JPH09221811A - 簡易水洗便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラップ弁の故障発生を防止する。フラップ
弁の閉止状態でのロック操作と便器内の水溜め操作と汚
物等の洗浄排出操作とを誤りなく行なう。 【解決手段】 操作レバー３を一方向へ回転するとロッ
ク手段２５によりラック１９が固定されてフラップ弁７
が閉弁状態でロックし且つ給水アーム１６が給水弁４を
開く給水モードとなり、操作レバー３から手を離すとフ
ラップ弁７のロック状態を維持しつつ給水弁４を閉じる
溜水モードとなり、操作レバー３を他方向に回転すると
ピニオン１８の回転力によりラック１９の固定が解除さ
れてフラップ弁７が開かれると共に給水弁４を開く洗浄
排出モードとなり、操作レバー３から手を離すとフラッ
プ弁７が閉じられると共に給水弁４が閉じられる初期モ
ードとなる。各モードが１つの操作レバー３の操作で切
り替え可能とされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、簡易水洗便器に
関し、詳しくは例えば少量の水を用いて便器の洗浄水及
び汚物をくみ取り式弁槽へ排出する簡易水洗便器に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種の簡易水洗便器におい
て、便器ボウル５０内に溜水するためにフラップ弁５１
を便器排出口５２へ押し付けて閉状態にする方法とし
て、例えば図６のように、フラップ弁５１の回転軸に取
付けられるシャフト５４に引張りバネ５５を連結し、引
張りバネ５５の付勢力を利用してフラップ弁５１を便器
排出口５２に押し付ける方法が知られている。尚図中の
２はロータンク、２０はシャフト５４を操作するワイヤ
である。

【０００３】また他の従来例として、例えば実公平３−
１５６６６号公報には、図７に示すように、フラップ弁
５１のシャフト５４の先端にバランス式の錘２４′を取
付け、錘２４′の荷重を利用してフラップ弁５１を便器
排出口５２に押し付ける方法が知られている。尚図中の
２はロータンク、２０はシャフト５４を操作するワイ
ヤ、８０，８１はリム通水路である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、図６に示す
ようなフラップ弁５１を便器排出口５２に対して引張り
バネ５５で押し付ける従来技術では、フラップ弁５１を
開く方向に回転させると引張りバネ５５が更に伸び、バ
ネ５５力が増大して、大きな操作力が必要となり、老人
とか小さな子供にとって負担が大きくなる。しかもフラ
ップ弁５１が閉じる時にバネ５５力が大きいために勢い
良くフラップ弁５１が閉まり、大きな音を発するという
問題もあり、さらに引張りバネ５５が伸び縮みするため
に使っている間にバネ折れ等の故障が発生し易く、この
場合、フラップ弁５１が開いたままの状態となるため、
弁槽内の悪臭が便器排出口５２から漏れてくるという問
題もある。

【０００５】一方、図７に示すようなバランス式の錘２
４′の荷重を利用してフラップ弁５１を便器排出口５４
に押し付ける従来技術では、バネ折れ等の故障は発生し
ないが、しかしながらこの従来技術では図８〜図１０に
示すように、２つの給水ハンドル６０と排水ハンドル６
１を個別に操作可能となるように組み合わせ、各ハンド
ル６０，６１を個別に操作してフラップ弁５１のロック
操作と、溜水操作と、洗浄排水操作との３動作を行なっ
ているため操作が複雑となる。つまり排水ハンドル６１
を図１０（ａ）の矢印イ方向に回転させると、ピニオン
６２と噛み合うラック（図示せず）が僅かに上昇してワ
イヤ２０がシャフト５４を引張ってフラップ弁５１を閉
じた状態でロックし、その後給水ハンドル６０を図１０
（ａ）の矢印ロ方向に回動させると、ロータンク６５内
の給水弁に接続される吊軸６６が持ち上げられ、給水口
が開いて便器ボウル５０内に水が溜められる。そして、
用便後に排水ハンドル６０を図１０（ｂ）の矢印ハ方向
に回転するとラックが下降してフラップ弁５１を開き、
便器排出口５４が開放されて汚物等の排出が行なわれる
ものであり、このようなハンドル６０，６１の操作は極
めて複雑であり、特に老人とか小さな子供にとって操作
ミスが生じ易い。例えばフラップ弁５１を閉じる溜水操
作を行なう時に誤って２つのハンドル６０，６１を同時
に操作して洗浄排水操作を行なうと、便器ボウル内に折
角溜めた水が弁槽に排出して、水が無駄となり、そのう
え弁槽が満杯になる期間が短くなり、くみ取りの頻度が
増すという問題がある。

