JPH09217124A - 耐ローピング性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

耐ローピング性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法

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JPH09217124A
JPH09217124A JP2792496A JP2792496A JPH09217124A JP H09217124 A JPH09217124 A JP H09217124A JP 2792496 A JP2792496 A JP 2792496A JP 2792496 A JP2792496 A JP 2792496A JP H09217124 A JPH09217124 A JP H09217124A
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rolled
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Shigeru Maeda
滋 前田
Junichi Hamada
純一 濱田
Tomio Satsunoki
富美夫 札軒
Takatsugu Endou
卓嗣 遠藤
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐ローピング性の優れるフェライ
ト系ステンレス鋼の製造方法を提供する。 【解決手段】 フェライト系ステンレス鋼の熱延し上げ
終了温度を900℃以上、巻取り温度を550℃以下と
し、最終熱延板の板厚を4.0mm未満にし、当該熱延板
中心層部にマルテンサイトを8%から35%残存させ、
次の冷延工程で冷延率を70%以上とすることにより、
冷延板のローピング発生を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ローピング性の
優れるフェライト系ステンレス鋼板を経済的に製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SUS430鋼に代表されるフェライト
系ステンレス鋼板において、品質上問題となるものに
は、冷延焼鈍を加えた製品をプレス成形等で加工した場
合に、表面性状を損なう現象として知られているリジン
グがある。これは成形後の鋼板表面に10〜30μm前
後の“しわ”が現れることで、リジングが発生すると表
面の光沢が損なわれるばかりでなく、成形後に研摩によ
って除去する必要が生ずる。
【0003】リジングの発生機構については、板厚方向
の変形拘束が存在しない場合か、もしくは非常に弱い成
形条件のもとで、比較的小さい加工歪を受ける場合に、
主として{111}<112>方位からなるγ繊維組織
と少量のα繊維組織の塑性異方性に起因して発生するこ
とが従来より報告されている。その防止策として、従来
から 1)C,Mn等のオーステナイト形成元素を増加させ、
オーステナイトポテンシャルを上昇させる(特公平2−
49375号公報参照)、 2)熱延での仕上げ圧延終了温度低下により歪蓄積をは
かり、続く熱延板焼鈍工程中の再結晶を活性化させる
(特公昭59−43978号公報、特公平4−9851
号公報参照)、 3)冷延中に再結晶中間焼鈍(2回冷延法)を行う(特
開平2−290917号公報、特開昭60−19782
2号公報参照)、等が提示されている。
【0004】さらに熱延板焼鈍工程や冷延中の中間焼鈍
工程を省略する製造法として、 4)粗圧延中の再結晶進行を促進させる(特公平1−3
229号公報参照)、 5)熱延後急冷してオーステナイト相を硬いマルテンサ
イト相に変態させる(特開平1−111816号公報、
特開平2−290917号公報参照)、等が提示されて
いる。
【0005】一方、リジングに加えて品質上特に問題と
なるものとして、冷延中に鋼板表面に発生する0.2〜
