
【0010】
電解処理に使用する電解槽の陽極には、鉛、鉛合金、フェライト、白金族の金属またはその合金、白金族の金属の酸化物を電極触媒とする電極を用いることができ、電極基体上に電極触媒を被覆する場合には、チタン、タンタル、二オブ、ジルコニウムもしくはこれらの合金からなる耐食性金属を電極基体とすることが好ましい。また、陰極には、鉄、ニッケル、銅、クロム、アルミニウム、チタンもしくはこれらの合金、白金を電極触媒とする電極を用いることができる。
また、陽極、陰極には、板状体、とくに表面積が大きな多孔体、網状、すだれ状、または粒状のものが好適であり、粒状の電極を流動状態で電解する流動床電解槽を用いることができ、粒径が20〜2000μmのものを液体の流速で流動状態とすることができる。
【0011】
電解槽は、無隔膜電解槽であっても隔膜電解槽であっても良いが、流動床電解を行う場合には、流動床状態の電極と他方の電極との間に多孔性の隔膜を設けた電解槽を用いることが必要となる。
本発明の電解槽の一実施例を図1を示して説明する。電解槽1内には、陰極2と陽極3が対向して配置された単位電解槽4の複数個が設けられており、陰極および陽極は電解用電源に接続されている。各単位電解槽の間には、邪魔板5を設けて区画すると共に処理液が矢印で処理液の流れを示すように、各単位電解槽の陰極側から入り陽極側から出るように構成されており、処理液を充分に処理することが可能となる。
また、電解処理において通電する電流密度は、0.5A/dm2 ないし30A/dm2 が好ましい。通電時間の終点の決定は、電解液中の物質の濃度の測定によって行う。
【0012】
シアン含有水の酸化処理に用いる酸化剤は、分解によって酸素、水以外のものは発生しないものであり、オゾン、過酸化水素を挙げることができる。オゾンはオゾン含有気体あるいはオゾン水のいずれの形態で供給しても良い。オゾン発生装置としては、オゾン含有気体を発生する無声放電式のオゾン発生装置、オゾン水を発生する電解オゾン発生装置を用いることができる。
【0013】
酸化剤の供給は、電解処理用の電解槽とは別に設けた酸化処理槽中において行うことが好ましい。
また、電解処理用の電解槽の一部を区画して、酸化処理槽を設ける場合には、一般には、電解槽の出口側の流路に酸化処理槽を設けることが好ましい。また、電解処理によって重合反応を起こすおそれのあるめっき用の添加剤の有機物を含んでいる場合には、電解槽の入り口側の流路に酸化処理槽を設けることが好ましく、入り口側、出口側の両方に設けても良い。
【0014】
また、酸化処理槽には、紫外線照射装置を設けても良い。紫外線照射装置としては、短波長の紫外線を発生する低圧水銀ランプが挙げられる。紫外線は、水の励起によりヒドロキシラジカルを生成するとともに、オゾン、過酸化水素を励起して、酸素ラジカルやペルヒドロキシラジカルなどの活性種が生成してシアンや有機物の分解効率を高めるものと考えられる。また、紫外線照射処理によって含まれているめっき添加剤等の有機物が重合し、酸化分解することが困難となることがあるが、このような場合には、紫外線照射処理を酸化処理の後で行うことが好ましい。
【0015】
また、電解処理及び酸化処理を行った被処理水は、さらにイオン交換樹脂、電気透析、逆浸透等の方法によって脱イオン化を行うことにより、長期間にわたり水洗水等として再利用することが可能となり、めっき処理工程から排出される排水、水洗水のクローズド化が可能となる。とくに、被処理水に含まれているナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、硫酸イオン、リン酸イオン等のイオンの濃度が希薄である場合、または処理量が少ない場合は、イオン交換樹脂による方法でも処理可能であるが、イオン濃度が高く、処理量も多い場合は、イオン交換樹脂による方法では、イオン交換樹脂の再生処理のために大量の薬剤が必要となるので、薬剤が不要な電気透析、逆浸透等が有効である。電気透析法は、陽極と陰極の間に陰イオン交換膜、陽イオン交換膜、またはバイポーラ膜の任意の数量を積層した電解槽によって行うことが出来る。電気透析法に使用する陽極と陰極には、本発明の電解処理用に用いたものと同様の電極を使用することができる。
また、電気透析処理においては、処理液中の陽イオンと陰イオンは分離、濃縮され対応するアルカリ及び酸として回収し再利用することも可能である。また、電気透析槽を通過し、脱イオン化された処理液は直接放流またはめっき液の調整水、水洗水として再利用できる。
【0016】
さらに、本発明の処理方法では、電解とオゾンや過酸化水素による酸化処理を併用しているので、殺菌、滅菌効果により藻の発生を防止することができる。
【0017】