【０００６】本発明は、上記点に鑑みてなされたもの
で、フラップ弁の故障発生を防止できると共に、フラッ
プ弁の閉止状態でのロック操作と便器内の水溜め操作と
汚物等の洗浄排出操作とを誤りなく行なうことができる
簡易水洗便器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ロータンク２内の水を便器１に供給する
給水弁４と、便器排出口６を開閉するフラップ弁７とを
備えた簡易水洗便器において、ロータンク２に操作レバ
ー３が回動自在に取付けられると共に、操作レバー３の
回転に連動して給水弁４を開閉する給水アーム１６と、
フラップ弁７を開閉するフラップ弁開閉機構８とが設け
られ、このフラップ弁開閉機構８は、操作レバー３の回
転軸１５と一体に回転するピニオン１８と、ピニオン１
８に係脱可能に係合するラック１９と、ラック１９と一
体に移動してフラップ弁７を開く方向に付勢するケーブ
ル２０と、フラップ弁７のシャフト３１に取付けられて
フラップ弁７を閉じる方向に付勢する錘部材２４と、操
作レバー３によりピニオン１８が回転してラック１９が
ピニオン１８から外れた時にこのラック１９を固定して
ケーブル２０によるフラップ弁７の閉状態を保持するロ
ック手段２５とを備え、上記操作レバー３を一方向に回
転した時にロック手段２５によりラック１９が固定され
てフラップ弁７が閉弁状態でロックされると共にピニオ
ン１８がラック１９から外れてラック１９に対して非係
合な空回り状態となりこのピニオン１８の回転に連動し
て給水アーム１６が給水弁４を開いてロータンク２内の
水を便器１に供給する給水モードとなり、この給水モー
ドにおいて操作レバー３から手を離した時にロック手段
２５によるラック１９のロック状態を維持しつつ給水ア
ーム１６がフリーな状態となり給水弁４の荷重によって
給水弁４が閉じられて便器１への水の供給が停止する溜
水モードとなり、上記操作レバー３を他方向に回転した
時にラック１９と係合するピニオン１８の回転力により
ロック手段２５によるラック１９のロック状態が解除さ
れてラック１９がケーブル２０を駆動してフラップ弁７
を閉く方向に付勢して便器排出口６を開放すると共にピ
ニオン１８の回転に連動して給水アーム１６が給水弁４
を開いてロータンク２内の水を便器１に供給する洗浄排
出モードとなり、この洗浄排出モードにおいて操作レバ
ー３から手を離した時にラック１９がフリーな状態とな
り錘部材２４の荷重によってフラップ弁７が閉じられる
と共に給水アーム１６がフリーな状態となり給水弁４の
荷重によって給水弁４が閉じられる初期モードに復帰
し、上記給水モードと溜水モードと洗浄排出モードと初
期モードとが１つの操作レバー３の操作で切り替え可能
とされて成ることを特徴としており、このように構成す
ることで、１つの操作レバー３を２方向に回転させるだ
けで、フラップ弁７の閉止状態でのロックと便器１内の
水溜めと汚物等の洗浄排出とを順次行なうことができ、
操作レバー３の操作が簡単になる。しかもフラップ弁７
を便器排出口６を閉じる方向に押し付けた状態でのロッ
クをラック１９に対するロック手段２５で行なうことに
よって、従来のようなバネ折れ等の故障の心配がなく、
フラップ弁７の閉止時の騒音とか、フラップ弁７の故障
による悪臭発生に悩まされることがない。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の一例を
説明する。本実施形態の簡易水洗便器は、図１に示すよ
うに、便器１の後部上面に内部に水が溜められるロータ
ンク２が設置されている。ロータンク２の外側面には１
つの操作レバー３が回動自在に取付けられており、この
操作レバー３に関連してロータンク２内の給水弁４の開
閉を行なう給水弁開閉機構５と、便器排出口６を開閉す
るフラップ弁７の開閉を行なうフラップ弁開閉機構８と
が設けられている。尚図１中の９は水道管１０に連結さ
れるボールタップ、１１は手洗い用の吐水具、１２はオ
ーバーフロー管、１３は屋外排水管、８０は便器ボウル
１ａ内に面して前後に配置されるノズル部である。