0.8μm前後の高さ(Rmax )を示す畝状の表面欠陥
がある。この表面欠陥はローピングと称して、数〜数十
μm以上の凹凸をなすリジングとは区別している。この
ローピングは冷延鋼板の光沢性を劣化させるので、プレ
ス加工に供されない場合にも商品価値を劣化させる。ま
た冷延中にローピングが発生すると、圧延方向に平行な
微細なうねりの谷部に圧延潤滑油の油膜が形成され、オ
イルピットが誘発されて製品の光沢を著しく低下させ
る。このローピング高さは、通常0.15μm以下に管
理すれば上記の問題点が回避される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このロ
ーピングについては前記のリジング防止策をそのまま適
用しても必ずしも0.15μm以下の高さとすることは
できず、有効ではない場合があった。特に熱延板焼鈍を
省略した経済的な製造方法を採用する場合にローピング
が発生する傾向がみられるため、その完全な防止技術が
望まれるが、この問題を工業的に有利に解決する処方は
未だ完成されていない。本発明の目的は、熱延板焼鈍を
行うことなく冷延圧延して最終焼鈍する経済的なフェラ
イト系ステンレス鋼板の製造方法において、冷延中にロ
ーピングの発生を防止し、耐ローピング性の優れたフェ
ライト系ステンレス鋼を製造する方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明は以下の構成を要旨とする。すなわち、下記
式により定義されるγpot が40.0%以下であるフェ
ライト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延し、ついで熱延
板焼鈍を行うことなく冷間圧延して最終焼鈍するステン
レス鋼板の製造方法において、上記の熱間圧延を行うに
際し、熱延仕上げ終了温度を900℃以上、巻取り温度
を550℃以下として、最終熱延板の板厚を4.0mm未
満に熱延し、当該熱延板中心層部にマルテンサイトを8
%〜35%残存させ、次の冷延工程で冷延率を70%以
上とすることにより、熱延組織をランダム化させること
を特徴とする耐ローピング性に優れるフェライト系ステ
ンレス鋼板の製造方法である。 γpot = 420C+ 470N+23Ni+ 9Cu+ 7Mn−1
1.5Cr−11.5Si−12Mo−23V−47Nb−52Al+1
89 ここで、成分の含有量は重量%で表わされる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、熱延板板厚内におけるローピングの発生起点を明
らかにするために、表1のγpot が23.5%のSUS
430鋼を1180℃に加熱後、熱延仕上げ温度886
℃、巻取り温度622℃で熱間圧延した熱延板を、図1
のように板厚の種々の断面から試料を切り出し、70%
の冷延率で冷間圧延したままでのローピング高さを測定
した。ここでγpot は、 γpot = 420C+ 470N+23Ni+ 9Cu+ 7Mn−1
1.5Cr−11.5Si−12Mo−23V−47Nb−52Al+1
89 なる式で定義される値である。表2にその結果を示す
が、表層からt/4層で切り出した場合(図1(b))
にはほとんどローピングが観察されず、t/4層からt
/2層を含む場合、特にt/2層を中心とする場合(図
1(a),(e))にローピング特性が悪化しており、
ローピングの発生起点は板厚中心層にあることが明らか
になった。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】次いで、ローピング特性に影響すると考え
られる板厚中心層の結晶方位分布状態を詳細に検討し
た。この際、テンパーカラー法による結晶方位分布を可
視化する手法を用いた。テンパーカラー法はJ.B.Wagner
により報告されており(Trans.AIME.221(1961)257)、酸
化皮膜の成長速度は(100)方位の結晶粒が最も大き
く、次いで(111)方位粒、(110)方位粒の順に
