JPH09216290A - 立体物の造形方法 - Google Patents

立体物の造形方法

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JPH09216290A
JPH09216290A JP8023502A JP2350296A JPH09216290A JP H09216290 A JPH09216290 A JP H09216290A JP 8023502 A JP8023502 A JP 8023502A JP 2350296 A JP2350296 A JP 2350296A JP H09216290 A JPH09216290 A JP H09216290A
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film
modeling
cross
particles
sectional shape
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JP8023502A
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Toshihiro Kanematsu
俊宏 金松
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/22Apparatus for electrographic processes using a charge pattern involving the combination of more than one step according to groups G03G13/02 - G03G13/20
    • G03G15/225Apparatus for electrographic processes using a charge pattern involving the combination of more than one step according to groups G03G13/02 - G03G13/20 using contact-printing

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、断面形状を積層し立体物を造形す
る立体物の造形方法に関し、折り重ねるシート状のフィ
ルム上に粒子により断面形状を形成するようにしてこれ
らを溶着接合した後に不要な部分を取り除くことによ
り、簡易な構成による迅速な断面形状の形成を実現し
て、安価で高速処理可能な立体物の造形方法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 予め折り重ねられた帯状に連続するフィ
ルム11を引き出し搬送し該フィルム11上に樹脂材料から
なる造形材20を電子写真方式により付着させ立体物の断
面形状21と共に補助形状22を連続的に形成する第1の工
程と、そのフィルム11を断面形状21および補助形状22が
重なるように折り曲げこれらを積層する第2の工程と、
積層されたフィルム11および断面形状21を溶着接合する
第3の工程と、接合された断面形状21以外の部分を取り
除く第4の工程と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体物の造形方法
に関し、詳しくは断面形状を積層し立体物を造形する立
体物の造形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、CAD(Computer Aided Des
ign system)により設計した立体物を作製(試作など)
する際に、CADデータを直接用いて造形する方法が知
られている。この種の立体物の造形方法としては、例え
ば、光造形方法が知られている。この光造形方法(以
下、第1従来例という)は、紫外線等を照射することに
より硬化する液状の樹脂材料(光硬化性樹脂)を容器内
に収容し、その液面上にCADデータの断面形状データ
に基づいて光を走査することによって1つの断面形状を
作製し、この後に、その上面に樹脂材料を流入させ、同
様な操作を繰り返すことによって立体物を造形する。
【0003】また、特開平7−68647号公報には、
レーザ光を照射することにより部分的に気化させ除去可
能な凝固材料を積層してその除去した部分に光硬化性樹
脂を充填し硬化させ、これを繰り返すことにより立体物
を造形する方法(以下、第2従来例という)が提案され
ている。また、特開平6−190929号公報および特
開平6−278214号公報には、接着剤によりシート
を一枚づつ接合してその接合毎にシートを断面形状に切
断し、これを繰り返すことにより立体物を造形する方法
(以下、第3従来例という)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来例にあっては、光を走査することにより樹脂材料を硬
化させているため、例えば10cm角の小さなものを作
製する場合でも10〜20時間以上掛かると共に、その
装置も高価(紫外線を用いる装置で4千万円以上)であ
るという問題があった。また、この問題は第2従来例で
も凝固材料を除去するためにレーザ光を走査するため同
様である。
【0005】また、第3従来例にあっては、断面形状に
合わせた接着剤の塗布・付着およびシートの切断が一層
毎に必要であり、その断面形状は変化するので、複雑な
形状を作製することができず、上記従来例ほどではない
と思われるが時間が掛かってしまうという問題がある。
また、複雑な形状の切断を可能にするためにレーザ光を
用いた場合には高価になってしまうという問題が発生す
る。
【0006】そこで、本発明は、折り重ねるシート状の
フィルム上に粒子により断面形状を形成するようにして
これらを溶着接合した後に不要な部分を取り除くことに
より、簡易な構成による迅速な断面形状の形成を実現し
て、安価で高速処理可能な立体物の造形方法を提供する
ことを目的とする。また、分離する不要な部分でもフィ
ルムを保持するなどして、より高精度な立体物の造形を
実現すると共に、造形した立体物からの不要な部分の分
離を容易にして、作業性の向上を図ることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、帯状に連続するフィルムを搬送し
該フィルム上に樹脂材料からなる造形用粒子を付着させ