【０００９】上記給水弁開閉機構５は、ロータンク２内
に収納され、操作レバー３の回転軸１５と一体に回転す
る略Ｌ形の給水アーム１６と、給水アーム１６の先端と
ロータンク２の底面に設けた給水口２ａを開閉する給水
弁４とを接続する鎖等の連結部材１７とで構成されてい
る。一方、フラップ弁開閉機構８は、操作レバー３の回
転軸１５と一体に回転するピニオン１８と、これに噛み
合うラック１９と、ラック１９の移動に連動してフラッ
プ弁７を開く方向に付勢するケーブル２０と、フラップ
弁７のシャフトに設けられてフラップ弁７を閉じる方向
に付勢する錘部材２４と、ピニオン１８がラック１９に
対して非係合な空回り可能な状態となった時にラック１
９を固定してフラップ弁７の閉状態を保持するロック手
段２５とで構成されており、上記ピニオン１８とラック
１９とロック手段２５とが、ロータンク２内に収納され
た偏平状のギアケース２３内に収納されている。

【００１０】上記ロック手段２５は、ラック１９の背面
に設けられるロック用突起２６と、このロック用突起２
６に係合するロック部材２７と、このロック部材２７を
ロック用突起２６に向けて弾性的に押し付けるロックバ
ネ２８とから成り、ロック部材２７とロックバネ２８は
ギアケース２３の背面に突設した小筒部２９に収納され
ている。そして、ピニオン１８の回転によりロック用突
起２６がロック部材２７でロックされたり、解除される
ものである。ここでロックバネ２８のバネ力は、ピニオ
ン１８とラック１９との係合状態においてピニオン１８
によるラック１９の押し下げが行なわれた時にロック部
材２７がロック用突起２６から外れてラック１９のロッ
ク状態が解除され、且つピニオン１８の回転によってラ
ック１９の押し上げが行なわれた時にはロック部材２７
がロック用突起２６に係合してラック１９をロックでき
るようなバネ力に設定されている。

【００１１】また、上記ギアケース２３の下端には縦長
のケーブルケース２２が突設されており、便器１側の弁
ケース２９近傍にはケーブルガイド３０が設けられてお
り、このケーブルケース２２の下端とケーブルガイド３
０との間に亘ってアウターケーブル２１が支承されると
共に、アウターケーブル２１内に上記ケーブル２０が移
動自在に収納されている。このケーブル２０はアウター
ケーブル２１の全長よりも長く形成され、アウターケー
ブル２１の一端から突出するケーブル２０の一端２０ａ
側がケーブルケース２２内でラック１９の下端に連結さ
れると共に、アウターケーブル２１の他端から突出する
ケーブル２０の他端２０ｂ側がフラップ弁７の回転軸１
４に取付けたシャフト３１に連結されている。これによ
り、ラック１９の下降時にはケーブル２０がアウターケ
ーブル２１内を図１の矢印方向Ａに向けて前進移動して
シャフト３１を押し上げてフラップ弁７が開く方向に付
勢されるようになっている。