変化することを利用した方法である。例えば、フェライ
ト系ステンレス鋼のSUS430鋼(17Cr鋼)で
は、大気中で650℃で20分程度加熱すると、(10
0)方位粒は酸化膜厚が厚くなり、一方、(111)方
位粒および(110)方位粒は酸化膜厚が薄くなり、テ
ンパーカラーが結晶方位によって異なり、容易に結晶方
位帯を可視化確認できるものである。
【0012】上記方法を用いて、前述のSUS430鋼
の熱延板を中心層が表面となるように切り出し、それを
研磨(最終的には電解研磨して表面の加工層を除去)し
たものを、大気中で650℃で20分間加熱処理をし
た。その結果、赤色を呈した領域と、青色を呈した領域
が交互に圧延方向に伸びた帯状の結晶方位の分布状態が
観察された。
【0013】さらに、これらテンパーカラーの異なる領
域は約1mm程度の範囲であることから、それぞれの結晶
方位帯を局所X線回折法(分析径:約200μmφ)で
測定した。その結果、青色を呈した領域は{100}<
011>方位が発達した領域であり、一方、赤色を呈し
た領域は{111}<011>方位の集合組織であるこ
とがわかった。
【0014】また、これら領域の酸化膜厚については、
EPMAによる酸素濃度比較、あるいはグロー放電発光
分光法、オージェ電子分光法や二次イオン質量分析法に
よる深さ方向分析により、酸化膜厚は青色部の方が赤色
部に比べ厚く、上述のように酸化され易い{100}<
011>方位が酸化膜厚の厚い青色、逆に酸化され難い
{111}<011>方位が赤色を呈したことを確認し
た。
【0015】以上の結果より、ローピングは熱延板板厚
中心層に存在す{100}<011>方位と{111}
<011>方位が圧延方向に伸びた帯状の結晶方位帯を
形成するために発生することが明らかになった。すなわ
ち、ローピングを低減するためには、熱延板中心層に存
在する帯状の結晶方位帯を次の冷延工程で分断すること
が必要であるとの結論に達し、本発明に至った。
【0016】そこでローピング特性が異なる材料を用い
て、熱延板中心層に存在する結晶方位帯が冷延により変
化する過程をテンパーカラー法で可視化し、さらに冷延
率にともなうローピング特性変化を詳細に検討した。
【0017】図2は表1のγpot が23.5%のSUS
430鋼を、熱延仕上げ温度(FT)が912℃、巻取
り温度(CT)が503℃、および熱延仕上げ温度が8
54℃、巻取り温度が615℃の2条件で厚さ3.6mm
の熱延板として、熱延板焼鈍を施すことなく、冷延率を
30,50,70%として冷延し、それらの中心層の
{100}<011>方位(図中の斜線部)の結晶方位
帯の状態を示すものである。912℃仕上げ−503℃
巻取りの場合では、熱延板においても{100}<01
1>方位の結晶方位帯は大きいものの、854℃仕上げ
−615℃巻取り材に比べて分断されている。この原因
は高温仕上げによる再結晶の効果であろうと考えられ
る。
【0018】これを冷延すると、854℃仕上げ−61
5℃巻取り材では熱延板に存在していた、圧延方向に伸
びる{100}<011>方位の結晶方位帯は、70%
の冷延率においても、ある程度の分断が見られるが、や
はり圧延方向に長く伸びた状態で存在している。しかし
ながら、912℃仕上げ−503℃巻取り材では、冷延
率と共に{100}<011>方位の結晶方位帯は分断
し、冷延率が70%では結晶方位がランダム化され、特
定方位の結晶方位帯は存在しなくなる。このランダム化
の程度であるが、本発明者らが特開平6−228640
号公報にて開示したように、(100),(110),
(112)正極点図等の3種類以上の正極点測定データ
を基にしてH.J.Bunge らにより提唱されている級数展開
法による結晶方位分布解析法(Texture Analysis in Ma
terials Science ,Butterworths,London,1982;解析
法アルゴリズムと計算機プログラムを含む)により算出
される結晶方位分布密度が15.0以下であるものをラ
