JPH0921806A - 組織検査方法 - Google Patents

組織検査方法

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JPH0921806A
JPH0921806A JP7192642A JP19264295A JPH0921806A JP H0921806 A JPH0921806 A JP H0921806A JP 7192642 A JP7192642 A JP 7192642A JP 19264295 A JP19264295 A JP 19264295A JP H0921806 A JPH0921806 A JP H0921806A
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JP
Japan
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tissue
vpf
breast cancer
diagnosis
tumor
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Pending
Application number
JP7192642A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakazu Toi
雅和 戸井
Mitsuya Hanatani
満也 花谷
Shinichi Kondo
伸一 近藤
Iwao Omori
巌 大森
Katsuhiko Matsuo
克彦 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組織抽出液から、当該組織の腫瘍状態を予
測する方法を提供することを目的とする。 【構成】 ヒト組織抽出液中の血管透過性因子の存在
量を測定して当該組織の腫瘍状態を予測する組織検査方
法。 【効果】 腫瘍組織抽出液中のVPF濃度を測定する
ことにより、血管発生の定量が簡便に且つ良好にでき、
乳癌の診断および乳癌の予後の診断に応用でき、本発明
方法を利用した乳癌の診断は、乳癌の診断に用いられて
きた微小血管密度測定に代わり得る臨床上非常に有用な
ものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組織抽出液中におけ
る、血管新生を誘導する因子として知られている血管内
皮細胞増殖因子あるいは血管透過性因子(vascular endo
thelial growthfactor or vascular permeability fact
or, 以下VPFと略す)と呼ばれている因子の存在量を
測定することにより、当該組織の腫瘍状態を予測する方
法に関するものであり、医薬業界、特に検査薬業界さら
には生化学検査業界において利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】最近、生体内に存在する生理活性物質す
なわち非常に微量で薬理作用を現わす物質などの微量物
質を診断マーカーや治療効果の判定あるいは術後のモニ
タリングなどの指標として用いることが広く行われてい
る。一方、血管新生すなわち毛細血管内皮細胞の増殖、
移動および組織への浸潤という現象は胎児の生長、創傷
治癒、癌細胞の増殖などの生理的または病理的現象にお
いて重要な役割を果たしていることが知られ[(Folkman,
J.,Cancer Res.46:467(1986)]、血管新生を誘導する因
子として、直接的に血管内皮細胞に作用する塩基性線維
芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor,bFG
F)、酸性線維芽細胞増殖因子(acidic fibroblast growt
h factor,aFGF)、血小板由来内皮細胞増殖因子(platele
t-derived endothelial cell growth factor,PD-ECGF)
などが、また間接的に血管内皮細胞に作用する物質とし
てtransforming growth factor-α(TGF-α)、transform
ing growth factor-β(TGF-β)、angiogenin、tumor ne
crosis factor-α(TNF-α)などが見つけられている[Fol
kman,J. & Shing,Y.,J.Biol.Chem.,267:10931(1992)]。
【0003】これらのなかでもVPFは、マウス、ラッ
ト、モルモット、ウシおよびヒトの正常または腫瘍細胞
株で分泌されており、また組織別では脳、下垂体、腎
臓、卵巣に存在することが明らかにされており[(Ferrar
a,N., et.al. Endocrine Reviews 13:18(1992)]、ヒト
VPFは乳癌の血管新生と転移[Weider,N, et.al. N.En
gl.J.Med. 324:1(1991)]や腎細胞癌の血管新生[医学の
あゆみ,168:231(1994)]、あるいは網膜疾患における血