立体物の断面形状を連続的に形成する第1の工程と、断
面形状の形成されたフィルムを該断面形状が重なるよう
に折り曲げ該フィルムおよび造形用粒子を積層する第2
の工程と、積層されたフィルムおよび造形用粒子を溶着
接合する第3の工程と、接合された断面形状以外の部分
を取り除く第4の工程と、を備えることを特徴としてい
る。
【0008】この請求項1記載の発明では、帯状のフィ
ルムをその連続方向に搬送し、そのフィルム上に造形用
粒子により立体物の断面形状を連続的に形成した後に、
断面形状が重なるようにフィルムを折り曲げこれらフィ
ルムおよび造形用粒子を積層する。そして、この後に、
フィルムおよび造形用粒子を溶着接合して余分な部分を
取り除く。したがって、断面形状は粒子をフィルムに付
着、例えば転写するだけで形成することができ、そし
て、フィルムを一定間隔に折り曲げるだけでその断面形
状を積層することができる。また、造形用粒子を微粒子
としたときには、溶着時に溶融してフィルム間を接合す
ることもできる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の構成に加え、前記第1の工程は、感光体上に断面形
状の静電潜像を形成した後に、該静電潜像に造形用粒子
を付着させてフィルムに転写し、該フィルム上に造形用
粒子からなる断面形状を形成することを特徴としてい
る。この請求項2記載の発明では、フィルム上に形成す
る断面形状は、所謂、電子写真方式により形成する。こ
の電子写真方式は、近年の技術の高度化により簡易な構
成で精度よく粒子を転写することができ、上述した第1
従来例で問題となる硬化深度も関係がない。したがっ
て、断面形状を電子写真方式の簡易な構成により高精度
に、かつ、高速に粒子を連続的に転写して形成すること
ができる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または2
に記載の発明の構成に加え、前記第1の工程では、立体
物の断面形状から離隔した一定の位置に前記樹脂材料か
らなる補助用粒子を付着させ、第4の工程では、該補助
用粒子も取り除くことを特徴としている。この請求項3
記載の発明では、フィルム上の断面形状から離隔した一
定の位置、例えば折り目から所定間隔となる位置にも補
助用粒子を付着させ、フィルムおよび造形用粒子と共に
補助用粒子も補助的に積層する。したがって、断面形状
の外縁近傍のフィルム間距離は補助用粒子に保持されフ
ィルムの変形が防止される。また、この補助用粒子は造
形用粒子と異なる材料でもよいが、同一材料とすること
により造形用粒子と同時にフィルムに付着(転写)する
ことができる。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何
れかに記載の発明の構成に加え、前記第1の工程では、
造形用粒子の溶着条件では溶着しない材料からなるサポ
ート用粒子を立体物の断面形状に隣接させてフィルム上
に付着させ、第4の工程では、該サポート用粒子も取り
除くことを特徴としている。請求項5記載の発明は、請
求項4記載の発明の構成に加え、前記サポート用粒子と
して、造形用粒子よりも融点が高い樹脂材料からなる粒
子を用いることを特徴としている。
【0012】この請求項4、5記載の発明では、フィル
ム上に断面形状を形成する造形用粒子に隣接してサポー
ト用粒子を付着させ、フィルムおよび造形用粒子と共に
サポート用粒子を積層する。このサポート粒子はフィル
ムおよび造形用粒子に溶着することがない。したがっ
て、断面形状の外縁近傍のフィルム間距離はサポート用
粒子に保持されフィルムの変形がより確実に防止され
る。なお、サポート用粒子としては、フィルムに付着可
能な材料、また電子写真方式により転写可能な材料であ
ればよいが、造形用粒子と同様な条件によりフィルムに
付着させるのが好ましいため、請求項5に記載の発明の
ように造形用粒子よりも融点が高い樹脂材料により構成
するのが好適である。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1〜4の何
れかに記載の発明の構成に加え、前記フィルムとして、
ロール状に巻かれ連続供給可能なものを用いることを特
徴としている。この請求項6記載の発明では、ロール状
に巻かれたものから帯状のフィルムを引き出し搬送し、
造形用粒子の付着(転写)位置に連続供給する。したが
って、フィルムの折り目の位置を任意に変化させること
ができる。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1〜4の何
れかに記載の発明の構成に加え、前記フィルムとして、
一定間隔で折り重ねられ連続供給可能なものを用いるこ
とを特徴としている。この請求項7記載の発明では、予
め一定間隔の折り目で折り重ねられたものから帯状のフ
ィルムを引き出し搬送し、造形用粒子の付着(転写)位
置に連続供給する。したがって、第2の工程において断
面形状を重ねるためにフィルムに折り目を入れる作業が
必要なく、ロール状に巻かれたものと比較すると搬送す
るために引き出す負荷も小さい。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項1〜4の何
れかに記載の発明の構成に加え、前記第1の工程の後
に、造形用粒子およびフィルムに圧力または熱の一方あ
るいは双方を加え、該造形用粒子をフィルム上に付着さ
せることを特徴としている。この請求項8記載の発明で
は、断面形状の積層後に溶着接合するために加熱するだ
けでなく、断面形状を形成した後に、つまり断面形状の
積層前に、例えば、挟圧することにより造形用粒子およ
びフィルムに圧力を加えたり、熱を加える。したがっ
て、造形用粒子は断面形状の積層前にフィルムと圧着、
溶着、熱圧着される。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項1〜4の何
れかに記載の発明の構成に加え、前記第3の工程で、積
層されたフィルムおよび造形用粒子に加熱と共に外径寸
法を一定にする圧力を加え、該造形用粒子をフィルム上
に熱圧着させることを特徴としている。この請求項9記
載の発明では、断面形状の積層後に溶着接合するための
加熱時に、外径寸法を一定にする圧力、例えば、設計形
状より大きめに積層した後にその設計形状にするように
縮小する圧力を加える。したがって、断面形状は転写時