ンダム化と定義する。
【0019】同図には50%および70%冷延ままの状
態でローピング高さの値を示すが、板厚中心層の{10
0}<011>方位の分断の進行にともないローピング
高さが減少することが明らかである。特に912℃仕上
げ−503℃巻取りの70%冷延材では良好なローピン
グ特性を示しており、この材料を焼鈍後、スキンパス圧
延を行った場合には、製品目標としているローピング高
さ0.15μm以下が達成された。
【0020】次に、このように熱延仕上げ温度、巻取り
温度の相違によりローピング特性が異なる原因を詳細に
検討した。その結果、熱延仕上げ温度が912℃と高温
で、かつ、巻取り温度が503℃と低温の場合には熱延
板中心層にはマルテンサイトが圧延方向に伸びた結晶方
位帯の境界や内部に存在していることがわかった。そこ
で前記の両材料の熱延板中心層のマルテンサイト量を測
定し、熱延仕上げ温度が912℃、巻取り温度が503
℃の材料では熱延板中心層にマルテンサイトが15%存
在しているのに対して、熱延仕上げ温度が854℃、巻
取り温度が615℃の場合では、熱延板中心層に存在す
るマルテンサイト量がほぼ0%で、ほとんどα相と炭化
物相に分解していることが明らかになった。このマルテ
ンサイトの役割については明白ではないが、冷延中のす
べり変形機構に関連しているものと考えられる。
【0021】そこでローピング低減のために必要な熱延
板中心層のマルテンサイト量について調査した。図3
は、γpot が23%のSUS430を用い、熱延の仕上
げ温度、巻取り温度を変えて、熱延板中心層にマルテン
サイト量を0〜18%としたもの、γpot が40%とな
る鋼を用いて熱延板中心層のマルテンサイト量を20〜
35%、γpot が50%となる鋼を用いて熱延板中心層
のマルテンサイト量を36〜45%に調整したものを用
いて、熱延板焼鈍を施すことなく圧延率80%で冷間圧
延し、最終焼鈍(875℃、120秒)を行ったコイル
に、圧延率1%のスキンパス圧延を加えた後にローピン
グ高さを評価した結果である。
【0022】マルテンサイト量の増加とともにローピン
グ高さが減少するが、ローピング高さが許容限界値(R
max =0.15μm)以下とするためにはマルテンサイ
ト量が8%以上必要であることがわかった。また、γpo
t が40%を超え、さらにマルテンサイト量が35%を
超える場合にはマルテンサイト量が過剰になって、冷延
中にエッジ割れ、コイル破断などの冷延性不良を起こす
原因となる。
【0023】以上の結果より、熱延板中心層のマルテン
サイトの存在が、ローピングの発生原因となる圧延方向
に伸びた結晶方位帯を分断し、ローピングを低減させる
ことが明らかになった。前述した8〜35%のマルテン
サイト量を熱延板中心層に確保するためには、熱間圧延
後の冷却が必要となるが、熱延仕上げ温度を900℃以
上とし、巻取り温度を550℃以下とすればよいことを
確認し、熱延仕上げ温度を900℃以上、巻取り温度を
550℃以下に限定した。
【0024】しかしながら、マルテンサイト量が十分に
確保出来たとしても、そのマルテンサイトがローピング
の発生原因となる板厚中心層の結晶方位帯の分断に作用
しなければ意味がない。そこで、最適なマルテンサイト
の存在状態やその活用条件を検討した。すなわち、マル
テンサイトが結晶方位帯の分断に有効に作用するために
は、 熱延後、マルテンサイトが分断すべき結晶方位帯の境
界や内部に分散していること、 冷延中に中心層に歪を導入して、マルテンサイトの効
果を得ること、が重要であり、その制御方法が本発明の
大きな特徴である。
【0025】先ず、上記のマルテンサイトを熱延板中
心層に分散させることに対しては、熱延板の板厚を4.
0mm未満にして、熱延中の歪を中心層に十分付与し、マ
ルテンサイトの析出を分散制御することが有効である。
表3は、表1のγpot が23.5%のSUS430鋼を
熱延仕上げ温度、巻取り温度を調整し、熱延板中心層の
マルテンサイト量を約17%とした熱延板の板厚を3.