管新生[Adamis,A.P. et.al., Biochem.Biophys.Res.Com
m.,193:631(1993)]に関与していることが報告されてい
る。これらのことより、腫瘍細胞株で分泌されたVPF
量を測定することは、癌の診断や転移の予測あるいは治
療効果の判定などに有用であるとされ種々の検討がなさ
れている。さらに、血管新生のマーカーとして腫瘍組織
内の微小血管密度が予後因子として注目されており、乳
癌においても微小血管密度が高い患者は予後が悪いこと
が報告されている。また、乳癌の場合、VPFの発現と
微小血管密度に高い相関性があることが示されている(T
oi et al., Jpn J. Cancer Res, vol. 85, p.1045-104
9, 1994)。
【0004】しかしながら、VPFの発現や微小血管密
度の測定は、各々VPF及びfactorVIIIに対する特異
抗体を用いた免疫組織染色法により測定しているため、
定量性が悪く、再現性のよい測定をすることが非常に困
難なものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは乳癌の診
断、特に予後の診断に有効に利用される方法として、腫
瘍組織内VPFの発現や微小血管密度を測定する代わり
に、より簡便で定量性のある方法を見いだすために検討
を行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、腫瘍組織
内VPF濃度を測定することにより、当該組織の腫瘍状
態を予測することができ、更には乳癌の診断、特に予後
の診断にそれがが応用し得ることを見出して本発明を完
成したのである。すなわち、本発明は、ヒト組織抽出液
中のVPF(血管透過性因子)の存在量を測定して当該組
織の腫瘍状態を予測することを特徴とする組織検査方法
に関するものである。
【0007】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明において、VPFの測定には、標識免疫測定法を用
いるのが好ましく、標識免疫測定法としては、ヒトVP
Fに対するモノクローナル抗体やポリクローナル抗体を
用いたサンドイッチ法等の酵素免疫測定法を挙げること
ができる。ヒトVPFに関しては、その遺伝子について
は cDNAがすでに単離されて塩基配列が決定され、ア
ミノ酸配列も推定されている。この遺伝子からアミノ酸
残基数の異なる4種類の蛋白(アミノ酸残基数が121
個、165個、189個、206個の4種類)が作ら
れ、それらの中で121個のアミノ酸残基数のもの(V
PF121)と165個のアミノ酸残基数のもの(VPF16
5)が成熟蛋白であると言われており[(Ferrara,N., et.a
l. Endocrine Reviews 13:18(1992)]、本発明等は、既
に、ヒトVPF121に対するモノクローナル抗体及びポ
リクローナル抗体を取得しており、そのモノクローナル
抗体およびヒトVPF121に対するポリクローナル抗体
を用いた酵素免疫測定法によりVPFが測定できること
を明らかにしており(特許出願済「ペプチドおよびモノ
クローナル抗体」出願日平成6年6月10日)、さらに
酵素免疫測定法におけるVPFの検出法において、数pg
/mlのVPFを検出できる方法を明らかにしており(特許
出願済「血管透過性因子の測定方法」出願日平成7年5
月16日)、それらの抗体や測定法が本発明にも適用さ
れ且つ本発明にとり好ましい方法である。標識免疫測定
法によりVPFを測定する際の標識としては赤血球、ラ
テックス、放射性同位元素、酵素、発光物質、蛍光物
質、金属分子、金属ゲル、バクテリオファージなどが挙
げられるか、発光物質を用いるのが好ましい。すなわ
ち、本発明者等が先に提案した酵素の基質として発光基
質を用いて発生する光を測定する化学発光を応用した測
定方法、化学発光検出系酵素免疫測定法が好ましい方法
である。
【0008】
【作用】本発明によれば、ヒト組織抽出液中のVPF
を、微量のものでも高感度に測定することができ、その
測定値から当該組織の腫瘍状態を予測でき、それを利用
して乳癌を診断し、乳癌の予後が予測できるのである。
【0009】
【実施例】
(1)抗VPFポリクローナル抗体の作製 単離したヒトVPF cDNAをグルタチオンS-トラン
スフェラーゼ(GST)との融合蛋白(GST−VPF)と
して大腸菌で産生させ、得られた蛋白を抗原として常法
に従ってウサギ抗VPFポリクローナル抗体を作製し
た。抗体価の上昇したウサギの血清を分離し、陰イオン
交換カラムクロマトグラフィーによりウサギ抗VPFポ
リクローナル抗体のIgG画分を得た。
【0010】(2)抗VPFポリクローナル抗体の酵素
標識 IgG画分の一部をペプシンで消化してF(ab')2を調製
後、ヒンジ法によりアルカリフォスファターゼ(ウシ小
腸由来)と結合させ、アルカリフォスファターゼ標識し
たウサギ抗VPFポリクローナル抗体を得た。
【0011】(3)腫瘍組織内VPF濃度の測定 乳癌患者から摘出した腫瘍組織中のVPF濃度を以下に
示すように、化学発光検出法を用いた酵素免疫測定法に