に高精度に形成できると共に、高さについても高精度に
積層後に調整することができる。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項1〜4の
何れかに記載の発明の構成に加え、前記フィルムとして
造形用粒子の溶融温度付近で熱可塑性または熱硬化性を
示す樹脂材料により構成されたものを用いることを特徴
としている。この請求項10記載の発明では、造形用粒
子の溶着時に加える温度付近で熱可塑性または熱硬化性
の特性が発現するフィルムを用いるので、熱可塑性を有
するフィルムはその熱可塑性によりシュリンクし、熱硬
化性を有するフィルムはその熱硬化性により硬化し脆く
なる。したがって、フィルムは薄いため造形用粒子に溶
着した造形物の部分とそれ以外の部分とが自然に分離し
たり、分離するために加える外力は小さくて済む。
【0018】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の発明の構成に加え、前記第4の工程では、流体または
粉体を吹き付けて断面形状以外の余分な部分を造形物か
ら分離することを特徴としている。この請求項11記載
の発明では、積層後に加熱してフィルムおよび造形用粒
子を溶着接合した後に流体または粉体を吹き付ける。し
たがって、造形物以外の余分な部分はフィルムの熱可塑
性または熱硬化性により造形物から分離し易くなってい
るので粒体や粉体を吹き付けるだけで分離することがで
きる。このとき、流体として空気などの気体を用いた場
合には造形物を濡らしたり、汚染することもなく、コン
プレッサなどにより安価に入手することができる。ま
た、流体として水などの液体を用いた場合には汚染もな
く安価であると共に気体よりも分離能力を高くすること
ができる。また、粉体を用いた場合にはより分離能力を
高くすることができる。
【0019】請求項12記載の発明は、請求項1〜4の
何れかに記載の発明の構成に加え、前記フィルムとして
水溶性を有する材料により構成されたものを用い、第4
の工程では、水中に浸漬してあるいは水を吹き付けて断
面形状以外の余分な部分を造形物から分離することを特
徴としている。この請求項12記載の発明では、水溶性
を有するフィルムを用いるので、水中に浸漬して脆くす
ることができ、水を吹き付ける場合には脆くしつつ外力
を加えることができる。したがって、小さな外力で造形
物から不要な部分を分離することができる。
【0020】請求項13記載の発明は、請求項10〜1
2の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第4の工程
では、振動を加えて断面形状以外の余分な部分を造形物
から分離することを特徴としている。この請求項13記
載の発明では、フィルムおよび造形用粒子が溶着した造
形物に振動が加えられる。したがって、熱可塑性、熱硬
化性、水溶性により脆くなった造形物以外の部分を手を
加えることなく分離することができる。
【0021】ここで、前記造形用粒子は、造形する立体
物の寸法や精度により選択すればよいが、精度よく造形
するには粒径を0.05〜0.5mm程度とするのが、
フィルムの折り目付近に負荷を与えずに断面形状を重ね
ることができ、好適である。また、前記フィルムも同様
であるが、搬送精度や折り目付近の負荷を考慮すると、
厚みを0.03〜0.3mm程度とするのが好適であ
る。
【0022】前記フィルムを折り重ねるには、その位置
にミシン目を入れるのが負荷なく折り曲げることがで
き、また、位置合わせすることなく折り曲げることがで
き、好適である。前記フィルムおよび造形用粒子は、ヒ
ータにより加熱してもよいが、高周波を利用して迅速
に、かつ、均一に加熱できるようにしてもよい。
【0023】前記流体は空気等の気体や水などの液体で
よく、また粉体は砂などでよい。また、水溶性のものと
しては、水に限らないことはいうまでもない。さらに、
造形物から余分な部分の分離は、上記の方法に限らず、
単に外力(外圧)を加えるだけでもよく、例えば、刷毛
などで取り除いてもよく、フィルム自体が薄いのでカッ
タ等により取り除いてもよいことはいうまでもない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図1〜図5は本発明に係る立体物の造形方法の
第1実施形態を実施する造形装置の一例を示す図であ
り、図1はその第1の工程から第2の工程を実施する装
置部を、図2はその第3の工程を実施する装置部を、図
3は第4の工程を実施する装置部を示し、図4は積層後
の状態を、図5は造形後の状態を示している。
【0025】まず、本実施形態を実施する装置構成を説
明する。図1において、11は一定間隔に折り重ねられた
フィルムであり、フィルム11は、所定の樹脂材料により
0.03〜0.3mm程度の厚さのシート状(帯状)に
形成されており、一定間隔に予め折り重ねられるととも
に、上方から連続して引き出し搬送できるようにセット
されている。このフィルム11は、搬送された後に再度そ
の間隔で折り曲げ重ねることができ、例えば、後述する
積層位置に載置した枠23内に突き当てて移動を制限する
ことによりその枠23の内部で折り重ねることができる。
なお、フィルム11には負荷なく折り重ねることができる
ように折り曲げる位置にミシン目を予め入れておき折り
重ねてもよい。また、フィルム11を再度折り重ねるため
に積層位置近傍に専用の装置を設置してもよい。12、13
はフィルム11の搬送方向(連続方向)に離隔する一対の
ローラ対であり、ローラ対12は互いに圧接しつつフィル
ム11の搬送により従動回転する一方、ローラ対13は互い
に圧接しつつ一方が駆動回転して他方が従動回転するこ
とにより互いの間で挟持するフィルム11に挟圧を加えつ
つそのフィルム11を引き出して下流側の積層位置へと搬
送する。
【0026】14はフィルム11の搬送に同期して回転する
感光体ドラムであり、感光体ドラム14上には、例えば、
CADにより設計した立体物の断面形状毎のデータに基
づいて図示していない光学系により光走査して静電潜像
を形成するようになっており、この静電潜像としては立
体物の断面像と共に、その外縁から離隔し折り目から一
定間隔となる位置に所定面積の補助像を形成する。15は
現像器であり、現像器15は感光体ドラム14表面に形成さ
れた静電潜像を所定の樹脂材料からなり粒径が0.00
5〜0.5mm程度の造形材(造形用粒子、補助用粒