本発明において、オゾンや過酸化水素による酸化処理を電解処理前に施してもほとんど効果がみられない場合が多い。これは、シアンや有機配位子が金属イオンと錯形成し、安定化することによりオゾンや過酸化水素のような酸化剤に対して分解されることなく存在しているものと推察される。したがって、電解還元により錯形成した金属イオンを陰極上で金属として析出させた後に金属イオンに配位していたシアンや有機物を遊離させてオゾンや過酸化水素により酸化することが効果的である。
【0018】
これは、電解処理とともにオゾンや過酸化水素による酸化処理を行うため、電解によって金属を陰極上に析出した後、シアンや有機配位子が単独のイオンとなり、オゾンや過酸化水素によって分解可能となるため電解のみの場合に比べて数倍の効率でシアンの分解及びCODの低減を図ることが可能となった。また、陽極には、鉛、鉛合金、二酸化鉛、フェライト電極とともに、従来はシアンもしくは有機物の存在下では、これらを分解する能力に欠けるために使用することが出来なかった白金族の金属またはこれらの合金、白金族金属酸化物を電極触媒とし、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウムもしくはこれらの合金からなる耐食性金属電極基体に被覆してなる電極も使用することができる。
【0019】
さらに、EDTAのようなアミンを含有する化合物を含む液を鉛、鉛合金、二酸化鉛電極を陽極として電解処理すると、陽極酸化によりシアンが生成することが認められ、生成したシアンを分解するために、さらに過剰の電力と時間を要した。しかし、オゾンや過酸化水素による酸化処理を併用することにより、短時間でシアン及び有機物の分解が可能となった。さらに、白金族金属または白金族金属酸化物を電極触媒とする金属電極を陽極として電解処理した場合は、EDTAの分解とシアンの生成はみられなかった。またシアンの分解効率は、鉛、鉛合金、二酸化鉛電極に比べて劣るものの、オゾンや過酸化水素による酸化処理を併用することで短時間でシアン及びEDTAの分解が可能であった。
【0020】
また、従来の電解処理のみによるシアン及び有機物の分解効率は金属の回収効率の20%以下であり、電解処理に多大な時間と電力を要したのに比べて本発明の方法では、従来の電解処理のみに比べ2倍以上の分解効率が得られ、処理時間の短縮化、装置の小型化を図ることができる。
また、電解処理によって陰極に析出した金属は、薬剤による溶解、電気化学的な溶解処理によって溶解し、金属の塩として回収し、めっき原料として再利用することが可能である。
【0021】
例えば、金シアン浴めっき排水や水洗水を電解し、陰極上に析出、回収した金を水酸化カリウム、シアン化カリウムのような強アルカリとシアンイオンまたは有機酸の共存する水溶液中で、金を析出した陰極を陽極とし、対極上に金が析出しない条伴下にて電解処理することにより金を溶解させ、めっき原料として回収することができる。対極上に金を析出させない方法としては対極の電極電位を、基準電極に金を用いて金の析出電位よりも高い電位となる条伴で電解処理するか、またはイオン交換膜等の隔膜を用いて電解処理することにより、対極上に析出することを防止し、かつ溶解した金イオンを金めっきの原料であるシアン化金の塩として回収することも可能である。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1
容積が30dm3 の貯槽と、縦200mm、横165mmのチタン製エキスパンデッドメタルの基体上に二酸化鉛を被覆した陽極と、陽極と同じ形状のチタン製のエキスパンデッドメタルを陰極とし、2枚の陰極の中央に電極間距離を15mmとして陽極を設置した電解槽(内寸:幅40mm、横185mm、高さ210mm)と、ステンレス製の2個の円筒容器(内径100mm、高さ500mm)の間を酸性金めっき工程より排出された金めっき水洗水30dm3 を流量20dm3/分 で循環した。一方の円筒容器内の底部に設置した散気管よりオゾン含有気体(オゾン量4g/時)を処理液と対向して噴出させた。もう一方の円筒容器には、24Wの低圧水銀ランプを設置し処理液を通過させながら紫外線を照射した。陽極と陰極に直流電源により10Aの電流を通電して電解処理を行うとともに、処理時間を変化させ、処理液中の金イオン濃度をICP(誘導結合プラズマ分析装置 セイコー電子工業製SPS一1100型)によって、シアンはJIS法(JIS K0102)により、それぞれ測定し、その結果を図2に示し、またCODはJlS法(JIS K0101)によって測定し、その結果を図3に示す。
電解処理とオゾンによる処理を併用した場合、電解処理とオゾン処理、紫外線照射を併用した場合のいずれの場合も金濃度は同様に変化したが、紫外線照射を併用した場合の方が、シアン濃度、およびCODの減少が大であった。