【００１２】一方、フラップ弁７を閉じる方向に付勢す
る錘部材２４は、フラップ弁７の回転軸１４に取付けた
シャフト３１の先端に取付けられており、フラップ弁７
を閉じた状態でラック１９がフリーな状態になった時に
は、この錘部材２４の荷重によってシャフト３１が下降
し、フラップ弁７が開く方向に付勢されるものである。
また錘部材２４の荷重によってケーブル２０がアウター
ケーブル２１内を図１の矢印Ｂ方向に後退移動してラッ
ク１９を押し上げることによって、初期モードに自動的
に復帰できるようになっている。この錘部材２４の重さ
は、従来のバランス式の錘よりも重く、フラップ弁７上
に汚物、汚水等の荷重が付加されても開き難く、フラッ
プ弁７の開放操作に対してそれほど負担がかからない程
度に設定されている。

【００１３】次に動作を説明する。図２は操作前の初期
状態を示している。この状態では、操作レバー３は下向
きにあり、操作レバー３の回転軸１５に一体に設けた給
水アーム１６も下向きにあり、給水弁４はロータンク２
の給水口２ａを閉じた状態にあり、一方、ピニオン１８
と係合しているラック１９は上昇位置に保持されてお
り、フラップ弁７は閉じ状態にある。このときラック１
９のロック用突起２６にはロック部材２７は係合してお
らず、一方、フラップ弁７の回転軸１４のシャフト３１
に取付けた錘部材２４の荷重によってフラップ弁７は便
器排出口６に押し付けられていて、便器排出口６上に水
が溜められている。従って、弁槽からの悪臭の上昇が防
がれている。

【００１４】使用者は、用便を足す前に、操作レバー３
を左回り方向Ｄ（反時計回り方向）に少し回転すると、
図３に示すように、ピニオン１８が僅かに回転し、ラッ
ク１９が僅かに上昇し、ケーブル２０を引っ張り上げ
て、フラップ弁７を便器排出口６に押し付けると同時
に、ラック１９のロック用突起２６にロック部材２７が
係合してラック１９がロックされ、ケーブル２０及びシ
ャフト３１のロックによってフラップ弁７が閉状態にロ
ックされる。またこれと同時に、ピニオン１８がラック
１９から外れて空回り可能な状態となり、この状態から
操作レバー３を更に左回り方向Ｄ（反時計回り方向）に
約９０°回転させると、図４に示すように、ピニオン１
８は空回りし、上側のストッパ９０に当接するまで回す
ことができる。このときピニオン１８に連結された給水
アーム１６が同じように回転して連結部材１７を引っ張
って給水弁４を開き、ロータンク２の給水口２ａから水
が便器１内に供給される（給水モード）。その後、操作
レバー３から手を離すとロック手段２５によるラック１
９のロック状態を維持しつつ給水アーム１６がフリーな
状態となり、給水弁４の荷重によって給水弁４が閉じら
れて便器１への水の供給が停止する溜水モード（図２の
状態）となり、この状態で用便を足す。

【００１５】用便後に、操作レバー３を右回り方向Ｃ
（時計回り方向）に９０°回転すると、図５に示すよう
に、ピニオン１８がラック１９に噛み合いながら回転
し、ピニオン１８の回転力によってロック部材２７がロ
ック用突起２６から離脱してラック１９のロック状態が
解かれ、ピニオン１８は下側のストッパ９１に当たるま
で回転し、一方、ラック１９が下降し、ケーブル２０が
シャフト３１を押し上げ、フラップ弁７が全開状態とな
り、便器ボウル１ａ内の汚物と汚水が排出されると同時
に、給水アーム１６が再び給水弁４を開き、洗浄水が便
器１１へ供給され、便器ボウル１ａ内を洗浄する（洗浄
排出モード）。汚物が排出されたのを確認した後、操作
レバー３から手を放すと、ピニオン１８とラック１９が
フリーな状態となり、シャフト３１の先端に設けた錘部
材２４の荷重によってシャフト３１が下降し、フラップ
弁７が閉じられると共に、ケーブル２０がラック１９を
押し上げて、図２の初期モードに戻る。