0mm〜5.0mmに変化させて、熱延板焼鈍を施すことな
く、80%冷延率で冷延し、その後焼鈍し、圧延率1%
でスキンパス圧延した後にローピング高さを測定した結
果である。これより明らかに、熱延板が4.0mm以上で
は目標とするローピング高さ0.15μm以下を達成で
きず、目標値以下とするためには4.0mm未満に熱延板
の板厚を限定する必要がある。
【0026】
【表3】
【0027】次に、前記の冷延中でのマルテンサイト
の効果的利用は冷延率と関係がある。すなわち、冷延率
が増して中心層に十分歪を導入されるほど、結晶方位帯
の分断が進行するためローピング特性は向上する。図4
は、γpot が25%と45%となる鋼を用いて、低温巻
取りにより熱延板中心層のマルテンサイト量をそれぞれ
18%と36%とした熱延板を、熱延板焼鈍することな
く30,50,60,70,80,90%冷延率で冷延
し、最終焼鈍後、圧延率1%でスキンパス圧延した後に
ローピング高さを測定した結果である。
【0028】マルテンサイト量が18%ある場合、ロー
ピング高さは冷延率が50%までは増加し、50から6
0%程度から減少し始め、さらに冷延率が増して70%
以上ではローピング高さが許容限界値(Rmax =0.1
5μm)以下となる。当然ながら、結晶方位はランダム
化されている。ローピング高さが冷延率に対してピーク
を持つ原因については明白ではないが、冷延初期段階で
は{100}<011>方位と{111}<011>方
位の冷延変形能の相違が顕著に現れるため冷延率ととも
に増加するが、高冷延率ではその差が小さくなり減少す
るためと考えられる。
【0029】また、マルテンサイト量が36%と高い場
合はマルテンサイト量18%材に比べ、低冷延率からロ
ーピング高さは低く、冷延率依存性が小さく、良好な特
性を示す。しかしながら、マルテンサイト量が35%を
超えると、冷延中にエッジ割れやコイル破断を起こすの
で好ましくない。本発明では、本発明で規定するγpot
範囲の鋼で、熱延板中心層に適正なマルテンサイト量を
確保した後に、冷延率を70%以上で冷間圧延すること
を限定した。
【0030】
【実施例】表4に示すフェライト系ステンレス鋼(SU
S430鋼)の連続鋳造鋳片を表5に示す種々の熱間圧
延条件で熱間圧延して、板厚3.0mm〜5.0mmの熱延
コイルを作製した。これらの熱延コイルを熱延板焼鈍す
ることなくゼンジミア圧延機により、冷延率が60%〜
90%の範囲で冷間圧延し、その後、最終焼鈍(875
℃、保定120秒)を加えた。さらに最終焼鈍板コイル
に1%のスキンパス圧延を加え、ローピング高さを測定
した。
【0031】表5に示す測定結果によれば、本発明冷
(コイルNo.5,6,7,12,13,14,17,
18)については、ローピング高さが許容限度(0.1
5μm)以下となり良好であったが、比較冷(例えばコ
イルNo.1,2,3,4等)についてはローピング高
さが許容限度を上回り不良であった。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば耐ローピング性の優れる
フェライト系ステンレス鋼板を経済的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローピングの発生起点解明のために熱延板から
切り出す板厚の部位を示す図である。
【図2】熱延条件の異なる2種類の熱延板を30〜70
%冷延した後の中心層における{100}<011>方
位の分布状態を模式的に示す図である。
【図3】熱延板板厚中心層におけるマルテンサイト量と
冷延−焼鈍−スキンパス後のローピング高さとの関係を
示す図である。
【図4】マルテンサイト量の異なる鋼の冷延板ローピン
グ高さにおよぼす冷延率の影響を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 卓嗣 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式により定義されるγpot が40.
    0%以下であるフェライト系ステンレス鋼スラブを熱間
    圧延し、ついで熱延板焼鈍を行うことなく冷間圧延して
    最終焼鈍するステンレス鋼板の製造方法において、上記
    の熱間圧延を行うに際し、熱延仕上げ終了温度を900
    ℃以上、巻取り温度を550℃以下として、最終熱延板
    の板厚を4.0mm未満に熱延し、当該熱延板中心層部に
    マルテンサイトを8%〜35%残存させ、次の冷延工程
    で冷延率を70%以上とすることにより、熱延組織をラ
    ンダム化させることを特徴とする耐ローピング性に優れ
    るフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。 γpot = 420C+ 470N+23Ni+ 9Cu+ 7Mn−1
    1.5Cr−11.5Si−12Mo−23V−47Nb−52Al+1
    89 ここで、成分の含有量は重量%で表わされる。
JP2792496A 1996-02-15 1996-02-15 耐ローピング性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 Pending JPH09217124A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10130735A (ja) * 1996-10-31 1998-05-19 Nippon Steel Corp 耐ローピング性に優れたAl添加フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP2010001504A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Jfe Steel Corp ローピングと耳割れの発生を抑制できるステンレス冷延鋼板用素材およびその製造方法
JP2020510135A (ja) * 2016-12-13 2020-04-02 ポスコPosco リッジング性および表面品質に優れたフェライト系ステンレス鋼およびその製造方法

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