【0023】
比較例1
オゾンの吹き込みを行わなかつた点を除き実施例1と同様に電解による処理、オゾンと紫外線照射処理の併用による処理及び電解と紫外線照射処理を行い、実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、その結果を図4に示し、またCOD濃度を実施例1と同様に測定して図5に示した。電解法のみの場合には、金の回収は良好であったが、シアン分解とCODの分解には多くの時間を要した。オゾンと紫外線照射処理の併用による処理の場合には、CODの分解は良好であったが、金回収及びシアン分解には全く効果がみられなかった。また、電解と紫外線照射処理を行った場合には、金回収とシアン分解に効果がみられたが、CODの低減には十分な効果が得られなかった。
【0024】
実施例2
実施例1と同じ条件にて無電解金めっき排水30dm3 を処理し、実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、その結果を図6に示し、またCOD濃度を実施例1と同様に測定して図7に示した。
【0025】
比較例2
電解処理と紫外線照射を併用した処理を行い、実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、その結果を図6に示し、またCOD濃度を実施例1と同様に測定して図7に示した。
金回収効率に関しては、実施例2および比較例2は、同じ結果であったが、シアン分解に関しては、比較例の電解処理、電解処理と紫外線照射併用処埋の場合には、シアンの増加がみられたが、本発明の方法では処理時間50時間で処理できた。また、COD値も比較例の方法よりも効率良く処理できることが判明した。実施例3
陽極として、チタン基体上に酸化イリジウムと酸化タンタル(70:30(重量比))からなる電極触媒を被覆した電極を用いた以外は、実施例2と同じ試験を行った。実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、その結果を図8に示し、またCOD濃度を実施例1と同様に測定して図9に示した。
【0026】
比較例3
電解処理及び電解処理と紫外線照射を併用した処理を行った。実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、その結果を図8に示し、またCOD濃度を実施例1と同様に測定して図9に示した。金回収効率に関しては、いずれの場合も同じ結果であったが、シアンの分解に関しては、電解処理のみでは、処理時間が60時間でも処理できなかったが、電解処理と紫外線照射の併用、または電解処理とオゾン処理の併用、電解処理と紫外線照射及びオゾン処理の併用では、シアンの増加もみられずに処理できた。しかしながら、電解処理と紫外線照射の併用法では、CODを低減することができなかった。一方、酸化イリジウムを電極触媒とする電極を用いた場合でも本発明の方法では、CODを短時間で低減することができた。
陽極として、チタン基体に白金めっき(3μm)を施した白金めっき電極を用いた以外は、実施例2と同様の条件で試験を行った。その結果も図8及び図9で示した結果と同等であった。
【0027】
実施例4
無電解金めっき排水(30dm3 )に過酸化水素(H22:30重量%)を添加しながら、実施例1と同じ条件で電解処理のみ、電解処理と紫外線照射併用処理及び電解と酸化剤による処理を行った。過酸化水素の添加方法は初期と1時間毎に0.02dm3 ずつ添加して、合計0.1dm3 を添加した。実施例1と同様に金濃度、シアン濃度を測定し、その結果を図10に示し、またCOD濃度を実施例1と同様に測定して図11に示した。酸化剤として過酸化水素を用いることにより、金の回収時間は変化しなかったか、シアン分解及びCOD低減に要する処理時間は実施例2で得られた結果(図6及び図7)より、さらに短縮できた。
【0028】
実施例5
縦100mm、横300mmの陰イオン交換膜(トクヤマ製AMH)と陽イオン交換膜(トクヤマ製CMX)で陽極室、中間室及び陰極室に分離した電気透析槽を脱イオン化を目的として用いた。陽極はチタン製エキスパンデッドメタル上に酸化イリジウムと酸化タンタルの複合酸化物(50モル%)を被覆した電極(電解有効面100mm×300mm)、陰極は陽極と同一の形状及び大きさのニツケル製エキスパンデッドメタルとし、陽極液として0.1mol/dm3 の硫酸水溶液、陰極液として0.1mol/dm3 の水酸化カリウム水溶液を用いた。