【００１６】しかして、１つの操作レバー３を右に９０
°回転させる動作と、左に９０°回転させる動作とを行
なうだけで、フラップ弁７の閉状態でのロックと水溜め
と洗浄排出とを行なうことができ、操作レバー３の操作
が簡単になる。従って、誤操作の心配がなくなり、無駄
な水を弁槽に排出することもなくなり、節水ができ、弁
槽のくみ取りの頻度も少なくなる。しかも、フラップ弁
７の閉方向への押し付け状態でのロックをラック１９に
設けたロック用突起２６とこれに係合するロック部材２
７とロックバネ２８とより成るロック手段２５で行なっ
ており、従来のようなフラップ弁７に対して大きな力を
発生させる引張りバネを用いないために、バネ折れ等の
故障の心配がなくなり、従って、フラップ弁７が開いた
ままになって、弁槽から便器排出口６を介して漏れる悪
臭に悩まされたり、或いはフラップ弁７の閉止時の衝撃
音に悩まされたりすることがなくなる。

【００１７】またギアケース２３の内側にピニオン１８
の回転角度を規制するストッパ９０，９１を設けたこと
によって、ピニオン１８の必要以上の回転を阻止できる
ので、ピニオン１８がラック１９から外れて空回りする
給水モードと、ピニオン１８をラック１９と係合した状
態で回転させる洗浄排出モードとを容易に切り換えるこ
とができ、操作性が良くなる。そのうえ、ロータンク２
内の水を便器ボウルａの前後のノズル８０から夫々噴射
させるようにしたから、便器ボウル１ａの洗浄効率が一
層良好となり、しかも必要以上の水を使用しなくて済む
ので、より経済的となる。

【００１８】尚上記実施形態では、操作レバー３を左回
り方向に回転させて給水モードとし、右回り方向に回転
させて洗浄排出モードとしたけれど、操作レバー３を右
回り方向に回転させて給水モードとし、左回り方向に回
転させて洗浄排出モードとするものであってもよいのは
勿論のことである。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ロータ
ンク内の水を便器に供給する給水弁と、便器排出口を開
閉するフラップ弁とを備えた簡易水洗便器において、ロ
ータンクに操作レバーが回動自在に取付けられると共
に、操作レバーの回転に連動して給水弁を開閉する給水
アームと、フラップ弁を開閉するフラップ弁開閉機構と
が設けられ、このフラップ弁開閉機構は、操作レバーの
回転軸と一体に回転するピニオンと、ピニオンに係脱可
能に係合するラックと、ラックと一体に移動してフラッ
プ弁を開く方向に付勢するケーブルと、フラップ弁のシ
ャフトに取付けられてフラップ弁を閉じる方向に付勢す
る錘部材と、操作レバーによりピニオンが回転してラッ
クがピニオンから外れた時にこのラックを固定してケー
ブルによるフラップ弁の閉状態を保持するロック手段と
を備え、上記操作レバーを一方向に回転した時にロック
手段によりラックが固定されてフラップ弁が閉弁状態で
ロックされると共にピニオンがラックから外れてラック
に対して非係合な空回り状態となりこのピニオンの回転
に連動して給水アームが給水弁を開いてロータンク内の
水を便器に供給する給水モードとなり、この給水モード
において操作レバーから手を離した時にロック手段によ
るラックのロック状態を維持しつつ給水アームがフリー
な状態となり給水弁の荷重によって給水弁が閉じられて
便器への水の供給が停止する溜水モードとなり、上記操
作レバーを他方向に回転した時にラックと係合するピニ
オンの回転力によりロック手段によるラックのロック状
態が解除されてラックがケーブルを駆動してフラップ弁
を閉く方向に付勢して便器排出口を開放すると共にピニ
オンの回転に連動して給水アームが給水弁を開いてロー
タンク内の水を便器に供給する洗浄排出モードとなり、
この洗浄排出モードにおいて操作レバーから手を離した
時にラックがフリーな状態となり錘部材の荷重によって
フラップ弁が閉じられると共に給水アームがフリーな状
態となり給水弁の荷重によって給水弁が閉じられる初期
モードに復帰し、上記給水モードと溜水モードと洗浄排
出モードと初期モードとが１つの操作レバーの操作で切
り替え可能とされて成るから、１つの操作レバーを２方
向に回転させるだけで、フラップ弁の閉止状態でのロッ
クと便器内の水溜めと汚物等の洗浄排出とを誤りなく行
なうことができ、操作レバーの操作が簡単になる。従っ
て、誤操作の心配がなくなり、無駄な水を弁槽に排出す
ることもなくなり、節水ができ、弁槽のくみ取りの頻度
も少なくなる。また、フラップ弁の閉方向への押し付け
状態でのロックをラックに１するロック手段で行なって
いるので、従来のようなフラップ弁に対して大きな力を
発生させる引張りバネを用いる必要がなく、バネ折れ等
の故障がなくなり、従って、フラップ弁が開いたままに
なって、弁槽から便器排出口を介して漏れる悪臭に悩ま
されたり、或いはフラップ弁の閉止時の衝撃音に悩まさ
れる心配がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の一例を示す斜視図である。