子)20を付着して現像し立体物の断面形状21および補助
形状22を形成する。16は転写器であり、転写器16は感光
体ドラム14上に形成された断面形状21および補助形状22
をローラ対12、13の間を搬送されるフィルム11に付着さ
せ転写する。なお、図中、17は感光体ドラム14表面に残
留する造形材20を取り除くクリーニング装置、18は感光
体ドラム14表面を除電する除電器、19は感光体ドラム14
表面を一様に帯電させる帯電器であり、これら感光体ド
ラム14〜帯電器19は公知の電子写真装置と同様な構成で
あるのでこれ以上の説明は割愛する。
【0027】ここで、フィルム11および造形材20を構成
する樹脂材料は、例えば、ポリエチレン(137゜)、
ポリプロピレン(176゜)、ポリ塩化ビニリデン(1
98゜)、ポリ塩化ビニル(212゜)、ポリカーボネ
ート(220゜)、ポリスチレン(240゜)、あるい
は、ナイロン(265゜)などが挙げられるが、フィル
ム11および造形材20は溶融接合させるので、同一材質と
するのが好ましい。なお、かっこ内の温度は樹脂材料の
融点を示している。
【0028】また、フィルム11の厚さは、搬送精度や折
り目付近の負荷を考慮すると、0.03〜0.3mm程
度とするのが好適であるが、これに限らず、造形する立
体物の大きさに応じて選択し、より薄いものやより厚い
ものを用いてもよい。また、造形材20の粒径も同様に、
フィルム11の折り目付近に負荷を与えずに精度よく重ね
られるように0.005〜0.5mm程度とするのが好
適であるが、造形する立体物の大きさや造形精度により
選択し、より小径のものや大径のものを用いてもよいこ
とはいうまでもない。また、フィルム11は、後述する取
扱を考慮して、熱可塑性、熱硬化性、あるいは水溶性を
有するものを選択してもよい。
【0029】また、図2および図3において、23はフィ
ルム11の積層位置に設置された枠であり、枠23は下面ブ
ロック24、側面ブロック25および上面ブロック26により
構成されており、積層位置に搬送されてきたフィルム11
を内部に収容すると共にその移動を側面ブロック25で制
限し予め付けられている折り目で再度折り曲げて内部で
積層することができる。この枠23は、外部からヒータあ
るいは高周波により熱を加えることができ、内部に収容
するフィルム11などを加熱することができる。また、枠
23の下面ブロック24は、例えば、水平方向に振動させる
機構上に設置可能に作製され、側面ブロック25は積層後
のフィルム11よりも低めの高さに形成されると共に下面
ブロック24に着脱可能に作製され、上面ブロック26は側
面ブロック26上に載置されたとき内部のフィルム11など
に荷重を掛ける。また、27は圧搾空気(流体)を吹き出
すノズルであり、ノズル27は、例えば、内部にフィルム
11と断面形状21および補助形状22を積層された枠23から
上面ブロック26と下面ブロック24とを外した後にそのフ
ィルム11などに圧搾空気を吹き付ける。なお、本実施形
態では、枠23によりフィルム11の積層、加振および空気
の吹き付けのすべてを行なえるようにしているが、それ
ぞれ別々に異なる位置に設けた装置で行なうようにして
もよいことはいうまでもない。また、ノズル27から圧搾
空気に代えて、水(流体)を吹き出したり、砂(粉体)
を吹き出すようにしてもよい。
【0030】次に、本実施形態による立体物の造形方法
を工程毎に作用と共に説明する。まず、立体物の造形作
業を開始するのに先だって、フィルム11をローラ対12、
13に挟持させておき、例えば、CADデータを受け取る
ことにより立体物の造形作業を開始する。 <第1の工程:図1>そして、ローラ対13および感光体
ドラム14が回転駆動し、フィルム11を引き出して下流へ
と搬送するとともに、その搬送に同期して回転する感光
体ドラム14上に造形材20により断面形状21および補助形
状22を現像・形成し、搬送するフィルム11上に転写し付
着させる。そして、この断面形状21および補助形状22の
形成は、フィルム11が一定量搬送される毎に、つまり折
り目の入っている間隔に対応するように連続的に行な
う。
【0031】このとき、フィルム11は、一定間隔に折り
重ねられているだけなので、負荷なく引き出して感光体
ドラム14による断面形状21および補助形状22の転写位置
に連続供給することができ、この後に積層するために折
り目やミシン目などを入れる作業が必要ない。そして、
フィルム11上への断面形状21および補助形状22の付着形
成は、感光体ドラム14上に形成した静電潜像を造形材20
により現像し転写する電子写真方式により行なうので、
断面形状21および補助形状22を硬化深度などの問題もな
く簡易な構成で高精度に、かつ、高速にフィルム11上に
形成することができる。また、断面形状21および補助形
状22は、フィルム11を折り重ねると、一つおきに上下が
逆にされるので、電子写真方式で用いられる鏡面処理を
フィルム11の搬送方向で行なって前後を逆にした断面形
状21および補助形状22を形成する。なお、この鏡面処理
を行なわないように、一つおきに断面形状21を形成して
もよい。
【0032】次いで、フィルム11の搬送に伴って断面形
状21がローラ対13の配置位置に達すると、ローラ対13は
通過するフィルム11と共に断面形状21および補助形状22
を狭圧し、その圧力により造形材20をフィルム11に圧着
(付着)させる。したがって、断面形状21および補助形
状22を形成する造形材20はフィルム11に圧着される。な
お、このローラ対13による圧着は、ローラ対13の内部に
ヒータを埋め込みフィルム11および造形材20が熱圧着
(仮溶着)するようにしてもよく、また他に搬送手段を
備える場合には狭圧を与えずに加熱し仮溶着するように
してもよい。
【0033】<第2の工程:図1および図2>次いで、
フィルム11をさらに下流へと搬送し、積層位置に載置さ
れた枠23に収容すると共に、その先端を側面ブロック25
に突き当てて折り目で折り曲げることにより再度折り重
ねてフィルム11と断面形状21および補助形状22とを枠23
内で積層する。このとき、図4に示すように、断面形状
21はフィルム11を介して積層され立体物28が仮造形され
る。また、補助形状22も同様にフィルム11を介して積層
され、その形成位置は上下方向に一致する位置となって
いるので、フィルム11は断面形状21の外側の間隔を補助
材料22(断面形状21)の厚さに保持される。したがっ