一方、金めっき水洗水を電流密度4A/dm2 の定電流電解処理とオゾン処理(オゾン発生量50g/時)及び紫外線照射処理(紫外線ランプ110W)を行った処理水を1500dm2/時 の流量で電気透析槽の中間室に供給し、1.6A/dm2 の電流密度の直流電流を通電して、電気透析処理を行い、電気透析処理された処理水を再び金めっき水洗水として再利用した。この操作を連続して10日間にわたり実施し、カリウムイオン濃度をICPによって測定し、、COD値の変化を実施例1と同様に測定した。また、めっき不良の有無を外観検査によって評価し、それらの結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
Figure 0003783972
【0030】
比較例5
電気透析処理を行わず紫外線照射処理を併用した電解処理を実施例4と同様の条件で行った処理液を水洗水として再利用し、実施例4と同様にカリウムイオン濃度、COD値の変化及びめっき不良の有無を測定した結果を表1に示した。 表1の結果より本発明の方法によればCOD値も低く、めっき状態も良好であったが、比較例の方法では、カリウムイオンの蓄積が顕著であり、8日目より水洗後のめっきの表面にしみが発生した。
【0031】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、電解槽において電解処理を行った後、該電解槽から排出された電解処理液を酸化処理槽において、酸素もしくは水以外の分解生成物を生じない酸化剤を用いて酸化処理を行うなったので、短時間で効率良く、金属の回収と有害なシアンを系外に放出することなく処理でき、かつ、処理水の再利用が可能であるため使用水量と排水の処理量を大幅に低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電解槽を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例における金、シアン濃度の変化を説明する図である。
【図3】本発明の一実施例におけるCODの変化を説明する図である。
【図4】本発明の比較例における金、シアン濃度の変化を説明する図である。
【図5】本発明の比較例におけるCODの変化を説明する図である。
【図6】本発明の他の実施例および比較例における金、シアン濃度の変化を説明する図である。
【図7】本発明の他の実施例および比較例におけるCODの変化を説明する図である。
【図8】本発明の他の実施例および比較例における金、シアン濃度の変化を説明する図である。
【図9】本発明の他の実施例および比較例におけるCODの変化を説明する図である。
【図10】本発明の他の実施例における金、シアン濃度の変化を説明する図である。
【図11】本発明の他の実施例におけるCODの変化を説明する図である。
【符号の説明】
1…電解槽、2…陰極、3…陽極、4…単位電解槽、5…邪魔板

Claims (7)

  1. シアン含有水の処理方法において、シアン含有水を直流電流を通電した陽極および陰極によって電解槽において電解処理を行った後、該電解槽から排出された電解処理液を酸化処理槽において、酸素もしくは水以外の分解生成物を生じない酸化剤を用いて酸化処理を行うことにより金属の回収、シアンの分解、有機物の分解を行うことを特徴とするシアン含有水の処理方法。
  2. 電解処理に用いる陽極が、鉛、鉛合金、二酸化鉛、フェライト又は白金族の金属のあるいは合金又は白金族の金属の酸化物からなる電極触媒を電極基体上に形成した電極であることを特徴とする請求項第1項記載のシアン含有水の処理方法。
  3. 電解処理に用いる陰極が、鉄、ニツケル、銅、クロム、アルミニウム、チタン、もしくはこれらの合金、又はこれらに白金を被覆を施したもの、又は炭素、黒鉛であることを特徴とする請求項第1または2項記載のシアン含有水の処理方法。
  4. 酸化剤が過酸化水素、オゾンであることを特徴とする請求項第1〜3項のいずれか1項記載のシアン含有水の処理方法。
  5. 酸化処理時に紫外線照射を行うことを特徴とする請求項第1〜4項のいずれか1項記載のシアン含有水の処理方法。
  6. 処理水をそのままもしくは脱イオン処理した後に再使用することを特徴とする請求項第1〜5項のいずれか1項記載のシアン含有水の処理方法。
  7. シアン含有水中の金属の再利用方法において、シアン含有水を直流電流を通電した陽極および陰極によって電解槽において電解処理を行った後、該電解槽から排出された電解処理液を酸化処理槽において、酸素もしくは水以外の分解生成物を生じない酸化剤を用いて酸化処理を行うことにより金属の回収、シアンの分解、有機物の分解を行ない、電解槽において電極上に析出した金属を化学的、もしくは電気化学的に溶解し、再利用することを特徴とするシアン含有水中の金属の再利用方法。
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