【図２】同上の操作レバーの初期状態を説明する断面図
である。

【図３】同上の初期状態から給水モードへ移行する途中
の状態を説明する断面図である。

【図４】同上の給水モードを説明する断面図である。

【図５】同上の洗浄排出モードを説明する断面図であ
る。

【図６】従来の簡易水洗便器の要部断面図である。

【図７】他の従来例の断面図である。

【図８】図７の要部断面図である。

【図９】図７の操作ハンドルの分解斜視図である。

【図１０】（ａ）（ｂ）は図７の操作ハンドルの操作の
説明図である。

【符号の説明】

１ 便器 ２ ロータンク ３ 操作レバー ４ 給水弁 ５ 給水弁開閉機構 ６ 便器排出口 ７ フラップ弁 ８ フラップ弁開閉機構 １６ 給水アーム １７ 連結部材 １８ ピニオン １９ ラック ２０ ケーブル ２４ 錘部材 ２５ ロック手段 ３１ シャフト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロータンク内の水を便器に供給する給水
   弁と、便器排出口を開閉するフラップ弁とを備えた簡易
   水洗便器において、ロータンクに操作レバーが回動自在
   に取付けられると共に、操作レバーの回転に連動して給
   水弁を開閉する給水アームと、フラップ弁を開閉するフ
   ラップ弁開閉機構とが設けられ、このフラップ弁開閉機
   構は、操作レバーの回転軸と一体に回転するピニオン
   と、ピニオンに係脱可能に係合するラックと、ラックと
   一体に移動してフラップ弁を開く方向に付勢するケーブ
   ルと、フラップ弁のシャフトに取付けられてフラップ弁
   を閉じる方向に付勢する錘部材と、操作レバーによりピ
   ニオンが回転してラックがピニオンから外れた時にこの
   ラックを固定してケーブルによるフラップ弁の閉状態を
   保持するロック手段とを備え、上記操作レバーを一方向
   に回転した時にロック手段によりラックが固定されてフ
   ラップ弁が閉弁状態でロックされると共にピニオンがラ
   ックから外れてラックに対して非係合な空回り状態とな
   りこのピニオンの回転に連動して給水アームが給水弁を
   開いてロータンク内の水を便器に供給する給水モードと
   なり、この給水モードにおいて操作レバーから手を離し
   た時にロック手段によるラックのロック状態を維持しつ
   つ給水アームがフリーな状態となり給水弁の荷重によっ
   て給水弁が閉じられて便器への水の供給が停止する溜水
   モードとなり、上記操作レバーを他方向に回転した時に
   ラックと係合するピニオンの回転力によりロック手段に
   よるラックのロック状態が解除されてラックがケーブル
   を駆動してフラップ弁を閉く方向に付勢して便器排出口
   を開放すると共にピニオンの回転に連動して給水アーム
   が給水弁を開いてロータンク内の水を便器に供給する洗
   浄排出モードとなり、この洗浄排出モードにおいて操作
   レバーから手を離した時にラックがフリーな状態となり
   錘部材の荷重によってフラップ弁が閉じられると共に給
   水アームがフリーな状態となり給水弁の荷重によって給
   水弁が閉じられる初期モードに復帰し、上記給水モード
   と溜水モードと洗浄排出モードと初期モードとが１つの
   操作レバーの操作で切り替え可能とされて成ることを特
   徴とする簡易水洗便器。