て、断面形状21の外縁側でのフィルム11の変形が防止さ
れる。
【0034】<第3の工程:図2>次いで、枠23の上面
ブロック26をフィルム11などの上に載置して荷重を加え
た後に、その枠23を外部から加熱してフィルム11と断面
形状21および補助形状22とを、少なくともこれらの表面
が溶融する程度に加熱する。したがって、フィルム11と
断面形状21および補助形状22とは圧力を加えられつつ溶
着接合し、高さを側面ブロック25の高さに制限されつつ
フィルム11の内部で立体物28が造形される。このとき、
フィルム11として熱可塑性を有するものを用いた場合に
はその特性によりシュリンクして断面形状21を造形する
部分からフィルム11のみ部分が自然に分離する。また、
フィルム11として熱硬化性を有するものを用いた場合に
はその特性により硬化しフィルム11のみ部分は脆くな
る。また、造形材20として、この加熱時に溶融する程度
の粒径のものを用いた場合には、溶融してフィルム11間
同士を溶着接合することができる。なお、枠23を高周波
により加熱した場合には迅速に、かつ、均一に加熱処理
することができる。
【0035】<第4の工程:図3>次いで、枠23を冷却
(好ましくは徐冷)した後に、側面ブロック25を外し図
4に示す状態にして、ノズル27から圧搾空気を吹き付け
るとともに、下面ブロック24を振動させる。そして、フ
ィルム11のみ部分は熱可塑性または熱硬化性を有する場
合には脆くなっているので、圧搾空気による風力(外
力)および補助形状22などの重量による慣性力(外力)
によりバラバラとなって分離され、図5に示す立体物28
を得ることができる。したがって、立体物28(造形物)
から不要な部分のフィルム11および補助形状22を特に手
を加えることなく分離することができ、刷毛などによる
作業も省略することができる。また、このときには空気
を吹き付けているので、立体物28を汚したり濡らすこと
もなく、圧搾空気自体はコンプレッサなどにより安価に
入手することができる。また、余分な部分を分離する効
率を高くしたいときには水などの液体や砂などの粉体を
用いればよい。さらに、フィルム11として水溶性を有す
るものを用いた場合にはその特性により吹き付けられる
水によって溶かすこともできる。なお、水溶性のフィル
ムを用いる場合には水中に浸漬させて振動を加えること
も有効である。
【0036】このように本実施形態においては、搬送す
るフィルム11上に造形材20により断面形状21および補助
形状22を連続的に形成して、そのフィルム11を一定間隔
に折り重ねることにより断面形状21および補助形状22を
挟むように積層し、この後には、全体を加熱してフィル
ム11と断面形状21および補助形状22とを溶着接合して余
分な部分を取り除くので、断面形状21を容易に、かつ、
迅速に形成し積層して立体物28を造形することができ
る。また、予め折り重ねたフィルム11を用いているの
で、フィルム11を折り曲げるための作業を省くことがで
き、また、搬送負荷もないので小さな駆動源によりフィ
ルム11を搬送することができる。
【0037】また、第1の工程においては、断面形状21
および補助形状22を感光体ドラム14による電子写真方式
により造形材20をフィルム11上に転写し形成するので、
高精度に、かつ、高速に形成することができる。また、
補助形状22を断面形状21から一定距離離隔した位置に形
成するので、断面形状21の外縁近傍のフィルム11が積層
後に変形することを防止することができる。さらに、転
写後には断面形状21および補助形状22をローラ対13によ
りフィルム11に圧着させるので、搬送中に造形材20が剥
がれてしまうことを防止することができる。
【0038】また、第3の工程においては、積層後の加
熱時に上面ブロック26により荷重を加え側面ブロック25
の高さに制限するので、高さについても高精度に調整す
ることができる。また、第4の工程においては、熱可塑
性あるいは熱硬化性を有するフィルム11を用いることに
より、断面形状21および補助形状22との溶着時に、立体
物28を形成する以外のフィルム11を脆くして不要な部分
を分離し易くすることができ、圧搾空気、水、砂などを
吹き付けるとともに振動を加えることにより手を加える
ことなく分離することができる。また、水溶性を有する
フィルム11を用いることにより、水中に浸漬したり水を
吹き付けることにより脆くしつつ不要な部分を容易に分
離することもできる。
【0039】また、本実施形態の第1の他の態様として
は、図6に示すように、補助形状22をフィルム11上に形
成することなく、立体物28を造形するようにしてもよ
い。この他の態様は、断面形状21の外縁近傍のフィルム
11の変形が影響のない精度で立体物28を造形する場合に
採用することができ、補助形状22を省くことができるの
で造形材20の消費量を削減することができる。
【0040】また、第2の他の態様としては、図7に示
すように、積層した後にフィルム21を枠23から取り出
し、あるいは上面ブロック26の荷重を加えることなく、
加熱してフィルム11と断面形状21および補助形状22とを
溶着接合してもよい。この他の態様は、迅速に立体物28
を造形する場合や、複数の立体物28を短時間で作製する
場合に適しており、複数組みもの枠23などを揃える必要
がない。
【0041】次に、図8は本発明に係る立体物の造形方
法の第2実施形態を実施する造形装置の一例を示す図で
あり、その第1の工程から第2の工程を実施する装置部
を示している。なお、本実施形態は、上述実施形態と略
同様であるので、その実施をする装置部で同様な構成に
は同一の符号を付し特徴部分のみを説明する。まず、本
実施形態を実施する装置構成を説明する。
【0042】同図において、31はフィルムであり、フィ
ルム31は上述実施形態と同様に作製されロール状に巻か
れており、フィルム31はローラ対12、13により連続して
引き出すことができるように図示していないホルダに保
持されている。32は折り目付与装置(以下、折り目装置
という)であり、折り目装置32はローラ対13の下流側ま
で搬送されてきたフィルム31に幅方向に延在するミシン
目を一定間隔に入れその間隔で折り曲げ重ねることがで
きるようにし、そのフィルム31はミシン目を入れられた
間隔で枠23内に折り重ねられ積層される。なお、このミ
シン目は、例えば、ローラ対12、13によるフィルム31の
搬送量を検知したり、造形材20などにより断面形状21に