より測定した。腫瘍組織(0.2g)は0.25%Triton X
−100を含む50mM Tris−Cl, pH7.4(2ml)中
でホモジナイズして抽出し、試料とした。抗VPFポリ
クローナル抗体(5μg/ml)を100μl/wellずつ96穴
プレートにまき4℃で一晩放置した後、0.1%ウシ血
清アルブミン(BSA)、PBSで4回洗浄した。1%B
SA、0.1M塩化ナトリウム、0.1%アジ化ナトリウ
ム、0.2M炭酸ナトリウム緩衝液 PH9.5でブロッキ
ング(室温で1時間)した後、1%ウシ血清アルブミ
ン、0.4%ゲラチン、1mM塩化マグネシウム、20mM
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、0.1M塩化ナトリ
ウム、0.1%アジ化ナトリウムを含む50mMリン酸ナ
トリウム緩衝液 pH7.0(検体希釈液)で10倍に希
釈した腫瘍組織抽出液あるいは同検体希釈液に溶解した
標準VPFを入れ室温で1時間放置した。0.05%ツ
イーン20、0.14M塩化ナトリウム、5mM塩化カリウ
ムを含むトリス緩衝液 pH7.4(TBS−T)で4回
洗浄後、アルカリフォスファターゼ標識抗VPFポリク
ローナル抗体を100μl/wellずつ入れ室温で1時間反
応させた。TBS−Tで4回、さらに0.14M塩化ナト
リウム、5mM塩化カリウムを含むトリス緩衝液 pH
7.4で2回洗浄した後、1mM塩化マグネシウム、0.
02%アジ化ナトリウムを含む0.1Mジエタノールアミ
ン緩衝液 pH10.0で5倍に希釈したルミフォス53
0(和光純薬工業(株)製)を100μl/wellずつ入
れ、37℃で30分間放置後、発光強度を測定した。
【0012】(4)腫瘍組織内VPFの発現の測定 腫瘍組織内VPFの発現は間接免疫組織染色法により乳
癌組織凍結切片をマウス抗VPFモノクローナル抗体で
免疫染色することにより行った。VPF発現は染色の濃
淡に従い、+または−で表示した。
【0013】(5)腫瘍組織内微小血管密度の測定 腫瘍組織内微小血管密度の測定は間接免疫組織染色法に
より乳癌組織凍結切片内のfactorVIII抗原を測定する
ことにより行った。すなわち、乳癌組織凍結切片をヒト
factorVIII抗原に対するモノクローナル抗体(Dako Jap
an, Tokyo)で免疫染色を行い、顕微鏡下で3カ所の1.
0mm2領域内に存在する染色された細胞の数をカウント
した。
【0014】(6)腫瘍組織内VPF発現および微小血
管密度と腫瘍組織抽出液中VPF濃度との相関 乳癌腫瘍組織130例を用いて、腫瘍組織内VPF発
現、微小血管密度および組織抽出液中VPF濃度を測定
した結果、表1のようになった。微小血管密度は100
カウント以下または101カウント以上で表示した。微
小血管密度が100カウント以下の検体と101カウン
ト以上の検体との間で組織抽出液中VPF濃度に有意な
差が見られた。また、同様に、VPF発現の有無と組織
抽出液中VPF濃度との間でも組織抽出液中VPF濃度
に有意な差が見られた。したがって、微小血管密度ある
いはVPF発現を測定する代わりに、組織抽出液中VP
F濃度を測定する方法を用いることができることがわか
った。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、腫瘍組織内VPFの発
現や微小血管密度を測定する代わりに、腫瘍組織抽出液
中のVPF濃度を測定することにより、両者よりも血管
発生の定量が簡便に且つ良好にでき、乳癌の診断および
乳癌の予後の診断に応用でき、本発明方法を利用した乳
癌の診断は、これまで乳癌の診断に用いられてきた微小
血管密度測定に代わる検査方法として臨床上非常に有用
なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 巌 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 松尾 克彦 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト組織抽出液中の血管透過性因子の存在
    量を測定して当該組織の腫瘍状態を予測することを特徴
    とする組織検査方法。
JP7192642A 1995-07-06 1995-07-06 組織検査方法 Pending JPH0921806A (ja)

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JP7192642A JPH0921806A (ja) 1995-07-06 1995-07-06 組織検査方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023067865A1 (ja) 2021-10-21 2023-04-27 横浜ゴム株式会社 航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチ

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