対する一定の位置にマークを形成し検知することによっ
て一定間隔で入れるようにすればよい。なお、フィルム
31は、治具などを用いて鋭角に屈曲させ折り重ねるよう
にしてもよいが、負荷なく任意の位置で折り曲げるため
には本実施形態のようにミシン目を入れるのが好適であ
る。また、このミシン目は、フィルム31の搬送途中で入
れるので、その間隔は造形する立体物28の大きさに応じ
て変化させることができる。
【0043】次に、本実施形態による第1の工程での立
体物の造形方法の特徴部分を作用と共に説明する。な
お、本実施形態では、断面形状21のみをフィルム31上に
形成する方法を説明する。まず、フィルム31を引き出し
て下流へと搬送するとともに、その搬送するフィルム31
上に断面形状21を連続的に転写(付着)し、断面形状21
の全体がローラ対13の下流側に位置した後に、折り目装
置32がローラ対13方向に刃を移動して搬送方向に一定間
隔となるミシン目をフィルム31に入れ、これを断面形状
がローラ対13を通過する毎に行なう。
【0044】以降、上述実施形態と同様に、処理して立
体物28を造形する。このように本実施形態においては、
上述第1実施形態の作用効果に加え、ロール状に巻かれ
たフィルム31を引き出して搬送するので、ミシン目を入
れる位置を断面形状21の大きさに応じて変え、折り目の
位置を任意に変化させることができる。したがって、フ
ィルム31を有効に使用することができ、ランニングコス
トを低減することができる。
【0045】次に、図9は本発明に係る立体物の造形方
法の第3実施形態を実施する造形装置の一例を示す図で
あり、その第1の工程から第2の工程を実施する装置部
を示している。なお、本実施形態は、上述実施形態と略
同様であるので、その実施をする装置部で同様な構成に
は同一の符号を付し特徴部分のみを説明する。まず、本
実施形態を実施する装置構成を説明する。
【0046】同図において、44は感光体ドラム14の下流
側に離隔して配設された感光体ドラムであり、感光体ド
ラム44には断面形状毎のCADデータに基づいて図示し
ていない光学系により光走査し、感光体ドラム14上に断
面形状21を現像するための静電潜像以外の領域(フィル
ム11に転写する際に断面形状21に隣接する領域)に静電
潜像を形成するようになっており、この感光体ドラム44
上に形成された静電潜像は造形材20と粒径は同様である
が融点の高い樹脂材料からなるサポート材(サポート用
粒子)40を現像器45が付着現像しサポート形状42を形成
する。このサポート形状42は、断面形状21と同様に、転
写器16がフィルム11に付着させ転写するようになってお
り、クリーニング装置17、除電器18、帯電器19の動作も
同様である。すなわち、本実施形態では、2式の電子写
真方式により造形材20およびサポート材40をフィルム11
に転写し断面形状21およびサポート形状42をフィルム11
上に形成する。なお、感光体ドラム44上に形成する静電
潜像は断面形状21に隣接するように形成するが、フィル
ム11の搬送精度などを考慮して形成する。また、図中、
46は感光体ドラム14、44の間に配置されたローラ対であ
り、ローラ対46はローラ対12、13間のフィルム11の搬送
を中継する。
【0047】ここで、サポート材40を構成する樹脂材料
は、造形材20に対して融点ができるだけ高めのものを選
択するのが好適であり、例えばナイロン(265゜)な
どが挙げられるが、造形材20を溶着接合する際にフィル
ム11と溶着しなければ十分であり、静電潜像を現像でき
れば樹脂材料としなくてもよい。次に、本実施形態によ
る立体物の造形方法の特徴部分を作用と共に説明する。
【0048】まず、立体物の造形作業を開始するのに先
だって、フィルム11をローラ対12、13、46に挟持させて
おき、例えば、CADデータを受け取ることにより立体
物の造形作業を開始する。 <第1の工程>そして、フィルム11を引き出して下流へ
と搬送するとともに、その搬送するフィルム11上に感光
体ドラム14により断面形状21を連続的に転写(付着)
し、同様に、感光体ドラム44によりサポート形状42を断
面形状21に隣接するように転写し、フィルム11のほぼ全
面を覆う。なお、折り目付近には、フィルム11の折り曲
げを妨げないように空白としてもよい。
【0049】次いで、フィルム11の搬送に伴って断面形
状21およびサポート形状42がローラ対13の配置位置に達
すると、ローラ対13は通過するフィルム11と共に断面形
状21およびサポート形状42を狭圧し、その圧力により造
形材20およびサポート材40をフィルム11に圧着(付着)
させる。このとき、断面形状21およびサポート形状42を
形成する造形材20およびサポート材40はフィルム11に圧
着され、搬送時などにフィルム11から剥がれてしまうこ
とが防止されるが、ローラ対13の内部ヒータによりフィ
ルム11に造形材20を熱圧着(仮溶着)させる場合でもサ
ポート材40は融点が高いのでフィルム11および造形材20
に溶着することはない。
【0050】<第2の工程:図1および図2>次いで、
フィルム11をさらに下流へと搬送し、断面形状21および
サポート形状42とともに上述実施形態と同様に枠23内で
積層する。このとき、フィルム11は断面形状21およびサ
ポート形状42によりその厚さの間隔に保持され、そのサ
ポート形状42の中に断面形状21が積層され立体物28が仮
造形される。したがって、断面形状21の外縁側でのフィ
ルム11の変形がより確実に防止される。
【0051】<第3〜第4の工程>次いで、上述実施形
態と同様に、枠23を外部から加熱してフィルム11と断面
形状21とを溶着接合する。このとき、内部で立体物28が
造形されるが、サポート材40の融点は高くフィルム11お
よび断面形状21と溶着することはない。次いで、枠23を
冷却(好ましくは徐冷)した後に、ノズル27から圧搾空
気などを吹き付けたり、水中に浸漬させるとともに、下
面ブロック24を振動させ、立体物28を造形する以外のフ
ィルム11とともにサポート材40を分離し、立体物28を得
る。
【0052】このように本実施形態においては、上述第
1実施形態の作用効果に加え、フィルム11間に断面形状
21に隣接してサポート材40からなるサポート形状42を挟
むので、フィルム11の変形をより確実に防止することが
でき、より高精度な立体物28を簡易に造形することがで
きる。次に、図10は本発明に係る立体物の造形方法の第
4実施形態を実施する造形装置の一例を示す図であり、
その第1の工程から第2の工程を実施する装置部を示し
ている。なお、本実施形態は、上述実施形態と略同様で
あるので、その実施をする装置部で同様な構成には同一
の符号を付し特徴部分のみを説明する。
【0053】まず、本実施形態を実施する装置構成を説
明する。同図において、54は感光体ドラム14の下流側に
離隔して配設された感光体ドラムであり、感光体ドラム
54はフィルム11の裏面側に位置し感光体ドラム14と同様
にフィルム11上にCADデータに基づく断面形状21およ
び補助形状22を形成する。これら感光体ドラム14、54
は、フィルム11の両面側に断面形状21および補助形状22
を形成するが、フィルム11は折り重ねたときには一面が
対面することになるので、感光体ドラム14、54毎に連続
する2組みのCADデータにより断面形状21および補助
形状22を形成する。すなわち、本実施形態では、2式の
電子写真方式により断面形状21および補助形状22をフィ
ルム11上に形成する。
【0054】次に、本実施形態による第1〜第2の工程
での立体物の造形方法の特徴部分をを作用と共に説明す
る。まず、立体物の造形作業を開始するのに先だって、
フィルム11をローラ対12、13、46に挟持させておき、例
えば、CADデータを受け取ることにより立体物の造形
作業を開始する。
【0055】そして、フィルム11を引き出して下流へと
搬送するとともに、その搬送するフィルム11上に感光体
ドラム14、54により断面形状21および補助形状22を連続
的に転写(付着)する。次いで、フィルム11の搬送に伴
って両面側に形成した断面形状21および補助形状22をロ
ーラ対13がフィルム11に圧着(付着)させた後に、その
フィルム11をさらに下流へと搬送し断面形状21および補
助形状22を枠23内で積層する。このとき、折り重ねられ
たフィルム11間毎に、2層の断面形状21が積層されフィ
ルム11と共に立体物28が仮造形される。したがって、C
ADデータを倍の速さで処理することができる。
【0056】以降、上述実施形態と同様に、処理して立
体物28を造形する。このように本実施形態においては、
上述第1実施形態の作用効果に加え、フィルム11の両面
に断面形状21および補助形状22を形成しその折り重ねた
ときにフィルム11間毎に挟むので、立体物28をより高速
に造形することができる。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、折り曲げ
る帯状のフィルム上に造形用粒子を付着して断面形状を
連続的に形成し積層した後に、フィルムおよび造形用粒
子を溶着接合し余分な部分を取り除くので、断面形状を
容易に形成可能であると共に、フィルムを一定間隔に折
り曲げるだけでその断面形状を積層し、立体物を容易に
造形(作製)することができる。また、造形用粒子を微
粒子としたときには、溶着時に溶融してフィルム間を接
合することもできる。したがって、簡易な構成により断
面形状を高速に積層し立体物を安価に造形することがで
きる。
【0058】請求項2記載の発明によれば、断面形状
を、所謂、電子写真方式により形成するが、この電子写
真方式によれば簡易に粒子により精度よく断面形状を形
成(転写)することができるので、簡易な構成でより高
速に、かつ、高精度な立体物を安価に造形することがで
きる。請求項3記載の発明によれば、フィルム間に造形
粒子以外にも断面形状から離隔した位置に補助用粒子を
挟むので、断面形状の外縁近傍のフィルムが変形するこ
とを防止することができる。したがって、より高精度な
立体物を簡易に造形することができる。
【0059】請求項4、5記載の発明によれば、フィル
ム間に断面形状を形成する造形用粒子に隣接してサポー
ト用粒子を挟むので、断面形状の外縁近傍のフィルムが
変形することをより確実に防止することができる。した
がって、より高精度な立体物を簡易に造形することがで
きる。請求項6記載の発明によれば、フィルムはロール
状に巻かれたものから引き出して搬送するので、折り目
の位置を任意に変化させることができ、例えば造形毎に
断面形状の大きさに合わせることができる。したがっ
て、フィルムを有効に使用することができ、ランニング
コストを低減することができる。
【0060】請求項7記載の発明によれば、フィルムは
予め一定間隔の折り目で折り重ねられたものから引き出
して搬送するので、フィルムに折り目を入れる作業を省
くことができ、ロール状に巻かれたものと比較すると搬
送負荷も小さく駆動源の能力を小さくすることができ
る。したがって、安価な装置により実施することができ
る。
【0061】請求項8記載の発明によれば、断面形状の
積層前に造形用粒子およびフィルムに圧力または熱の一
方または双方を加えるので、造形用粒子を断面形状の積
層前に圧着、溶着、熱圧着によりフィルムに高強度で接
合することができる。したがって、積層前の搬送時に造
形用粒子が剥がれてしまうことを防止することができ、
造形精度を向上させることができる。
【0062】請求項9記載の発明によれば、断面形状の
積層後に加熱と共に外径寸法を一定に縮小する圧力を加
えるので、断面形状を転写時に高精度に形成し、高さに
ついても高精度に調整することができる。したがって、
立体物を高精度に造形することができる。請求項10記
載の発明によれば、フィルムとして熱可塑性または熱硬
化性を有するものを用いるので、造形用粒子の溶着時
に、造形用粒子に溶着し造形物を構成する部分以外のフ
ィルムを熱可塑性によりシュリンクさせたり、または熱
硬化性により硬化させることができ、このフィルム自体
は薄いため造形物から不要な部分を自然に分離させた
り、分離するために加える外力を小さくて済むようにす
ることができる。したがって、造形した立体物から不要
な部分を容易に分離することができ、作業性を向上させ
ることができる。
【0063】請求項11記載の発明によれば、フィルム
および造形用粒子を溶着接合し立体物を造形した後に流
体または粉体を吹き付けるので、フィルムの熱可塑性ま
たは熱硬化性により分離し易くなっている造形物以外の
不要な部分を容易に分離することができる。したがっ
て、作業性を向上させることができる。なお、このとき
に用いる流体または粉体は適宜選択すればよい。
【0064】請求項12記載の発明によれば、水溶性を
有するフィルムを用い、水中に浸漬することにより脆く
したり、水を吹き付けることにより脆くしつつ外力を加
えることができるので、小さな外力で造形物から不要な
部分を容易に分離することができる。したがって、作業
性を向上させることができる。請求項13記載の発明に
よれば、フィルムおよび造形用粒子を溶着した造形物に
振動を加えるので、熱可塑性、熱硬化性、水溶性により
脆くなった造形物以外の部分を手を加えることなく分離
することができる。したがって、作業性をより向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る立体物の造形方法の第1実施形態
を実施する造形装置の一例を示す図であり、その第1の
工程から第2の工程を実施する装置部の概略構成図であ
る。
【図2】その第3の工程を実施する装置部の概略構成図
である。
【図3】その第4の工程を実施する装置部の概略構成図
である。
【図4】その積層後の状態を示す斜視図である。
【図5】その完成した造形品を示す図であり、(a)は
その斜視図、(b)はその一方向からの平面図である。
【図6】その第1の他の態様の第1の工程から第2の工
程を実施する装置部の概略構成図である。
【図7】その第2の他の態様の第3の工程を説明する説
明図である。
【図8】本発明に係る立体物の造形方法の第2実施形態
を実施する造形装置の一例を示す図であり、その第1の
工程から第2の工程を実施する装置部の概略構成図であ
る。
【図9】本発明に係る立体物の造形方法の第3実施形態
を実施する造形装置の一例を示す図であり、その第1の
工程から第2の工程を実施する装置部の概略構成図であ
る。
【図10】本発明に係る立体物の造形方法の第4実施形態
を実施する造形装置の一例を示す図であり、その第1の
工程から第2の工程を実施する装置部の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
11、31 フィルム 12、13、46 ローラ対 14、44、54 感光体ドラム 20、40 造形材(造形用粒子、補助用粒子) 21 断面形状 22 補助形状 23 枠 24 下面ブロック 25 側面ブロック 26 上面ブロック 27 ノズル 28 立体物(造形物) 32 折り目付与装置 40 サポート材(サポート用粒子) 42 サポート形状

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状に連続するフィルムを搬送し該フィル
    ム上に樹脂材料からなる造形用粒子を付着させ立体物の
    断面形状を連続的に形成する第1の工程と、 断面形状の形成されたフィルムを該断面形状が重なるよ
    うに折り曲げ該フィルムおよび造形用粒子を積層する第
    2の工程と、 積層されたフィルムおよび造形用粒子を溶着接合する第
    3の工程と、 接合された断面形状以外の部分を取り除く第4の工程
    と、を備えることを特徴とする立体物の造形方法。
  2. 【請求項2】前記第1の工程は、感光体上に断面形状の
    静電潜像を形成した後に、該静電潜像に造形用粒子を付
    着させてフィルムに転写し、該フィルム上に造形用粒子
    からなる断面形状を形成することを特徴とする請求項1
    記載の立体物の造形方法。
  3. 【請求項3】前記第1の工程では、立体物の断面形状か
    ら離隔した一定の位置に前記樹脂材料からなる補助用粒
    子を付着させ、 第4の工程では、該補助用粒子も取り除くことを特徴と
    する請求項1または2に記載の立体物の造形方法。
  4. 【請求項4】前記第1の工程では、造形用粒子の溶着条
    件では溶着しない材料からなるサポート用粒子を立体物
    の断面形状に隣接させてフィルム上に付着させ、 第4の工程では、該サポート用粒子も取り除くことを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載の立体物の造形方
    法。
  5. 【請求項5】前記サポート用粒子として、造形用粒子よ
    りも融点が高い樹脂材料からなる粒子を用いることを特
    徴とする請求項4記載の立体物の造形方法。
  6. 【請求項6】前記フィルムとして、ロール状に巻かれ連
    続供給可能なものを用いることを特徴とする請求項1〜
    4の何れかに記載の立体物の造形方法。
  7. 【請求項7】前記フィルムとして、一定間隔で折り重ね
    られ連続供給可能なものを用いることを特徴とする請求
    項1〜4の何れかに記載の立体物の造形方法。
  8. 【請求項8】前記第1の工程の後に、造形用粒子および
    フィルムに圧力または熱の一方あるいは双方を加え、該
    造形用粒子をフィルム上に付着させることを特徴とする
    請求項1〜4の何れかに記載の立体物の造形方法。
  9. 【請求項9】前記第3の工程で、積層されたフィルムお
    よび造形用粒子に加熱と共に外径寸法を一定にする圧力
    を加え、該造形用粒子をフィルム上に熱圧着させること
    を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の立体物の造
    形方法。
  10. 【請求項10】前記フィルムとして造形用粒子の溶融温
    度付近で熱可塑性または熱硬化性を示す樹脂材料により
    構成されたものを用いることを特徴とする請求項1〜4
    の何れかに記載の立体物の造形方法。
  11. 【請求項11】前記第4の工程では、流体または粉体を
    吹き付けて断面形状以外の余分な部分を造形物から分離
    することを特徴とする請求項10記載の立体物の造形方
    法。
  12. 【請求項12】前記フィルムとして水溶性を有する材料
    により構成されたものを用い、 第4の工程では、水中に浸漬してあるいは水を吹き付け
    て断面形状以外の余分な部分を造形物から分離すること
    を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の立体物の造
    形方法。
  13. 【請求項13】前記第4の工程では、振動を加えて断面
    形状以外の余分な部分を造形物から分離することを特徴
    とする請求項10〜12の何れかに記載の立体物の造形
    方法。
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